JP6750326B2 - 端子付き電線 - Google Patents

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Description

本発明は、端子付き電線、および、端子付き電線の製造方法に関する。
従来、車両などに使用される電線の導体を、軽量化等を目的に、アルミニウムまたはアルミニウム合金で構成し、この導体に圧着端子を圧着した構成の端子付き電線が知られている(たとえば、特許文献1を参照)。
この種の端子付き電線では、図8(A)に示すように、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる導体100が酸素101に触れると、同図(B)に示すように、導体100の表面に酸化膜102が形成される。このため、同図(C)に示すように、電線の導体100に圧着端子103を圧着する際に、酸化膜102の介在によって導体100と圧着端子103間の電気抵抗が大きくなってしまう。なお、図8(C)は圧着端子103を圧着する前の状態を示している。
特開2013−182861号公報
従来においては、電線の導体に接続される端子に、セレーションと呼ばれる凹凸のパターンを形成し、圧着時(加圧時)にこのパターンのエッジ部分で酸化膜を破壊することにより、電気抵抗の増加を抑制している。
本発明の主な目的は、電線の導体に端子を接続する場合に、端子にセレーション等を形成しなくても、導体表面の酸化膜に起因した電気抵抗の増加を抑制することができる技術を提供することにある。
本発明の第1の態様は、
導体と、この導体を被覆する絶縁被覆と、を有する電線と、
前記電線の導体に接続される圧縮端子と、
を備え、
前記導体の一部が前記絶縁被覆の剥がしによって露出しているとともに、前記導体の露出部に金属細線が巻かれ、この金属細線が巻かれた前記露出部に前記圧縮端子が接続されている
端子付き電線である。
本発明の第2の態様は、
電線の導体を被覆する絶縁被覆を剥がして前記導体の一部を露出させる第1工程と、
前記導体の露出部に金属細線を巻く第2工程と、
前記金属細線が巻かれた前記導体の露出部に圧縮端子を接続することにより、前記金属細線の食い込みによって前記導体表面の酸化膜を破壊する第3工程と、
を含む端子付き電線の製造方法である。
本発明によれば、電線の導体に圧縮端子を接続する場合に、圧縮端子にセレーション等を形成しなくても、導体表面の酸化膜に起因した電気抵抗の増加を抑制することができる。
本発明の実施形態に係る端子付き電線の構成を説明するための模式図である。 本発明の実施形態に係る電線の構成を示す断面図である。 金属細線の巻き方向と導体の撚り方向の関係を説明する図である。 電線の導体に圧縮端子を接続するときの状態を示す部分断面図である。 端子接続時の様子を説明する図である。 本発明の他の実施形態を説明するもので、図中(A)は導体に巻かれる金属細線の形態を示す正面図、(B)は(A)に示す金属細線を導体に巻いた状態を示す側面図である。 本発明の実施形態に係る電線の他の構成を示す断面図である。 端子付き電線で生じる問題を説明する図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
<端子付き電線の構成>
図1は本発明の実施形態に係る端子付き電線の構成を説明するための模式図である。
本発明の実施形態に係る端子付き電線1は、電線2と、圧縮端子3と、を備えた構成となっている。端子付き電線1は、たとえば、自動車などの車両に用いることができる。もちろん、端子付き電線1は電気・電子機器等の車両以外の用途で用いることもできる。
(電線)
電線2は、導体4と、この導体4を被覆する絶縁被覆5と、を備えた構成となっている。
(導体)
導体4は、電線2の芯線を構成している。導体4は、たとえば、複合撚り線によって構成されている。複合撚り線とは、図2に示すように、複数の金属素線11を撚り合わせて集合撚り線12とし、この集合撚り線12を複数撚り合わせて構成されるものである。この場合、1本の集合撚り線12を構成する金属素線11の本数を「m」とし、1本の複合撚り線を構成する集合撚り線12の本数を「n」とすると、1本の導体(複合撚り線)4を構成する金属素線11の総本数は「m×n」となる。金属素線11は、たとえば、アルミニウムまたはアルミニウム合金によって構成されている。
電線2の導体4を複合撚り線によって構成する主な理由は、電線2の大電流化と高屈曲性を両立させることにある。すなわち、より多くの電流を電線2に流せるようには導体4の実効断面積(sq値)を大きくすることが有効であるが、そのために太い金属素線11を用いると屈曲性が低下する。また、屈曲性を高めるには細い金属素線11を用いることが有効であるが、細い金属素線11を集合撚りによって太くするにも限界がある。これに対して、本実施形態のように、複数の金属素線11を撚り合わせて集合撚り線12とし、この集合撚り線12を複数撚り合わせた複合撚り線によって導体4を構成すれば、細い金属素線11を使用した場合でも導体4の実効断面積を大きく確保したうえで、高い屈曲性を実現することができる。
(絶縁被覆)
絶縁被覆5は、絶縁材料によって構成されている。絶縁被覆5は、導体4の外周部を囲むように断面円形に形成されている。絶縁被覆5は、電線2の長さ方向の全長にわたって導体4を被覆している。ただし、図1に示すように、電線2の長さ方向の端部では絶縁被覆5が剥がされ、これによって導体4の一部(以下、「露出部」という。)4aが露出している。
電線2の径方向において、導体4と絶縁被覆5との間には押さえテープ6が介在している。押さえテープ6は、導体4と絶縁被覆5とを物理的に分離するように、導体4の外周部に巻かれている。
ただし、導体4の露出部4aでは、絶縁被覆5と一緒に押さえテープ6が剥がされている。また、導体4の露出部4aには、金属細線7が巻かれている。
(金属細線)
金属細線7は、電線2の導体4に圧縮端子3を接続する場合に、導体4表面の酸化膜を破壊するために、導体4の露出部4aに巻かれたものである。金属細線7は、たとえば、金属素線11と同様に、アルミニウムまたはアルミニウム合金によって構成されている。これにより、金属細線7と金属素線11とが、同一の、または、同等のイオン化傾向をもつ金属で構成されるため、それらの接触による腐食の進行を抑えることができる。
金属細線7は、金属素線11よりも細い金属線を用いて構成されている。好ましくは、金属細線7の外径(直径)は、金属素線11の外径の1/2以下に設定されている。金属細線7の外径を金属素線11の外径の1/2超に設定した場合は、後述する接続工程で金属細線7が金属素線11に食い込んだときに、金属素線11に過大なダメージを与えるおそれがある。特に、金属細線7の外径を金属素線11の外径と同等またはそれよりも太くした場合は、金属細線7の食い込みによって金属素線11が断線してしまうおそれがある。これに対して、金属細線7の外径を金属素線11の外径の1/2以下にすれば、金属細線7の食い込みによる金属素線11のダメージを軽減したうえで、導体4表面の酸化膜を破壊することができる。
金属細線7は、導体4の露出部4aに螺旋状に巻かれている。金属細線7は、導体4の露出部4a全体に巻かれている。金属細線7の一端は、導体4の先端面にテープ等によって留め付けられ、同他端は絶縁被覆5の外周面にテープ等によって留め付けられている。なお、金属細線7は、露出部4a全体ではなく一部だけに巻いてもよい。
ここで、電線2の長さ方向で隣り合う金属細線7間のピッチを、金属細線7のピッチp1(図1参照)とし、導体4を構成する撚り線の撚りピッチをp2(不図示)とすると、金属細線7は、導体4の撚り線の撚りピッチp2よりも小さいピッチp1で導体4の露出部4aに巻かれている。金属細線7のピッチp1は、導体4の撚り線の撚りピッチp2の1/10以下に設定することが好ましい。導体4の撚り線の撚りピッチp2は、たとえば本実施形態のように導体4を複合撚り線によって構成した場合は、この複合撚り線の撚りピッチ、具体的には導体4の外周部で各々の集合撚り線12を1周(360°回転)させるのに要するピッチで規定される。また、仮に導体4を集合撚り線12だけで構成した場合は、導体4の外周部で各々の金属素線11を1周(360°回転)させるのに要するピッチが、導体4の撚り線の撚りピッチとなる。
金属細線7は、導体4を構成している金属素線11と交差する状態で導体4の露出部4aに巻かれている。金属素線11に対して金属細線7を交差させるには、電線2の中心軸に対して、金属素線11の傾斜角度と金属細線7の傾斜角度を相対的に変えればよい。ただし、それらの傾斜角度の差が小さいと、金属素線11の沿うように金属細線7が巻かれてしまう。このため、好ましくは、図3に示すように、金属細線7の巻き方向R1を、導体4の撚り線の撚り方向R2と反対方向に設定するとよい。これにより、電線2の中心軸に対する金属細線7の傾斜角度によらず、導体4の表面(外周部)で金属細線7と金属素線11とを交差させた状態に配置することができる。導体4の撚り線の撚り方向R2は、たとえば本実施形態のように導体4を複合撚り線によって構成した場合は、導体4の外周部における集合撚り線12の撚り方向で規定される。また、仮に導体4を集合撚り線12だけで構成した場合は、導体4の外周部における金属素線11の撚り方向が、導体4の撚り線の撚り方向となる。
また、金属細線7と金属素線11の交差角度は、両者が平行状態のときを最小角度=0°とし、その平行状態から金属細線7または金属素線11を90°傾けたときを最大角度=90°とする。そうした場合、金属細線7と金属素線11の交差角度は、好ましくは30以上、より好ましくは45°以上、さらに好ましくは60°以上に設定するとよい。
(圧縮端子)
圧縮端子3は、圧縮部8と、接続部9と、を一体に有している。圧縮端子3は、たとえば、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる端子素材の表面に、錫メッキ、ニッケルメッキ又は銀メッキを施したものである。ただし、圧縮端子3は、アルミニウム以外の材料(たとえば、銅など)で構成してもよい。
圧縮部8は、電線2の導体4に接続される部分となる。圧縮部8は、円筒状に形成されている。圧縮部8の内部は、電線2の導体4の露出部4aを挿入可能な中空部14になっている。中空部14の一端(入口部分)は、電線2の導体4の外径よりも大きく開口している。
接続部9は、板状に形成されている。接続部9には、図示しない相手側端子との接続用孔15が設けられている。接続用孔15は、接続部15を厚み方向に貫通する状態で平面視円形に形成されている。接続部9の形状等は、相手側端子の形態に応じて任意に変更可能である。
<端子付き電線の製造方法>
続いて、本発明の実施形態に係る端子付き電線の製造方法について説明する。この端子付き電線の製造方法は、第1工程としての電線の剥がし工程と、第2工程としての金属細線の巻き工程と、第3工程としての接続工程と、を含む。以下、各工程について説明する。
(第1工程:電線の剥がし工程)
まず、導体4と、絶縁被覆5と、を有する電線2を用意したら、この電線2の長さ方向の端部で、導体4を被覆する絶縁被覆5と押さえテープ6とを剥がすことにより、導体4の一部(露出部)4aを露出させる。
(第2工程:金属細線の巻き工程)
次に、導体4の露出部4aに金属細線7を巻く。このとき、導体4を構成する撚り線の撚りピッチp2よりも小さいピッチp1で、1本の金属細線7を導体4の露出部4aに螺旋状に巻く。また、金属細線7の一端を導体4の先端面にテープ等で留め付けるとともに、同他端を絶縁被覆5の外周面にテープ等で留め付ける。
(第3工程:接続工程)
次に、図4に示すように、圧縮端子3の圧縮部8の中空部14に導体4の露出部4aを挿入し、その状態で導体4に圧縮端子3を圧縮する。このとき、圧縮部8の中空部14には、金属細線7が巻かれた状態の露出部4aを挿入する。これにより、圧縮による加圧力によって金属細線7が導体4の表面に食い込む。圧縮端子3の圧縮は、たとえば、図示しない圧縮工具を用いて、圧縮部8の複数の箇所に順に圧力P(P〜P)を加え、これによって圧縮部8の被加圧部を圧縮変形(塑性変形)させることにより行う。圧縮部8を加圧して圧縮変形させる箇所は、圧縮部8の中心軸方向に位置をずらして4箇所に設定されている。また、圧縮時の加圧方向は、接続部9の厚み方向(板厚方向)で圧縮部8を挟み込む方向に設定されている。
その際、導体4の露出部4aに金属細線7が巻かれていると、圧縮によって加えられる圧力Pに押されて圧縮部8が圧縮変形し、その過程で図5に示すように、金属細線7の各巻線部が圧縮部8の内周面と導体4の外周部との間に挟み込まれる。これにより、圧縮による加圧力Pが金属細線7の各巻線部に集中的に加わる。そうすると、圧縮による加圧力Pが金属細線7を通して導体4の表面にも伝わる。また、圧縮による加圧力Pは、金属細線7の各巻線部で、それぞれ局所的な荷重となって金属細線7から導体4の表面に加わる。このため、導体4の表面に酸化膜(不図示)が形成されていても、この酸化膜を突き破って金属細線7が導体4の表面に食い込む。特に、金属細線7の外径を金属素線11の外径の1/2以下の細さにすると、それに応じて金属細線7と金属素線11との接触面積が小さくなる。このため、金属細線7の各巻線部から導体4の表面に加わる局所加重を増大させることができる。
これにより、導体4をアルミニウムまたはアルミニウム合金で構成した場合でも、導体4表面の酸化膜が金属細線7によって破壊される。また、金属細線7をアルミニウムまたはアルミニウム合金で構成した場合でも、上記同様の原理により、金属細線7表面の酸化膜が金属素線11との接触によって破壊される。したがって、電線2の導体4と圧縮端子3とが、金属細線7の介在によって電気的に接続される。また、電線2と圧縮端子3とは、圧縮部8の圧縮変形によって機械的に接続される。
以上の製造方法により、絶縁被覆5の剥がしによって露出させた導体4の露出部4aに金属細線7が巻かれ、この金属細線7が巻かれた露出部4aに圧縮端子3の圧縮部8が接続された構成の端子付き電線1が得られる。
<実施形態の効果>
本実施形態によれば、以下に示す1つまたは複数の効果が得られる。
(a)本実施形態においては、電線2の導体4の露出部4aに巻かれた金属細線7の介在により、導体4表面の酸化膜を破壊することができる。このため、電線2の導体4と圧縮端子3とを低い電気抵抗で接続(導通)させることができる。したがって、圧縮端子3にセレーション等が形成されていなくても、導体4表面の酸化膜に起因した電気抵抗の増大を抑制することが可能となる。
(b)本実施形態においては、電線2の導体4を構成する金属素線11に比べて、これよりも細い金属細線7を露出部4aに巻いている。このため、圧縮による加圧力を局所荷重として導体4の表面に伝えることができる。
(c)本実施形態においては、金属細線7の外径を金属素線11の外径の1/2以下に設定している。これにより、金属細線7の食い込みによる金属素線11のダメージを軽減したうえで、導体4表面の酸化膜を破壊することができる。
(d)本実施形態においては、導体4を構成する撚り線の撚りピッチよりも小さいピッチで金属細線7を導体4の露出部4aに巻いている。これにより、導体4の露出部4aに高い密度で金属細線7を配置し、多くの箇所で導体4表面の酸化膜をより破壊することができる。
(e)本実施形態においては、導体4の露出部4aに金属細線7を螺旋状に巻いている。これにより、導体4の円周方向に金属細線7が連続して存在することになるため、同方向で導体4表面の酸化膜を連続的に破壊することができる。
(f)本実施形態においては、金属素線11と交差する状態で導体4の露出部4aに金属細線7を巻いている。これにより、導体4を構成する金属素線11に対して、圧縮による加圧力を確実に伝えることができる。
(g)本実施形態においては、金属細線7の巻き方向R1を金属素線11の撚り方向R2とは反対方向に設定している。これにより、金属細線7と金属素線11とを確実に交差させて配置することができる。
<他の実施形態>
図6は本発明の他の実施形態を説明するもので、図中(A)は導体に巻かれる金属細線の形態を示す正面図、(B)は(A)に示す金属細線を導体に巻いた状態を示す側面図である。
本実施形態においては、先の実施形態と比較して、電線2の導体4の露出部4aに巻かれる金属細線7の形態が異なる。すなわち、先の実施形態では、導体4の露出部4aに金属細線7を螺旋状に巻いているが、本実施形態では、図6(A)に示すように金属細線7を網目構造とし、この金属細線7を図6(B)に示すように導体4の露出部4aに巻いている。
実際に端子付き電線1を製造する場合は、まず、第1工程で絶縁被覆5を剥いて導体4の一部(露出部4a)を露出させた後、第2工程で導体4の露出部4aに金属細線7を巻く。その際、第2工程では、図6(A)に示すように、複数の金属細線7を相互に絡み合わせる形態で、予め金属細線7を網目構造に形成しておく。その際、網目構造の交差部では、金属細線7どうしを重なり合う状態に配置する。また、金属細線7は、全体的に四角いシート状をなし、菱形模様を形成するように編み込む。
ちなみに、金属細線7の外径は、先の実施形態と同様に設定することが好ましい。また、網目構造のなかで互いに平行して隣り合う金属細線7間のピッチを、金属細線7のピッチp3とし、導体4を構成する撚り線の撚りピッチをp2(不図示)とすると、金属細線7のピッチp3は、導体4の撚り線の撚りピッチp2よりも小さく設定(より好ましくは、撚りピッチp2の1/10以下に設定)することが好ましい。
次に、第2工程では、図6(B)に示すように、網目構造の金属細線7で導体4の全周をくるむように、導体4の露出部4aにシート状の金属細線7を巻く。このとき、導体4の円周方向において、シート状の金属細線7の一辺と他辺を導電性テープ等で留め付ける。導電性テープ等による留め付け箇所は、導体4の円周方向において、圧縮時の加圧方向と直交する方向に設定すればよい。
その後、第3工程では、網目構造の金属細線7が巻かれた導体4の露出部4aに圧縮端子3を接続する。このとき、圧縮による加圧力によって金属細線7を導体4表面に食い込ませる。これにより、先の実施形態と同様に、導体4表面の酸化膜が金属細線7によって破壊される。このため、電線2の導体4と圧縮端子3とが、金属細線7の介在によって電気的に接続される。
本発明の他の実施形態によれば、先の実施形態と同様の効果(a)〜(g)が得られる。このうち、効果(e)については、網目構造の金属細線7を導体4の露出部4aに巻くことで、導体4の円周方向に金属細線7が連続して存在した状態となるため、同方向で導体4表面の酸化膜を連続的に破壊することができる。また、効果(g)については、網目構造を構成する複数の金属細線7のうち、少なくとも半数程度の金属細線7の巻き方向が金属素線11の撚り方向とは反対方向になるため、それらを確実に交差させて配置することができる。
さらに、本発明の他の実施形態によれば、次のような効果が得られる。すなわち、導体4の露出部4aに金属細線7を巻く場合に、金属細線7を網目構造に形成しておけば、これを導体4に1周巻くだけで、導体4の外周に金属細線7を密に配置することができる。これにより、導体4の露出部4aに対する金属細線7の巻き作業を簡素化することができる。このため、端子付き電線1を効率良く製造することができる。
<変形例等>
本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
たとえば、電線2に関しては、導体4を集合撚り線12だけで構成してもよい。また、導体4を構成する金属素線11は、必ずしも撚り線である必要はない。また、電線2の断面構造は、上記図2に示す構造に限らない。また、絶縁被覆5は単層ではなく複数の層で構成してもよい。また、電線2は単芯に限らず、複数の芯線(たとえば、三芯など)を有するものであってもよい。また、網目構造の金属細線7は、菱形模様に限らず、格子模様を形成するように編み込んだものでもよい。また、導体4を構成する金属素線11の材料には、アルミニウム系以外の材料(好ましくは、金属細線7よりも硬い材料)を用いてもよい。
また、圧縮端子3に関しては、圧縮部8を加圧して圧縮変形させる箇所は、4箇所に限らず、4箇所よりも少ない箇所、または、多い箇所を加圧してもよい。また、圧縮部8は円筒状に形成されたものに限らず、図示はしないが一対のバレルで導体4を両側から挟むように圧縮するタイプでもよい。また、圧縮端子3の素材には、アルミニウム系以外の材料を用いてもよい。
また、金属細線7は、電線2を製造した後ではなく、電線2を製造する段階で巻いてもよい。以下、具体的に説明する。
まず、電線2の製造工程には、芯線となる導体4を作製する工程と、作製した導体4に金属細線7を巻く工程と、金属細線7が巻かれた導体4に押さえテープ6を巻き付ける工程と、金属細線7が巻かれた導体4を絶縁被覆5で被覆する工程と、が含まれる。
導体4を作製する工程では、複数の金属素線11を撚り合わせることにより、集合撚り線12を作製するとともに、この集合撚り線12を複数作製する。さらに、複数の集合撚り線12を撚り合わせることにより、複合撚り線からなる導体4を作製する。
金属細線7を巻く工程では、導体4の長さ方向の一端から他端にわたって導体4の外周に金属細線7を螺旋状に巻く。このように、導体4に金属細線7を巻いておけば、その後の工程で、導体4に押さえテープ6の巻き付けて、導体4を絶縁被覆5で被覆することにより、絶縁被覆5で被覆された導体4に金属細線7が巻かれた状態の電線2が得られる。
金属細線7を巻く工程は、導体4を作製する工程のなかで行ってもよい。具体的には、複数の金属素線11を撚り合わせて集合撚り線12を作製した後、複数の集合撚り線12を撚り合わせる前に、各々の集合撚り線12を対象に、集合撚り線12ごとに金属細線7を巻いてもよい。そして、図7に示すように、それぞれに金属細線7が巻かれた複数の集合撚り線12を撚り合わせることにより、複合撚り線からなる導体4を作製してもよい。また、各々の集合撚り線12の外周に金属細線7を巻いたうえで、それらを複合撚りした導体(複合撚り線)4の外周に金属細線7を巻いてもよい。また、集合撚り線12を対象に金属細線7を巻く場合は、複合撚りの対象となる複数の集合撚り線12の全部に金属細線7を巻いてもよいし、一部(たとえば、半数)の集合撚り線12だけに金属細線7を巻いてもよい。また、金属細線7を巻いた集合撚り線12だけで導体4を構成してもよい。
ちなみに、電線2の導体4を複合撚り線によって構成する場合は、集合撚り線12および複合撚り線のうち少なくとも一方の撚り線に金属細線7が巻かれていれば、圧縮端子3との接続時に導体4表面の酸化膜を金属細線7で破壊することができる。
また、複合撚りの対象となる集合撚り線12ごとに金属細線7を巻く形態は、導体4の実効断面積が広い大口径(好ましくは、50sq以上)のタイプに適用することが好ましい。その理由は、次のとおりである。すなわち、電線2の大電流化と高屈曲性を両立させるには、先述したとおり細い金属素線11を多数用いた複合撚り線によって導体4を構成することが有効であるが、酸化膜は金属素線11ごとに形成されるため、導体4を複合撚り線によって構成すると、金属素線11の本数に応じて酸化膜の形成領域(面積)が増える。このため、酸化膜に起因した電気抵抗の増加への影響が大きくなる。
これに対して、複合撚りの対象となる集合撚り線12ごとに金属細線7を巻いた形態を採用すると、導体4の外周部だけでなく、導体4の内周側にも、金属細線7の巻線部が多数配置される。このため、導体4の外周部に配置された金属素線11の酸化膜だけでなく、導体4の内周側に配置された金属素線11の酸化膜についても、金属細線7の食い込みによって破壊することができる。これにより、複合撚り線からなる導体4の断面全体で金属素線11どうしを電気的に接続することができる。したがって、酸化膜に起因した電気抵抗の増加をより有効に抑制することが可能となる。
また、本発明は、端子付き電線やその製造方法の発明だけでなく、電線やその製造方法の発明として具現化することもできる。
<本発明の好ましい態様>
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
(付記1)
導体と、この導体を被覆する絶縁被覆と、を有する電線と、
前記電線の導体に接続される圧縮端子と、
を備え、
前記導体の一部が前記絶縁被覆の剥がしによって露出しているとともに、前記導体の露出部に金属細線が巻かれ、この金属細線が巻かれた前記露出部に前記圧縮端子が接続されている
端子付き電線。
(付記2)
前記導体は、複数の金属素線によって構成され、
前記金属細線は、前記金属素線よりも細い
付記1に記載の端子付き電線。
(付記3)
前記金属細線の外径は、前記金属素線の外径の1/2以下である
付記2に記載の端子付き電線。
(付記4)
前記導体は、複数の金属素線を撚り合わせた撚り線によって構成され、
前記金属細線は、前記導体を構成する撚り線の撚りピッチよりも小さいピッチで前記導体の露出部に巻かれている
付記1〜3のいずれか1つに記載の端子付き電線。
(付記5)
前記金属細線は、前記撚りピッチの1/10以下のピッチで前記導体の露出部に巻かれている
付記4に記載の端子付き電線。
(付記6)
前記金属細線は、前記導体の露出部に螺旋状に巻かれている
付記1〜5のいずれか1つに記載の端子付き電線。
(付記7)
前記金属細線の巻き方向は、前記金属細線が巻かれた前記金属素線の撚り方向と反対方向になっている
付記6に記載の端子付き電線。
(付記8)
前記金属細線は、網目構造に形成されている
付記1〜5のいずれか1つに記載の端子付き電線。
(付記9)
前記金属細線は、前記金属細線と交差する状態で前記導体の露出部に巻かれている
付記1〜8のいずれか1つに記載の端子付き電線。
(付記10)
前記金属素線は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる
付記1〜9のいずれか1つに記載の端子付き電線。
(付記11)
前記金属細線は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる
付記1〜10のいずれか1つに記載の端子付き電線。
(付記12)
電線の導体を被覆する絶縁被覆を剥がして前記導体の一部を露出させる第1工程と、
前記導体の露出部に金属細線を巻く第2工程と、
前記金属細線が巻かれた前記導体の露出部に圧縮端子を接続することにより、前記金属細線の食い込みによって前記導体表面の酸化膜を破壊する第3工程と、
を含む端子付き電線の製造方法。
(付記13)
前記第2工程では、前記導体の露出部に前記金属細線を螺旋状に巻く
付記12に記載の端子付き電線の製造方法。
(付記14)
前記第2工程では、前記金属細線を予め網目構造に形成しておき、この網目構造の金属細線を前記導体の露出部に巻く
付記12に記載の端子付き電線の製造方法。
(付記15)
導体と、この導体を被覆する絶縁被覆と、を有する電線であって、
前記導体に金属細線が巻かれている
電線。
(付記16)
前記導体は、複数の金属素線によって構成され、
前記金属細線は、前記金属素線よりも細い
付記15に記載の電線。
(付記17)
前記金属細線の外径は、前記金属素線の外径の1/2以下である
付記15に記載の電線。
(付記18)
前記導体は、複数の金属素線を撚り合わせた撚り線によって構成され、
前記金属細線は、前記導体を構成する撚り線の撚りピッチよりも小さいピッチで前記導体に巻かれている
付記15〜17のいずれか1つに記載の電線。
(付記19)
前記金属細線は、前記撚りピッチの1/10以下のピッチで前記導体の露出部に巻かれている
付記18に記載の電線。
(付記20)
前記導体は、複数の金属素線を撚り合わせて集合撚り線とし、この集合撚り線を複数撚り合わせた複合撚り線によって構成され、
前記金属細線は、前記集合撚り線および前記複合撚り線のうち少なくとも一方の撚り線に巻かれている
付記15〜19のいずれか1つに記載の電線。
(付記21)
導体と、この導体を被覆する絶縁被覆と、を有する電線の製造方法であって、
前記導体を作製する工程と、
前記作製した導体に金属細線を巻く工程と、
前記金属細線が巻かれた導体を絶縁被覆で被覆する工程と、
を含む電線の製造方法。
(付記22)
前記導体を作製する工程では、複数の金属素線を寄り合わせて集合撚り線とし、この集合撚り線を複数撚り合わせた複合撚り線として前記導体を作製し、
前記金属細線を巻く工程は、前記導体の作製する工程のなかで、前記集合撚り線および前記複合撚り線のうち少なくとも一方の撚り線に金属細線を巻くことにより行う
付記21に記載の電線の製造方法。
1…端子付き電線
2…電線
3…圧縮端子
4…導体
4a…露出部
5…絶縁被覆
7…金属細線
8…圧縮部
12…集合撚り線

Claims (3)

  1. 実効断面積が50sq以上である導体と、この導体を被覆する絶縁被覆と、を有する電線と、
    前記電線の導体に接続される圧縮端子と、
    を備え、
    前記導体の一部が前記絶縁被覆の剥がしによって露出しているとともに、前記導体の露出部に金属細線が巻かれ、この金属細線が巻かれた前記露出部に前記圧縮端子が接続されている端子付き電線であって、
    前記導体は、複数の金属素線を撚り合わせて集合撚り線とし、この集合撚り線を複数撚り合わせた複合撚り線によって構成され、
    前記金属細線は、前記金属素線の外径の1/2以下であると共に、前記集合撚り線の撚り方向と反対方向になるように、前記集合撚り線ごとに巻かれ、
    前記圧縮端子は、複数の圧縮部において前記集合撚り線の前記金属素線に前記金属細線が食い込んで接続されている
    端子付き電線。
  2. 前記金属素線は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる
    請求項1に記載の端子付き電線。
  3. 前記金属細線は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる
    請求項1または2に記載の端子付き電線。
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