JP5885346B2 - 圧着端子付きアルミニウム電線および圧着端子付きアルミニウム電線の製造方法 - Google Patents

圧着端子付きアルミニウム電線および圧着端子付きアルミニウム電線の製造方法 Download PDF

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本発明は、複数のアルミニウム素線が束ねられた導体部に圧着端子が圧着されてなる圧着端子付きアルミニウム電線、および圧着端子付きアルミニウム電線の製造方法に関する。
従来、車両に配索されるワイヤーハーネス等に用いられる端子付き電線には、複数の素線が束ねられた導体部に圧着端子が圧着されてなる圧着端子付き電線が用いられている。
ところで、近年、自動車業界では環境への配慮から、車両を軽量化することによって燃費を向上させることが重要な課題となっている。このため、銅に比して軽量なアルミニウム、あるいはアルミニウム合金を素線の材料として用いた圧着端子付きアルミニウム電線が注目されている。
ところが、アルミニウム素線は、銅製の素線に比してその表面に酸化被膜が形成され易いため、アルミニウム素線とアルミニウム素線との間、あるいはアルミニウム素線と圧着端子との間で接触抵抗が増大してしまうという問題がある。
この問題を解消するため、例えば、特許文献1には、アルミニウム素線に形成された酸化被膜を破壊することによってアルミニウム素線とアルミニウム素線との間、あるいはアルミニウム素線と圧着端子との間での接触抵抗を低下させるようにした圧着端子付きアルミニウム電線が記載されている。
特許文献1に記載された圧着端子付きアルミニウム電線は、圧着端子が導体部に圧着される際、圧着端子に設けられた溝によって、導体部を構成する各アルミニウム素線が効率よく延ばされ、延びた部分の酸化被膜が破壊されることによって形成された新生面に対して、圧着端子に形成されたアルミニウムおよびアルミニウム合金に対して凝着作用を有する被膜が凝着されるようにしている。
特開2009−176673号公報
しかしながら、特許文献1に記載された圧着端子付きアルミニウム電線は、導体部を構成するアルミニウム素線の本数が多くなると、すなわち導体部が太径になると、アルミニウム素線は導体部の径方向内側に配置されるほど、圧着端子の圧着による延び量が相対的に小さくなり、酸化被膜が破壊されて形成される新生面の面積が相対的に小さくなるので、接触抵抗が増加し、結果的にアルミニウム電線と圧着端子との接続信頼性が低下してしまうという問題あった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、多数のアルミニウム素線が束ねられた導体部を有してなるアルミニウム電線と、導体部に圧着される圧着端子との接続信頼性が低下することを防止することができる圧着端子付きアルミニウム電線および圧着端子付きアルミニウム電線の製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の請求項1に係る圧着端子付きアルミニウム電線は、複数のアルミニウム素線が束ねられた導体部を含むアルミニウム電線と、前記導体部に圧着される圧着端子とを有してなる圧着端子付きアルミニウム電線において、前記複数のアルミニウム素線のうち、前記導体部の最外周側の複数のアルミニウム素線よりも内側にある複数のアルミニウム素線を束ねるように、かつ前記圧着端子によって前記導体部が圧着される位置に配置され、アルミニウムとの凝着が可能な金属箔である凝着用金属箔を有してなることを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係る圧着端子付きアルミニウム電線は、上記の発明において、前記凝着用金属箔は、前記最外周側の複数のアルミニウム素線に接触される位置に配置されることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に係る圧着端子付きアルミニウム電線は、上記の発明において、前記凝着用金属箔は、前記最外周側の複数のアルミニウム素線よりも内側にある複数のアルミニウム素線を筒内に束ねるように筒状に形成されてなることを特徴とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の請求項4に係る圧着端子付きアルミニウム電線の製造方法は、複数のアルミニウム素線が束ねられた導体部を含むアルミニウム電線と、前記導体部に圧着される圧着端子とを有してなる圧着端子付きアルミニウム電線の製造方法において、前記複数のアルミニウム素線を束ねる工程で、前記複数のアルミニウム素線のうち、最外周側の複数のアルミニウム素線よりも内側にある複数のアルミニウム素線を束ねるように、かつ前記圧着端子によって前記導体部が圧着される位置にアルミニウムとの凝着が可能な金属箔である凝着用金属箔を配置する凝着用金属箔配置工程を含むことを特徴とする。
本発明の請求項1に係る圧着端子付きアルミニウム電線は、前記凝着用金属箔が前記最外周側の複数のアルミニウム素線と、前記最外周側の複数のアルミニウム素線よりも内側にある複数のアルミニウム素線との間に配置された状態で、前記導体部が前記圧着端子によって圧着されるので、圧着によって酸化被膜が破壊されて発生した前記内側にある複数のアルミニウム素線の各新生面に対して前記凝着用金属箔が凝着され、該凝着用金属箔を間にして前記複数のアルミニウム素線が一体化されるため、多数のアルミニウム素線が束ねられた導体部を有してなるアルミニウム電線と、導体部に圧着される圧着端子との接続信頼性が低下することを防止することができる。
本発明の請求項2に係る圧着端子付きアルミニウム電線は、前記内側にあるアルミニウム素線が前記圧着端子に直接接触される最外周側の複数のアルミニウム素線に対して、前記凝着用金属箔を介して電気的に接続され易くなるので、アルミニウム電線と圧着端子との接続信頼性の低下を防止する効果をより高めることができる。
本発明の請求項3に係る圧着端子付きアルミニウム電線は、筒状の前記凝着用金属箔の筒内に前記複数のアルミニウム素線を束ねるだけで前記凝着用金属箔をセットすることができるので、製造が容易である。
本発明の請求項4に係る圧着端子付きアルミニウム電線の製造方法は、前記凝着用金属箔が前記最外周側の複数のアルミニウム素線と、前記最外周側の複数のアルミニウム素線よりも内側にある複数のアルミニウム素線との間に配置された状態で、前記導体部が前記圧着端子によって圧着されるので、前記圧着端子により圧着されることによって酸化被膜が破壊されて発生した前記内側にある複数のアルミニウム素線の各新生面に対して前記凝着用金属箔が凝着され、該凝着用金属箔を間にして前記複数のアルミニウム素線が一体化されるため、多数のアルミニウム素線が束ねられた導体部を有してなるアルミニウム電線と、導体部に圧着される圧着端子との接続信頼性が低下することを防止することができ、しかも、前記複数のアルミニウム素線を束ねる工程で前記凝着用金属箔がセットされるため、前記導体部に前記圧着端子を圧着する工程が煩雑にならない。
図1は、本発明の実施例に係る圧着端子付きアルミニウム電線の分解斜視図である。 図2は、図1に示したアルミニウム電線の絶縁被覆部を含む部分の横断面図である。 図3は、図2に示したアルミニウム電線のA―A線断面図である。 図4は、図1に示した圧着端子付きアルミニウム電線を端末部側から視た図である。 図5は、圧着端子付きアルミニウム電線の製造方法を示した図である。 図6は、圧着端子付きアルミニウム電線の製造方法を示した図である。 図7は、本発明の実施例の変形例1の圧着端子付きアルミニウム電線のアルミニウム電線の絶縁被覆部を含む部分の横断面図である。 図8は、本発明の実施例の変形例2の圧着端子付きアルミニウム電線のアルミニウム電線の絶縁被覆部を含む部分の横断面図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る圧着端子付きアルミニウム電線および圧着端子付きアルミニウム電線の製造方法の好適な実施例を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例に係る圧着端子付きアルミニウム電線1の分解斜視図である。図2は、図1に示したアルミニウム電線20の絶縁被覆部21を含む部分の横断面図である。図3は、図2に示したアルミニウム電線20のA―A線断面図である。図4は、図1に示した圧着端子付きアルミニウム電線1を端末部20a側から視た図である。
本発明の実施例に係る圧着端子付きアルミニウム電線1は、複数のアルミニウム素線10が束ねられた導体部11を含むアルミニウム電線20と、導体部11に圧着される圧着端子30と、アルミニウムとの凝着が可能な金属箔である凝着用金属箔40と、を有してなる。
まず、アルミニウム電線20について説明する。
アルミニウム電線20は、複数のアルミニウム素線10が束ねられてなる導体部11の外周面が絶縁被覆部21によって覆われてなる。
アルミニウム素線10は、アルミニウム製、あるいはアルミニウム合金製であり、複数本束ねられることによって電線の導体部11を構成する。
絶縁被覆部21は、絶縁性の合成樹脂からなり、導体部11の全周を包囲するように形成されることによって、導体部11を外部から絶縁可能に保護するものである。
このようなアルミニウム電線20は、端末部20aの絶縁被覆部21が除去されることによって露出された導体部11に圧着端子30が圧着されるようになっている。
次に、圧着端子30について説明する。
圧着端子30は、銅、あるいは銅合金等の金属からなる平板が金型プレス加工され、さらに折り曲げ加工されることによって形成された端子金具である。この圧着端子30は、不図示の相手接続先との接続部分となる相手接続部31と、アルミニウム電線20の露出された導体部11に圧着されるワイヤーバレル部32と、絶縁被覆部21に圧着されるインシュレーションバレル部33とを有してなる。
相手接続部31は、外形円形状の平板の略中央に円形状の貫通孔31aが形成されてなり、この貫通孔31aにボルト等の固定部材が挿通されて不図示の相手接続先に固定されるようになっている。なお、相手接続部31は、相手接続先に電気的に接続されるようになっていれば、その他の形状であっても構わない。
ワイヤーバレル部32は、相手接続部31とインシュレーションバレル部33との間に形成され、露出された導体部11が載置される底面を形成する壁からなる底壁部32aと、この底壁部32aの両縁が片状に起立された一対の側壁部32bとを有してなる。この一対の側壁部32bが、いわゆるアンビル、クリンパ等の圧着用の冶具を用いて内側に曲げられることによって導体部11に圧着されるようになっている。
インシュレーションバレル部33は、圧着端子30の相手接続部31とは逆側の端部を形成し、ワイヤーバレル部32の底壁部32aに連接され、絶縁被覆部21が残されたアルミニウム電線20の端末部20aが載置される底壁部33aと、この底壁部33aの両縁が片状に起立された一対の側壁部33bとを有してなる。この一対の側壁部33bが、ワイヤーバレル部32と同様に圧着用の冶具を用いて内側に曲げられることによって絶縁被覆部21に圧着されるようになっている。
凝着用金属箔40は、スズ(Sn)、銅(Cu)、あるいは、アルミニウム合金等、アルミニウムとの凝着が可能な金属箔である。
この凝着用金属箔40は、複数のアルミニウム素線10のうち、導体部11の最外周側の複数のアルミニウム素線群10a(以下、「最外周側アルミニウム素線群」という。)よりも内側にある複数のアルミニウム素線群10b(以下、「内側アルミニウム素線群」という。)を束ねるように、かつ圧着端子30によって導体部11が圧着される位置に配置される。
より具体的には、凝着用金属箔40は、内側アルミニウム素線群10bを筒内に束ねるように筒状に形成されてなる。
このため、圧着端子30がアルミニウム電線20の露出された導体部11に圧着された場合、図4に示すように、凝着用金属箔40の各面が最外周側アルミニウム素線群10aと、内側アルミニウム素線群10bとに密着される。このため、圧着端子30が圧着されることによって最外周側アルミニウム素線群10a、および内側アルミニウム素線群10bの各アルミニウム素線10の酸化被膜が破壊されて露出された新生面に凝着用金属箔40が凝着される。
次に、図5および図6を用いて圧着端子付きアルミニウム電線1の製造方法について説明する。図5および図6は、圧着端子付きアルミニウム電線1の製造方法を示した図である。
まず、作業者は、内側アルミニウム素線群10bを束ねる(図5(a)参照)。この内側アルミニウム素線群束ね工程によって、内側アルミニウム素線群10bは、複数のアルミニウム素線10が撚り合わされるようにして束ねられる。
その後、作業者は、束ねられた内側アルミニウム素線群10bの外周全域を覆うように凝着用金属箔40をセットする(図5(b)参照)。この凝着用金属箔配置工程によって、凝着用金属箔40が内側アルミニウム素線群10bを筒内に束ね、かつ導体部11が圧着端子30によって圧着される位置に配置される。ここで、凝着用金属箔40は、筒状であるため、内側アルミニウム素線群10bを容易に束ねることができる。
その後、作業者は、凝着用金属箔40の外周面を覆うように最外周側アルミニウム素線群10aを束ねる(図5(c)参照)。この最外周側アルミニウム素線群束ね工程によって、凝着用金属箔40の各面が最外周側アルミニウム素線群10aと、内側アルミニウム素線群10bとに接触される。
その後、作業者は、束ねられた最外周側アルミニウム素線群10aの外周全域を覆うように絶縁被覆部21をセットする(図5(d)参照)。この絶縁被覆部セット工程によって、アルミニウム電線20が完成される。
その後、作業者は、アルミニウム電線20の端末部20aの絶縁被覆部21を除去する(図6(a)参照)。この絶縁被覆部除去工程によって、アルミニウム電線20の導体部11が圧着端子30に圧着されるように露出される。
その後、作業者は、アルミニウム電線20に圧着端子30を圧着することによって圧着端子付きアルミニウム電線1が完成される(図6(b)、図6(c)参照)。この端子圧着工程によって、ワイヤーバレル部32が露出されたえ導体部11に圧着されることによって、圧着端子30と導体部11とが電気的に接続される。
また、各アルミニウム素線10は、ワイヤーバレル部32に圧着された部分が延ばされ、酸化被膜が破壊されることによって各所に新生面が形成される。各所に形成された新性面のうち、最外周側アルミニウム素線群10a、および内側アルミニウム素線群10bの凝着用金属箔40側の面に形成された各新生面に凝着用金属箔40が凝着されることによって、最外周側アルミニウム素線群10aと内側アルミニウム素線群10bとが一体となり、電気的に接続される。
本発明の実施例に係る圧着端子付きアルミニウム電線1は、凝着用金属箔40が最外周側アルミニウム素線群10aと、内側アルミニウム素線群10bとの間に配置された状態で、導体部11が圧着端子30によって圧着されるので、圧着によって酸化被膜が破壊されて発生した内側アルミニウム素線群10b、および最外周側アルミニウム素線群10aの各新生面に対して凝着用金属箔40が凝着され、凝着用金属箔40を間にして最外周側アルミニウム素線群10aと、内側アルミニウム素線群10bとが一体化されるため、多数のアルミニウム素線10が束ねられた導体部11を有してなるアルミニウム電線20と、導体部11に圧着される圧着端子30との接続信頼性が低下することを防止することができる。
また、本発明の実施例に係る圧着端子付きアルミニウム電線1は、内側のアルミニウム素線10bが圧着端子30に直接接触される最外周側の複数のアルミニウム素線10bに対して、凝着用金属箔40を介して電気的に接続され易くなるので、アルミニウム電線20と圧着端子30との接続信頼性の低下を防止する効果をより高めることができる。
また、本発明の実施例に係る圧着端子付きアルミニウム電線1は、筒状の凝着用金属箔40の筒内に内側アルミニウム素線群10bを束ねるだけで凝着用金属箔40をセットすることができるので、製造が容易である。
また、本発明の実施例に係る圧着端子付きアルミニウム電線の製造方法は、凝着用金属箔40が最外周側アルミニウム素線群10aと、内側アルミニウム素線群10bとの間に配置された状態で、導体部11が圧着端子30によって圧着されるので、圧着によって酸化被膜が破壊されて発生した内側アルミニウム素線群10b、および最外周側アルミニウム素線群10aの各新生面に対して凝着用金属箔40が凝着され、凝着用金属箔40を間にして最外周側アルミニウム素線群10aと、内側アルミニウム素線群10bとが一体化されるため、多数のアルミニウム素線10が束ねられた導体部11を有してなるアルミニウム電線20と、導体部11に圧着される圧着端子30との接続信頼性が低下することを防止することができ、しかも、複数のアルミニウム素線10を束ねる工程で凝着用金属箔40がセットされるため、導体部11に圧着端子30を圧着する工程が煩雑にならない。
(変形例1)
次に、図7を用いて本発明の実施例の圧着端子付きアルミニウム電線1の変形例1について説明する。図7は、本発明の実施例の変形例1の圧着端子付きアルミニウム電線2のアルミニウム電線50の断面図である。
この変形例1の圧着端子付きアルミニウム電線2は、凝着用金属箔40,40が複数のアルミニウム素線を径方向で2重に束ねるようにして配置されている点で実施例の圧着端子付きアルミニウム電線1と異なる。
なお、その他の構成は実施例と同様であり、実施例と同一構成部分には同一符号を付している。
この変形例1の圧着端子付きアルミニウム電線2は、実施例1の圧着端子付きアルミニウム電線1と同様の効果を奏するとともに、実施例の圧着端子付きアルミニウム電線1に比して最外周側アルミニウム素線群10aよりも内側に、より多くの凝着用金属箔40,40が配置されるので、アルミニウム電線20と圧着端子30との接続信頼性の低下を防止する効果をより高めることができる。
なお、この変形例1の圧着端子付きアルミニウム電線2では、凝着用金属箔40が複数のアルミニウム素線10を径方向で2重に束ねるようにして配置されるものを例示したが、導体部11を構成するアルミニウム素線10の数の増加に応じて、凝着用金属箔40がより多重で複数のアルミニウム素線10を束ねるように配置されるようにしてもよい。
(変形例2)
次に、図8を用いて本発明の実施例の圧着端子付きアルミニウム電線1の変形例2について説明する。図8は、本発明の実施例の変形例2の圧着端子付きアルミニウム電線3のアルミニウム電線60の断面図である。
この変形例2の圧着端子付きアルミニウム電線3は、凝着用金属箔70が筒状でない点で実施例の圧着端子付きアルミニウム電線1と異なる。
なお、その他の構成は実施例と同様であり、実施例と同一構成部分には同一符号を付している。
この変形例2の圧着端子付きアルミニウム電線3は、凝着用金属箔70が内側アルミニウム素線群10bを束ねるように断面C状に形成されてなる。
この変形例2の圧着端子付きアルミニウム電線3は、実施例の圧着端子付きアルミニウム電線1に比して内側アルミニウム素線群10b、あるいは最外周側アルミニウム素線群10aの新生面に凝着される凝着用金属箔70の面積が小さくなるものの、実施例1の圧着端子付きアルミニウム電線1と同様に、多数のアルミニウム素線10が束ねられた導体部11を有してなるアルミニウム電線60と、導体部11に圧着される圧着端子30との接続信頼性が低下することを防止することができる。
なお、本発明の実施例に係る圧着端子付きアルミニウム電線1,2,3は、複数のアルミニウム素線10を束ねる工程で、凝着用金属箔40,70がセットされるものを例示したが、これに限らず、凝着用金属箔40,70は、最外周側アルミニウム素線群10aよりも内側にある内側アルミニウム素線群10bを束ねるように、かつ導体部11が圧着端子30によって圧着される位置に配置されていればよい。例えば、圧着端子30の圧着工程で、圧着端子30によって圧着される部分にだけに凝着用金属箔をセットするようにしてもよい。
また、本発明の実施例に係る圧着端子付きアルミニウム電線1,2,3は、凝着用金属40,70が最外周側アルミニウム素線群10aに接触されるように配置されるものを例示したが、これに限らず、凝着用金属箔は、最外周側アルミニウム素線群10aよりも内側にある内側アルミニウム素線群10bを束ねるように配置されていればよい。例えば、図7に示す圧着端子付きアルミニウム電線2の2重に配置された凝着用金属箔40,40のうち、径方向内側の凝着用金属箔40のみを設けるようにしてもよい。
以上、本発明者によってなされた発明を、上述した発明の実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、上述した発明の実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
1、2、3 圧着端子付きアルミニウム電線
10 アルミニウム素線
10a 最外周側アルミニウム素線群
10b 内側アルミニウム素線群
11 導体部
20、50、60 アルミニウム電線
20a 端末部
21 絶縁被覆部
30 圧着端子
31 相手接続部
31a 貫通孔
32 ワイヤーバレル部
32a 底壁部
32b 側壁部
33 インシュレーションバレル部
33a 底壁部
33b 側壁部
40、70 凝着用金属箔

Claims (4)

  1. 複数のアルミニウム素線が束ねられた導体部を含むアルミニウム電線と、前記導体部に圧着される圧着端子とを有してなる圧着端子付きアルミニウム電線において、
    前記複数のアルミニウム素線のうち、前記導体部の最外周側の複数のアルミニウム素線よりも内側にある複数のアルミニウム素線を束ねるように、かつ前記導体部が前記圧着端子によって圧着される位置に配置され、アルミニウムとの凝着が可能な金属箔である凝着用金属箔を有してなることを特徴とする圧着端子付きアルミニウム電線。
  2. 前記凝着用金属箔は、
    前記最外周側の複数のアルミニウム素線に接触される位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の圧着端子付きアルミニウム素線。
  3. 前記凝着用金属箔は、
    前記最外周側の複数のアルミニウム素線よりも内側にある複数のアルミニウム素線を筒内に束ねるように筒状に形成されてなることを特徴とする請求項1または2に記載の圧着端子付きアルミニウム電線。
  4. 複数のアルミニウム素線が束ねられた導体部を含むアルミニウム電線と、前記導体部に圧着される圧着端子とを有してなる圧着端子付きアルミニウム電線の製造方法において、
    前記複数のアルミニウム素線を束ねる工程で、前記複数のアルミニウム素線のうち、最外周側の複数のアルミニウム素線よりも内側にある複数のアルミニウム素線を束ねるように、かつ前記導体部が前記圧着端子によって圧着される位置にアルミニウムとの凝着が可能な金属箔である凝着用金属箔を配置する凝着用金属箔配置工程を含むことを特徴とする圧着端子付きアルミニウム電線の製造方法。
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