JP6556512B2 - ワイヤハーネス - Google Patents

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Description

本発明は、ワイヤハーネスに関する。
従来のワイヤハーネスに適用される技術として、例えば、特許文献1には、機器と接続される第1の被接続部を有すると共に電線を構成する導体と接続される第2の被接続部を有する端子が電線の導体の端末に接続されている端子付き電線が開示されている。当該端子付き電線では、第2の被接続部は、第1の導体が面接触した状態で接続されている第1の被接続面と、第1の被接続面の幅方向に第1の被接続面から張り出すように延設されて第2の導体が面接触した状態で接続されている第2の被接続面とを有する。そして、当該端子付き電線は、第1の被接続面と第2の被接続面とが対向するように第2の被接続部の一部が折り曲げられて、第1の導体と第2の導体とが第1の被接続面と第2の被接続面の間に挟まれた状態で、第1の導体と第2の導体とが互いに面接触して接続されている。
特開2011−258468号公報
ところで、上述の特許文献1に記載の端子付き電線は、上記構成によって接続強度や接続抵抗の信頼性の向上を図っているが、例えば、配索材としての電線に配索材としての金属棒を接続して用いた場合における当該接続部位の接続信頼性の確保の点等で更なる改善の余地がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、第1配索材と第2配索材とを適正に接続することができるワイヤハーネスを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るワイヤハーネスは、複数の素線によって形成された導電性の第1導体部、及び、前記第1導体部の外周側を覆う絶縁性の絶縁被覆部を有する第1配索材の前記第1導体部と棒状に形成された導電性の第2導体部を有する第2配索材の前記第2導体部とが直接接続される接続部と、前記絶縁被覆部の前記接続部側の端部が前記第2導体部の前記第1配索材側の先端部に載置される載置部と、前記第2導体部に形成され当該第2導体部に載置された前記絶縁被覆部の前記接続部側の端と前記接続部との間に位置し前記絶縁被覆部の厚さと同等の段差で前記載置部側がオフセットされた段付き部とを備えることを特徴とする。
また、上記ワイヤハーネスでは、前記載置部に設けられ前記第1配索材と前記第2配索材とを結束する結束部材を備えるものとすることができる。
また、上記ワイヤハーネスでは、前記第2導体部は、前記接続部、及び、前記載置部を構成する部位が平板状に形成され、前記第2導体部に載置された前記絶縁被覆部は、前記接続部側の端が前記段付き部に突き当てられるものとすることができる。
本発明に係るワイヤハーネスは、複数の素線によって形成された第1配索材の第1導体部と棒状に形成された第2配索材の第2導体部とが接続されることで接続部が構成されると共に第1配索材の絶縁被覆部が第2配索材の第2導体部に載置されることで載置部が構成される。このとき、ワイヤハーネスは、載置部にて第2導体部に載置された絶縁被覆部の接続部側の端と接続部との間に、絶縁被覆部の厚さと同等の段差で載置部側がオフセットされた段付き部が形成されているので、接続部と載置部との間の当該段付き部の段差で第1配索材の絶縁被覆部の厚さ分を吸収することができる。この結果、ワイヤハーネスは、接続部において第2配索材の第2導体部に対して第1配索材の第1導体部を直線的に密着させやすくすることができるので、第1配索材と第2配索材とを適正に接続することができる、という効果を奏する。
図1は、実施形態に係るワイヤハーネスの概略構成を示す分解斜視図である。 図2は、実施形態に係るワイヤハーネスの概略構成を示す斜視図である。 図3は、実施形態に係るワイヤハーネスの概略構成を示す側面図である。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態]
図1は、実施形態に係るワイヤハーネスの概略構成を示す分解斜視図である。図2は、実施形態に係るワイヤハーネスの概略構成を示す斜視図である。図3は、実施形態に係るワイヤハーネスの概略構成を示す側面図である。
図1、図2、図3に示すワイヤハーネス1は、例えば、自動車等に搭載される各装置間の接続のために、電源供給や信号通信に用いられるものである。ワイヤハーネス1は、電気接続箱(ジャンクションボックス)、グロメット、固定具など種々の構成部品を含んで構成されてもよい。本実施形態のワイヤハーネス1は、例えば、いわゆるHV(ハイブリッド)車両に適用され、当該HV車両の床下に配索されるものであるがこれに限らない。ここでは、ワイヤハーネス1は、相対的に高い柔軟性を有し良好な屈曲性を有する第1配索材としての電線2と、相対的に高い剛性を有し配索経路に沿って形状を保持しやすい第2配索材としての金属棒3とを組み合わせることで、当該ワイヤハーネス1における各部位に応じて要求される適正な可撓性と剛性とのバランスを実現し、これにより、良好な配索作業性や良好な取扱い性等を確保している。そして、当該ワイヤハーネス1は、接続構造100によって、電線2と金属棒3とを適正に接続している。
具体的には、ワイヤハーネス1は、電線2と、金属棒3と、接続構造100とを備える。
電線2は、複数の素線21aによって形成される導電性の第1導体部21と、当該第1導体部21の外周側を覆う絶縁性の第1絶縁被覆部(絶縁被覆部)22とを有する。第1導体部21は、導電性の芯線であり、電気が通る金属部材によって構成される。第1導体部21は、線状に延びる方向(以下、「延在方向」という場合がある。)に対してほぼ同じ径で延びるように形成される。第1導体部21を構成する素線21aは、導電性の金属、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等により製造される。ここでは、第1導体部21は、複数の素線21aを単純に束ねたものであるが、複数の素線21aを撚り合わせて形成されてもよい。第1絶縁被覆部22は、第1導体部21の外周側を被覆する電線被覆である。第1絶縁被覆部22は、第1導体部21の外周面に接して設けられる。第1絶縁被覆部22は、例えば、絶縁性の樹脂材料(PPやPVC、架橋PE等。耐摩耗性や耐薬品性、耐熱性等に配慮して適宜選定される。)等を押出成形することによって形成される。第1絶縁被覆部22は、第1導体部21の延在方向の一端から他端にかけて形成される。電線2は、第1導体部21の端末において、第1絶縁被覆部22が剥ぎ取られており、当該第1導体部21の端末が第1絶縁被覆部22から露出している。電線2は、当該第1導体部21の端末に後述の金属棒3の第2導体部31が電気的に接続される。電線2は、一例として、第1導体部21の断面形状(延在方向と交差する方向の断面形状)が略円形状、第1絶縁被覆部22の断面形状(延在方向と交差する方向の断面形状)が略円環形状となっており、全体として略円形状の断面形状となっている。
金属棒3は、棒状に形成された導電性の第2導体部31と、当該第2導体部31の外周側を覆う絶縁性の第2絶縁被覆部32とを有する。第2導体部31は、導電性の電気が通る金属部材によって構成される。第2導体部31は、棒状に形成され、ここでは、断面形状が略正円形となる柱状の導体構造となっている。第2導体部31は、線状に延びる方向、すなわち、延在方向に対してほぼ同じ径で延びるように形成される。第2導体部31は、導電性の金属、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等により製造される。第2絶縁被覆部32は、第2導体部31の外周側を被覆する電線被覆である。第2絶縁被覆部32は、第2導体部31の外周面に接して設けられる。第2絶縁被覆部32は、例えば、絶縁性の樹脂材料(PPやPVC、架橋PE等。耐摩耗性や耐薬品性、耐熱性等に配慮して適宜選定される。)等を押出成形することによって形成される。第2絶縁被覆部32は、第2導体部31の延在方向の一端から他端にかけて形成される。金属棒3は、第2導体部31の端末において、第2絶縁被覆部32が剥ぎ取られており、当該第2導体部31の端末が第2絶縁被覆部32から露出している。金属棒3は、当該第2導体部31の端末に上述の電線2の第1導体部21の端末が電気的に接続される。金属棒3は、一例として、第2導体部31の断面形状(延在方向と交差する方向の断面形状)が略円形状、第2絶縁被覆部32の断面形状(延在方向と交差する方向の断面形状)が略円環形状となっており、全体として略円形状の断面形状となっている。ここでは、金属棒3は、電線2と接続された状態で軸方向が延在方向に沿った方向となる。金属棒3は、例えば、電線2と比較して相対的に小さな断面積で相対的に大きな電流容量を確保することができ、これにより、ワイヤハーネス1の小型化を図ることができる。なお、第2導体部31は、断面形状が略正円形のものに限らず、例えば、矩形等であってもよく、また、筒状の導体構造となっていてもよい。
接続構造100は、電線2と金属棒3とを電気的に接続するものである。接続構造100は、接続部101と、載置部102と、段付き部103とを備える。接続部101は、第1導体部21と第2導体部31とが接続される部分である。載置部102は、第1絶縁被覆部22の接続部101側の端部が第2導体部31の電線2側の先端部31aに載置される部分である。本実施形態の第2導体部31は、接続部101、及び、載置部102を構成する部位、すなわち、電線2側の端部が平板状に形成される。ここでは、第2導体部31は、主たる部分が略円形状に形成されており、電線2側の端部が潰し加工されることで当該電線2側の端部が平板状に形成される。
接続部101は、電線2と金属棒3とが延在方向、言い換えれば、金属棒3の軸方向に沿って互いに逆側に延在し、かつ、電線2の端末と金属棒3の端末とが延在方向に沿って重なった状態で電線2と金属棒3とが電気的に接続される。つまり、接続部101における電線2と金属棒3との接続方向(以下、「接続方向」という場合がある。)は、電線2、金属棒3の延在方向、言い換えれば、金属棒3の軸方向に沿った方向となる。接続部101は、平板状に形成された第2導体部31の端部上に第1導体部21が載置された状態で第1導体部21と第2導体部31とが電気的に接続される。接続部101は、例えば、超音波溶着や熱圧着等の適宜の方法で第1導体部21と第2導体部31とが接続される。
載置部102は、接続部101よりもさらに第2導体部31の先端部31a側、言い換えれば、第1絶縁被覆部22側に位置する。載置部102は、平板状に形成された第2導体部31の先端部31a上に第1絶縁被覆部22の接続部101側の端部、言い換えれば、接続部101にて第2導体部31に接続されている第1導体部21が露出している側の端部を載置する。本実施形態の接続構造100は、当該載置部102に結束部材104が設けられている。結束部材104は、当該載置部102にて電線2と金属棒3とを結束するものである。より詳細には、結束部材104は、載置部102にて第2導体部31の先端部31aに載置された第1絶縁被覆部22と、載置部102にて第1絶縁被覆部22を載置している第2導体部31の先端部31aとを周方向に沿って巻きつけて包んで結束する。結束部材104は、例えば、熱収縮チューブ、巻テープ、結束バンド等を用いることができる。
そして、段付き部103は、第2導体部31に形成され当該第2導体部31の先端部31aに載置された第1絶縁被覆部22の接続部101側の端22a(図2参照)と接続部101との間に位置する。段付き部103は、第2導体部31において、接続方向と交差する方向、ここでは直交する方向に沿って、第1絶縁被覆部22の厚さt(図1参照)と同等の段差h(図1参照)で載置部102側がオフセットされた部分である。
つまり、接続構造100は、延在方向に対して段付き部103を挟んで一方側(ここでは金属棒3が延在する側)に接続部101が位置し他方側(ここでは電線2が延在する側)に載置部102が位置すると共に、第2導体部31における載置部102側の部分が第2導体部31における接続部101側の部分よりも面落ちしている。言い換えれば、接続構造100は、第2導体部31において接続部101を構成する部分に対して面落ちした部分が第1絶縁被覆部22の接続部101側の端部を載置する第2導体部31の先端部31aを構成する。
そして、第2導体部31に載置された第1絶縁被覆部22は、接続部101側の端22aが少なくとも段付き部103よりも載置部102側に位置しており、ここでは、段付き部103に突き当てられた状態で、上記のとおり結束部材104によって結束されている。
以上で説明した接続構造100によれば、複数の素線21aによって形成された導電性の第1導体部21、及び、第1導体部21の外周側を覆う絶縁性の第1絶縁被覆部22を有する電線2の第1導体部21と棒状に形成された導電性の第2導体部31を有する金属棒3の第2導体部31とが接続される接続部101と、第1絶縁被覆部22の接続部101側の端部が第2導体部31の電線2側の先端部31aに載置される載置部102と、第2導体部31に形成され当該第2導体部31に載置された第1絶縁被覆部22の接続部101側の端22aと接続部101との間に位置し第1絶縁被覆部22の厚さtと同等の段差hで載置部102側がオフセットされた段付き部103とを備える。以上で説明したワイヤハーネス1によれば、上記電線2と、上記金属棒3と、上記接続構造100とを備える。
したがって、接続構造100、ワイヤハーネス1は、複数の素線21aによって形成された電線2の第1導体部21と棒状に形成された金属棒3の第2導体部31とが接続されることで接続部101が構成されると共に電線2の第1絶縁被覆部22が金属棒3の第2導体部31に載置されることで載置部102が構成される。このとき、接続構造100、ワイヤハーネス1は、載置部102にて第2導体部31に載置された第1絶縁被覆部22の接続部101側の端22aと接続部101との間に、第1絶縁被覆部22の厚さtと同等の段差hで載置部102側がオフセットされた段付き部103が形成されているので、接続部101と載置部102との間の当該段付き部103の段差hで電線2の第1絶縁被覆部22の厚さt分を吸収することができる。この結果、接続構造100、ワイヤハーネス1は、接続部101において金属棒3の第2導体部31に対して電線2の第1導体部21を直線的に密着させやすくすることができる。これにより、接続構造100、ワイヤハーネス1は、第1導体部21が接続方向と直交する方向の一方側に偏り難い構成とすることができるので、当該第1導体部21を構成する各素線21aが接続部101にて伸び難い構成とすることができ、例えば、接続部101にて各素線21aの断線等が生じにくい構成とすることができる。したがって、接続構造100、ワイヤハーネス1は、電線2と金属棒3とを適正に接続することができる。これにより、接続構造100、ワイヤハーネス1は、例えば、電線2の第1導体部21と金属棒3の第2導体部31との接続信頼性を向上することができる。
さらに、以上で説明した接続構造100、ワイヤハーネス1によれば、載置部102に設けられ電線2と金属棒3とを結束する結束部材104を備える。したがって、接続構造100、ワイヤハーネス1は、載置部102にて結束部材104によって電線2と金属棒3とを確実に固定することができるので、接続部101にて電線2の第1導体部21と金属棒3の第2導体部31とが剥離し難くすることができ、この点でも接続信頼性を向上することができる。
さらに、以上で説明した接続構造100、ワイヤハーネス1によれば、第2導体部31は、接続部101、及び、載置部102を構成する部位が平板状に形成され、第2導体部31に載置された第1絶縁被覆部22は、接続部101側の端22aが段付き部103に突き当てられる。したがって、接続構造100、ワイヤハーネス1は、電線2の第1導体部21と金属棒3の第2導体部31とを接続する際に電線2の第1絶縁被覆部22の端22aが段付き部103に突き当てられた状態とされることで、第2導体部31との相対的な位置関係を適正な位置関係に位置決めした状態で第1導体部21と第2導体部31とを接続することができる。よって、接続構造100、ワイヤハーネス1は、電線2の第1導体部21と金属棒3の第2導体部31との相対的な位置関係において組み付け位置精度、特に延在方向(接続方向、あるいは、金属棒3の軸方向)に対する組み付け位置精度を向上することができるので、この点でも接続信頼性を向上することができる。
そして、当該接続構造100が適用されたワイヤハーネス1は、電線2と金属棒3とを適正に接続することができるので、相対的に高い柔軟性を有し良好な屈曲性を有する電線2と、相対的に高い剛性を有し配索経路に沿って形状を保持しやすい金属棒3とを組み合わせて当該ワイヤハーネス1における各部位に応じて要求される適正な可撓性と剛性とのバランスを実現することができる。これにより、ワイヤハーネス1は、例えば、金属棒3によって所定の剛性を確保した部分と電線2によって変形を許容した部分とを適正に配置することで、配索時の作業性の向上と梱包、輸送時等の取扱い性の向上とを両立することができる。
なお、上述した本発明の実施形態に係る接続構造、及び、ワイヤハーネスは、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
以上の説明では、金属棒3は、棒状に形成された導電性の第2導体部31と、当該第2導体部31の外周側を覆う絶縁性の第2絶縁被覆部32とを有するものとして説明したがこれに限らず、第2絶縁被覆部32を有さない構成であってもよい。
1 ワイヤハーネス
2 電線(第1配索材)
3 金属棒(第2配索材)
21 第1導体部
21a 素線
22 第1絶縁被覆部(絶縁被覆部)
22a 端
31 第2導体部
31a 先端部
32 第2絶縁被覆部
100 接続構造
101 接続部
102 載置部
103 段付き部
104 結束部材

Claims (3)

  1. 複数の素線によって形成される導電性の第1導体部、及び、前記第1導体部の外周側を覆う絶縁性の絶縁被覆部を有する第1配索材と、
    棒状に形成された導電性の第2導体部を有する第2配索材と、
    前記第1導体部と前記第2導体部とが直接接続される接続部、前記絶縁被覆部の前記接続部側の端部が前記第2導体部の前記第1配索材側の先端部に載置される載置部、及び、前記第2導体部に形成され当該第2導体部に載置された前記絶縁被覆部の前記接続部側の端と前記接続部との間に位置し前記絶縁被覆部の厚さと同等の段差で前記載置部側がオフセットされた段付き部を有する接続構造とを備えることを特徴とする
    イヤハーネス。
  2. 前記載置部に設けられ前記第1配索材と前記第2配索材とを結束する結束部材を備える、
    請求項1に記載ワイヤハーネス。
  3. 前記第2導体部は、前記接続部、及び、前記載置部を構成する部位が平板状に形成され、
    前記第2導体部に載置された前記絶縁被覆部は、前記接続部側の端が前記段付き部に突き当てられる、
    請求項1又は請求項2に記載のイヤハーネス。
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