JP6747825B2 - 繊維シート - Google Patents

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Description

本発明は、繊維シートに関する。
従来より、繊維が集合してなる繊維シートの表面に、抗菌剤、抗カビ剤、消臭剤、芳香剤、難燃剤、および着色顔料等の機能性物質を付着させて、機能性を持たせた機能性繊維シートが開発されている。たとえば、特開2014−012907号公報(特許文献1)には、機能性物質が付与されたナノ繊維を不織布に接着させた繊維集合体が開示されている。
上記のような機能性繊維シートの製造には、樹脂中に機能性物質を分散させた加工剤を調製し、該加工剤を繊維シートの表面に付着させた後、加工剤中の樹脂を硬化させる方法が広く利用されている。また、加工剤を繊維シートの表面に付着させる方法としては、ディップニップ法、プリント法、スプレー法などの塗布方法が広く利用されている。
特開2014−012907号公報
上記のような機能性繊維シートには、しばしば高い通気性が求められる。機能性繊維シートが高い通気性を有するためには、基体となる繊維シートが高い通気性を有する必要がある。繊維シートの通気性を高める手段としては、繊維シートの密度を低くして、所謂目の粗い繊維シートとする手段がある。
しかし、上記のような目の粗い繊維シートでは、加工剤の付着量が低減し、このために機能性が低下してしまうという問題がある。特に表面張力の関係から、加工剤は繊維の交点に集まり易い性質があるが、目の粗い繊維シートは、繊維の交点の数が少ないために、加工剤の付着量の低減が顕著となる傾向がある。
本発明の目的は、通気性に優れつつも、高い機能性を発揮し得る繊維シートを提供することにある。
本発明は、以下に示す繊維シートを提供する。
[1] 繊維が集合してなる繊維シートであって、繊維は、径5μm超の幹部を有し、繊維の少なくとも一部は、幹部から延出する径5μm以下のフィブリル部を有し、繊維シートは、幹部同士が交差する交点A、フィブリル部同士が交差する交点B、および幹部とフィブリル部とが交差する交点Cを有し、1mm2において、交点Aの数NA、交点Bの数NB、および交点Cの数NCの合計が30000以上である、繊維シート。
[2] 上記数NBは上記数NAの50倍以上である、[1]に記載の繊維シート。
[3] 上記数NBは、20000以上である、[1]または[2]に記載の繊維シート。
[4] 上記数NAは、1000以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載の繊維シート。
[5] 繊維シートの空隙率は、70〜99%である、[1]〜[4]のいずれかに記載の繊維シート。
[6] 繊維シートの破断強度は、10N/5cm以上である、[1]〜[5]のいずれかに記載の繊維シート。
[7] 繊維シートの目付量は、10〜500g/m2である、[1]〜[6]のいずれかに記載の繊維シート。
[8] 繊維シートの見かけ密度は、0.015〜0.45g/cm3である、[1]〜[7]のいずれかに記載の繊維シート。
[9] 繊維が集合してなる繊維シートであって、繊維シートは、1mm2当たりの交点数が30000以上であり、空隙率が70〜99%であり、かつ破断強度が10N/5cm以上である、繊維シート。
本発明によれば、通気性に優れつつも、高い機能性を発揮し得る繊維シートを提供することができる。
本発明の繊維シートの表面を示す走査型電子顕微鏡写真である。 ネットワーク構造を説明するための模式図である。 繊維シートにおける交点を説明するための模式図である。 従来の繊維シートの表面を示す走査型電子顕微鏡写真である。
以下、実施の形態を示して本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において「A〜B」という形式の表記は、範囲の上限下限(すなわちA以上B以下)を意味しており、Aにおいて単位の記載がなく、Bにおいてのみ単位が記載されている場合、Aの単位とBの単位とは同じである。
<繊維シート>
図1〜図3を用いて、本発明の繊維シートについて説明する。図1に示されるように、繊維シート1は、繊維が集合してなる繊維シートである。このような繊維シートとしては、織布(織物)、編み物、レース、フェルト、不織布などが挙げられる。用途に応じて繊維シートは適宜選択することができる。たとえば繰り返し使用する用途であれば、織物、編み物から選択することが耐久性の面で好ましく、使い捨ての用途においては、価格の面から不織布を選択することが好ましい。
繊維シート1を構成する繊維2は、径5μm超の幹部2aを有しており、該繊維2の少なくとも一部は、幹部2aから延出する径5μm以下のフィブリル部2bを有している。すなわち、繊維2の基本骨格は幹部2aであり、フィブリル部2bは、繊維2(幹部2a)に発生した亀裂を起点として、繊維2(幹部2a)から分裂(フィブリル化)したより小さな繊維(小繊維)である。なお、フィブリル部2bを有さない繊維2は、幹部2aのみからなることとなる。このような繊維シート1は、一の繊維2のフィブリル部2bが、他の一の繊維2(幹部2aまたはフィブリル部2b)に水素結合してなるネットワーク構造3を有している。
上記幹部2aおよび上記フィブリル部2bは、具体的には次のようにして区別される。まず、走査型電子顕微鏡(好適には、「S−3400N型」、日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて、繊維シート1の表面の285μm×419μmの区画を300倍で撮像する。得られた画像において、各繊維が延在する長手方向に直交する幅方向の長さを、各繊維の「径」とする。そして、径5μm超と確認されたものを幹部2aとみなし、径5μm以下と確認されたものをフィブリル部2bとみなす。
ここで、径5μm以下であることをもって「フィブリル部」とみなされたものが、一の繊維2から分裂したフィブリル部2bであって、該一の繊維以外の繊維ではない(当該繊維2と、フィブリル部2bとが個別の繊維ではない)ことは、画像から判断することができる。すなわち、径5μm以下と確認されたものの両端を、走査型電子顕微鏡を用いて2000倍以上の倍率で観察した際に、その一端が幹部2aと構造上繋がっている場合、この径5μm以下のものは、該幹部2aから延出するフィブリル部2bとみなすことができる。
また一の繊維2から延出するフィブリル部2bが、他の一の繊維2(幹部2aまたはフィブリル部2b)に水素結合していることは、画像において、フィブリル部2bのうち他の一の繊維2と重なるように観察される部分が、他の一の繊維2の表面にぴったりと密着しているように見える点から確認される(図1参照)。また、繊維シート1に水を含ませて観察した場合に、水を含ませる前には密着していた部分が解離して見える点からも確認することができる。
また繊維シート1の表面には、図3に示されるように、幹部2a同士が交差する交点A、フィブリル部2b同士が交差する交点B、および幹部2aとフィブリル部2bが交差する交点Cが存在している。なお図3においては、ハッチングを施したものが幹部2aを示しており、実線にて記載される糸状のものがフィブリル部2bを示している。特に、繊維シート1は、その表面の1mm2において、交点Aの数NA、交点Bの数NB、および交点Cの数NCの合計が30000以上であることを特徴とする。
交点Aの数NA、交点Bの数NB、交点Cの数NC、およびこれらの合計は次のようにして求められる。まず、乾燥状態の繊維シート1を準備する。乾燥状態の繊維シート1は、繊維シート1を50℃で1時間予備乾燥を行ない、標準状態(温度20℃、相対湿度65%)で24時間放置することにより得られる。
そして、この繊維シート1の表面の異なる10カ所において285μm×419μmの区画を300倍で観察し、上記方法に準じて幹部2aとフィブリル部2bとを区別する。次に、10個の画像において確認される幹部2a同士の交点Aの数を測定し、その平均値を算出する。そして、求められた119415μm2当たりの平均値を1mm2当たりに換算し、これを数NAとする。
次に、上記の10個の画像を作製した区画と同範囲を2000倍で観察する。得られた10個の画像において、確認されるフィブリル部2b同士の交点Bの数、幹部2aとフィブリル部2bとの交点Cの数を測定し、各平均値を算出する。そして、求められた2718μm2当たりの各平均値を1mm2当たりに換算し、これらを数NBおよび数NCとする。そして、得られた数NA、数NB、および数NCの合計を、繊維シート1の表面の1mm2における、交点Aの数NA、交点Bの数NB、および交点Cの数NCの合計とする。
ここで、幹部2a同士の交点A、フィブリル部2b同士の交点B、幹部2aとフィブリル部2bとが交差してなる交点Cとして測定対象とするものは、画像上、2つの繊維状個体が交差していることが確認される点である。したがって、画像上幹部2a同士が交差しているように観察される交点Aには、幹部2a同士が接している場合と、幹部2a同士が接していない(近接している)場合とがあり得るが、本測定方法においては、このいずれも交点Aとして計測対象とする。交点Bおよび交点Cについても同様である。なお、2本以上の幹部2aによって1つの交点が形成されている場合等、複数の幹部2aおよび/またはフィブリル部2bによって1つの交点が形成されている場合には、それを1つの交点として換算する。ただし、1つの交点において、2本以上の幹部2aが存在する場合には、フィブリル部2bの存在の有無にかかわらず、その交点は交点Aとする。
なお、走査型電子顕微鏡の撮影倍率をたとえば5000倍以上にすると、フィブリル部2bがさらに細かく枝分かれしていることが観察でき、厳密には数十ナノメートルのフィブリル部2bが観察できる場合がある。しかし、厳密にそれらの本数をカウントすることは不可能である。したがって、2000倍にて繊維シート1の表面を観察した画像において、1本のフィブリル部2bとして観察されるフィブリル部2bと、1本のフィブリル部2bとして観察されるフィブリル部2bとの交点を、交点Bとする。交点Cについても同様に、1本のフィブリル部2bとして観察されるフィブリル部2bと、1本の幹部2aとして観察される幹部2aとの交点を交点Cとする。
<繊維シートの製造方法>
上記の繊維シート1は、たとえば、複数本の繊維を集合させてシート状の第1前駆体を形成する工程(繊維シート形成工程)と、第1前駆体の厚み方向に関し、少なくとも一方側からキャビテーションエネルギーを与えることにより、繊維からフィブリル部を起毛させて、第2前駆体を形成する工程(フィブリル化工程)と、を備える製造方法によって製造することができる。以下、各工程について詳述する。
(繊維シート形成工程)
本実施形態の製造方法においては、まず、複数本の繊維を集合させてシート状の第1前駆体が形成される。第1前駆体は、フィブリルを有する繊維として好ましいものとして後述する繊維を用いて、または、場合によっては他の繊維として好ましいものとして後述する繊維を混合して、既存の加工技術(織物、編み物、レース、フェルト、不織布(乾式、湿式のいずれでもよい)の製法)を特に制限なく用いて形成することができる。第1前駆体は、好ましくは、スパンレース(水流)にて繊維を三次元交絡させた不織布であることが好ましい。
(フィブリル化工程)
次に、得られた第1前駆体に、その厚み方向において少なくとも一方側からキャビテーションエネルギーを与える。当該工程は、上述の工程で第1前駆体を形成し、そのまま行ってもよいし、形成後に一旦巻き取られた第1前駆体を取り出して行ってもよい。これにより、繊維がフィブリル化され、もって繊維からフィブリル部が起毛された、第2前駆体が形成される。
キャビテーションエネルギーを与える方法としては、第1前駆体を媒体となる液体(一般には水が用いられる)に浸漬しながら、第1前駆体に超音波を適用することにより、キャビテーションエネルギーを与える方法がある。超音波エネルギーを与える場合、媒体中で、第1前駆体を、超音波発振器から発生する電気エネルギーを機械振動エネルギーに変換するホーンの近くに配置し、超音波に曝す方法がある。超音波の振動方向は、第1前駆体に対して垂直方向となる縦振動が好ましい。第1前駆体とホーンの距離は、約1mm未満とし、ホーンから1/4の波長距離に配置することが好ましいが、第1前駆体をホーンに接触配置させてもよい。
キャビテーションの強度、およびキャビテーションに曝す時間は、第1前駆体における繊維の種類やフィブリル化の程度に応じて調整するのがよい。キャビテーションの強度が高くなればなるほど、フィブリル部の生成速度が速くなり、より細く、かつアスペクト比の大きい(たとえば300以上)フィブリル部が生成され易くなる。超音波振動周波数は、通常10〜500kHz、好ましくは10〜100kHz、更に好ましくは10〜40kHzである。
媒体の温度は特に限定されるものではなく、10〜100℃とするのが好ましい。処理時間は、第1前駆体における繊維の種類、目的とする繊維シートの形態、繊維の繊度によって異なる。処理時間は0.005秒以上10分未満、好ましくは0.01秒以上2分未満、さらに好ましくは0.02秒以上1秒未満である。処理時間と同様に処理回数によってもネットワーク構造の密度を調整することができる。処理回数は特に限定されないが、2回以上の処理を行うことが好ましい。
第1前駆体に液体が含浸されている状態であれば、超音波によるキャビテーション処理は大気中でも構わない。ただし、大気中で第1前駆体を超音波処理した場合、霧吹きのように液体が放出されてしまうので、数秒程度超音波処理した後、液体を第1前駆体に含浸させることを繰り返すか、常時液体を第1前駆体に垂れ流しながら、第1前駆体に超音波処理を行う方法が好ましい。この場合、特に超音波の振動方向は第1前駆体に対して垂直方向となる縦振動が好ましい。
当該工程は、繰り返し実施されてもよい。たとえば、第1前駆体の一方の表面側からキャビテーションエネルギーを与えた後に、該第1前駆体の他方の表面側からキャビテーションエネルギーを与えても良い。この場合、第2前駆体の両面において、多くのフィブリル部を起毛させることができる。
(乾燥工程)
得られた第2前駆体は、繊維シート1となり得るが、上記フィブリル化工程を経た後の第2前駆体は、水分を多く含んでいる場合が多い。このため、第2前駆体そのものを繊維シート1としてもよいが、これを乾燥させて繊維シート1とすることが好ましい。乾燥方法は特に限定されず、たとえば、マングルで脱水した後に、熱風乾燥機を用いて130℃で乾燥させてもよい。特に、第2前駆体に対し、その目付量に対して、50〜500%の水分を均一に含ませた状態で、乾燥処理を実施することが好ましい。これにより、交点における水素結合をより顕著に形成させることができる。
<作用効果>
上述のような繊維シート1は、通気性に優れつつも、高い機能性を発揮し得るものとなる。この理由について、従来の繊維シートと比較しながら説明する。
図4に示されるように、従来の繊維シート10は、フィブリル部2bを有しておらず、上述の繊維シート1での幹部2aに相当する繊維20のみから構成されている。繊維シートに機能性物質を付与するためには、樹脂中に機能性物質を分散させた加工剤をその表面に付着させる必要があるが、繊維シート10は、その表面に存在する繊維20同士の交点の数が少ないために、加工剤の付着量を増加させ難い。これは、繊維の表面構造が比較的均質であるために、一旦繊維の表面に付着した加工剤は、その表面積を小さくすべく、最初に付着した繊維の表面から移動(ずれ落ちたり、流れたり)して、繊維が交差する交点に集まり易いためである。
加工剤中に含有させ得る機能性物質の量には上限があるため、加工剤の付着量の増加が困難な従来の繊維シート10では、機能性物質の付着量の著しい増加が期待できず、故に、発揮し得る機能性には限界があった。ましてや、繊維シートに機能性物質が付着された機能性繊維シートの通気性を高めるべく、目の粗い繊維シートを用いた場合には、機能性物質の付着量がさらに低減することとなり、求められる通気性と機能性(加工剤の付着量)との両立は困難であった。
これに対し、本発明の繊維シート1は、幹部2aから延出するフィブリル部2bが存在し、かつ走査型電子顕微鏡にて上記のように観察した場合に、測定される交点の総数(すなわち数NA、数NB、および数NCの合計)が30000以上である。これは、従来の繊維シート10に対し同様に観察した場合に測定される交点の数と比して極めて大きい。このため、本発明の繊維シート1によれば、機能性物質の付着量を従来と比して増加させることができる。また、繊維シート10において交点の数を増加させるためには、単位面積当たりの繊維20の本数を増加させる必要があるが、このような構造は通気性の低下に繋がる。しかし、本発明の繊維シート1は、繊維2の幹部2aから延出するフィブリル部2bの存在によって上記のような大きな交点数を有することができるため、従来のような通気性の低下を引き起こすことがない。したがって、本発明の繊維シート1は、通気性に優れつつも、高い機能性を発揮し得るものとなる。
また本発明の繊維シート1は、たとえば太い繊維と細い繊維とを混合させてなる混合繊維シートと異なり、1本の繊維2が太い繊維である幹部2aと、細い繊維であるフィブリル部2bと、を有している。このため、混合繊維シートにおいてしばしば問題とされる「毛羽立ち」が抑制されるという利点も有する。さらには、特許文献1の繊維集合体において生じ得る、ナノ繊維と不織布との剥離といった問題をも解決できる。
フィブリル部2bを有する繊維2としては、セルロース系繊維(レンチング社製「テンセル(登録商標)」、旭化成社製「キュプラ」、ナノバル社製「NANOVAL」など)、パラ系アラミド繊維(ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維(東レ・デュポン社製「ケブラー(登録商標)」、テイジン・アラミド社製「トワロン」)、コポリパラフェニレン−3,4−ジフェニールエーテルテレフタルアミド繊維(帝人テクノプロダクツ社製「テクノーラ(登録商標)」)など)、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維(東洋紡績社製「ザイロン」など)、全芳香族ポリエステル繊維(クラレ社製「ベクトラン」など)、ポリケトン繊維(旭化成社製「サイバロン」など)、超高分子量ポリエチレン繊維(東洋紡績社製「ダイニーマ」、ハネゥエル社製「スペクトラ」など)、メタ系アラミド繊維(ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(デュポン社製「ノーメックス」、帝人テクノプロダクツ社製「コーネックス」))、ポリビニルアルコール系繊維(クラレ社製「クラロン」)などが挙げられる。これらの繊維は高配向繊維であるため好ましい繊維である。
上記のフィブリル部2bを有する繊維2に関し、液体を好適に拡散吸収し得、さらには汎用繊維で入手が容易で価格が安いという利点を有することから、セルロース系繊維(セルロースを原料とした繊維)が好ましい。セルロース系繊維としては、天然セルロース繊維、再生セルロース繊維、精製セルロース繊維などが好適な例として挙げられる。具体的には、コットン、麻、パルプなどの天然セルロース繊維、レーヨン、キュプラなどの再生セルロース繊維、テンセル(登録商標)などの精製セルロース繊維などが挙げられる。特に、フィブリルが長く、またより多くのフィブリルを発生させ易い点から、溶剤紡糸によって製造される溶剤紡糸セルロース系繊維が好ましく、中でも、その高い分子量により高強度であり、湿潤時にも分子量が殆ど低下しない点でテンセル(登録商標)が好ましい。
また本発明の繊維シート1において、繊維2(幹部2a)の径は、好ましくは5μm超50μm以下であり、より好ましくは5μm超25μmであり、さらに好ましくは10〜25μmである。繊維2(幹部2a)の径が5μm以下の場合、繊維シート1の強度が低くなる傾向があり、繊維2の径が50μmを超える場合、繊維シート1の構造が粗になり過ぎて、加工剤の付着量を上げ難く、もって高い機能性を持たせ難い傾向がある。また、フィブリル部2bの径は、好ましくは4μm以下であり、より好ましくは2μm以下である。なお、フィブリル部2bの径の下限値は限定されないが、製造法上、0.03μm以上となる。
また本発明の繊維シート1において、数NA、数NB、および数NCの合計は、好ましくは100000以上であり、より好ましくは200000以上であり、さらに好ましくは250000以上である。この場合、繊維シート1の表面が有する交点数の増加に伴って、機能性物質の付着量が増加し、もってさらに高い機能性を発揮し得ることとなる。繊維シート1によれば、目付量、密度等をそれほど増加させることなく、つまり通気性を著しく低下させることなく、上記交点数を増加させることができる。なお、数NA、数NB、および数NCの合計の上限値は特に制限されないが、繊維シート1の強度の維持の観点から、当該合計は2000000以下であることが好ましい。
また本発明の繊維シート1において、数NBは数NAの50倍以上であることが好ましく、100倍以上であることがより好ましく、200倍以上であることがさらに好ましく、中でも300倍以上であることが好ましい。この場合、機能性物質の付着量をより高く維持できるとともに、高い通気性を有することができる。数NBの数NAに対する倍率の上限は特に制限されないが、繊維シート1の強度の維持の観点から、数NBの数NAに対する倍率は10000倍以下であることが好ましい。
また本発明の繊維シート1において、数NAは1000以下であることが好ましく、800以下であることがより好ましく、600以下であることがさらに好ましい。数NAの増加は繊維シート1の通気性の低下を引き起こし易いためである。数NAの下限値は特に制限されないが、繊維シート1の強度の観点から、数NAは100以上であることが好ましい。
また本発明の繊維シート1において、数NBは20000以上であることが好ましく、90000以上であることがより好ましく、200000以上であることがさらに好ましい。数NBが増加するに連れて、繊維シート1の表面において交点を多く存在させることができる。数NBの上限は特に制限されないが、繊維シート1をフィルターとして用いた際の目詰まりを抑制する観点から、数NBは2000000以下であることが好ましい。
また本発明の繊維シート1において、その空隙率は70〜99%であることが好ましく、75〜97%であることがより好ましく、80〜95%であることがさらに好ましく、90〜95%であることが特に好ましい。空隙率が高いほど、通気性に優れる一方で、空隙率が高すぎると、繊維シート1の強度が低く、その形状を維持できない恐れが生じるためである。繊維シート1の空隙率は、繊維シート1の目付量、厚み、および繊維の平均比重を用いて算出することができる。
また本発明の繊維シート1において、その破断強度は10N/5cm以上であることが好ましく、15N/5cm以上であることがより好ましく、20N/5cm以上であることがさらに好ましく、25N/cm以上であることが特に好ましい。これにより、繊維シート1の強度を維持することができる。これに対し、たとえば交点を増加させるべく細い繊維シートで構成されたような繊維シートでは、このような破断強度を有することは難しい傾向がある。なお、破断強度の上限値は特に制限されない。
また本発明の繊維シート1において、その破断伸度は10%以上であることが好ましく、15%以上であることがより好ましく、20%以上であることがさらに好ましく、25%以上であることが特に好ましい。これにより、繊維シート1に対し、局所的な力が加えられた場合にも、繊維シート1が局所的に伸びて力を吸収することができる。これによって、繊維シート1の破れ等の損傷を軽減することができる。すなわち、繊維シート1が柔軟性を有することができ、もって取扱い性に優れることとなる。これに対し、たとえば細い繊維と太い繊維とを混合させた混合繊維シートで構成されたような繊維シートでは、このような破断伸度を有することは難しい傾向がある。なお、破断伸度の上限値は特に制限されない。
ここで、繊維シート1は、上述のように水素結合からなるネットワーク構造3を有している。このネットワーク構造3を構成する水素結合は、繊維シート1が水分を含んでいない乾燥状態である場合には強固に維持される一方で、繊維シート1が水分を含んだ湿潤状態である場合には容易に外れる。このため、繊維シート1は、乾燥状態および湿潤状態等の状態変化によってネットワーク構造3の緻密さが変化する傾向があり、これに伴いその破断強度や破断伸度も変化する傾向がある。なお、一旦、繊維シート1の表面に付着して固定された(定常化された)加工剤は、上記のようなネットワーク構造3の変化が生じても、その付着位置および付着状態に関し、大きな変化はない。
また繊維シート1に方向性があり、方向性によって繊維シート1の物性に差異がある場合がある。たとえば、繊維シート1がスパンレース不織布である場合、繊維シート1にはMD(機械)方向およびCD(幅)方向といった方向性が存在し、これらの方向で物性に差異がある場合がある。
本発明の繊維シート1は、その使用状況に応じて、湿潤状態および乾燥状態のいずれの状態で上記破断強度および/または破断伸度を満たすことが好ましいかを決定することができる。すなわち、繊維シート1が乾燥状態で使用される場合には、少なくとも乾燥状態において上記破断強度および/または上記破断伸度を満たすことが好ましく、繊維シート1が湿潤状態で使用される場合には、少なくとも湿潤状態において上記破断強度および/または上記破断伸度を満たすことが好ましい。
また、その使用状況に応じて、繊維シート1の面内方向の少なくとも一方向で上記破断強度および/または上記破断伸度を満たせばよいのか、面内方向の直交する二方向で上記破断強度および/または破断伸度を満たせばよいのかを決定することができる。特に好ましくは、用途の多様性の観点から、湿潤状態および乾燥状態のいずれの場合においても、面内方向の二方向で上記破断強度および上記破断伸度の両方を満たすことが好ましい。
また、本発明の繊維シート1の見かけ密度は、好ましくは0.015〜0.45g/cm3であり、より好ましくは0.045〜0.37g/cm3であり、さらに好ましくは0.08〜0.30g/cm3である。従来の技術では、このような低密度の繊維シートにおいて、その表面の交点数を増加させることは難しい傾向があるが、本発明によれば、このような低密度においても、上述の交点数を維持することができる。見かけ密度は、JIS L 1913「一般不織布試験方法」に準じて、目付量(g/m2)と厚み(mm)とを算出し、目付量を厚みで除することにより求められる。
また、本発明の繊維シート1の厚みは、好ましくは0.05〜10mmであり、より好ましくは0.1〜4mmであり、さらに好ましくは0.5〜2.5mmである。このような厚みの繊維シートは、機能性繊維シートとしての汎用性に優れる。
また、本発明の繊維シート1の目付量は、好ましくは10〜500g/m2であり、より好ましくは15〜300g/m2であり、さらに好ましくは15〜200g/m2であり、特に好ましくは30〜100g/m2である。目付量が10g/cm2未満の場合、繊維シート1の形状の維持が難しい傾向があり、500g/m2超の場合、繊維シート1の通気性が低下する傾向がある。
また本発明の繊維シート1は、不織布であることが好ましい。不織布で繊維シート1を形成する場合、不織布以外で繊維シート1を形成する場合と比較して、繊維間に空隙を作りやすい、安価に製造できるなどの利点があるためである。なかでも、繊維シート1は、スパンレース不織布であることが好ましい。スパンレース不織布においては、スパンレース以外の手法で不織布を形成した場合と比較して、シートとしての形態、強度を得るために熱可塑性樹脂などの接着成分を用いる必要がなく、たとえば、フィブリルを有する繊維の配合比率を自由に設定できるという利点がある。
また本発明の繊維シート1を構成する繊維の繊維長は特に制限されないが、たとえば20mm以上とすることが好ましい。このような長繊維を用いた繊維シートは、たとえばスパンレース法によって不織布として作製することができる。繊維長が20mm未満の場合、形成される繊維シートの密度が高くなるため、フィブリルによるネットワーク形成に必要な繊維間の空隙が確保され難くなり、また通気性の低下が懸念され得る。上記繊維長は、より好ましくは25〜60mmであり、さらに好ましくは30〜55mmである。
なお、本発明の繊維シート1は、上述の効果を奏する限り、上述のフィブリル部を有する繊維以外の繊維が含まれていても良い。フィブリル部を有する繊維以外の繊維は、その目的に応じて自由に選択することができ、特に制限されるものではないが、たとえば合成維が挙げられる。また、嵩高にするために、他の繊維としてポリエステル繊維を混合するようにしてもよい。さらに、芯鞘構造を有する従来公知の適宜の複合繊維を他の繊維として用いるようにしてもよい。
他の繊維の径は特に制限されるものではないが、繊維シート1の構造を均一にする観点から、フィブリル部を有する繊維と同程度の径を有することが好ましく、また、他の繊維の繊維長についても、同観点から、フィブリル部を有する繊維と同程度とすることが好ましい。
他の繊維を混合する場合、他の繊維を混合することでより低密度化が可能となる点で好ましく、その一方で他の繊維の混合率が高くなるとフィブリル部によるネットワーク構造の形成が困難となり、結果的に繊維シートの表面における交点数が減少する傾向がある。このため、重量比で、フィブリルを有する繊維が、繊維シート全体のうち20%以上を占めることが好ましく、30%以上を示すことがより好ましく、100%を示すことがさらに好ましい。
また、本発明者らは、上述の繊維シート1の完成のために実施した種々の検討において、次のような繊維シートにおいても、繊維シート1と同様の効果を奏することができることを知見している。すなわち、本発明の他の態様に係る繊維シートは、繊維が集合してなる繊維シートであり、1mm2当たりの交点数が30000以上であり、空隙率が70〜99%であり、かつ破断強度が10N/5cm以上である。
「交点数」は、次のようにして求められる。まず、乾燥状態の繊維シートを準備する。乾燥状態の繊維シートは、繊維シートを50℃で1時間予備乾燥を行ない、標準状態(温度20℃、相対湿度65%)で24時間放置することにより得られる。
そして、この繊維シートの表面の異なる10カ所において285μm×419μmの区画を2000倍で観察する。次に、10個の画像において確認される繊維同士の交点の数をそれぞれ測定し、その平均値を算出する。そして、求められた2718μm2当たりの平均値を1mm2当たりに換算し、これを交点数とする。なお、画像上、2つの繊維が交差しているように観察される交点には、繊維同士が接している場合と、繊維同士が接していない(近接している)場合とがあり得るが、本測定方法においては、このいずれも交点として計測対象とする。
このような繊維シートによれば、上述の繊維シート1と同様に、従来の繊維シート10に対し同様に観察した場合に測定される交点の数と比して極めて大きい。このため、当該繊維シートによれば、機能性物質の付着量を従来と比して増加させることができる。また、当該繊維シートは、70〜99%の空隙率を有しているため、高い通気性を有している。また、当該繊維シートは、10N/5cm以上の破断強度を有しているため、十分な形態安定性を有することができる。
したがって、本発明の他の態様に係る上記繊維シートは、通気性に優れつつも、高い機能性を発揮し得るものとなる。なお、繊維シートが方向性を有し、その方向によって破断強度が異なる場合があるのは上記において述べたとおりであり、繊維シートの使用状況に応じて、いずれの面内方向で上記破断強度を満たすことが好ましいのかも、上述と同様である。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例における各物性値の測定方法は次のとおりである。
〔1〕繊維シートの目付量(g/m2
JIS L 1906に準じ、温度20℃、湿度65%の標準状態に繊維シートの試験片を24時間放置後、幅方向1m×長さ方向1mの試料を採取し、天秤を用いて重量(g)を測定する。得られた重量(g)の小数点以下を四捨五入して目付量とした。
〔2〕繊維シートの厚み(mm)
剃刀(フェザー安全剃刀(株)製「フェザー剃刃S片刃」)を用いて、サンプルを表面に対して垂直であってMD方向に平行に切断し、デジタル顕微鏡[(株)キーエンス(KEYENCE)製デジタルマイクロスコープ(DIGITALMICROSCOPE)VHX−900]にて、その断面を観察し厚さを計測した。
〔3〕繊維シートの見かけ密度(g/cm3
目付量(g/m2)を厚み(mm)で除して、見かけ密度を求めた。
〔4〕繊維シートの空隙率(%)
目付量F(g/m2)、厚みG(μm)および繊維の平均比重H(g/cm2)から、下記式
空隙率(%)=100−((F/G/H)×100)
により空隙率(%)を算出した。
〔5〕繊維シートの破断強度(N/5cm)
JIS L 1913「一般短繊維不織布試験方法」に準じて、繊維シートのMD方向およびCD方向に関し、乾燥状態および湿潤状態における各々の破断強度を測定した。なお、繊維シートを50℃で1時間予備乾燥を行ない、標準状態(温度20℃、相対湿度65%)で24時間放置し、これを乾燥状態の繊維シートとした。一方、繊維シートを20℃の水に24時間浸漬し、その後該繊維シートを水から取り出して布帛上に静置して水を切り、繊維シートの400重量%の含水状態に調整したものを湿潤状態の繊維シートとした。
〔6〕繊維シートの破断伸度(%)
JIS L 1913「一般短繊維不織布試験方法」に準じて、繊維シートの機械方向(MD)および幅方向(CD)に関し、乾燥状態および湿潤状態における各々の破断伸度をそれぞれ測定した。なお、繊維シートを50℃で1時間予備乾燥を行ない、標準状態(温度20℃、相対湿度65%)で24時間放置し、これを乾燥状態の繊維シートとした。一方、繊維シートを20℃の水に24時間浸漬し、その後該繊維シートを水から取り出して布帛上に静置して水を切り、繊維シートの400重量%の含水状態に調整したものを湿潤状態の繊維シートとした。
〔7〕交点Aの数NA、交点Bの数NB、および交点Cの数NCの測定
走査型電子顕微鏡(「S−3400N型」、日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて、上述の方法に従って、交点Aの数NA、交点Bの数NB、交点Cの数NCを算出した。
<実施例1>
(繊維シート形成工程)
繊度1.7dtex(径:12.0μm)、繊維長38mmのテンセル(登録商標)(レンチング社製)を用い、CADでセミランダムウェブを作成した。次いで、水流による三次元絡合処理を施した。具体的には、まず、ウエブを金属製多孔性支持部材上に載置し、径0.10mmの噴射孔がウエブの幅方向に間隔0.6mm毎に設けられた2列のノズルを用い、それぞれ水流を水圧3MPa、5MPaの順で噴射し交絡させた(第1交絡処理)。更にウエブの表裏を搬送コンベアで反転させ、ポリエステル平織りメッシュ(日本フィルコン株式会社製、OP−76)支持体上に載置し、2列のノズルにおけるそれぞれ水流を水圧3MPa、5MPaの順で噴射し三次元絡合させた(第2交絡処理)。これら一連の処理を5m/分の速度で行ない、スパンレース不織布(第1前駆体)を得た。
(フィブリル化工程)
次に、精電舎電子工業株式会社製の超音波加工機を用い、関西金網株式会社製ナイロン平織りメッシュ(線径160μm、#200)で形成された支持体上で、スパンレース不織布の片面に、出力:1200W、周波数:20kHz、水温:25℃で、水浴超音波加工により0.2秒間処理を行なった。これにより、フィブリル部が起毛したスパンレース不織布(第2前駆体)を得た。
(乾燥工程)
次に、第2前駆体を脱水用マングルで脱水し、脱水後の第2前駆体に対し、130℃の熱風を5分間吹き付けることにより、乾燥させた。以上により、実施例1に係る繊維シートを作製した。
<実施例2>
繊度1.3dtex(径:10.5μm)、繊維長38mmのテンセル(登録商標)(レンチング社製)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、実施例2に係る繊維シートを作製した。
<実施例3>
繊度1.7dtex(径:12.0μm)、繊維長38mmのリヨセル(テンセル(登録商標)、レンチング社製)と、繊度1.6dtex(径:12.3μm)、繊維長51mmのポリエチレンテレフタラートステープル繊維(テトロン(登録商標)T471、東レ株式会社製)とを、重量比で30:70となるように均一に混合させた繊維を用い、第1交絡処理および第2交絡処理のそれぞれにおいて、水流を5MPa、8MPaとした以外は、実施例1と同様の方法により、実施例3に係る繊維シートを作製した。
<比較例1>
フィブリル化工程を行わなかった以外は、実施例1と同様の方法により、繊維シートを作製した。
<比較例2>
繊度3.8dtex(径:20.6μm)、繊維長51mmの分割繊維(ナイロン6とポリエチレンテレフタレートの質量比:33/67、「WRAMP W102」、(株)クラレ製)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、繊維シートを作製した。
表1に、各実施例および各比較例で作製された繊維シートの物性を示す。表1に示されるように、実施例1〜3の繊維シートに関し、高い空隙率を有しつつも、その表面には30000以上の交点数が確認された。このことから、実施例1〜3の繊維シートは、通気性に優れつつも、加工剤の付着量を高めることができ、故に、高い機能性を発揮し得ることが確認された。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態および実施例ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲および実施例と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,10 繊維シート、2,20 繊維、2a 幹部、2b フィブリル部、3 ネットワーク構造。

Claims (9)

  1. 繊維が集合してなる繊維シートであって、
    前記繊維は、径5μm超の幹部を有し、
    前記繊維の少なくとも一部は、前記幹部から延出する径5μm以下のフィブリル部を有し、
    前記繊維シートは、前記幹部同士が交差する交点A、前記フィブリル部同士が交差する交点B、および前記幹部と前記フィブリル部とが交差する交点Cを有し、
    1mm2において、前記交点Aの数NA、前記交点Bの数NB、および前記交点Cの数NCの合計が30000以上であり、
    前記繊維は、精製セルロース繊維またはポリビニルアルコール系繊維含む、繊維シート。
  2. 前記数NBは前記数NAの50倍以上である、請求項1に記載の繊維シート。
  3. 前記数NBは、20000以上である、請求項1または請求項2に記載の繊維シート。
  4. 前記数NAは、1000以下である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の繊維シート。
  5. 前記繊維シートの空隙率は、70〜99%である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の繊維シート。
  6. 前記繊維シートの破断強度は、10N/5cm以上である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の繊維シート。
  7. 前記繊維シートの目付量は、10〜500g/m2である、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の繊維シート。
  8. 前記繊維シートの見かけ密度は、0.015〜0.45g/cm3である、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の繊維シート。
  9. 繊維が集合してなる繊維シートであって、
    前記繊維シートは、1mm2当たりの交点数が30000以上であり、空隙率が70〜99%であり、かつ破断強度が10N/5cm以上であり、
    前記繊維は、精製セルロース繊維またはポリビニルアルコール系繊維含む、繊維シート。
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