JP2021155875A - 繊維集合体及びその製造方法、並びに粉体複合体及びフィルター - Google Patents

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絢葉 成松
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Abstract

【課題】繊維集合体及びその製造方法、並びに粉体複合体及びフィルターを提供する。【解決手段】繊維集合体は、平均直径が5.0〜100.0μmである幹繊維、及び幹繊維がフィブリル化してなるフィブリル化繊維を有する繊維集合体であって、繊維集合体中の幹繊維の表面に対する、幹繊維の繊維表面の少なくとも一部が剥離して内部が露出している部分の面積、及び幹繊維の表面において、フィブリル化繊維が幹繊維表面に付着している部分の面積の合計割合が、50%以上である部分を有する。【選択図】図2

Description

本発明は表面にフィブリル化に由来する凹凸を有する繊維を含む繊維集合体及びその製造方法に関する。さらに、本発明は前記繊維集合体に粉体が担持されてなる、粉体複合体及びフィルターに関する。
フィルターとして用いられる繊維集合体に、難燃剤、吸着材など特殊機能を有する粉体の機能を付与することで物質除去に加えて難燃、消臭、分解、触媒機能といった機能を有するフィルターが利用されてきた。これらは繊維集合体に粉体を担持させて作製されることから様々な担持方法が提案されている。
特許文献1(特開昭54−83181号公報)には、非難燃性の不織布を難燃剤とエマルジョン樹脂(バインダー)溶液に含浸、乾燥させることで不織布に硬い樹脂とともに難燃剤を付着させる方法が示されている。
特許文献2(特開2010−209490号公報)には熱硬化性樹脂によって抗菌性微粒子を繊維表面にコートする方法が記されている。
特許文献3(特開平7−185238号公報)には低融点成分と、高融点成分とを含む熱接着性繊維を用いた不織布に、難燃剤が分散または溶解された水溶液を付着後、該低融点成分の融点以上の温度で熱処理して該難燃剤を熱接着性繊維表面に熱接着させる方法が紹介されている。
特許文献4(特開2003−293253号公報)には不織布の熱収縮によって粒子を不織布中に含有させる方法が記されている。
特開昭54−83181号公報 特開2010−209490号公報 特開平7−185238号公報 特開2003−293253号公報
特許文献1および2では、バインダーを用いて粉体を繊維表面に固定し、特許文献3では、繊維表面を溶融させて粉体を繊維表面に固定しているが、特許文献1〜3に記載された方法では、いずれも粒子を樹脂に埋没させることで不織布に担持させているため、大半の粒子は樹脂への埋没により露出部分が減少し、粉体固有の効果が低減する。その結果、不織布では、担持させた粉体による効果効能を最大限に発揮させることができない。
また、特許文献4においても、不織布を熱収縮させて粒子を不織布内部に埋没させるため、いずれにしても、不織布表面での粒子の露出部分が大きく低減してしまい、粉体による効果効能を最大限に発揮させることができない。
したがって、これらの文献では、不織布に担持させた粉体による効果効能を最大限に発揮させることができないという課題があるため、繊維表面に粉体を露出させた状態で担持させることができる粉体複合体への需要が存在する。また、樹脂による硬化や溶融を行う場合や、不織布を収縮させると、不織布本来の物性が変化してしまうという課題もある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、繊維表面の微細な凹凸を利用し、特に繊維表面への粉体の担持性能に優れた繊維集合体及びその製造方法、並びに前記繊維集合体に粉体が担持されてなる、粉体複合体及びフィルターを提供することである。
本発明の発明者らは、前記目的を達成するために鋭意検討した結果、特定の直径を有する幹繊維と、前記幹繊維の一部がフィブリル化することで発生したフィブリル化繊維とを有する繊維集合体であって、繊維集合体の表面において形成される凹凸部が所定の割合である繊維集合体では、おそらく以下のメカニズム、すなわち、(i)幹繊維の一部の表面が剥離することによって凹部が幹繊維に形成され、(ii)フィブリル化により一旦剥離したフィブリル化繊維の一部が幹繊維と接触することにより一体化し、凸部が幹繊維に形成され、その結果、(iii)幹繊維では、これらの凹部および凸部の形成により、繊維集合体は、粉体と多点において接触することが可能となるのではないかと考えた。そして、特定の構造を有する繊維集合体では、驚くべきことに、繊維集合体の表面に粉体が担持されやすく、一度担持された粉体が脱離しにくいという優れた効果を奏することを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は、以下の態様で構成されうる。
〔態様1〕
平均直径が5.0〜100.0μm(好ましくは6.0μm以上、より好ましくは7.0μm以上、さらに好ましくは8.0μm以上;好ましくは50.0μm以下、より好ましくは40.0μm以下、さらに好ましくは30.0μm以下、よりさらに好ましくは20.0μm)である幹繊維、及び幹繊維がフィブリル化してなるフィブリル化繊維を有する繊維集合体であって、繊維集合体中の幹繊維の表面に対する、幹繊維の繊維表面の少なくとも一部が剥離して内部が露出している部分の面積、及び幹繊維の表面において、フィブリル化繊維が幹繊維表面に付着している部分の面積の合計割合が、50%以上(好ましくは60%以上であり、より好ましくは70%以上であり、さらに好ましくは80%以上)である部分を有する繊維集合体。
〔態様2〕
幹繊維の表面にフィブリル化繊維が付着することで形成されてなる凸部が存在し、該凸部の幅は1.0μmより大きい(より好ましくは1.5μm以上、さらに好ましくは2.0μm以上、よりさらに好ましくは4.0μm以上、最も好ましくは5.0μm以上;より好ましくは50μm以下、さらに好ましくは40μm以下、よりさらに好ましくは30μm以下、特に好ましくは20μm未満)、態様1に記載の繊維集合体。
〔態様3〕
空隙率が80〜99%(好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上;好ましくは98%以下)である、態様1または2に記載の繊維集合体。
〔態様4〕
態様1〜3のいずれか一態様に記載の繊維集合体に対して、平均粒子径200μm未満(好ましくは100μm未満であり、より好ましくは50μm以下であり、さらに好ましくは10μm以下;好ましくは0.01μm以上であり、より好ましくは0.1μm以上)の粉体が担持されてなる、粉体複合体。
〔態様5〕
JIS L 1913に準じて測定される厚さから算出した粉体複合体の見かけ密度(A)と、粉体の見かけ密度(B)とから求められる分散比率B/Aが0.5〜7(より好ましくは0.8〜6.5であり、さらに好ましくは1〜4)である、態様4に記載の粉体複合体。
〔態様6〕
通気度が0.1〜200cm/cm・s(好ましくは10cm/cm・s以上、より好ましくは50cm/cm・s以上)である、態様4または5に記載の粉体複合体。
〔態様7〕
態様1〜5のいずれか一態様に記載の繊維集合体、または態様4〜6のいずれか一態様に記載の粉体複合体を用いてなるフィルター。
〔態様8〕
オゾン分解フィルター、揮発性有機化合物ガス除去フィルター、有機溶媒吸着フィルター、脱臭フィルター、イオン交換フィルター、または微生物除去・不活性化フィルターである、態様7に記載のフィルター。
〔態様9〕
繊維集合体の製造方法であって、
複数本のフィブリル形成性繊維を少なくとも含む予備集合体を準備する工程;
前記予備集合体を35℃以上の液体に浸した状態で、厚み方向において少なくとも一方向からキャビテーションエネルギーを与えることにより、少なくとも一部の繊維をフィブリル化させて、繊維表面に凹凸部を形成させる、エネルギー付与工程;を含む、繊維集合体の製造方法。
〔態様10〕
エネルギー付与工程に先立って、前記予備集合体中の繊維を40℃以上の液体により膨潤させ、膨潤した予備集合体を形成する工程をさらに備える、態様9に記載の製造方法。
なお、本発明において、凹凸構造(表面凹凸構造と称する場合がある)を有する繊維とは、所定の幹繊維と、この幹繊維に対して付着するフィブリル化繊維とが一体化し、当該幹繊維の表面に凹凸構造が形成された状態の繊維を意味している。
本発明によれば、繊維集合体が粉体を保持した場合に、粉体と、幹繊維表面が多点で接触することで多量の粉体を担持させることができ、さらに担持された粉体が脱離しにくい繊維集合体を提供することができる。
図1は、本発明の繊維集合体における計測部位を説明するための模式図である。 図2は、実施例1で作製された繊維集合体を構成する繊維の表面凹凸構造を示す走査型電子顕微鏡写真(倍率:1500倍)である。 図3は、実施例1で作製された粉体複合体の構造を示す走査型電子顕微鏡写真(倍率:500倍)である。 図4は、比較例1で作製された繊維集合体を構成する繊維の表面凹凸構造を示す走査型電子顕微鏡写真(倍率:1500倍)である。 図5は、比較例1で作製された粉体複合体の構造を示す走査型電子顕微鏡写真(倍率:500倍)である。
<繊維集合体>
本発明の繊維集合体は、直径が5.0〜100.0μmである幹繊維、及び幹繊維の繊維表面の少なくとも一部が剥離してフィブリル化したフィブリル化繊維を有する繊維集合体である。
繊維集合体では、幹繊維の繊維表面の一部が剥離(分離)することにより、幹繊維の繊維内部構造であるフィブリルを露出することが可能となる。また、表面から剥離した部分は、フィブリル化により細径を有するフィブリル化繊維となる。フィブリル化繊維は、幹繊維表面から完全に分離した形態であってもよいし、未分離の部分を有した状態で幹繊維表面から一部分離した状態であってもよい。
例えば、図1は、本発明の繊維集合体100中の幹繊維およびフィブリル化繊維を説明するための概略一部拡大模式図である。図1には、繊維集合体中に存在する幹繊維10a,10bの一部が模式的に示されている。幹繊維10aでは、繊維表面1の一部が剥離して毛羽状となっているフィブリル化繊維2、フィブリル化繊維3、フィブリル化繊維4が存在している。フィブリル化繊維2は、幹繊維10aの繊維表面1から剥離後、再度幹繊維には付着しない状態で存在している。一方、フィブリル化繊維3および4は、幹繊維10aの繊維表面1から剥離後、隣接する幹繊維10bの表面に付着して幹繊維10bと一体化している。
なお、フィブリル化繊維の直径は特に限定されないが、幹繊維表面の剥離によりフィブリル化繊維が形成されるため、フィブリル化繊維の直径は、一般的に幹繊維の平均直径よりも小さい。例えば、図1では、フィブリル化繊維4の直径Xは、幹繊維10bの直径Yよりも小さい。
そして図1では、幹繊維10aには繊維内部が剥きだしとなることにより発生する凹部5が形成され、幹繊維10bには、フィブリル化繊維3および4が付着することにより発生する凸部6,7が形成されている。なお、フィブリル化繊維2は、幹繊維10aおよび10bのいずれに対して付着していない。
このような凹部5および凸部6,7により、繊維集合体100では、幹繊維表面に、凹凸部分を形成することができ、剛性を有する幹繊維による多点での粉体との接触が可能となる。その結果、幹繊維により発揮される粉体への保持力が高まるためか、繊維集合体100による粉体の担持性が向上する。
このような構造により、繊維集合体中の幹繊維は、所定の割合で凹凸部分を形成することが可能である。具体的には、繊維集合体において、幹繊維が表面に凹凸構造を有することは、例えば、走査型電子顕微鏡(好適には、走査型電子顕微鏡S−3400N型(日立ハイテクノロジーズ社製))を用いて、実施例に記載した方法により、繊維集合体の表面を観察して確認できる。
所定の倍率(例えば、1500倍)の観察視野に存在する、1または複数の幹繊維の長さ方向において、合計で5箇所の観察区画(繊維の長さ方向に10μm)を設け、幹繊維の表面面積に対する、表面凹凸部の面積に対する比率を求める。具体的には、表面凹凸部の面積は、(i)凹部として、フィブリル化によって幹繊維の表面が剥離して内部が露出している部分の面積、及び、(ii)凸部として、幹繊維の表面において、フィブリル化繊維が幹繊維表面に付着している部分の面積の合計割合である。なお、内部が露出している部分にフィブリル化繊維が付着した部分の面積については、上記(i)として判断している。
本発明の繊維集合体は、表面凹凸部の割合が高く、幹繊維の表面において、フィブリル化によって幹繊維内部が露出している面積、及びフィブリル化繊維が付着している面積の合計割合が50%以上である部分を有する。前記面積の合計割合は、好ましくは60%以上であり、より好ましくは70%以上であり、さらに好ましくは80%以上であってもよい。前記面積の合計割合が50%未満である場合には、凹凸部が局所的にしか発現していないことにより、担持できる粉体の量が少なくなる、または一度担持した粉体を脱離しやすくなる。上限は、100%であってもよい。
繊維集合体を構成する「繊維」は、少なくともその一部がフィブリル化されてなるフィブリル化繊維を有する。本発明の繊維集合体はフィブリル化繊維及び幹繊維のみから構成されていてもよいし、フィブリル化繊維及び幹繊維に加えて、さらにフィブリルを含まない繊維(フィブリルを含む繊維と同じ種類の繊維または異なる種類の繊維)が混合された構成であってよい。
本発明において「フィブリル化」とは、幹繊維に発生した亀裂から繊維の一部が分裂することで、幹繊維の平均直径に対して0.1倍未満の直径を有するフィブリル化繊維である「ミクロフィブリル」、幹繊維の平均直径に対して0.1倍以上0.25倍未満の直径を有するフィブリル化繊維である「メソフィブリル」、及び幹繊維の平均直径に対して0.25倍以上1倍未満の直径を有するフィブリル化繊維である「マクロフィブリル」などを発生させながら繊維の内部構造が露出する現象を意味する。本発明の繊維集合体は、フィブリル化繊維を有することで、幹繊維内部が露出した箇所(凹部)、またはフィブリル化繊維が幹繊維表面に付着した箇所(凸部)などに由来して、幹繊維の全面にわたって微細な凹凸が存在していることが好ましい。
本発明の繊維集合体は、平均直径(平均繊維径)が5.0μm〜100.0μmである幹繊維、及び幹繊維がフィブリル化してなるフィブリル化繊維を有する。幹繊維の平均直径の下限は、好ましくは6.0μm以上であり、より好ましくは7.0μm以上であり、さらに好ましくは8.0μm以上であってもよい。幹繊維の平均直径の上限は、好ましくは50.0μm以下であり、より好ましくは40.0μm以下であり、さらに好ましくは30.0μm以下であり、よりさらに好ましくは20.0μm以下であってもよい。幹繊維の平均直径が5.0μm未満であると、幹繊維としての剛性が十分でなく、幹繊維による粉体の担持性が低減する。一方、幹繊維の平均直径が100.0μmを超えると、繊維集合体の繊維間の距離が大きくなることから、粉体を担持させたときに脱離が起こりやすくなる。なお、ここで、幹繊維の平均繊維径は、後述する実施例に記載された方法により測定される値である。
本発明の繊維集合体において、フィブリル化繊維の直径は、総じて幹繊維の平均直径よりも小さい。特定の直径を有する幹繊維と、フィブリル化繊維(好ましくは幹繊維の平均直径よりも小さい直径を有するフィブリル化繊維)を含むことで、微細な表面凹凸形状を形成しやすくなる。その結果、粉体を保持した場合に、繊維集合体の重量に対して多くの粉体を担持することができ、さらに担持させた粉体が脱離しにくい繊維集合体を提供できる。
フィブリル化繊維としては、幹繊維の平均直径に対して0.1倍以上1倍未満の直径を有するフィブリル化繊維(上述のメソフィブリル化繊維および/またはマクロフィブリル化繊維)を少なくとも含むことが好ましく、幹繊維の平均直径に対して0.25倍以上1倍未満の直径を有するマクロフィブリル化繊維を少なくとも含むことが好ましく、幹繊維の平均直径に対して0.25倍以上1倍未満の直径を有するマクロフィブリル化繊維と0.1倍以上0.25倍未満の直径を有するメソフィブリル化繊維との両方を含むことがより好ましい。
本発明の繊維集合体は、幹繊維の表面にフィブリル化繊維が付着することで形成されてなる凸部が存在する。凸部の大きさは、特に限定されないが、例えば、観察区画内で観察される該凸部の幅として、1.0μmより大きく、かつ幹繊維の平均直径よりも小さいことが好ましい。なお、凸部の幅は、フィブリル化繊維が幹繊維に付着している部分における、フィブリル化繊維の長手方向の幅を意味しており、図1におけるフィブリル化繊維4では、幅Xとして示されている。なお、図1では、フィブリル化繊維4の長手方向における幅は、フィブリル化繊維4の直径Xと一致している。
凸部の幅下限は、より好ましくは1.5μm以上であり、さらに好ましくは2.0μm以上であり、よりさらに好ましくは4.0μm以上であり、最も好ましくは5.0μm以上であってもよい。凸部の幅の上限は、より好ましくは50μm以下であり、さらに好ましくは40μm以下であり、よりさらに好ましくは30μm以下であり、特に好ましくは20μm未満であってもよい。
凸部の幅が小さすぎる場合には、フィブリル化繊維が細いことで担持できる粉体の量が少なくなったり、担持できる粒径も小さい粒子に限られる傾向がある。一方、凸部の幅が大きすぎる場合には、フィブリル化繊維が十分細化していないことで微細な凹凸が減少し、結果として担持できる粉体の量が少なくなる傾向がある。
本発明の繊維集合体は、幹繊維の表面にフィブリル化によって幹繊維内部が露出している凹部、及びフィブリル化繊維が付着している凸部により形成される表面凹凸構造を有し、該表面凹凸構造の面積割合が従来よりも大きいことによって、繊維集合体に粉体を担持させたときに、繊維集合体の重量に対して多くの粉体を担持することができ、さらに担持させた粉体が脱離しにくい、という利点がある。このような本発明の繊維集合体は、後述するようなフィルターの用途に特に好適である。
本発明の繊維集合体において、空隙率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。繊維集合体の空隙率が80%未満である場合には、空隙が小さすぎ、粉体担持性能が十分でない傾向がある。また本発明の繊維集合体において、空隙率の上限は特に限定されないが、99%以下であることが好ましく、98%以下であることがより好ましい。繊維集合体の空隙率が99%を超える場合には、繊維集合体の繊維密度が小さく、その形状(例えばシート状)の維持が困難となる傾向がある。繊維集合体の空隙率は、繊維集合体の目付量、厚さ、繊維の平均比重などから算出することができる。
また本発明の繊維集合体は、非シート状(トウ、繊維束、撚糸など)であってもよいが、シート状であることが好ましい。シート状の繊維集合体であることで、シート状以外の形態で本発明の繊維集合体を形成した場合と比較して、取り扱い性が高くフィルターとしての利用が単独で可能であるという利点がある。
本発明の繊維集合体において、幹繊維としては、幹繊維の表層をフィブリル化することが可能な繊維であれば特に限定されず、繊維集合体の用途に応じて適宜選択することができる。好ましくは、セルロース系繊維、パラ系アラミド繊維[ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維(東レ・デュポン(株)製「ケブラー(登録商標)」、テイジン・アラミド(株)製「トワロン(登録商標)」);コポリパラフェニレン−3,4−ジフェニールエーテルテレフタルアミド繊維(帝人テクノプロダクツ(株)製「テクノーラ(登録商標)」)など]、メタ系アラミド繊維[ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(デュポン社製、商品名「ノーメックス(登録商標)」、帝人テクノプロダクツ(株)製「コーネックス(登録商標)」)]、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維(東洋紡(株)製「ザイロン(登録商標)」など)、全芳香族ポリエステル繊維((株)クラレ製「ベクトラン(登録商標)」など)、ポリビニルアルコール系繊維((株)クラレ製「ビニロン、」「クラロンK−II(登録商標)」)など、ポリケトン繊維(旭化成(株)製「サイバロン(登録商標)」など)、超高分子量ポリエチレン繊維(東洋紡(株)製「イザナス(登録商標)」、ハネウェル社製「スペクトラ」など)などが挙げられ、これらの繊維は高配向繊維であるため好ましい繊維である。なお、ポリケトン繊維は、繰り返し単位の95質量%以上が1−オキソトリメチレンにより構成されるポリケトン(PK)繊維、ポリエーテルケトン(PEK)繊維、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)繊維、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)繊維などであってもよい。
好ましくは、吸液性が高く、汎用繊維で入手が容易で価格が安く、熱安定性が良好という利点を有することからセルロース系繊維、ポリビニルアルコール系繊維であってもよい。セルロース系繊維としては、天然セルロース繊維、再生セルロース繊維、精製セルロース繊維などが好適な例として挙げられる。具体的には、コットン、麻、羊毛、パルプなどの天然セルロース繊維、レーヨン、キュプラなどの再生セルロース繊維(旭化成(株)製「キュプラ」)、ナノバル(株)製「NANOVAL」など)、精製セルロース繊維(レンチング(株)製「テンセル(登録商標)」など)などが挙げられる。
中でも、幹繊維は、溶剤紡糸によって製造される精製セルロース繊維であることが好ましい。このような精製セルロース繊維としては、例えば、木材パルプを(N−メチルモルフォリン−N−オキサイド:NMMO)を溶媒として、NMMO/水/セルロース=80%/10%/10%の配合比で溶解させ紡糸した上述のテンセル(登録商標)が挙げられる。
幹繊維の繊維長は、繊維集合体の種類に応じて適宜選択することが可能であり、例えば、織物・編み物で本発明の繊維集合体を形成する場合には長繊維を用いてもよいし、不織布で本発明の繊維集合体を形成する場合は、例えば繊維長が25〜60mmの範囲の短繊維を用いてもよい。本発明の繊維集合体をスパンボンド法、メルトブローン法などの従来公知の方法を用いて不織布で形成する場合にも、当業界で用いられる長繊維であってもよいし、乾式法の32〜51mmの範囲の短繊維であってもよい。なお、幹繊維は、フィブリルを形成する前の状態において、繊維長の異なる複数の繊維(例えば繊維長の異なる複数のセルロース系繊維)を混合して用いても勿論よい。
本発明の繊維集合体は、幹繊維およびフィブリル化繊維で用いられる種類以外の繊維(以下、「他の繊維」と呼称する)を含んでいてもよい。このような他の繊維は、その目的に応じて自由に選択することができ、特に制限されるものではないが、一般に、非フィブリル化繊維として、繊維集合体に存在しているため、幹繊維およびフィブリル化繊維と判別することが可能である。他の繊維としては、合成繊維、天然繊維(植物繊維、動物性のタンパク質繊維など)、再生繊維(植物性または動物性材料を一旦溶解してから化学的に処理して繊維化した繊維)などが挙げられる。天然繊維であれば、例えば、綿またはコットン、絹、麻、シルク、ウールなどであってもよい。また、嵩高にするために、他の繊維としてポリエステル繊維を混合してもよい。さらに、芯鞘構造を有する従来公知の複合繊維を他の繊維として用いてもよい。
他の繊維の繊度は、幹繊維の繊度や目的に応じて適宜設定することができ、特に制限されるものではないが、例えば、0.1〜5.5dtexの範囲が好ましく、0.5〜3.3dtexの範囲がより好ましい。他の繊維の繊度が0.1dtex未満である場合、繊維集合体をシート状にした際、その密度が高くなるため、粉体担持に必要な繊維間の空隙が確保できない傾向がある。一方、他の繊維の繊度が5.5dtexを超える場合には、繊維集合体をシート状にした際の繊維間の距離が大きくなることから、幹繊維およびフィブリル化繊維の再付着による微細凹凸構造の形成が困難となる傾向がある。また、他の繊維の繊維長についても特に制限されるものではなく、上述したフィブリルを有する繊維と同様に、長繊維のものを用いてもよいし、好ましくは25〜60mmの短繊維を用いても勿論よい。
他の繊維を混合する場合、その混合率は特に制限されないが、他の繊維を混合することで幹繊維の表面凹凸が減少する傾向にあることから、好ましくは20質量%未満であり、より好ましくは10質量%未満であり、さらに好ましくは5質量%未満であってもよい。
本発明の繊維集合体の形態は、幹繊維およびフィブリル化繊維により所定の表面凹凸形状を形成することができる限り特に限定されず、例えば、織布(織物)、編み物、レース、フェルト、不織布などが挙げられ、用途に応じて適宜選択することができる。また、繊維集合体は、一次元形状(リボン状などの線形状)、二次元形状(シート状、カード状、コイン状の面形状)、または三次元形状(矩形状、円柱または円錐状、不定形状などの立体形状)のいずれであってもよい。
中でも、繊維間に空隙を作りやすく、繊維集合体の重量当たり担持できる粉体の量を増やすことができる観点から、繊維集合体の形態は、不織布(特に乾式不織布)であることが好ましい。
本発明の一態様では、不織布(特に乾式不織布)でシート状の繊維集合体であってもよい。不織布でシート状の繊維集合体は、不織布以外でシート状の繊維集合体を形成する場合(例えば、織物)と比較して、繊維間に空隙を作りやすいため、繊維集合体の重量当たり担持できる粉体の量を増やすことができる。
繊維集合体(特に不織布からなる繊維集合体)の目付量は特に制限されないが、10〜1000g/mであることが好ましく、15〜500g/mであることがより好ましく、20〜300g/mであることがさらに好ましく、25〜100g/mであることが特に好ましい。目付量が小さすぎる場合には、繊維集合体の強度が得られにくく、また、繊維集合体の厚み方向に空隙が形成されにくくなる傾向があり、また、目付量が大きすぎる場合には、繊維集合体が厚く、特定の凹凸構造を有する繊維が繊維集合体の表面及び/または裏面近傍にしか得られない傾向にあるためである。
繊維集合体(特に不織布からなる繊維集合体)の厚みも特に制限されないが、0.05〜10mmであることが好ましく、0.10〜8mmであることがより好ましく、0.20〜5mmであることが特に好ましい。厚みが小さすぎる場合、繊維集合体の厚み方向において空隙が少なくなるため、繊維集合体の重量当たり担持できる粉体の量が低下する傾向がある。一方、厚みが厚すぎる場合には、特定の凹凸構造を有する繊維が繊維集合体の表面及び/または裏面近傍のみしか得られなくなってしまう傾向がある。
本発明の繊維集合体は種々の用途に適用することが可能であるが、微細な凹凸を有する繊維が繊維集合体の厚み方向全体に亘って形成されているという特徴をいかし、特にエアフィルターや液体フィルター等の不純物を除去する用途に好適に使用できる。
<繊維集合体の製造方法>
本発明はさらに、繊維集合体を好適に製造する方法についても提供する。繊維集合体の製造方法は、複数のフィブリル形成性繊維を少なくとも含む予備集合体を準備する工程と、前記予備集合体を35℃以上の液体に浸した状態で、厚み方向において少なくとも一方からキャビテーションエネルギーを与えることにより、少なくとも一部の繊維をフィブリル化させて、繊維表面に凹凸部を形成させる、エネルギー付与工程を含むことを特徴とする。
本発明の製造方法ではまず、予備集合体を準備する。予備集合体は、フィブリル形成性繊維を少なくとも含み、必要に応じて、他の繊維を含んでおり、これらの繊維から、既存の加工技術を利用して、織物、編み物、レース、フェルト、不織布(乾式、湿式)、乾式不織布用ウエブなどを形成することができる。予備集合体は、厚みや密度の観点から、好ましくは、乾式法でスパンレース(水流)にて繊維を三次元交絡させた不織布であることが好ましい。
好ましくは、前記予備集合体を40℃以上の液体に浸漬させる膨潤工程により、膨潤状態の予備集合体を得てもよい。当該工程は予備集合体の繊維を膨潤させ繊維を構成する分子鎖の運動性を向上させることで、幹繊維から、より多くのフィブリルを発生させることが可能である。
また、膨潤工程において用いられる液体は、予備集合体において用いられる繊維に応じて適宜選択することが可能であるが、水、各種水溶液、アルコール類(エタノールなど)、DMSOなどが挙げられる。これらは、単独でまたは二種以上組み合わせて使用してもよい。簡便に取り扱える観点から、特に水が好ましい。
また、膨潤工程における液体の温度は、好ましくは45℃以上、より好ましくは50℃以上であってもよい。液体の温度の上限は特に限定されないが、膨潤性と経済性の観点から、100℃程度であってもよい。
予備集合体中の繊維を膨潤させる方法は特に限定されないが、一般的には、予備集合体を液体に浸漬することにより膨潤させることができる。連続的に製造する場合、生産効率の観点から、予備集合体をロールで運搬しながら液体中を通過させる方法が好ましい。浸漬させる時間は、予備集合体中の繊維を膨潤できる限り特に限定されないが、通常は0.1〜60秒であってもよく、生産効率の観点からは、好ましくは0.1〜30秒、より好ましくは0.1〜5秒である。
エネルギー付与工程は、予備集合体を35℃以上の液体に浸した状態で、予備集合体の厚み方向において、少なくとも一方からキャビテーションエネルギーを与えることにより行われる。当該工程は、膨潤工程を経た膨潤状態の予備集合体(以下、膨潤集合体と称する場合がある)に対して行われるのが好ましく、その場合、例えば、上述の工程で膨潤集合体を形成し、そのままエネルギー付与工程を行ってもよいし、形成後に一旦巻き取られた膨潤集合体を取り出して行ってもよい。
キャビテーションエネルギーを与える際に用いられる、35℃以上の媒体となる液体(膨潤工程において例示された液体など)としては、キャビテーションの際に、予備集合体を形成する繊維間に浸透可能であり、キャビテーションエネルギーを予備集合体に対して伝達できる限り特に限定されないが、簡便性の観点からは、好ましい液体としては、各種水溶液、特に水が挙げられる。液体は、膨潤工程で用いた液体と同じ種類の液体であってもよく、異なる種類の液体であってもよいが、経済性の観点から、同じ種類の液体(特に水)であるのが好ましい。
例えば、超音波エネルギーを与える場合、媒体中で、予備集合体(膨潤集合体)を、超音波発振器から発生する電気エネルギーを機械振動エネルギーに変換するホーンの近くに配置し、予備集合体(膨潤集合体)を超音波に曝してもよい。超音波の振動方向は、予備集合体(膨潤集合体)の厚み方向、例えば、予備集合体(膨潤集合体)に対して法線方向となる縦振動が好ましい。超音波エネルギーを有効に与える観点から、予備集合体(膨潤集合体)とホーンとの距離は、約1mm未満であるのが好ましく、簡便性の観点からは、予備集合体(膨潤集合体)をホーンと接触配置してもよい。また、予備集合体(膨潤集合体)とホーンとが非接触配置である場合は、予備集合体(膨潤集合体)の表面は、ホーンから1/4の波長距離に配置することが好ましい。このようなキャビテーションエネルギーを付与されることにより、繊維表面が破壊され、フィブリル化繊維が発生する。
キャビテーションエネルギーを与える際、予備集合体(膨潤集合体)は支持体の上に載置されてもよい。支持体は、キャビテーションエネルギーにより液体に発生する液流を有効に活用する観点から、開孔構造を有しているのが好ましい。例えば、ホーン先端部の振動により振動方向と同方向に、媒体となる液体の液流が生じる。この液流は予備集合体(膨潤集合体)の表面及び内部で顕在化したフィブリル化繊維を、厚み方向に配向させるとともに、幹繊維の表面に、フィブリル化繊維が再付着させることで表面凹凸を向上させると考えられる。
前記支持体は、媒体となる液体の液流を妨げない構造であれば特に限定されず、メッシュ構造などの各種開孔構造が挙げられるが、開孔性が高い観点からメッシュ構造が好ましい。また、支持体は、開孔構造のプレート状であっても、ローラー状のコンベアであってもよい。特に好ましくは、支持体がメッシュ構造を有するローラー状のコンベアであってもよい。
キャビテーションエネルギーの強度、媒体となる液体中に曝す時間は、繊維集合体における繊維の種類やフィブリル化の程度に応じて調整するのがよい。キャビテーションの強度が高くなればなるほど、フィブリルの生成速度が速くなり、より細い、アスペクト比が大きいフィブリルが生成され易くなる。超音波振動周波数は、通常10〜500kHz、好ましくは10〜100kHz、更に好ましくは10〜40kHzである。
液体の温度は、35〜100℃とするのが好ましく、より好ましくは40〜90℃であり、最も好ましくは40〜80℃である。本発明においては、媒体の温度を上昇させることでキャビテーション半径を小さくして細かいフィブリルの発生を促し、また同時に繊維に高いエネルギーを与えることでフィブリルの発生本数を多くすることが可能である。
処理時間は、繊維集合体における繊維の種類、繊維集合体の形態、繊度などに応じて、適宜選択することが可能であるが、処理時間は、例えば、0.01秒間〜60分間であってもよく、好ましくは0.1秒間〜10分間、さらに好ましくは0.5秒間〜2分間である。前記処理時間は複数回の処理を行った場合の合計時間であってもよい。処理時間が同じ場合でも複数回に分けて処理を行うことで、より均一な構造を得ることができる。
<粉体複合体>
本発明は、前記繊維集合体に対して、平均粒子径200μm未満の粉体が活性成分として担持されてなる粉体複合体も好適な実施態様の一つとして、包含する。このような粉体複合体は、繊維集合体を構成する繊維の微細凹凸間に入り込むことで粉体が脱離しにくく、衝撃を与えた場合にも粉体残存率が高いという優れた効果を奏する。粉体の平均粒子径は、好ましくは100μm未満であり、より好ましくは50μm以下であり、さらに好ましくは10μm以下であってもよい。粉体の平均粒子径の下限は特に制限されないが、好ましくは0.01μm以上であり、より好ましくは0.1μm以上であってもよい。粉体の平均粒子径は、後述する実施例に記載された方法により測定される値である。前記粉体複合体に用いられる粉体の形状は特に制限されず、球体、結晶構造、針状、不定形が使用できる。
前記繊維集合体に対して粉体を担持する方法は制限されず、例えば、(i)粉体を水中に分散させ、分散液中に繊維集合体を浸漬させ、温度及び浸漬時間、液循環回数等の条件を設定し、乾燥させる方法でもよく、(ii)乾燥状態の粉体を繊維集合体に散布して担持させる方法でもよく、(iii)繊維集合体上に粉体を載置してスクレーパーで伸ばし広げる方法でもよく、(iv)粉体が可溶である溶媒を用いて溶液を作製し、繊維集合体を浸漬させてから乾燥させることで結晶化する方法でもよい。
前記粉体複合体について、JIS L 1913に準じて測定される厚さから算出した粉体複合体の見かけ密度(A)と、粉体の見かけ密度(B)とから求められる分散比率B/Aは、好ましくは0.5〜7であり、より好ましくは0.8〜6.5であり、さらに好ましくは1〜4であってもよい。分散比率B/Aがこの範囲にあることで、衝撃を与えた場合の粉体残存率がより一層向上する。粉体複合体の見かけ密度(A)、及び粉体の見かけ密度(B)は後述する実施例の方法により求めることができる。
粉体複合体の通気度は特に限定されないが、フラジール形法による通気度が、好ましくは0.1cm/cm・s以上であってもよく、好ましくは10cm/cm・s以上、より好ましくは50cm/cm・s以上であってもよい。また、フラジール形法による通気度は、200cm/cm・s以下であってもよい。粉体複合体では、通気度が低すぎる場合には、空気を通過させるために外部から圧力を加える必要が生じ、自然な空気の出入が困難となる傾向がある。通気度が高すぎる場合には、フィルターとして用いた場合に通気速度が速くなりすぎて粉体等の物質吸着が十分に行われない傾向がある。
前記粉体複合体で用いられる粉体は、用途に応じて様々な機能性(例えば、オゾン分解、有機物吸着、脱臭、イオン交換、除菌、除ウィルスなど)を有する粉体を用いることが可能であり、各種無機粉体、有機粉体が用いられる。
例えば、粉体複合体をフィルターとして用いてなるフィルターも、本発明の好適な実施態様の一つである。フィルターの種類は特に限定されないが、例えば、オゾン分解フィルター、揮発性有機化合物ガス除去フィルター、有機溶媒吸着フィルター、脱臭フィルター、イオン交換フィルター、微生物(菌類、ウィルスなど)除去または不活性化フィルターなどが挙げられる。これらのフィルターは必要に応じて難燃剤が担持されている難燃フィルターであってもよい。
オゾン分解フィルターの場合、粉体としては、活性炭、二酸化マンガン、白金、酸化第二鉄、酸化銅、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化亜鉛、チタン含有酸化物、天然ゼオライトのマンガンイオン交換物などを1種類又は2種類以上を混合又は複合化したものを使用できる。
揮発性有機化合物ガス除去フィルター、または有機溶媒吸着フィルターの場合、粉体としては、酸やアルカリを添着した多孔質粉体(例えば、活性炭)、アミノ基を担持した多孔質粉体、活性炭、ゼオライト、シリカゲル、活性アルミナ、ジルコニウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、活性白土、イオン交換樹脂、光触媒(例えば、金属酸化物、金属カルコゲイド、第IV族元素、III−V族化合物、有機半導体、これら半導体に、ヒ素、リン、アルミニウム、ホウ素、ナトリウム、ハロゲンなどの不純物をドープしたものなど)、光触媒を担持した多孔質粉体を1種類又は2種類以上を混合又は複合化したものを使用できる。
脱臭フィルターの場合、粉体としては、活性炭、水蒸気賦活炭、アルカリ処理活性炭、酸処理活性炭、イオン交換樹脂を1種類又は2種類以上を混合又は複合化したものを使用できる。イオン交換フィルターの場合、粉体としては、イオン交換樹脂粉末、イオン交換基を有する多孔質物質(例えば、活性炭、ゼオライト、シリカゲル、活性アルミナ、ジルコニウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、活性白土)を1種類又は2種類以上を混合又は複合化したものを使用できる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。
〔目付(g/m)〕
JIS L 1906に準じ、温度20℃、湿度65%の標準状態にサンプルを24時間放置後、幅方向1m×長さ方向1mの試料を採取し、天秤を用いて重量(g)を測定する。得られた重量(g)の小数点以下を四捨五入して目付とした。
〔厚み(μm)〕
JIS L 1913 6.2に準じ求めた。
〔密度(g/cm)〕
目付(g/m)を厚みで除し密度を求めた。
〔空隙率(%)〕
目付E(g/m)、厚みF(μm)及び繊維の平均比重G(g/cm)から、下記式
空隙率(%)=100−((E/F/G)×100)
により空隙率(%)を算出した。
〔通気度(cm/cm・s)〕
JIS L 1096に準じ、フラジール形法にて測定した。
〔繊維直径〕
繊維集合体のフィブリル化加工面、非加工面ともに表面を走査型電子顕微鏡S−3400N型(日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて撮影した。この画像をパソコンソフトAdobe Photoshop CS6 Extendedの「計測ツール」を用いて直径を計測した。幹繊維については、この作業をランダムに選んだ幹繊維100本(フィブリル化加工面、非加工面を問わない)に対して行い、その平均値を直径(幹繊維の平均直径)とした。
フィブリル化繊維については、フィブリル化加工面からランダムに選んだフィブリル化繊維100本について直径を測定し、フィブリル化繊維の直径/幹繊維の平均直径の比を求め、比が0.25倍以上1倍未満、0.1倍以上0.25倍未満、0.1倍未満の3段階に分けて該当するフィブリル化繊維の有無を判定した。なお、フィブリル化繊維の直径は、幹繊維に再付着して凸部を形成している部分があれば、その部分の直径をフィブリル化繊維の直径とした。
〔表面凹凸部の面積割合〕
繊維集合体の表面を、走査型電子顕微鏡S−3400N型(日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて、倍率1500倍で観察した。この区画において、ピントの合った繊維の長さ方向に10μmの区画を5箇所選択する。なお、区画内に複数の繊維が存在する場合には、すべての繊維から区画を選択することとする。該区画において、フィブリル化によって繊維内部が露出した部分、及びフィブリル化した繊維が付着した部分の面積(Sa)とそれ以外の部分の面積(Sb)を測定した。表面凹凸部の面積割合を下記式により求めた。同様に10箇所を測定し、計50箇所の区画の表面凹凸部の面積割合の平均値を算出した。
表面凹凸部の面積割合(%) = 〔Sa / (Sa+Sb)〕×100
上記、表面凹凸部の面積割合と同様に、50箇所の区画を選択した。該区画内に存在する再付着したフィブリル繊維の幅を計測し、区画内における凸部の最大値を求めた。50箇所のうち大きいほうから5箇所のデータの平均値を求め、凸部の幅とした。
〔粉体の平均粒子径〕
担持させる粉体を、走査型電子顕微鏡S−3400N型(日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて撮影した。この画像中の粒子1個に対してパソコンソフトAdobe Photoshop CS6 Extendedの「計測ツール」を用いて粉体直径を求めた。この作業を粉体粒子100個に対して行い、平均値を粉体の平均粒子径とした。
〔分散比率B/A〕
JIS L 1913「一般不織布試験方法」の6.2に準じて測定される厚さから算出した粉体複合体の見かけ密度(A)と、粉体の見かけ密度(B)を求めた。粉体の見かけ密度(B)を粉体複合体の見かけ密度(A)で除して、分散比率B/Aを求めた。
〔粉体残存率〕
粉体を担持させた粉体複合体(10cm×10cm)の重量を計測した。次に、定性ろ紙No.5で両側から挟み込み、手ではじいて繊維に付着していない粉体を除いた。定性ろ紙に粉体がつかなくなるまでこれを繰り返し、重量を計測した。この時の粉体残存率を下記式により求めた。
粉体残存率(%)=(粉体を落とした後の粉体複合体重量)/(粉体を落とす前の粉体複合体重量)×100
<実施例1>
繊度1.7dtex、繊維長38mmの精製セルロース繊維[レンチング社製:テンセル(登録商標)]を用い、CAD(カード機)でセミランダムウェブを作製した。次いで、水流による三次元絡合処理を施した。ウエブを金属製多孔性支持部材上に載置し、直径0.10mmの噴射孔がウエブの幅方向に間隔0.6mm毎に設けられたノズルを2段用い、それぞれ水流を水圧2MPa、3MPaの順で噴射し交絡させた。更にウエブの表裏を搬送コンベアで反転させ、ポリエステル平織りメッシュ(日本フィルコン株式会社製OP−76)支持体上に載置し、同ノズルを2段用い、それぞれ水流を水圧2MPa、3MPaの順で噴射し三次元絡合させた。その後シリンダー乾燥機にて温度130℃で接触乾燥した。これら一連の処理を50m/分の速度で行い、スパンレース不織布(予備集合体)を得た。
次に、予備集合体を搬送ロールで運搬しながら60℃の温水の入ったパンを通過させ、膨潤集合体を得た。
次に、超音波加工機(精電舎電子工業株式会社製)を用い、関西金網株式会社製ナイロン平織りメッシュ(線径160μm、#200)で形成された支持体上で、膨潤集合体の片面に、出力:1200W、周波数:20kHz、水温:60℃で、処理時間0.67秒で、水浴超音波処理によりフィブリル化を行なって、繊維集合体を得た。得られた繊維集合体は、幹繊維、及び幹繊維がフィブリル化してなるフィブリル化繊維を有し、フィブリル化繊維の直径は、幹繊維の平均直径よりも小さかった。繊維集合体について、目付、厚み、見かけ密度、空隙率、繊維表面の凹凸部の面積割合、凸部の幅、幹繊維の平均直径、及び幹繊維の平均直径に対し特定の比率を有するフィブリル化繊維の有無を求めた。結果を表1に示す。
前記繊維集合体を10cm×10cmに切り出し、重量を測定する。繊維集合体の重量に対して5等量の粉体[JIS試験用粉体I―11種(一般社団法人 日本粉体工業技術会)、平均粒子径3.7μm]を乾燥状態で秤量し、50mLの水中に分散させて粉体分散液を調製した。繊維集合体を45°の斜面の上に載置し、前記粉体分散液を流しかけた後、絞り圧1.2kgfのマングルで圧縮して脱水した。分散液との接触、脱水の作業を3回繰り返したのち、100℃下で乾燥させることで粉体複合体を得た。得られた粉体複合体について、粉体担持量、見かけ密度(A)、見かけ密度(A)に対する粉体の見かけ密度(B)の分散比率B/A、通気度、及び粉体残存率を求めた。結果を表1に示す。また、図2および3に、実施例1で得られた繊維集合体および粉体複合体の写真を示す。
<実施例2>
予備集合体として表1に示す目付と厚みを有するスパンレース不織布を用いたこと、水浴超音波処理によるフィブリル化時の水温を40℃に変えたこと以外は実施例1と同様にして、繊維集合体及び粉体複合体を得た。得られた繊維集合体は、幹繊維、及び幹繊維がフィブリル化してなるフィブリル化繊維を有し、フィブリル化繊維の直径は、幹繊維の平均直径よりも小さかった。結果を表1に示す。
<実施例3>
予備集合体として表1に示す目付と厚みを有するスパンレース不織布を用いたこと、水浴超音波処理によるフィブリル化時の水温を50℃に変えたこと以外は実施例1と同様にして、繊維集合体及び粉体複合体を得た。得られた繊維集合体は、幹繊維、及び幹繊維がフィブリル化してなるフィブリル化繊維を有し、フィブリル化繊維の直径は、幹繊維の平均直径よりも小さかった。結果を表1に示す。
<比較例1>
水浴超音波処理によるフィブリル化時の水温を25℃に変えたこと以外は実施例1と同様にして、繊維集合体及び粉体複合体を得た。得られた繊維集合体は、幹繊維、及び幹繊維がフィブリル化してなるフィブリル化繊維を有し、フィブリル化繊維の直径は、幹繊維の平均直径よりも小さかった。結果を表1に示す。また、図4および5に、比較例1で得られた繊維集合体および粉体複合体の写真を示す。
<比較例2>
予備集合体として表1に示す目付と厚みを有するスパンレース不織布を用いたこと、水浴超音波処理によるフィブリル化時の水温を30℃に変えたこと以外は実施例1と同様にして、繊維集合体及び粉体複合体を得た。得られた繊維集合体は、幹繊維、及び幹繊維がフィブリル化してなるフィブリル化繊維を有し、フィブリル化繊維の直径は、幹繊維の平均直径よりも小さかった。結果を表1に示す。
<比較例3>
予備集合体を得るための水流絡合処理において、金属製多孔性支持部材上で水流を水圧4MPa、5MPaの順で噴射し、ポリエステル平織りメッシュ支持体上では水流を水圧10MPa、15MPaの順で噴射し三次元絡合させたることで得られる、表1に示す目付と厚みを有するスパンレース不織布を用いたこと、水浴超音波処理を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして、繊維集合体及び粉体複合体を得た。結果を表1に示す。
<比較例4>
予備集合体として表1に示す目付と厚みを有するスパンレース不織布を用いたこと、水浴超音波処理によるフィブリル化時の水温を25℃に、処理時間を6.67秒に変えたこと以外は実施例1と同様にして、繊維集合体及び粉体複合体を得た。得られた繊維集合体は、幹繊維、及び幹繊維がフィブリル化してなるフィブリル化繊維を有し、フィブリル化繊維の直径は、幹繊維の平均直径よりも小さかった。結果を表1に示す。
Figure 2021155875
表1に示すように、実施例1〜3の繊維集合体は、いずれも表面凹凸部の面積割合が大きく、凸部の幅も所定の範囲に存在している。また、フィブリル化繊維についても、幹繊維の平均直径に対して0.1倍以上0.25倍未満の直径を有するメソフィブリル化繊維および幹繊維の平均直径に対して0.25倍以上1倍未満の直径を有するマクロフィブリル化繊維の双方を有している。
特に図2に示すように、実施例1ではフィブリル化が進むことにより繊維表面の剥離により凹部が広く発生するとともに、マクロフィブリル化繊維およびメソフィブリル化繊維が幹繊維と一体化して形成される凸部も多く形成されている。
その結果、実施例1〜3の粉体複合体では、高い通気度を達成しつつも、繊維重量当たりの粉体担持量が多く、また、粉体残存率も高い値である。特に、図3に示すように、実施例1の粉体複合体では、粉体が、幹繊維およびフィブリル化繊維において全体的に付着している様子が観察できる。特に、幹繊維とフィブリル化繊維とが接している凸部付近では、多点により粉体が担持されているためか、特に多く粉体が担持されている。
比較例1では、25℃でキャビテーションエネルギーを与えたため、十分なフィブリル化を行うことができず、表面凹凸部の面積割合を高めることができていない。さらに、凸部の幅も、実施例と比べて低い値である。また、フィブリル化繊維についても、幹繊維の平均直径に対して0.1倍未満の直径を有するミクロフィブリル化繊維および幹繊維の平均直径に対して0.1倍以上0.25倍未満の直径を有するメソフィブリル化繊維は存在するものの、幹繊維の平均直径に対して0.25倍以上1倍未満の直径を有するマクロフィブリル化繊維は存在していない。図4に示すように、比較例1の繊維集合体では、幹繊維が凹部をほとんど形成しておらず、また、大多数がミクロフィブリル化繊維であることが観察できる。
その結果、比較例1の粉体複合体では、繊維重量当たりの粉体担持量が実施例と比べてやや少ない値であるにもかかわらず、粉体残存率は実施例と比較して激減している。また、図5に示すように、比較例1の粉体複合体では、幹繊維およびフィブリル化繊維における粉体の付着はわずかである。
比較例2では、繊維集合体の見かけ密度が比較例1よりも高く、30℃でキャビテーションエネルギーを与えているが、十分なフィブリル化を行うことができておらず、表面凹凸部の面積割合を高めることができていない。さらに、凸部の幅も、実施例と比べて低い値である。また、フィブリル化繊維についても、幹繊維の平均直径に対して0.1倍未満の直径を有するミクロフィブリル化繊維および幹繊維の平均直径に対して0.1倍以上0.25倍未満の直径を有するメソフィブリル化繊維は存在するものの、幹繊維の平均直径に対して0.25倍以上1倍未満の直径を有するマクロフィブリル化繊維は存在していない。その結果、比較例2の粉体複合体では、繊維重量あたりの粉体担持量が激減し、その結果、見かけ上は粉体残存率が比較例1と同程度である。
比較例3では、キャビテーションエネルギーを付与していないため、毛羽としてミクロフィブリル繊維が散見されるものの、ミクロフィブリル繊維が幹部に再付着して発生する凸部はほとんど存在せず、表面凹凸部の面積割合は極めて低い値である。その結果、比較例3の粉体複合体では、繊維重量あたりの粉体担持量および粉体残存率は激減している。
比較例4では、比較例1よりもゆっくりと移動させることにより、キャビテーションエネルギーを比較例1の10倍量として付与しているが、依然として、表面凹凸部の面積割合は極めて低い値である。さらに、凸部の幅も、実施例と比べて低い値である。また、フィブリル化繊維についても、幹繊維の平均直径に対して0.1倍未満の直径を有するミクロフィブリル化繊維および幹繊維の平均直径に対して0.1倍以上0.25倍未満の直径を有するメソフィブリル化繊維は存在するものの、幹繊維の平均直径に対して0.25倍以上1倍未満の直径を有するマクロフィブリル化繊維は存在していない。その結果、比較例4の粉体複合体でも、繊維重量あたりの粉体残存率を改善することができていない。
本発明の繊維集合体は、粉体と繊維表面が多点で接触することで低密度でありながら多量の粉体を担持させることができ、微細凹凸間に入り込んだ粉体が脱離しにくいため、特に粉体を担持してなる粉体複合体として好適に使用できる。繊維集合体はそのままエアフィルターや液体フィルターとして用いることもできる。また、粉体複合体の用途として、例えば、オゾン分解フィルター、揮発性有機化合物ガス除去フィルター、有機溶媒吸着フィルター、脱臭フィルター、またはイオン交換フィルターが好適なものとして挙げられる。
以上のとおり、本発明の好適な実施形態および実施例を説明したが、当業者であれば、本件明細書を見て、自明な範囲内で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。したがって、そのような変更および修正は、請求の範囲から定まる発明の範囲内のものと解釈される。
100 繊維集合体
10a、10b 幹繊維
2,3,4 フィブリル化繊維
5 凹部
6,7 凸部
X フィブリル化繊維に由来する凸部の幅
Y 幹繊維の直径

Claims (10)

  1. 平均直径が5.0〜100.0μmである幹繊維、及び幹繊維がフィブリル化してなるフィブリル化繊維を有する繊維集合体であって、繊維集合体中の幹繊維の表面に対する、幹繊維の繊維表面の少なくとも一部が剥離して内部が露出している部分の面積、及び幹繊維の表面において、フィブリル化繊維が幹繊維表面に付着している部分の面積の合計割合が、50%以上である部分を有する繊維集合体。
  2. 幹繊維の表面にフィブリル化繊維が付着することで形成されてなる凸部が存在し、該凸部の幅は1.0μmより大きい、請求項1に記載の繊維集合体。
  3. 空隙率が80〜99%である、請求項1または2に記載の繊維集合体。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の繊維集合体に対して、平均粒子径200μm未満の粉体が担持されてなる、粉体複合体。
  5. JIS L 1913に準じて測定される厚さから算出した粉体複合体の見かけ密度(A)と、粉体の見かけ密度(B)とから求められる分散比率B/Aが0.5〜7である、請求項4に記載の粉体複合体。
  6. 通気度が0.1〜200cm/cm・sである、請求項4または5に記載の粉体複合体。
  7. 請求項1〜5のいずれか一請求項に記載の繊維集合体、または請求項4〜6のいずれか一項に記載の粉体複合体を用いてなるフィルター。
  8. オゾン分解フィルター、揮発性有機化合物ガス除去フィルター、有機溶媒吸着フィルター、脱臭フィルター、イオン交換フィルター、または微生物除去・不活性化フィルターである、請求項7に記載のフィルター。
  9. 繊維集合体の製造方法であって、
    複数本のフィブリル形成性繊維を少なくとも含む予備集合体を準備する工程;
    前記予備集合体を35℃以上の液体に浸した状態で、厚み方向において少なくとも一方向からキャビテーションエネルギーを与えることにより、少なくとも一部の繊維をフィブリル化させて、繊維表面に凹凸部を形成させる、エネルギー付与工程;を含む、繊維集合体の製造方法。
  10. エネルギー付与工程に先立って、前記予備集合体中の繊維を40℃以上の液体により膨潤させ、膨潤した予備集合体を形成する工程をさらに備える、請求項9に記載の製造方法。
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