JP6746930B2 - 非吸着性接着コーティング剤、非吸着性積層体、及び包装袋 - Google Patents

非吸着性接着コーティング剤、非吸着性積層体、及び包装袋 Download PDF

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本発明は、合成樹脂に吸着され易い成分を含む内容物を収容して包装する技術に関するものである。このような内容物としては、例えば、リモネンや酢酸トコフェノール等を含む飲食物を例示することがでる。また、ケトプロフェン等を含む消炎鎮痛剤などである。本発明の包装袋によれば、これら内容物を収容包装して、合成樹脂に吸着され易いこれら成分の吸着を低下させ、内容物中の減少を抑制することができる。
合成樹脂に吸着され易い成分を含むこれら内容物を収容する包装袋としては、特許文献1に記載の包装袋が知られている。この包装袋は、シーラント層にポリエステル樹脂粒子又はポリアクリロニトリル樹脂粒子を配合したもので、これら粒子を配合することによって、前記成分の吸着を防止することができる。そして、このため、内容物中に含まれるこれら成分の減少を抑制して、内容物の経時的劣化を防ぐのである。
特開2012−184357号公報
しかしながら、ポリエステル樹脂粒子やポリアクリロニトリル樹脂粒子はヒートシール性に乏しい樹脂粒子であり、これをシーラント層に配合しているため、そのヒートシール適性の低下を防ぐことができなかった。
そこで、合成樹脂に吸着され易い成分を含む前記内容物を収容して、その吸着を低下させると共に、ヒートシール適性にも優れた包装袋を提供することを目的とする。
また、併せて、本発明は、この包装袋に適する非吸着性接着コーティング剤と非吸着性積層体とを提供する。
すなわち、請求項1に記載の発明は、主剤、硬化剤、分散媒及びポリエステル樹脂粒子を含む接着性コーティング剤であって、前記主剤がポリエステルポリオールからなり、かつ前記硬化剤がポリイソシアネート系硬化剤であり、固形分中のポリエステル樹脂粒子の割合が、20質量%以上、70質量%以下であることを特徴とする非吸着性接着コーティング剤である。
次に、請求項2に記載の発明は、固形分中のポリエステル樹脂粒子の割合が、50質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の非吸着性接着コーティング剤である。
次に、請求項に記載の発明は、シーラント層、接着層、基材層がこの順に積層されている積層体であって、接着層が主剤、硬化剤及びポリエステル樹脂粒子を含む塗布膜から成り、前記主剤がポリエステルポリオールからなり、かつ前記硬化剤がポリイソシアネート系硬化剤であり、接着層中のポリエステル樹脂粒子の割合が、20質量%以上、70質量%以下であることを特徴とする非吸着性積層体である。
次に、請求項に記載の発明は、基材層がプラスチックフィルムから成ることを特徴とする請求項に記載の非吸着性積層体である。
次に、請求項に記載の発明は、基材層がガスバリア層を有することを特徴とする請求項に記載の非吸着性積層体である。
次に、請求項に記載の発明は、前記接着層の乾燥厚みが、0.005μm以上10μm以下であることを特徴とする請求項〜請求項のいずれかに記載の非吸着性層積体である。
次に、請求項に記載の発明は、請求項3〜請求項6のいずれかに記載の非吸着性積層体で構成されたことを特徴とする包装袋である。
請求項1〜3に記載の接着コーティング剤は、請求項4〜7に記載のように、シーラント層と基材層とを接着して積層体を製造する際に、その接着層に使用できる。そして、この積層体は、接着層が20質量%以上、70質量%以下のポリエステル樹脂粒子を含んでおり、このため、この積層体は前記成分を吸着し難い性質を有している。そして、シーラント層にはポリエステル樹脂粒子やポリアクリロニトリル樹脂粒子を配合する必要がないから、シーラント層本来のヒートシール性を発揮する。なお、仮にポリエステル樹脂粒子の割合が20質量%より少ない場合には、前記成分の吸着性が高くなる。また、70質量%より多い場合には、シーラント層3にポリエステル樹脂粒子やポリアクリロニトリル樹脂粒子を配合しない場合であっても、ヒートシール性能が低下する。
このため、この積層体で包装袋を構成すれば、ヒートシール強度が高く、しかも、吸着による前記成分の減少を抑制して、長期保存性に優れた包装袋を得ることができる。
本発明の具体例に係る積層体の断面説明図である。
次に、図面を参照して本発明の具体例を説明する。図1は本発明の具体例に係る積層体の断面説明図で、この図から分かるように、本発明の積層体は、シーラント層3、接着層2、基材層1の三層を備えて構成されるものである。接着層2はシーラント層3と基材層1とを接着して一体化するためのもので、両者の間に位置している。
基材層1は単一の層で構成されていてもよいが、多層構造を有するものであってもよい。この例は、プラスチックフィルム11とガスバリア層12の二層で基材層1を構成したものである。なお、このほか、印刷層を有するものであってもよいのはもちろんである。
また、接着層2は、シーラント層3と基材層1とを接着して一体化する役割のほか、この積層体の非吸着性能を担保する役割を有している。このため、後述する接着コーティング剤を塗布して形成された塗布膜で構成されている必要がある。
シーラント層3は、この積層体で包装袋を製袋する際のヒートシール層として機能するものである。
そこで、まず、これら各層の材質と形成方法について説明し、最後にその使用方法につ
いて説明する。
(基材層1)
前述のように、基材層1は単一の層で構成されていてもよいし、多層構造を有するものであってもよい。単一の層で基材層1を構成する場合には、プラスチックフィルムを用いることができる。プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリオレフィンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム等が使用できる。ポリオレフィンフィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等が例示できる。また、ポリエステルフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム等が例示できる。また、ポリアミドフィルムとしては、ナイロンー6フィルム、ナイロンー66フィルム等が例示できる。これら各種プラスチックフィルムの中から、商品や内容物に応じて適宜選択して使用すればよい。
特にポリプロピレンフィルム又はポリエチレンテレフタレートを基材層1とする場合は、フィルム強度と価格において好ましい。また、ポリアミドフィルムを用いる場合には、機械的強度の向上の効果があり、突き刺しやその他の外力による破袋に対する耐性を付与することができる。
基材層1を多層構造とする場合には、これら層のうち、一つの層をプラスチックフィルム11で構成することが望ましい。その他の層は任意の材質で構成することができる。例えば、プラスチックフィルム、塗布膜、紙、金属箔、蒸着層等である。内容物に含まれる前記成分の透過を防止するため、そのバリア性に優れたガスバリア層12を有することが望ましい。例えば、金属箔、金属蒸着膜、無機蒸着膜等である。また、金属蒸着膜や無機蒸着膜の上に、バリア性塗布膜を形成することもできる。これら金属箔、金属蒸着膜、無機蒸着膜あるいはバリア性塗布膜は、いずれも、前記成分の透過を防止するバリア性に優れると共に、酸素ガスや水蒸気のバリア性にも優れている。
金属箔としてはアルミニウム箔や銅箔を使用することができる。これら金属箔は接着剤によってプラスチックフィルム11に積層することができる。
ガスバリア層12として金属蒸着膜や無機蒸着膜を使用する場合には、プラスチックフィルム11にアンカーコート層を形成した後、このアンカーコート層の上に前記蒸着膜を製膜することが望ましい。アンカーコート層には、例えばウレタンアクリレートを用いることができる。そして、このウレタンアクリレート等を溶媒に溶解した塗料をプラスチックフィルム11にコーティングし、乾燥硬化してアンカーコート層を形成することができる。コーティングは、グラビアコーティング等の方法で可能である。
金属蒸着膜としてはアルミニウム蒸着膜を使用できる。また、無機蒸着膜としては、酸化ケイ素や酸化アルミニウムの蒸着膜を使用できる。これら蒸着膜の厚みは15nm〜30nmで良い。なお、無機蒸着膜をガスバリア層12として使用した場合には、この無機蒸着膜は一般に透明であるため、内容物を包装袋の外側から目で見ることが可能となる利点を有する。また金属を用いていないことから、電子レンジによる加熱などに対する適性もあり、包装袋を外側から押して使用した際などの、容器形状の復元性などにも利点を有する。
次に、これら蒸着膜の上に形成する前記バリア性塗布膜は、水溶性高分子と、次の(a)又は(b)を含むコーティング剤を塗布し、加熱して乾燥すると共に硬化させて形成することができる。
(a)一種以上のアルコキシドまたはその加水分解物
(b)塩化錫
無機蒸着膜の上にこのバリア性塗布膜を形成した場合には、これら2層の複合により、無機蒸着膜とバリア性塗布膜との界面に両層の反応層を生じて緻密構造を形成したり、あるいはコーティング法によるバリア性塗布膜が真空蒸着法による無機化合物層に生じるピンホール、クラック、粒界などの欠陥あるいは微細孔を補填するため、高いガスバリア性を実現する。また、これらの層はいずれも変形に耐えられる可撓性を有するため、包装袋としての適性も具備することができる。
(接着層2)
前述のように、接着層2は特定の接着コーティング剤を塗布して形成された塗布膜で構成されている必要がある。この接着コーティング剤は、主剤、硬化剤、分散媒及びポリエステル樹脂粒子を含む接着性コーティング剤であって、しかも、固形分中のポリエステル樹脂粒子の割合が、20質量%以上、70質量%以下であることが重要である。仮にこれより多い場合には、むらのない均一なコーティングが困難になると共に、シーラント層3にポリエステル樹脂粒子やポリアクリロニトリル樹脂粒子を配合しない場合であっても、得られる積層体のヒートシール性能が低下する。また、ポリエステル樹脂粒子の割合がこれより少ない場合には、前記成分の吸着性が高くなる。なお、前記成分の吸着性を低下させるため、ポリエステル樹脂粒子の割合は50質量%以上であることが望ましい。
接着コーティング剤の主剤としては、ポリエステルポリオールが好ましく使用できる。ポリエステルポリオールとしては、例えば、少なくとも1種の多塩基酸と、少なくとも1種のジオールを反応させて得られるものを用いることが可能である。多塩基酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸などの脂肪族系二塩基酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族系二塩基酸等の二塩基酸などが挙げられる。ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ドデカンジオールなど脂肪族系ジオール、シクロヘキサンジオール、水添キシリレングリコールなどの脂環式系ジオール、キシリレングリコールなどの芳香族系ジオール等が挙げられる。
硬化剤としては、ポリイソシアネート系硬化剤が好ましく使用できる。ポリイソシアネート系硬化剤としては、例えば、2,4−もしくは2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,2,4−もしくは2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4’−ジイソシアネートなどから選ばれるイソシアネート化合物の単体、あるいは上記イソシアネート化合物から選択される少なくとも一種のイソシアネート化合物からなるアダクト体、ビューレット体、イソシアヌレート体が挙げられる。
主剤と硬化剤の比率は、主剤中の官能基(A)と硬化剤中の反応性官能基(B)のモル比、(B)/(A)が0.5以上5.0以下であることが好ましく、0.8以上3.5以下であることがより好ましい。(B)/(A)が前記下限値以上であれば十分に主剤を硬化させることができ、前記上限値以下であれば膜が硬くなりすぎて接着層が脆くなることを防ぐことができる。
分散媒は、主剤及び硬化剤を溶解または分散させる液体であり、溶解および希釈可能であれば特に限定されるものではない。分散媒としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、グリコール系溶剤、炭化水素系溶剤を使用することができる。
アルコール系溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等が挙げられる。
ケトン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等が挙げられる。
エステル系溶剤としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
グリコール系溶剤としては、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
炭化水素系溶剤としては、トルエン、キシレン、n−ヘキサン、メチルシクロヘキサン等が挙げられる。
これらの溶媒は、単独又はまたはそれらの2種以上を含んだ混合物を使用することができる。溶解時の安定性や塗工後の乾燥性の点で、メチルエチルケトン、酢酸エチルが好ましい。
ポリエステル樹脂粒子としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリメチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレナフタレート樹脂、ポリブチレンテレナフタレート樹脂等の粒子を使用することができる。また、多価アルコールとして二成分を使用した共重合ポリエステル樹脂や多塩基酸として二成分を使用した共重合ポリエステル樹脂の粒子であってもよい。
このポリエステル樹脂粒子は、マイクロトラック式粒度分布測定法により測定された粒径において、小径側から累積50%の粒子径(中央値)が0.05μm以上であることが望ましい。また、この粒子径が10μm以下であることが望ましい。
接着コーティング剤は、これら主剤、硬化剤、分散媒及びポリエステル樹脂粒子を混合して製造することができる。また、この接着コーティング剤は、ポリエステル樹脂粒子に加えて、その他の粒子を含有するものであってもよい。例えば、ポリアクリロニトリル樹脂粒子、シリカ粒子、炭酸カルシウム粒子、硫酸バリウム粒子、アルミナ粒子である。また、このほか、接着コーティング剤は、オイル類、ワックス類等を含有するものであってもよい。
また接着コーティング剤の固形分濃度は3〜80質量%にされていることが好ましく、4〜45質量%にされていることがより好ましい。コーティング剤の固形分濃度が前記下限値以上であれば、1回の塗工で十分な厚さの接着層2を容易に形成でき、前記上限値以下であれば、粘度が適度に低くなり、塗工性が向上する。固形分濃度とは、非吸着性接着コーティング剤100質量%中の主剤を構成する重合体(正味量)と、硬化剤(正味量)とポリアクリロニトリル樹脂粒子(正味量)の合計質量割合である。
接着層2の厚さは0.005〜10μmであることが好ましく、0.01〜5μmであることがより好ましい。接着層2の厚さが前記下限値以上であれば、汎用的な塗工装置によって接着コーティング剤を容易に塗工でき、前記上限値以下であれば、接着コーティン
グ剤の塗工量が少なくなるため、低コスト化の実現が可能である。また、乾燥により分散媒が除去されるため、塗布乾燥して得られた接着層2は接着コーティング剤の固形分だけで構成されたものとなり、このため、接着層2中のポリエステル樹脂粒子の割合は、20質量%以上、70質量%以下である。
(シーラント層3)
シーラント層3は積層体で包装袋を製袋する際のヒートシール層として機能するもので、包装袋の最内層に配置する。すなわち、2枚の前記積層体を、シーラント層3同士を対向させて重ね、加熱、加圧によって互いに溶着させて製袋を行なうことができる。
シーラント層の材質としては、熱可塑性樹脂のうちポリオレフィン系樹脂が一般的に使用され、具体的には、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−メタクリル酸樹脂共重合体などのエチレン系樹脂や、ポリエチレンとポリブテンのブレンド樹脂や、ホモポリプロピレン樹脂(PP)、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂等を使用することができる。また、シクロオレフィンポリマー(COP)、あるいはシクロオレフィンコポリマー(COC)を使用することも可能である。 シーラント層3の形成には、あらかじめフィルムに製膜した材料を貼りあわせて積層することができ、あるいは押出機を用いて、溶融した樹脂を積層してシーラント層とすることもできる。
(包装袋)
前述のように、この積層体を用いて、製袋して包装袋を作ることが可能である。積層体の内容物側すなわち包装袋の最内面に当る層にシーラント層を配して、シーラント層同士が対向するように重ね、ヒートシールによって製袋することによって、包装袋が得られる。積層体は非吸着性であるため、製袋された包装袋も非吸着性を有する。
そして、この包装袋の開口部から内容物を収納した後、ヒートシールによって開口部を密閉して、内容物を密封することができる。内容物は任意であってよいが、合成樹脂に吸着され易い成分を含む場合、本発明の特徴を生かすことができる。このような内容物としては、前記成分としてリモネンや酢酸トコフェノール等を含む飲食物、サリチル酸メチル又はl−メントール、dl−カンファー等を含む医薬品、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、ロキソプロフェンナトリウム水和物等を含む消炎鎮痛剤等を例示することができる。
(実施例1)
厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに厚さ7μmのアルミニウム箔を接着して基材層1とした。接着剤は2液硬化型ウレタン系接着剤である。
また、シーラント層3を構成するフィルムとして、厚さ50μmの直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)フィルムを準備した。
また、ポリエチレンテレフタレート樹脂を、直径0.5mmのノズルから280℃の条件で溶融紡糸した後、凍結粉砕してポリエステル樹脂粒子を製造した。マイクロトラック式粒度分布測定法により測定したこのポリエステル樹脂粒子の粒子径の中央値は7μmである。
そして、ポリエステルポリオールを主剤、ポリイソシアネートを硬化剤、酢酸エチルを
分散媒として、次の割合で混合して、接着コーティング剤を調整した。なお、固形分中のポリエステル樹脂粒子の割合は60.0質量%である。
・接着コーティング剤組成
ポリエステルポリオール 7.3質量%
ポリイソシアネート 12.7質量%
酢酸エチル 50.0質量%
ポリエステル樹脂粒子 30.0質量%。
この接着コーティング剤を接着層2の材料として使用し、ドライラミネーターを用いて基材層1のアルミニウム箔面に塗布乾燥し、シーラント層3を重ねて積層することにより、実施例1に係る積層体を製造した。
(実施例2)
ポリエステル樹脂粒子の配合量を少なくして、主剤、硬化剤、分散媒の割合を次のようにした点を除き、実施例1と同様に実施例2に係る積層体を製造した。この接着コーティング剤の固形分中のポリエステル樹脂粒子の割合は28.6質量%である。
・接着コーティング剤組成
ポリエステルポリオール 9.1質量%
ポリイソシアネート 15.9質量%
酢酸エチル 62.5質量%
ポリエステル樹脂粒子 12.5質量%。
(比較例1)
接着コーティング剤にポリエステル樹脂粒子を配合しなかった点を除き、実施例1と同様に比較例1に係る積層体を製造した。念のために、接着コーティング剤組成を示すと、次のとおりである。
・接着コーティング剤組成
ポリエステルポリオール 10.4質量%
ポリイソシアネート 18.1質量%
酢酸エチル 71.5質量%。
(比較例2)
ポリエステル樹脂粒子の配合量を多くして、主剤、硬化剤、分散媒の割合を次のようにした点を除き、実施例1と同様に比較例2に係る積層体を製造した。この接着コーティング剤の固形分中のポリエステル樹脂粒子の割合は79.6質量%である。
・接着コーティング剤組成
ポリエステルポリオール 5.6質量%
ポリイソシアネート 9.8質量%
酢酸エチル 38.5質量%
ポリエステル樹脂粒子 46.2質量%。
(評価)
これら実施例1〜2、比較例1〜2について、塗工適性、薬剤吸着性及びヒートシール適性を評価した。
まず、塗工適性については、それぞれの接着コーティング剤をドライラミネーターで塗
布して得られて接着層2にむらがあるか否かによって評価した。むらがない場合が○、むらがある場合が×である。
また、薬剤吸着性については、次のように評価した。すなわち、それぞれの積層体を使用して、80mm×80mmの四方シール袋を作成し、この包装袋中に酢酸dl−α−トコフェノールを20ml封入して密封した。次に、40℃、75%RHの条件で1週間保存した後、酢酸dl−α−トコフェノールを排出し、残った包装袋の重量を封入前の重量と比較して、吸着量を測定して、この吸着量によって薬剤吸着性を評価した。
次に、ヒートシール適性については、それぞれの積層体のシーラント層3同士を向かい合わせ、170℃、0.2MPa、1秒間の条件でヒートシールした後、幅15mmの短冊状に切り出し、テンシロンを使用してヒートシール強度を測定した。ヒートシール強度の測定条件は300mm/minである。
この結果を表1に示す。
Figure 0006746930
この結果から、接着層2にポリエステル樹脂粒子を含まない場合(比較例1)には薬剤吸着性が高く、このような成分を含む内容物を包装した場合には、その成分が経時的に失われることが予想できる。これに対し、ポリエステル樹脂粒子を含む場合(実施例1〜2、比較例2)には薬剤吸着性が抑制され、内容物中の前記成分の減少が少ないことが理解できる。これら実施例1〜2及び比較例2を相互に比較すると、ポリエステル樹脂粒子の割合が多いほど薬剤吸着性が抑制されることが理解できる。このため、望ましくは、ポリエステル樹脂粒子の割合は50質量%以上である。もっとも、多量に含む場合(比較例2)にはむらのない塗布が困難であり、ヒートシール適性も低下する。
1:基材層 11:プラスチックフィルム 12:ガスバリア層
2:接着層
3:シーラント層

Claims (7)

  1. 主剤、硬化剤、分散媒及びポリエステル樹脂粒子を含む接着性コーティング剤であって、
    前記主剤がポリエステルポリオールからなり、かつ前記硬化剤がポリイソシアネート系硬化剤であり、
    固形分中のポリエステル樹脂粒子の割合が、20質量%以上、70質量%以下であることを特徴とする非吸着性接着コーティング剤。
  2. 固形分中のポリエステル樹脂粒子の割合が、50質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の非吸着性接着コーティング剤。
  3. シーラント層、接着層、基材層がこの順に積層されている積層体であって、
    接着層が主剤、硬化剤及びポリエステル樹脂粒子を含む塗布膜から成り、
    前記主剤がポリエステルポリオールからなり、かつ前記硬化剤がポリイソシアネート系硬化剤であり、
    接着層中のポリエステル樹脂粒子の割合が、20質量%以上、70質量%以下であることを特徴とする非吸着性積層体。
  4. 基材層がプラスチックフィルムから成ることを特徴とする請求項に記載の非吸着性積層体。
  5. 基材層がガスバリア層を有することを特徴とする請求項に記載の非吸着性積層体。
  6. 前記接着層の乾燥厚みが、0.005μm以上10μm以下であることを特徴とする請求項〜請求項のいずれかに記載の非吸着性層積体。
  7. 請求項3〜請求項6のいずれかに記載の非吸着性積層体で構成されたことを特徴とする包装袋。
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