JP6746787B2 - ガス遮断器 - Google Patents

ガス遮断器 Download PDF

Info

Publication number
JP6746787B2
JP6746787B2 JP2019524692A JP2019524692A JP6746787B2 JP 6746787 B2 JP6746787 B2 JP 6746787B2 JP 2019524692 A JP2019524692 A JP 2019524692A JP 2019524692 A JP2019524692 A JP 2019524692A JP 6746787 B2 JP6746787 B2 JP 6746787B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
contact
movable
contactor
arc
electric field
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019524692A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2018229972A1 (ja
Inventor
周也 真島
周也 真島
旭 島村
旭 島村
嵩人 石井
嵩人 石井
隆介 落合
隆介 落合
丸島 敬
敬 丸島
アシフ アリ シャジャハン
アシフ アリ シャジャハン
崇文 飯島
崇文 飯島
松本 詠治
詠治 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Toshiba Energy Systems and Solutions Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Energy Systems and Solutions Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Toshiba Energy Systems and Solutions Corp filed Critical Toshiba Corp
Publication of JPWO2018229972A1 publication Critical patent/JPWO2018229972A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6746787B2 publication Critical patent/JP6746787B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H33/00High-tension or heavy-current switches with arc-extinguishing or arc-preventing means
    • H01H33/70Switches with separate means for directing, obtaining, or increasing flow of arc-extinguishing fluid
    • H01H33/88Switches with separate means for directing, obtaining, or increasing flow of arc-extinguishing fluid the flow of arc-extinguishing fluid being produced or increased by movement of pistons or other pressure-producing parts
    • H01H33/90Switches with separate means for directing, obtaining, or increasing flow of arc-extinguishing fluid the flow of arc-extinguishing fluid being produced or increased by movement of pistons or other pressure-producing parts this movement being effected by or in conjunction with the contact-operating mechanism
    • H01H33/91Switches with separate means for directing, obtaining, or increasing flow of arc-extinguishing fluid the flow of arc-extinguishing fluid being produced or increased by movement of pistons or other pressure-producing parts this movement being effected by or in conjunction with the contact-operating mechanism the arc-extinguishing fluid being air or gas

Landscapes

  • Circuit Breakers (AREA)

Description

本発明の実施形態は、ガス遮断器に関する。
電力系統において電流開閉を行うガス遮断器は、遮断過程において接触子を機械的に切り離し、接触子の切り離しによって生じる接触子間のアーク放電を消弧性ガスの吹き付けによって消弧する。現在、ガス遮断器は、パッファ形と呼ばれるタイプのものが普及している。パッファ形のガス遮断器は、機械的な操作力により消弧性ガスを圧縮するとともに、アーク放電の熱を利用して消弧性ガスを昇圧し、アーク放電に対して消弧性ガスを吹き付ける。
パッファ形のガス遮断器は、消弧性ガスが充填された密閉容器内に、少なくとも一対の接触子が対向配置され、機械的な操作により、各接触子を互いに接触して導通する状態から開離させて電流を遮断する。さらに、パッファ形のガス遮断器は、消弧性ガスを蓄圧する蓄圧手段を密閉容器内に備えている。蓄圧手段は、接触子の開離に伴って容積が減少するパッファ室を備えている。
ところで、近年では、ガス遮断器において小型化および低駆動エネルギー化が求められている。しかしながら、ガス遮断器を小型化すると、接触子も小型化するため、接触子への電界集中が顕著となる。しかも、パッファ形のガス遮断器を小型化すると、パッファ室の容積が減少し、アーク放電への消弧性ガスの吹き付けが不十分となる可能性がある。また、ガス遮断器の駆動エネルギーを小さくすると、接触子の開離速度が低下して接触子間の絶縁回復特性が悪化する。さらに、パッファ形のガス遮断器の駆動エネルギーを小さくすると、パッファ室における消弧性ガスの蓄圧が不十分となる可能性がある。よって、ガス遮断器において小型化および低駆動エネルギー化を図ると、接触子間の絶縁破壊が生じやすくなる。
日本国特開平10−269912号公報 日本国特開2012−146405号公報 日本国特開2013−191466号公報 日本国特開2014−229363号公報 日本国特開2015−011875号公報
本発明が解決しようとする課題は、優れた電流遮断性能を有する小型化および低駆動エネルギー化されたガス遮断器を提供することである。
実施形態のガス遮断器は、密閉容器と、第1接触子部および第2接触子部と、操作機構と、絶縁ノズルと、蓄圧手段と、可動電界シールドと、を持つ。密閉容器は、消弧性ガスが充填されている。第1接触子部および第2接触子部は、密閉容器内において所定方向に互いに接離可能に設けられている。第1接触子部および第2接触子部は、閉極状態で互いに接触するとともに、開極状態で互いに開離する。操作機構は、第1接触子部に接続されている。操作機構は、第1接触子部と第2接触子部とを閉極状態から開極状態へ開離させる。絶縁ノズルは、筒状に形成されている。絶縁ノズルは、第1接触子部および第2接触子部の開離過程において第1接触子部に連動して変位する。絶縁ノズルは、開極状態において第1接触子部と第2接触子部との間で発弧するアーク放電を囲む。蓄圧手段は、消弧性ガスを蓄圧する。蓄圧手段は、消弧性ガスを絶縁ノズルの内部の流路に放出してアーク放電に対して吹き付ける。可動電界シールドは、第1接触子部および第2接触子部のうち一方の接触子部と同電位に設けられている。可動電界シールドは、開離過程において、第1接触子部および第2接触子部が所定方向において所定距離以上開離すると一方の接触子部に連動して他方の接触子部から離間する。流路は、絶縁ノズルと第2接触子部との間に形成されている。絶縁ノズルの内部は、スロート部と、拡径部と、を持つ。スロート部は、内径が最小となり、開離過程において第2接触子部の先端部が通過する。拡径部は、スロート部よりも流路の下流側に設けられている。拡径部は、開離過程において第1接触子部から見て第2接触子部が開離する方向に向かって内径が漸次拡大する。可動電界シールドは、開離過程において、流路の最小断面積がスロート部の断面積よりも大きくなる時点以降に、一方の接触子部に連動して他方の接触子部から所定方向に離間する。
第1の実施形態のガス遮断器を示す断面図。 第1の実施形態のガス遮断器を示す断面図。 第1の実施形態のガス遮断器を示す断面図。 第1の実施形態のガス遮断器を示す断面図。 第1の実施形態に係るガス遮断器の可動ユニットの要部を示す断面図。 遮断動作における経過時間と操作ロッドの位置との関係を示すグラフ。 第1の実施形態に係るガス遮断器の絶縁ノズル近傍を示す断面図。 遮断動作における経過時間とノズル内部の流路断面積およびスロート部におけるマッハ数との関係を示すグラフ。 第1の実施形態に係るガス遮断器の作用を説明するグラフ。 第2の実施形態のガス遮断器を示す断面図。 第2の実施形態のガス遮断器を示す断面図。 第2の実施形態のガス遮断器を示す断面図。 第2の実施形態に係るガス遮断器の対向ユニットの要部を示す断面図。 第3の実施形態のガス遮断器を示す断面図。 第3の実施形態のガス遮断器を示す断面図。 第4の実施形態のガス遮断器を示す断面図。
以下、実施形態のガス遮断装置を、図面を参照して説明する。なお以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。
(第1の実施形態)
図1から図4は、第1の実施形態のガス遮断器を示す断面図である。なお、図1はガス遮断器1の投入状態を示し、図2はガス遮断器1の閉極状態における開極直前を示し、図3はガス遮断器1の開極状態を示し、図4はガス遮断器1の完全開極状態を示している。
図1に示すように、ガス遮断器1は、電力系統の電気回路を開閉する開閉装置である。ガス遮断器1は、消弧性ガスが充填された密閉容器2と、密閉容器2内に配置された対向ユニット3および可動ユニット4と、を備えている。
密閉容器2は、電気回路を流れる電流の遮断が行われる内部空間を有する。密閉容器2は、金属材料により形成されている。密閉容器2は、接地されている。密閉容器2の内部には、一対の導体5A,5Bが密閉容器2の外部から引き込まれている。
消弧性ガスは、消弧性能および絶縁性能に優れたガスであり、例えば六フッ化硫黄(SF)ガスである。ただし、消弧性ガスは、六フッ化硫黄よりも地球温暖化係数の小さい物質であってもよい。六フッ化硫黄よりも地球温暖化係数の小さい物質は、例えば空気や、二酸化炭素、酸素、窒素等である。
図1から図4に示すように、対向ユニット3および可動ユニット4は、電気回路の一部を構成している。対向ユニット3は、一方の導体5Aに導通した対向接触子部20(第2接触子部)を備えている。可動ユニット4は、他方の導体5Bに導通した可動接触子部50(第1接触子部)を備えている。ガス遮断器1は、対向接触子部20および可動接触子部50を互いに接触または開離させることで、電気回路の開閉し、電流を導通または遮断する。以下の説明では、対向接触子部20および可動接触子部50が互いに接触した状態を閉極状態といい、対向接触子部20および可動接触子部50が互いに開離した状態を開極状態という。また、閉極状態のうち、電気回路を遮断させる必要がない場合に適用される状態を特に投入状態という。また、開極状態のうち、電流の遮断動作が完了した状態を特に完全開極状態という。また、投入状態から完全開極状態に向けて対向接触子部20および可動接触子部50を互いに開離させる過程を開離過程という。
対向ユニット3および可動ユニット4は、それぞれ複数の円筒状または円柱状の部材により形成されている。円筒状または円柱状の各部材は、中心軸を一致させて配置されている。対向ユニット3および可動ユニット4は、上記中心軸の軸方向(所定方向)で対向するように配置されている。なお、以下の説明では、上記中心軸の軸方向を単に軸方向と称する。また、上記中心軸周りを周回する方向を周方向と称する。また、上記中心軸に直交する方向を径方向と称する。また、対向ユニット3に関する説明において、軸方向における対向ユニット3から見て対向接触子部20から可動接触子部50が開離する方向を可動側と称し、その反対側を反可動側と称する。また、可動ユニット4に関する説明において、軸方向における可動ユニット4から見て可動接触子部50から対向接触子部20が開離する方向を対向側と称し、その反対側を反対向側と称する。
図1に示すように、対向ユニット3は、冷却筒10と、サポート12と、対向接触子部20と、を備えている。
冷却筒10は、金属材料により、円筒状に形成されている。冷却筒10の両端は、軸方向に開口している。冷却筒10は、一方の導体5Aに結合されて導通している。
サポート12は、金属材料により形成されている。サポート12は、リング部13と、リング部13から径方向内側に向かって突出した突出部14と、を備えている。リング部13は、冷却筒10と略同径に形成されている。リング部13は、冷却筒10の可動側の端部に連なっている。突出部14は、リング部13と一体形成されている。突出部14の先端には、後述する対向アーク接触子25が取り付けられる。サポート12は、冷却筒10に導通している。
対向接触子部20は、対向通電接触子21と、対向アーク接触子25と、を備えている。
対向通電接触子21は、金属材料により、円筒状に形成されている。対向通電接触子21の両端は、軸方向に開口している。対向通電接触子21は、冷却筒10と同径に形成されている。対向通電接触子21は、サポート12のリング部13の可動側の端部に連なっている。対向通電接触子21の可動側の開口縁は、内側に向かって膨出している。対向通電接触子21は、サポート12を介して冷却筒10に導通している。
対向アーク接触子25は、金属材料により、円柱状に形成されている。対向アーク接触子25は、対向通電接触子21の内側に配置されている。対向アーク接触子25は、サポート12に支持され、サポート12の突出部14から可動側に向かって延びている。対向アーク接触子25の可動側の端縁25aは、対向通電接触子21の可動側の端縁21aよりも僅かに反可動側に位置している。対向アーク接触子25の可動側の端部は、丸みを帯びている。対向アーク接触子25は、サポート12を介して冷却筒10に導通している。
可動ユニット4は、操作ロッド30(操作機構)と、シリンダ35と、ピストン40と、可動接触子部50と、絶縁ノズル60と、支持部70と、可動電界シールド80と、を備えている。
操作ロッド30は、金属材料により形成されている。操作ロッド30は、円柱状に形成された中実部31と、円筒状に形成され、中実部31に連設された中空部32と、を備えている。中実部31は、中空部32の反対向側に設けられている。中実部31は、反対向側の端部において絶縁ロッドを介して駆動装置(いずれも不図示)に接続され、密閉容器2に対して軸方向に変位可能になっている。中空部32の外径は、中実部31の外径と略一致している。中空部32の内径は、対向アーク接触子25の外径よりも大きい。中空部32の反対向側の端部は、中実部31により閉塞されている。中空部32の対向側の端部は、対向側に向けて開口している。中空部32の反対向側の端部には、中空部32の内外を径方向に連通する第1通風孔32aが形成されている。第1通風孔32aは、投入状態においてピストン40よりも反対向側に位置するように形成されている。
シリンダ35は、金属材料により、円筒状に形成されている。シリンダ35は、軸方向に沿って延在する周壁36と、周壁36の対向側の端部に連設された底壁37と、を備えている。周壁36の内径は、操作ロッド30の外径よりも大きい。周壁36は、操作ロッド30を径方向の外側から囲っている。底壁37は、周壁36の対向側の端部から、径方向の内側に向かって張り出している。底壁37の中心部には、操作ロッド30が挿入された貫通孔37aが形成されている。つまり、底壁37は、円環板状に形成されている。貫通孔37aの内径は、操作ロッド30の外径と一致している。貫通孔37aには、操作ロッド30の対向側の端部が挿入されて固定されている。これにより、シリンダ35は、操作ロッド30に固定されているとともに、操作ロッド30に導通している。シリンダ35は、操作ロッド30に連動して軸方向に変位する。底壁37の内周部には、軸方向に貫通する排気孔37bが形成されている。本実施形態では、排気孔37bは、貫通孔37aに連なっている。
ピストン40は、操作ロッド30と、シリンダ35の周壁36と、の間に配置されている。ピストン40は、径方向および周方向の双方向に延びる円環板状に形成されている。ピストン40の内径は、操作ロッド30の外径と一致している。ピストン40の外径は、シリンダ35の周壁36の内径と一致している。ピストン40は、支持部70を介して密閉容器2に対して位置固定されている。
シリンダ35、ピストン40および操作ロッド30は、消弧性ガスを蓄圧するパッファ室45(蓄圧手段)を画成している。パッファ室45は、操作ロッド30の変位に連動して容積可変である。パッファ室45は、シリンダ35および操作ロッド30の反対向側への変位に伴って容積が減少することで、内部の消弧性ガスを昇圧する。パッファ室45内で昇圧した消弧性ガスは、シリンダ35の排気孔37bを通じてパッファ室45から放出される。
可動接触子部50は、可動アーク接触子51と、可動通電接触子55と、を備えている。
可動アーク接触子51は、金属材料により円筒状に形成されている。可動アーク接触子51の両端は、軸方向に開口している。可動アーク接触子51は、操作ロッド30の中空部32と略同径に形成されている。可動アーク接触子51は、操作ロッド30の中空部32の対向側の端部に連なり、操作ロッド30に導通している。可動アーク接触子51の対向側の開口縁は、内側に向かって膨出している。可動アーク接触子51の対向側の開口縁の内径は、対向アーク接触子25の外径と一致している。
可動アーク接触子51は、操作ロッド30に連動して、軸方向に変位する。対向アーク接触子25および可動アーク接触子51は、操作ロッド30の変位に伴って軸方向に互いに接離可能に設けられている。対向アーク接触子25および可動アーク接触子51は、閉極状態で互いに接触するとともに、開極状態で互いに開離する。対向アーク接触子25および可動アーク接触子51は、対向アーク接触子25が可動アーク接触子51の開口に挿入されることで、互いに接触して導通する。
可動通電接触子55は、金属材料により、円筒状に形成されている。可動通電接触子55は、可動アーク接触子51を囲うように配置されている。可動通電接触子55は、シリンダ35の底壁37から対向側に立設されている。可動通電接触子55は、シリンダ35に導通している。可動通電接触子55の対向側の端部は、対向側に向けて開口している。可動通電接触子55の内径は、可動アーク接触子51の外径よりも大きい。可動通電接触子55の外径は、対向通電接触子21の可動側の開口縁の内径に一致している。可動通電接触子55の対向側の端縁55aは、可動アーク接触子51の対向側の端縁51aよりも僅かに反対向側に位置している(図5参照)。可動通電接触子55の対向側の端部は、丸みを帯びている。
可動通電接触子55は、シリンダ35を介して操作ロッド30に相対固定されている。可動通電接触子55は、操作ロッド30に連動して、軸方向に変位する。対向通電接触子21および可動通電接触子55は、操作ロッド30の変位に伴って軸方向に互いに接離可能に設けられている。対向通電接触子21および可動通電接触子55は、投入状態で互いに接触するとともに、開極状態で互いに開離する。対向通電接触子21および可動通電接触子55は、開離過程において対向アーク接触子25および可動アーク接触子51よりも早く互いに開離する(図2参照)。対向通電接触子21および可動通電接触子55は、可動通電接触子55が対向通電接触子21の開口に挿入されることで、互いに接触して導通する。
可動通電接触子55の外周面には、第1係合部56が一体形成されている。第1係合部56は、可動通電接触子55の外周面から径方向の外側に向かって突出しているとともに、周方向に沿って全周に亘って延びている。第1係合部56の径方向外側の端縁は、シリンダ35よりも径方向の外側に突出している。
絶縁ノズル60は、絶縁材料により、円筒状に形成されている。絶縁ノズル60は、可動アーク接触子51と可動通電接触子55との間において、シリンダ35の底壁37から対向側に立設されている。絶縁ノズル60の対向側の端部は、対向側に向けて開口している。絶縁ノズル60は、可動アーク接触子51および可動通電接触子55よりも対向側に長く形成されている。つまり、絶縁ノズル60の対向側の端縁は、可動アーク接触子51の対向側の端縁51a、および可動通電接触子55の対向側の端縁55aよりも対向側に位置している。絶縁ノズル60は、可動アーク接触子51に対して径方向に間隔をあけて設けられている。絶縁ノズル60は、可動通電接触子55の内周面に径方向で密接している。絶縁ノズル60の径方向内側には、シリンダ35の排気孔37bが開口している。絶縁ノズル60は、パッファ室45から放出された消弧性ガスを、後述するアーク放電に案内する。
絶縁ノズル60の内部は、軸方向において順に、平行部61と、縮径部62と、スロート部63と、拡径部64と、を備えている。平行部61は、絶縁ノズル60の反対向側の端部から、一定の内径で延在している。平行部61の対向側の端部は、可動アーク接触子51の対向側の端部と、軸方向において略同じ位置に位置している。縮径部62は、平行部61の対向側の端部から、対向側に向かって内径が漸次縮小している。平行部61および縮径部62は、可動アーク接触子51を包囲している。
スロート部63は、縮径部62と拡径部64との間に形成されている。スロート部63は、絶縁ノズル60において内径が最小となっている。スロート部63は、開離過程において対向アーク接触子25の先端部が通過する。スロート部63の内径は、可動アーク接触子51の対向側の開口縁の内径よりも大きく、可動アーク接触子51の外径よりも小さい。拡径部64は、スロート部63から、対向側に向かって内径が漸次拡大している。絶縁ノズル60の内部は、パッファ室45から放出された消弧性ガスの流路を形成している(詳細は後述)。
支持部70は、可動部支え71と、ピストン支え74と、を備えている。
可動部支え71は、金属材料により、円筒状に形成されている。可動部支え71は、軸方向に沿って延在する周壁部72と、周壁部72の対向側の端部から径方向の内側に向かって張り出す鍔部73と、鍔部73よりも反対向側の位置において周壁部72から径方向の内側に向かって張り出す閉塞部74と、を備えている。周壁部72の内径は、シリンダ35の外径よりも大きい。鍔部73は、周壁部72と一体形成されている。鍔部73は、軸方向においてピストン40と同じ位置に位置している。鍔部73の内径は、シリンダ35の外径に一致している。鍔部73の内側には、シリンダ35が挿通されている。鍔部73および周壁部72は、シリンダ35に導通している。
閉塞部74は、円板状に形成されている。閉塞部74は、周壁部72の内周面に固定されている。閉塞部74の中心部には、操作ロッド30が挿通された挿通孔74aが形成されている。挿通孔74aの内径は、操作ロッド30の外径と一致している。閉塞部74は、完全開極状態における操作ロッド30の第1通風孔32aよりも反対向側に配置されている(図4参照)。可動部支え71は、他方の導体5Bに結合されて導通している。
ピストン支え75は、金属材料により、円筒状に形成されている。ピストン支え75は、可動部支え71の閉塞部74から、対向側に立設されている。ピストン支え75の外径は、シリンダ35の周壁36の内径と一致している。ピストン支え75の内径は、操作ロッド30の外径よりも大きい。ピストン支え75は、対向側の端部においてピストン40と連なっている。本実施形態では、ピストン支え75は、可動部支え71の閉塞部74、およびピストン40と一体形成されている。
可動部支え71の周壁部72には、径方向に貫通する第2通風孔72aが形成されている。第2通風孔72aは、可動部支え71の外部空間と、可動部支え71の周壁部72とピストン支え75との間の内部空間と、を径方向に連通している。また、ピストン支え75には、径方向に貫通する第3通風孔75aが形成されている。第3通風孔75aは、ピストン支え75における反対向側の端部近傍に形成されている。第3通風孔75aは、ピストン支え75と操作ロッド30との間の空間と、可動部支え71の周壁部72とピストン支え75との間の内部空間と、を径方向に連通している。
可動電界シールド80は、アルミニウム等の金属材料により、円筒状に形成されている。可動電界シールド80の両端は、軸方向に開口している。可動電界シールド80の内径は、シリンダ35の外径よりも大きく、第1係合部56の外径に一致している。可動電界シールド80の対向側の端部は、丸みを帯びている。可動電界シールド80は、可動部支え71の鍔部73に対して、弾性部材81を介して軸方向に変位可能に接続されている。弾性部材81は、例えばコイルばねであり、周方向に間隔をあけて複数設けられている。可動電界シールド80は、弾性部材81を通じて、支持部70に導通している。支持部70は可動接触子部50に導通しているので、可動電界シールド80は、可動接触子部50と同電位に設けられている。
可動電界シールド80の内周面には、第2係合部82が一体形成されている。第2係合部82は、可動電界シールド80の内周面における反対向側の端部から、径方向の内側に向かって突出している。第2係合部82は、周方向に沿って全周に亘って延びている。第2係合部82には、操作ロッド30の変位に伴って反対向側に変位した第1係合部56が対向側から係合する。これにより、可動電界シールド80は、対向側に向かって付勢された状態で、操作ロッド30に連動して反対向側に向かって変位可能である。
可動電界シールド80の対向側の端縁80aは、第2係合部82に第1係合部56が係合した状態において、可動アーク接触子51の対向側の端縁51a、および可動通電接触子55の対向側の端縁55aよりも対向側に位置している(図5参照)。つまり、可動電界シールド80は、第2係合部82に第1係合部56が係合した状態において、可動アーク接触子51および可動通電接触子55よりも対向側に突出している。
続いて、ガス遮断器1の遮断動作について説明する。
投入状態では、可動通電接触子55が対向通電接触子21に挿入されて接触し、対向アーク接触子25が可動アーク接触子51に挿入されて接触している。これにより、対向ユニット3と可動ユニット4とが導通し、一対の導体5A,5B間に電路を形成する。
ガス遮断器1は、電流を遮断する場合、操作ロッド30を反対向側に変位させ、対向接触子部20および可動接触子部50を互いに開離させる。操作ロッド30を反対向側に変位させると、可動アーク接触子51、可動通電接触子55、絶縁ノズル60およびシリンダ35が操作ロッド30に連動して反対向側に変位する。シリンダ35が反対向側に変位すると、パッファ室45の容積が減少し、パッファ室45内部の消弧性ガスが昇圧される。
図2に示すように、投入状態から操作ロッド30を反対向側に変位させると、対向通電接触子21と可動通電接触子55とが開離する。この状態では、対向アーク接触子25と可動アーク接触子51とが互いに接触して導通しているので、一対の導体5A,5B間に電路が形成されている。
図3に示すように、さらに操作ロッド30を反対向側に変位させると、対向アーク接触子25と可動アーク接触子51とが開離し、閉極状態から開極状態に移行する。対向アーク接触子25と可動アーク接触子51とが開離すると、対向アーク接触子25および可動アーク接触子51の間で、アーク放電が発弧する。アーク放電が発弧すると、周囲の消弧性ガスが加熱され、膨張する。膨張した消弧性ガスの一部は、パッファ室45に流入する。これにより、パッファ室45内部の消弧性ガスがさらに昇圧される。
遮断動作が進行すると、対向アーク接触子25と可動アーク接触子51との距離が開くとともに、電流が電流零点に向けて小さくなり、アーク放電が小さくなる。アーク放電が小さくなると、消弧性ガスのパッファ室45への流入が停止し、パッファ室45から高圧の消弧性ガスが放出される。パッファ室45から放出された消弧性ガスは、絶縁ノズル60と可動アーク接触子51との間に形成された流路を通って、アーク放電に吹き付けられる。これにより、アーク放電が消弧に至り、電流が遮断される。そして、図4に示すように、完全開極状態に向けて、さらに操作ロッド30を反対向側に変位させ、遮断動作が完了する。
アーク放電に吹き付けられた消弧性ガスは、対向ユニット3側の流路と可動ユニット4側の流路とに分かれて排出される。対向ユニット3側の流路は、絶縁ノズル60の内部のスロート部63から、拡径部64、および冷却筒10の内部空間を順に経て、密閉容器2内に至る。可動ユニット4側の流路は、可動アーク接触子51の対向側の開口から、可動アーク接触子51の内部空間、ピストン支え75と操作ロッド30との間の空間、および可動部支え71の周壁部72とピストン支え75との間の空間を順に経て、密閉容器2内に至る。
なお、可動通電接触子55に形成された第1係合部56は、上述した開離過程における所定のタイミングで、可動電界シールド80に形成された第2係合部82に係合する。第1係合部56と第2係合部82とが係合すると、可動電界シールド80は、操作ロッド30に連動して反対向側に向かって変位する。
可動電界シールド80の変位開始のタイミングについて詳述する。可動電界シールド80の変位開始のタイミングは、以下の2つの条件を満たしていることが望ましい。
最初に、可動電界シールドの変位開始のタイミングに関する第1の条件について説明する。
図6は、遮断動作における経過時間と操作ロッドの位置との関係を示すグラフである。
図6において、横軸は、遮断動作における経過時間である。縦軸は、軸方向における可動アーク接触子51の位置であって、完全開極状態の可動アーク接触子51の位置を0とし、投入状態の可動アーク接触子51の位置を100としたときの相対位置である。また、時点t0は遮断動作開始時点(投入状態)を示し、時点t1は対向アーク接触子25および可動アーク接触子51が開離した時点を示している。また、時点t’は時点t1から商用周波数の半周期経過した時点を示し、時点t2は可動電界シールド80の変位開始時点を示し、時点t3は遮断動作終了時点(完全開極状態)を示している。
図6に示すように、可動電界シールド80の変位開始時点である時点t2は、時点t’以降、すなわち対向アーク接触子25および可動アーク接触子51が開離する時点から商用周波数の半周期以上経過した時点である。つまり、可動電界シールド80は、対向アーク接触子25および可動アーク接触子51が開離する時点から商用周波数の半周期以上経過後に、可動接触子部50に連動して対向接触子部20から離間する。
次に、可動電界シールド80の変位開始のタイミングに関する第2の条件について説明する。
図7は、第1の実施形態に係るガス遮断器の絶縁ノズル近傍を示す断面図である。図8は、遮断動作における経過時間とノズル内部の流路断面積およびスロート部におけるマッハ数との関係を示すグラフである。
図8において、横軸は、遮断動作における経過時間である。縦軸は、消弧状態でのスロート部63における消弧性ガスのマッハ数、および各部流路断面積である。図8において、Sthは図7に示すスロート部63の断面積である。また、Sはスロート部63よりも下流側における流路の最小断面積、すなわち図7に示す対向アーク接触子25と絶縁ノズル60の内面との間の流路の最小断面積である。
図8に示すように、可動電界シールド80の変位開始時点である時点t2は、絶縁ノズル60と対向アーク接触子25との間の流路の最小断面積Sがスロート部63の断面積Sthよりも大きくなる時点t’’以降である。
図9は、第1の実施形態に係るガス遮断器の作用を説明するグラフである。図9において、横軸は、遮断動作における経過時間である。縦軸は、対向接触子部と可動接触子部との間に一定の電圧を印加した状態における各部の電界の最大値である。図9において、Ae、MeおよびSは、それぞれ実施例に係るガス遮断器の可動アーク接触子、可動通電接触子および可動電界シールドのデータである。なお、実施例に係るガス遮断器は、本実施形態のガス遮断器1である。また、AcおよびMcは、それぞれ第1の比較例に係るガス遮断器の可動アーク接触子および可動通電接触子のデータである。なお、第1の比較例に係るガス遮断器は、本実施形態に係るガス遮断器1から可動電界シールド80および弾性部材81を省略したものである。また、Mmは、第2の比較例に係るガス遮断器の可動通電接触子のデータである。なお、第2の比較例に係るガス遮断器は、本実施形態に係るガス遮断器1から可動電界シールド80および弾性部材81を省略するとともに、可動通電接触子55を小径化したものである。
図9に示すように、実施例の構成では、第1の比較例の構成と比較して、可動アーク接触子および可動通電接触子の電界が緩和されている。また、実施例の構成では、可動電界シールドの電界は、開離過程において変位開始時点t2まで時間経過とともに上昇し、変位開始時点t2を起点として減少に転じている。また、実施例の構成では、可動電界シールドの電界は、いずれの時点においても、第1の比較例の構成における可動アーク接触子の電界よりも小さい。すなわち、実施例の構成では、可動アーク接触子、可動通電接触子および可動電界シールドの電界の最大値が、いずれの時点においても、第1の比較例の構成における可動アーク接触子および可動通電接触子の電界よりも小さい。
本実施形態では、ガス遮断器1は、可動接触子部50と同電位に設けられ、開離過程において対向接触子部20および可動接触子部50が軸方向において所定距離以上開離すると、可動接触子部50に連動して対向接触子部20から離間する可動電界シールド80を備える構成を採用した。この構成によれば、完全開極状態において対向接触子部20に対して可動電界シールド80を可動接触子部50と同程度開離するように配置しつつ、開離過程の途中においても対向接触子部20に対して可動電界シールド80を可動接触子部50と同程度開離した位置に配置できる。このため、開離過程の途中から完全開極状態に至るまで、可動電界シールド80により可動接触子部50の電界を緩和できる。よって、開離過程において消弧性ガスによる熱的遮断後に印加される過渡回復電圧に対する絶縁的遮断性能を向上させることができる。また、可動電界シールド80により可動接触子部50の電界を緩和できるので、可動接触子部50の小型化(小径化)が可能となり、ガス遮断器1の小型化が可能となる。
そして、上述したように、ガス遮断器1の電流遮断性能が向上するので、パッファ室45の小型化に伴う消弧性ガスの吹き付け量の減少、および駆動エネルギーの低減に伴うパッファ室45における消弧性ガスの蓄圧低下が許容される。したがって、ガス遮断器1の小型化および低駆動エネルギー化が可能となる。
以上により、優れた電流遮断性能を有する小型化および低駆動エネルギー化されたガス遮断器1を提供できる。
また、可動電界シールド80は、開離過程において、対向接触子部20と可動接触子部50とが開離した時点t1から商用周波数の半周期以上経過後に、可動接触子部50に連動して対向接触子部20から軸方向に離間する。これにより、時点t1から商用周波数の半周期経過する時点t’までの期間に可動電界シールド80が操作ロッド30に連係することが防止され、操作ロッド30の移動速度が低下することを防止される。よって、時点t’までの期間の対向接触子部20および可動接触子部50の開離速度の低下が抑制され、対向接触子部20と可動接触子部50との間の絶縁耐圧を速やかに高めることが可能となる。したがって、小電流遮断後に印加される回復電圧による絶縁破壊を抑制でき、遮断性能を向上させることができる。
また、可動電界シールド80は、開離過程において、絶縁ノズル60と対向アーク接触子25との間の流路の最小断面積Sがスロート部63の断面積Sthよりも大きくなる時点t’’以降に、可動接触子部50に連動して対向接触子部20から軸方向に離間する。スロート部63を流れる消弧性ガスのマッハ数は、SがSthよりも大きくなる時点t’’近傍で1まで上昇する。一般的に、ガス遮断器1の大電流遮断時における熱的遮断性能は、スロート部63における消弧性ガスのマッハ数が1に上昇した時点で大幅に向上する。時点t’’までの期間に可動シールドが操作ロッド30に連系することを防止することで、時点t’’までの期間の対向接触子部20および可動接触子部50の開離速度の低下が抑制され、大電流遮断が可能な最短アーク時間を短くすることができ、遮断時間に厳しい制限のある規格の遮断器においても遮断性能を向上させることができる。
また、消弧性ガスとして、六フッ化硫黄よりも地球温暖化係数の小さい物質を用いることで、環境への負荷を低減できる。なお、例えば六フッ化硫黄よりも地球温暖化係数の小さい物質は、六フッ化硫黄よりも消弧性能および電気絶縁性能が劣る場合がある。しかしながら、本実施形態の構成を適用することで電流遮断性能を向上できるので、消弧性ガスとして六フッ化硫黄よりも地球温暖化係数の小さい物質を用いた場合でも、電流遮断性能が低下することを抑制できる。
なお、可動電界シールド80の表面に、絶縁部材83を配置してもよい。絶縁部材83としては、例えばアルミニウムにより形成された可動電界シールド80に対してアルマイト処理を施すことにより形成された酸化アルミニウム被膜である。これにより、可動電界シールド80における絶縁破壊の発生を抑制できる。
また、上記第1の実施形態では、第1係合部56が可動通電接触子55の外周面に形成されているが、これに限定されない。第1係合部は、第2係合部82に軸方向で係合可能、かつ可動接触子部50とともに操作ロッド30の変位に伴って変位可能であればよい。第1係合部は、例えばシリンダ35の外周面に形成されていてもよい。
また、上記第1の実施形態では、第1係合部56および第2係合部82は、それぞれ周方向に沿って全周に亘って延びているが、これに限定されない。第1係合部および第2係合部は、軸方向で係合可能であればよく、周方向に沿って間欠的に設けられていてもよい。
(第2の実施形態)
図10から図12は、第2の実施形態のガス遮断器を示す断面図である。なお、図10はガス遮断器101の投入状態を示し、図11はガス遮断器101の開極状態を示し、図12はガス遮断器101の完全開極状態を示している。
第2の実施形態のガス遮断器101は、可動電界シールド90が対向ユニット103に設けられている点で、第1の実施形態のガス遮断器1と異なっている。
図10に示すように、ガス遮断器101は、密閉容器2内に配置された対向ユニット103および可動ユニット104と、を備えている。
図10から図12に示すように、対向ユニット103は、第1の実施形態に係る対向ユニット3に対して、主に冷却筒支え16および可動電界シールド90を追加したものである。また、冷却筒10は、図示しないリンク機構等を介して操作ロッド30に接続されている。冷却筒10は、操作ロッド30を反対向側に変位させることで、冷却筒10に相対固定された対向接触子部20等とともに、反可動側に変位する。可動ユニット104は、第1の実施形態に係る可動ユニット4から、可動電界シールド80、弾性部材81、第1係合部56および第2係合部82を省略したものである。
図10に示すように、冷却筒支え16は、金属材料により、円筒状に形成されている。冷却筒支え16の両端は、軸方向に開口している。冷却筒支え16の可動側の端部には、径方向の外側に向かって張り出すフランジ17が形成されている。冷却筒支え16の内径は、冷却筒10、サポート12のリング部13、および対向通電接触子21の外径に一致している。冷却筒支え16の内側には、冷却筒10、サポート12のリング部13、および対向通電接触子21が摺動自在に挿入されている。冷却筒支え16は、冷却筒10、サポート12のリング部13、および対向通電接触子21に導通している。冷却筒支え16は、一方の導体5A(図1参照)に固定されて導通している。
対向通電接触子21の外周面には、第3係合部22が一体形成されている。第3係合部22は、対向通電接触子21の外周面から径方向の外側に向かって突出しているとともに、周方向に沿って全周に亘って延びている。
可動電界シールド90は、アルミニウム等の金属材料により、円筒状に形成されている。可動電界シールド90の両端は、軸方向に開口している。可動電界シールド90の内径は、対向通電接触子21の外径よりも大きい。可動電界シールド90の可動側の端部は、丸みを帯びている。可動電界シールド90は、冷却筒支え16のフランジ17に対して、弾性部材91を介して軸方向に変位可能に接続されている。弾性部材91は、例えばコイルばねであり、周方向に間隔をあけて複数設けられている。可動電界シールド90は、弾性部材91を通じて、冷却筒支え16に導通している。冷却筒支え16は対向接触子部20に導通しているので、可動電界シールド90は、対向接触子部20と同電位に設けられている。
可動電界シールド90の内周面には、第4係合部92が一体形成されている。第4係合部92は、可動電界シールド90の内周面における反対向側の端部から、径方向の内側に向かって突出している。第4係合部92は、周方向に沿って全周に亘って延びている。第4係合部92には、操作ロッド30の変位に伴って反対向側に変位した第3係合部22が可動側から係合する。これにより、可動電界シールド90は、可動側に向かって付勢された状態で、操作ロッド30に連動して反可動側に向かって変位可能である。
可動電界シールド90の可動側の端縁90aは、第4係合部92に第3係合部22が係合した状態において、対向通電接触子21の可動側の端縁21a、および対向アーク接触子25の可動側の端縁25aよりも可動側に位置している(図13参照)。つまり、可動電界シールド90は、第4係合部92に第3係合部22が係合した状態において、対向通電接触子21および対向アーク接触子25よりも可動側に突出している。
本実施形態では、ガス遮断器101は、対向接触子部20と同電位に設けられ、開離過程において対向接触子部20および可動接触子部50が軸方向において所定距離以上開離すると、対向接触子部20に連動して可動接触子部50から離間する可動電界シールド90を備える構成を採用した。この構成によれば、完全開極状態において可動接触子部50に対して可動電界シールド90を対向接触子部20と同程度開離するように配置しつつ、開離過程の途中においても可動接触子部50に対して可動電界シールド90を対向接触子部20と同程度開離した位置に配置できる。このため、開離過程の途中から完全開極状態に至るまで、可動電界シールド90により対向接触子部20の電界を緩和できる。よって、開離過程において消弧性ガスによる熱的遮断後に印加される過渡回復電圧に対する絶縁的遮断性能を向上させることができる。また、可動電界シールド90により対向接触子部20の電界を緩和できるので、対向接触子部20の小型化(小径化)が可能となり、ガス遮断器101の小型化が可能となる。
しかも、可動電界シールド90は、対向接触子部20および可動接触子部50が所定距離以上開離すると、対向接触子部20に連動するので、対向接触子部20および可動接触子部50が所定距離未満開離している状態では対向接触子部20に連動しない。このため、可動電界シールド90は、対向接触子部20および可動接触子部50が所定距離未満開離している状態で、対向接触子部20の動作に対して負荷を与えないので、対向接触子部20および可動接触子部50の開離速度の低下を抑制できる。よって、対向接触子部20と可動接触子部50との間の絶縁耐圧を速やかに高めることが可能となる。したがって、小電流遮断後に印加される回復電圧による絶縁破壊を抑制でき、電流遮断性能を向上させることができる。
そして、上述したように、ガス遮断器101の電流遮断性能が向上するので、第1の実施形態と同様に、ガス遮断器101の小型化および低駆動エネルギー化が可能となる。
以上により、優れた電流遮断性能を有する小型化および低駆動エネルギー化されたガス遮断器101を提供できる。
なお、上記第2の実施形態では、第3係合部22および第4係合部92は、それぞれ周方向に沿って全周に亘って延びているが、これに限定されない。第3係合部および第4係合部は、軸方向で係合可能であればよく、周方向に沿って間欠的に設けられていてもよい。
(第3の実施形態)
図14から図15は、第3の実施形態のガス遮断器を示す断面図である。なお、図14はガス遮断器201の投入状態を示し、図15はガス遮断器201の完全開極状態を示している。
第3の実施形態のガス遮断器201は、可動電界シールド80が可動ユニット4に設けられ、可動電界シールド90が対向ユニット103に設けられている点で、第1の実施形態のガス遮断器1と異なっている。すなわち、ガス遮断器201は、第2の実施形態の対向ユニット103と、第1の実施形態の可動ユニット4と、を備えている。
本実施形態によれば、上述した第1の実施形態、および第2の実施形態と同様に、可動電界シールド80,90により対向接触子部20および可動接触子部50の電界を緩和できる。したがって、第1の実施形態、および第2の実施形態と同様に、ガス遮断器201の電流遮断性能が向上するので、優れた電流遮断性能を有する小型化および低駆動エネルギー化されたガス遮断器201を提供できる。
(第4の実施形態)
図16は、第4の実施形態のガス遮断器を示す断面図である。なお、図16はガス遮断器301の完全開極状態を示している。
第4の実施形態のガス遮断器301は、可動ユニット304に補助絶縁ノズル65が設けられている点で、第1の実施形態のガス遮断器1と異なっている。また、第4の実施形態のガス遮断器301は、パッファ室45に境界板部38が設けられている点で、第1の実施形態のガス遮断器1と異なっている。
図16に示すように、補助絶縁ノズル65は、絶縁材料により、円筒状に形成されている。補助絶縁ノズル65は、可動アーク接触子51と絶縁ノズル60との間において、シリンダ35の底壁37から対向側に立設されている。補助絶縁ノズル65の対向側の端部は、対向側に向けて開口している。補助絶縁ノズル65は、絶縁ノズル60に対して径方向に間隔をあけて設けられている。補助絶縁ノズル65の径方向外側には、シリンダ35の排気孔37bが開口している。絶縁ノズル60と補助絶縁ノズル65との間の空間は、排気孔37bから排出された消弧性ガスの流路となる。
補助絶縁ノズル65は、可動アーク接触子51よりも対向側に高く形成されている。つまり、補助絶縁ノズル65の対向側の端縁は、可動アーク接触子51の対向側の端縁51aよりも対向側に位置している。補助絶縁ノズル65は、可動アーク接触子51の外周面に径方向で密接している。補助絶縁ノズル65の対向側の開口縁は、内側に向かって膨出している。補助絶縁ノズル65の対向側の開口縁の内径は、可動アーク接触子51の対向側の開口縁の内径と一致している。補助絶縁ノズル65は、可動アーク接触子51を径方向の外側および軸方向の対向側から囲むように配置されている。
境界板部38は、シリンダ35の周壁36の内周面から径方向の内側に向かって立設されている。境界板部38は、操作ロッド30の外周面に対して径方向に間隔をあけた状態で、周方向に延在している。すなわち、境界板部38は、円環板状に形成されている。パッファ室45のうち、境界板部38よりも対向側の空間は、アーク放電により加熱されて膨張した消弧性ガスが流入する熱昇圧室である。パッファ室45のうち、境界板部38よりも反対向側の空間は、ピストン40により消弧性ガスが圧縮される圧縮室である。境界板部38と操作ロッド30との隙間には、熱昇圧室から圧縮室への消弧性ガスの流入を遮断する不図示の逆止弁が設けられていてもよい。
本実施形態によれば、対向アーク接触子25と可動アーク接触子51との開離直後には、補助絶縁ノズル65の対向側の開口縁と対向アーク接触子25とが摺接している状態となる。このため、パッファ室45から排出された消弧性ガスは、対向アーク接触子25と可動アーク接触子51との間に発弧するアーク放電に到達しない。これにより、アーク放電が消弧に至りにくく、アーク放電の継続時間が長くなる。すなわち、対向アーク接触子25と可動アーク接触子51とが十分に開離した状態でアーク放電が消弧に至る。したがって、小電流遮断後に印加される回復電圧による絶縁破壊を抑制でき、電流遮断性能を向上させることができる。
また、パッファ室45が境界板部38により熱昇圧室と圧縮室とに区画されているので、開離過程においてアーク放電により加熱されて膨張した消弧性ガスが圧縮室に流入することを抑制できる。これにより、遮断動作時の駆動力に対する反力が増加することを抑制できるので、ガス遮断器301のさらなる低駆動エネルギー化が可能となる。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、ガス遮断器は、対向接触子部および可動接触子部のうち一方の接触子部と同電位に設けられ、開離過程において対向接触子部および可動接触子部が軸方向において所定距離以上開離すると、一方の接触子部に連動して他方の接触子部から離間する可動電界シールドを備えるので、電流遮断性能が向上し、小型化および低駆動エネルギー化が可能となる。したがって、優れた電流遮断性能を有する小型化および低駆動エネルギー化されたガス遮断器を提供できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

Claims (7)

  1. 消弧性ガスが充填された密閉容器と、
    前記密閉容器内において所定方向に互いに接離可能に設けられ、閉極状態で互いに接触するとともに、開極状態で互いに開離する第1接触子部および第2接触子部と、
    前記第1接触子部に接続され、前記第1接触子部と前記第2接触子部とを前記閉極状態から前記開極状態へ開離させる操作機構と、
    筒状に形成され、前記第1接触子部および前記第2接触子部の開離過程において前記第1接触子部に連動して変位するとともに、前記開極状態において前記第1接触子部と前記第2接触子部との間で発弧するアーク放電を囲む絶縁ノズルと、
    前記消弧性ガスを蓄圧するとともに、前記消弧性ガスを前記絶縁ノズルの内部の流路に放出して前記アーク放電に対して吹き付ける蓄圧手段と、
    前記第1接触子部および前記第2接触子部のうち一方の接触子部と同電位に設けられ、前記開離過程において、前記第1接触子部および前記第2接触子部が前記所定方向において所定距離以上開離すると前記一方の接触子部に連動して他方の接触子部から離間する可動電界シールドと、
    を備え、
    前記流路は、前記絶縁ノズルと前記第2接触子部との間に形成され、
    前記絶縁ノズルの内部は、
    内径が最小となり、前記開離過程において前記第2接触子部の先端部が通過するスロート部と、
    前記スロート部よりも前記流路の下流側に設けられ、前記開離過程において前記第1接触子部から見て前記第2接触子部が開離する方向に向かって内径が漸次拡大する拡径部と、
    を備え、
    前記可動電界シールドは、前記開離過程において、前記流路の最小断面積が前記スロート部の断面積よりも大きくなる時点以降に、前記一方の接触子部に連動して前記他方の接触子部から前記所定方向に離間する、
    ガス遮断器。
  2. 消弧性ガスが充填された密閉容器と、
    前記密閉容器内において所定方向に互いに接離可能に設けられ、閉極状態で互いに接触するとともに、開極状態で互いに開離する第1接触子部および第2接触子部と、
    前記第1接触子部に接続され、前記第1接触子部と前記第2接触子部とを前記閉極状態から前記開極状態へ開離させる操作機構と、
    筒状に形成され、前記第1接触子部および前記第2接触子部の開離過程において前記第1接触子部に連動して変位するとともに、前記開極状態において前記第1接触子部と前記第2接触子部との間で発弧するアーク放電を囲む絶縁ノズルと、
    前記消弧性ガスを蓄圧するとともに、前記消弧性ガスを前記絶縁ノズルの内部の流路に放出して前記アーク放電に対して吹き付ける蓄圧手段と、
    前記第1接触子部および前記第2接触子部のうち一方の接触子部と同電位に設けられ、前記開離過程において、前記第1接触子部および前記第2接触子部が前記所定方向において所定距離以上開離すると前記一方の接触子部に連動して他方の接触子部から離間する可動電界シールドと、
    を備え、
    前記流路は、前記絶縁ノズルと前記第2接触子部との間に形成され、
    前記絶縁ノズルの内部は、
    内径が最小となり、前記開離過程において前記第2接触子部の先端部が通過するスロート部と、
    前記スロート部よりも前記流路の下流側に設けられ、前記開離過程において前記第1接触子部から見て前記第2接触子部が開離する方向に向かって内径が漸次拡大する拡径部と、
    を備え、
    前記可動電界シールドは、前記開離過程において、前記第1接触子部と前記第2接触子部とが開離する時点から商用周波数の半周期以上経過後であって、前記流路の最小断面積が前記スロート部の断面積よりも大きくなる時点以降に、前記一方の接触子部に連動して前記他方の接触子部から前記所定方向に離間する、
    ガス遮断器。
  3. 前記可動電界シールドは、前記第1接触子部と同電位に設けられている、
    請求項1または請求項2に記載のガス遮断器。
  4. 前記操作機構は、前記第1接触子部および前記第2接触子部に接続され、
    前記可動電界シールドは、前記第2接触子部と同電位に設けられている、
    請求項1または請求項2に記載のガス遮断器。
  5. 前記操作機構は、前記第1接触子部および前記第2接触子部に接続され、
    前記第1接触子部と同電位に設けられた第1の前記可動電界シールドと、
    前記第2接触子部と同電位に設けられた第2の前記可動電界シールドと、
    を備える請求項1または請求項2に記載のガス遮断器。
  6. 前記可動電界シールドの表面には、絶縁部材が配置されている、
    請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のガス遮断器。
  7. 前記消弧性ガスは、六フッ化硫黄よりも地球温暖化係数の小さい物質である、
    請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のガス遮断器。
JP2019524692A 2017-06-16 2017-06-16 ガス遮断器 Active JP6746787B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2017/022341 WO2018229972A1 (ja) 2017-06-16 2017-06-16 ガス遮断器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2018229972A1 JPWO2018229972A1 (ja) 2019-11-07
JP6746787B2 true JP6746787B2 (ja) 2020-08-26

Family

ID=64659270

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019524692A Active JP6746787B2 (ja) 2017-06-16 2017-06-16 ガス遮断器

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6746787B2 (ja)
WO (1) WO2018229972A1 (ja)

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56145620A (en) * 1980-04-14 1981-11-12 Hitachi Ltd Buffer type gas breaker
JPH0736309B2 (ja) * 1988-02-16 1995-04-19 株式会社東芝 パッファ形ガス遮断器
JPH10269912A (ja) * 1997-03-24 1998-10-09 Toshiba Corp ガス遮断器
JP2009124848A (ja) * 2007-11-14 2009-06-04 Toshiba Corp 電気機器
JP2012146405A (ja) * 2011-01-07 2012-08-02 Toshiba Corp ガス遮断器
JP2013191466A (ja) * 2012-03-14 2013-09-26 Toshiba Corp ガス遮断器
JP2014229363A (ja) * 2013-05-17 2014-12-08 株式会社東芝 ガス遮断器
JP6139299B2 (ja) * 2013-06-28 2017-05-31 株式会社東芝 ガス遮断器
JP6234608B2 (ja) * 2014-11-07 2017-11-22 三菱電機株式会社 真空遮断器および直流遮断器

Also Published As

Publication number Publication date
WO2018229972A1 (ja) 2018-12-20
JPWO2018229972A1 (ja) 2019-11-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2738087C2 (ru) Изолированный газом выключатель нагрузки низкого или среднего напряжения
JP2014229363A (ja) ガス遮断器
JP2013191466A (ja) ガス遮断器
JP6746787B2 (ja) ガス遮断器
JP2015041504A (ja) ガス遮断器
JP6435227B2 (ja) ガス遮断器
JP7268660B2 (ja) ガス遮断器
JP7155283B2 (ja) ガス遮断器
JP6946475B2 (ja) ガス遮断器
WO2022070397A1 (ja) ガス遮断器
JP2016219317A (ja) ガス遮断器
US20200395180A1 (en) Gas-insulated high or medium voltage circuit breaker
WO2019092864A1 (ja) ガス遮断器
WO2019092861A1 (ja) ガス遮断器
JP2015011942A (ja) 電力用ガス遮断器
WO2023105704A1 (ja) ガス遮断器
JP6773918B2 (ja) ガス遮断器
JP2015023006A (ja) ガス遮断器
WO2019092862A1 (ja) ガス遮断器
JP2015159030A (ja) ガス遮断器
JP2014002868A (ja) ガス遮断器
WO2019092865A1 (ja) ガス遮断器
WO2019092863A1 (ja) ガス遮断器
WO2019106841A1 (ja) ガス遮断器
JP2015162330A (ja) ガス遮断器

Legal Events

Date Code Title Description
A524 Written submission of copy of amendment under article 19 pct

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A527

Effective date: 20190606

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190606

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200421

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200612

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200707

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200805

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6746787

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150