JP2014002868A - ガス遮断器 - Google Patents

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恵佑 宇田川
Takeshi Shinkai
健 新海
Tadashi Koshizuka
正 腰塚
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Abstract

【課題】ガス遮断器の駆動エネルギーを低減する。
【解決手段】消弧性ガスが充填された密閉容器内に可動アーク接触子12及び対向アーク接触子32が対向配置される。遮断動作時、可動アーク接触子12と対向アーク接触子32は離間され、その間にアーク空間が発生する。このアーク空間に連通し、アーク空間に発生するアークAに対して吹き付けられる前記消弧性ガスを収容した容積可変パッファ室15が設けられている。容積可変パッファ室15は、両端が有底の筒形状を有し、側部を構成するシリンダ部16を備える。容積可変パッファ室15はさらに、アーク空間側の一端部を構成し、遮断動作時シリンダ部16の内部を摺動して容積可変パッファ室15の他端部方向へ移動し、容積可変パッファ室15の容積を減少させる可動ピストン部17を備える。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、気体中で電流の導通又は遮断を切り替えるガス遮断器に関する。
電力系統において、過大な事故電流を含む電流開閉のためにガス遮断器が使用されている。ガス遮断器は、遮断動作時に接触子を機械的に切り離し、切り離しによって発生したアークプラズマを消弧性ガスの吹き付けによって消弧する。
ガス遮断器は、図5に示すような、パッファ型と呼ばれるタイプが広く普及している。このガス遮断器は、消弧性ガスが充填された密閉容器(不図示)内に、可動接触子部1と対向接触子部3が同軸上に対向配置されている。対向接触子部3には、対向通電接触子31と対向アーク接触子32が可動接触子部1側へ延びるように配置されている。
可動接触子部1には、可動通電接触子11と可動アーク接触子12が対向接触子部3側へ延びるように配置されている。対向通電接触子31は可動通電接触子11に、対向アーク接触子32は可動アーク接触子12にそれぞれ対向配置され、電流導通時に互いに物理的に接触し、電流遮断時には可動接触子部1の離間に伴って開離する。電流遮断の過程で、可動アーク接触子12と対向アーク接触子32との間にアークプラズマが発生する。このアークプラズマが発生する空間を、アーク空間という。
可動接触子部1はさらに、パッファ室100を有する。このパッファ室100は、アークプラズマに吹き付けられる消弧性ガスが収容されている。可動アーク接触子12を覆うように絶縁ノズル13が設けられ、パッファ室100から吹き付けられた消弧性ガスをアークプラズマに導くガス流路が形成されている。
パッファ室100は両端が有底の筒形状である。パッファ室100のアーク空間側に位置する端面の外側には、可動通電接触子11、絶縁ノズル13、及び可動アーク接触子12が固定されている。さらに、アーク空間とパッファ室100を連通させる連通孔18aが設けられている。端面の内側にはパッファ室100を駆動する操作ロッド22が取り付けられている。操作ロッド22の駆動により、パッファ室100は軸方向に移動し、さらにパッファ室100に固定された可動通電接触子11、絶縁ノズル13、及び可動アーク接触子12も移動する。パッファ室100内部には固定ピストン部23が挿入されている。遮断動作時、パッファ室100全体が固定ピストン部23に近づくように移動することによって、パッファ室100内部の消弧性ガスは圧縮される。さらに、アークプラズマによって加熱昇圧されたアーク空間の消弧性ガスも、連通孔18aを介してパッファ室100に流入する。
このように昇圧され高圧力となったパッファ室100内の消弧性ガスは、遮断動作が進んで電流零点に近づきアークが小さくなると、パッファ室100から流出してアークに対し強力に吹き付けられる。この結果、アークは消弧に至り、電流遮断が完了する。
さらに、パッファ型のガス遮断器として、図6に示すように、パッファ室100が隔壁101によって2つに分割されたものもある。隔壁101には分割されたパッファ室100を連通する開口部101bが設けられている。
遮断動作時、パッファ室100が固定ピストン部23に近づくように移動すると、固定ピストン部23の相対的な移動によってパッファ室100の固定ピストン部23側の部分の容積が減少し、収容されている消弧性ガスが圧縮される。圧縮された消弧性ガスは、開口部101bを介してパッファ室100のアーク空間側の部分に供給される。
パッファ室100のアーク空間側の部分には、加熱昇圧されたアーク空間の消弧性ガスも流入する。その後、遮断動作が進んで電流零点に近づきアークが小さくなると、高圧力となった消弧性ガスがパッファ室100から流出してアークに対し強力に吹き付けられ、アークは消弧される。
中小電流遮断時のようにアークエネルギーが小さい場合、アークプラズマの熱では大きな圧力上昇が期待できないが、このタイプのガス遮断器は、パッファ室100を機械的に圧縮される空間と、アークプラズマの熱で蓄圧される空間とに分割している。これによって、アークプラズマによって加熱されていない冷却効果の高いガスを、アークに吹き付けることができ、中小電流遮断時でも高い遮断性能が得られる。
特開2004-55420号公報 特開2002-208336号公報
ところで、上述したような構成のガス遮断器は、事故電流遮断時のように数kAオーダーの大電流アークの場合には、両アーク接触子間の距離が十分に開き、適切なガス流路が形成される。また、パッファ室内部の消弧性ガスも十分に昇圧されてから吹き付けられる。
しかしながら、進み小電流遮断のような数百A以下の小電流アークの場合には、両アーク接触子が開離した直後であっても、電流零点を迎えれば、簡単にアークプラズマは消弧される。アーク接触子開離直後にアークプラズマが消弧すると、アーク接触子間の距離がきわめて小さい状態で、電力系統からの回復電圧が印加されることになる。
この回復電圧により、アーク接触子間に絶縁破壊による再点弧が引き起こされる可能性がある。再点弧によって過電圧が発生すると、電力系統の各電力機器の信頼性が脅かされることとなる。このような絶縁破壊を回避するためには、一般的にはアーク接触子先端の電界を緩和するか、遮断動作時の両アーク接触子の開離速度、すなわち開極速度を向上して、アーク接触子間の速やかな絶縁回復を確保する必要性がある。
そのためには、可動接触子部の駆動力を増加させることが考えられる。例えば、特許文献1には、固定カム機構を介して駆動装置と可動接触子部を接続し、カム溝の形に添って可動接触子部に連結したリンクを駆動させ開極速度を向上させることが提案されている。また、特許文献2には、回転溝カムを駆動装置と可動接触子部の間に設置した構造が提案されている。
しかし、このようなカム機構を利用した構造は、駆動エネルギーや操作エネルギー等の、エネルギー効率の観点から好ましいとは言えない。また、駆動装置の大型化や複雑化を招き、さらには高速の駆動に対して機械的強度を上げるために可動接触子部の重量が増加するという問題もある。
本発明の実施形態は、上述のような問題を解決するために提案されたものであり、駆動エネルギーを低減し、進み小電流遮断において開極速度を容易に向上させることができるガス遮断器を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、実施形態は、消弧性ガスが充填された密閉容器内に対向配置された第1のアーク接触子及び第2のアーク接触子を接触又は離間させることで電流の導通又は遮断を切り替えるガス遮断器であって、前記遮断の過程で発生する前記第1のアーク接触子と前記第2のアーク接触子との間のアーク空間に連通すると共に、当該アーク空間に発生するアークプラズマに対して吹き付けられる前記消弧性ガスを収容した、容積可変の第1パッファ室を有し、前記第1パッファ室は、両端が有底の筒形状を有し、前記第1パッファ室の側部を構成するシリンダ部と、前記第1パッファ室の前記アーク空間側の一端部を構成し、前記第1のアーク接触子及び前記第2のアーク接触子の離間に伴って、前記シリンダ部の内部を摺動して前記第1パッファ室の他端部方向へ移動し、前記第1パッファ室の容積を減少させる可動ピストン部と、を備えるガス遮断器を提供する。
第1の実施形態に係るガス遮断器の構成及び作用を示す断面図である。 第2の実施形態に係るガス遮断器の構成及び作用を示す断面図である。 第3の実施形態に係るガス遮断器の構成及び作用を示す断面図である。 第3の実施形態に係るガス遮断器の構成及び作用を示す断面図である。 従来のガス遮断器の構成を示す断面図である。 従来のガス遮断器の構成及び作用を示す断面図である。
以下、ガス遮断器の複数の実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。
[1.第1の実施形態]
(構成)
図1(a)に、第1の実施形態に係るガス遮断器の構成を示している。本実施形態のガス遮断器は、不図示の密閉容器内に消弧性ガスを充填したものである。消弧性ガスは、消弧性能及び絶縁性能に優れたガスであり、例えば六フッ化硫黄ガス(SFガス)が挙げられる。但し、SFガスは、二酸化炭素ガスの23900倍の地球温暖化効果を有すると言われており、環境保全の観点から、SFガスよりも地球温暖化係数の小さいガスを用いるようにしてもよい。この地球温暖化係数の小さいガスとしては、空気、二酸化炭素、酸素、窒素、またはそれらの混合ガス等が挙げられる。
密閉容器内には、可動接触子部1と対向接触子部3が対向配置されている。具体的には、可動通電接触子11と対向通電接触子31、及び可動アーク接触子12と対向アーク接触子32がそれぞれ対向配置されている。
可動通電接触子11と対向通電接触子31は、それぞれ端面が開口した円筒形状を有する導体であり、互いに開口を向かい合わせて同一軸上に配置されている。対向通電接触子31の開口縁は内部に膨出しており、開口縁部分の内径と可動通電接触子11の外径は一致している。可動通電接触子11と対向通電接触子31は、相対的に移動が可能となっている。対向通電接触子31の開口に可動通電接触子11が差し込まれることで、対向通電接触子31の内面と可動通電接触子11の外面とが接触し、電力導通状態となる。
対向アーク接触子32は円柱形状を有する導体であり、可動アーク接触子12は先端が開口した円筒形状を有する導体である。可動アーク接触子12の先端は円周方向に分割され、指状電極となっている場合もある。この可動アーク接触子12と対向アーク接触子32は、それぞれ可動通電接触子11と対向通電接触子31の内部に同軸状に対向配置されている。
可動アーク接触子12の開口縁は内部に膨出し、その内径は対向アーク接触子32の外径と一致するか、若干小さくなっている。若干小さい場合は、開口縁部分の厚みが調節され、可撓性を有するようになっている。可動アーク接触子12と対向アーク接触子32は相対的に移動が可能であり、対向アーク接触子32が可動アーク接触子12の開口に差し込まれることで、電流が導通状態となる。遮断動作時は、可動アーク接触子12が対向アーク接触子32から開離して、両接触子の間にはアーク空間が発生する。
対向通電接触子31と対向アーク接触子32は、不図示のサポート部を介して密閉容器内に固定されている。
可動通電接触子11と可動アーク接触子12との間には、絶縁ノズル13が配置されている。この絶縁ノズル13は可動アーク接触子12を包囲するように、軸方向に対向アーク接触子32側へ延び、可動アーク接触子12の先端を通過後、内径が対向アーク接触子32の外径よりも若干大きい程度まで窄み、最小内径部分となるスロート部13aに至ったところで先端に向けて直線的に拡がる形状となっている。
可動接触子部1は、消弧性ガスを収容した容積可変パッファ室15が備えられている。容積可変パッファ室15は、両端が有底の筒形状である。より具体的には、容積可変パッファ室15は、その側部を構成する浮動のシリンダ部16と、対向接触子部3に近い側、すなわちアーク空間側の一端部を構成する可動ピストン部17と、他端部を構成する固定ピストン部23とから構成されている。
シリンダ部16は筒形状で、その両端縁に、内方へ突設するリング状のストッパー27c,27dが設けられている。このストッパー27c,27dの内径は、可動ピストン部17の外径と略一致する。
可動ピストン部17は両端が有底の筒形状で、シリンダ部16よりも小径の筒であり、シリンダ部16の内部を軸方向に摺動可能に設けられている。可動ピストン部17の筒内部には、容積不変パッファ室18が形成されている。
可動ピストン部17の対向接触子部3に近い側、すなわちアーク空間側の端面は、シリンダ部16の外部に位置し、可動通電接触子11、絶縁ノズル13、及び可動アーク接触子12が固定されている。この端面には可動アーク接触子12の周囲を囲むようにリング状の連通孔18aが貫設され、この連通孔18aがアーク空間と容積不変パッファ室18とを連通させる。さらに、端面の中心にも貫通孔18cが設けられているが、これは後述する中空の操作ロッド22とアーク空間を連通させるものである。
一方、可動ピストン部17のもう一方の端面はシリンダ部16の内部に位置する。端面の軸中心を囲むようにリング状の開口部18bが設けられている。この開口部18bが、容積可変パッファ室15と容積不変パッファ室18を連通させる。この開口部18bには、容積不変パッファ室18から容積可変パッファ室15に向かって、円形平板形状に形成された浮動の逆止弁20が挿入されている。さらに、この逆止弁20の動作を制限する逆止弁ストッパー21が、容積不変パッファ室18側の、後述する操作ロッド22の外周部に設けられている。
可動ピストン部17の両端面の外縁には、それぞれ外方に突設するリング状のストッパー27a,27bが設けられている。アーク空間側の端面から突設するストッパー27aの外径は、シリンダ部16の外径と同じかそれよりも大きくすることが好ましく、少なくともシリンダ部16の端縁に当接する大きさとなっている。シリンダ部16内部に位置する端面から突設するストッパー27bの外径は、シリンダ部16の内径と略一致するように設定されている。
固定ピストン部23は、シリンダ部16内部に挿入された円形平板状部材である。固定ピストン部23自体は、シリンダ部16の外部に軸方向に延びる支持部によって密閉容器内に固定されているものだが、シリンダ部16の移動によって、シリンダ部16の内部に対して相対的に摺動可能となっている。
中空の操作ロッド22が容積可変パッファ室15内部を、軸中心を通るように配置されている。操作ロッド22の先端は可動ピストン部17のアーク空間側の端面に、中心の貫通孔を取り囲むように取り付けられている。操作ロッド22の先端近傍部分は可動ピストン部17の内部を挿通し、中央部分はシリンダ部16内部を挿通し、さらに固定ピストン部23の中心部を貫通している。操作ロッド22の後方部分は容積可変パッファ室15の外部に出て、不図示の駆動装置に連結されている。
駆動装置により、操作ロッド22は軸方向に駆動される。これによって、操作ロッド22が固定された可動ピストン部17と、可動ピストン部17に固定された可動通電接触子11、絶縁ノズル13、及び可動アーク接触子12も一体的に軸方向に移動する。
(作用)
以上の構成を有するガス遮断器の電流遮断動作を、図1(b)〜(d)を用いて説明する。
電流遮断動作は、数kAオーダーの事故電流、進み小電流、リアクトル遮断等の遅れ負荷電流、又は極めて小さな事故電流の遮断を要する場合、ガス遮断器を電流の導通状態から遮断状態に切り替える。
図1(b)には、電流遮断動作の開始直後の状態を示している。駆動装置によって操作ロッド22が駆動され、可動ピストン部17と、可動ピストン部17に固定された可動通電接触子11、絶縁ノズル13、及びアーク可動接触子12が対向接触子部3と離間する方向に移動を開始する。遮断動作において、まず可動通電接触子11が対向通電接触子31と離間する。
ここで、操作ロッド22に固定されていないシリンダ部16と固定ピストン部23は移動しないため、可動ピストン部17のみがシリンダ部16の内部を摺動する。具体的には、可動ピストン部17のシリンダ内部に位置する端面の縁から突設するストッパー27bが、シリンダ部16の内周面に沿って摺動する。これによって、容積可変パッファ室15の容積が減少し始める。
可動ピストン部17の開口部18bに設けられた逆止弁20は、慣性力により可動ピストン部17とは一体的に動作しないため、開口部18bから外れ、逆止弁ストッパー21に当接して止まる。これによって、容積可変パッファ室15と容積不変パッファ室18は連通した状態となり、容積可変パッファ室15の容積減少により圧縮された内部の消弧性ガスは、容積不変パッファ室18へ流入する。
図1(c)には、電流遮断動作がさらに進んだ状態を示している。可動アーク接触子12が対向アーク接触子32から離れることによって、両接触子の間にアーク空間が生じ、その空間にアークAが発生する。アークAにより、アーク空間の空気は加熱され、高温高圧の状態になる。このため、アーク空間に存在する消弧性ガスは連通孔18aを介して容積不変パッファ室18に流入する。
可動ピストン部17は、ほぼすべての部分がシリンダ部16の内部に収容されるが、ストッパー27aがシリンダ部16の端縁に突き当たると、シリンダ部16内部へそれ以上摺動しない状態となる。
その後、ストッパー27aがシリンダ部16の端縁に当接したことにより、浮動のシリンダ部16は可動ピストン部17と一体的に移動を開始する。そのため、可動ピストン部17によって容積可変パッファ室15の容積は減少しなくなるが、シリンダ部16自体の移動によって固定ピストン部23がシリンダ部16の内部を相対的に摺動する。容積可変パッファ室15の容積はさらに減少し、圧縮された内部の消弧性ガスは容積不変パッファ室18へさらに流入する。
容積不変パッファ室18は、容積可変パッファ室15とアーク空間からのガス流入によって、著しく昇圧された状態となる。これによって、逆止弁20には容積可変パッファ室15方向への力が作用し、開口部18bを再び塞いで閉状態とする。
遮断動作がさらに進み、電流零点に達するとアークAは減衰する。そして、残留アークプラズマ状態になると温度が下がるため、アーク空間の圧力も減少し、容積不変パッファ室18内部は、アーク空間よりも高圧の状態となる。これによって、容積不変パッファ室18内の消弧性ガスが連通孔18aを通り、両アーク接触子と絶縁ノズル13によって形成されるガス流路Xを通ってアークAに吹き付けられる。この消弧性ガスには、アーク空間で加熱されていない容積可変パッファ室15から流入したガスが含まれているため、アークAに吹き付けられた際、アークAを強力に冷却する。図1(d)に示すように、冷却されたアークは消弧され、電流遮断が達成される。
なお、中小電流遮断時では、アークプラズマAの熱による昇圧作用が弱く、電流零点近傍で容積不変パッファ室18の圧力が次第に低下するが、その場合も、容積可変パッファ室15の容積減少は進んでいるため、逆止弁20が再び開状態となり、圧縮された消弧性ガスが再び容積不変パッファ室18に流入し、容積不変パッファ室18を十分に昇圧させる。
(効果)
(1)以上のように、本実施形態では、容積可変パッファ室15のアーク空間側の一端部を可動ピストン部17で構成し、この可動ピストン部17に容積可変パッファ室15のシリンダ部16の内部を摺動させてパッファ室の容積を減少させ、内部の消弧性ガスを圧縮させる構成とした。これにより、容積可変パッファ室15を構成するシリンダ部16全体を固定ピストン部23に対して移動させる場合と比べて、駆動エネルギーが少なくて済み、開極速度を容易に向上させることができる。そのため、進み電流のような小電流の遮断時にも少ない駆動エネルギーで良好な遮断性能を得ることができる。
(2)本実施形態では、可動ピストン部17内部に、アーク空間から取り込まれる消弧性ガスの熱の昇圧作用により蓄圧される容積不変パッファ室18を形成し、この容積不変パッファ室18と容積可変パッファ室15とを開口部18bを介して連通させた。これによって、中小電流時の、アークAの熱による昇圧作用が期待できない場合も、容積可変パッファ室15で圧縮された冷却効果の高い消弧性ガスを有効に利用することができるため、優れた遮断性能を得ることができる。
(3)容積可変パッファ室15と容積不変パッファ室18を連通させる開口部18bは逆止弁20により開閉状態が制御されるので、電流の大小に応じて各パッファ室内のガスの流通を適切に制御することができる。
(4)可動ピストン部17の外周面にシリンダ部16と突き当たるストッパー27a,27bを設けることによって、必要に応じて可動ピストン部17のシリンダ内部への摺動範囲を制限することができる。また、シリンダ部16の内周面に、内方に当接するストッパー27cを設け、このストッパー27cが可動ピストン部17のストッパー27a,27cと突き当たるようにしても良い。
ストッパー27がシリンダ部16に当接すると、シリンダ部16は可動ピストン部17と一体的に移動するため、可動ピストン部17によっては、容積可変パッファ室15はそれ以上蓄圧されない。しかしながら、容積可変パッファ室15の他端部を構成する固定ピストン部23がシリンダ部16の内部を相対的に摺動するため、容積可変パッファ室15をさらに蓄圧させることができる。
なお、上述した実施形態では、可動ピストン部17のストッパー27a,27bは両端縁に設けていたが、可動ピストン部17の外周面の任意の位置に設けることができる。同様に、シリンダ部16のストッパー27c,27dも、シリンダ部16の内周面の任意の位置に設けることができる。
[2.第2の実施形態]
(構成)
第2の実施形態について、図2を用いて説明する。この第2の実施形態では、前述の第1実施形態とは異なる点のみを説明し、前述の第1実施形態と同じ部分については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
第2の実施形態では、可動ピストン部117は、一端が有底であり、他端が開口した筒形状となっている。可動ピストン部117の筒は、シリンダ部16よりも小径となっている。
可動ピストン部117の一端の底面、すなわち端面はアーク空間側に位置している。この端面には可動アーク接触子12の周囲を囲むようにリング状の連通孔18aが貫設され、この連通孔18aが可動ピストン部117の内部とアーク空間とを連通させる。
可動ピストン部117の他方の開口端はシリンダ部16の内部に挿通され、開口端縁から外方に突設するリング状のストッパー27がシリンダ部16の内周面に接している。この構造により、可動ピストン部117の内部はシリンダ部16の内部と連続し、一体的に容積可変パッファ室15を形成している。
(作用)
図2(b)に示すように、第2の実施形態のガス遮断器においても、第1の実施形態と同様に、可動ピストン部117の移動によって、容積可変パッファ室15の容積が減少し、内部のガスが圧縮される。
しかしながら、本実施形態のガス遮断器は、容積不変パッファ室18は存在しないため、図2(c)に示すように、アークAにより加熱昇圧された消弧性ガスは連通孔18aを経て容積可変パッファ室15に流入する。
第1の実施形態と同様に、可動ピストン部117のストッパー27がシリンダ部16の端縁に突き当たった後は、図2(c)に示すように、シリンダ部16は可動ピストン部117と一体的に移動を開始する。固定ピストン部23がシリンダ部16内部を相対的に摺動することによって、容積可変パッファ室15の容積はさらに減少する。
容積可変パッファ室15は、容積の減少とアーク空間からのガス流入によって、著しく昇圧された状態となる。電流零点に達してアークAは減衰する。容積可変パッファ室15内部は、アーク空間よりも高圧の状態となり、圧縮された消弧性ガスが連通孔18aを通り、アークAに吹き付けられる。図2(d)に示すように、消弧性ガスの吹き付けによって冷却されたアークAは消弧され、電流遮断が達成される。
(効果)
本実施形態のガス遮断器は、容積可変パッファ室15のみを有する構成となっているが、このような場合でも、可動ピストン部117の移動によって容積可変パッファ室15の容積を減少させることができるため、第1の実施形態と同様に、容積可変パッファ室15を少ない駆動エネルギーで蓄圧することができる。
[3.その他の実施形態]
第1の実施形態のガス遮断器において、遮断動作時に他の部材と突き当たる部分に緩衝材28を設けても良い。例えば、図3に示すように、シリンダ部16の端縁に突き当たる可動ピストン部17の両端のストッパー27a,27bや固定ピストン部23と突き当たるシリンダ部16のストッパー27c,27dに緩衝材28を設置しても良い。
また、図4に示すように、第2の実施形態のガス遮断器においても、可動ピストン部117やシリンダ部16のストッパー27a,27b,27c,27dに緩衝材28を設けてもよい。
これによって、遮断動作時、部材同士の衝突による衝撃を低減し、ガス遮断器の損耗を抑制することができる。
本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1 可動接触子部
11 可動通電接触子
12 可動アーク接触子(第1のアーク接触子)
13 絶縁ノズル
13a スロート部
15 容積可変パッファ室(第1パッファ室)
16 シリンダ部
17,117 可動ピストン部
18 容積不変パッファ室(第2パッファ室)
18a 連通孔
18b 開口部
18c 貫通孔
20 逆止弁
21 逆止弁ストッパー
22 操作ロッド
23 固定ピストン部
27a,27b,27c,27d ストッパー
28 緩衝材
A アーク
X ガス流路
3 対向接触子部
31 対向通電接触子
32 対向アーク接触子(第2のアーク接触子)
100 パッファ室
101 隔壁
101b 開口部

Claims (7)

  1. 消弧性ガスが充填された密閉容器内に対向配置された第1のアーク接触子及び第2のアーク接触子を接触又は離間させることで電流の導通又は遮断を切り替えるガス遮断器であって、
    前記遮断の過程で発生する前記第1のアーク接触子と前記第2のアーク接触子との間のアーク空間に連通すると共に、当該アーク空間に発生するアークプラズマに対して吹き付けられる前記消弧性ガスを収容した、容積可変の第1パッファ室を有し、
    前記第1パッファ室は、
    両端が有底の筒形状を有し、
    前記第1パッファ室の側部を構成するシリンダ部と、
    前記第1パッファ室の前記アーク空間側の一端部を構成し、前記第1のアーク接触子及び前記第2のアーク接触子の離間に伴って、前記シリンダ部の内部を摺動して前記第1パッファ室の他端部方向へ移動し、前記第1パッファ室の容積を減少させる可動ピストン部と、を備えることを特徴とするガス遮断器。
  2. 前記可動ピストン部は両端が有底の筒形状を有し、内部に容積不変の第2パッファ室が形成され、
    前記可動ピストン部の前記アーク空間側の端面には、前記第2パッファ室と前記アーク空間とを連通させる連通孔が設けられ、
    前記可動ピストン部の前記第1パッファ室側の端面には、前記第2パッファ室と前記第1パッファ室を連通させる開口部が設けられ、
    前記第2パッファ室は、前記連通孔を介して前記アーク空間で加熱された消弧性ガスが流入することにより蓄圧されることを特徴とする請求項1記載のガス遮断器。
  3. 前記第2パッファ室と前記第1パッファ室を連通させる開口部は、逆止弁により開閉状態が制御されることを特徴とする請求項2記載のガス遮断器。
  4. 前記可動ピストン部は、一方に端面を有し他方に開口端を有する筒形状であり、
    当該端面は前記可動ピストン部の前記アーク空間側に位置し、前記可動ピストン部の内部と前記アーク空間とを連通させる連通孔が設けられ、
    当該開口端は前記シリンダ部の内部に挿通されることにより、前記可動ピストン部の内部は前記第1パッファ室と一体化し、
    前記第1パッファ室は前記連通孔を介して前記アーク空間で加熱された消弧性ガスが流入することにより蓄圧されることを特徴とする請求項1記載のガス遮断器。
  5. 前記第1パッファ室は、当該第1パッファ室の他端部を構成し、前記シリンダ部の内部に対して相対的に摺動可能に設けられた固定ピストン部を備え、
    前記可動ピストン部の外周面には、外方に突設するストッパーが設けられ、
    遮断動作時、前記可動ピストン部が前記固定ピストン部に向かって移動し、前記ストッパーが前記シリンダ部に当接することによって、前記シリンダ部は、前記固定ピストン部に向かって前記可動ピストン部と一体的に移動し、前記第1パッファ室を機械的圧縮作用によりさらに蓄圧することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のガス遮断器。
  6. 前記シリンダ部の内周面には内方に突設するストッパーが設けられ、前記可動ピストン部のストッパーは当該シリンダ部のストッパーと当接することを特徴とする請求項5記載のガス遮断器。
  7. 前記可動ピストン部のストッパーの、前記シリンダ部と当接する部分には緩衝材が設けられていることを特徴とする請求項5又は6記載のガス遮断器。

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