JP2015011942A - 電力用ガス遮断器 - Google Patents

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崇文 飯島
Takafumi Iijima
崇文 飯島
内井 敏之
Toshiyuki Uchii
敏之 内井
新海 健
Takeshi Shinkai
健 新海
古田 宏
Hiroshi Furuta
宏 古田
嵩人 石井
Takahito Ishii
嵩人 石井
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Abstract

【課題】機械的な作用で圧縮された消弧性ガスをアーク接触子間に発生するプレアークに吹き付けることで、プレアークの発生を遅らせて、投入時のプレアーク時間を短縮する。【解決手段】消弧性ガスが充填された密閉容器内に、対向配置された一対のアーク接触子1,5を有する。一対のアーク接触子1,5は、投入時は接触導通状態にあり、電流遮断時には少なくとも一方のアーク接触子5が移動することで両アーク接触子1,5が開離し、一対のアーク接触子1,5の投入動作時において、両アーク接触子間1,5の空間にプレアークが発生する。移動するアーク接触子5とそのアーク接触子を支持する固定部材であるピストン支え14との間に、アーク接触子5の投入方向への移動に伴い容積が縮小される圧縮室16が設けられ、この圧縮室16からの消弧性ガスが両アーク接触子1,5間のプレアーク発生空間に吹き付けられる。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、有負荷投入時におけるプレアーク時間の短縮を可能とした電力用ガス遮断器に関する。
現在、送電系統においては、絶縁媒体及び消弧媒体としてSF6ガスを使用したガス遮断器が提案されている。ガス遮断器に期待される役目は、系統事故時において事故の生じた系統を切り離す際に流れる電流を遮断することが主である。しかし、荷電状態の系統に対して遮断器が正常に投入できることも求められている。
電力用ガス遮断器においては、より安定に電流を遮断するための方法として、遮断時に消弧性ガスを電極間に対して吹付けることで電流を消弧する方法が多く用いられている。これは電力用ガス遮断器内の可動側の一部に、遮断動作時に作用する蓄圧室や第1圧縮室を有しており、ここに蓄圧された消弧性ガスをアークに吹付けることで、電流を遮断するものである。
有負荷投入動作時においては、動作前には解離した第1アーク接触子と第2アーク接触子の間に電圧が印加されている。この状態から接点を投入させるが、第1アーク接触子と第2アーク接触子の接点同士が近づくにつれ、印加されている電圧に対して距離が狭くなる、すなわち電界が高くなり、電界がある閾値を超えると第1アーク接触子と第2アーク接触子の間にプレアークが発生する。
アーク接触子は、電流遮断時はもちろんのこと、有負荷投入時においても、数千度以上と言われる非常に高温のアークに直接さらされるため、電極材料の溶融により損耗する。従来の電力用ガス遮断器の構造では遮断時にはアークに対して消弧性ガスを吹付ける構造であるが、投入時には消弧性ガスを吹付ける構造とはなっていないため、接点にとっては大変に厳しい状態となる。
アーク接触子の損耗度合いは、遮断動作だけではなく、投入時にプレアークの発生時間をできるだけ短くすることにより減らすことができる。このためにはプレアークが発生しないことがもっとも望ましいが、これは構成上不可能である。すなわち、プレアークが発生するタイミングをいかに遅らせられるかがポイントとなる。一般的なアーク電極の接点部は、融点の高いタングステンが含有されている合金が広く使用されている。しかし、アークの温度は数千度以上と言われており、融点の高いタングステンであっても熱損耗は避けられない。
損耗された接点は、損耗していない接点と比較すると、熱損耗により形状が変形したり、合金の融点が低い材料が揮発することにより生じる表面粗化が発生する。これは電極の状態を除き接点間に同じ条件で電圧が印加された場合、さらにプレアークが発生しやすい状態となる。
投入時のプレアーク時間を短くする方法には、リンク構造により投入速度を早くすることで、プレアークが発生している時間を短くする特許文献1の発明や、接点部の熱伝導を向上させることにより接点の損耗量を低減させる特許文献2の発明がある。リンク構造により投入速度を向上させることにより、プレアークが点弧している時間を短くすることが可能となる。また、接点部の熱伝導を向上させ、プレアーク発生時における接点の温度が低下すれば、接点の損耗量を低減させることは可能となる。
特開平7−288067号公報 特開平5−067416号公報
ところで、アークは非常に高温なプラズマ状態であり、アークの最大温度は明らかにされていないが、少なくとも10000度以上と考えられている。従来の電力用ガス遮断器の構造では、投入時に発生するプレアークからアーク接触子を保護する機能はない。また先に示した発明では高温の時間をできるだけ短くすること、もしくは熱伝導性能を向上させるものであり、積極的にプレアークの発生を遅らせるものではない。
投入時にアーク接触子間で発生したプレアークは、機械的な接点接触によりアークが消弧するまでの間、電流通電により発生したジュール熱とアークからの放射のバランスのみで決定される制御されていないプラズマ状態となっている。この間に接触子は10000度以上の高温にさらされるため、特に投入時のプレアークでは接点の損耗量が多く、すなわち接触子の寿命が短くなるという問題があった。
本発明の実施形態は、前記のような従来技術を解決するために提案されたものである。本発明の実施形態の目的は、機械的な作用で圧縮された消弧性ガスをアーク接触子間に発生するプレアークに対して吹き付けることにより、プレアークの発生を遅らせて、投入時のプレアーク時間を短縮することを可能とした電力用ガス遮断器を提供することにある。
本発明の実施形態の他の目的は、プレアークへの消弧性ガスの吹付け効果によって、アーク接触子の周囲に発生する初期コロナを吹き消すことで、プレアーク発生を遅らせ、且つ、発生したプレアークのアーク径を小さくして、アーク接触子の高温にさらされる領域を減らすことにある。
本発明の実施形態は、消弧性ガスが充填された密閉容器内に、対向配置された一対のアーク接触子を有し、前記一対のアーク接触子は、投入時は接触導通状態にあり、電流遮断時には少なくとも一方のアーク接触子が移動することで両アーク接触子が開離し、前記一対のアーク接触子の投入動作時において、両アーク接触子間の空間にプレアークが発生する電力用ガス遮断器において、前記移動するアーク接触子側に、そのアーク接触子の投入方向への移動に伴い容積が縮小されるプレアーク用圧縮室が設けられ、このプレアーク用圧縮室からの消弧性ガスが両アーク接触子間のプレアーク発生空間に吹き付けられることを特徴とする。
本実施形態の第1実施形態で開極状態を示す断面図 本実施形態の第1実施形態で開極状態から閉極状態に至る第1段階を示す断面図 本実施形態の第1実施形態で開極状態から閉極状態に至る第2段階を示す断面図 本実施形態の第1実施形態で開極状態から閉極状態に至る第3段階を示す断面図 本実施形態の第1実施形態で閉極状態を示す断面図 本実施形態の第2実施形態で開極状態を示す断面図 本実施形態の第2実施形態で開極状態から閉極状態に至る第1段階を示す断面図 本実施形態の第2実施形態で開極状態から閉極状態に至る第2段階を示す断面図 本実施形態の第2実施形態で開極状態から閉極状態に至る第3段階を示す断面図 本実施形態の第2実施形態で閉極状態を示す断面図 本実施形態の第3実施形態を示す断面図 本実施形態の第4実施形態を示す断面図 本実施形態の第4実施形態の変形例を示す断面図 本実施形態の第4実施形態の変形例を示す断面図
(1)第1実施形態
(1−1)構成
図1〜図5を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。図1は本実施形態の開極状態を示す断面図であり、図2〜図4は開極から閉極に至るまでの途中時間における閉極過程、図5は閉極状態を示す。
これらの図に示すように、本実施形態の遮断器においては、消弧性ガスが充填された密閉容器(図示せず)内に、図左側に配置された第1アーク接触子1に対向し、図右側に第2アーク接触子5が配置される。
図1においては、第1アーク接触子1および主接点2は対向側であり、それ以外が可動側となっている。可動側において、ノズル3、主接点4、第2アーク接触子5、操作ロッド7および第2ピストン9は、操作ロッド7と共に往復動する可動部材である。
第1ピストン13、ピストン支え14、主接点4と接触する摺動サポート41は、可動側の基端部に設けられた支持部材42に支持された固定部材である。すなわち、摺動サポート41の先端部内側には、筒状になった主接点4の基部43の外周が摺動自在に嵌め込まれており、主接点4の筒状の基部43の内側に第1ピストン13が摺動自在に配置されている。この第1ピストン13はピストン支え14によって、支持部材42に固定されている。
主接点4の筒状の基部43の内側と第1ピストン13との間に形成された第1圧縮室6がパッファ室と呼ばれ、遮断時にアークに吹き付ける消弧用のガスを圧縮するための空間である。図5の遮断器の投入時には、第1圧縮室6が大きな空間になっているが、図5から図1の遮断状態に移行するにつれて、第1圧縮室6の容積が縮小し、内部のガスが圧縮される。
ピストン支え14の内周側と操作ロッド7外周との間には排気穴8を有する閉空間を構成する。第2ピストン9は、操作ロッド7の基部における支持部材42の主接点4側に設けられ、その外周部はピストン支え14の内周面に摺動自在に接触している。このようにピストン支え14、操作ロッド7、第2ピストン9に囲まれた第2圧縮室16が、投入動作時において消弧性ガスを第2アーク接触子5の先端から吹き出させるために機械圧縮する空間である。
ピストン支え14には、第2ピストン9の摺動部分に沿った通気穴15が設けられている。この通気穴15は、図1の開極状態に第2ピストン9が停止する位置付近から、主接点4側に向かって設けられており、その主接点4側の端部は、図3の投入途中の状態において第2ピストン9が位置する箇所まで伸びている。従って、図2のように、第2ピストン9が通気穴15の途中にあるときは、第2圧縮室16内にある消弧性ガスは圧縮されない。通気穴15は機能上不要であれば設ける必要はない。この場合、動き始めすぐから第2圧縮室16の圧縮動作が開始される。
操作ロッド7の基部における第2ピストン9の主接点4側には、第2ピストン9の基部から主接点4側に向かって伸びる排気穴8が設けられている。この排気穴8は、筒状をした操作ロッド7の内外を連通するもので、操作ロッド7先端に設けられた筒状の第2アーク接触子5の先端に設けられた吹き出し穴51に連通している。従って、第2ピストン9は通気穴15を通り過ぎると、ピストン支え14の内壁と操作ロッド7の外壁との閉空間体積を小さくするため、その中にある消弧性ガスを動作と共に圧縮していく。これにより、消弧性ガスは排気穴8を通り第2アーク接触子5先端の吹き出し穴51に向かって吹きだされていく。
第1アーク接触子1と第2アーク接触子5が機械的に接触すると、プレアークは自動的に消滅する。すなわち、このときにも消弧性ガスを吹き出し続けることは、すなわち投入動作の反力となるため好ましくない。図4に示すように、第1アーク接触子1と第2アーク接触子5が機械的に接触されると同時に、排気穴8は第1圧縮室6に連通し、第2圧縮室16の圧力は放圧されることが望ましい。そのため、本実施形態では、排気穴8の主接点4側の端部は、第1アーク接触子1と第2アーク接触子5が機械的に接触した状態において、排気穴8が第1圧縮室6に連通する位置にまで伸びている。
これにより、図4に示すように、第1アーク接触子1と第2アーク接触子5が機械的に接触されると同時に第2圧縮室16の圧力は放圧されるので、第2圧縮室16内の圧縮ガスにより投入直前で速度が低下することなく、第1アーク接触子1と第2アーク接触子5の投入動作が進み、図5の投入時の正規位置まで移動し、投入動作が完了する。
(1−2)作用
このような構成をとる本実施形態では、図1の開極状態から操作ロッド7が固定側の第1アーク接触子1及び主接点2側に移動すると、操作ロッド7の先端に設けられたノズル3、主接点4及び第2アーク接触子5も、固定側に移動する。このとき、図2の投入の第1段階では、第2圧縮室16と操作ロッド7の内部とは排気穴8によって連通しているので、第2圧縮室16の容積が小さくなっても、投入動作の抵抗になることはない。
同様に、図2の状態で、第2ピストン9が通気穴15の途中にあるため、第2圧縮室16と摺動電極41内とは通気穴15によって連通しており、第2圧縮室16の容積が小さくなっても、投入動作の抵抗になることはない。更に、第1ピストン13には吸気バルブ21が設けられているので、主接点4の移動により第1圧縮室6の容積が大きくなっても、第1圧縮室16には吸気バルブ21を通ってピストン支え14の外周の気体が進入するため、投入動作の抵抗にはならない。
図3の第2段階に進むと、操作ロッド7に設けられた第2ピストン9が通気穴15の主接点4側の端部に達し、通気穴15が閉じるため、第2圧縮室16は操作ロッド7の内部とのみ連通する。そのため、投入動作が図3の第2段階から図4の第3段階に進み、第2圧縮室16の容積が小さくなるにつれて、第2圧縮室16内部の消弧性ガスが操作ロッド7の内部を通って、第2アーク接触子5の先端の吹き付け穴51から固定側の第1アーク接触子1側に吹き付けられる。
すなわち、図4に示した第2ピストン9による通気穴15の閉塞位置17からアーク消弧性ガスの圧縮が開始され、図5に示す投入完了時の第2ピストン9の位置との間では、第2ピストン9によって圧縮された空間18に相当する量の消弧性ガスがプレアーク発生空間に吹き付けられる。
この場合、第2圧縮室16で圧縮されることにより、連通されている操作ロッド7、第1接触子1、ノズル3、第2接触子5による閉空間であるプレアーク発生空間の圧力は上昇される。すなわち、パッシェンの法則によると、放電開始電圧Vは、圧力Pとギャップ長dの積V=f(P×d)に依存する。ここで、平行平板電極に対するギャップ長dが与えられるが、このギャップ長dは、定性的に議論する上では今回の対象のように第1アーク接触子1と第2アーク接触子5のギャップとすることができる。
よって、第2アーク接触子5の先端から消弧性ガスを積極的に吹き出す構造をとることにより、第2アーク接触子5周囲の圧力が上昇し、これにより放電開始電圧が高くなることから、プレアークの発生を遅らせることができるようになる。
(1−3)効果
本実施形態によれば、放電の初期段階で、第1アーク接触子1もしくは第2アーク接触子5の少なくともいずれか一方にコロナ放電が発生した場合、第2アーク接触子5先端から吹き出される消弧性ガスのアーク消弧性能によってコロナ放電を消弧する、もしくは進展を遅らせることができる。そのため、単純に第1アーク接触子1もしくは第2アーク接触子5の先端部の圧力を上昇させるだけよりも、さらに放電開始を遅くすることができる。
発生したプレアークを消弧することは難しいが、発生したプレアークのアーク径を細くすることができれば、その分だけ、アーク接触子の損耗を低減することが期待できる。本実施形態では第2アーク接触子5から消弧性ガスを積極的に吹き出す構造であり、発生したプレアークの径を細くすることが可能であることから、第1アーク接触子1および第2アーク接触子5の損耗量の低減が期待できる。
このとき、排気穴8は投入動作開始から第1アーク接触子1および第2アーク接触子5が機械的に接するまでの間は、吹き出し部である第2アーク接触子5に対し、操作ロッド7を介して第2圧縮室16を閉空間とする。これに対して、本実施形態では、第1アーク接触子1と第2アーク接触子5が機械的に接触した後、すなわちプレアークが消弧したあとは、排気穴8は第1圧縮室6に連通させているので、それ以上第2圧縮室16内部のガスが圧縮されることがなく、投入動作の反力となることがない。
本実施形態は、投入時に可動接点から対向接点に向けて消弧性ガスを噴出する手段を有するものであり、これによりプレアーク発生を遅らせて、プレアーク時間を短くすることが可能となる。本実施形態により、有負荷投入時の接点損耗量が低減できることから、電力用ガス遮断器のメンテナンス周期を長くすることが可能となる。具体的には投入・遮断可能回数の増加が期待でき、さらには投入速度を遅くすることが可能となる。この場合、操作エネルギーを小さくできるようになり、すなわち操作機構の低エネルギー化に寄与でき、製品コストの低減が可能となる。
(2)第2実施形態
図6〜図10を用いて第2実施形態を説明する。第2実施形態は一般的に言われる直列パッファ方式に対して本発明を適用した実施形態である。直列パッファ方式は、蓄圧室と呼ばれる容量が一定の第1のパッファ室の背後に、圧縮室と呼ばれる開極時に機械的に圧縮可能な第2のパッファ室を設けたものであって、他の構成については、第1実施形態と同様である。そこで、本実施形態においては、第1実施形態と相違する点について説明し、同様な構成並びに作用については省略する。
(2−1)構成
本実施形態の遮断器には、図6〜図10に示すように、主接点4の筒状の基部43の内側に蓄圧室10が設けられている。この筒状の基部43の固定側(主接点4と反対側)には、基部43よりも細くなった筒状の摺動接点44が一体に設けられ、この摺動接点44の内側の空間が第1圧縮室6になっている。蓄圧室10と第1圧縮室6との間には、チェックバルブ11を有する連通穴12が設けられており、第1圧縮室6側から蓄圧室10側に向かってのみ消弧性ガスが移動可能になっている。なお、チェックバルブ11は設けなくてもよい。
(2−2)作用効果
本実施形態においては、図10の投入状態から図6の開極状態に向かって、可動側の主接点4及び第2アーク接触子5が移動すると、第1アーク接触子1及び第2アーク接触子5間で発生したアークにより、その周囲が高温になると、蓄圧室10内のガスが加熱膨張して蓄圧室10から流出し、ノズル3に案内されてアークに吹き付けられる。このとき、膨張したガスは、チェックバルブ11に遮られて第1圧縮室6側に移動することはない。
更に、可動側の部材が開極方向に移動するにつれて、第1ピストン13に押されて、図7、図6のように第1圧縮室6の容積が小さくなり、その内部の消弧性ガスはチェックバルブ11を有する連通穴12を通って蓄圧室10に移動する。蓄圧室10に移動した消弧性ガスは、その内部で加熱膨張した消弧性ガスと共にノズル3に案内されて、第1アーク接触子1及び第2アーク接触子5間に吹き出され、アークを消弧する。
遮断器の投入動作時には、図6の投入状態から可動側の主接点4及び第2アーク接触子5が固定側に移動する。この場合、第1実施形態と同様に、操作ロッド7が移動するにつれて、そこに設けられた第2ピストン9が固定部材であるピストン支え14内を移動し、第2圧縮室16の容積が小さくなる。それに伴い、第2圧縮室16内の消弧性ガスは、操作ロッド7の内部を通って先端の吹き出し穴51からプレアーク発生空間に吹き出される。
本実施形態の直列パッファ方式の遮断器においても、第1実施形態と同様に、プレアーク発生を遅らせて、プレアーク時間を短くすることが可能となる。また、第1実施形態に述べた通気穴15や排気穴8の作用効果、第1ピストン13に設けた吸気バルブ21の作用効果なども、本実施形態においても同様に発揮される。
(3)第3実施形態
(3−1)構成
図11(a)(b)を用いて第3実施形態を説明する。本実施形態は、第2圧縮室16で圧縮された消弧性ガスが、第2アーク接触子5の先端から吹き出されるまでに通過する排気穴8に関する構成である。図11(a)は中心軸に対して軸対象の位置に配置された比較例の構成であり、図11(b)は中心軸に対し非対称の位置に配置された本実施形態の構造である。すなわち、本実施形態では、排気穴8の配置位置を消弧室の中心軸に対し軸対象の位置に配置しないものとする。
(3−2)作用効果
少なくとも2つ以上の排気穴を設ける場合、本実施形態のように、中心軸に対して軸対象の位置に排気穴8を配置しないことにより、排気穴8を通過した消弧性ガスは軸の回転角方向に対して均一な流量分布にならなくなる。すなわち、操作ロッド7を通過するときに、消弧性ガスは旋回流となって操作ロッド7内を回転しながら第2アーク接触子5の先端から吹き出される。
これにより第2アーク接触子5近傍の局所的な圧力上昇が期待できること、さらに第2アーク接触子5先端に発生する初期コロナを吹き消すことが期待されるため、プレアークの発生時間を遅らせることが期待できる。さらに旋回した消弧性がプレアークに吹付けられるため、より多くの消弧性ガス分子がプレアークに接触するため、プレアークのアーク径を細くすることも期待できることから、第1アーク接触子1および第2アーク接触子5の損耗量の低減が期待できる。
(4)第4実施形態
(4−1)構成
図12を用いて第4実施形態を説明する。本実施形態は、第2圧縮室16で圧縮された消弧性ガスが、第2アーク接触子5の先端から吹き出されるまでに通過する操作ロッド7に改良を施したものである。すなわち、本実施形態では、操作ロッド7の内径側に、複数本のスリット19を設ける。このスリット19は、操作ロッド7の軸方向に対して、斜め(螺旋状)に設ける。
(4−2)作用効果
操作ロッド7の内径側にスリット19を設けることにより、操作ロッド7内を通過する消弧性ガスはそのスリット19により旋回流となり操作ロッド7を通過するようになる。すなわち、消弧性ガスは操作ロッド7内を回転しながら第2アーク接触子5の先端から吹き出される。これにより第2アーク接触子5近傍の局所的な圧力上昇が期待できること、さらに第2アーク接触子5先端に発生する初期コロナを吹き消すことが期待されるため、プレアークの発生時間を遅らせることが期待できる。
さらに旋回した消弧性がプレアークに吹付けられるため、より多くの消弧性ガス分子がプレアークに接触するため、プレアークのアーク径を細くすることも期待できることから、第1アーク接触子1および第2アーク接触子5の損耗量の低減が期待できる。
なお、スリット19の長さについて、操作ロッド7の内径側において長い領域にスリットを設けるほど高い効果が期待できるが、一部でも効果は期待できる。内径側へのスリット19の加工は加工工程の増加とコスト高に繋がることからスリット長を選定すればよい。
(4−3)第4実施形態の変形例
図12においてはスリット19を操作ロッド7の内径に設けているが、同様の効果が得られる構造として、スリットではなく図13に示す螺旋突起20を設けてもよい。また、スリット19と同様の効果が得られる構造として、図14に示すようなフィン20aを操作ロッド7の内径側に設けてもよい。
(5)他の実施形態
本実施形態は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、第2圧縮室16は消弧室内のどこに設けてもよい。第2圧縮室16は専用の部品によって製作されてもよい。また、第2アーク接触子5に連動し、第2アーク接触子5の動作方向とは逆に第1アーク接触子1が動作するデュアルモーション方式に対しても適用でき、第2圧縮室16は第1アーク接触子1側に設けられてもよい。この場合、消弧性ガスは第1アーク接触子1の内部もしくは近傍から第2アーク接触子5の方向へ吹き出されるようになる。また、パッファ方式のみならず、第2実施形態の直列パッファ方式や、ハイブリッドパッファ方式などに適用しても同様の効果が期待できる。
1…第1アーク接触子
2…主接点
3…ノズル
4…主接点
5…第2アーク接触子
6…第1圧縮室
7…操作ロッド
8…排気穴
9…第2ピストン
10…蓄圧室
11…チェックバルブ
12…連通穴
13…第1ピストン
14…ピストン支え
15…通気穴
16…第2圧縮室
17…第2ピストン圧縮開始位置
18…第2ピストンにより圧縮された空間
19…螺旋スリット
20…螺旋突起
20a…フィン
21…吸気バルブ
41…摺動サポート
42…支持部材
43…基部
51…吹き出し口

Claims (8)

  1. 消弧性ガスが充填された密閉容器内に、対向配置された一対のアーク接触子を有し、前記一対のアーク接触子は、投入時は接触導通状態にあり、電流遮断時には少なくとも一方のアーク接触子が移動することで両アーク接触子が開離し、前記一対のアーク接触子の投入動作時において、両アーク接触子間の空間にプレアークが発生する電力用ガス遮断器において、
    前記移動するアーク接触子側に、そのアーク接触子の投入方向への移動に伴い容積が縮小されるプレアーク用圧縮室が設けられ、このプレアーク用圧縮室からの消弧性ガスが両アーク接触子間のプレアーク発生空間に吹き付けられることを特徴とする電力用ガス遮断器。
  2. 前記プレアーク用圧縮室は、移動するアーク接触子とそのアーク接触子を支持する固定部材との間に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電力用ガス遮断器。
  3. 前記プレアーク用圧縮室は、移動するアーク接触子と同期して動作する操作ロッドに設けられたピストンと、前記固定部材に設けられた中空のピストン支えから構成され、前記ピストンが筒状のピストン支えの内部に摺動自在に組み込まれていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電力用ガス遮断器。
  4. 前記操作ロッドが中空の部材によって構成され、その先端部に消弧性ガスの吹き出し口を有する筒状の移動するアーク接触子が設けられ、
    前記操作ロッドには、その内部の中空部と、操作ロッドとピストン支えとの間の空間に形成されたプレアーク用圧縮室とを連通する排気穴が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電力用ガス遮断器。
  5. 前記電力用ガス遮断器が各アーク接触子の外周に配置された一対の主接点を備え、
    前記移動側の主接点における筒状の基部内には固定部材に設けられたピストンが摺動自在に挿入され、筒状の基部とその内部のピストンによって、筒状の基部内に閉極時において容積が大きくなる消弧用圧縮室が設けられ、
    前記排気穴は、投入動作時において、両アーク接触子が電気的に接続されるまでは、前記プレアーク用と消弧用の2つの圧縮室が連通することがなく、両アーク接触子が電気的に接続された後は、前記2つの圧縮室が連通するように設けられていることを特徴とする請求項4項に記載の電力用ガス遮断器。
  6. 前記排気穴は、遮断器の中心軸に対し、軸対象には配置されないことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の電力用ガス遮断器。
  7. 前記操作ロッド内面には、操作ロッドの軸方向に対して螺旋状に加工されたスリットを有することを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の電力用ガス遮断器。
  8. 前記操作ロッド内面には、操作ロッドの軸方向に対して螺旋状に加工された突起部を有することを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の電力用ガス遮断器。
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