JP2015162330A - ガス遮断器 - Google Patents

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Akira Ishii
彰 石井
新海 健
Takeshi Shinkai
健 新海
周也 真島
Shuya Majima
周也 真島
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Abstract

【課題】電流零点を迎えた時点でもアークプラズマに対してガス流を吹付け消弧可能なガス遮断器を提供する。
【解決手段】消弧性ガスが充填された密閉容器2と、密閉容器2内に対向配置され、遮断又は投入の際に互いに接触又は離反する固定アーク接触子11及び可動アーク接触子21と、固定アーク接触子11若しくは可動アーク接触子21の周囲に設けられ、両アーク接触子11、21の間に発生したアークプラズマ60に対して蓄圧した消弧性ガスのガス流を吹き付ける蓄圧室31と、を備えるようにした。蓄圧室31は、遮断過程においてアーク空間と連通する開口を有し、この開口には、遮断過程において開口の少なくとも一部を塞ぐ弁30aを設けるようにした。
【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、電力系統において電流遮断及び投入を切り替えるガス遮断器に関する。
電力系統において、過大な事故電流を含む電流開閉のためにガス絶縁開閉器が使用されている。このガス絶縁開閉器には、その使用目的、必要とされる機能に応じて、負荷開閉器、断路器、遮断器など様々なものが存在する。ガス絶縁開閉器の一例を挙げると、パッファ形のガス遮断器がある。このガス遮断器は、72kV以上の高電圧送電系統の保護用開閉器として広く使用されている。ガス遮断器は、遮断過程に接触子を機械的に切り離し、この切り離しによって発生したアークを絶縁媒体および消弧媒体の吹き付けによって消弧する。
パッファ形ガス遮断器は、消弧性ガスが充填された密閉容器内に、固定アーク接触子及び固定通電接触子と、可動アーク接触子及び可動通電接触子とがそれぞれ対向して配置されている。両アーク接触子及び両通電接触子を機械的な駆動力によって接触又は離反させることで電流を導通し又は遮断する。
このガス遮断器には、接触子の離反に伴って容積が減少し、内部の消弧性ガスが蓄圧される蓄圧室と、両アーク接触子を取り囲むように配置され、蓄圧室の消弧性ガスをアークプラズマに誘導する絶縁ノズルが設けられている。遮断過程においては、固定アーク接触子と可動アーク接触子が離反することで、両アーク接触子間(アーク空間)にアークプラズマが発生する。このアークプラズマに対し、接触子の離反に伴って蓄圧室で十分蓄圧された消弧性ガスを、絶縁ノズルを介して強力に吹き付ける。これにより、両アーク接触子の絶縁性能を回復させ、アークプラズマを消弧し、電流の遮断を完了させる。
特公平7―97466号公報 特公平7―109744号公報
上記のようなガス遮断器の電流遮断過程において、蓄圧室の圧力は、2つの方法により上昇する。一つの方法は、上記のように蓄圧室の機械的な圧縮によるものである。もう一つの方法は、アークプラズマによる熱エネルギーを取り込むことによるものである。すなわち、アークプラズマは非常に高温であるため、アークプラズマ近傍の消弧性ガスが高温に熱せられ、その熱ガスを蓄圧室に取り込む。
特に近年では、アークプラズマの熱エネルギーを蓄圧室に積極的に取り込むことで、より高い吹き付け圧力を得る方式が提案されている。例えば、遮断動作の初期に両アーク接触子間で発生し可動アーク接触子側に向かう熱ガス流を蓄圧室の圧縮エネルギーとして利用する方式が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。また、蓄圧室を軸方向に2分割し、アークプラズマに近い方の蓄圧室の容積を限定することで、特に大電流遮断時にアークプラズマの高い吹き付け圧力を獲得する方式などが提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
これらの方式によると、蓄圧室の圧力上昇にアークプラズマの熱エネルギーを積極的に活用することで、より高い吹付け圧力が得られ、遮断性能を向上させることができる。このため、遮断器を小型化することができ、可動アーク接触子の駆動に必要なエネルギーが低減されることにより、駆動装置は小型、低コストとなり、機械的な信頼性も向上する。
上記のようなハイブリッドパッファ消弧方式では、中小電流でアークプラズマの継続時間(アーク時間)が短いときに電流遮断する際、蓄圧室に取り込まれたガスがアークプラズマに吹き付けられる前に電流零点を迎えるため、遮断しにくいという問題があった。
本実施形態に係るガス遮断器は、上記のような課題を解決するためになされたものである。すなわち、電流零点を迎えた時点でもアークプラズマに対してガス流を吹付け消弧可能なガス遮断器を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本実施形態のガス遮断器は、電流の遮断と投入を切り替えるガス遮断器であって、消弧性ガスが充填された密閉容器と、前記密閉容器内に対向配置され、遮断又は投入の際に互いに接触又は離反する第1のアーク接触子及び第2のアーク接触子と、前記第1のアーク接触子若しくは前記第2のアーク接触子の周囲に設けられ、両アーク接触子の間に発生したアークプラズマに対して蓄圧した前記消弧性ガスのガス流を吹き付ける蓄圧室と、を備え、前記蓄圧室は、前記遮断過程において前記第1及び第2のアーク接触子の間に形成されるアーク空間と連通する開口を有し、前記開口には、前記遮断過程において前記開口の少なくとも一部を塞ぐ弁が設けられたことを特徴とする。
第1の実施形態に係るガス遮断器の全体構成を示す断面図であり、電流遮断動作初期で開極開始直後を示す。 第1の実施形態に係るガス遮断器の全体構成を示す断面図であり、電流遮断動作後期の電流零点直前の状態を示す。 第2の実施形態に係るガス遮断器の全体構成を示す断面図であり、電流遮断動作初期で開極開始直後を示す。 第2の実施形態に係るガス遮断器の全体構成を示す断面図であり、電流遮断動作後期の電流零点直前の状態を示す。
[第1の実施形態]
(概略構成)
以下では、図1および図2を参照しつつ、本実施形態のガス遮断器の全体構成を説明する。図1は、本実施形態のガス遮断器の全体構成を示す断面図であり、電流遮断動作初期で開極開始直後を示している。図2は、電流遮断動作後期の電流零点直前の状態を示している。図1および図2の何れも中心線の上半分のみを描いている。
本実施形態のガス遮断器は、接地された金属や碍子等からなる密閉容器2を有し、その内部には消弧性ガスが充填されている。
消弧性ガスは、消弧性能及び絶縁性能に優れたガスであり、例えば六フッ化硫黄ガス(SFガス)が挙げられる。但し、SFガスは、二酸化炭素ガスの23900倍の地球温暖化効果を有すると言われており、環境保全の観点から、SFガスよりも地球温暖化係数の小さいガスを用いるようにしても良い。この地球温暖化係数の小さいガスとしては、空気、二酸化炭素、酸素、窒素またはそれらの混合ガス等が挙げられる。
本実施形態のガス遮断器は、図1に示すように、固定接触子部10と可動接触子部20とを有し、これらは密閉容器2内に収容されている。固定接触子部10と可動接触子部20は、円筒又は円柱を基本形とする複数の部材で構成され、全て共通の中心軸を有する。なお、以下では、各部材の位置関係及び方向を説明するのに、固定接触子部10及び可動接触子部20の各々において、他方の接触子部と向かい合う側、或いはアークプラズマ60が点弧する側を前方或いは先端と呼び、その反対側を後方或いは後端と呼ぶ。
固定接触子部10は、固定アーク接触子11及び固定通電接触子(不図示)を有する。可動接触子部20は、可動アーク接触子21及び可動通電接触子(不図示)を有する。固定通電接触子と可動通電接触子とが相対し、これらの接離により電流の投入及び遮断が切り換えられ、固定アーク接触子11と可動アーク接触子21とが相対し、これらの開離によりアークプラズマ60の発弧を引き受ける。
固定接触子部10は密閉容器2内で位置が固定され、可動接触子部20は、中心軸に沿って固定接触子部10から開離及び接触する方向に移動可能となっている。すなわち、可動アーク接触子21が操作機構(不図示)に直接又は間接に取り付けられ、当該操作機構の操作力によって可動接触子部20が固定接触子部10側へ押し込まれ、又は固定接触子部10側から離れることで、可動接触子部20が固定接触子部10に対して接離する。
アークプラズマ60への消弧性ガスの吹き付けは、ガス流発生手段により達成される。ガス流発生手段は、軸方向に延びる可動アーク接触子21の側周壁を囲むように設けられたトーラス形状の蓄圧室31と、絶縁ノズル23とを備える。
蓄圧室31は、可動アーク接触子21の移動に連動して容積可変であり、電流遮断過程で容積が減少し、内部空間の蓄圧に伴って室外へ消弧性ガスを供給する。絶縁ノズル23は、蓄圧室31とアーク空間とを繋ぐ突出口24aとアークプラズマ60が発生する空間(アーク空間)とを包囲し、蓄圧室31から放出された消弧性ガスをアークプラズマ60へ案内する。
(詳細構成)
(アーク接触子11、21、通電接触子)
上述した不図示の固定通電接触子及び可動通電接触子は、それぞれ端面が開口した円筒形状を有する導体であり、互いに開口を向かい合わせて同一軸上に配置されている。固定通電接触子の開口縁は内部に膨出しており、当該開口縁部分の内径と可動通電接触子の外径は一致している。
固定通電接触子及び可動通電接触子は、相対的に移動可能となっており、固定通電接触子の開口に可動通電接触子が差し込まれることで、固定通電接触子の内面と可動通電接触子の外面とが接触し、電気的に導通できる状態となる。
可動アーク接触子21は、両端が開口した中空の円筒形状を有する導体である。電流遮断過程では、可動アーク接触子21が固定アーク接触子11から開離して両アーク接触子11、21間にアークが発生するアーク空間が形成される。可動アーク接触子21の内部空間は一端の開口を介してアーク空間と連通し、アーク空間からのガス排気流路の一つとなる。
可動アーク接触子21の開口縁は内部に膨出し、当該開口縁部分の内径は固定アーク接触子11の外径と一致する。可動アーク接触子21は固定アーク接触子11に対し相対的に移動が可能であり、固定アーク接触子11が可動アーク接触子21の開口に差し込まれることで、両アーク接触子11、21が互いに接触し、導通できる状態となる。
なお、可動アーク接触子21の先端は円周方向に分割され、指状電極となっている場合もある。その場合、可動アーク接触子21は可撓性を有し、可動アーク接触子21の開口縁の内径は、固定アーク接触子11の外径より若干小さくされて窄められている。
可動アーク接触子21は、その後端が図示しない操作機構に直接又は間接に接続されて、軸方向に押し出され、又は引き込まれる。
(蓄圧室31)
蓄圧室31は、シリンダ24、ピストン27、および可動アーク接触子21により構成される。シリンダ24は、一端が有底で他端が開口した筒形状の導体であり、可動アーク接触子21と共に移動する。詳細には、シリンダ24は、有底部と側周壁とを備える。シリンダ24は、有底部の内径が可動アーク接触子21の外径よりも大きく、可動アーク接触子21と共通の中心軸を有する。有底部は、円盤状であり、可動アーク接触子21の先端外周縁からフランジ状に拡がり、有底部の外周縁から立ち上がる側周壁は、固定接触子部10と反対方向に延びる。
ピストン27は、ドーナツ状の平板であり、中央の開口に可動アーク接触子21が摺動可能に貫通し、外径が可動アーク接触子21の内径と一致し、シリンダ24に嵌め込まれる。このピストン27は、固定接触子部10とは反対の方向に延びるピストン支え28によって密閉容器2内で位置固定されている。
シリンダ24の有底部には、円筒形状の突出口24aが設けられている。突出口24aは、その径がシリンダ24の有底部の開口径と一致する。突出口24aは、シリンダ24の有底部の開口を通じて蓄圧室31の内部が、シリンダ24の外部空間と連通するように、有底部の開口から前方に向かって立設している。
(絶縁ノズル23)
絶縁ノズル23は、突出口24aの先端に固定接触子部10に向けて立設している。絶縁ノズル23は、蓄圧室31で発生したガス流を、蓄圧室31の開口及び突出口24aを介してアーク空間へ誘導する整流手段である。絶縁ノズル23は可動アーク接触子21を包囲するように、軸方向に固定アーク接触子11側へ延び、可動アーク接触子21の先端を通過後、内径が固定アーク接触子11の外径よりも若干大きい程度まで窄み、最小内径部分となるスロート部に至ったところで先端に向けて直線的に拡がる形状となっている。
(弁30a)
本実施形態では、蓄圧室31の入口、すなわちシリンダ24の有底部の開口に弁30aが設けられている。弁30aは、遮断過程において、蓄圧室31の入口の開口面積を可変にするものである。弁30aは、弁の両側すなわち蓄圧室31内と突出口24a内との圧力差が検知できるようになっており、所定圧力差を基準として圧力差が小さいときは蓄圧室31の入口の開口面積を小さくし、圧力差が大きいときは開口面積が大きくなるように構成されている。弁30aとしては、例えば三方弁を用いることができる。
なお、圧力差が小さいときの蓄圧室31入口の開口面積の最小値はゼロを含めることができる。すなわち、弁30aが蓄圧室31の入口を完全に塞いだ状態を含むことができる。圧力差が大きいときの蓄圧室31入口の開口面積の最大限は、弁30aが蓄圧室31の入口を全く塞いでいない状態である。
基準となる圧力差は適宜変更可能である。また、基準圧力差を境に瞬時に開弁するようにしても良いし、徐々に開弁するようにしても良い。
(遮断動作)
以上の構成を有するガス遮断器の電流遮断動作を以下に説明する。
電流遮断動作は、事故電流、進み小電流、リアクトル遮断等の遅れ負荷電流、又は極めて小さな事故電流の遮断を要する場合など、ガス遮断器を電流の通電状態から遮断状態に切り替える操作である。
通電状態から電流遮断動作を行う場合、操作機構を駆動させる。可動アーク接触子21は、操作機構の操作力を受けて、固定接触子部10とは反対の方向に中心軸に沿って移動する。そうすると、可動接触子部20が固定接触子部10に対し離れるように中心軸に沿って移動し、固定通電接触子に対して可動通電接触子が開離する。
また、可動接触子部20の移動によって、可動アーク接触子21と共動的に移動するシリンダ24は、その有底部が位置固定のピストン27に対して接近するように移動するため(矢印13)、蓄圧室231の容積減少が発生し、ボイルの法則に従い蓄圧室31内の消弧性ガスが蓄圧される。
遮断動作が更に進行し、固定アーク接触子11に対して可動アーク接触子21が開離すると、両アーク接触子11、21間にはアークプラズマ60が発弧する。
アークプラズマ60は非常に高温であるため、アークプラズマ60から高温ガスが発生すると共に、アークプラズマ60に加熱された周囲の消弧性ガスも高温となる。この過程で発生した高温ガスはガス流19aとして蓄圧室31に流れ込み、アークプラズマ60由来の熱エネルギーが蓄圧室31に取り込まれる。これにより、蓄圧室31内の消弧性ガスは更に昇圧される。
遮断動作が進行し、両アーク接触子11、21間の距離が十分開き、かつ蓄圧室31が十分蓄圧されると、蓄圧室31内の消弧性ガスが突出口24aを通って絶縁ノズル23内に噴出する。噴流となった消弧性ガスは、突出口24aと可動アーク接触子21との間、および絶縁ノズル23と可動アーク接触子21との間をガス流路として、アークプラズマ60に向けて案内され、アークプラズマ60に強力に吹き付けられる。そして、電流零点を迎えると、アークプラズマ60は強力な消弧性ガスの吹き付けと相俟って消弧に至り、電流遮断が完了する。
なお、遮断動作過程において、アーク空間の高温のガスは、大別すると、可動接触子部20側及び固定接触子部10側へと排気される。固定接触子部10側への高温ガスは、絶縁ノズル23の内部を通った後、密閉容器2内に排気される。一方、可動接触子部20側へ排出される高温ガスは、アーク空間、可動アーク接触子21内部の空間を通過し、ピストン27よりも後端側に設けられた排気穴から密閉容器2内へ排気される。
(作用)
上記のような遮断動作初期で開極開始直後では、アークプラズマ60から蓄圧室31へ向かうガス流19aが発生する。中小電流の開極開始直後においては弁30aの両側の圧力差は小さく蓄圧室31の入口の開口面積が小さい。そのため、蓄圧室31の開口が弁30aにより一部が蓋をされたような状態となり、蓄圧室31に流入するガス流19aは弱く、可動アーク接触子21内部へのガス流19bが主流となる。
また、蓄圧室31の開口の少なくとも一部が塞がった影響で、突出口24aと可動アーク接触子21との間、及び絶縁ノズル23と可動アーク接触子21との間に形成されるガス流路における圧力が上昇する。その後、図2に示す遮断動作後期の電流零点直前では、上記ガス流路における圧力上昇に伴って、当該ガス流路で発生したガス流がアークプラズマ60を通過することにより、アークプラズマ60に吹き付けを強化する。
さらに、弁30aの両側の圧力差が基準圧力差より大きくなったところで、蓄圧室31入口の開口面積を大きくする。これにより、蓄圧室31内で十分に昇圧されたガス流を解放し、噴流となった蓄圧室31からのガス流と相俟って電流零点で消弧に至る。
(効果)
本実施形態のガス遮断器は、電流の遮断と投入を切り替えるガス遮断器であって、消弧性ガスが充填された密閉容器2と、密閉容器2内に対向配置され、遮断又は投入の際に互いに接触又は離反する固定アーク接触子11及び可動アーク接触子21と、固定アーク接触子11若しくは可動アーク接触子21の周囲に設けられ、両アーク接触子11、21の間に発生したアークプラズマ60に対して蓄圧した消弧性ガスのガス流を吹き付ける蓄圧室31と、を備えるようにした。蓄圧室31は、遮断過程においてアーク空間と連通する開口を有し、この開口には、遮断過程において開口の少なくとも一部を塞ぐ弁30aを設けるようにした。これにより、電流零点を迎えた時点でもアークプラズマ60に対してガス流を吹付け消弧可能なガス遮断器を得ることができる。
[第2の実施形態]
(構成)
第2の実施形態について、図3および図4を用いて説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態と基本構成は同じである。第1の実施形態と異なる点のみを説明し、第1の実施形態と同じ部分については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
図3は、本実施形態のガス遮断器の全体構成を示す断面図であり、電流遮断動作初期で開極開始直後を示している。図4は、電流遮断動作後期の電流零点直前の状態を示している。第2の実施形態に係るガス遮断器は、アーク空間と密閉容器2内の空間とを繋ぐガスの排気流路に弁30bが設けられている。この排気流路としては、例えば、可動アーク接触子21のアーク空間と連通している中空部分や、絶縁ノズル23と固定アーク接触子11との間の空間を挙げることができる。本実施形態では、弁30bは可動アーク接触子21の中空部分、すなわち可動アーク接触子21の内壁に設けられている。
弁30bは、遮断過程において、上流側すなわちアーク空間側の圧力が低いときは開口面積が小さく、上流側の圧力が高くなると開口面積が大きくなるように動作する。すなわち、弁30bは、可動アーク接触子21の先端側および後端側の圧力差を検知し、当該圧力差が基準圧力差より小さい場合は開口面積が小さくなるようにし、大きい場合は開口面積が大きくなるようにする。
なお、圧力差が小さいときの可動アーク接触子21の開口面積の最小値はゼロを含めることができる。すなわち、弁30bが可動アーク接触子21を完全に塞いだ状態を含むことができる。圧力差が大きいときの可動アーク接触子21の開口面積の最大限は、弁30bが可動アーク接触子21を全く塞いでいない状態である。
基準となる圧力差は適宜変更可能である。また、基準圧力差を境に瞬時に開弁するようにしても良いし、徐々に開弁するようにしても良い。
(作用・効果)
本実施形態に係るガス遮断器は、第1の実施形態と同様の作用効果を奏する。また、第1の実施形態において大電流遮断を行う場合、蓄圧室31へ向かうガス流19aが弱いことに起因して蓄圧室31の圧力が上がらず、アークプラズマ60への吹き付けが弱くなる可能性がある。そこで、アーク空間と密閉容器2内とを繋ぐ排気流路に、遮断過程において排気流路の少なくとも一部を塞ぐ弁30bを設けるようにした。特に、本実施形態では、可動アーク接触子21の内壁に弁30bを設けるようにした。
これにより、大電流遮断動作初期では可動アーク接触子21の開口面積が小さいので可動アーク接触子21内部を塞いだ状態となる。そのため、可動アーク接触子21の弁30bよりも先端側の内部において圧力が高まり、可動アーク接触子21内部へ向かう分のガス流の一部が蓄圧室31へ向かうこととなる。これにより下記の2つの作用が働く。
すなわち、第1の作用は、可動アーク接触子21内部が塞がった状態となるため、可動アーク接触子21内部からアークプラズマ60に向かうガス流が発生する。このガス流がアークプラズマ60に対して吹き付けられ、消弧に至る一因となる。
第2の作用は、可動アーク接触子21内部からアークプラズマ60に対して吹き付けられたガス流はアークプラズマ60の熱をもって、蓄圧室31へ流入する。そのため、蓄圧室31内へ流入するガス流19aが増大するので蓄圧室31の圧力が高くなる。よって、本実施形態のガス遮断器によれば、大電流遮断過程において、蓄圧室31の圧力が低くならず、アークプラズマ60への吹き付けを強化することができる。
[その他の実施形態]
本明細書においては、本発明に係る複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。具体的には、第1乃至第2の実施形態を組み合わせたものも包含される。以上のような実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
第1乃至第2の実施形態では、蓄圧室31の開口に弁30aを設けたが、突出口24aと可動アーク接触子21との間、若しくは絶縁ノズル23と可動アーク接触子21との間に設けるようにしても良い。なお、蓄圧室31は突出口24aを含めて蓄圧室31としても良い。このように含める場合において、蓄圧室31の開口に弁30aを設けることには、突出口24aと可動アーク接触子21との間に弁30aを設けることを含むことができる。
第1乃至第2の実施形態において、図1〜図4では、可動アーク接触子21が軸方向に延びるように配置され、可動アーク接触子21の外周が蓄圧室31の内周面となる構成を示したが、操作機構に直接又間接に接続された操作ロッドの外周が蓄圧室31の内周面となる構成にしても良い。例えば、可動アーク接触子21を短くして可動アーク接触子21の後端をシリンダ24の有底部と面一になるように合わせて当該後端に操作ロッドの先端を接続し、後方側に操作ロッドが同軸上に延びるように配置する構成にしても良い。
また、第1乃至第2の実施形態では、シリンダ24の突出口24aの開口縁に絶縁ノズル23が立設する構成としたが、突出口24aをなくし、シリンダ24の有底部の開口縁に直接絶縁ノズル23を立設する構成としてもよい。
また、第1乃至第2の実施形態では、固定アーク接触子11を固定して、可動アーク接触子21を軸方向に移動させるよう構成したが、固定アーク接触子11に対して可動アーク接触子21が相対的に移動するように、固定アーク接触子11も軸方向に移動させ、相対的開極速度を向上させようとするいわゆるデュアルモーション機構にしても良い。
第1乃至第2の実施形態では、アークプラズマ60の熱エネルギーにより蓄圧する作用と、機械的な圧縮により蓄圧する作用とによる蓄圧室31を有するガス遮断器を示したが、蓄圧室の数は特に限られない。アーク空間と連接する容積可変の機械式蓄圧室と当該機械式蓄圧室とのみ連接する容積不変の熱的蓄圧室としても良い。またアークプラズマ60の熱エネルギーを取り込む容積不変の熱的蓄圧室一つだけでも良い。
2 密閉容器
10 固定接触子部
11 固定アーク接触子
13 シリンダの移動方向
19a ガス流
19b ガス流
20 可動接触子部
21 可動アーク接触子
23 絶縁ノズル
24 シリンダ
24a 突出口
27 ピストン
28 ピストン支え
30a 弁
30b 弁
31 蓄圧室
60 アークプラズマ

Claims (2)

  1. 電流の遮断と投入を切り替えるガス遮断器であって、
    消弧性ガスが充填された密閉容器と、
    前記密閉容器内に対向配置され、遮断又は投入の際に互いに接触又は離反する第1のアーク接触子及び第2のアーク接触子と、
    前記第1のアーク接触子若しくは前記第2のアーク接触子の周囲に設けられ、両アーク接触子の間に発生したアークプラズマに対して蓄圧した前記消弧性ガスのガス流を吹き付ける蓄圧室と、を備え、
    前記蓄圧室は、前記遮断過程において前記第1及び第2のアーク接触子の間に形成されるアーク空間と連通する開口を有し、
    前記開口には、前記遮断過程において前記開口の少なくとも一部を塞ぐ弁が設けられたことを特徴とするガス遮断器。
  2. 電流の遮断と投入を切り替えるガス遮断器であって、
    消弧性ガスが充填された密閉容器と、
    前記密閉容器内に対向配置され、遮断又は投入の際に互いに接触又は離反する第1のアーク接触子及び第2のアーク接触子と、
    前記第1のアーク接触子若しくは前記第2のアーク接触子の周囲に設けられ、両アーク接触子の間に発生したアークプラズマに対して蓄圧した前記消弧性ガスのガス流を吹き付ける蓄圧室と、
    前記遮断過程において前記第1及び第2のアーク接触子の間に形成されるアーク空間と前記密閉容器内とを繋ぐ排気流路と、を備え、
    前記排気流路には、前記遮断過程において前記排気流路の少なくとも一部を塞ぐ弁が設けられたことを特徴とするガス遮断器。
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