JP6746097B2 - NOx浄化用触媒及びそれを用いたNOx浄化方法 - Google Patents

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本発明は、NOx浄化用触媒及びそれを用いたNOx浄化方法に関する。
従来から、自動車のエンジン等の内燃機関からの排ガスに含まれるNOxを浄化するために、様々なNOx浄化用触媒が開発されている。例えば、特開2003−80081号公報(特許文献1)には、耐火性を有する三次元構造体と、該三次元構造体上に設けられた、アルミナ、シリカ、チタニア等からなる第一無機酸化物よりなる第一担持層部と、該第一担持層部に担持された、Pt、Pd、Rh等からなる第一触媒金属とを有する酸化触媒部と、該三次元構造体上に設けられた、アルミナ、シリカ、チタニア等からなる第二無機酸化物よりなる第二担持層部と、該第二担持層部に担持された、Pt、Pd、Rh等からなる第二触媒金属と、該第二担持層部に担持された、アルカリ金属又はアルカリ土類金属からなるNOx吸蔵還元材とを有するNOx吸蔵還元部とを有することを特徴とする排ガス浄化用触媒が開示されている。
また、特開2007−144285号公報(特許文献2)には、CeOからなる第一担体と、TiとSiとWの酸化物又はこれらの複合酸化物、及びAl、Zr又はLaの酸化物の少なくとも一種又はこれらの複合酸化物からなる第二担体とを有し、前記第一担体に窒素酸化物を吸蔵する、アルカリ金属又はアルカリ土類金属からなる吸蔵材及びPt、Rh、Pd等からなる貴金属を担持させる一方、前記第二担体にPt、Rh、Pd等からなる貴金属を担持させてなることを特徴とする排ガス浄化用触媒が開示されている。
さらに、特開2010−46656号公報(特許文献3)には、第1多孔質担体及び前記第1多孔質担体に担持された第1貴金属を備え、前記第1貴金属が少なくともPtを含有し、前記第1貴金属中の前記Ptの含有量が前記第1貴金属の総量に対して50質量%を超えており、かつ、NOx吸蔵材の担持量が前記第1多孔質担体100gに対して0.03mol以下である第1触媒粉末と、第2多孔質担体及び前記第2多孔質担体に担持された第2貴金属を備え、前記第2貴金属が少なくともRhを含有し、前記第2貴金属中の前記Rhの含有量が前記第2貴金属の総量に対して50質量%を超えており、かつ、NOx吸蔵材の担持量が前記第2多孔質担体100gに対して0.03mol以下である第2触媒粉末と、第3多孔質担体、前記第3多孔質担体に担持された第3貴金属及び前記第3多孔質担体に担持されたNOx吸蔵材を備え、前記第3貴金属が少なくともPdを含有し、前記Pdの含有量が前記第3多孔質担体100gに対して0.05g以上であり、かつ、前記NOx吸蔵材の担持量が前記第3多孔質担体100gに対して0.03molを超えている第3触媒粉末と、を備えていることを特徴とする排ガス浄化用触媒が開示されている。
しかしながら、従来のNOx浄化用触媒においては、低温(例えば、300℃以下)でのNOx浄化性能が必ずしも十分ではなかった。
特開2003−80081号公報 特開2007−144285号公報 特開2010−46656号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、低温(例えば、300℃以下)においても優れたNOx浄化性能を有するNOx浄化用触媒及びNOx浄化方法を提供することを目的とする。
NOx浄化用触媒に吸蔵されたNOxが還元剤(例えば、H)により還元される際、NOx浄化用触媒の貴金属は酸化物の状態から金属状態に変化(メタル化)する。従来のNOx浄化用触媒においては、この貴金属のメタル化の反応速度が低温(例えば、300℃以下)では遅いため、貴金属がメタル化するまでの間、吸蔵されたNOxは還元剤と反応せずにそのまま脱離することを本発明者らは見出した。さらに、本発明者らは、貴金属のメタル化は、NOx浄化用触媒の表面に吸着したNOxによって阻害されることも見出した。
そこで、本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、低温からメタル化するPtが担持された、塩基点密度が低い触媒と、NOx吸蔵材を含有するNOx吸蔵還元型触媒とを組み合わせることによって、低温(例えば、300℃以下)においても優れたNOx浄化性能を有するNOx浄化用触媒が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のNOx浄化用触媒は、第1多孔質担体及び前記第1多孔質担体に担持された第1貴金属を備え、前記第1貴金属が少なくともPtを含有し、前記第1貴金属中の前記Ptの含有量が前記第1貴金属の総量に対して70質量%以上であり、NOx吸蔵材の担持量が前記第1多孔質担体100gに対して0.01mol以下であり、かつ、100℃で吸着させたCOの昇温脱離量から求められる塩基点密度が0.2site/nm以下である第1触媒粉末と、
第2多孔質担体、前記第2多孔質担体に担持された第2貴金属及び前記第2多孔質担体に担持されたNOx吸蔵材を備え、前記第2貴金属が少なくともRhを含有し、前記第2貴金属中の前記Rhの含有量が前記第2貴金属の総量に対して30質量%以上であり、前記NOx吸蔵材の担持量が前記第2多孔質担体100gに対して0.03mol以上であり、かつ、100℃で吸着させたCOの昇温脱離量から求められる塩基点密度が0.25site/nm以上である第2触媒粉末と、
を備えており、
前記第1触媒粉末の含有量が前記第1触媒粉末と前記第2触媒粉末との総量に対して5〜40質量%であることを特徴とするものである。
本発明のNOx浄化用触媒において、前記第1多孔質担体としては、シリカ、チタニア、及びそれらのうちの少なくとも一方を含む複合酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の金属酸化物からなる担体であることが好ましい。
また、本発明のNOx浄化用触媒においては、下記条件(A)及び(B):
(A)前記第1及び第2触媒粉末が、前記第1触媒粉末と前記第2触媒粉末との混合物に排ガスが接触するように配置されていること、
(B)前記第1及び第2触媒粉末が、前記第2触媒粉末に排ガスが接触した後に前記第1触媒粉末に排ガスが接触するように配置されていること、
のうちのいずれかの条件を満たすことが好ましい。
本発明のNOx浄化は、前記本発明のNOx浄化用触媒に排ガスを接触させてNOxを浄化することを特徴とする方法である。
なお、本発明において、触媒粉末の塩基点密度は以下の方法により100℃で吸着させたCOの昇温脱離量から求められるものである。すなわち、先ず、触媒粉末の比表面積を測定する。比表面積の測定方法としては特に制限はないが、例えば、BET一点法等が挙げられる。次に、触媒粉末の塩基点量を測定する。先ず、触媒粉末にO含有ガスを600℃で供給した後、100℃まで降温し、前記O含有ガスをCO含有ガスに変更して触媒粉末にCOを吸着させる。次に、このCOが吸着した触媒粉末にNを供給しながら、昇温速度10℃/分で550℃まで昇温し、この間の触媒出ガス中のCO量を測定してCO脱離量を求める。このCO脱離量から、触媒粉末1g当たりのCO昇温脱離量(単位:mol/g)を算出し、これを塩基点量(単位:mol/g)とする。この塩基点量を前記比表面積で除して触媒粉末の塩基点密度(単位:site/nm)を求める。
また、本発明のNOx浄化用触媒が、低温(例えば、300℃以下)においても優れたNOx浄化性能を示す理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、本発明のNOx浄化用触媒は、Ptが担持された、塩基点密度が低い第1触媒粉末を備えている。Ptは低温からメタル化するため、低温でも高いNOx浄化性能を発現する。また、第1触媒粉末は塩基点密度が低いため、NOxが吸着しにくく、貴金属のメタル化が阻害されにくくなる。このように、本発明のNOx浄化用触媒においては、低温からメタル化するPtが担持されており、Ptのメタル化が阻害されにくい第1触媒粉末が含まれているため、図1Aに示すように、NOx吸蔵材Eを備える第2触媒粉末Gに吸蔵されたNOxは、第2触媒粉末Gから脱離した後、第1触媒粉末Cの表面に移動して還元剤(H)によりNに還元される。このため、本発明のNOx浄化用触媒は、低温においても優れたNOx浄化性能を示すと推察される。
一方、本発明にかかる第1触媒粉末を備えていない従来のNOx浄化用触媒においては、低温では、貴金属Fのメタル化が進行しにくく、図1Bに示すように、NOx吸蔵材Eを備える触媒粉末Gに吸蔵されたNOxは還元剤(H)と反応せずに脱離するため、NOx浄化性能が低くなると推察する。
本発明によれば、低温(例えば、300℃以下)においても優れたNOx浄化性能を有するNOx浄化用触媒を得ることができ、また、NOxを低温から高い還元効率で浄化することが可能となる。
本発明のNOx浄化用触媒における低温でのNOxの脱離・還元時の触媒反応を模式的に示す概念図である。 従来のNOx浄化用触媒における低温でのNOxの脱離・還元時の触媒反応を模式的に示す概念図である。 実施例及び比較例で用いた触媒粉末の塩基点密度と80%メタル化温度との関係を示すグラフである。 実施例及び比較例で得られた触媒のNOx吸蔵量を示すグラフである。 NOxを吸蔵させた触媒に昇温還元処理を施した場合における触媒温度と脱離NOx濃度との関係を示すグラフである。 実施例及び比較例で得られた触媒のNOx脱離量とNOx吸蔵量との比と、NOx還元温度との関係を示すグラフである。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
先ず、本発明のNOx浄化用触媒について説明する。本発明のNOx浄化用触媒は、第1多孔質担体及び前記第1多孔質担体に担持された第1貴金属を備え、前記第1貴金属が少なくともPtを含有し、前記第1貴金属中の前記Ptの含有量が前記第1貴金属の総量に対して70質量%以上であり、NOx吸蔵材の担持量が前記第1多孔質担体100gに対して0.01mol以下であり、かつ、100℃で吸着させたCOの昇温脱離量から求められる塩基点密度が0.2site/nm以下である第1触媒粉末と、
第2多孔質担体、前記第2多孔質担体に担持された第2貴金属及び前記第2多孔質担体に担持されたNOx吸蔵材を備え、前記第2貴金属が少なくともRhを含有し、前記第2貴金属中の前記Rhの含有量が前記第2貴金属の総量に対して30質量%以上であり、前記NOx吸蔵材の担持量が前記第2多孔質担体100gに対して0.03mol以上であり、かつ、100℃で吸着させたCOの昇温脱離量から求められる塩基点密度が0.25site/nm以上である第2触媒粉末と、
を備えるものであり、
前記第1触媒粉末の含有量は前記第1触媒粉末と前記第2触媒粉末との総量に対して5〜40質量%である。
(第1触媒粉末)
先ず、本発明にかかる第1触媒粉末について説明する。本発明にかかる第1触媒粉末は、第1多孔質担体及び前記第1多孔質担体に担持された第1貴金属を備えるものである。前記第1多孔質担体としては、NOx浄化用触媒の担体に用いることが可能な金属酸化物からなる多孔質の担体であって、第1触媒粉末の塩基点密度が所定の範囲内となるものであれば特に制限はないが、第1触媒粉末の塩基点密度がより小さくなるという観点から、前記金属酸化物としては、シリカ、チタニア、及びこれらのうちの少なくとも一方を含む複合酸化物(例えば、シリカ−チタニア複合酸化物、シリカ−アルミナ複合酸化物、チタニア−アルミナ複合酸化物)のうちの少なくとも1種が好ましく、シリカ、及びシリカを含む複合酸化物がより好ましく、シリカ、シリカ−アルミナ複合酸化物が特に好ましい。このような第1多孔質担体は1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。また、このような第1多孔質担体の調製方法としては特に制限はなく、公知の方法を採用することができる。さらに、第1多孔質担体として市販の金属酸化物からなる多孔質担体を用いてもよい。
このような第1多孔質担体の形状は粉末状である。このような粉末状の第1多孔質担体の平均粒子径としては1〜100μmが好ましい。第1多孔質担体の平均粒子径が前記下限未満になると、担体のシンタリングが促進される傾向にあり、他方、前記上限を超えると、比表面積が小さくなり、貴金属の分散性が低下する傾向にある。なお、このような平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察を行ない、無作為に抽出した100個の粒子の粒径分布から求めることができる。
また、このような第1多孔質担体の比表面積として特に制限はないが、より高いNOx浄化性能を得るという観点から、30m/g以上が好ましく、50〜250m/gがより好ましい。
さらに、このような第1多孔質担体の細孔の平均直径としては特に制限はないが、100nm以下が好ましく、10nm以下がより好ましく、5nm以下が特に好ましい。このような非常に微細な細孔を有する第1多孔質担体は、各種基材に対する付着性が高く、本発明のNOx浄化用触媒を基材にコートした場合の耐久安定性がより確実に向上する傾向にある。
本発明にかかる第1触媒粉末において、前記第1貴金属は少なくともPtを含有するものである。このような第1貴金属はPtのみからなるものであっても、PtとPt以外の他の貴金属とを含有するものであってもよい。このような第1貴金属中のPtは、低温(例えば、300℃以下)からメタル化するものであり、これにより、本発明のNOx浄化用触媒は、低温(例えば、300℃以下)においても優れたNOx浄化性能を示す。前記Pt以外の他の貴金属としては、例えば、Rh、Pd、Os、Ir,Auが挙げられ、耐熱性及び触媒活性の観点から、Rh、Pdが好ましい。
このような第1貴金属中のPtの含有量は第1貴金属の総量に対して70質量%以上である。なお、第1貴金属中のPtの含有量の上限としては特に制限はないが、通常、100質量%以下である。第1貴金属中のPtの含有量が前記下限未満になると、Ptのメタル化効果が十分に発現せず、得られるNOx浄化用触媒の低温におけるNOx浄化性能が低下する。また、Ptのメタル化効果がより確実に発現し、得られるNOx浄化用触媒の低温におけるNOx浄化性能が更に向上するという観点から、第1貴金属中のPtの含有量としては80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上が更に好ましく、100質量%が特に好ましい。
なお、このようなPtのメタル化は、例えば、以下の方法により確認することができる。すなわち、Ptを含有する触媒粉末にNO+Oの混合ガスを供給しながら、450℃から室温まで降温してNOx吸蔵処理を施す。次に、NOx吸蔵処理後の触媒粉末にH含有ガスを供給しながら、昇温速度15℃/分で室温から600℃まで昇温して還元処理を施す。この還元処理の間の触媒粉末についてX線吸収分光分析(XAFS)を行い、得られたX線吸収スペクトルに基づいて、Ptの酸化状態(又はメタル状態)を確認することができる。このとき、Ptの酸化物からメタルへの転化率を算出し、還元処理温度との関係を求めることによって、Ptのメタルへの転化率が所定の値となる温度を得ることができる。本発明にかかる第1触媒粉末においては、Ptのメタルへの転化率が80%となる温度(T80)が250℃以下であることが好ましく、200℃以下であることがより好ましい。T80が前記範囲にある第1触媒粉末は、より低温でPtのメタル化が進行するため、低温でのNOx浄化性能が更に優れたNOx浄化用触媒を得ることができる。
本発明にかかる第1触媒粉末における第1貴金属の担持量としては、第1多孔質担体100質量部に対して0.1〜5質量部が好ましい。第1貴金属の担持量が前記下限未満になると、Ptのメタル化効果が十分に発現せず、得られるNOx浄化用触媒の低温におけるNOx浄化性能が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、Ptが粗大化し、Ptの利用効率が低下する傾向にある。なお、このような第1貴金属を第1多孔質担体に担持せしめる方法としては特に制限はなく、例えば、貴金属の塩(硝酸塩等)を含有する溶液に第1多孔質担体を接触せしめて焼成する方法等の公知の方法を採用することができる。
また、本発明にかかる第1触媒粉末においては、NOx吸蔵材の担持量が第1多孔質担体100gに対して0.01mol以下である。すなわち、第1触媒粉末は、第1多孔質担体にNOx吸蔵材が実質的に担持されていないものであり、全く担持されていないもの(NOx吸蔵材の担持量:0mol)が特に好ましい。前記上限を超える量のNOx吸蔵材が第1多孔質担体に担持されていると、後述する第1触媒粉末の塩基点密度が大きくなり、吸蔵されたNOxによってPtのメタル化が阻害され、低温においてNOxが還元されずにそのまま脱離し、NOx浄化性能が低下する。
さらに、本発明にかかる第1触媒粉末においては、塩基点密度が0.2site/nm以下である。これにより、第1触媒粉末は、吸蔵したNOxにより被毒されにくくなり、低温でのPtのメタル化が進行しやすく、NOx浄化性能に優れたNOx浄化用触媒を得ることができる。また、NOxによる被毒がより起こりにくくなるという観点から、第1触媒粉末の塩基点密度としては、0.1site/nm以下が好ましく、0.05site/nm以下がより好ましい。
(第2触媒粉末)
次に、本発明にかかる第2触媒粉末について説明する。本発明にかかる第2触媒粉末は、第2多孔質担体、前記第2多孔質担体に担持された第2貴金属及び前記第2多孔質担体に担持されたNOx吸蔵材を備えるものである。前記第2多孔質担体としては、NOx浄化用触媒の担体に用いることが可能な金属酸化物からなる多孔質の担体であれば特に制限はなく、前記金属酸化物としては、例えば、アルミナ、マグネシア、セリア、ジルコニア、チタニア、及びこれらのうちの少なくとも1種を含む複合酸化物が挙げられ、中でも、700℃以上の耐熱試験後においても所望の比表面積が維持されているという観点から、アルミナが好ましい。このような第2多孔質担体は1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。また、このような第2多孔質担体の調製方法としては特に制限はなく、公知の方法を採用することができる。さらに、第2多孔質担体として市販の金属酸化物からなる多孔質担体を用いてもよい。
このような第2多孔質担体の形状は粉末状である。このような粉末状の第2多孔質担体の平均粒子径としては1〜100μmが好ましい。第2多孔質担体の平均粒子径が前記下限未満になると、担体のシンタリングが促進される傾向にあり、他方、前記上限を超えると、比表面積が小さくなり、貴金属の分散性が低下する傾向にある。なお、このような平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察を行ない、無作為に抽出した100個の粒子の粒径分布から求めることができる。
また、このような第2多孔質担体の比表面積として特に制限はないが、より高いNOx浄化性能を得るという観点から、30m/g以上が好ましく、50〜250m/gがより好ましい。
さらに、このような第2多孔質担体の細孔の平均直径としては特に制限はないが、100nm以下が好ましく、10nm以下がより好ましく、5nm以下が特に好ましい。このような非常に微細な細孔を有する第2多孔質担体は、各種基材に対する付着性が高く、本発明のNOx浄化用触媒を基材にコートした場合の耐久安定性がより確実に向上する傾向にある。
本発明にかかる第2触媒粉末において、前記第2貴金属は少なくともRhを含有するものである。このような第2貴金属はRhのみからなるものであっても、RhとRh以外の他の貴金属とを含有するものであってもよい。第2貴金属がRhを含有することによって、得られるNOx浄化用触媒の高温(例えば、300℃以上)でのNOx浄化性能が向上する。前記Pt以外の他の貴金属としては、例えば、Pt、Pd、Os、Ir,Auが挙げられ、耐熱性及び触媒活性の観点から、Pt、Pdが好ましい。
このような第2貴金属中のRhの含有量は第2貴金属の総量に対して30質量%以上である。なお、第2貴金属中のRhの含有量の上限としては特に制限はないが、通常、100質量%以下である。第2貴金属中のRhの含有量が前記下限未満になると、Rhによる効果が十分に発現せず、得られるNOx浄化用触媒の高温(例えば、300℃以上)でのNOx浄化性能が低下する。また、Rhによる効果がより確実に発現し、得られるNOx浄化用触媒の高温(例えば、300℃以上)でのNOx浄化性能が更に向上するという観点から、第2貴金属中のRhの含有量としては50〜100質量%が好ましい。
本発明にかかる第2触媒粉末における第2貴金属の担持量としては、第2多孔質担体100質量部に対して0.1〜5質量部が好ましい。第2貴金属の担持量が前記下限未満になると、Rhによる効果が十分に発現せず、得られるNOx浄化用触媒の高温(例えば、300℃以上)でのNOx浄化性能が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、Rhが粗大化し、Rhの利用効率が低下する傾向にある。なお、このような第2貴金属を第2多孔質担体に担持せしめる方法としては特に制限はなく、例えば、貴金属の塩(硝酸塩等)を含有する溶液に第2多孔質担体を接触せしめて焼成する方法等の公知の方法を採用することができる。
本発明にかかる第2触媒粉末においては、第2多孔質担体にNOx吸蔵材が担持されている。これにより、第2触媒粉末にNOxが吸蔵される。このようなNOx吸蔵材としては、例えば、アルカリ金属(Li,Na,K,Cs等)、アルカリ土類金属(Mg、Ca、Sr、Ba等)が挙げられる。これらのNOx吸蔵材は1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
このようなNOx吸蔵材の担持量は、第2多孔質担体100gに対して0.03mol以上である。NOx吸蔵材の担持量が前記下限未満になると、NOxの吸蔵量が減少する。また、NOx吸蔵材の担持量の上限としては、第2多孔質担体100gに対して0.25mol以下が好ましい。NOx吸蔵材の担持量が前記上限を超えると、第2貴金属がNOx吸蔵材により被覆され、得られるNOx浄化用触媒のNOx浄化性能が低下する傾向にある。なお、このようなNOx吸蔵材を第2多孔質担体に担持せしめる方法としては特に制限はなく、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩(炭酸塩、硝酸塩、クエン酸塩、カルボン酸塩、ジカルボン酸塩、硫酸塩等)や錯体を含有する水溶液に第2多孔質担体を接触せしめて乾燥し、さらに焼成する方法等の公知の方法を採用することができる。
また、本発明にかかる第2触媒粉末においては、塩基点密度が0.25site/nm以上である。これにより、NOxを十分に吸蔵することができ、NOx浄化性能に優れたNOx浄化用触媒を得ることが可能となる。また、NOx吸蔵量が増加するという観点から、第2触媒粉末の塩基点密度としては、0.4site/nm以上が好ましく、0.7site/nm以上がより好ましい。このような第2触媒粉末の塩基点密度は、例えば、第2触媒粉末にNOx吸蔵材を担持することによって増大させることができる。
〔NOx浄化用触媒〕
本発明のNOx浄化用触媒は、このような第1触媒粉末と第2触媒粉末とを、第1触媒粉末の含有量が第1触媒粉末と第2触媒粉末との総量に対して5〜40質量%(第2触媒粉末の含有量としては95〜60質量%)となる割合で備えるものである。第1触媒粉末の含有量が前記下限未満になると、Ptのメタル化効果が十分に発現せず、低温でのNOx浄化性能が低下し、他方、前記上限を超えると、NOx吸蔵量が減少する。
また、本発明のNOx浄化用触媒の形態としては特に制限はなく、ハニカム形状のモノリス触媒、ペレット形状のペレット触媒等が挙げられる。このような形態のNOx浄化用触媒を製造する方法としては特に制限はなく、例えば、各触媒粉末の混合物をペレット状に成型してNOx浄化用ペレット触媒を作製する方法や、各触媒粉末を含むスラリーを触媒基材にコートしてNOx浄化用触媒層を形成する方法等、公知の方法を適宜採用することができる。また、このような触媒基材としては特に制限されず、得られるNOx浄化用触媒の用途等に応じて適宜選択されるが、DPF基材、モノリス状基材、ペレット状基材、プレート状基材等が好適に採用される。また、このような触媒基材の材質も特に制限されないが、コーディエライト、炭化ケイ素、ムライト等のセラミックスからなる基材や、クロム及びアルミニウムを含むステンレススチール等の金属からなる基材が好適に採用される。
また、本発明にかかる第1及び第2触媒粉末を触媒基材に担持する場合において、触媒基材に担持する第1及び第2触媒粉末の総量としては、触媒基材の容量1Lあたり100〜350g/Lが好ましく、150〜300g/Lがより好ましい。第1及び第2触媒粉末の総量が前記下限未満になると、十分なNOx浄化性能を得ることできない傾向にあり、他方、前記上限を超えると、触媒基材の細孔が閉塞して圧損が生じる傾向にある。
本発明のNOx浄化用触媒においては、下記条件(A)及び(B):
(A)前記第1及び第2触媒粉末が、前記第1触媒粉末と前記第2触媒粉末との混合物に排ガスが接触するように配置されていること、
(B)前記第1及び第2触媒粉末が、前記第2触媒粉末に排ガスが接触した後に前記第1触媒粉末に排ガスが接触するように配置されていること、
のうちのいずれかの条件を満たすことが好ましい。すなわち、本発明において、NOx浄化用触媒に排ガスを接触させる際には、排ガスが最初(第1触媒粉末との同時の場合を含む)に第2触媒粉末に接触するように前記第1及び第2触媒粉末を配置することが好ましい。これにより、吸蔵されたNOxが脱離する際に、第2触媒粉末において十分に還元できなかったNOxを第1触媒粉末において還元することができ、NOx浄化性能が向上する。
前記条件(A)を満たすNOx浄化用触媒としては、例えば、触媒基材上に、第1触媒粉末と第2触媒粉末との混合層を備えるもの等が挙げられる。また、前記条件(B)を満たすNOx浄化用触媒としては、例えば、2層構造のNOx浄化用触媒であって、触媒基材上に、下層側(触媒基材側)に配置された第1触媒粉末からなる第1触媒層と、上層側(表面側)に配置された第2触媒粉末からなる第2触媒層とを備えるものや、第1触媒基材に第1触媒粉末が担持された第1触媒部と、第2触媒基材に第2触媒粉末が担持された第2触媒部とを備え、排ガス流路の上流側に第2触媒部が配置され、下流側に第1触媒部が配置されたもの等が挙げられる。
〔NOx浄化方法〕
次に、本発明のNOx浄化方法について説明する。本発明のNOx浄化方法は、前記本発明のNOx浄化用触媒に排ガスを接触させてNOxを浄化する方法である。このようなNOx浄化方法は、前記本発明のNOx浄化用触媒を用い、前記本発明のNOx浄化用触媒に排ガスを接触させてNOxを浄化すること以外は特に制限はなく、例えば、内燃機関から排出される排ガスが流通する排ガス管内に前記本発明のNOx浄化用触媒を配置して、前記本発明のNOx浄化用触媒に排ガスを接触させてNOxを浄化してもよい。このようなNOx浄化方法においては、前記本発明のNOx浄化用触媒を用いているため、低温から十分にかつ効率よくNOxを浄化することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で使用した触媒粉末は、以下に示す方法で調製して評価した。
(調製例1)
SiO粉末(日本アエロジル(株)製「AEROSIL 90G」、比表面積:95m/g)をイオン交換水に分散させ、これに、Pt担持量が担体100質量部に対してPtとして1.0質量部となるように、テトラアンミン白金水酸塩溶液を添加して2時間撹拌した後、溶媒を蒸発させた。得られた固形分を120℃で12時間乾燥させた後、550℃で3時間焼成し、SiO担体粉末にPtが担持されたPt/SiO触媒粉末Aを得た。
(調製例2)
アルミニウムsec−ブトキシド(Al(O−sec−Bu))64.5gとオルトケイ酸エチル(Si(OEt))13.1gとの混合溶液にエチレングリコール48.5gとエタノール23.6gとを添加した後、60℃で3時間撹拌した。得られた溶液に30gの水を含むエタノール溶液45gを徐々に滴下した後、95℃で2時間撹拌した。その後、溶媒を除去し、得られた固形分を110℃で12時間乾燥させ、さらに、空気中、800℃で5時間焼成して、SiO−Al粉末(比表面積:202m/g)を得た。
SiO粉末の代わりに、このSiO−Al粉末を用いた以外は調製例1と同様にしてSiO−Al担体粉末にPtが担持されたPt/SiO−Al触媒粉末Bを得た。
(調製例3)
SiO粉末の代わりにγ−Al粉末(W.R.Grace社製「MI307」、比表面積:180m/g)を用い、テトラアンミン白金水酸塩溶液の代わりにジニトロジアンミン白金硝酸溶液を用いた以外は調製例1と同様にしてγ−Al担体粉末にPtが担持されたPt/γ−Al触媒粉末Cを得た。
(調製例4)
調製例3で得られたPt/γ−Al触媒粉末Cに、Ba担持量が担体100質量部に対してBaとして6.7質量部(担体100gに対してBaとして0.05mol)となるように、酢酸バリウム水溶液を含浸させた後、溶媒を蒸発させた。得られた固形分を120℃で12時間乾燥させた後、550℃で3時間焼成し、γ−Al担体粉末にPt及びBaが担持されたBa/Pt/γ−Al触媒粉末Dを得た。
(調製例5)
ジニトロジアンミン白金硝酸溶液の代わりに硝酸ロジウム溶液を、Rh担持量が担体100質量部に対してRhとして0.5質量部となるように添加した以外は調製例3と同様にしてγ−Al担体粉末にRhが担持されたRh/γ−Al触媒粉末Eを得た。
(調製例6)
Pt/γ−Al触媒粉末の代わりに調製例5で得られたRh/γ−Al触媒粉末Eを用いた以外は調製例4と同様にしてγ−Al担体粉末にRh及びBaが担持されたBa/Rh/γ−Al触媒粉末Fを得た。
(調製例7)
硝酸ロジウム溶液に加えて、Pt担持量が担体100質量部に対してPtとして1.0質量部となるように、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液を更に添加した以外は調製例5と同様にしてγ−Al担体粉末にRh及びPtが担持された(Rh+Pt)/γ−Al触媒粉末を得た。Pt/γ−Al触媒粉末の代わりに、この触媒粉末を用いた以外は調製例4と同様にしてγ−Al担体粉末にRh、Pt及びBaが担持されたBa/(Rh+Pt)/γ−Al触媒粉末Gを得た。
(調製例8)
ジニトロジアンミン白金硝酸溶液の代わりに硝酸パラジウム水溶液を、Pd担持量が担体100質量部に対してPdとして1.0質量部となるように添加した以外は調製例3と同様にしてγ−Al担体粉末にPdが担持されたPd/γ−Al触媒粉末を得た。Pt/γ−Al触媒粉末の代わりに、この触媒粉末を用いた以外は調製例4と同様にしてγ−Al担体粉末にPd及びBaが担持されたBa/Pd/γ−Al触媒粉末Hを得た。
<塩基点密度の測定>
前記調製例で得られた各触媒粉末にN流通下、250℃で20分間の加熱処理を施した後、全自動比表面積測定装置(マイクロデータ社製「Micro Sorp 4232II」)を用いてBET一点法により触媒粉末の比表面積(単位:m/g)を測定した。その結果を表1に示す。
また、前記調製例で得られた各触媒粉末2gにH(0.2%)含有ガス(残り:N)を5分間供給した後、O(10%)含有ガス(残り:N)を流量5000ml/分、温度600℃で5分間供給した。その後、100℃まで降温し、前記O含有ガスをCO(1%)含有ガス(残り:N)に変更して流量5000ml/分で10分間供給して触媒粉末にCOを吸着させた。このCOが吸着した触媒粉末にNを流量5000ml/分で供給しながら、昇温速度10℃/分で550℃まで昇温し、この間の触媒出ガス中のCO量を測定してCO脱離量を求めた。このCO脱離量から、触媒粉末1g当たりのCO昇温脱離量(単位:mol/g)を算出し、これを塩基点量(単位:mol/g)とした。この塩基点量を前記比表面積で除して触媒粉末の塩基点密度(単位:site/nm)を求めた。その結果を表1に示す。
<貴金属の80%メタル化温度(T80)の測定>
前記調製例で得られた各触媒粉末160mgをH(2%)含有ガス(残り:N)流通下で450℃に昇温した後、NO(0.7%)+O(10%)の混合ガス(残り:N)を流量100ml/分で供給しながら、降温速度20℃/分で450℃から室温まで降温してNOx吸蔵処理を施し、この間の触媒出ガス中のNOx量を測定してNOx吸蔵量を求めた。その結果を表1に示す。
次に、NOx吸蔵処理後の触媒粉末に、H(1%)含有ガス(残り:N)を流量100ml/分で供給しながら、昇温速度15℃/分で室温から600℃まで昇温して還元処理を施した。この間、5℃ごとにX線吸収分光分析(XAFS)を行い、得られたX線吸収スペクトルに基づいて、還元処理完了後の触媒粉末の貴金属の吸収端の吸収強度に対する各温度における触媒粉末の貴金属の吸収端の吸収強度の比率を求め、これを貴金属の酸化物からメタルへの転化率とし、この転化率が80%となった時の温度(80%メタル化温度(T80))を求めた。その結果を表1に示す。なお、各貴金属の吸収端は、Pt−L吸収端:11,564eV、Rh−K吸収端:23,220eV、Pd−K吸収端:24,350eVである。
表1に示した結果から明らかなように、担体にSiOを含有する触媒粉末A及びBは、Alを担体とする触媒粉末C〜Hに比べて、塩基点密度が低く、0.2site/nm以下であった。また、表1に示した結果から明らかなように、触媒粉末A及びBは本発明にかかる第1触媒粉末であり、触媒粉末F及びGは本発明にかかる第2触媒粉末であり、触媒粉末C〜E及びHは本発明にかかる第1及び第2触媒粉末に該当しない触媒粉末(以下、「他の触媒粉末」という)であることが確認された。
表1に示した結果に基づいて、各触媒粉末の80%メタル化温度(T80)を塩基点密度に対してプロットした(図2)。図2に示した結果から明らかなように、Ptが担持された触媒粉末A〜Dは、Rhが担持された触媒粉末E及びFに比べて、T80が低く、PtはRhよりも低温でメタル化することがわかった。また、SiOを含有する触媒粉末A及びBは、Alを担体とする触媒粉末C及びDに比べて、T80が低く、塩基点密度が低い触媒粉末の貴金属は、より低温からメタル化することがわかった。
(実施例1)
調製例1で得られたPt/SiO触媒粉末A(60mg)と調製例6で得られたBa/Rh/γ−Al触媒粉末F(120mg)とを秤量し、乳鉢を用いて乾式物理混合した。得られた混合粉末180mgを10mmφに圧粉成型し、触媒ペレットを得た。
(実施例2)
Pt/SiO触媒粉末Aの代わりに調製例2で得られたPt/SiO−Al触媒粉末B(60mg)を用いた以外は実施例1と同様にして触媒ペレットを調製した。
(実施例3)
Ba/Rh/γ−Al触媒粉末Fの代わりに調製例7で得られたBa/(Rh+Pt)/γ−Al触媒粉末G(120mg)を用いた以外は実施例2と同様にして触媒ペレットを調製した。
(比較例1)
調製例6で得られたBa/Rh/γ−Al触媒粉末F(120mg)を秤量し、10mmφに圧粉成型して触媒ペレットを得た。
(比較例2)
Ba/Rh/γ−Al触媒粉末Fの量を180mgに変更した以外は比較例1と同様にして触媒ペレットを得た。
(比較例3)
調製例7で得られたBa/(Rh+Pt)/γ−Al触媒粉末G(120mg)を秤量し、10mmφに圧粉成型して触媒ペレットを得た。
(比較例4)
Pt/SiO触媒粉末Aの代わりに調製例3で得られたPt/γ−Al触媒粉末C(60mg)を用いた以外は実施例1と同様にして触媒ペレットを調製した。
(比較例5)
Pt/SiO触媒粉末Aの代わりに調製例4で得られたBa/Pt/γ−Al触媒粉末D(60mg)を用いた以外は実施例1と同様にして触媒ペレットを調製した。
(比較例6)
Pt/SiO−Al触媒粉末Bの量を160mgに変更し、Ba/Rh/γ−Al触媒粉末Fを用いなかった以外は実施例2と同様にして触媒ペレットを調製した。
(比較例7)
調製例3で得られたPt/γ−Al触媒粉末C(30mg)と調製例5で得られたRh/γ−Al触媒粉末E(30mg)と調製例8で得られたBa/Pd/γ−Al触媒粉末H(120mg)を秤量し、乳鉢を用いて乾式物理混合した。得られた混合粉末180mgを10mmφに圧粉成型し、触媒ペレットを得た。
<NOx吸蔵量及び吸蔵NOx還元時のNOx脱離量の測定>
実施例及び比較例で得られた各触媒ペレット160mgを石英製触媒反応用セルに充填し、H(2%)含有ガス(残り:N)流通下で450℃に昇温した後、NO(0.7%)+O(10%)の混合ガス(残り:N)を流量100ml/分で供給しながら、降温速度20℃/分で450℃から室温まで降温してNOx吸蔵処理を施した。この間の触媒出ガス中のNOx量を測定して、第2触媒粉末(比較例6については触媒粉末B、比較例7については触媒粉末H)1g当たりのNOx吸蔵量並びに全触媒粉末1g当たりのNOx吸蔵量を求めた。その結果を表2及び図3に示す。
次に、NOx吸蔵処理後の触媒粉末に、H(1%)含有ガス(残り:N)を流量100ml/分で供給しながら、昇温速度15℃/分で室温から600℃まで昇温して還元処理を施し、各温度における触媒出ガス中のNOx濃度(脱離NOx濃度)を測定した。その結果を図4に示す。また、得られた結果に基づいて、全触媒粉末1g当たりのNOx脱離量を求め、さらに、NOxの脱離が完了した時点(脱離NOx濃度:0体積%)の温度をNOx還元温度とした。それらの結果を表2に示す。
表2及び図3に示した結果から明らかなように、塩基点密度が0.25site/nm以上である触媒粉末を備えている触媒(実施例1〜3及び比較例1〜5、7)は、十分なNOx吸蔵性能を有するものであることが確認された。一方、塩基点密度が0.25site/nm以上である触媒粉末を備えていない触媒(比較例6)は、NOx吸蔵性能が著しく低いものであることがわかった。
また、図4に示した結果から明らかなように、本発明にかかる第1触媒粉末と第2触媒粉末とを備えている本発明のNOx浄化用触媒(実施例1〜2)においては、本発明にかかる第1の触媒粉末を備えていない触媒(比較例2〜4及び7)に比べて、H流通下での昇温還元時のNOx脱離量が少なく、また、低温でNOxの脱離が完了することがわかった。実施例1〜2及び比較例2〜4、7で得られた、いずれの触媒においても、NOx脱離のピークを過ぎるとNOxの還元に伴うHの消費並びにHOやNの生成が観測されたことから、NOxの脱離の完了は吸蔵したNOxの還元反応の進行を示唆しており、実施例1〜2で得られた本発明のNOx浄化用触媒においては、比較例2〜4及び7で得られた触媒に比べて、低温からNOxの還元が可能であることがわかった。
表2に示した結果に基づいて、NOx還元温度を全触媒粉末1g当たりのNOx脱離量とNOx吸蔵量との比に対してプロットした(図5)。なお、[NOx脱離量]/[NOx吸蔵量]の値が小さいほど、還元効率が高いことを意味している。図5に示した結果から明らかなように、本発明のNOx浄化用触媒(実施例1〜3)は、比較例1〜7で得られた触媒に比べて、NOx還元温度が低く、かつ、NOx還元効率が高いものであることがわかった。
以上説明したように、本発明によれば、低温(例えば、300℃以下)においても優れたNOx浄化性能を有するNOx浄化用触媒を得ることが可能となる。
したがって、本発明のNOx浄化用触媒は、低温においてもNOx浄化性能に優れるため、NOxを低温から高い還元効率で浄化することが必要な用途における触媒、例えば、自動車の内燃機関から排出されるガスに含まれるNOxを浄化するための触媒等として有用である。
A:第1多孔質担体
B:第1貴金属
C:第1触媒粉末
D:第2多孔質担体
E:NOx吸蔵材
F:第2貴金属
G:第2触媒粉末

Claims (4)

  1. 第1多孔質担体及び前記第1多孔質担体に担持された第1貴金属を備え、前記第1貴金属が少なくともPtを含有し、前記第1貴金属中の前記Ptの含有量が前記第1貴金属の総量に対して70質量%以上であり、NOx吸蔵材の担持量が前記第1多孔質担体100gに対して0.01mol以下であり、かつ、100℃で吸着させたCOの昇温脱離量から求められる塩基点密度が0.2site/nm以下である第1触媒粉末と、
    第2多孔質担体、前記第2多孔質担体に担持された第2貴金属及び前記第2多孔質担体に担持されたNOx吸蔵材を備え、前記第2貴金属が少なくともRhを含有し、前記第2貴金属中の前記Rhの含有量が前記第2貴金属の総量に対して30質量%以上であり、前記NOx吸蔵材の担持量が前記第2多孔質担体100gに対して0.03mol以上であり、かつ、100℃で吸着させたCOの昇温脱離量から求められる塩基点密度が0.25site/nm以上である第2触媒粉末と、
    を備えており、
    前記第1触媒粉末の含有量が前記第1触媒粉末と前記第2触媒粉末との総量に対して5〜40質量%であることを特徴とするNOx浄化用触媒。
  2. 前記第1多孔質担体がシリカ、チタニア、及びそれらのうちの少なくとも一方を含む複合酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の金属酸化物からなる担体であることを特徴とする請求項1に記載のNOx浄化用触媒。
  3. 下記条件(A)及び(B):
    (A)前記第1及び第2触媒粉末が、前記第1触媒粉末と前記第2触媒粉末との混合物に排ガスが接触するように配置されていること、
    (B)前記第1及び第2触媒粉末が、前記第2触媒粉末に排ガスが接触した後に前記第1触媒粉末に排ガスが接触するように配置されていること、
    のうちのいずれかの条件を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載のNOx浄化用触媒。
  4. 請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載のNOx浄化用触媒に排ガスを接触させてNOxを浄化することを特徴とするNOx浄化方法。
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