JP6746073B2 - 水中調査装置および方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水中調査装置および方法に関し、さらに詳しくは、濁水中の視界が悪い水域においても対象物の状態を、メンテナンス頻度を低くしつつ、より継続的に把握することができる水中調査装置および方法に関するものである。
水中にある構造体や海底等の水中地盤の状態を調査する場合には、例えば、水中カメラが使用される。ところが、その水域が濁っていて視界が悪い場合は、水中カメラを用いても対象物の明確な画像を撮影することができず、その状態を把握することができない。そこで、濁水中においても対象物を把握することができる水中観察装置が提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1の水中観察装置では、水中カメラに水中カメラの撮影窓部を覆う透明な中空ケースを取り付け、この中空ケースの内部を透明液体で充填した状態にする。そして、中空ケースの先端面を水中の対象物に接触または近接させることによって、対象物を中空ケースの内部に充填された透明液体を通じて撮影するため、濁水中であっても対象物の状態を把握できる。しかしながら、この装置では、中空ケースの先端面を対象物と接触させることにより、先端面が損傷して先端面の透明度が低下することがある。そのため、対象物の状態を鮮明に継続的に撮影するためには、先端が損傷して透明度がある程度低下すると中空ケースの交換などのメンテナンスを行う必要があった。それ故、メンテナンスの頻度を低くしつつ、濁水中において対象物の状態をより継続的に鮮明に把握するには改善の余地があった。
特開2012−172472号公報
本発明の目的は濁水中の視界が悪い水域においても対象物の状態を、メンテナンス頻度を低くしつつ、より継続的に把握することができる水中調査装置および方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の水中調査装置は、一端に開口部を有する中空容器と、前記開口部の縁の表面を覆って取り付けられるシール部と、前記中空容器の内部に設置されるカメラと、このカメラにより撮影された画像を表示するモニタと、前記中空容器の内部と連通可能に接続される空気供給部と、前記中空容器の内部と連通可能に接続される清水供給部と、前記中空容器の内部と連通可能に接続される排水ポンプと、前記中空容器を移動させる移動機構と、前記中空容器を前記シール部を介して水中の対象物の表面に押圧する押圧機構とを備え、前記対象物の表面に押圧した前記中空容器の内部の水を前記排水ポンプにより外部に排出し、かつ、前記空気供給部と前記清水供給部とを選択的に作動させて、前記空気供給部を作動させた場合には、前記中空容器の内部に前記空気供給部により供給された空気を充填し、前記清水供給部を作動させた場合には、前記中空容器の内部に前記清水供給部により供給された清水を充填して、前記中空容器により覆われた前記対象物の表面を前記カメラによって撮影する構成にしたことを特徴とする。
本発明の別の水中調査装置は、一端に開口部を有する中空容器と、前記開口部の縁の表面を覆って取り付けられるシール部と、前記中空容器の内部に設置されるカメラと、このカメラにより撮影された画像を表示するモニタと、前記中空容器の内部と連通可能に接続される空気供給部と、前記中空容器の内部と連通可能に接続される排水ポンプと、前記中空容器を移動させる移動機構と、前記中空容器を前記シール部を介して水中の対象物の表面に押圧する押圧機構と、前記中空容器の内部に前記対象物を打撃するハンマ部と、このハンマ部で前記対象物を打撃した際の音を検知する音センサとを備え、前記対象物の表面に押圧した前記中空容器の内部の水を前記排水ポンプにより外部に排出し、かつ、前記中空容器の内部に前記空気供給部により供給された空気を充填して、前記中空容器により覆われた前記対象物の表面を前記カメラによって撮影する構成にしたことを特徴とする。
本発明のさらに別の水中調査装置は、一端に開口部を有する中空容器と、前記開口部の縁の表面を覆って取り付けられるシール部と、前記中空容器の内部に設置されるカメラと、このカメラにより撮影された画像を表示するモニタと、前記中空容器の内部と連通可能に接続される清水供給部と、前記中空 容器の内部と連通可能に接続される排水ポンプと、前記中空容器を移動させる移動機構と、前記中空容器を前記シール部を介して水中の対象物の表面に押圧する押圧機構と、前記中空容器の内部に前記対象物を打撃するハンマ部と、このハンマ部で前記対象物を打撃した際の音を検知する音センサとを備え、前記対象物の表面に押圧した前記中空容器の内部の水を前記排水ポンプにより外部に排出し、かつ、前記中空容器の内部に前記清水供給部により供給された清水を充填して、前記中空容器により覆われた前記対象物の表面を前記カメラによって撮影する構成にしたことを特徴とする。
本発明のさらに別の水中調査装置は、一端に開口部を有する中空容器と、前記開口部の縁の表面を覆って取り付けられるシール部と、前記中空容器の内部に設置されるカメラと、このカメラにより撮影された画像を表示するモニタと、前記中空容器の内部と連通可能に接続される空気供給部と、前記中空容器の内部と連通可能に接続される排水ポンプと、前記中空容器を移動させる移動機構と、前記中空容器を前記シール部を介して水中の対象物の表面に押圧する押圧機構と、前記中空容器の内部に前記対象物の表面を研磨する研磨部とを備え、前記対象物の表面に押圧した前記中空容器の内部の水を前記排水ポンプにより外部に排出し、かつ、前記中空容器の内部に前記空気供給部により供給された空気を充填して、前記中空容器により覆われた前記対象物の表面を前記カメラによって撮影する構成にしたことを特徴とする。
本発明のさらに別の水中調査装置は、一端に開口部を有する中空容器と、前記開口部の縁の表面を覆って取り付けられるシール部と、前記中空容器の内部に設置されるカメラと、このカメラにより撮影された画像を表示するモニタと、前記中空容器の内部と連通可能に接続される清水供給部と、前記中空容器の内部と連通可能に接続される排水ポンプと、前記中空容器を移動させる移動機構と、前記中空容器を前記シール部を介して水中の対象物の表面に押圧する押圧機構と、前記中空容器の内部に前記対象物の表面を研磨する研磨部とを備え、前記対象物の表面に押圧した前記中空容器の内部の水を前記排水ポンプにより外部に排出し、かつ、前記中空容器の内部に前記清水供給部により供給された清水を充填して、前記中空容器により覆われた前記対象物の表面を前記カメラによって撮影する構成にしたことを特徴とする。
本発明のさらに別の水中調査装置は、一端に開口部を有する中空容器と、前記開口部の縁の表面を覆って取り付けられるシール部と、前記中空容器の内部に設置されるカメラと、このカメラにより撮影された画像を表示するモニタと、前記中空容器に接続された空気ホースを介して前記中空容器の内部と連通可能に接続される空気供給部と、前記中空容器に接続された排水ホースを介して前記中空容器の内部と連通可能に接続される排水ポンプと、前記中空容器を移動させる移動機構と、前記中空容器を前記シール部を介して水中の対象物の表面に押圧する押圧機構とを備え、前記シール部を前記対象物の表面に押圧して前記中空容器の内部と外部とを隔離した状態で、前記中空容器の内部の水を前記排水ポンプにより外部に排出し、かつ、前記中空容器の内部に前記空気供給部により供給された空気を充填して、前記中空容器により覆われた前記対象物の表面を前記カメラによって撮影する構成にしたことを特徴とする。
本発明のさらに別の水中調査装置は、一端に開口部を有する中空容器と、前記開口部の縁の表面を覆って取り付けられるシール部と、前記中空容器の内部に設置されるカメラと、このカメラにより撮影された画像を表示するモニタと、前記中空容器に接続された注水ホースを介して前記中空容器の内部と連通可能に接続される清水供給部と、前記中空容器に接続された排水ホースを介して前記中空容器の内部と連通可能に接続される排水ポンプと、前記中空容器を移動させる移動機構と、前記中空容器を前記シール部を介して水中の対象物の表面に押圧する押圧機構とを備え、前記シール部を前記対象物の表面に押圧して前記中空容器の内部と外部とを隔離した状態で、前記中空容器の内部の水を前記排水ポンプにより外部に排出し、かつ、前記中空容器の内部に前記清水供給部により供給された清水を充填して、前記中空容器により覆われた前記対象物の表面を前記カメラによって撮影する構成にしたことを特徴とする。
本発明の水中調査方法は、中空容器の一端に設けた開口部の縁の表面を覆ってシール部を取り付け、前記中空容器の内部にカメラを設置して、この中空容器を前記シール部を介して水中の対象物の表面に押圧して、前記中空容器の内部と外部とを隔離状態にし、次いで、この中空容器の内部の水をこの中空容器に接続された排水ホースを通じて外部に排出し、かつ、この中空容器の内部にこの中空容器に接続された空気ホースを通じて空気を充填した状態にして、この中空容器により覆われた前記対象物の表面を前記カメラによって撮影して、この撮影した画像をモニタに表示することを特徴とする。
本発明の別の水中調査方法は、中空容器の一端に設けた開口部の縁の表面を覆ってシール部を取り付け、前記中空容器の内部にカメラを設置して、この中空容器を前記シール部を介して水中の対象物の表面に押圧して、前記中空容器の内部と外部とを隔離状態にし、次いで、この中空容器の内部の水をこの中空容器に接続された排水ホースを通じて外部に排出し、かつ、この中空容器の内部にこの中空容器に接続された注水ホースを通じて清水を充填した状態にして、この中空容器により覆われた前記対象物の表面を前記カメラによって撮影して、この撮影した画像をモニタに表示することを特徴とする。
本発明の中空容器の内部に空気を充填する水中調査装置および方法によれば、前記対象物の表面に押圧した前記中空容器の内部の水を外部に排出し、かつ、中空容器の内部に空気を充填して、中空容器により覆われた対象物の表面を前記カメラによって撮影する。そのため、濁った水中にある 対象物であっても濁りのない気中状態で撮影を行うことができるので、対象物の状態を鮮明に把握できる。また、カメラで撮影する際にカメラと対象物の表面との間には、対象物等と接触して損傷する介在部材がない。そのため、撮影に用いる機器のメンテナンス性が向上し、メンテナンスの頻度が低くても、濁水中において対象物の状態を継続的に鮮明に把握することができる。
本発明の中空容器の内部に清水を充填する水中調査装置および方法によれば、前記対象物の表面に押圧した前記中空容器の内部の水を外部に排出し、かつ、中空容器の内部に清水を充填して、中空容器により覆われた対象物の表面を前記カメラによって撮影する。そのため、濁った水中にある対象物であっても濁りの少ない清水の中で撮影を行うことができるので、対象物の状態を鮮明に把握できる。また、カメラで撮影する際にカメラと対象物の表面との間には、対象 物等と接触して損傷する介在部材がない。そのため、撮影に用いる機器のメンテナンス性が向上しメンテナンスの頻度が低くても、濁水中において対象物の状態を継続的に鮮明に把握することができる。特に、対象物の表面の凹凸によってシール部をその表面に密着させることが難しい場合には、中空容器の内部に空気を充填することができなくなるので、本発明の中空容器の内部に空気を充填する水中調査装置および方法に代って有益な方法である。
前記中空容器の内部と連通可能に接続される前記空気供給部とともに、前記中空容器の内部と連通可能に接続される前記清水供給部を備える構成にすると、対象物の表面の凹凸具合によって、対象物の表面に押圧した中空容器の内部を空気で充填するか、清水で充填するかを選択することができるので汎用性が高い装置になる。また、カメラや対象物の表面が汚れている場合に、清水供給部から中空容器の内部に清水を注水することによってカメラや対象物の表面に付着した汚れを洗浄することができる。これにより、中空容器の内部に空気を充填して撮影をする場合であっても、対象物の表面を鮮明に把握するのに有利になる。
前記中空容器の内部に前記対象物を打撃する前記ハンマ部と、このハンマ部で対象物を打撃した際の音を検知する前記音センサとを備える構成にすると、打音調査による対象物の劣化診断を行うことができる。
前記中空容器の内部に前記対象物の表面を研磨する前記研磨部を備える構成にすると、対象物の表面に汚れや付着物がある場合であっても、汚れや付着物を研磨することにより除去することができるので、対象物の表面を鮮明に把握するのに有利になる。
前記移動機構および前記押圧機構を遠隔操作可能な自走式水中作業ロボットで構成することもできる。この構成にすると、前記中空容器を前記対象物まで移動させてから中空容器を水中の対象物の表面に押圧するまでの作業を精度よく行うことができる。
前記中空容器の現在位置を逐次検知する前記位置センサを備える構成にすることもできる。この構成にすると、前記中空容器を前記対象物まで正確に移動させることができる。また、調査を行った位置を正確に把握することができる。
本発明の第1の水中調査装置の実施形態を例示する説明図である。 図1の中空容器付近を拡大した説明図である。 図2の中空容器付近をさらに拡大した説明図である。 本発明の第2の水中調査装置の実施形態を中空容器付近を拡大して断面視で例示する説明図である。 本発明の水中調査装置の別の実施形態を例示する説明図である。 図5の中空容器付近を拡大した説明図である。
以下、本発明の水中調査装置および方法を図に示した実施形態に基づいて説明する。
図1〜3に例示する本発明の第1の水中調査装置1は、一端に開口部2aを有する中空容器2と、開口部2aの縁の表面を覆って取り付けられるシール部3と、中空容器2の内部に設置されるカメラ4と、カメラ4により撮影された画像を表示するモニタ5とを備えている。尚、図1〜3では中空容器2の内部を断面視で示している。この水中調査装置1はさらに、中空容器2の内部と連通可能に接続される空気供給部6と、中空容器2の内部と連通可能に接続される排水ポンプ8と、中空容器2を移動させる移動機構9と、中空容器2をシール部3を介して水中の対象物Tの表面に押圧する押圧機構10とを備えている。
さらに、この実施形態では、中空容器2の位置を逐次検知する位置センサ13と、中空容器の内部の圧力(以下、内圧という)を逐次検知する内圧センサ14と、中空容器の外部の圧力(以下、外圧という)を逐次検知する外圧センサ15と、水中調査装置1の統合的な操作やデータ管理を行う制御部16とを備えている。
中空容器2は、アクリル等の樹脂やステンレス鋼等の金属部材で構成される。この実施形態の中空容器2は、有底の略円筒形状に形成されている。中空容器2は他にも例えば、直方体形状や半球形状など様々な形状で形成することができる。中空容器2の開口部2aの大きさや中空容器2の内部の容積は、撮影したい範囲や内部に設置するカメラ4の大きさ、耐圧性等に応じて適宜選択される。
シール部3は、中空容器2を対象物Tに押圧した際に中空容器2と対象物Tとの間に介在し、中空容器2と対象物Tとの密着性を高めるために設けられる部材である。シール部3は、シリコンゴムや他の各種ゴム等の弾性部材で形成される。この実施形態では、円形の開口部2aの縁の表面を覆うように環状に形成されたゴム製のシール部3が取り付けられている。
カメラ4は、開口部2aと対向する位置に設置される。カメラ4としては、静止画と動画の両方を撮影できるものが好ましいが、いずれか一方のみを撮影するカメラでもよく、防水性のカメラを採用するとよい。ライト等の光源をカメラ4と共に中空容器2の内部に設置するとよい。カメラ4として赤外線カメラや3Dカメラ等を採用することもできる。この実施形態では、カメラ4に可動部4aを設けることにより、中空容器2の内部でカメラ4の対象物Tに対する距離や角度が変更できる構成になっている。可動部4aを設けることは任意である。カメラ4は1台に限らず複数台設置することもできる。
空気供給部6は、中空容器2の内部に空気aを供給する設備であり、例えばエアコンプレッサなどの空気供給機が用いられる。この実施形態の空気供給部6は、空気ホース6aを介して中空容器2の内部に連通している。この実施形態では、空気供給部6は地上に配置されていて、中空容器2の移動に合わせて空気ホース6aの長さを変更できる構成になっている。中空容器2に対して空気aを供給する接続箇所は1ヶ所に限らず複数箇所にすることもできる。
排水ポンプ8は、中空容器2の内部の水(濁水MW)を中空容器2の外部に排出する設備である。この実施形態の排水ポンプ8は、中空容器2に取り付けられて直接中空容器2の内部に連通している。排水ポンプ8に接続された排水ホース8aは地上まで延設されている。中空容器2の移動に合わせて排水ホース8aの長さを変更できる構成になっている。排水ポンプ8を地上に配置して、この排水ポンプ8と中空容器2とを排水ホース8aで接続した構成にすることもできる。この実施形態の排水ポンプ8は、中空容器2の内部から排出した水を排水ホース8aを通じて地上に送る構成になっているが、排水ホース8aを地上まで延設せずに中空容器2の内部から排水した水を中空容器2の外部の水中に流出させる構成にすることもできる。中空容器2に接続する排水ポンプ8は1台に限らず複数台にすることもできる。
中空容器2に対する空気ホース6aの接続位置と排水ポンプ8の接続位置とは、できるだけ離反した位置にするとよい。具体的には、空気ホース6aは開口部2aから遠く中空容器2の上方(中空容器2を対象物Tの表面に押圧した状態で上方になる位置)の位置、換言するとカメラ4に近い位置に接続するとよい。排水ポンプ8は、開口部2aに近い位置でできるだけ下方(中空容器2を対象物Tの表面に押圧した状態で下方になる位置)に接続するとよい。
移動機構9は、調査を行う対象物Tの位置まで中空容器2を移動させる設備である。この実施形態の移動機構9は、遠隔操作可能な自走式水中作業ロボット9aで構成されている。自走式水中作業ロボット9aは、接地面に対して任意の角度に変更できる機構のクローラ装置を装備しており、走行地形や走路上の障害物に応じて基体姿勢を任意に調整できる構成になっている。この実施形態の自走式水中作業ロボット9aは、ケーブルを接続して有線で操作する構成になっている。ロボットによっては無線で陸上から操作する構成にすることもできる。
この実施形態の押圧機構10は、自走式水中作業ロボット9aに装備されたアーム部10aで構成されており、アーム部10aには中空容器2が接続されている。アーム部10aには複数の関節部が設けられており、中空容器2を任意の角度で任意の位置に移動させることができる構成になっている。
位置センサ13は、中空容器2の外面に設置された送信機13aと、地上に近い水中に設置された受信機13bとで構成されている。この実施形態では、送信機13aと受信機13bとの相対的な位置関係を測位して得られる位置データと、GPS(全地球測位システム)で測位した受信機13bの絶対的な位置データとを組み合わせることによって、送信機13a(中空容器2)の絶対的な位置を検知する構成になっている。
内圧センサ14は、中空容器2の内部に設置され、外圧センサ15は、中空容器2の外部に設置されている。内圧センサ14と外圧センサ15を設けることにより、中空容器2の内圧と外圧をそれぞれ把握できる構成になっている。
制御部16は、水中調査装置1を構成するカメラ4(ピントの調整等)、空気供給部6、排水ポンプ8、移動機構9(自走式水中作業ロボット9a)、押圧機構10(アーム部10a)の制御を一括して管理する設備である。さらに、位置センサ13、内圧センサ14、外圧センサ15の取得したそれぞれの検知データは制御部16に逐次送信され、これらのデータは制御部16の制御画面に表示されるようになっている。
次に、この水中調査装置1を用いて水中(濁水MW中)にある対象物Tの調査を行う方法を以下に説明する。この実施形態では、視界が悪い濁水MW中の岸壁の一部を対象物Tとした場合の水中調査方法の一例を示す。
第1工程では、移動機構9によって中空容器2を対象物Tの調査範囲に移動させる。この実施形態では、位置センサ13が検知する位置データを基に、制御部16によって自走式水中作業ロボット9aを操作して中空容器2および中空容器2に接続されて一体となっている設備(カメラ4等)を調査範囲に移動させる。中空容器2を移動させる際には、中空容器2が岸壁に接触して損傷しないようにアーム部10aを操作して中空容器2と岸壁とを離反させておく。
次の第2工程では、押圧機構10によって中空容器2をシール部3を介して対象物Tの表面に押圧する。対象物Tの表面の凹凸の状況によっては、シール部3と対象物Tの表面との間にすき間が生じてしまう場合があるが、できる限りこのすき間が最小限になるように押圧する。この実施形態では、アーム部10aを操作して中空容器2をシール部3を介して対象物Tの表面に押圧している。
第2工程を行なうことにより、中空容器2の内部と外部とを隔離状態にする。第2工程終了時点では、中空容器2の内部は、中空容器2の外部と同様に濁水MWで満たされた状態になっている。
次の第3工程では、中空容器2の内部にある濁水MWを排水ポンプ8により中空容器2の外部に排出し、かつ、中空容器2の内部に空気供給部6により供給された空気aを充填させる。換言すると、中空容器2の内部にあった濁水MWを空気aに入れ替えることにより、中空容器2の内部を気中状態にする。尚、中空容器2の内部の濁水MWを外部に排出させた後に空気aを中空容器2の内部に供給することも、濁水MWの排出をしつつ、空気aを中空容器2の内部に供給することもできる。
次の第4工程では、中空容器2の内部が空気aで充填された状態で対象物Tの表面をカメラ4によって撮影する。カメラ4によって撮影された画像はモニタ5に表示され、位置センサ13で検知した撮影位置(対象物T)の検知データは制御部16に送信される。
第4工程を終えた後には、押圧機構10による中空容器2の対象物Tの表面に対する押圧を止め、シール部3と対象物Tの表面とを離反させる。この実施形態では、アーム部10aを操作してシール部3を対象物Tの表面から離反させる。そして、他の位置の対象物Tの調査を継続する場合には、上述した第1〜4工程と同様の作業手順で水中調査を行う。水中調査を終了する場合には移動機構9によって中空容器2を地上まで移動させ、中空容器2および中空容器2に接続されて一体となっている設備を回収する。
上述した第3工程では、例えば、以下で示す作業手順で行うとよい。
まず、シール部3と対象物Tの表面との間にすき間が生じているかどうかを把握する。具体的には、排水ポンプ8のみを短時間(例えば、3〜10秒程度)稼働させた後に停止させる。そして、この状態で中空容器2の内圧の変化を内圧センサ14で検知する。ある程度時間を経過しても中空容器2の内圧が変化しない場合には、中空容器2の外部の濁水MWが中空容器2の内部に入り込んでいないと考えられるため、すき間が生じていないと判断できる。一方、中空容器2の内圧が変化した場合には、中空容器2の外部の濁水MWがすき間から入り込んでいると考えられるため、すき間が生じていると判断できる。
前述した作業により、すき間が生じていないと判断した場合には、中空容器2の内圧を外圧に対して低くなるように空気aの供給と濁水MWの排出とを行う。中空容器2の内圧を外圧に対して低くすることにより、中空容器2(シール部3)と対象物Tの表面との密着性が高まり、中空容器2の内部の気密性がより高くなる。そして、すき間が生じていない場合には、中空容器2の内部が空気aで満たされた状態になった時点で空気供給部6と排水ポンプ8とを停止させ、カメラ4によって撮影を行う。
一方、すき間が生じていると判断した場合には、空気aの供給と濁水MWの排出とを行っている間に、中空容器2の外部の濁水MWがすき間から中空容器2の内部に入り込む可能性がある。そのため、中空容器2の内圧をできる限り高くなるように空気aの供給と濁水MWの排出とを行う。換言すると、空気aの供給量を多くして、空気aをすき間から中空容器2の外部に排出し続けることにより、中空容器2の外部の濁水MWが中空容器2の内部に入り難くする。この際、中空容器2の内圧が高くなると、中空容器2と対象物Tとの間には離反する力が生じるので、シール部3が対象物Tから離反しないように押圧機構10による押圧力を増大させる。
すき間が生じている場合には、中空容器2の内部が空気aで満たされた状態になり、カメラ4によって対象物Tの表面の撮影を行っている間も、空気供給部6と排水ポンプ8とを停止させることなく、継続して空気aの供給を行い、すき間から中空容器2の外部の濁水MWが中空容器2の内部に入らないようにする。
予め中空容器2の耐圧性を把握しておき、空気aの供給と濁水MWの排出作業をする際には、内圧センサ14と外圧センサ15の検知データに基づいて行うとよい。これにより、中空容器2の内圧を外圧に対して過大に低下させて中空容器2が破損する不具合を回避できる。
上述したように、本発明の第1の水中調査装置1および方法によれば、対象物Tの表面を濁りのない気中状態で撮影を行うことができるので、対象物Tの状態を鮮明に把握できる。それ故、濁水MW中では発見できない微細な傷なども見逃さずに検知することができる。また、カメラ4で撮影する際にカメラ4と対象物Tの表面との間には、対象物T等と接触して損傷する介在部材がないので損傷した部材を頻繁に交換する必要がない。そして、シール部3は多少傷ついても十分に機能する。そのため、メンテナンスの頻度が低くても、視界が悪い濁水MW中において対象物Tの状態を継続的に鮮明に把握することができる。また、中空容器2の内部は気中状態になるので、水中にある対象物であるにもかかわらず、気中状態で調査することができる。
この実施形態では、移動機構9および押圧機構10を遠隔操作可能な自走式水中作業ロボット9aと自走式水中作業ロボット9aに装備されているアーム部10aとで構成している。そのため、中空容器2を対象物Tまで移動させる際に障害物等がある場合でも容易かつ確実に対象物Tの位置まで移動させることができる。また、アーム部10aは 任意の角度で任意の位置に移動させることができる構成になっているので、中空容器2を水中の対象物Tの表面に押圧する作業も精度よく行うことができる。
この実施形態の水中調査装置1は、中空容器2の現在位置を逐次検知する位置センサ13を備えているので、中空容器2を対象物Tまで正確に移動させることができる。また、調査を行った位置を正確に把握することができる。
図1〜3で示した第1の水中調査装置1では、対象物Tの表面とシール部3との間のすき間が大きい場合においては、空気供給部6による空気aの供給量を多くしても、すき間から中空容器2の外部の濁水MWが入ることを防ぐことが不可能になる。
そこで、図4に示す本発明の第2の水中調査装置1では、図1〜3で示した第1の水中調査装置1における空気供給部6を清水供給部7に代替することにより、すき間が大きい場合においても対象物Tの状態を継続的に鮮明に把握することができる構成にしている。空気供給部6を清水供給部7に変更したこと以外の構成は、図1〜3で示した実施形態と同様である。
清水供給部7は、中空容器2の内部に清水CWを注入する設備であり、例えば、給水ポンプなど給水設備が用いられる。清水供給部7は、中空容器2の内部と連通可能に接続される。この実施形態の清水供給部7は、注水ホース7aを介して中空容器2の内部に連通している。この実施形態では、清水供給部7は地上に配置されていて、中空容器2の移動に合わせて注水ホース7aの長さを変更できる構成になっている。中空容器2に対して清水CWを供給する接続箇所は1ヶ所に限らず複数箇所にすることもできる。
中空容器2に対する注水ホース7aの接続位置と排水ポンプ8の接続位置とは、できるだけ離反した位置にするとよい。具体的には、注水ホース7aは開口部2aから遠い位置、換言するとカメラ4に近い位置に接続するとよい。排水ポンプ8は、開口部2aに近い位置の接続するとよい。
次に、この水中調査装置1を用いて水中にある対象物Tの調査を行う方法を以下に説明する。
この実施形態においても、図1〜3で示した実施形態における第1工程〜第2工程までの工程は同様である。そのため、ここでは、第3工程以降の工程に絞って説明する。
第3工程では、中空容器2の内部にある濁水MWを排水ポンプ8により中空容器2の外部に排出し、かつ、中空容器2の内部に清水供給部7により供給された清水CWを充填させる。換言すると、中空容器2の内部にあった濁水MWを清水CWに入れ替えることにより、中空容器2の内部の水の透明度を高める。尚、中空容器2の内部の濁水MWを外部に排出させた後に清水CWを中空容器2の内部に供給することも、濁水MWの排出をしつつ、清水CWを中空容器2の内部に供給することもできる。
次の第4工程では、中空容器2の内部が清水CWで充填された状態、換言すると中空容器2の内部の水が撮影可能な透明度になった状態で対象物Tの表面をカメラ4によって撮影する。カメラ4によって撮影された画像はモニタ5に表示され、位置センサ13で検知した撮影位置の検知データは制御部16に送信される。第4工程を終えた後については、図1〜3で示した実施形態と同様である。
上述した第3工程では、例えば、以下で示す作業手順で行うとよい。
まず、図1〜3で示した実施形態の場合と同様にシール部3と対象物Tの表面との間にすき間が生じているかどうかを把握する(中空容器2の内圧の変化を検知)。
そして、すき間が生じていないと判断した場合には、排水ポンプ8により中空容器2の内部の濁水MWをできる限り排出した後に、清水供給部7による清水CWの供給を開始する。このようにすると、中空容器2の内部にある濁水MWがある程度排出されてから清水CWが供給されるので、排水ポンプ8と清水供給部7とを同時に稼働させる場合に比して中空容器2の内部の水の透明度が高くなるまでの時間を短縮することができる。ただし、対象物Tが存在している水深が大きい場合は、中空容器2の内圧に対して外圧が過大になることを避けるために、濁水MWを排出させつつ、清水CWを供給するとよい。そして、中空容器2の内部の水の透明度が十分に高くなった時点で清水供給部7と排水ポンプ8とは停止させ、カメラ4によって撮影を行う。
一方、すき間が生じていると判断した場合には、中空容器2の内圧が外圧に比べて低くなると、中空容器2の外部の濁水MWがすき間から中空容器2の内部に入り込むので、中空容器2の内圧が外圧に対して低くならないように清水CWの供給と濁水MWの排出とを行う。換言すると、排水ポンプ8の排出量に対して清水供給部7の供給量を多くする。そして、清水CWをすき間から中空容器2の外部に排出し続けることにより、中空容器2の外部の濁水MWが中空容器2の内部に入り難くする。この際、中空容器2の内圧が高くなると、中空容器2と対象物Tとの間には離反する力が生じるので、シール部3が対象物Tから離反しないように押圧機構10による押圧力を増大させる。
すき間が生じている場合には、中空容器2の内部の水の透明度が十分に高くなり、カメラ4によって対象物Tの表面の撮影を行っている間も、清水供給部7と排水ポンプ8とを停止させることなく、継続して清水CWの供給を行い、すき間から中空容器2の外部の濁水MWが中空容器2の内部に入らないようにするとよい。
本発明の第2の水中調査装置1および方法によれば、濁りの少ない清水CWの中で撮影を行うことができるので、対象物Tの状態を鮮明に把握できる。それ故、濁水MW中では発見できない微細な傷なども見逃さずに検出することができる。また、カメラ4で撮影する際にカメラ4と対象物Tの表面との間には、対象物T等と接触して損傷する介在部材がないので損傷した部材を頻繁に交換する必要がない。そして、シール部3は多少傷ついても十分に機能する。そのため、メンテナンスの頻度が低くても、濁水MW中において対象物Tの状態を継続的に鮮明に把握することができる。
さらに、本発明の第2の水中調査装置1および方法によれば、中空容器2の内部に清水CWを供給して中空容器2の内部の水の透明度を向上させるので、対象物Tの表面の凹凸によってシール部3をその表面に密着させることが難しく、すき間が大きくあいてしまう場合には、有益な方法である。また、空気aを供給する場合と異なり、中空容器2の内圧と外圧とがバランスするので中空容器2の耐圧性を低く設定することが可能になる。これに伴ない、中空容器2の容量を大きくするなど中空容器2の仕様を自由に設定し易くなる。
以上のように、図4で示した第2の水中調査装置1および方法は、シール部3と対象物Tの表面との間のすき間が大きい場合には特に有益な装置および方法である。一方で、第1の水中調査装置1および方法は、中空容器2を対象物Tの表面により小さな押圧力で密着させることができる等の利点もある。しかし、対象物Tの表面の凹凸状態が事前に把握できないこともある。
そこで、図5、6に示す実施形態の水中調査装置1では、本発明の第1および第2の水中調査装置1のそれぞれのメリットを兼ね備えた構成にしている。即ち、この実施形態の水中調査装置1は、空気供給部6とともに清水供給部7が中空容器2の内部と連通可能に接続されている。尚、図5、6では中空容器2の内部を断面視で示している。
この実施形態では、中空容器2の内部にハンマ部11aと音センサ11bと研磨部12とを備えている。ハンマ部11aおよび音センサ11bは、打音調査を行うための設備である。この実施形態のハンマ部11aは、電動シリンダにより先端が伸縮する構成になっているが、他の構成にすることもできる。研磨部12は、対象物Tの表面を研磨する設備であり、電動サンダや電動ブラシ、電動ドリル等が例示できる。この実施形態の研磨部12は、複数の関節部を有するアームと、このアームの先端に接続された電動サンダで構成されている。
この実施形態では、空気供給部6と清水供給部7とタンク8bとが押圧機構10を介して中空容器2に間接的に接続され、中空容器2と共に水中を移動する構成になっている。そして、清水供給部7とタンク8bとの間には、濾過部17が設けられている。濾過部17は、中空容器2の内部から排出されてタンク8bに回収された濁水MWを濾過して清水CWとし、その清水CWを清水供給部7に供給する設備である。
この実施形態の移動機構9は、クレーン9bで構成され、押圧機構10は、中空容器2に接続されるアクチュエータ10bで構成されている。中空容器2を対象物Tの表面に押圧する際にはアクチュエータ10bを伸長させ、中空容器2と対象物Tの表面とを離反する際にはアクチュエータ10bを収縮させる。その他の構成は、図1〜3および図4で示した実施形態と同様である。
次に、この水中調査装置1を用いて水中にある対象物Tの調査を行う方法を以下に説明する。
第1工程では、クレーン9bを操作して中空容器2および中空容器2に接続されて一体となっている設備を対象物Tの位置まで移動させる。中空容器2を移動させる際には、中空容器2が岸壁に接触して損傷しないようにアクチュエータ10bを収縮させた状態にしておく。
次の第2工程では、アクチュエータ10bを伸長させることより中空容器2をシール部3を介して対象物Tの表面に押圧する。そして、図1〜3および図4で示した実施形態と同様にシール部3と対象物Tの表面との間にすき間が生じているかどうか確認する。
そして、第3工程では、すき間が大きい場合には図4の実施形態で示した清水供給部7によって清水CWを充填する方法を選択し、すき間がないあるいは小さい場合には図1〜3の実施形態で示した空気供給部6によって空気aを充填する方法を選択する。この後の第3工程および第4工程の作業手順は図1〜3あるいは図4で示した実施形態と同様である。
この実施形態の第4工程では、例えば、対象物Tの表面に汚れや付着物があるが、汚れや付着物がない状態の対象物Tの表面を撮影したい場合には、その汚れや付着物を研磨部12により除去する。また、対象物Tにおいて打音調査を行う場合には、ハンマ部11aにより対象物Tの表面を打撃し、その打撃した際の音を音センサ11bによって検知する。
また、例えば、中空容器2の内部に空気aを充填した際に、カメラ4や対象物Tの表面が濁水MW等の影響によって汚れている場合には、清水供給部7から中空容器2の内部に清水CWを注水することにより、カメラ4や対象物Tの表面に付着した汚れを洗浄する。研磨部12により対象物Tの表面を研磨してる際に、研磨により破片や粉塵が生じた場合には、清水供給部7から中空容器2の内部に清水CWを注水して、破片や粉塵を清水CWによって洗浄し、洗浄することにより汚れた水は排水ポンプ8によって中空容器2の外部に排出する。
第4工程を終えた後には、アクチュエータ10bを収縮させてシール部3を対象物Tの表面から離反させる。そして、他の位置の対象物Tの調査を継続する場合には、上述した第1〜4工程と同様の作業手順で水中調査を行う。水中調査を終了する場合にはクレーン9bにより中空容器2を地上まで移動させ、水中で調査を行った設備を回収する。
この実施形態では、空気供給部6とともに、清水供給部7を備える構成にしているので、対象物Tの表面の凹凸具合、即ち、押圧した際のシール部3と対象物Tの表面との間のすき間の大きさによって、対象物Tの表面に押圧した中空容器2の内部を空気aで充填するか、清水CWで充填するかを選択することができる。そのため、汎用性が高い装置になる。
この実施形態では、ハンマ部11aと音センサ11bとを備えているので、打音調査による対象物Tの劣化診断を行うことができる。尚、打音調査は、中空容器2の内部を空気aで充填した場合、清水CWで充填した場合のどちらの場合でも行うことができる。
また、研磨部12を備えているので、対象物Tの表面に汚れや付着物がある場合であっても、汚れや付着物を研磨することにより除去することができるので、対象物Tの表面を鮮明に把握するのに有利になる。
さらに、この実施形態の水中調査装置1は、濾過部17を備えているので、中空容器2の内部から排水ポンプ8により回収した濁水MWを濾過して清水CWとして清水供給部7に供給することができる。このことにより、清水供給部7の容量を小さくした場合においても継続して清水CWを中空容器2の内部に供給することができる。そのため、清水供給部7や排水ポンプ8を中空容器2と共に水中を移動する構成にする際には水中調査装置1を小型化するのに有利になる。
上記の説明では、対象物Tが濁水MW中の視界が悪い水域にある場合を想定したが、本発明は、視界が悪い水域でなくとも使用することができる。例えば、視界が良好な水域の場合であっても、水中にある対象物Tを気中状態で撮影したい場合や、水流等の影響を受けない状態で調査したい場合などに使用することもできる。また、調査を行う対象物Tは、岸壁には限定されず、海底や人工構造物、船舶等様々なものを対象物Tとして調査をすることができる。移動機構9や押圧機構10、位置センサ13等の構成は上述した実施形態に限られない。
1 水中調査装置
2 中空容器
2a 開口部
3 シール部
4 カメラ
4a 可動部
5 モニタ
6 空気供給部
6a 空気ホース
7 清水供給部
7a 注水ホース
8 排水ポンプ
8a 排水ホース
8b タンク
9 移動機構
9a 自走式水中作業ロボット
9b クレーン
10 押圧機構
10a アーム部
10b アクチュエータ
11a ハンマ部
11b 音センサ
12 研磨部
13 位置センサ
13a 送信機
13b 受信機
14 内圧センサ
15 外圧センサ
16 制御部
17 濾過部
T 対象物
a 空気
CW 清水
MW 濁水

Claims (9)

  1. 一端に開口部を有する中空容器と、前記開口部の縁の表面を覆って取り付けられるシール部と、前記中空容器の内部に設置されるカメラと、このカメラにより撮影された画像を表示するモニタと、前記中空容器の内部と連通可能に接続される空気供給部と、前記中空容器の内部と連通可能に接続される清水供給部と、前記中空容器の内部と連通可能に接続される排水ポンプと、前記中空容器を移動させる移動機構と、前記中空容器を前記シール部を介して水中の対象物の表面に押圧する押圧機構とを備え、
    前記対象物の表面に押圧した前記中空容器の内部の水を前記排水ポンプにより外部に排出し、かつ、前記空気供給部と前記清水供給部とを選択的に作動させて、前記空気供給部を作動させた場合には、前記中空容器の内部に前記空気供給部により供給された空気を充填し、前記清水供給部を作動させた場合には、前記中空容器の内部に前記清水供給部により供給された清水を充填して、前記中空容器により覆われた前記対象物の表面を前記カメラによって撮影する構成にしたことを特徴とする水中調査装置。
  2. 一端に開口部を有する中空容器と、前記開口部の縁の表面を覆って取り付けられるシール部と、前記中空容器の内部に設置されるカメラと、このカメラにより撮影された画像を表示するモニタと、前記中空容器の内部と連通可能に接続される空気供給部と、前記中空容器の内部と連通可能に接続される排水ポンプと、前記中空容器を移動させる移動機構と、前記中空容器を前記シール部を介して水中の対象物の表面に押圧する押圧機構と、前記中空容器の内部に前記対象物を打撃するハンマ部と、このハンマ部で前記対象物を打撃した際の音を検知する音センサとを備え、
    前記対象物の表面に押圧した前記中空容器の内部の水を前記排水ポンプにより外部に排出し、かつ、前記中空容器の内部に前記空気供給部により供給された空気を充填して、前記中空容器により覆われた前記対象物の表面を前記カメラによって撮影する構成にしたことを特徴とする水中調査装置。
  3. 一端に開口部を有する中空容器と、前記開口部の縁の表面を覆って取り付けられるシール部と、前記中空容器の内部に設置されるカメラと、このカメラにより撮影された画像を表示するモニタと、前記中空容器の内部と連通可能に接続される清水供給部と、前記中空 容器の内部と連通可能に接続される排水ポンプと、前記中空容器を移動させる移動機構と、前記中空容器を前記シール部を介して水中の対象物の表面に押圧する押圧機構と、前記中空容器の内部に前記対象物を打撃するハンマ部と、このハンマ部で前記対象物を打撃した際の音を検知する音センサとを備え、
    前記対象物の表面に押圧した前記中空容器の内部の水を前記排水ポンプにより外部に排出し、かつ、前記中空容器の内部に前記清水供給部により供給された清水を充填して、前記中空容器により覆われた前記対象物の表面を前記カメラによって撮影する構成にしたことを特徴とする水中調査装置。
  4. 一端に開口部を有する中空容器と、前記開口部の縁の表面を覆って取り付けられるシール部と、前記中空容器の内部に設置されるカメラと、このカメラにより撮影された画像を表示するモニタと、前記中空容器の内部と連通可能に接続される空気供給部と、前記中空容器の内部と連通可能に接続される排水ポンプと、前記中空容器を移動させる移動機構と、前記中空容器を前記シール部を介して水中の対象物の表面に押圧する押圧機構と、前記中空容器の内部に前記対象物の表面を研磨する研磨部とを備え、
    前記対象物の表面に押圧した前記中空容器の内部の水を前記排水ポンプにより外部に排出し、かつ、前記中空容器の内部に前記空気供給部により供給された空気を充填して、前記中空容器により覆われた前記対象物の表面を前記カメラによって撮影する構成にしたことを特徴とする水中調査装置。
  5. 一端に開口部を有する中空容器と、前記開口部の縁の表面を覆って取り付けられるシール部と、前記中空容器の内部に設置されるカメラと、このカメラにより撮影された画像を表示するモニタと、前記中空容器の内部と連通可能に接続される清水供給部と、前記中空容器の内部と連通可能に接続される排水ポンプと、前記中空容器を移動させる移動機構と、前記中空容器を前記シール部を介して水中の対象物の表面に押圧する押圧機構と、前記中空容器の内部に前記対象物の表面を研磨する研磨部とを備え、
    前記対象物の表面に押圧した前記中空容器の内部の水を前記排水ポンプにより外部に排出し、かつ、前記中空容器の内部に前記清水供給部により供給された清水を充填して、前記中空容器により覆われた前記対象物の表面を前記カメラによって撮影する構成にしたことを特徴とする水中調査装置。
  6. 一端に開口部を有する中空容器と、前記開口部の縁の表面を覆って取り付けられるシール部と、前記中空容器の内部に設置されるカメラと、このカメラにより撮影された画像を表示するモニタと、前記中空容器に接続された空気ホースを介して前記中空容器の内部と連通可能に接続される空気供給部と、前記中空容器に接続された排水ホースを介して前記中空容器の内部と連通可能に接続される排水ポンプと、前記中空容器を移動させる移動機構と、前記中空容器を前記シール部を介して水中の対象物の表面に押圧する押圧機構とを備え、
    前記シール部を前記対象物の表面に押圧して前記中空容器の内部と外部とを隔離した状態で、前記中空容器の内部の水を前記排水ポンプにより外部に排出し、かつ、前記中空容器の内部に前記空気供給部により供給された空気を充填して、前記中空容器により覆われた前記対象物の表面を前記カメラによって撮影する構成にしたことを特徴とする水中調査装置。
  7. 一端に開口部を有する中空容器と、前記開口部の縁の表面を覆って取り付けられるシール部と、前記中空容器の内部に設置されるカメラと、このカメラにより撮影された画像を表示するモニタと、前記中空容器に接続された注水ホースを介して前記中空容器の内部と連通可能に接続される清水供給部と、前記中空容器に接続された排水ホースを介して前記中空容器の内部と連通可能に接続される排水ポンプと、前記中空容器を移動させる移動機構と、前記中空容器を前記シール部を介して水中の対象物の表面に押圧する押圧機構とを備え、
    前記シール部を前記対象物の表面に押圧して前記中空容器の内部と外部とを隔離した状態で、前記中空容器の内部の水を前記排水ポンプにより外部に排出し、かつ、前記中空容器の内部に前記清水供給部により供給された清水を充填して、前記中空容器により覆われた前記対象物の表面を前記カメラによって撮影する構成にしたことを特徴とする水中調査装置。
  8. 中空容器の一端に設けた開口部の縁の表面を覆ってシール部を取り付け、前記中空容器の内部にカメラを設置して、この中空容器を前記シール部を介して水中の対象物の表面に押圧して、前記中空容器の内部と外部とを隔離状態にし、
    次いで、この中空容器の内部の水をこの中空容器に接続された排水ホースを通じて外部に排出し、かつ、この中空容器の内部にこの中空容器に接続された空気ホースを通じて空気を充填した状態にして、この中空容器により覆われた前記対象物の表面を前記カメラによって撮影して、この撮影した画像をモニタに表示することを特徴とする水中調査方法。
  9. 中空容器の一端に設けた開口部の縁の表面を覆ってシール部を取り付け、前記中空容器の内部にカメラを設置して、この中空容器を前記シール部を介して水中の対象物の表面に押圧して、前記中空容器の内部と外部とを隔離状態にし、次いで、この中空容器の内部の水をこの中空容器に接続された排水ホースを通じて外部に排出し、かつ、この中空容器の内部にこの中空容器に接続された注水ホースを通じて清水を充填した状態にして、この中空容器により覆われた前記対象物の表面を前記カメラによって撮影して、この撮影した画像をモニタに表示することを特徴とする水中調査方法。
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