JP6745614B2 - 基板設計装置および基板設計プログラム - Google Patents
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Description
特許文献2には、特許文献1と同様の技術を利用して電子部品の自動配置を行うための技術が開示されている。
これらの技術では、電子部品を配置できるかを見極めるための判定値が予め用意されるが、判定値の決定には過去の設計実績および個人のノウハウに頼らざるを得ない。そのため、これらの技術を利用して電子部品の配置を決定するにはプリント基板に冗長な面積を要する場合がある。
また、電子部品個々の電極の配置状態および接続パターンの配線方向などによって、配線に必要となる領域が電子部品のある部分に偏った状態になる場合がある。その場合、これらの技術では電子部品の周辺に冗長な領域を要するため、これらの技術を近年の高密度設計に使用することは困難である。
部品の形状と大きさとを示す部品外形と、当該部品が有する端子の位置を示す端子情報とを含んだ部品データの集合である部品データベースから、基板に配置される対象となる対象部品毎の部品データを取得するデータ取得部と、
対象部品毎に、対象部品の部品データを用いて、対象部品の形状と大きさとに対応する部品矩形を算出する部品矩形算出部と、
対象部品毎に、部品矩形の周囲に付加領域を付加して、対象部品のために前記基板に確保される範囲の大きさを有する占有矩形を算出する占有矩形算出部とを備え、
付加領域は、対象部品が有する端子に配線するために必要な接続領域を含み、
占有矩形算出部は、端子情報に基づいて、端子が位置しない側に対しては部品間の必要間隔を有する第2の付加領域の幅を算出し、端子が位置する側に対しては、前記端子情報に基づく前記接続領域の幅が前記部品間の必要間隔より狭くない場合、前記接続領域を含む第2の付加領域の幅を算出し、前記端子情報に基づく前記接続領域の幅が前記部品間の必要間隔より狭い場合、前記部品間の必要間隔を有するように前記第2の付加領域の幅を算出することを特徴とする。
基板設計装置100について、図1から図6に基づいて説明する。
図1に基づいて、基板設計装置100の構成について説明する。
基板設計装置100は、プロセッサ901とメモリ902と補助記憶装置903と入力装置907と出力装置908といったハードウェアを備えるコンピュータである。プロセッサ901は、信号線を介して他のハードウェアと接続されている。
メモリ902は揮発性の記憶装置である。メモリ902は、主記憶装置またはメインメモリとも呼ばれる。具体的には、メモリ902はRAM(Random Access Memory)である。
補助記憶装置903は不揮発性の記憶装置である。具体的には、補助記憶装置903は、ROM、HDDまたはフラッシュメモリである。ROMはRead Only Memoryの略称であり、HDDはHard Disk Driveの略称である。
入力装置907は、入力を受け付ける装置である。具体的には、入力装置907は、キーボード、マウス、テンキーまたはタッチパネルである。
出力装置908は、出力を行う装置である。具体的には、出力装置908は、表示を行うモニタ、または、印刷を行うプリンタである。
さらに、補助記憶装置903にはOS(Operating System)が記憶されている。OSの少なくとも一部は、メモリ902にロードされて、プロセッサ901によって実行される。
つまり、プロセッサ901は、OSを実行しながら、「部」の機能を実現するプログラムを実行する。
「部」の機能を実現するプログラムを実行して得られるデータは、メモリ902、補助記憶装置903、プロセッサ901内のレジスタまたはプロセッサ901内のキャッシュメモリといった記憶装置に記憶される。
なお、基板設計装置100が複数のプロセッサ901を備えて、複数のプロセッサ901が「部」の機能を実現するプログラムを連携して実行してもよい。
入力装置907は入力を受け付ける受付部195として機能する。
出力装置908は出力を行う出力部196として機能する。
「部」は「処理」または「工程」に読み替えてもよい。「部」の機能はファームウェアで実現してもよい。
「部」の機能を実現するプログラムは、磁気ディスク、光ディスクまたはフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体に記憶することができる。
基板設計装置100の動作は基板設計方法に相当する。また、基板設計方法の手順は基板設計プログラムの手順に相当する。
ステップS101において、設計者は、入力装置907を操作して、部品指定情報を基板設計装置100に入力する。
そして、受付部195は、入力された部品指定情報を受け付ける。
対象部品は、基板に配置される対象となる部品である。
基板は、プリント基板またはプリント配線板ともいう。
部品は、基板に搭載される電子部品である。
ステップS110において、データ取得部110は、部品指定情報を用いて、対象部品毎の部品データ211を部品データベース210から取得する。
部品データベース210は、部品データ211の集合であり、記憶部191に予め記憶される。
部品データ211は、部品識別子、部品外形、実装種類および端子毎の端子情報など、部品に関する情報を含む。
部品外形は、部品の形状と大きさとを示す。
実装種類は、部品が基板に実装される方法の種類を示す。具体的には、実装種類は、挿入実装または表面実装である。挿入実装の部品は基板に挿入されて基板に半田付けされる。表面実装の部品は基板の表面に半田付けされる。
端子情報は、部品が有する端子に関する情報であり、端子識別子、相対位置および端子形状などを示す。端子識別子は端子を識別する。相対位置は部品のうちの端子が位置する部分を示す。端子形状は端子の形状を示す。
具体的には、データ取得部110は、部品指定情報に含まれる部品識別子毎に、同じ部品識別子を含んだ部品データ211を部品データベース210から取得する。
接続データベース220は、接続データ221の集合であり、記憶部191に予め記憶される。
接続データ221は、部品識別子および端子毎の接続先情報を含む。
接続先情報は、部品が有する端子の接続先を示す。
具体的には、データ取得部110は、部品指定情報に含まれる部品識別子毎に、同じ部品識別子を含んだ接続データ221を接続データベース220から取得する。
ステップS120において、部品矩形算出部120は、対象部品300毎に、対象部品300の部品データ211を用いて、部品矩形310を算出する。
部品矩形310は、対象部品300の形状と大きさとに対応する矩形である。
部品矩形310は、対象部品300を囲う大きさを有する。具体的には、部品矩形310は、対象部品300の幅Wと対象部品300の奥行きDとを縦横の長さとして有する。幅Wおよび奥行きDは、部品データ211の部品外形が示す値である。
対象部品300は、本体301と端子302とを備える。端子302は、本体301に接続される。図5において、複数の端子302があるが、1つの端子302にのみ符号を付し、他の端子302に対する符号は省略する。
図5において、部品矩形310のそれぞれの辺は、本体301または端子302に接している。
ステップS130において、占有矩形算出部130は、対象部品300毎に、対象部品300の部品矩形310を用いて、占有矩形320を算出する。
占有矩形320は、対象部品300のために基板に確保される領域の大きさを有する。つまり、占有矩形320と同じ大きさを有する領域が、対象部品300のために基板に確保される。
占有矩形320は、部品矩形310の周囲に付加領域321を付加して得られる矩形である。
付加領域321は、部品矩形310の周囲に付加される領域であり、部品間に必要な間隔以上の幅Sを有する。
接続領域322は、対象部品300が有する端子302に配線するために必要な領域である。言い換えると、接続領域322は、対象部品300から配線を引き出すために必要となる領域である。接続領域322は付加領域321に含まれる。図6において、接続領域322は、VIA303が設けられる領域である。VIAはビアホールの略称である。
占有矩形算出部130は、占有矩形320を算出する際に仕様データ230を参照する。
仕様データ230は、基板設計の仕様に関する情報を含んだデータであり、記憶部191に予め記憶される。
仕様データ230は、基板外形、層数、VIA外形、間隔情報および配線パターン情報などを含む。
基板外形は、基板の形状と大きさとを示す。
層数は、基板が有する層の数である。
VIA外形は、VIAの形状と大きさを示す。
間隔情報は、部品、パターンおよびVIAなどの要素毎に、要素間の必要間隔を示す。必要間隔は、要素間に必要な間隔である。
配線パターン情報は、配線パターンに関する情報である。
具体的には、占有矩形算出部130は、以下のように占有矩形320を算出する。
まず、占有矩形算出部130は、VIA外形を用いて、接続領域322となる矩形を算出する。
次に、占有矩形算出部130は、接続領域322の幅を部品間の必要間隔と比較する。接続領域322の幅は、端子302が位置する側の辺と対向する辺との間隔である。
次に、接続領域322の幅が部品間の必要間隔より狭い場合、占有矩形算出部130は、接続領域322の幅を、部品間の必要間隔に変更する。
次に、占有矩形算出部130は、部品データ211に含まれる端子情報を参照して、端子302の位置を特定する。そして、占有矩形算出部130は、部品矩形310に対して端子302が位置する側に接続領域322を付加する。
次に、占有矩形算出部130は、部品矩形310と接続領域322とを囲う占有矩形320を算出する。算出される占有矩形320は、端子302が位置する側で接続領域322に接して、端子302が位置しない側で部品矩形310に接する。
そして、占有矩形算出部130は、端子302が位置しない側の付加領域321の幅を、部品間の必要間隔に変更する。付加領域321の幅は、部品矩形310の辺と占有矩形320の辺との間隔である。
挿入実装の部品に関して、基板の層数によっては複数の層で配線パターンの引き出しが可能であるため、付加領域321が不要な場合がある。
表面実装の部品に関して、複数の層に配線パターンを配線するために、VIA303を設けるための接続領域322を、占有矩形320の中に盛り込むことが可能である。具体的な部品は、BGA(Ball Grid Array)である。
ステップS140において、配置領域決定部140は、仕様データ230に含まれる基板外形と、対象部品300毎の占有矩形320とを用いて、対象部品300毎の配置領域を決定する。
配置領域は、基板の中で対象部品300が配置される領域である。
詰め込み問題とは、様々な大きさの矩形を互いに重ならないように平面内に配置する問題である。
具体的な解法アルゴリズムは、BLF法である。BLFは(Bottom−Left−Fill)の略称である。
対象部品300毎の占有矩形320は、互いに接する位置に配置することができる。
基板外形からはみ出る占有矩形320がある場合、その占有矩形320は、向きを変えて、基板外形に配置される。
(1)占有矩形320の面積の合計が基板の面積を上回る。
(2)少なくともいずれかの対象部品300の配置領域を決定することができない。つまり、全ての占有矩形320を基板外形の中に配置することができない。
ステップS150において、配線設計部150は、対象部品300毎の配置領域に基づいて、配線設計を行う。
具体的には、配線設計部150は、仕様データ230に含まれる配線パターン情報およびVIA外形を用いて、配線設計を行う。配線設計は従来技術である。
付加領域321を調整することによって適正な占有矩形320を得ることができる。そして、適正な占有矩形320を用いて部品の配置領域を決定することにより、基板に部品を高い密度で配置することが可能になる。
対象部品300において端子302が本体301の1辺にのみある場合について、図8に基づいて説明する。但し、実施の形態1と重複する説明は省略または簡略する。
基板設計装置100の構成は、実施の形態1と同じである。
基板設計方法の処理の流れは、実施の形態1と同じである。
但し、端子302が対象部品300の本体301の1辺にのみある場合、占有矩形算出部130は、以下のように動作する。
占有矩形算出処理(S130)において、占有矩形算出部130は、部品矩形310に対して端子302がある側の1辺にのみ接続領域322を付加して、占有矩形320を算出する。
VIA303を設けるための接続領域322がない場合、端子302を複数の配線層に配線することはできない。
そのため、占有矩形算出部130は、端子302がある側にのみ接続領域322を付加して、占有矩形320を算出する。
付加領域321は、端子302がある側で幅が広く、端子302がない側で幅が狭い。
付加領域321が冗長な幅を持たないため、占有矩形320が冗長な大きさにならない。そのため、基板に部品を高い密度で配置することが可能になる。
端子302の接続先を考慮した形態について、図9に基づいて説明する。但し、実施の形態1と重複する説明は省略または簡略する。
基板設計装置100の構成は、実施の形態1と同じである。
基板設計方法の処理の流れは、実施の形態1と同じである。
但し、占有矩形算出部130は、端子302の接続先を考慮する。
占有矩形算出処理(S130)において、占有矩形算出部130は、対象部品300毎に対象部品300の接続データを用いて、対象部品300が有する部品から部品矩形310の外の接続先に接続される端子302を特定する。そして、占有矩形算出部130は、特定された端子302を対象にして接続領域322を算出する。
そのため、占有矩形算出部130は、奇数番目の端子302を対象にして接続領域322を算出する。その結果、接続領域322が小さくなる。
接続領域322が冗長な大きさを持たないため、占有矩形320が冗長な大きさにならない。そのため、基板に部品を高い密度で配置することが可能になる。
実施の形態において、基板設計装置100の機能はハードウェアで実現してもよい。
図10に、基板設計装置100の機能がハードウェアで実現される場合の構成を示す。
基板設計装置100は処理回路990を備える。処理回路990はプロセッシングサーキットリともいう。
処理回路990は、実施の形態で説明した「部」の機能を実現する専用の電子回路である。この「部」には記憶部191も含まれる。
具体的には、処理回路990は、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA、ASIC、FPGAまたはこれらの組み合わせである。GAはGate Arrayの略称であり、ASICはApplication Specific Integrated Circuitの略称であり、FPGAはField Programmable Gate Arrayの略称である。
なお、基板設計装置100が複数の処理回路990を備えて、複数の処理回路990が「部」の機能を連携して実現してもよい。
Claims (5)
- 部品の形状と大きさとを示す部品外形と、当該部品が有する端子の位置を示す端子情報とを含んだ部品データの集合である部品データベースから、基板に配置される対象となる対象部品毎の部品データを取得するデータ取得部と、
対象部品毎に、対象部品の部品データを用いて、対象部品の形状と大きさとに対応する部品矩形を算出する部品矩形算出部と、
対象部品毎に、部品矩形の周囲に付加領域を付加して、対象部品のために前記基板に確保される範囲の大きさを有する占有矩形を算出する占有矩形算出部と
を備える基板設計装置であって、
前記付加領域は、対象部品が有する端子に配線するために必要な接続領域を含み、
前記占有矩形算出部は、前記端子情報に基づいて、端子が位置しない側に対しては部品間の必要間隔を有する第1の付加領域の幅を算出し、端子が位置する側に対しては、前記端子情報に基づく前記接続領域の幅が前記部品間の必要間隔より狭くない場合、前記接続領域を含む第2の付加領域の幅を算出し、前記端子情報に基づく前記接続領域の幅が前記部品間の必要間隔より狭い場合、前記部品間の必要間隔を有するように前記第2の付加領域の幅を算出すること
を特徴とする基板設計装置。 - 前記データ取得部は、部品が有する端子毎に端子の接続先を示す情報を含んだ接続データの集合である接続データベースから、対象部品毎の接続データを取得し、
前記占有矩形算出部は、対象部品毎に対象部品の接続データを用いて対象部品が有する部品から部品矩形の外の接続先に接続される端子を特定し、特定された端子のみを対象にして前記接続領域を算出する
請求項1に記載の基板設計装置。 - 前記部品矩形のそれぞれの辺は、当該部品の本体または端子に接している
請求項1または請求項2に記載の基板設計装置。 - 前記基板の形状と大きさとを示す情報と対象部品毎の占有矩形とを用いて、対象部品毎に、前記基板の中で対象部品が配置される領域を決定する配置領域決定部
を備える請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の基板設計装置。 - 部品の形状と大きさとを示す部品外形と、当該部品が有する端子の位置を示す端子情報とを含んだ部品データの集合である部品データベースから、基板に配置される対象となる対象部品毎の部品データを取得するデータ取得部と、
対象部品毎に、対象部品の部品データを用いて、対象部品の形状と対象部品の大きさとに対応する部品矩形を算出する部品矩形算出部と、
対象部品毎に、部品矩形の周囲に付加領域を付加して、対象部品のために前記基板に確保される範囲の大きさを有する占有矩形を算出する占有矩形算出部として
コンピュータを機能させるための基板設計プログラムであって、
前記付加領域は、対象部品が有する端子に配線するために必要な接続領域を含み、
前記占有矩形算出部は、前記端子情報に基づいて、端子が位置しない側に対しては部品間の必要間隔を有する第2の付加領域の幅を算出し、端子が位置する側に対しては、前記端子情報に基づく前記接続領域の幅が前記部品間の必要間隔より狭くない場合、前記接続領域を含む第2の付加領域の幅を算出し、前記端子情報に基づく前記接続領域の幅が前記部品間の必要間隔より狭い場合、前記部品間の必要間隔を有するように前記第2の付加領域の幅を算出すること
を特徴とする基板設計プログラム。
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