JP2008052499A - 熱伝導率算出装置、熱伝導率算出方法および熱伝導率算出プログラム - Google Patents
熱伝導率算出装置、熱伝導率算出方法および熱伝導率算出プログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】基板の配線パターン情報を用いず、かつ、簡便な処理にて、等価熱伝導率を算出することができる熱伝導率算出装置を提供する。
【解決手段】基板の外形形状、基板を構成する層の厚み、および基板を構成する材料に関する情報と、基板上に実装される電子部品に関する情報を取得する。前記基板に実装される電子部品の近傍領域を設定し、前記部品近傍領域の等価熱伝導率を前記情報に基づいて、算出し、前記算出された等価熱伝導率を出力する。
【選択図】図1
【解決手段】基板の外形形状、基板を構成する層の厚み、および基板を構成する材料に関する情報と、基板上に実装される電子部品に関する情報を取得する。前記基板に実装される電子部品の近傍領域を設定し、前記部品近傍領域の等価熱伝導率を前記情報に基づいて、算出し、前記算出された等価熱伝導率を出力する。
【選択図】図1
Description
本発明は、コンピュータを利用した電子機器の熱評価において、プリント配線基板の等価熱伝導率を算出する熱伝導率算出装置、熱伝導率算出方法、およびプログラムに関し、特にCPUなどの高集積電子部品を実装したプリント配線基板の熱伝導率を算出するものである。
電子機器の熱評価は、コンピュータを利用して、有限体積法などのシミュレーションによって行われている。熱シミュレーションを行う際には、各部品の形状と構成材料の物性値の情報を入力する必要がある。熱シミュレーションに用いる物性値には、熱伝導率、比熱、密度などがあるが、一般的に広く実施されている定常シミュレーションで必要な物性値は熱伝導率だけであり、熱伝導率は熱シミュレーションにおいて最も重要性の高い物性値である。
電子機器の内部に実装されるプリント配線基板(PCB: Print Circuit Board)は、多層配線基板が使用され、多層配線基板は配線パターン層、絶縁層などが厚み方向に構成される。配線パターン層は、銅などの導体の配線パターンがガラエポ(エポキシ樹脂にガラス不織布を織り込んで積層プレスして作られた材料)などの絶縁材料の中に平面的な構造を構成している。
電子機器の内部に実装されるプリント配線基板(PCB: Print Circuit Board)は、多層配線基板が使用され、多層配線基板は配線パターン層、絶縁層などが厚み方向に構成される。配線パターン層は、銅などの導体の配線パターンがガラエポ(エポキシ樹脂にガラス不織布を織り込んで積層プレスして作られた材料)などの絶縁材料の中に平面的な構造を構成している。
銅の熱伝導率は400W/m/K程度と非常に高いのに対し、ガラエポの熱伝導率は組成によって若干異なるが0.4W/m/K以下であって、1000倍以上の違いがある。このため、量的にはプリント配線基板のほとんどは絶縁材料から構成されているが、プリント配線基板の熱伝導率を算出する場合、配線パターンの存在を無視するわけにはいかない。熱シミュレーション対象物である電子機器は、一辺の長さが100mm〜500mmオーダの寸法であるのに対し、プリント配線基板の各層厚みや配線パターンの幅などは0.01〜0.1mmオーダで、寸法的に4桁〜5桁程度の差があるため全ての配線パターンをそのままの形状で再現してシミュレーションを行うことはデータ量の膨大さから実用上不可能である。したがって、プリント配線基板を簡略化した解析モデルに置き換えるために、プリント配線基板の等価熱伝導率を求める必要がある。
等価熱伝導率を求める第1の従来技術として、プリント配線基板を複数の小領域群に分割し、それぞれ分割された小領域の配線層における配線面積、および配線層および絶縁層の厚みからプリント配線基板の面内方向および面内垂直方向(以下面直方向という)の等価熱伝導率を求めて熱的評価を行う熱伝導率算出方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1によれば、面内方向の熱伝導率λpは、次式によって算出される。
λp=A+B
ここに、
A=Σ(αi(λAPi+λB(1−Pi))) :Σは配線層のみの総和を表す。
B=Σ(αiλB) :Σは絶縁層のみの総和を表す。
λA:配線材料の熱伝導率(W/mk)
λB:絶縁体材料の熱伝導率(W/mk)
αi:i層目の材料の厚みが基板全厚に占める割合で、Σαi=1
Pi:配線層の配線部分面積比
特許文献1によれば、面内方向の熱伝導率λpは、次式によって算出される。
λp=A+B
ここに、
A=Σ(αi(λAPi+λB(1−Pi))) :Σは配線層のみの総和を表す。
B=Σ(αiλB) :Σは絶縁層のみの総和を表す。
λA:配線材料の熱伝導率(W/mk)
λB:絶縁体材料の熱伝導率(W/mk)
αi:i層目の材料の厚みが基板全厚に占める割合で、Σαi=1
Pi:配線層の配線部分面積比
また、面直交方向の熱伝導率λtは、次式によって算出される。
λt=1/(C+D)
ここに、
C=Σ(αi/(λAPi+λB(1−Pi))) :Σは配線層のみの総和を表す。
D=Σ(αi/λB) :Σは絶縁層のみの総和を表す。
λA:配線材料の熱伝導率(W/mk)
λB:絶縁体材料の熱伝導率(W/mk)
αi:i層目の材料の厚みが基板全厚に占める割合で、Σαi=1
Pi:配線層の配線部分面積比
λt=1/(C+D)
ここに、
C=Σ(αi/(λAPi+λB(1−Pi))) :Σは配線層のみの総和を表す。
D=Σ(αi/λB) :Σは絶縁層のみの総和を表す。
λA:配線材料の熱伝導率(W/mk)
λB:絶縁体材料の熱伝導率(W/mk)
αi:i層目の材料の厚みが基板全厚に占める割合で、Σαi=1
Pi:配線層の配線部分面積比
この第1の技術では、配線パターンの向きが偏っている場合、例えば、小領域に分割した配線パターンが一方向のみに揃っている場合、配線パターンの向きと同じ方向の熱伝導率が高いにも係わらず、どの方向も同一の熱伝導率であるとして算出される。このためプリント配線基板面内での配線パターンの向きに異方性つまり偏りがある場合、面内方向の熱伝導率を正確に表わすことができないという問題がある。
第2の従来技術は、この問題を解決することができる熱伝導率算出方法を開示している。この熱伝導率算出方法は、プリント配線基板を複数の小領域群に分割し、分割された小領域毎に配線パターンの方向性を判別し、パターンに分類分けする。さらに、小領域の配線層毎の配線面積比を算出し、算出した配線面積比と分類したパターンとに基づいて、パターン毎に定められている算出式を用いて、配線パターンの異方性を考慮した等価熱伝導率を算出するものである(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−180395号公報
特開2004−227337号公報
第2の従来技術は、この問題を解決することができる熱伝導率算出方法を開示している。この熱伝導率算出方法は、プリント配線基板を複数の小領域群に分割し、分割された小領域毎に配線パターンの方向性を判別し、パターンに分類分けする。さらに、小領域の配線層毎の配線面積比を算出し、算出した配線面積比と分類したパターンとに基づいて、パターン毎に定められている算出式を用いて、配線パターンの異方性を考慮した等価熱伝導率を算出するものである(例えば、特許文献2参照)。
例示した特許文献1および2は、プリント配線基板の配線パターン情報を利用して、プリント配線基板の平面的な位置ごとの等価熱伝導率を算出する技術である。
この方法の実施には配線パターン情報が必要であるが、電子機器の基板設計において配線パターンが決定するのは設計の後期であるので、配線パターン情報が存在する設計の後期で熱シミュレーションを行い、この設計後期段階で設計上の不具合点や改善点が見出されて、プリント配線基板上の電子部品の配置や電子部品の種類を変更するなどの設計修正を行うことになると、製品設計上の大きな時間と設計コストのロスになってしまう。
この方法の実施には配線パターン情報が必要であるが、電子機器の基板設計において配線パターンが決定するのは設計の後期であるので、配線パターン情報が存在する設計の後期で熱シミュレーションを行い、この設計後期段階で設計上の不具合点や改善点が見出されて、プリント配線基板上の電子部品の配置や電子部品の種類を変更するなどの設計修正を行うことになると、製品設計上の大きな時間と設計コストのロスになってしまう。
また従来方法では、配線パターン情報の入力処理、プリント配線基板を小領域に分割する処理、分割小領域での配線面積や配線パターン方向認識処理などのさまざまな処理が必要であった。
本発明は、上記のような課題に鑑み、プリント配線基板の配線パターン情報を用いず、かつ、簡便な処理にて、等価熱伝導率を算出することができる熱伝導率算出方法、装置、およびプログラムを提供するものである。
本発明は、上記のような課題に鑑み、プリント配線基板の配線パターン情報を用いず、かつ、簡便な処理にて、等価熱伝導率を算出することができる熱伝導率算出方法、装置、およびプログラムを提供するものである。
上記課題を解決するために、本発明によるプリント配線基板の熱伝導率算出装置は、基板の外形形状、基板を構成する層の厚み、および基板を構成する材料に関する情報と、基板上に実装される電子部品に関する情報を取得する情報取得部と、前記基板に実装される電子部品の近傍領域を設定する部品近傍領域設定部と、前記部品近傍領域の等価熱伝導率を前記情報に基づいて、算出する部品近傍領域等価熱伝導率算出部と、前記算出された等価熱伝導率を出力する出力部とを含む。これにより、基板の配線パターン情報を用いず、かつ簡便な処理にて、等価熱伝導率を算出することができる。
更に、本発明は、前記部品近傍領域に属さない非部品近傍領域を設定する非部品近傍領域設定部と、前記非部品近傍領域の一様な等価熱伝導率を算出する一様等価熱伝導率算出部と、を含む熱伝導率算出装置である。
また本発明は、部品近傍領域等価熱伝導率算出部と前記一様等価熱伝導率算出部は、各々異なる計算式で等価熱伝導率を算出し、それによって、基板全体の熱伝導率を算出するものである。
また本発明において、前記部品近傍領域は、電子部品の寸法、電子部品の消費電力、電子部品の端子数または電子部品の端子間隔の関数により設定するとよい。
また本発明の前記部品近傍等価熱伝導率算出部は、前記部品近傍領域に電子部品を中心とする予め準備された配線パターンを仮定して等価熱伝導率を算出するとよい。ここで、前記予め準備された配線パターンは、基板面内方向に電子部品を中心とする略放射状の配線パターン、基板面内方向に電子部品の外形輪郭線から略直交外方向に伸びた配線パターンまたは電子部品の底面から基板の厚み方向に伸びた配線パターンであるとよい。
また本発明は、部品近傍領域等価熱伝導率算出部と前記一様等価熱伝導率算出部は、各々異なる計算式で等価熱伝導率を算出し、それによって、基板全体の熱伝導率を算出するものである。
また本発明において、前記部品近傍領域は、電子部品の寸法、電子部品の消費電力、電子部品の端子数または電子部品の端子間隔の関数により設定するとよい。
また本発明の前記部品近傍等価熱伝導率算出部は、前記部品近傍領域に電子部品を中心とする予め準備された配線パターンを仮定して等価熱伝導率を算出するとよい。ここで、前記予め準備された配線パターンは、基板面内方向に電子部品を中心とする略放射状の配線パターン、基板面内方向に電子部品の外形輪郭線から略直交外方向に伸びた配線パターンまたは電子部品の底面から基板の厚み方向に伸びた配線パターンであるとよい。
また本発明は、別の観点によれば、プリント配線基板の熱伝導率算出方法であり、基板の外形形状、基板を構成する層の厚み、および基板を構成する材料に関する情報と、基板上に実装される電子部品に関する情報を取得する情報取得工程と、前記基板に実装される電子部品の近傍領域を設定する部品近傍領域設定工程と、前記部品近傍領域の等価熱伝導率を前記情報に基づいて、算出する部品近傍領域等価熱伝導率算出工程と、前記算出された等価熱伝導率を出力する出力工程とを含むものである。
更に本発明は、コンピュータに、基板の外形形状、基板を構成する層の厚み、および基板を構成する材料に関する情報と、基板上に実装される電子部品に関する情報を取得する情報取得工程と、前記基板に実装される電子部品の近傍領域を設定する部品近傍領域設定工程と、前記部品近傍領域の等価熱伝導率を前記情報に基づいて、算出する部品近傍領域等価熱伝導率算出工程と、前記算出された等価熱伝導率を出力する出力工程とを実行させるためのプリント配線基板の熱伝導率算出プログラムである。
また本発明は、上記プリント配線基板の熱伝導率算出プログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体である。
更に本発明は、コンピュータに、基板の外形形状、基板を構成する層の厚み、および基板を構成する材料に関する情報と、基板上に実装される電子部品に関する情報を取得する情報取得工程と、前記基板に実装される電子部品の近傍領域を設定する部品近傍領域設定工程と、前記部品近傍領域の等価熱伝導率を前記情報に基づいて、算出する部品近傍領域等価熱伝導率算出工程と、前記算出された等価熱伝導率を出力する出力工程とを実行させるためのプリント配線基板の熱伝導率算出プログラムである。
また本発明は、上記プリント配線基板の熱伝導率算出プログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体である。
本発明によれば、プリント配線基板の等価熱伝導率の算出に配線パターンの情報を必要としないので、配線パターンが未設計であり、設計変更の容易な設計初期段階に、プリント配線基板の等価熱伝導率を算出して熱シミュレーションを実施し、配線パターンの設計期間の短縮、設計コストの削減を実現することができる。ここで基板設計は、最初に製品の機能仕様決定がされ、次に製品全体の寸法決定、プリント配線基板の寸法決定、仕様する部品決定、プリント配線基板上の部品配置決定が順次行なわれ、設計後期でプリント配線基板の配線パターン決定が行なわれる。
また本発明によれば、配線パターン情報の入力処理、プリント配線基板の小領域に分割する処理、分割小領域での配線面積や配線パターン方向の認識処理など従来技術で必要であった数々の処理が不要であるので、熱シミュレーションが容易になり、シミュレーション処理時間を短縮することができる。
また本発明によれば、配線パターン情報の入力処理、プリント配線基板の小領域に分割する処理、分割小領域での配線面積や配線パターン方向の認識処理など従来技術で必要であった数々の処理が不要であるので、熱シミュレーションが容易になり、シミュレーション処理時間を短縮することができる。
図1は、本発明の実施の一形態である熱伝導率算出装置1の機能の構成を示すブロック図である。熱伝導率算出装置は、機能として、制御部10、基板構成情報入力部11、部品近傍領域設定部12、一様等価熱伝導率算出部13、部品近傍領域等価熱伝導率算出部14、出力部15を備える。またデータベースは、CAD(Computer Aided Design)情報データベースD1、材料情報データベースD2、電子部品情報データベースD3、部品近傍領域判断情報データベースD4、部品近傍領域データベースD5、および出力結果データベースD6を備える。
これら機能部分は、本発明の熱伝導率算出装置の制御部10が記憶部に格納された本発明のプログラムを読み出して実行することにより実現し、また本発明のフローチャートに従って各ステップを実行する。
これら機能部分は、本発明の熱伝導率算出装置の制御部10が記憶部に格納された本発明のプログラムを読み出して実行することにより実現し、また本発明のフローチャートに従って各ステップを実行する。
熱伝導率算出装置1は、ハードウエアとして、入力装置、制御装置、記憶装置、および出力装置を含むコンピュータによって構成される。入力装置は、たとえばキーボードあるいはマウスなどの入力機器によって構成される。制御装置は、たとえばCPU(Central Processing Unit)およびCPUに接続されるI/O(Input/Output)インターフェースによって構成される。記憶装置は、たとえばハードディスク、フレキシブルディスク、あるいはCDROM(Compact Disk Read Only Memory)によって構成される。出力装置は、たとえばCRT(Cathode Ray Tube)もしくはLCD(Liquid Crystal Display)などの表示装置、またはプリンタなどの印刷装置によって構成される。
ハードウエア構成は、これらに限られるものではなく、たとえば入力機器として、CAD装置に含まれる情報データベース、あるいは通信機能を用いた外部記憶装置から入力するものであってもよい。また出力装置として記憶装置にデータを送信する送信部であってもよい。また制御装置として、複数のCPUによる並列計算装置を用いてもよく、操作性および計算速度の優れた構成としてもよい。
更に本発明の熱伝導率算出装置は、配線パターンを設計する基板設計CADと一体的に構成するとよく、基板設計CADと、本発明の熱伝送率算出装置はデータを共有できるようにすることが好ましい。
ハードウエア構成は、これらに限られるものではなく、たとえば入力機器として、CAD装置に含まれる情報データベース、あるいは通信機能を用いた外部記憶装置から入力するものであってもよい。また出力装置として記憶装置にデータを送信する送信部であってもよい。また制御装置として、複数のCPUによる並列計算装置を用いてもよく、操作性および計算速度の優れた構成としてもよい。
更に本発明の熱伝導率算出装置は、配線パターンを設計する基板設計CADと一体的に構成するとよく、基板設計CADと、本発明の熱伝送率算出装置はデータを共有できるようにすることが好ましい。
CAD情報データベースD1は、基板構成情報入力部11によって入力されたデータ、すなわちCAD装置などを用いて設計されたプリント配線基板の外形データ、プリント配線基板のドリル穴の配置および寸法データ、プリント配線基板を構成する配線層および絶縁層各層の厚みデータ、配線層の平均的残銅率データ、プリント配線基板に実装されている電子部品の名称、位置、配置方向データならびにプリント配線基板を構成する金属、樹脂、および充填材のガラスなどの部材の熱伝導率などのデータを蓄積する。
材料情報データベースD2は、プリント配線基板を構成する、金属、樹脂および充填材のガラスなどの材料の熱伝導率のデータを蓄積する。
電子部品情報データベースD3は、基板設計に使用する各種電子部品の、名称、形状寸法、端子数、端子寸法情報(端子の幅・厚み・間隔・長さなど)、代表的消費電力のデータを蓄積する。
材料情報データベースD2は、プリント配線基板を構成する、金属、樹脂および充填材のガラスなどの材料の熱伝導率のデータを蓄積する。
電子部品情報データベースD3は、基板設計に使用する各種電子部品の、名称、形状寸法、端子数、端子寸法情報(端子の幅・厚み・間隔・長さなど)、代表的消費電力のデータを蓄積する。
部品近傍領域判断情報データベースD4は、部品近傍領域を決定する際に使用する、電子部品近傍の基板内に仮定する仮定配線パターン、仮定配線パターンの寸法決定に使用する関数式のパラメータ、プリント配線基板の標準残銅率のデータを蓄積する。
部品近傍領域データベースD5は、部品近傍領域設定部12で設定したおのおのの部品近傍領域の形状データを蓄積する。
出力情報データベースD6は、一様等価熱伝導率算出部13および部品近傍領域等価熱伝導率算出部14で算出したプリント配線基板の等価熱伝導率のデータを蓄積する。
データベースD1〜D6に蓄積されるこれらデータは、配線パターンの設計前に得ることができる情報であり、これらデータが取得される。
部品近傍領域データベースD5は、部品近傍領域設定部12で設定したおのおのの部品近傍領域の形状データを蓄積する。
出力情報データベースD6は、一様等価熱伝導率算出部13および部品近傍領域等価熱伝導率算出部14で算出したプリント配線基板の等価熱伝導率のデータを蓄積する。
データベースD1〜D6に蓄積されるこれらデータは、配線パターンの設計前に得ることができる情報であり、これらデータが取得される。
制御部10は、基板構成情報入力部11、部品近傍領域設定部12、一様等価熱伝導率算出部13、部品近傍領域等価熱伝導率算出部14、出力部15、CAD情報データベースD1、材料情報データベースD2、電子部品情報データベースD3、部品近傍領域判断情報データベースD4、部品近傍領域データベースD5、および出力結果データベースD6を制御し、これらの間のデータの受け渡しおよびデータの処理を行う。
基板構成情報入力部11は、電子機器に組込まれるプリント配線基板の外形、プリント配線基板のドリル穴などの配置および寸法、プリント配線基板を構成する配線層および絶縁層各層の厚みを入力する。本発明においては、基板設計の後期で得られる配線層の具体的な配線パターンの情報は入力しない。配線層の平均的な残銅率(=配線パターン総面積/基板面積)は入力してもしなくてもよく、入力された場合には入力値を保持し、入力されなかった場合には部品近傍領域判断情報データベースD4に予め保存されている当該製品および仕様の標準残銅率値が用いられる。部品近傍領域判断情報データベースD4に予め保存されている標準残銅率値は唯一であってもよく、保存されている複数の値が提示され使用者が一つを選択するのでもよく、あるいは保存されている複数の値からプリント配線基板の配線層数に応じて適正と判断される値が自動的に選択されるのでもよい。
更に基板構成情報入力部11は、プリント配線基板に実装されている電子部品それぞれの名称、位置、配置方向を入力する。また電子部品の寸法、消費電力、端子数、端子間隔などの情報を入力する。更に、基板構成情報入力部11は、配線パターンを構成する金属、絶縁材、もしあれば表面コート材などプリント配線基板を構成するその他の材料の熱伝導率を入力する。
更に基板構成情報入力部11は、プリント配線基板に実装されている電子部品それぞれの名称、位置、配置方向を入力する。また電子部品の寸法、消費電力、端子数、端子間隔などの情報を入力する。更に、基板構成情報入力部11は、配線パターンを構成する金属、絶縁材、もしあれば表面コート材などプリント配線基板を構成するその他の材料の熱伝導率を入力する。
部品近傍領域設定部12は、CAD情報データベースD1、電子部品情報データベースD3、および、部品近傍領域判断情報データベースD4の情報を参照して、各々の基板近傍領域の形状を決定しその情報を、部品近傍領域データベースD5に蓄積する。ここで、部品近傍領域は、電子部品の寸法、消費電力、端子数、端子間隔、またはプリント配線基板の熱伝導率に応じて設定される。従って、電子部品の寸法が大きく、消費電力が大きく、端子数が多く、端子間隔が小さい部品、またはプリント配線基板の熱伝導率が小さい場合は、部品近傍領域を大きく設定する。要するに、部品発熱の影響が顕著に及ぶ範囲、あるいは熱伝導率を算出すべき領域を設定する。
一様等価熱伝導率算出部13は、CAD情報データベースD1内のプリント配線基板の形状および材料の熱伝導率情報と、部品近傍領域判断情報データベースD4内の標準残銅率情報を参照し、いずれの部品近傍領域にも含まれない基板部分の等価熱伝導率を算出する。あるいは逆に、部品近傍領域設定部12によって決定されなかった領域を非部品近傍領域として設定してもよい。若しくは部品発熱の影響が顕著に及ばない範囲を設定する。
部品近傍領域等価熱伝導率算出部14は、CAD情報データベースD1内のプリント配線基板の形状および材料の熱伝導率情報と、電子部品情報データベースD3内の情報と、部品近傍領域判断情報データベースD4内の情報を参照して、後述する手順で基板近傍領域各々の等価熱伝導率を算出する。
出力部15は、一様等価熱伝導率算出部13、または部品近傍領域等価熱伝導率算出部14で算出された等価熱伝導率を出力する。
部品近傍領域等価熱伝導率算出部14は、CAD情報データベースD1内のプリント配線基板の形状および材料の熱伝導率情報と、電子部品情報データベースD3内の情報と、部品近傍領域判断情報データベースD4内の情報を参照して、後述する手順で基板近傍領域各々の等価熱伝導率を算出する。
出力部15は、一様等価熱伝導率算出部13、または部品近傍領域等価熱伝導率算出部14で算出された等価熱伝導率を出力する。
図2は、本発明の実施の他の形態である熱伝導率算出方法の処理工程を示すフローチャートである。このフローチャートは、制御部と本発明のプログラムにより実行され、図1に示した熱伝導率算出装置1が処理する処理工程を示す。
熱伝導率算出装置1の入力装置からプリント配線基板の熱伝導率の算出が指示されると、ステップS1に移る。ステップS1では、プリント配線基板の形状データ、および配線形状データ、例えば、プリント配線基板を構成する配線層の厚みの情報を取得する。具体的には、電子機器に組込まれるプリント配線基板の外形、プリント配線基板のドリル穴などの配置および寸法、プリント配線基板を構成する配線層および絶縁層各層の厚みの情報と、熱伝導率情報を取得する。また、電子部品の寸法、電子部品の消費電力、電子部品の端子数または電子部品の端子間隔のような部品情報を取得する。これら情報の中、プリント基板の熱伝導率を算出するために、基板の外形、厚み、熱伝導率、部品情報は必須である。
これらの情報は、プリント配線基板が基板設計CAD装置によって設計されていて、その設計情報がCAD情報データベースD1に蓄積されている場合には、CAD情報データベースD1から取得することができる。CAD情報データベースD1に蓄積されていない場合は、熱伝導率算出装置1を基板設計CAD装置に接続し、基板設計CAD装置から直接取得してもよいし、熱流体解析を行うためのCAE(Computer Aided Engineering)装置のプリプロセッサに接続し、そのプリプロセッサから直接取得してもよい。あるいは入力装置から直接入力させて取得してもよい。
これらの情報は、プリント配線基板が基板設計CAD装置によって設計されていて、その設計情報がCAD情報データベースD1に蓄積されている場合には、CAD情報データベースD1から取得することができる。CAD情報データベースD1に蓄積されていない場合は、熱伝導率算出装置1を基板設計CAD装置に接続し、基板設計CAD装置から直接取得してもよいし、熱流体解析を行うためのCAE(Computer Aided Engineering)装置のプリプロセッサに接続し、そのプリプロセッサから直接取得してもよい。あるいは入力装置から直接入力させて取得してもよい。
ステップS2では、プリント配線基板の各電子部品近傍の領域に、部品近傍領域を作成する。図3はプリント配線基板30の一部での電子部品31と配線層32の配線パターンを示した模式図である。点線33として仮想的に示した電子部品31に近い部分では、配線パターンは電子部品31を中心に平行パターンが上下左右など略放射状に伸びていることがほとんどである。よって部品近傍領域判断情報データベースD4に蓄積されている図4に示したような近傍領域雛形パターン34の配線が電子部品の近傍にあると仮定し、図5のように部品近傍領域37を作成する。近傍領域雛形パターンとしては、図6に点線35で示したような放射状パターンであってもよいし、図7に点線38で示したような平行パターンと放射状パターンの混合パターンであってもよい。
あるいは、多層配線基板の場合は、図8に平面図、図9に断面図を示すように、電子部品31の直下のプリント配線基板厚み方向へ伸びる配線パターン43が、表側配線層40および絶縁層39を貫通して、多層基板の中間に存在していてグランド層41と呼ばれる配線層に接続するように、電子部品31から並行に多数伸びている場合も多い。よって、近傍領域雛形パターンは図8、図9の配線パターンを仮定したものであってもよい。
パターン34〜38の大きさを決定する部品近傍領域長36は、使用者が入力してもよい。または、部品近傍領域判断情報データベースD4に蓄積されている一定値を使用してもよい。
あるいは寸法の大きな電子部品ほど影響範囲が大きいとの考えのもとに、たとえば電子部品の最大辺の10%など電子部品の寸法の関数を使用してもよい。
あるいは消費電力の大きな電子部品ほど影響範囲が大きいとの考えのもとに、たとえば電子部品の消費電力が0.1Wなら2mm、消費電力が0.3Wなら4mm、などの電子部品の消費電力の関数を使用してもよい。
あるいは端子数の大きな電子部品ほど一般に消費電力が多く影響範囲が大きいとの考えのもとに、たとえば電子部品の端子数が50ピンなら2mm、100ピンなら4mm、などの電子部品の端子数の関数を使用してもよい。
あるいは端子間隔の小さな電子部品ほど高集積であるため影響範囲が大きいとの考えのもとに、たとえば電子部品の端子間隔が0.5mmなら2mm、0.3mmなら4mm、などの電子部品の端子間隔の関数を使用してもよい。
あるいは上記の関数の2つ以上の組み合わせで、たとえば、使用者の入力値に電子部品の消費電力が0.1Wなら1、消費電力が0.3Wなら2を掛けた値などを使用してもよい。
また、たとえば電子部品の消費電力がある閾値以下である場合に、部品近傍領域長36がゼロであるとして、部品近傍領域37が作成されない電子部品があってもよい。
あるいは寸法の大きな電子部品ほど影響範囲が大きいとの考えのもとに、たとえば電子部品の最大辺の10%など電子部品の寸法の関数を使用してもよい。
あるいは消費電力の大きな電子部品ほど影響範囲が大きいとの考えのもとに、たとえば電子部品の消費電力が0.1Wなら2mm、消費電力が0.3Wなら4mm、などの電子部品の消費電力の関数を使用してもよい。
あるいは端子数の大きな電子部品ほど一般に消費電力が多く影響範囲が大きいとの考えのもとに、たとえば電子部品の端子数が50ピンなら2mm、100ピンなら4mm、などの電子部品の端子数の関数を使用してもよい。
あるいは端子間隔の小さな電子部品ほど高集積であるため影響範囲が大きいとの考えのもとに、たとえば電子部品の端子間隔が0.5mmなら2mm、0.3mmなら4mm、などの電子部品の端子間隔の関数を使用してもよい。
あるいは上記の関数の2つ以上の組み合わせで、たとえば、使用者の入力値に電子部品の消費電力が0.1Wなら1、消費電力が0.3Wなら2を掛けた値などを使用してもよい。
また、たとえば電子部品の消費電力がある閾値以下である場合に、部品近傍領域長36がゼロであるとして、部品近傍領域37が作成されない電子部品があってもよい。
ステップS3は、いずれの部品近傍領域にも含まれない基板部分の熱伝導率を算出する。そのためステップS3−1では、いずれの部品近傍領域にも含まれない基板部分を小領域に分割する。分割法は有限要素法等のコンピュータシミュレーションで要求される要素分割法または異なる任意の分割法を用いる。ステップS3−2では、小領域毎の各電極パターン層における配線部分面積比を算出する。ステップS3−3では、各小領域に対して、積層材と見なしたプリント配線基板の面内方向等価熱伝導率算出式を用いて等価熱伝導率λpを算出する。
面内方向の熱伝導率λpは、次式によって算出される。
λp=A+B
ここに、
A=Σ(αi(λAPi+λB(1−Pi))) :Σは配線層のみの総和を表す。
B=Σ(αiλB) :Σは絶縁層のみの総和を表す。
λA:配線材料の熱伝導率(W/mk)
λB:絶縁体材料の熱伝導率(W/mk)
αi:i層目の材料の厚みが基板全厚に占める割合で、Σαi=1
Pi:配線層の配線部分面積比(または残銅率)
以上のステップにより、場所ごとの基板面内方向等価熱伝導率を求めることができる。
λp=A+B
ここに、
A=Σ(αi(λAPi+λB(1−Pi))) :Σは配線層のみの総和を表す。
B=Σ(αiλB) :Σは絶縁層のみの総和を表す。
λA:配線材料の熱伝導率(W/mk)
λB:絶縁体材料の熱伝導率(W/mk)
αi:i層目の材料の厚みが基板全厚に占める割合で、Σαi=1
Pi:配線層の配線部分面積比(または残銅率)
以上のステップにより、場所ごとの基板面内方向等価熱伝導率を求めることができる。
また、面直交方向の熱伝導率λtは、次式によって算出される。
λt=1/(C+D)
ここに、
C=Σ(αi/(λAPi+λB(1−Pi))) :Σは配線層のみの総和を表す。
D=Σ(αi/λB) :Σは絶縁層のみの総和を表す。
λA:配線材料の熱伝導率(W/mk)
λB:絶縁体材料の熱伝導率(W/mk)
αi:i層目の材料の厚みが基板全厚に占める割合で、Σαi=1
Pi:配線層の配線部分面積比(または残銅率)
以上のステップにより、場所ごとの基板面直交方向等価熱伝導率を求めることができる。
λt=1/(C+D)
ここに、
C=Σ(αi/(λAPi+λB(1−Pi))) :Σは配線層のみの総和を表す。
D=Σ(αi/λB) :Σは絶縁層のみの総和を表す。
λA:配線材料の熱伝導率(W/mk)
λB:絶縁体材料の熱伝導率(W/mk)
αi:i層目の材料の厚みが基板全厚に占める割合で、Σαi=1
Pi:配線層の配線部分面積比(または残銅率)
以上のステップにより、場所ごとの基板面直交方向等価熱伝導率を求めることができる。
ステップS4では、各部品近傍領域のプリント配線基板の等価熱伝導率を算出する。そのためステップS4−1では、プリント配線基板を小領域群に分割する。分割する方法は任意である。例えば、有限要素法などによるコンピュータシミュレーションを行うときに採用されている要素分割の手法を用いて小領域郡に分割してもよい。プリント配線基板の主要搭載部品の各投影領域と、その他の領域に分割するようにしてもよい。ここでは、簡単化のため四角形の小領域に分割することとする。
ステップS4−2では、ステップS4−1で分割したそれぞれの小領域に存在する配線層を抽出し、それぞれの配線層の配線の向きから、抽出された配線層を配線方向に分類する。例えば、プリント配線基板が四角形の小領域に分割されている場合、四角形の2つの直交する辺方向をXY軸とするXY直交座標系を定める。その場合に、配線方向がX軸と平行方向であって、X軸方向への熱の流れが大きい配線層を「P1」と分類する。また、配線方向がY軸と平行方向であって、Y軸方向の熱の流れが大きい配線層を「P2」と分類する。また、「P1」、「P2」のいずれにも属さず、配線の向きがX軸、Y軸方向のいずれかに向いているとは判断できず、熱の流れがX軸、Y軸方向のどちらか一方とは判断できない場合を「P3」と分類する。
この分類は、後述するステップS4−4で配線層の熱伝導率を算出する際に用いられる。
この分類は、後述するステップS4−4で配線層の熱伝導率を算出する際に用いられる。
ステップS4−3では、小領域の配線層毎の配線面積比を算出する。ここでいう配線面積比とは、任意の小領域iの配線層jの域内で、配線を形成する金属材料(配線部分)が占める面積の割合である。ステップS4−2の説明ように配線が「存在する」/「存在しない」のいずれであるかの情報が画素情報のなかに含まれている場合は、配線面積比は全ての画素から配線が存在する画素の画素数をカウントすることにより求めることができる。
ステップS4−4ではステップS4−2で求めた分類「P1」〜「P3」と、ステップS4−3で求めた配線面積比とに基づいて、小領域iの配線層j毎の面内方向(XY方向)、及び面直交方向(Z方向)の熱伝導率を算出する。
ここで、面内方向の熱伝導率の算出に用いる式は、ステップS4−2で求めた配線向きにより異なる。分類が「P1」の場合の、j層目の配線層のX方向の等価熱伝導率λjx、及びZ方向の等価熱伝導率λjzは、
λjx=λjz=PjλA+(1−Pj)λB
Y方向の等価熱伝導率λjyは、
λjy=λAλB/(PjλA+(1−Pj)λB)
と現わすことができる。
ここで、面内方向の熱伝導率の算出に用いる式は、ステップS4−2で求めた配線向きにより異なる。分類が「P1」の場合の、j層目の配線層のX方向の等価熱伝導率λjx、及びZ方向の等価熱伝導率λjzは、
λjx=λjz=PjλA+(1−Pj)λB
Y方向の等価熱伝導率λjyは、
λjy=λAλB/(PjλA+(1−Pj)λB)
と現わすことができる。
また、分類が「P2」の場合の、j層目の配線層のX方向の等価熱伝導率λjxは、
λjx=λAλB/(PjλA+(1−Pj)λB)
Y方向の等価熱伝導率λjy、Z方向の等価熱伝導率λjzは、
λjy=λjz=PjλA+(1−Pj)Λb
と現わすことができる。
λjx=λAλB/(PjλA+(1−Pj)λB)
Y方向の等価熱伝導率λjy、Z方向の等価熱伝導率λjzは、
λjy=λjz=PjλA+(1−Pj)Λb
と現わすことができる。
また、分類が「P3」の場合の、j層目の配線層のX方向の等価熱伝導率λjx、Y方向の等価熱伝導率λjy、Z方向の等価熱伝導率λjzは、
λjx=λjy=λjz=PjλA+(1−Pj)λB
λA:配線層を構成する配線部分の金属材料の熱伝導率[W/mk]
λB:配線層を構成する非配線部分の絶縁体材料の熱伝導率[W/mk]
Pj:配線層の配線部分面積比(または残銅率)
の式を用いて算出することができる。
λjx=λjy=λjz=PjλA+(1−Pj)λB
λA:配線層を構成する配線部分の金属材料の熱伝導率[W/mk]
λB:配線層を構成する非配線部分の絶縁体材料の熱伝導率[W/mk]
Pj:配線層の配線部分面積比(または残銅率)
の式を用いて算出することができる。
ステップS4−5では、上記ステップS4−4で求めた、小領域iの配線層j毎のXYZ軸方向の等価熱伝導率と絶縁層の熱伝導率とから、小領域iのXYZ軸方向等価熱伝導率を算出する。
ここで、X軸方向の等価熱伝導率λxは、
λx=A+B
A=Σαjλjx(Σは配線層のみの総和)
B=ΣαjλB (Σは絶縁層のみの総和)
Y軸方向の等価熱伝導率λyは、
λy=C+B
C=Σαjλjy(Σは配線層のみの総和)
B=ΣαjλB (Σは絶縁層のみの総和)
Z軸方向の等価熱伝導率λzは、
λz=1/(D+E)
D=Σαjλjz(Σは配線層のみの総和)
E=ΣαjλB (Σは絶縁層のみの総和)
λjx、λjy、λjz:ステップS4−4で求めた配線層のj層目のX、Y、Z軸方向の熱伝導率[W/mk]
λB:絶縁層j層目を構成する樹脂材料の熱伝導率[W/mk]
αj:J層目の材料の厚みが基板全厚に占める割合(Σαj=1)
となる。
ここで、X軸方向の等価熱伝導率λxは、
λx=A+B
A=Σαjλjx(Σは配線層のみの総和)
B=ΣαjλB (Σは絶縁層のみの総和)
Y軸方向の等価熱伝導率λyは、
λy=C+B
C=Σαjλjy(Σは配線層のみの総和)
B=ΣαjλB (Σは絶縁層のみの総和)
Z軸方向の等価熱伝導率λzは、
λz=1/(D+E)
D=Σαjλjz(Σは配線層のみの総和)
E=ΣαjλB (Σは絶縁層のみの総和)
λjx、λjy、λjz:ステップS4−4で求めた配線層のj層目のX、Y、Z軸方向の熱伝導率[W/mk]
λB:絶縁層j層目を構成する樹脂材料の熱伝導率[W/mk]
αj:J層目の材料の厚みが基板全厚に占める割合(Σαj=1)
となる。
そして、ステップS4―2〜ステップS4−5の処理を繰り返してすべての小領域iの等価熱伝導率を算出する。このようにして得られた各小領域の熱伝導率を重ね合わせるようにして基板全体の等価熱伝導率を算出する。
なお、熱伝導率の算出結果は、表示装置に表示したり、プリンタで印刷したりするとともに、出力結果データベースD6に蓄積され、いつでも利用できるようにする。
このようにS4−1〜S4−5の各ステップを図2に示したフローチャートにしたがって順次実行することにより、プリント配線基板の等価熱伝導率の算出を行うことができる。
このようにS4−1〜S4−5の各ステップを図2に示したフローチャートにしたがって順次実行することにより、プリント配線基板の等価熱伝導率の算出を行うことができる。
ステップS5では、ステップS3およびステップS4で算出された等価熱伝導率を出力して、終了する。ステップS5で出力される熱伝導率は、出力する際に出力結果データベースD6にも蓄積される。
このようにして算出された熱伝導率が設計上不具合である箇所や改善箇所が見出されたら、そのような箇所は問題がないように、プリント配線基板上の電子部品の配置又は電子部品の種類を変更するなど設計変更される。
このようにして算出された熱伝導率が設計上不具合である箇所や改善箇所が見出されたら、そのような箇所は問題がないように、プリント配線基板上の電子部品の配置又は電子部品の種類を変更するなど設計変更される。
このように、本発明による熱伝導率算出装置1によれば、プリント配線基板の等価熱伝導率の算出に配線パターンの情報を必要としないので、配線パターンが未設計であるが設計変更の容易な設計初期段階に、プリント配線基板の等価熱伝導率を算出して熱シミュレーションを実施することができ、より正確な電子機器の熱評価を行うことができるので、設計期間の短縮、設計コストの削減を実現することができる。
10 制御部
11 基板構成情報入力部
12 部品近傍領域設定部
13 一様等価熱伝導率算出部
14 部品近傍領域等価熱伝導率算出部
15 出力部
30 プリント配線基板
31 電子部品
32 配線
33 電子部品に近い部分
34 近傍領域雛形パターン
35 近傍領域雛形パターン
36 部品近傍領域長
37 部品近傍領域
38 近傍領域雛形パターン
11 基板構成情報入力部
12 部品近傍領域設定部
13 一様等価熱伝導率算出部
14 部品近傍領域等価熱伝導率算出部
15 出力部
30 プリント配線基板
31 電子部品
32 配線
33 電子部品に近い部分
34 近傍領域雛形パターン
35 近傍領域雛形パターン
36 部品近傍領域長
37 部品近傍領域
38 近傍領域雛形パターン
Claims (9)
- 基板の外形形状、基板を構成する層の厚み、および基板を構成する材料に関する情報と、基板上に実装される電子部品に関する情報を取得する情報取得部と、
前記基板に実装される電子部品の近傍領域を設定する部品近傍領域設定部と、
前記部品近傍領域の等価熱伝導率を前記情報に基づいて、算出する部品近傍領域等価熱伝導率算出部と、
前記算出された等価熱伝導率を出力する出力部と
を含むことを特徴とするプリント配線基板の熱伝導率算出装置。 - 更に、前記部品近傍領域に属さない非部品近傍領域を設定する非部品近傍領域設定部と、
前記非部品近傍領域の一様な等価熱伝導率を前記情報に基づいて、算出する一様等価熱伝導率算出部と
を含むことを特徴とする請求項1に記載のプリント配線基板の熱伝導率算出装置。 - 前記部品近傍領域等価熱伝導率算出部と前記一様等価熱伝導率算出部は、各々異なる計算式で等価熱伝導率を算出し、それによって、基板全体の熱伝導率を算出することを特徴とする請求項1または2に記載のプリント配線基板の熱伝導率算出装置。
- 前記部品近傍領域は、電子部品の寸法、電子部品の消費電力、電子部品の端子数または電子部品の端子間隔の関数により設定されることを特徴とする請求項1に記載のプリント配線基板の熱伝導率算出装置。
- 前記部品近傍等価熱伝導率算出部は、前記部品近傍領域に、電子部品を中心とする予め準備された配線パターンを仮定して等価熱伝導率を算出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプリント配線基板の熱伝導率算出装置。
- 前記予め準備された配線パターンは、基板面内方向に電子部品を中心とする略放射状の配線パターン、基板面内方向に電子部品の外形輪郭線から略直交外方向に伸びた配線パターンまたは電子部品の底面から基板の厚み方向に伸びた配線パターンであることを特徴とする請求項5に記載のプリント配線基板の熱伝導率算出装置。
- 基板の外形形状、基板を構成する層の厚み、および基板を構成する材料に関する情報と、基板上に実装される電子部品に関する情報を取得する情報取得工程と、
前記基板に実装される電子部品の近傍領域を設定する部品近傍領域設定工程と、
前記部品近傍領域の等価熱伝導率を前記情報に基づいて、算出する部品近傍領域等価熱伝導率算出工程と、
前記算出された等価熱伝導率を出力する出力工程と
を含むことを特徴とするプリント配線基板の熱伝導率算出方法。 - コンピュータに、
基板の外形形状、基板を構成する層の厚み、および基板を構成する材料に関する情報と、基板上に実装される電子部品に関する情報を取得する情報取得工程と、
前記基板に実装される電子部品の近傍領域を設定する部品近傍領域設定工程と、
前記部品近傍領域の等価熱伝導率を前記情報に基づいて、算出する部品近傍領域等価熱伝導率算出工程と、
前記算出された等価熱伝導率を出力する出力工程と
を実行させるためのプリント配線基板の熱伝導率算出プログラム。 - 請求項8に記載のプリント配線基板の熱伝導率算出プログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006227921A JP2008052499A (ja) | 2006-08-24 | 2006-08-24 | 熱伝導率算出装置、熱伝導率算出方法および熱伝導率算出プログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006227921A JP2008052499A (ja) | 2006-08-24 | 2006-08-24 | 熱伝導率算出装置、熱伝導率算出方法および熱伝導率算出プログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2008052499A true JP2008052499A (ja) | 2008-03-06 |
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ID=39236502
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2008052499A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012141920A (ja) * | 2011-01-06 | 2012-07-26 | Fujitsu Ltd | 回路設計支援プログラム、回路設計支援方法および回路設計支援装置 |
CN117236144A (zh) * | 2023-11-15 | 2023-12-15 | 中国空气动力研究与发展中心计算空气动力研究所 | 基于安装型面的正交各向异性防热材料导热主轴确定方法 |
-
2006
- 2006-08-24 JP JP2006227921A patent/JP2008052499A/ja active Pending
Cited By (3)
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JP2012141920A (ja) * | 2011-01-06 | 2012-07-26 | Fujitsu Ltd | 回路設計支援プログラム、回路設計支援方法および回路設計支援装置 |
CN117236144A (zh) * | 2023-11-15 | 2023-12-15 | 中国空气动力研究与发展中心计算空气动力研究所 | 基于安装型面的正交各向异性防热材料导热主轴确定方法 |
CN117236144B (zh) * | 2023-11-15 | 2024-01-26 | 中国空气动力研究与发展中心计算空气动力研究所 | 基于安装型面的正交各向异性防热材料导热主轴确定方法 |
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