JP2008282214A - プリント基板設計装置、プリント基板設計方法、及びプリント基板設計プログラム - Google Patents

プリント基板設計装置、プリント基板設計方法、及びプリント基板設計プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】プリント基板上に各部品を適正な間隔で配置することができるプリント基板設計装置、プリント基板設計方法、及びプリント基板設計プログラムを得る。
【解決手段】プリント基板上に配置済の部品に隣接する位置に隣接部品を配置するとき、演算処理部24が、配置済の部品の高さ(A)及び隣接部品の高さ(B)に基づいて、高さの最大差分(A−B)を演算し、この高さの最大差分とデータテーブルを照合して、配置済の部品と隣接部品の配置間隔を決定する。続いて、配置可能領域決定部28が、この配置間隔に基づいて配置可能領域を決定する。続いて、配置判別部29が、隣接部品の配置の可否を判別する。このように、配置済の部品と隣接部品の位置情報だけでなく、高さの違いによる規制条件も含めて各部品の配置が決定されるので、プリント基板上に各部品を適正な間隔で配置することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、プリント基板における部品の配置を決定するプリント基板設計装置、プリント基板設計方法、及びプリント基板設計プログラムに関する。
プリント基板における部品(電子部品、コネクタ等)の配置設計を効率良く行うとともに、部品の配置を高密度化するため、CAD(Computer Aided Design)によるプリント基板設計装置が用いられている。
プリント基板設計装置において、部品の配置設計を行うときには、予め他の回路設計装置で作成された回路図データから部品情報(部品の大きさ、形状、種類等)及びネットリスト(結線情報)を読み込み、これらに基づいて部品を配置してから配線を行う。
ここで、プリント基板設計装置の一例として、既に配置された部品及びこれから配置する部品の大きさと配置座標に基づいて配置制限距離を算出して、この配置制限距離に基づく制限領域内に部品を配置するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の配線基板CAD装置では、回路設計CAD装置によって作成された回路図において、既に配置された部品及びこれから配置する部品の縦、横の寸法と、X、Y座標とを用いて、両者が回路図上においてどれだけの距離を隔てて配置されているかを算出する。
そして、算出された回路記号間の距離が、基板上ではどれだけの距離になるかを算出して配置制限距離とし、これから基板上に配置する部品をこの配置制限距離内となるように配置する。
特開平7−168865号公報
しかし、特許文献1の配線基板CAD装置は、各部品の配置方向、又はX、Y座標からなる位置情報といった平面の情報のみに基づいてプリント基板の回路パターンを設計しているため、高さ方向の情報を考慮していなかった。
このため、例えば、高さが高い部品と低い部品が近接することがあり、マウンタで部品を搭載するときに、ノズルと高さが高い部品が干渉するといった不具合が発生していた。
本発明は、プリント基板上に各部品を適正な間隔で配置することができるプリント基板設計装置、プリント基板設計方法、及びプリント基板設計プログラムを得ることを目的とする。
本発明の請求項1に係るプリント基板設計装置は、プリント基板における部品の配置を決定するプリント基板設計装置において、前記部品の縦長、横長、及び高さと、2つの前記部品の高さの差分に応じて前記部品の必要な配置間隔が定められたデータテーブルと、を含む部品情報が記憶された第1記憶手段と、前記プリント基板及び前記部品を表示する表示手段と、前記表示手段に表示された前記プリント基板上で前記部品を移動して配置する配置手段と、前記配置手段で配置された1又は複数の前記部品の位置情報を記憶する第2記憶手段と、前記第1記憶手段から前記部品の高さ(A)及び前記部品に隣接配置される隣接部品の高さ(B)を読み出し、高さの最大差分(A−B)を演算するとともに、前記高さの最大差分と前記データテーブルを照合して、前記部品と前記隣接部品の配置間隔を決定する演算処理手段と、前記位置情報及び前記配置間隔に基づいて、前記隣接部品の配置可能領域を決定する配置可能領域決定手段と、前記第2記憶手段から前記隣接部品の位置情報を読み出し、前記配置可能領域の内部に前記隣接部品が位置しているかを判別して、前記隣接部品の配置の可否を前記表示手段に表示させる配置判別手段と、を有することを特徴としている。
上記構成によれば、予め、部品の縦長、横長、及び高さと、2つの部品の高さの差分に応じて部品の必要な配置間隔が定められたデータテーブルと、を含む部品情報が第1記憶手段に記憶されている。
また、表示手段には、プリント基板及び複数の部品が表示されており、配置手段によって、プリント基板上に部品を移動して配置可能となっている。配置手段で配置された部品の位置情報は、第2記憶手段に記憶される。
ここで、プリント基板上に既に配置された部品に隣接する位置に、隣接部品を配置するとき、演算処理手段が、第1記憶手段から部品の高さ(A)及び隣接部品の高さ(B)を読み出し、高さの最大差分(A−B)を演算するとともに、高さの最大差分とデータテーブルを照合して、部品と隣接部品の配置間隔を決定する。
続いて、配置可能領域決定手段が、配置された部品の位置情報及び配置間隔に基づいて、隣接部品の配置可能領域を決定する。
続いて、配置判別手段が、第2記憶手段から隣接部品の位置情報を読み出し、決定された配置可能領域の内部に隣接部品が位置しているかを判別して、隣接部品の配置の可否を表示手段に表示させる。
このように、プリント基板上に部品を配置するとき、部品と隣接部品の位置情報だけでなく、高さの違いによる規制条件も含めて各部品の配置が決定される。
ここで、従来は、各部品の位置情報として平面の情報だけを用いてプリント基板の回路パターンを製作しており、例えば、マウンタで部品を搭載するときに、ノズルと部品が干渉するといった不具合が発生していた。
しかし、本発明の構成では、プリント基板設計装置において部品を配置する段階で、隣接する部品の平面情報及び高さの違いによる規制条件に基づいて、各部品の配置が決定されるので、プリント基板上に各部品を適正な間隔で配置することができる。
また、これにより、部品実装時のマウンタのノズルと部品の干渉を低減することができる。
本発明の請求項2に係るプリント基板設計装置は、前記第1記憶手段が、前記部品の種類又は形状に応じて、前記データテーブルを複数有することを特徴としている。
上記構成によれば、各部品の種類又は形状に合わせて高さの最大差分を設定できるので、各部品の細かい配置調整が可能となる。
本発明の請求項3に係るプリント基板設計装置は、前記プリント基板の表面に配置済の前記部品の位置情報を記憶する第3記憶手段と、前記第3記憶手段から前記位置情報を読み出すとともに、前記プリント基板の裏面に投影して、投影された配置済の前記部品の配置領域を、前記プリント基板の表面に配置された配置済の前記部品の種類に応じて、裏面配置可能領域と裏面配置禁止領域に区分する配置領域区分手段と、を設け、前記配置可能領域決定手段が、前記裏面配置可能領域に基づいて、プリント基板の裏面に配置される部品の配置可能領域を決定することを特徴としている。
上記構成によれば、まず、プリント基板の表面の部品の配置が行われる。
続いて、第3記憶手段が、プリント基板の表面に配置済の部品の位置情報を記憶する。
続いて、配置領域区分手段が、第3記憶手段から位置情報を読み出すとともに、プリント基板の裏面に投影して、投影された配置済の部品の配置領域を、プリント基板の表面に配置された配置済の部品の種類に応じて、裏面配置可能領域と裏面配置禁止領域に区分する。
続いて、配置可能領域決定手段が、裏面配置可能領域に基づいて、プリント基板の裏面に配置される部品の配置可能領域を決定する。
続いて、配置判別手段が、第2記憶手段から隣接部品の位置情報を読み出し、決定された配置可能領域の内部に隣接部品が位置しているかを判別して、隣接部品の配置の可否を表示手段に表示させる。
このように、プリント基板上の裏面に部品を配置するとき、表面の部品の配置に基づいて裏面の部品の配置可能領域が決定されているので、表面の部品の配置を確認しながら裏面の部品の配置を行う必要がなくなり、作業時間を短縮できる。
本発明の請求項4に係るプリント基板設計方法は、プリント基板における部品の配置を決定するプリント基板設計方法において、前記部品の縦長、横長、及び高さと、2つの前記部品の高さの差分に応じて前記部品の必要な配置間隔が定められたデータテーブルと、を含む部品情報を記憶する第1記憶工程と、前記プリント基板及び前記部品を表示する表示工程と、前記表示工程で表示された前記プリント基板上で前記部品を移動して配置する配置工程と、前記配置工程で配置された1又は複数の前記部品の位置情報を記憶する第2記憶工程と、前記部品の高さ(A)及び前記部品に隣接配置される隣接部品の高さ(B)を用いて、高さの最大差分(A−B)を演算するとともに、前記高さの最大差分と前記データテーブルを照合して、前記部品と前記隣接部品の配置間隔を決定する演算処理工程と、前記位置情報及び前記配置間隔に基づいて、前記隣接部品の配置可能領域を決定する配置可能領域決定工程と、前記隣接部品の位置情報に基づいて、前記配置可能領域の内部に前記隣接部品が位置しているかを判別して、前記隣接部品の配置の可否を表示する配置判別工程と、を有することを特徴としている。
上記構成によれば、予め、部品の縦長、横長、及び高さと、2つの部品の高さの差分に応じて部品の必要な配置間隔が定められたデータテーブルと、を含む部品情報を記憶する。また、プリント基板及び複数の部品を表示する。
続いて、プリント基板上に部品を移動して配置する。このとき、部品の位置情報を記憶する。
ここで、プリント基板上に既に配置された部品に隣接する位置に、隣接部品を配置するとき、部品の高さ(A)及び隣接部品の高さ(B)を用いて、高さの最大差分(A−B)を演算するとともに、高さの最大差分とデータテーブルを照合して、部品と隣接部品の配置間隔を決定する。
続いて、配置された部品の位置情報及び配置間隔に基づいて、隣接部品の配置可能領域を決定する。
続いて、隣接部品の位置情報に基づいて、決定された配置可能領域の内部に隣接部品が位置しているかを判別して、隣接部品の配置の可否を表示する。
このように、プリント基板上に部品を配置するとき、部品と隣接部品の位置情報だけでなく、高さの違いによる規制条件も含めて各部品の配置を決定する。
ここで、従来は、各部品の位置情報として平面の情報だけを用いてプリント基板の回路パターンを製作しており、例えば、マウンタで部品を搭載するときに、ノズルと部品が干渉するといった不具合が発生していた。
しかし、本発明の構成では、プリント基板設計装置において部品を配置する段階で、隣接する部品の平面情報及び高さの違いによる規制条件に基づいて、各部品の配置を決定するので、プリント基板上に各部品を適正な間隔で配置することができる。
また、これにより、部品実装時のマウンタのノズルと部品の干渉を低減することができる。
本発明の請求項5に係るプリント基板設計方法は、前記プリント基板の表面に配置済の前記部品の位置情報を記憶する第3記憶工程と、前記位置情報を前記プリント基板の裏面に投影して、投影された配置済の前記部品の配置領域を、前記プリント基板の表面に配置された配置済の前記部品の種類に応じて、裏面配置可能領域と裏面配置禁止領域に区分する配置領域区分工程と、を設け、前記配置可能領域決定工程において、前記裏面配置可能領域に基づいて、プリント基板の裏面に配置される部品の配置可能領域を決定することを特徴としている。
上記構成によれば、まず、プリント基板の表面の部品の配置を行う。
続いて、プリント基板の表面に配置された部品の位置情報を記憶する。
続いて、部品の位置情報をプリント基板の裏面に投影して、投影された部品の配置領域を、プリント基板の表面に配置された部品の種類に応じて、裏面配置可能領域と裏面配置禁止領域に区分する。
続いて、裏面配置可能領域に基づいて、プリント基板の裏面に配置する部品の配置可能領域を決定する。
続いて、隣接部品の位置情報を用いて、決定した配置可能領域の内部に隣接部品が位置しているかを判別して、隣接部品の配置の可否を表示手段に表示する。
このように、プリント基板上の裏面に部品を配置するとき、表面の部品の配置に基づいて裏面の部品の配置可能領域を決定するので、表面の部品の配置を確認しながら裏面の部品の配置を行う必要がなくなり、作業時間を短縮できる。
本発明の請求項6に係るプリント基板設計プログラムは、プリント基板における部品の配置を決定するプリント基板設計プログラムにおいて、前記部品の縦長、横長、及び高さと、2つの前記部品の高さの差分に応じて前記部品の必要な配置間隔が定められたデータテーブルと、を含む部品情報を記憶する第1記憶ステップと、前記プリント基板及び前記部品を表示する表示ステップと、前記表示ステップで表示された前記プリント基板上で前記部品を移動して配置する配置ステップと、前記配置ステップで配置された1又は複数の前記部品の位置情報を記憶する第2記憶ステップと、前記部品の高さ(A)及び前記部品に隣接配置される隣接部品の高さ(B)を用いて、高さの最大差分(A−B)を演算するとともに、前記高さの最大差分と前記データテーブルを照合して、前記部品と前記隣接部品の配置間隔を決定する演算処理ステップと、前記位置情報及び前記配置間隔に基づいて、前記隣接部品の配置可能領域を決定する配置可能領域決定ステップと、前記隣接部品の位置情報に基づいて、前記配置可能領域の内部に前記隣接部品が位置しているかを判別して、前記隣接部品の配置の可否を表示する配置判別ステップと、を含む処理をコンピュータに実行させることを特徴としている。
上記構成によれば、予め、部品の縦長、横長、及び高さと、2つの部品の高さの差分に応じて部品の必要な配置間隔が定められたデータテーブルと、を含む部品情報を記憶する。また、プリント基板及び複数の部品を表示する。
続いて、プリント基板上に部品を移動して配置する。このとき、部品の位置情報を記憶する。
ここで、プリント基板上に既に配置された部品に隣接する位置に、隣接部品を配置するとき、部品の高さ(A)及び隣接部品の高さ(B)を用いて、高さの最大差分(A−B)を演算するとともに、高さの最大差分とデータテーブルを照合して、部品と隣接部品の配置間隔を決定する。
続いて、配置された部品の位置情報及び配置間隔に基づいて、隣接部品の配置可能領域を決定する。
続いて、隣接部品の位置情報に基づいて、決定された配置可能領域の内部に隣接部品が位置しているかを判別して、隣接部品の配置の可否を表示する。
このように、プリント基板上に部品を配置するとき、部品と隣接部品の位置情報だけでなく、高さの違いによる規制条件も含めて各部品の配置を決定する。
ここで、従来は、各部品の位置情報として平面の情報だけを用いてプリント基板の回路パターンを製作しており、例えば、マウンタで部品を搭載するときに、ノズルと部品が干渉するといった不具合が発生していた。
しかし、本発明の構成では、プリント基板設計装置において部品を配置する段階で、隣接する部品の平面情報及び高さの違いによる規制条件に基づいて、各部品の配置が決定されるので、プリント基板上に各部品を適正な間隔で配置することができる。
また、これにより、部品実装時のマウンタのノズルと部品の干渉を低減することができる。
本発明の請求項7に係るプリント基板設計プログラムは、前記プリント基板の表面に配置済の前記部品の位置情報を記憶する第3記憶ステップと、前記位置情報を前記プリント基板の裏面に投影して、投影された配置済の前記部品の配置領域を、前記プリント基板の表面に配置された配置済の前記部品の種類に応じて、裏面配置可能領域と裏面配置禁止領域に区分する配置領域区分ステップと、を含む処理をコンピュータに実行させ、前記配置可能領域決定ステップにおいて、前記裏面配置可能領域に基づいて、プリント基板の裏面に配置される部品の配置可能領域を決定することを特徴としている。
上記構成によれば、まず、プリント基板の表面の部品の配置を行う。
続いて、プリント基板の表面に配置された部品の位置情報を記憶する。
続いて、部品の位置情報をプリント基板の裏面に投影して、投影された部品の配置領域を、プリント基板の表面に配置された部品の種類に応じて、裏面配置可能領域と裏面配置禁止領域に区分する。
続いて、裏面配置可能領域に基づいて、プリント基板の裏面に配置する部品の配置可能領域を決定する。
続いて、隣接部品の位置情報を用いて、決定した配置可能領域の内部に隣接部品が位置しているかを判別して、隣接部品の配置の可否を表示手段に表示する。
このように、プリント基板上の裏面に部品を配置するとき、表面の部品の配置に基づいて裏面の部品の配置可能領域を決定するので、表面の部品の配置を確認しながら裏面の部品の配置を行う必要がなくなり、作業時間を短縮できる。
本発明は、上記構成としたので、プリント基板上に各部品を適正な間隔で配置することができる。
本発明のプリント基板設計装置、プリント基板設計方法、及びプリント基板設計プログラムの第1実施形態を図面に基づき説明する。
図1は、本実施形態のプリント基板設計装置10の構成図を示している。
プリント基板設計装置10は、装置各部の処理フローを制御する制御部12と、プリント基板及び部品を表示する表示部14と、表示部14に表示されたプリント基板に部品を移動配置する配置部16と、プリント基板に配置する部品の部品情報(大きさ、位置情報等)が記憶された第1記憶部18と、配置部16で配置される部品の位置情報が適宜記憶される第2記憶部20と、部品の配置処理が行われる作業領域としてのバッファ部22と、第1記憶部18に記憶された部品の高さに基づいて演算して隣接する部品の配置間隔を決定する演算処理部24と、決定された配置間隔に基づいて、部品の配置可能領域を決定する配置可能領域決定部26と、決定された配置可能領域と部品の位置情報に基づいて、配置の可否を判別する配置判別部28と、で構成されている。
なお、部品とは、プリント基板上に配置されるもので、IC、チップ抵抗、チップコンデンサ、トランジスタ、コネクタ等の電子回路を構成する全ての部品を対象とする。
制御部12は、後述する部品配置のフローチャートに従って、表示部14〜配置判別部28の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)を内蔵したコンピュータで構成されている。
表示部14は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイで構成されている。表示部14では、プリント基板の外形、外形が単純化された部品、各種部品情報、配置部16によって移動されるカーソル等が表示される。
配置部16は、表示部14で表示されたカーソルを移動させて、プリント基板上に各部品を配置するマウスと、必要に応じて部品配置座標を入力するためのキーボードとで構成されている。
第1記憶部18は、ROM(Read Only Memory)又は磁気ディスクで構成されており、プリント基板に配置する部品の部品情報と、部品の配置間隔を決定するためのデータテーブルが記憶されている。部品情報は、プリント基板の回路図が設計される回路設計装置(図示せず)から、予め、ネットワーク又は記録媒体によってプリント基板設計装置10に移され、第1記憶部18に記憶されている。
ここで、部品情報は、回路設計装置で各部品に付与された部品番号と、チップ抵抗、チップコンデンサ、IC、コネクタ等の機能別に付与された部品種別と、各部品に付与されている名称で、例えば、チップ抵抗における1005、1608といった形状タイプの部品名称と、部品の縦、横、高さ寸法からなる部品寸法と、IC等のピンを有する部品のピン配置と、各部品の配線接続情報(例えば、部品Aのピン1と部品Bのピン2が接続されているという情報)である結線情報と、各部品を接続する配線の名称であるネット名と、を含んでいる。各部品情報は、部品名称と対応して第1記憶部18に記憶されている。
なお、本実施形態では、部品の横長、縦長が、XY平面におけるX方向の長さ、Y方向の長さにそれぞれ対応しており、高さが、XY平面に対して鉛直方向のZ方向の長さに対応している。
また、データテーブルは、図2bに示すように、部品種別及び形状タイプごとに、隣接する部品の高さ差分ΔHの範囲に応じて、必要な間隔(配置間隔)が定められたものである。第1記憶部18には、チップ抵抗のデータテーブル、ICのデータテーブル、その他の部品のデータテーブルというように、複数のデータテーブルが記憶されている。
第2記憶部20は、RAM(Random Access Memory)で構成されており、配置部16で配置された部品の中心位置(座標)又は4方の角部の位置(座標)からなる位置情報が適宜記憶されるようになっている。
ここで、中心位置D及び角部の位置E、F、G、Hの位置情報は、例えば、以下のようにして決められる。
プリント基板が、直交するX方向、Y方向に広がる平板であり、原点座標O(0、0)、座標A(p、0)、座標B(p、q)、座標C(0、q)で囲まれる横長p×縦長qの矩形状の領域で構成されているとする。また、第1記憶部18に記憶された部品が矩形状であり、Y方向の縦長がy(0<y<q)、X方向の横長がx(0<x<p)であるとする。さらに、この部品をプリント基板に配置したときの部品の中心位置Dが座標D(M、N)であるとする(0<M<p、0<N<q)。
ここで、4方の角部を座標で表すと、座標E((M−x/2)、(N−y/2))、座標F((M+x/2)、(N−y/2))、座標G((M+x/2)、(N+y/2))、座標H((M−x/2)、(N+y/2))となる。
バッファ部22は、仮想のプリント基板が作成され、各部品の配置処理が行われる作業領域であり、バッファ部22において行われる部品の配置処理が、前述の表示部14に適宜表示されるようになっている。
演算処理部24は、所定の基板上に専用の処理回路が形成されたものである。演算処理部24は、まず、プリント基板上に配置された一つの部品の高さデータ(A)を第1記憶部18から読み出すとともに、その部品に隣接して配置される複数の隣接部品の高さデータ(X)を第1記憶部18から読み出して、隣接部品毎に高さの差分データΔH=A−Xを演算する。そして、差分の絶対値が最も大きい値(X=Bのときとする)となるデータを、高さの最大差分ΔH=A−Bとする。
さらに、演算処理部24は、得られた高さの最大差分データΔHと、第1記憶部18に記憶された前述のデータテーブルとを照合して、配置された一つの部品と隣接部品の配置間隔を決定するようになっている。
部品の配置間隔の決定は、例えば、以下のようにして行われる。
既にプリント基板上に配置された高さ0.5mmの部品の近傍に、高さ0.35mmのチップ抵抗1005のみを配置するとき、高さの最大差分ΔH=0.5−0.35=0.15mmとなる。ここで、0.1<ΔH≦0.2であるので、図2bのデータテーブルと照合すると、必要な配置間隔dは、0.1mmと決定される。
配置可能領域決定部26は、所定の基板上に専用の処理回路が形成されたものである。また、配置可能領域決定部26は、第2記憶部に記憶された部品の位置情報と、演算処理部24で決定された配置間隔dとに基づいて、隣接部品を配置可能な配置可能領域を決定するように構成されている。
配置可能領域の決定は、例えば、以下のようにして行われる。
一つの配置済の部品が矩形状で、縦長y=4mm、横長x=2mmであるとする。また、配置済の部品の中心位置座標がD(10、10)であるとする。このとき、この部品の4方の角部の座標は、座標E(9、8)、座標F(11、8)、座標G(11、12)、座標H(9、12)となる。さらに、配置間隔dは、予め0.1mmに決定されているとする。
配置可能領域決定部26は、座標E、F、G、Hを結んで形成され、他の部品を配置できない禁止領域の最外周から外側へ向けて0.1mm隔てた位置に、新たな禁止領域の最外周を設定する。これにより、禁止領域の縦長と横長は、それぞれ0.2mmずつ拡大される。
このようにして拡大された禁止領域を除くプリント基板上の領域が、隣接部品の配置可能領域として決定される。
配置判別部28は、所定の基板上に専用の処理回路が形成されたものである。また、配置判別部28は、第2記憶部20から隣接部品の位置情報(座標データ)を読み出し、配置可能領域決定部26で決定された配置可能領域の内部に、隣接部品の全体が位置していない場合、禁止領域に隣接部品が配置されていると判別して、前述の表示部14に配置禁止の表示(禁止メッセージ又は部品の点滅等)を行う。一方、配置可能領域の内部に隣接部品の全体が位置している場合は、メッセージ等により表示部14に配置可能であることを表示する。
なお、プリント基板設計装置10で設計された基板の設計図は、図示しないプリンタ、プロッタ等の出力機器によって出力されるようになっている。
また、プリント基板設計装置10で設計された各部品の配置データは、ネットワーク等により取得可能となっており、マウンタ等の実装機器で使用可能となっている。
次に、本発明の第1実施形態の作用について説明する。
まず、プリント基板上に部品を一つ配置して、その部品の近傍に一つの隣接部品を配置する場合について説明する。
図2aに示すように、プリント基板回路30におけるプリント基板32(領域が100mm×150mm)上にチップコンデンサ34を配置して、チップコンデンサ34に隣接する位置に、チップ抵抗36を配置する場合について説明する。図2aでは断面を示しているが、表示部14に表示されるのは平面図となる。
なお、チップコンデンサ34は、直方体状であり、底面の縦長(図示せず)が0.8mm、横長(長さ=2×a)が0.40mm、高さ(A)が0.70mmとなっている。
また、チップ抵抗36は、形式1005のチップ抵抗であり、縦長(紙面奥行き方向)が0.50mm、横長(紙面左右方向、長さ=2×b)が1.0mm、高さ(B)が0.35mmとなっている。
ここで、図3は、部品配置のフローチャートを示しており、図4は、プリント基板32上にチップコンデンサ34とチップ抵抗36が配置されるときの、配置領域の模式図(平面図)が示されている。
図1〜図4に示すように、ステップS101では、プリント基板32上に配置されるn=50個の部品情報が、回路設計装置(図示せず)から、ネットワーク又は記録媒体によってプリント基板設計装置10に移され、第1記憶部18に記憶される。
ステップS102では、表示部14にプリント基板32が表示される。また、50個の部品の中から、最初の配置部品A(k)であるチップコンデンサ34が配置部16によって選択され、表示部14に表示される。
ステップS103では、配置部16によって、プリント基板32上にチップコンデンサ34が配置される。このとき、配置されたチップコンデンサ34の中心位置P0の座標及び4方の角部の座標E、F、G、Hが第2記憶部20に記憶される。ここで、P0(50、50)とすると、4方の角部の座標は、座標E(49.8、49.6)、座標F(50.2、49.6)、座標G(50.2、50.4)、座標H(49.8、50.4)となる。
ステップS104では、制御部12が、残り49個の部品の中から、配置済みのチップコンデンサ34に隣接して配置される隣接部品A(i)を抽出して、表示部14に表示する。
ステップ105では、第1記憶部18に記憶された回路設計時の回路図における部品配置及びチップコンデンサ34の結線情報に基づいて、部品番号i=1からi=50までの部品のうち、i=kを除く部品A(i)と、チップコンデンサ34とが隣接するかどうか判断される。
部品A(i)がチップコンデンサ34に隣接しないと判断された場合、ステップS106に移行する。
ステップS106では、部品番号iがカウントアップされ、次の番号の部品がチップコンデンサ34に隣接するかどうかが判断される。
部品A(i)がチップコンデンサ34に隣接すると判断された場合、ステップS107に移行する。
ステップS107では、部品A(i)が決定される。ここでは、チップ抵抗36に決定されているものとする。
ステップS108では、演算処理部24が、まず、第1記憶部18からチップコンデンサ34の高さA=0.70mm、及びチップ抵抗36の高さB=0.35mmを読み出し、高さの差分ΔH=0.70−0.35=0.35mmを演算する。なお、ここでは、チップコンデンサ34の近傍にチップ抵抗36のみを配置するので、ΔHが高さの最大差分となる。
続いて、演算処理部24が、高さの最大差分ΔH=0.35mmと、データテーブル(図2b参照)を照合する。ここで、0.3<ΔH≦0.4であるので、チップコンデンサ34とチップ抵抗36の配置間隔dが0.20mmと決定される。
ステップS109では、配置可能領域決定部26が、第2記憶部20からチップコンデンサ34の位置情報(座標E、F、G、H)を読み出す。
そして、配置可能領域決定部26は、この位置情報と、演算処理部24で決定された配置間隔d=0.20mmとに基づいて、チップ抵抗36を配置可能な配置可能領域SA(図4bの斜線部)を決定する。
具体的には、配置可能領域SAは、ステップS103で決定された座標E、F、G、Hを結んで形成される矩形状の領域を4方向にd=0.20mmで拡大して、得られた配置禁止領域SB(図4b参照)を、プリント基板32上の領域から除くことで決定される。
ステップS110では、配置部16によって、チップ抵抗36が、プリント基板32上を移動されるとともに任意の1ヵ所に仮配置される(図4c参照)。ここで、チップ抵抗36の位置情報(中心位置P1及び4方の角部の座標)が第2記憶部20に記憶される。
ステップS111では、配置判別部29が、第2記憶部20からチップ抵抗36の位置情報を読み出し、決定された配置可能領域SAの内部にチップ抵抗36の全体が位置しているかを判別して、チップ抵抗36の配置の可否を表示部14に表示させる。ここでは、配置不可の場合にチップ抵抗36が点滅表示されるようになっており、配置可能な場合には、点滅せずに常に表示される。
チップ抵抗36の配置が可能な場合は、ステップS112に移行し、配置が不可の場合(図4c参照)は、ステップS110に移行する。
ステップS112では、チップ抵抗36の最終的な配置位置が決定される(図4d参照)。そして、チップ抵抗36の部品番号iが第2記憶部20に記憶される。
ステップS113では、制御部12が、第2記憶部20に記憶された配置済の部品の部品番号を読み出し、部品番号i=1〜50までの全ての部品が配置されたかどうかを判別する。全ての部品の配置が決定されていない場合は、残りの部品の配置を行うためにステップS104に移行する。また、全ての部品の配置が決定されている場合は、処理を終了する。
このようにして、プリント基板32上に各部品が配置される。各部品が配置された後、プリント基板32上に各部品の配線部が形成され、第1記憶部18の磁気ディスクに各データが保存される。
なお、プリント基板設計装置10は、各部品ごとの複数のデータテーブル(図2b参照)を有しているので、例えば、配置部品がIC(BGA)であっても、同様の手順で配置間隔を決定できる。
次に、プリント基板上に複数の隣接する部品が配置されており、その複数の部品の近傍に一つの隣接部品を配置する場合について説明する。
図5に示すように、チップコンデンサ34とチップ抵抗36が隣接して配置されており、これらに隣接する位置にチップ抵抗38を配置する場合について説明する。なお、各部品の配置位置の決定手順は、前述のように、チップコンデンサ34に隣接する位置にチップ抵抗36を配置した場合と同様であるので説明を省略する。
図5aに示すように、プリント基板32上には、チップコンデンサ34及びチップ抵抗36が配置されており、チップ抵抗38はまだ配置されていない。ここで、プリント基板32上におけるチップコンデンサ34の配置領域はSCであり、チップ抵抗36の配置領域はSDとなっている。
続いて、図5bに示すように、チップコンデンサ34とチップ抵抗38の高さの差分ΔH1に基づいて配置間隔aが決定され、チップコンデンサ34に対するチップ抵抗38の配置禁止領域SE(SCを含む)が決定される。このとき、チップ抵抗38の配置可能領域は、配置禁止領域SE、及びチップ抵抗36の配置領域SDを除く領域となる。
続いて、図5cに示すように、チップ抵抗36とチップ抵抗38の高さの差分ΔH2(ΔH1<ΔH2とする)に基づいて配置間隔b(a<b)が決定され、チップ抵抗36に対するチップ抵抗38の配置禁止領域SF(SDを含む)が決定される。
ここで、チップ抵抗38と、チップコンデンサ34又はチップ抵抗36との配置間隔は、各部品で決定された高さの最大差分ΔH2に基づいて決定されるため、配置間隔bが最低限必要な配置間隔となる。このため、配置禁止領域SEにおける幅aが幅bに拡大され、新たに配置禁止領域SGが決定される。
これにより、チップ抵抗38の配置可能領域SHは、配置禁止領域SF、SGを除く領域となる。
続いて、図5dに示すように、配置可能領域SHにおいて、チップコンデンサ34及びチップ抵抗36から距離b以上離れた位置に、チップ抵抗38が配置される。
このように、既に複数の部品が配置されているプリント基板32上に新たな部品を配置するときは、各部品同士の高さの差分を演算するとともに、その中から高さの最大差分を決定する。そして、この高さの最大差分に基づいて、新たな部品に必要とされる配置間隔を決定すればよい。
以上説明したように、プリント基板設計装置10において、プリント基板32上に部品を配置するとき、配置済の部品と、配置済の部品に隣接配置される隣接部品の位置情報だけでなく、高さの違いによる規制条件も含めて各部品の配置が決定される。
ここで、従来は、各部品の配置方向、位置情報といった平面の情報だけでプリント基板の回路パターンを製作しており、例えば、図6aに示すように、プリント基板32上にマウンタでチップ抵抗36を搭載するときに、ノズル39とチップコンデンサ34が干渉するといった不具合が発生していた。
しかし、本発明の構成では、プリント基板設計装置10において部品を配置する段階で、隣接する部品の平面情報及び高さの違いによる規制条件に基づいて、各部品の配置(配置間隔)が決定されるので、図6bに示すように、プリント基板32上にマウンタでチップ抵抗36を搭載するときに、ノズル39とチップコンデンサ34が干渉することがなくなり、プリント基板32上に各部品を適正な間隔で配置することができる。
また、これにより、部品実装時のマウンタのノズルと部品の干渉を低減することができる。
さらに、プリント基板設計装置10が、部品の種類又は形状に応じて複数のデータテーブルを有しており、各部品の種類又は形状に合わせて高さの最大差分を設定できるので、各部品の細かい配置調整が可能となる。
次に、本発明のプリント基板設計装置、プリント基板設計方法、及びプリント基板設計プログラムの第2実施形態を図面に基づき説明する。なお、前述した第1実施形態と基本的に同一のものには、前記第1実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
図7は、本実施形態のプリント基板設計装置40の構成図を示している。
プリント基板設計装置40は、前述のプリント基板設計装置10の制御部12、表示部14、配置部16、第1記憶部18、第2記憶部20、バッファ部22、演算処理部24、配置可能領域決定部26、及び配置判別部28に加えて、さらに、プリント基板の表面に配置済みの部品の位置情報(配置領域)を記憶する第3記憶部42と、プリント基板の裏面を配置可能領域と配置禁止領域に区分する配置領域区分部44とで構成されている。
第3記憶部42は、RAM又はEEPROM(Erasable Programmable ROM)で構成されており、プリント基板の表面に配置済みの部品の中心位置(座標)又は4方の角部の位置(座標)からなる位置情報(配置領域)が記憶される。
配置領域区分部44は、所定の基板上に専用の処理回路が形成されたものである。また、配置領域区分部44は、第3記憶部42から、プリント基板の表面に配置済みの部品の配置領域を読み出すとともに、プリント基板の裏面に投影して、さらに、投影された配置領域を、プリント基板の表面に配置済の部品の種類に応じて、部品配置可能な裏面配置可能領域と部品配置不可である裏面配置禁止領域に区分するように構成されている。
なお、配置可能領域決定部26は、前述の機能に加えて、プリント基板の裏面に部品を配置するとき、配置領域区分部44で区分された裏面配置可能領域に基づいて、部品の配置可能領域を決定する機能を有している。
次に、本発明の第2実施形態の作用について説明する。
図8に示すように、一例として、プリント基板回路60におけるプリント基板62の表面64、裏面66に、それぞれIC(BGA=Ball Grid Array)68、IC(BGA)70を配置する場合について説明する。
なお、プリント基板設計装置40では、プリント基板62の表面64、裏面66の平面図の表示が適宜切り換え可能となっている。また、プリント基板62におけるIC68の裏面66側には、IC68の実装の都合上、部品配置が不可である規制条件があるものとする。
ここで、図9は、部品配置のフローチャートを示しており、図10は、プリント基板62上にIC68、IC70が配置されるときの配置領域の模式図が示されている。
図7〜図10に示すように、ステップS201では、プリント基板62の表面64に配置される表面用部品A(IC68を含む)と、裏面66に配置される裏面用部品B(IC70を含みn=50とする)の部品情報が、回路設計装置(図示せず)から、ネットワーク又は記録媒体によってプリント基板設計装置40に移され、第1記憶部18に記憶される。
ステップS202では、プリント基板62の表面64に、第1実施形態と同様の配置方法により、表面用部品Aの配置が行われる。そして、配置された表面用部品Aの位置情報である配置領域が、第3記憶部42に記憶される。
ステップS203では、配置領域区分部44が、第3記憶部42から表面用部品Aの配置領域を読み出す。そして、この配置領域をプリント基板62の裏面66に投影して、投影された配置領域Sを、プリント基板62の表面64に配置された配置済部品の種類に応じて、裏面配置可能領域S1と裏面配置禁止領域S2に区分する(図10a参照)。裏面配置可能領域S1と裏面配置禁止領域S2の位置情報は、第2記憶部20に記憶される。
ステップS204では、配置部16によって、裏面66の裏面配置可能領域S1に、50個のうちの一つの部品B(k)が配置される(図10a参照)。なお、部品B(k)が配置された領域は、裏面配置禁止領域S2である。
ステップS205では、制御部12が、部品B(k)を除いた残り49個の部品の中から、配置済みの部品B(k)に隣接して配置される未配置部品B(i)を抽出して、表示部14に表示する。
ステップS206では、第1記憶部18に記憶された回路設計時の回路図における部品配置及び結線情報に基づいて、部品番号i=1からi=50までの部品のうち、i=kを除く部品B(i)と、部品B(k)とが隣接するかどうか判断される。
部品B(i)が部品B(k)に隣接しないと判断された場合、ステップS207に移行する。
ステップS207では、部品番号iがカウントアップされ、次の番号の部品が部品B(k)に隣接するかどうかが判断される。
部品B(i)が部品B(k)に隣接すると判断された場合、ステップS208に移行する。
ステップS208では、部品B(i)が決定される。ここでは、部品B(i)として、IC70が選択されているものとする。
ステップS209では、演算処理部24が、第1記憶部18から部品B(k)の高さA及びIC70の高さBを読み出し、高さの差分ΔHを演算する。なお、ここでは、部品B(k)の近傍にIC70のみを配置するので、ΔHが高さの最大差分となる。
続いて、演算処理部24が、高さの最大差分ΔHと第1記憶部18に記憶されたデータテーブル(図2bと同様)を照合して、部品B(k)とIC70の配置間隔を決定する。
ステップS210では、配置可能領域決定部26が、第2記憶部20から部品B(k)の位置情報(座標)を読み出す。そして、配置可能領域決定部26は、第2記憶部20から読み出された裏面配置可能領域S1と、部品B(k)の位置情報と、演算処理部24で決定された配置間隔とに基づいて、IC70を配置可能な裏面配置可能領域S3を決定する(図10b参照)。
なお、裏面配置可能領域S3は、裏面配置可能領域S1から、部品B(k)の配置領域を配置間隔分拡大した領域を除いた領域である。
ステップS211では、配置部16によって、IC70が、プリント基板62上を移動されるとともに任意の1ヵ所に仮配置される(図10c参照)。ここで、IC70の位置情報が、第2記憶部20に記憶される。
ステップS212では、配置判別部29が、第2記憶部20からIC70の位置情報を読み出し、決定された配置可能領域S3の内部にIC70が位置しているかを判別して、IC70の配置の可否を表示部14に表示させる。
IC70の配置が可能な場合は、ステップS213に移行し、配置が不可の場合は、ステップS211に移行する。
ステップS213では、IC70の最終的な配置位置が決定される(図10d参照)。そして、IC70の部品番号iが第2記憶部20に記憶される。
ステップS214では、制御部12が、第2記憶部20に記憶された配置済の部品の部品番号を読み出し、部品番号i=1〜50までの全ての部品が配置されたかどうかを判別する。全ての部品の配置が決定されていない場合は、残りの部品の配置を行うために、ステップS205に移行する。また、全ての部品の配置が決定されている場合は、処理を終了する。
このようにして、プリント基板62の表面64と裏面66に各部品が配置される。
以上説明したように、プリント基板設計装置40において、プリント基板62の裏面66に部品を配置するとき、表面64の部品の配置に基づいて裏面66の部品の配置可能領域が決定されているので、表面64の部品の配置を確認しながら裏面66の部品の配置を行う必要がなくなり、部品配置の作業時間を短縮できる。
次に、本発明のプリント基板設計装置、プリント基板設計方法、及びプリント基板設計プログラムの第3実施形態を図面に基づき説明する。なお、前述した第2実施形態と基本的に同一のものには、前記第2実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
本実施形態では、図7に示したプリント基板設計装置40を応用して、対向配置されるプリント基板82、84の基板設計を行う場合について説明する。
図11aは、対向する2枚のプリント基板82、84の間に、各種電子部品からなる部品87〜95を配置したプリント基板回路80を示している。
プリント基板82の表面83には、高さaの部品89、高さbの部品90、高さcの部品91、高さdの部品92、及び雄コネクタである部品87が配置されている。
プリント基板84の裏面85には、高さgの部品93、高さfの部品94、高さeの部品95、及び雌コネクタである部品88が配置されている。
ここで、プリント基板82の表面83と、プリント基板84の裏面85とが対向するようにして、部品87と部品88を嵌合することにより、プリント基板回路80が形成される。なお、部品87と部品88の嵌合状態において、プリント基板82とプリント基板84の基板間隔は、Hとなっている。
一方、プリント基板設計装置40は、最も高さの小さい部品の高さに、配置後の接触を防ぐためのマージンを見込んだ高さである基準間隔SHが第1記憶部に記憶されている。
また、演算処理部24が、プリント基板82に配置された部品の高さx及び基板間隔Hに基づいて隙間長さΔH=H−xを演算するようになっている。
さらに、配置領域区分部44が、基準間隔SHと隙間長さΔHを比較して、SH≦ΔHの場合は配置可能領域、SH>ΔHの場合は配置禁止領域と区分するようになっている。
また、配置可能領域決定部26が、配置する部品の高さfと、複数の領域における各隙間長さΔHを比較して、高さfに最も近い大きさの隙間長さΔHを選択するようになっている。
このようにして、プリント基板設計装置40は、プリント基板82に配置された部品をプリント基板84に投影して、基板間隔Hと各部品の高さに基づいて、プリント基板84の領域を、配置可能領域、配置禁止領域に区分可能となっている。
次に、本発明の第3実施形態の作用について説明する。
まず、プリント基板82に、前述の第2実施形態と同様の方法で、部品87及び89〜92が配置され、第2記憶部20に部品の配置座標等の情報が記憶される。
続いて、図11bに示すように、プリント基板82における各部品の配置領域が、プリント基板84に投影され、領域S1〜S5が設定される。なお、領域S5については、コネクタである部品88の配置領域として予め決定されている。
続いて、領域S1〜S4の座標である位置情報、及び各領域における隙間長さΔH1=H−a、ΔH2=H−b、ΔH3=H−c、ΔH4=H−dが、第2記憶部20に記憶される。なお、ここではΔH3のみが基準間隔SHよりも小さいとする。
続いて、配置領域区分部44が、基準間隔SHと隙間長さΔH1〜ΔH4を比較して、領域S1、S2、S4を配置可能領域、領域S3を配置禁止領域として区分する。
ここで、部品94をプリント基板84に配置するとき、基板間の隙間を無くすように配置すればプリント基板回路80を小型化できる。このため、部品94の配置対象領域をS1、S2、S4とする。
続いて、配置可能領域決定部26が、部品94の高さfと、隙間間隔ΔH1、ΔH2、ΔH4とを比較して、高さfに最も近い大きさの隙間間隔ΔH2を選択する。これにより、部品94の配置可能領域がS2に決定される。
続いて、図11cに示すように、配置部16によって矢印Y方向に移動されるなどして、部品94が配置可能領域S2に仮配置される。ここで、配置判別部28が、配置可能領域S2内に部品94の全体が配置されているかどうかを判別する。部品94の全体が配置されていない場合は、例えば、矢印Y方向に部品94を移動して配置可能領域S2に配置し、再度判別を行う。
同様にして、部品93、95が領域S1、S4に配置される。
以上説明したように、本実施形態のプリント基板設計装置40では、対向するプリント基板82、84の基板設計において、一方のプリント基板の部品配置時に、他方のプリント基板の部品配置をその都度確認する必要がなくなるので、設計作業が短時間で行える。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されない。
表示部14は、液晶ディスプレイを用いてもよい。
配置部16は、表示部14に接触して部品を配置するタッチペンを用いてもよい。
第2実施形態における部品の配置間隔の決定において、実際に配置する部品の高さの差分に基づいて決定する他に、例えば、プリント基板62の裏面66に、IC68と同様のIC72(図8参照)が配置されていると仮定して、この仮想配置されたIC72を部品として認識し、IC72との高さの差分も含めた上で、配置間隔を決定してもよい。
本発明の第1実施形態に係るプリント基板設計装置の構成図である。 (a)本発明の第1実施形態に係るプリント基板回路の部分断面図である。(b)本発明の第1実施形態に係るプリント基板回路に用いられる部品のデータテーブルである。 本発明の第1実施形態に係るプリント基板設計装置における部品配置のフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係るプリント基板設計装置における部品配置の模式図である。 本発明の第1実施形態に係るプリント基板設計装置における部品配置の模式図である。 従来例と本発明の部品のマウント状態を比較した模式図である。 本発明の第2実施形態に係るプリント基板設計装置の構成図である。 本発明の第2実施形態に係るプリント基板回路の部分断面図である。 本発明の第2実施形態に係るプリント基板設計装置における部品配置のフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るプリント基板設計装置における部品配置の模式図である。 本発明の第3実施形態に係るプリント基板設計装置における部品配置の模式図である。
符号の説明
10 プリント基板設計装置(プリント基板設計装置)
14 表示部(表示手段)
16 配置部(配置手段)
18 第1記憶部(第1記憶手段)
20 第2記憶部(第2記憶手段)
24 演算処理部(演算処理手段)
26 配置可能領域決定部(配置可能領域決定手段)
28 配置判別部(配置判別手段)
32 プリント基板(プリント基板)
40 プリント基板設計装置(プリント基板設計装置)
42 第3記憶部(第3記憶手段)
44 配置領域区分部(配置領域区分手段)
62 プリント基板(プリント基板)
82 プリント基板(プリント基板)
84 プリント基板(プリント基板)

Claims (7)

  1. プリント基板における部品の配置を決定するプリント基板設計装置において、
    前記部品の縦長、横長、及び高さと、2つの前記部品の高さの差分に応じて前記部品の必要な配置間隔が定められたデータテーブルと、を含む部品情報が記憶された第1記憶手段と、
    前記プリント基板及び前記部品を表示する表示手段と、
    前記表示手段に表示された前記プリント基板上で前記部品を移動して配置する配置手段と、
    前記配置手段で配置された1又は複数の前記部品の位置情報を記憶する第2記憶手段と、
    前記第1記憶手段から前記部品の高さ(A)及び前記部品に隣接配置される隣接部品の高さ(B)を読み出し、高さの最大差分(A−B)を演算するとともに、前記高さの最大差分と前記データテーブルを照合して、前記部品と前記隣接部品の配置間隔を決定する演算処理手段と、
    前記位置情報及び前記配置間隔に基づいて、前記隣接部品の配置可能領域を決定する配置可能領域決定手段と、
    前記第2記憶手段から前記隣接部品の位置情報を読み出し、前記配置可能領域の内部に前記隣接部品が位置しているかを判別して、前記隣接部品の配置の可否を前記表示手段に表示させる配置判別手段と、
    を有することを特徴とするプリント基板設計装置。
  2. 前記第1記憶手段が、前記部品の種類又は形状に応じて、前記データテーブルを複数有することを特徴とする請求項1に記載のプリント基板設計装置。
  3. 前記プリント基板の表面に配置済の前記部品の位置情報を記憶する第3記憶手段と、
    前記第3記憶手段から前記位置情報を読み出すとともに、前記プリント基板の裏面に投影して、投影された配置済の前記部品の配置領域を、前記プリント基板の表面に配置された配置済の前記部品の種類に応じて、裏面配置可能領域と裏面配置禁止領域に区分する配置領域区分手段と、
    を設け、
    前記配置可能領域決定手段が、前記裏面配置可能領域に基づいて、プリント基板の裏面に配置される部品の配置可能領域を決定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプリント基板設計装置。
  4. プリント基板における部品の配置を決定するプリント基板設計方法において、
    前記部品の縦長、横長、及び高さと、2つの前記部品の高さの差分に応じて前記部品の必要な配置間隔が定められたデータテーブルと、を含む部品情報を記憶する第1記憶工程と、
    前記プリント基板及び前記部品を表示する表示工程と、
    前記表示工程で表示された前記プリント基板上で前記部品を移動して配置する配置工程と、
    前記配置工程で配置された1又は複数の前記部品の位置情報を記憶する第2記憶工程と、
    前記部品の高さ(A)及び前記部品に隣接配置される隣接部品の高さ(B)を用いて、高さの最大差分(A−B)を演算するとともに、前記高さの最大差分と前記データテーブルを照合して、前記部品と前記隣接部品の配置間隔を決定する演算処理工程と、
    前記位置情報及び前記配置間隔に基づいて、前記隣接部品の配置可能領域を決定する配置可能領域決定工程と、
    前記隣接部品の位置情報に基づいて、前記配置可能領域の内部に前記隣接部品が位置しているかを判別して、前記隣接部品の配置の可否を表示する配置判別工程と、
    を有することを特徴とするプリント基板設計方法。
  5. 前記プリント基板の表面に配置済の前記部品の位置情報を記憶する第3記憶工程と、
    前記位置情報を前記プリント基板の裏面に投影して、投影された配置済の前記部品の配置領域を、前記プリント基板の表面に配置された配置済の前記部品の種類に応じて、裏面配置可能領域と裏面配置禁止領域に区分する配置領域区分工程と、
    を設け、
    前記配置可能領域決定工程において、前記裏面配置可能領域に基づいて、プリント基板の裏面に配置される部品の配置可能領域を決定することを特徴とする請求項4に記載のプリント基板設計方法。
  6. プリント基板における部品の配置を決定するプリント基板設計プログラムにおいて、
    前記部品の縦長、横長、及び高さと、2つの前記部品の高さの差分に応じて前記部品の必要な配置間隔が定められたデータテーブルと、を含む部品情報を記憶する第1記憶ステップと、
    前記プリント基板及び前記部品を表示する表示ステップと、
    前記表示ステップで表示された前記プリント基板上で前記部品を移動して配置する配置ステップと、
    前記配置ステップで配置された1又は複数の前記部品の位置情報を記憶する第2記憶ステップと、
    前記部品の高さ(A)及び前記部品に隣接配置される隣接部品の高さ(B)を用いて、高さの最大差分(A−B)を演算するとともに、前記高さの最大差分と前記データテーブルを照合して、前記部品と前記隣接部品の配置間隔を決定する演算処理ステップと、
    前記位置情報及び前記配置間隔に基づいて、前記隣接部品の配置可能領域を決定する配置可能領域決定ステップと、
    前記隣接部品の位置情報に基づいて、前記配置可能領域の内部に前記隣接部品が位置しているかを判別して、前記隣接部品の配置の可否を表示する配置判別ステップと、
    を含む処理をコンピュータに実行させることを特徴とするプリント基板設計プログラム。
  7. 前記プリント基板の表面に配置済の前記部品の位置情報を記憶する第3記憶ステップと、
    前記位置情報を前記プリント基板の裏面に投影して、投影された配置済の前記部品の配置領域を、前記プリント基板の表面に配置された配置済の前記部品の種類に応じて、裏面配置可能領域と裏面配置禁止領域に区分する配置領域区分ステップと、
    を含む処理をコンピュータに実行させ、
    前記配置可能領域決定ステップにおいて、前記裏面配置可能領域に基づいて、プリント基板の裏面に配置される部品の配置可能領域を決定することを特徴とする請求項6に記載のプリント基板設計プログラム。
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