JP4273140B2 - 基板レイアウトチェックシステムおよび基板レイアウトチェック方法 - Google Patents
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Description
ガード配線が適切に必要な箇所に設けられているかどうかをチェックする技術が特許文献1に開示されている。特許文献1の基板配線処理システムは、クロック信号の配線パターンを検出し、配線パターンの上下2層が電源/アースのみで配線されているか、配線に隣接してガード配線が設けられているかを検出し、これらの検出結果からあらかじめ設定されたガード配線の設計条件に違反している配線をエラー配線として検出する。
本発明は上述の問題を解決する基板レイアウトチェックシステムに関するものであり、ガード配線を設ける必要がある箇所を適切に表示し、効率の良い基板レイアウト修正が行なえるシステムの提供を目的とする。
更に、本発明の基板レイアウトチェックシステムは、前記チェック対象配線に、ガード配線が設けられていない配線部分の合計配線長またはチェック対象配線長とガード配線が設けられていない配線部分の合計配線長の割合を算出するエラー判定部を備えるものである。これにより、ガード配線が十分でないプリント配線を抽出できる。
図1は、本発明の実施形態である基板レイアウトチェックシステムの構成ブロック図を示す。この基板レイアウトチェックシステムは、基板レイアウト設計を実施するCAD(Computer Aided Design System)と一体的に構成することができ、基板レイアウト設計と基板レイアウトチェックシステムは、データを共有できるように構成することが好ましい。
チェック対象配線抽出ステップS11では、設計者等が定めた条件からガード配線が必要かどうかをチェックする対象配線を決定する。上記条件としては、例えばクロック/データといった配線種別、伝送する信号の周波数や立ち上がり/立ち下がり時間、伝送する信号の電力等であり、他の配線や部品から発生したノイズの影響を軽減するように、またはチェック対象配線で発生したノイズが他の配線や部品に影響を軽減するように設定する。このように設定した条件を満たす時、チェック対象配線とする。あるいはこれらの配線またはこれら以外の配線を設計者がチェックする配線として直接指定しても良い。
対象配線選択ステップS12は、抽出された複数のチェック対象配線から判定処理を行なう配線を1つ選択する。通常任意の配線が選択され、他のチェック対象配線は選択されたチェック対象配線のエラー判定が行われた後、順次選択される。
図3および図4は物理的にガード配線を設けることが難しい領域であるガード配線免除領域を求める方法を示している。図3および図4は、どちらもガード配線免除領域を端子からの距離により求めているが、部品からの距離など他の表現を用いてもよい。図3はチェック対象配線21が接続される端子23の隣りのプリント配線25を斜めに配線してガード配線24を避ける場合において、ガード配線免除領域を算出する方法を示している。チェック対象配線21の配線幅W、チェック対象配線21に接続される多端子部品22の端子23の間隔である端子密度d、ガード配線24とチェック対象配線21との間隔Sから、次式1によりガード免除領域Xを算出する。
図3は、電子部品22の端子23近傍のガード配線免除領域Xを求める図を示し、このような箇所での算出式を説明したが、例えばチェック対象配線21と他のプリント配線との間のガード配線免除領域Xを求める場合は、チェック対象配線21の配線幅Wと、ガード配線24とチェック対象配線21との間隔Sから、算出することができる。また隣りのプリント配線25が図3のように斜めに45度で配線するのではなく、チェック対象配線21と平行に配線される場合は、チェック対象配線21に接続される多端子部品22の端子23の間隔である端子密度dから算出することができる。このようにチェック対象配線と隣のプリント配線の配置状況に応じて、チェック対象配線21の配線幅W、チェック対象配線21に接続される多端子部品22の端子23の間隔である端子密度d、ガード配線24とチェック対象配線21との間隔Sの少なくとも1つ以上、または2つ以上の組合わせにより、ガード配線免除領域Xを求めることができる。
ガード配線免除領域Xは、図3、図4に示したようにプリント配線やガード配線の形状やレイアウト情報からでなく、周波数等から算出する形でもよい。あるいは、このような算出をおこなわず、設計者があらかじめ指定してもよい。また、更に厳密に行なう場合は解析等によりガード配線がない場合の影響を考慮して設定してもよい。
エラー判定評価値算出ステップS15は、ガード配線検出ステップS14により検出されたガード配線免除領域外のガード配線のない箇所の情報からエラー判定に用いる評価値を算出する。評価値としてガード配線がない箇所の配線長またはその合計値や総配線長とガード配線がない箇所の配線長の割合等が挙げられる。あるいはガード配線がない箇所の数であってもよい。またはガード配線がない箇所と、ノイズの影響を受ける部品あるいはノイズの影響を与える部品との距離であってもよい。これによりガード配線が十分でないプリント配線を抽出することができる。上記合計値の順、割合の順、ガード配線がない箇所の数の順、またはガード配線がない箇所の数の順、ノイズの影響を受ける部品あるいはノイズの影響を与える部品との距離の順に表示してもよい。
エラー判定ステップS16は、評価値を用いてエラー判定を行なう。エラー判定ステップS16の処理は行なわず、算出された評価値から設計者が判断してレイアウト修正を行っても良い。
以上の実施形態では、ガード配線免除領域算出部6によって、物理的にガード配線を設けることが難しいためガード配線を設けることを免除する領域を算出したが、逆に物理的にガード配線を設けることが必要な領域を算出し、ガード配線を積極的に設ける領域を算出するガード配線形成領域算出部を設けても、本発明を同様に実施することができる。
以上のように、ガード配線が適切に設けられているかをチェックする基板レイアウトチェックにおいて、物理的にガード配線を設けることが難しい多端子部品の端子付近の配線を対象から除外して、エラー箇所を表示することにより、設計者は修正可能な箇所のみを対象とした修正が容易に行なえ、効率よく基板レイアウト修正が行なえる。
2 基板レイアウト作成部
3 記憶部
4 レイアウトチェック部
5 チェック対象配線検出部
6 ガード配線免除領域算出部
7 ガード配線検出部
8 エラー判定部
9 出力部
21 チェック対象配線
22 多端子部品
23 端子
24 ガード配線
25 配線
Claims (6)
- 基板レイアウト設計によって設計されたプリント基板上のプリント配線にガード配線が適切に配線されているかチェックする基板レイアウトチェックシステムであって、
前記プリント配線の中から、ノイズの影響を軽減する必要があるチェック対象配線を検出するチェック対象配線検出部と、
前記チェック対象配線にガード配線を設けないガード配線免除領域を算出するガード配線免除領域算出部と、
前記ガード配線免除領域外で、チェック対象配線にガード配線が設けられていない配線部分を検出するガード配線検出部と、
前記検出された配線部分を出力する出力部
を備えることを特徴とする基板レイアウトチェックシステム。 - 前記ガード配線免除領域算出部は、チェック対象配線に接続される部品のピンの密度、前記ガード配線とチェック対象配線の間隔、またはチェック対象配線の配線幅からガード配線免除領域を算出することを特徴とする請求項1記載の基板レイアウトチェックシステム。
- 前記ガード配線免除領域算出部は、ビアの直径、チェック対象配線が接続される部品のピンから前記ビアまでの距離、またはガード配線とチェック対象配線の間隔からガード配線免除領域を算出することを特徴とする請求項1記載の基板レイアウトチェックシステム。
- 基板レイアウト設計によって設計されたプリント基板上のプリント配線にガード配線が適切に配線されているかチェックする基板レイアウトチェックシステムであって、
前記プリント配線の中から、ノイズの影響を軽減する必要があるチェック対象配線を検出するチェック対象配線検出部と、
前記チェック対象配線に、ガード配線が必要なガード配線形成領域を算出するガード配線形成領域算出部と、
前記ガード配線形成領域内で、チェック対象配線にガード配線が設けられていない配線部分を検出するガード配線検出部と、
前記検出された配線部分を出力する出力部
を備えることを特徴とする基板レイアウトチェックシステム。 - 更に、前記チェック対象配線に、ガード配線が設けられていない配線部分の合計配線長またはチェック対象配線長とガード配線が設けられていない配線部分の合計配線長の割合を算出するエラー判定部を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の基板レイアウトチェックシステム。
- 基板レイアウト設計によって設計されたプリント基板設計データ上のプリント配線にガード配線が適切に配線されているかチェックをコンピュータに行なわせるプログラムであって、
コンピュータに
前記プリント配線の中から、ノイズの影響を軽減する必要があるチェック対象配線を検出するチェック対象配線検出ステップと、
前記チェック対象配線にガード配線を設けないガード配線免除領域を算出するガード配線免除領域算出ステップと、
前記ガード配線免除領域外で、チェック対象配線にガード配線が設けられていない配線部分を検出するガード配線検出ステップと、
前記検出された配線部分を出力する出力ステップ
を実行させる基板レイアウトチェックプログラム。
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