以下に、本発明の実施形態の移し替えシステムついて、図面を参照しながら説明する。なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示したものではない。
また、以下で説明する実施の形態は、本発明の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態)
[構成]
まず、図1を用いて、本発明の実施の形態における移し替えシステム100の概要を説明する。
図1は、実施の形態における移し替えシステムの平面図である。
移し替えシステム100は、例えば、図1に示すように、トラック10からシートパレット21上に載置された荷物20を倉庫に搬入する際に、当該荷物20の移載を容易にするために平パレット40に移し替えるシステムである。移し替えシステム100は、例えば、倉庫の搬入口に設けられている。操縦者は、トラック10からプッシュプル式のフォークリフト30により、移し替えシステム100の載置台110上に、シートパレット21と共に荷物20を移載する。移載移し替えシステム100では、移し替え装置130が載置台110上に移載された荷物20を、搬送路120の搬送方向(Y軸方向)と略直交する方向(X軸方向)に、移動させることで搬送路120上の平パレット40に移し替える。このように、移し替えシステム100では、フォークリフト30で運ばれた荷物20を平パレット40上に移し替える。
図2は、実施の形態における移し替えシステムのブロック図である。
移し替えシステム100は、載置台110と、旋回機構111と、移し替え装置130と、検出器140と、コントローラ160とを備える。移し替えシステム100は、さらに、搬送路120と、搬送装置121と、第1移動機構151と、第2移動機構152とを備えていてもよい。
載置台110は、例えば、フォークリフト30によりトラック10から運ばれた荷物20がシートパレット21と共に載置されるための台である。載置台110は、上面視において、円の約3/4の円弧と、当該円弧の両端を結んだ弦とで構成される外形を有する。つまり、載置台110は、上面視における円形の外形の一端が直線で切り取られた形状を有する。このように、載置台110は、一端が直線の弦で構成される外形を有するため、当該弦の部位からフォークリフト30により荷物20の載置が容易な形状となっている。また、載置台110は、搬送路120のX軸方向プラス側に設けられる。
旋回機構111は、載置台110を旋回させる機構である。旋回機構111は、具体的には、Z軸方向に平行な回転軸を有し、当該回転軸で回転するモータである。旋回機構111は、載置台110の円弧の中心P1を回転軸として、載置台110を旋回させる。
搬送路120は、Y軸方向に延びる、例えば、ローラコンベヤ、ベルトコンベヤなどのコンベヤである。搬送路120は、搬送装置121によって駆動され、搬送路120上に載置された平パレット40をY軸方向に沿って移動させる。つまり、搬送装置121は、平パレット40を搬送路120に沿って搬送する。
移し替え装置130は、所定領域内の位置にある荷物20をシートパレット21と共に平パレット40上に移し替える装置である。移し替え装置130は、具体的には、シートパレット21の端部を把持した状態で、シートパレット21を引き込むことで荷物20を平パレット40上に移し替える装置である。移し替え装置130は、搬送路120に対して載置台110とは反対側の側面に設けられる。
ここで、移し替え装置130の詳細な構成について、図3Aおよび図3Bを用いて説明する。
図3Aは、移し替えシステムを側方(Y軸方向)から見た側面図である。図3Bは、移し替えシステムの一部を上方(Z軸方向)から見た平面図である。なお、図3Aでは、検出器140を省略している。
移し替えシステム100は、図3Aに示すように、プッシャー131と、パンタグラフ132と、ベース133と、グリッパ134と、駆動部135とを備える。
プッシャー131は、Y−Z平面に略平行な、矩形板状の部材である。プッシャー131は、例えば、鋼鉄などの金属により構成されていてもよい。プッシャー131は、X軸方向に貫通する開口を備えていてもよい。
パンタグラフ132は、一方が、プッシャー131のX軸方向マイナス側に接続され、他方が、ベース133に接続されるリンク機構である。パンタグラフ132は、ベース133において、所定の連結部132aがZ軸方向に沿って図示しない駆動部により駆動されることでX軸方向に伸縮する。これにより、パンタグラフ132は、プッシャー131をX軸方向に距離D21だけ移動させる。本実施の形態では、パンタグラフ132は、固定された距離である、距離D21だけ伸長したり、収縮したりする。つまり、所定の連結部132aは、Z軸方向の第1の位置か、第2の位置に位置するように駆動される。なお、パンタグラフ132は、伸縮する長さが動的に調整できるように駆動されてもよい。
また、パンタグラフ132は、プッシャー131を搬送路120に載置された平パレット40上を往復移動させることができる高さでベース133に接続されている。パンタグラフ132は、例えば、鋼鉄などの金属により構成されていてもよい。
ベース133は、地面(床面)に固定されている部材であり、パンタグラフ132を支持する部材である。ベース133は、例えば、鋼鉄などの金属により構成されていてもよい。
グリッパ134は、プッシャー131の下端と共に、シートパレット21の端部を把持する部材である。グリッパ134は、Y軸方向に長尺な形状を有し、図3Aの(b)に示すように、駆動部135によりZ軸方向に沿って往復駆動され、下降することによりプッシャー131の下端の上面とでシートパレット21の端部を把持する。なお、グリッパは、上述の形態以外にも、上昇することでプッシャー131の下端の下面とでシートパレット21の端部を把持する構成であってもよい。
移し替え装置130は、グリッパ134が最下部に駆動された状態で、パンタグラフ132を伸長させる。これにより、グリッパ134とプッシャー131の下端との間に、シートパレット21の端部を入り込ませることができる。グリッパ134とプッシャー131の下端との間に、シートパレット21の端部を入り込ませた後に、移し替え装置130は、グリッパ134を上側に移動させて、図3Aの(b)に示すようにシートパレット21の端部を把持する。そして、移し替え装置130は、パンタグラフ132を収縮させて、シートパレット21をベース133側に引き込むことで荷物20を平パレット40上に移動させる。
なお、グリッパ134とプッシャー131の下端との間に、グリッパ134とプッシャー131との間にフォトセンサを設けていてもよい。これにより、移し替え装置130は、パンタグラフ132を伸長させた時に、シートパレット21の端部が入り込んだか否かを判定することができる。
また、さらに、プッシャー131は、ベース133に対して上下動できるように構成されていてもよい。つまり、パンタグラフ132がベース133に対して上下動する構成としてもよいし、プッシャー131がパンタグラフ132に対して上下動する構成としてもよい。移し替え装置130は、上記の構成であれば、パンタグラフ132を伸長させた時に、シートパレット21の端部が入り込んでいないと判定した場合、シートパレット21の端部が入り込んだことが検出されるまで、プッシャー131を上下動させる制御を行ってもよい。
移し替え装置130は、図3Bに示すように、Y軸方向における中心C1からY軸方向両側に距離D11の幅の所定領域R1内に載置されている荷物20をシートパレット21と共に引き込むことが可能に構成されている。つまり、移し替え装置130は、シートパレット21が所定領域R1内に載置されていれば、シートパレット21の中心が中心C1に一致していなくても、荷物20をシートパレット21と共に平パレット40上に、真っ直ぐに引き込むことができる。
また、移し替え装置130は、図3Aの(a)に示すように、固定された距離である、所定の距離D21だけプッシャー131を移動させる。このため、移し替え装置130は、ベース133からの距離が距離D21の位置を基準として、X軸方向プラス側に幅W2の所定領域R21内にシートパレット21の端部が位置していれば、シートパレット21をグリッパ134およびプッシャー131により把持できる。よって、荷物20が載置されているシートパレット21を移し替え装置130が把持できる荷物20の位置は、所定領域R21にシートパレット21の端部が位置する場合に、荷物20が位置する領域である所定領域R2で規定できる。なお、幅W2は、例えば、図3Aの(b)に示すように、グリッパ134およびプッシャー131が互いに重なる部位のX軸方向における幅である。
また、移し替え装置130は、Y軸方向を基準として角度θまでの間の範囲にシートパレット21の端部が載置されていれば、シートパレット21を把持して引き込むことが可能に構成されている。これは、移し替え装置130がシートパレット21を引き込むには、シートパレット21のY軸方向の幅を、グリッパ134およびプッシャー131により把持する必要があるからである。このため、シートパレット21の端部は、グリッパ134およびプッシャー131が互いに重なる部位に、Y軸方向の幅にわたって入り込む必要がある。例えば、角度θは、グリッパ134およびプッシャー131のY軸方向の幅W1と、グリッパ134およびプッシャー131が互いに重なる部位のX軸方向における幅W2とから、式1によって求められる。
θ=tan−1D22/W1 ・・・(式1)
上記のことから、所定領域とは、所定領域R1、所定領域R2および角度θの範囲で規定される領域である。つまり、所定領域の位置は、移し替え装置130がシートパレット21の端部を把持することが可能な位置であって、移し替え装置130を基準とした相対的な位置である。
図2に戻り、検出器140は、所定領域に対するシートパレット21のずれを検出する。検出器140は、具体的には、4組のエリアセンサにより構成されている。
ここで、検出器140の詳細な構成について図4を用いて説明する。
図4は、検出器140の詳細な構成を説明するための図である。図4の(a)は、移し替えシステム100を側方(Y軸方向)から見た側面図である。図4の(b)は、上部エリアセンサ141の平面図である。図4の(c)は、下部エリアセンサ142、143の平面図である。なお、図4の(a)では、移し替え装置130を省略している。
検出器140は、載置台110上に設けられ、所定の線分上の検出範囲における物体の位置を検出する少なくとも4組のエリアセンサである。
具体的には、エリアセンサは、図4の(a)に示すように、上部エリアセンサ141と、下部エリアセンサ142、143とにより構成される。
上部エリアセンサ141は、例えば、光を発する受光器である。4本の上部エリアセンサ141は、載置台110の上方に設けられ、図4の(b)に示すように、X軸方向に平行な2本の上部エリアセンサ141a、141bと、Y軸方向に平行な2本の上部エリアセンサ141c、141dとにより構成される。4本の下部エリアセンサ142は、図4の(c)に示すように、載置台110の上面に設けられ、X軸方向に平行な2本の下部エリアセンサ142a、142bと、Y軸方向に平行な2本の下部エリアセンサ142c、142dとにより構成される。
なお、X軸方向に平行な下部エリアセンサ142a、142bは、載置台110のX軸方向マイナス側の端部が欠けているため、対応する上部エリアセンサ141a、141bよりも短い。つまり、載置台110と平パレット40の搬送路120との間には隙間が設けられている。このため、上部エリアセンサ141a、141bは、下部エリアセンサ142a、142bに対向していない部分を有する。上部エリアセンサ141a、141bの、下部エリアセンサ142a、142bに対向していない部分には、下部エリアセンサ143a、143bが対向して配置されている。つまり、4本の下部エリアセンサのうち、検出範囲がX軸方向に平行に配置された2本の下部エリアセンサは、さらに、隙間に対応する領域において、2つの下部エリアセンサ142a、142bの検出範囲の延長線上に配置されている隙間エリアセンサとしての下部エリアセンサ143を有する。下部エリアセンサ143a、143bは、例えば、載置台110の下方の床面上に設けられる。
また、4本の上部エリアセンサ141a〜141dのそれぞれは、ライン状に並んで配置された複数の受光器を有する。4本の下部エリアセンサ142のそれぞれは、上部エリアセンサ141に設けられた複数の受光器に向けて光を発する複数の投光器を有する。下部エリアセンサ143も同様に、複数の投光器を有する。
つまり、上部エリアセンサ141と、下部エリアセンサ142、143とは、互いに対応するペアとなっている。投光器は、Z軸方向に平行に光を発する。つまり、受光器が対応する投光器から発せられた光を受光していない場合には、当該投光器および当該受光器の間には物体が存在していることを示しており、この場合、コントローラ160に「Hi」の電気信号が通知される。また、受光器が対応する投光器から発せられた光を受光している場合には、当該投光器および当該受光器の間には物体が存在していないことを示しており、この場合、コントローラ160に「Lo」の電気信号が通知される。
なお、上部エリアセンサ141が受光器であり、下部エリアセンサ142、143が投光器であるとしたが、上部エリアセンサ141が投光器であり、下部エリアセンサ142、143が受光器であってもよい。
このように、4組のエリアセンサのそれぞれは、当該エリアセンサの検出範囲が当該エリアセンサ以外の少なくとも2つのエリアセンサの検出範囲に対して略直交する向きで配置されている。このため、4組のエリアセンサは、載置台110上の空間に載置された荷物20およびシートパレット21のX軸方向およびY軸方向における位置を検出する。
第1移動機構151は、載置台110を搬送路120に略直交する方向(X軸方向)に移動させる機構である。第1移動機構151は、例えば、X軸方向に沿って敷設されるレールおよび載置台110の下部に設けられる車輪によって構成され、モータによって車輪が駆動されることにより載置台110をX軸方向に沿って移動させてもよい。なお、第1移動機構151は、載置台110の代わりに、移し替え装置130をX軸方向に移動させてもよいし、搬送路120をX軸方向に移動させてもよい。また、第1移動機構151は、載置台110、搬送路120および移し替え装置130のうちの2以上をX軸方向に移動させてもよい。
第2移動機構152は、載置台110を搬送路120が延びる方向(Y軸方向)に移動させる機構である。第2移動機構152は、例えば、Y軸方向に沿って敷設されるレールおよび載置台110の下部に設けられる車輪によって構成され、モータによって車輪が駆動されることにより載置台110をY軸方向に沿って移動させてもよい。なお、第2移動機構152は、載置台110の代わりに、移し替え装置130をY軸方向に移動させてもよい。
コントローラ160は、検出器140が検出したずれに応じて、荷物20を当該荷物20が載置されているシートパレット21と共に所定領域内の位置に移動させることで、シートパレットの位置の補正を行う。具体的には、コントローラ160は、検出器140が検出したずれに応じて、旋回機構111の旋回量の調節を行うことで、荷物20を当該荷物20が載置されているシートパレット21と共に所定領域内の位置に相対的に移動させてもよい。また、コントローラ160は、検出器140が検出したずれに応じて、第1移動機構151を制御して載置台110、搬送路120、および、移し替え装置130の少なくとも一つを移動させることにより、荷物20を当該荷物20が載置されているシートパレット21と共に所定領域(所定領域R2)内の位置に相対的に移動させてもよい。また、コントローラ160は、検出器140が検出したずれに応じて、第2移動機構152を制御して載置台110および移し替え装置130の少なくとも一つを移動させることにより、荷物20を当該荷物20が載置されているシートパレット21と共に所定領域(所定領域R1)内の位置に相対的に移動させてもよい。また、コントローラ160は、検出器が検出したずれに応じて、搬送装置121を制御して平パレット40を搬送路120が延びる搬送方向(Y軸方向)に移動させることにより、荷物20を当該荷物20が載置されているシートパレット21と共に搬送方向における位置に移動させてもよい。また、コントローラ160は、移し替え装置130を制御して移し替え装置130の引き込みの動作が行われている間に、検出器140が検出したずれに応じて、シートパレットの位置の補正を行ってもよい。コントローラ160は、例えば、プロセッサおよび制御プログラムが格納されたメモリにより構成される。
[動作]
次に、移し替えシステム100の動作について、図5〜図11を用いて説明する。図5は、移し替えシステムの動作を示すフローチャートである。図6は、荷物のずれを載置台を旋回することにより調節する動作について説明するための図である。
(回転方向の調節)
移し替えシステム100は、まず、検出器140が載置台110に荷物20が載置されたことを検出した場合、動作を開始し、載置台110を旋回させる(S001)。具体的には、コントローラ160は、検出器140により載置台110に荷物20が載置されたことを検出した場合、図6の(a)に示すように、旋回機構111を制御することで、載置台110を中心P1を中心に180度旋回させて、図6の(b)に示す状態とする。
次に、移し替えシステム100は、所定領域に対するシートパレット21のずれを検出する(S002)。具体的には、コントローラ160は、検出器140による検出結果を用いて、荷物20が載せられているシートパレット21の載置台110上における位置を算出する。そして、シートパレット21の載置台110上における位置と、予め定められた所定領域とを比較することにより、所定領域に対するシートパレット21のずれを検出する。例えば、図6の(b)では、コントローラ160は、検出器140の検出結果からシートパレット21が角度θよりも大きい角度αだけ上面視において左回転方向に傾いて載置されていることを検出する。つまり、コントローラ160は、角度αから角度θを減じた角度のずれがあることを検出する。
次に、移し替えシステム100では、コントローラ160が検出器140が検出したずれに応じて、荷物を所定領域内の位置に相対的に移動させる(S003)。具体的には、コントローラ160は、図6の(c)に示すように、角度αから角度θを減じた角度のずれの分だけ旋回機構111の旋回量の調節を行うことで、荷物20を当該荷物20が載置されているシートパレット21と共に所定領域(つまり角度θ)内の位置に相対的に移動させる。なお、図6の(c)では、コントローラ160は、旋回機構111を制御して、載置台110を角度αの分だけ上面視における右回転に旋回させることで、シートパレット21の端部がY軸方向に平行になるように旋回調節する。さらに、コントローラ160は、図6の(d)に示すように、第1移動機構151を制御して載置台110を搬送路120に近づける。これにより、コントローラ160は、載置台110を、荷物20が載置されているシートパレット21を当該荷物20と共に移し替え装置130が引き込むことができる位置に、移動させることができる。
最後に、移し替えシステム100では、移し替え装置130を動作させて、シートパレット21に載せられた荷物20を搬送路120上の平パレット40に移載する(S004)。
(Y軸方向の調節)
図6では、所定領域に対して斜めに荷物20が載置された場合のずれの調節について説明したが、これに限らずに、図7に示すように、Y軸方向における所定領域R1に対して荷物20がずれた場合にも適用できる。
図7は、荷物のずれを載置台をY軸方向に移動させることにより調節する動作について説明するための図である。なお、図7では、ステップS002のずれの検出と、ステップS003の荷物の移動とについて説明する。
この場合、ステップS002のずれの検出において、コントローラ160は、図7の(a)に示すように、検出器140の検出結果からシートパレット21の中心C2が移し替え装置130のY軸方向における中心C1から距離D12だけY軸方向マイナス側にずれて載置されていることを検出する。
次に、ステップS003の荷物20の移動において、コントローラ160は、図7の(b)に示すように、距離D12だけY軸方向プラス側に載置台110を移動させることで、荷物20を当該荷物20が載置されているシートパレット21と共に所定領域R1内の位置に相対的に移動させる。なお、図7の(b)では、コントローラ160は、シートパレット21の中心C2が移し替え装置130のY軸方向における中心C1に一致するように載置台110を移動させるとしたが、これに限らずに、荷物20のY軸方向マイナス側の端部が所定領域R1のマイナス側の端部に一致するように載置台110を移動させてもよい。
図7では、載置台110をY軸方向に移動させることで荷物20を当該荷物20が載置されているシートパレット21と共に所定領域R1内の位置に相対的に移動させたが、所定領域R1内の位置に荷物20が位置する場合であっても、調節が必要な場合がある。この場合とは、例えば、図8に示すような、所定領域R1内の位置に荷物20が位置し、かつ、平パレット40に対して荷物20がY軸方向にずれている場合である。この場合、このまま移し替え装置130が平パレット40上に荷物20を当該荷物20が載置されているシートパレット21と共に引き込めば、荷物20は、平パレット40からY軸方向にはみ出た状態で載置されてしまう。このため、移し替えシステム100では、平パレット40をY軸方向に移動させることにより調節してもよい。
図8は、荷物の平パレットに対するずれを平パレットをY軸方向に移動させることにより調節する動作について説明するための図である。なお、図8では、ステップS002のずれの検出と、ステップS003の荷物の移動とについて説明する。
この場合、ステップS002のずれの検出において、コントローラ160は、図8の(a)に示すように、検出器140の検出結果からシートパレット21の中心C2が移し替え装置130のY軸方向における中心C1から距離D13だけY軸方向プラス側にずれて載置されていることを検出する。なお、平パレット40は、移し替え装置130の正面の位置に供給される場合に、平パレット40の中心が、移し替え装置130のY軸方向における中心C1に一致する位置に供給されるものとする。つまり、コントローラ160は、検出器140の検出結果からシートパレット21の中心C2が平パレット40の中心から距離D13だけY軸方向プラス側にずれて載置されていることを検出する。
次に、ステップS003の荷物20の移動において、コントローラ160は、図8の(b)に示すように、平パレット40を距離D13だけY軸方向プラス側に移動させることで、荷物20のY軸方向における位置に平パレット40を位置させる。
図7では、載置台110をY軸方向に移動させることで荷物20を当該荷物20が載置されているシートパレット21と共に所定領域R1内の位置に相対的に移動させたが、図9に示すように、移し替え装置130をY軸方向に移動させることで荷物20を当該荷物20が載置されているシートパレット21と共に所定領域R1内の位置に相対的に移動させてもよい。
図9は、荷物のずれを移し替え装置をY軸方向に移動させることにより調節する動作について説明するための図である。なお、図9では、ステップS002のずれの検出と、ステップS003の荷物の移動とについて説明する。
この場合、ステップS002のずれの検出において、コントローラ160は、図9の(a)に示すように、検出器140の検出結果からシートパレット21の中心C2が移し替え装置130のY軸方向における中心C1から距離D14だけY軸方向プラス側にずれて載置されていることを検出する。
次に、ステップS003の荷物20の移動において、コントローラ160は、図9の(b)に示すように、距離D14だけY軸方向プラス側に移し替え装置130を移動させることで、荷物20を当該荷物20が載置されているシートパレット21と共に所定領域R1内の位置に相対的に移動させる。ここで、移し替え装置130をY軸方向に移動させたため、所定領域R1もY軸方向に移動する。このため、荷物20と平パレット40との間にずれが生じる。よって、荷物20と平パレット40とのずれを解消するために、搬送装置121を駆動させることにより平パレット40を距離D14だけY軸方向プラス側に移動させることで、荷物20のY軸方向における位置に平パレット40を位置させる。つまり、移し替え装置130をY軸方向に移動させる場合には、所定領域R1もY軸方向に移動するため、移し替え装置130を移動させた分だけ平パレット40をY軸方向に移動させる。
(X軸方向の調節)
図7〜図9では、Y軸方向における所定領域R1に対して荷物20がずれた場合のずれの調節について説明したが、これに限らずに、図10に示すように、X軸方向における所定領域R21に対して荷物20が載置されているシートパレット21の端部がずれた場合にも適用できる。
図10は、荷物のずれを、載置台をX軸方向に移動させることにより調節する動作について説明するための図である。なお、図10では、ステップS002のずれの検出と、ステップS003の荷物の移動とについて説明する。
この場合、ステップS002のずれの検出において、コントローラ160は、図10の(a)に示すように、検出器140の検出結果から荷物20が載せられているシートパレット21のX軸方向マイナス側における端部がX軸方向における所定領域R21から距離D22だけX軸方向マイナス側にずれて載置されていることを検出する。
次に、ステップS003の荷物20の移動において、コントローラ160は、図10の(b)に示すように、距離D22だけX軸方向プラス側に載置台110を移動させることで、シートパレット21のX軸方向マイナス側の端部が所定領域R21内の位置に相対的に移動させる。これにより、荷物20は、図3Aに示した所定領域R2内の位置に相対的に移動される。
図10では、載置台110をX軸方向に移動させることで荷物20が載せられているシートパレット21のX軸方向マイナス側の端部を所定領域R2内の位置に相対的に移動させたが、図11に示すように、移し替え装置130をX軸方向に移動させることで当該シートパレット21のX軸方向マイナス側の端部を所定領域R21内の位置に相対的に移動させてもよい。
図11は、荷物のずれを移し替え装置をX軸方向に移動させることにより調節する動作について説明するための図である。なお、図11では、ステップS002のずれの検出と、ステップS003の荷物の移動とについて説明する。
この場合、ステップS002のずれの検出において、コントローラ160は、図11の(a)に示すように、検出器140の検出結果から荷物20が載せられているシートパレット21のX軸方向マイナス側における端部がX軸方向における所定領域R21から距離D22だけX軸方向マイナス側にずれて載置されていることを検出する。
次に、ステップS003の荷物20の移動において、コントローラ160は、図11の(b)に示すように、距離D22だけX軸方向マイナス側に移し替え装置130を移動させることで、シートパレット21のX軸方向マイナス側の端部が所定領域R21内の位置に相対的に移動させる。これにより、荷物20は、図3Aに示した所定領域R2内の位置に相対的に移動される。
また、図示していないが、移し替え装置130のパンタグラフ132の伸縮する長さが動的に調整できる場合、コントローラ160は、検出したずれの量に応じてパンタグラフ132の伸縮する長さを調節してもよい。
以上、回転方向の調節、Y軸方向の調節、および、X軸方向の調節についてそれぞれ説明したが、移し替えシステム100では、所定領域に対するずれに応じて、回転方向の調節、Y軸方向の調節、およびX軸方向の調節の少なくとも1つを組み合わせて行ってもよい。これにより、回転方向のずれ、Y軸方向のずれ、および、X軸方向のずれが生じていても、回転方向の調節、Y軸方向の調節、および、X軸方向の調節を適切に行うことができるため、自動的にシートパレット21に載せられた荷物20を当該荷物20が載置されているシートパレット21と共に平パレット40上に載せることが容易にできる。
[効果など]
以上のように、本実施の形態において、シートパレット21に載せられた荷物20を、平パレット40上に移し替える移し替えシステム100であって、当該移し替えシステム100は、載置台110と、旋回機構111と、移し替え装置130と、検出器140と、コントローラ160とを備える。載置台110は、荷物20がシートパレット21と共に載置される。旋回機構111は、載置台110を旋回させる。移し替え装置130は、所定領域内の位置にある荷物20をシートパレット21と共に平パレット40上に移し替える。検出器140は、所定領域に対するシートパレット21のずれを検出する。コントローラ160は、検出器140が検出したずれに応じて、荷物20が載置されたシートパレット21の位置の補正を行う。
ところで、フォークリフト30の操作者が、平パレット40上に、荷物20を、当該荷物20が載置されたシートパレット21と共に載置する場合、シートパレット21を平パレット40上に重なるように載置する必要がある。つまりこの場合、フォークリフト30の操作者には、シートパレット21を平パレット40に対して位置合わせした状態で載置しなければならず、フォークリフト30を精度よく操作することが求められる。よって、熟練の操作者でなければ正確な位置に荷物20を載置するのに時間を要することになる。
そこで、本実施の形態における移し替えシステム100によれば、載置台110に載置されたシートパレット21のずれに応じて、荷物20を所定領域内の位置に相対的に移動させる。このため、移し替え装置130は、載置台110に対して所定領域に対応する位置からずれた状態で載置された荷物20であっても、シートパレット21に載せられた当該荷物20を適切に平パレット40上に移し替えることができる。このため、作業者は、フォークリフト30を精度よく操作しなくても、シートパレット21に載せられた荷物20を適切に平パレット40上に移し替えることが容易にできる。
また、本実施の形態において、移し替え装置130は、シートパレット21のX軸方向マイナス側の端部を把持した状態で、シートパレット21を引き込むことで荷物20を平パレット40上に移し替える装置である。そして、所定領域の位置は、移し替え装置130がシートパレット21のX軸方向マイナス側の端部を把持することが可能な位置であって、移し替え装置130を基準とした相対的な位置である。
これによれば、移し替え装置130は、載置台110に対して所定領域に対応する位置からずれた状態で載置された荷物20であっても、当該荷物20が載せられたシートパレット21の端部を把持することができる。このため、移し替え装置130は、載置台110上の荷物20を適切に平パレット40上に移し替えることができる。
また、本実施の形態において、コントローラ160は、検出器140が検出したずれに応じて、旋回機構111の旋回量の調節を行うことで、荷物20を所定領域内の位置に相対的に移動させる。
これによれば、旋回機構111は、載置台110を、載置台110に載置されたシートパレット21のずれに応じて、シートパレット21の端部が移し替え装置130に正対するように回転させることができる。このため、移し替え装置130は、所定領域に対応する位置に対して斜めに載置された荷物20であっても、当該荷物20を適切に平パレット40上に移し替えることができる。
また、本実施の形態において、移し替えシステム100は、載置台110、搬送路120、および、移し替え装置130の少なくとも一つを、平パレット40の搬送路120に略直交する方向(X軸方向)に移動させる第1移動機構を備える。載置台110は、搬送路120の側方に設けられる。移し替え装置130は、搬送路120に対して載置台110とは反対側に設けられる。コントローラ160は、検出器140が検出したずれに応じて、第1移動機構151を制御して載置台110、搬送路120、および、移し替え装置130の少なくとも一つを移動させることにより、荷物20を所定領域内の位置に相対的に移動させる。
これによれば、第1移動機構151は、載置台110または移し替え装置130を、載置台110に載置されたシートパレット21のずれに応じて、搬送路120に略直交する方向に移動させることができる。このため、移し替え装置130は、所定領域に対応する位置から搬送路に略直交する方向にずれた状態で載置台110に載置された荷物20であっても、当該荷物20を適切に平パレット40上に移し替えることができる。
また、本実施の形態において、移し替えシステム100は、さらに、載置台110および移し替え装置130の少なくとも一つを平パレット40の搬送路120が延びる搬送方向(Y軸方向)に移動させる第2移動機構152を備える。コントローラ160は、検出器140が検出したずれに応じて、第2移動機構152を制御して載置台110および移し替え装置130の少なくとも一つを移動させることにより、荷物20を所定領域内の位置に相対的に移動させる。
これによれば、第2移動機構152は、載置台110または移し替え装置130を、載置台110に載置されたシートパレット21のずれに応じて、搬送方向に移動させることができる。このため、移し替え装置130は、所定領域に対応する位置から搬送方向にずれた状態で載置台110に載置された荷物20であっても、当該荷物20を適切に平パレット40上に移し替えることができる。
また、本実施の形態において、移し替えシステム100は、さらに、平パレット40を搬送路120に沿って搬送する搬送装置121を備える。コントローラ160は、検出器140が検出したずれに応じて、搬送装置121を制御して平パレット40を搬送路120が延びる搬送方向(Y軸方向)に移動させることにより、荷物20の搬送方向における位置に移動させる。
これによれば、搬送装置121は、載置台110に載置された荷物20のずれ量に応じて、平パレット40の供給位置を制御することができる。このため、移し替え装置130は、所定領域に対応する位置から搬送方向にずれた状態で載置台110に載置された荷物20であっても、当該荷物20を適切に平パレット40上に移し替えることができる。
また、搬送装置121は、例えば、載置台110および移し替え装置130の間に空の平パレット40を供給でき、かつ、平パレット40上に載置した荷物20を順次搬送することができる。このため、移し替え装置130は、載置台110上に載置された荷物20を、搬送路120上の平パレット40上に連続して移し替えることができる。
また、本実施の形態において、検出器140は、載置台110上に設けられ、所定の線分上の検出範囲における物体の位置を検出する少なくとも4つのエリアセンサである。少なくとも4つのエリアセンサのそれぞれは、当該エリアセンサの検出範囲が当該エリアセンサ以外の少なくとも2つのエリアセンサの検出範囲に対して略直交する向きで配置されている。
これによれば、井桁状に設けられた少なくとも4つのエリアセンサにより、平面視において四角形のシートパレットの4辺の位置を算出することができる。よって、所定領域に対するシートパレットのずれを、精度よく検出することができる。
また、本実施の形態において、載置台110と平パレット40の搬送路120との間には、隙間が設けられている。少なくとも4つのエリアセンサのうち、検出範囲が搬送路に略直交する向きで配置された少なくとも2つのエリアセンサは、さらに、隙間に対応する領域において、当該少なくとも2つのエリアセンサの検出範囲の延長線上に配置されている隙間エリアセンサを有する。
これによれば、載置台110と搬送路120との間の隙間にシートパレット21がはみ出している場合であっても、はみ出しているシートパレット21の位置を隙間エリアセンサにより検出することができる。よって、所定領域に対するシートパレットのずれを精度よく検出することができる。
(変形例)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。
そこで、以下、各実施の形態に係る変形例を例示する。
(変形例1)
上記実施の形態では、検出器140は、エリアセンサにより構成されるとしたが、カメラによって構成されてもよい。この場合、コントローラ160は、カメラによって撮像された画像に対して画像処理を行うことにより、荷物20およびシートパレット21の位置を検出する。
(変形例2)
また、上記実施の形態では、ステップS001において載置台110が180度旋回するレイアウトであるが、これに限らずに、例えば図12に示すように、載置台110が90度旋回するレイアウトの移し替えシステム100aであってもよい。なお、図12は、変形例における移し替えシステム100aの平面図である。
(変形例3)
また、上記実施の形態にでは、言及していないが、例えば、図13に示すような、さらに、載置台110を高さ方向に移動させる第3移動機構153と、載置台110に載置されたシートパレット21の端部の高さ方向の位置を検出する距離センサ144とを備える構成の移し替えシステム100bであってもよい。なお、図13は、変形例における移し替えシステム100bを側方(Y軸方向)から見た側面図である。
この場合、移し替えシステム100bのコントローラ160は、距離センサ144が検出した位置に応じて、第3移動機構153を制御して載置台110を高さ方向に移動させる。具体的には、コントローラ160は、移し替え装置130がシートパレット21の端部を把持することが可能な高さに、シートパレット21の端部が位置するように、第3移動機構153を制御して載置台110を高さ方向に移動させる。これにより、載置台110が第3移動機構153によって昇降可能な構成であっても、移し替え装置130の高さ方向に対して適切な位置に荷物20が載置されているシートパレット21の端部を位置させることができる。
なお、第3移動機構153は、移し替え装置130を高さ方向に移動させてもよい。つまり、この場合、コントローラ160は、距離センサ144が検出した位置に応じて、第3移動機構153を制御して移し替え装置130を高さ方向に移動させてもよい。
また、第3移動機構153は、搬送路120を高さ方向に移動させてもよい。つまり、この場合、コントローラ160は、距離センサ144が検出した位置に応じて、第3移動機構153を制御して搬送路120を高さ方向に移動させてもよい。
また、第3移動機構153は、載置台110、搬送路120、および、移し替え装置130のうちの2以上を高さ方向に移動させてもよい。つまり、この場合、コントローラ160は、距離センサ144が検出した位置に応じて、第3移動機構153を制御して載置台110、搬送路120、および、移し替え装置130のうちの2以上を高方向に移動させてもよい。
なお、この場合、距離センサ144を別途設けているが、実施の形態に記載した下部エリアセンサ143を距離センサとして利用してもよい。つまり、この場合、距離センサと下部エリアセンサとは同一のセンサにより構成される。なお、この場合、距離センサ144は、載置台151と搬送路120との間に設けられた隙間に対応する領域に配置される。
(変形例4)
また、上記実施の形態では、シートパレット21上に載置されている荷物20を移し替え装置130が引き込むときに、コントローラ160は、第1移動機構151を制御して載置台110をX軸方向マイナス側に移動させることで、載置台110と搬送路120との間の空間を狭めるとしたが、これに限らない。
例えば、載置台110と搬送路120との間の空間を埋めるための可動台が搬送路120の側面に配置されており、荷物20が載置されているシートパレット21を移し替え装置130が荷物20と共に引き込む直前に、コントローラ160は、当該可動台を搬送路120の側面の位置から載置台110と搬送路120との間の位置に移動させることで、載置台110と搬送路120との間の空間を埋めてもよい。また、この場合、上記実施の形態における下部エリアセンサ143に対応する下部エリアセンサは、可動台上に設けられていてもよい。
また、例えば、コントローラ160は、第1移動機構151を制御して搬送路120をX軸方向に移動させる場合には、搬送路120を載置台110側に移動させることで載置台110と搬送路120との間の空間を狭めてもよい。
以上、本発明の一つまたは複数の態様に係る荷揃えシステムについて、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。