JP6743446B2 - インホイールモータ駆動装置 - Google Patents
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Description
このインホイールモータ駆動装置において、ストラット式サスペンションは、ストラットの下端部分を、ユニットケースの上部位置に取り付ける。
インホイールモータユニットは、モータを、車軸方向にてストラットの取り付け位置よりも車両外側に配置し、減速ギア機構を、車軸方向にてストラットの取り付け位置に対してモータと反対側の車両内側に配置する。
減速ギア機構の少なくとも一部を、車軸方向にてストラットの支柱内側面の位置よりも更に車両内側に配置する。
第1実施例のインホイールモータ駆動装置は、前輪駆動によるインホイールモータ車において、ストラット式サスペンションにより車体に懸架される左右前輪(駆動輪、転舵輪)のそれぞれに適用した例である。以下、第1実施例の構成を、「全体装置構成」、「インホイールモータユニットの内部詳細構成」、「各構成要素の配置レイアウト構成」に分けて説明する。
図1は、第1実施例のインホイールモータ駆動装置であってインホイールモータユニットがストラット式サスペンションにより車体に懸架されている状態を示す。図2は、ストラットが取り付けられたインホイールモータユニットの外観を示す。図3は、ストラット及びタイヤホイールが取り付けられたインホイールモータユニットの概略構造を示す。
以下、図1〜図3に基づいて、第1実施例のインホイールモータ駆動装置の全体装置構成を説明する。
図4は、第1実施例のインホイールモータ駆動装置においてインホイールモータユニットの内部構造を示す。以下、図4に基づいて、インホイールモータユニットの内部詳細構成を説明する。
なお、第1アイドラー軸ギア64の端面には、パーキングレンジ位置の選択により図外のパーキングポールが動作し、パーキングポールとの噛み合いによりアイドラー軸60をユニットケース10に静止固定するパーキングギア91が設けられている。
図5は、モータジェネレータ・インバータ放熱プレート・減速ギア機構・ストラット・ホイールハブの車軸方向の位置関係による配置構成を示す。図6は、モータジェネレータ・減速ギア機構・ストラット・タイロッド連結部・ブレーキキャリパの車軸直交方向の位置関係及び円周方向の位置関係による配置構成を示す。以下、図5及び図6に基づいて、各構成要素の配置レイアウト構成を説明する。
モータジェネレータ5と減速ギア機構6とストラット31の車軸方向の位置関係は、図5に示すように、モータジェネレータ5を、車軸方向にてストラット31の取り付け位置よりも車両外側に配置している。減速ギア機構6を、車軸方向にてストラット31の取り付け位置に対してモータジェネレータ5と反対側の車両内側に配置している。
モータジェネレータ5と第1減速ギア列61とストラット31の車軸方向の位置関係は、図5に示すように、第1減速ギア列61を、車軸方向にてストラット31を挟んでモータジェネレータ5とは反対側の領域に配置している。第2減速ギア列62とストラット31の車軸方向の位置関係は、図5に示すように、第2減速ギア列62を、ストラット31の下側領域に配置している。つまり、車軸方向にて第2減速ギア列62と符合する位置にストラット31を配置しているので、図5及び図6に示すように、ストラット31の下端部を、ユニットケース10の内部まで埋め込み状態にて配置するスペースが確保される。
第1減速ギア列61による第1減速比を大きく、第2減速ギア列62による第2減速比を第1減速比より小さくしている。このため、図6に示すように、タイヤホイール2の中心軸CLの位置に配置されるホイール駆動軸21に設けられるホイール駆動軸ギア66の径が小さく抑えられる。よって、モータ軸ギア63と第1アイドラー軸ギア64と第2アイドラー軸ギア65とホイール駆動軸ギア66により占有する高さが、モータジェネレータの全高MHの範囲内にほぼ収まる配置になる。この結果、ユニットケース10の底面高さ位置BLが、トランスバースリンク33のユニットケース支持点P2から離れた高さ位置になる。
モータジェネレータ5は、図6に示すように、車軸直交方向にてホイール駆動軸21を挟んでナックルアーム15のタイロッド連結部96とは反対側の軸対称領域に配置される。つまり、タイロッド連結部96は、モータジェネレータ5とは車両前後方向に離れて形成される空スペース領域に配置される。
ブレーキキャリパ93は、図6に示すように、ホイール駆動軸21を中心とする円周方向にてナックルアーム15のタイロッド連結部96とモータジェネレータ5との間の円周領域に配置される。つまり、ブレーキキャリパ93は、タイロッド連結部96とモータジェネレータ5との間に円周方向に形成される空スペース領域に配置される。
第1実施例の作用を、「インホイールモータユニットの置換作用」、「フル転舵時におけるインホイールモータユニット変位作用」、「フルリバウンド時におけるトランスバースリンク変位作用」、「インホイールモータ駆動装置の特徴作用」に分けて説明する。
以下、図7に基づいて、ドライブシャフトにより左右前輪を駆動する電気自動車のストラット式フロントサスペンションをそのまま用い、そのステアリングナックル部分に、第1実施例のインホイールモータユニット1を取り付ける置換作用を説明する。
(A) ストラット式以外の独立懸架サスペンション(ダブルウィッシュボーン式など)では、キャンバー方向の位置決めのためのアッパーアームが必要となり、その空間が犠牲になる。しかし、ストラット式では、ショックアブソーバがその役割をするので、車室空間を大きく取れる。この利点は、レイアウト空間に余裕がないFF車において、特に重要である。
(B) 車体側の支持点(ピボット点)の間隔が大きいため、強度的に有利であり、アライメントの製造誤差が比較的小さい。
(C) 構造が簡単で部品点数が少ないため、コスト、重量の点で有利である。
そして、上記のようなメリットを持つことにより、現在、乗用車のフロントサスペンションとして、最も多く採用されているのがストラット式フロントサスペンションである。
上記のように、ストラット式フロントサスペンションをそのまま用いてインホイールモータユニット1に置き換えたとき、ステアリング操作時にインホイールモータユニット1とサイドメンバ43(車体4)とが干渉するのを回避する必要がある。以下、図8に基づいて、フル転舵時におけるインホイールモータユニット1の変位作用を説明する。
上記のように、ストラット式フロントサスペンションをそのまま用いてインホイールモータユニット1に置き換えたとき、フルリバウンド時にインホイールモータユニット1とトランスバースリンク33とが干渉するのを回避する必要がある。以下、図9に基づいて、フルリバウンド時におけるトランスバースリンク33の変位作用を説明する。
第1実施例では、ストラット式サスペンション3は、ストラット31の下端部分を、ユニットケース10の上部位置に取り付ける。インホイールモータユニット1は、モータジェネレータ5を、車軸方向にてストラット31の取り付け位置よりも車両外側に配置し、減速ギア機構6を、車軸方向にてストラット31の取り付け位置に対してモータジェネレータ5と反対側の車両内側に配置する。
例えば、減速ギア機構6の全部を、ストラット31よりも車両内側に配置することができるが、この場合には、ユニットケース10の軸長を増大させてしまう。
これに対し、減速ギア機構6の一部を、車軸方向にてストラット31とオーバラップさせることで、ユニットケース10の軸長の増大が抑えられる。
即ち、モータ軸51とホイール駆動軸21との間の減速比が、第1減速ギア列61の第1減速比と第2減速ギア列62の第2減速比の積により決まる。
従って、減速ギア機構6の減速比として、大きな減速比が可能であることで、高回転・低トルクの小径タイプのモータジェネレータ5を用いることができる。
即ち、第2減速ギア列62による第2減速比は、第1減速ギア列61による第1減速比よりも小さくされる。このため、第2減速ギア列62の出力側ギアであるホイール駆動軸ギア66の大きさを抑えることができる。この結果、図6に示すように、ユニットケース10の底面高さ位置BLが、トランスバースリンク33のユニットケース支持点P2から離れた高さ位置になる。
従って、サスペンションが伸び切ったフルリバウンド状態になったとしても、ユニットケース10とトランスバースリンク33の干渉が回避される。
即ち、車軸方向にて第2減速ギア列62と符合する位置にストラット31を配置しているので、図5及び図6に示すように、ストラット31の下端部を、ユニットケース10の内部まで埋め込み状態にて配置するスペースが確保される。つまり、ストラット31の下端部を埋め込み状態としても、第1アイドラー軸ギア64やモータジェネレータ5と干渉しない。このため、既存のストラット式サスペンションをそのまま用い、そのステアリングナックル部分に、インホイールモータユニット1を取り付けることが可能になる。
従って、インホイールモータユニット1を搭載したインホイールモータ駆動装置Aが、既存のストラット式サスペンションを流用した置き換えにより構成される。
即ち、タイロッド連結部96は、モータジェネレータ5とは車両前後方向に離れて形成される空スペース領域に配置される。このため、モータジェネレータ5は、タイロッド連結部96による径方向長さの制約を受けることなく、タイヤホイール2の内径とホイール駆動軸21の外径による径方向範囲内でモータ外径を決めることができる。
従って、タイロッド連結部96による制約を受けることなくモータジェネレータ5のモータ外径の長さを取れることで、所望のモータ出力が確保される。
即ち、ブレーキキャリパ93は、車軸方向に専用のスペースを確保することなく、タイロッド連結部96とモータジェネレータ5との間に円周方向に形成される空スペース領域に配置される。
従って、ユニットケース10の車軸方向の長さを拡大することなく、ユニットケース10やタイロッド連結部96とブレーキキャリパ93の干渉が回避される。
第1実施例のインホイールモータ駆動装置Aにあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
インホイールモータユニット1は、タイヤホイール2の内側空間部分に配設されるユニットケース10のケース内空間に、モータ(モータジェネレータ5)と減速機(減速ギア機構6)を配置する。
ストラット式サスペンション3は、車両上下方向に作用する力を支えるストラット31を用い、インホイールモータユニット1を含むバネ下部材を車体4に懸架する。
このインホイールモータ駆動装置Aにおいて、ストラット式サスペンション3は、ストラット31の下端部分を、ユニットケース10の上部位置に取り付ける。
インホイールモータユニット1は、モータ(モータジェネレータ5)を、車軸方向にてストラット31の取り付け位置よりも車両外側に配置する。減速機(減速ギア機構6)を、車軸方向にてストラット31の取り付け位置に対してモータ(モータジェネレータ5)と反対側の車両内側に配置する(図5)。
このため、ユニットケース10のケース内空間にモータ(モータジェネレータ5)と減速機(減速ギア機構6)を配置する際、車体4や隣接するリンク部材との干渉を回避しつつ、所望のモータ出力を確保することができる。
このため、(1)の効果に加え、減速機(減速ギア機構6)の一部を、車軸方向にてストラット31とオーバラップさせることで、ユニットケース10の軸長増大を抑えることができる。
このため、(2)の効果に加え、大きな減速比が可能であることで、高回転・低トルクの小径タイプのモータ(モータジェネレータ5)を用いることができる。
減速機は、第1減速機を第1減速ギア列61とし、第2減速機を第2減速ギア列62とする減速ギア機構6である。
減速ギア機構6は、第1減速ギア列61による第1減速比を、第2減速ギア列62による第2減速比より大きくする(図6)。
このため、(3)の効果に加え、サスペンションが伸び切ったフルリバウンド状態になったとしても、ユニットケース10とトランスバースリンク33の干渉を回避することができる。
第2減速ギア列62は、ストラット31の下側領域に配置する(図6)。
このため、(4)の効果に加え、インホイールモータユニット1を搭載したインホイールモータ駆動装置Aを、既存のストラット式サスペンションを流用した置き換えにより構成することができる。
ユニットケース10に、ステアリング機構のタイロッド86が連結されるナックルアーム15を設ける。
モータ(モータジェネレータ5)を、車軸直交方向にてホイール駆動軸21を挟んでナックルアーム15のタイロッド連結部96とは反対側の領域に配置する(図6)。
このため、(1)〜(5)の効果に加え、タイロッド連結部96による制約を受けることなくモータ(モータジェネレータ5)のモータ外径の長さを取れることで、所望のモータ出力を確保することができる。
ユニットケース10に、ブレーキロータ87を挟圧するブレーキキャリパ93を設ける。
ブレーキキャリパ93を、ホイール駆動軸21を中心とする円周方向にてナックルアーム15のタイロッド連結部96とモータ(モータジェネレータ5)との間の円周領域に配置する(図6)。
このため、(1)〜(6)の効果に加え、ユニットケース10の車軸方向の長さを拡大することなく、ユニットケース10やタイロッド連結部96とブレーキキャリパ93の干渉を回避することができる。
1 インホイールモータユニット
10 ユニットケース
15 ナックルアーム
2 タイヤホイール
21 ホイール駆動軸
3 ストラット式サスペンション
31 ストラット
32 コイルスプリング
33 トランスバースリンク
4 車体
5 モータジェネレータ(モータ)
51 モータ軸
6 減速ギア機構(減速機)
61 第1減速ギア列(第1減速機)
62 第2減速ギア列(第2減速機)
86 タイロッド
87 ブレーキロータ
93 ブレーキキャリパ
96 タイロッド連結部
Claims (7)
- タイヤホイールの内側空間部分に配設されるユニットケースのケース内空間に、モータと減速ギア機構を配置するインホイールモータユニットと、
車両上下方向に作用する力を支えるストラットを用い、前記インホイールモータユニットを含むバネ下部材を車体に懸架するストラット式サスペンションと、
を備えるインホイールモータ駆動装置において、
前記ストラット式サスペンションは、前記ストラットの下端部分を、前記ユニットケースの上部位置に取り付け、
前記インホイールモータユニットは、前記モータを、車軸方向にて前記ストラットの取り付け位置よりも車両外側に配置し、前記減速ギア機構を、車軸方向にて前記ストラットの取り付け位置に対して前記モータと反対側の車両内側に配置し、
前記減速ギア機構の少なくとも一部を、車軸方向にて前記ストラットの支柱内側面の位置よりも更に車両内側に配置する
ことを特徴とするインホイールモータ駆動装置。 - タイヤホイールの内側空間部分に配設されるユニットケースのケース内空間に、モータと減速ギア機構を配置するインホイールモータユニットと、
車両上下方向に作用する力を支えるストラットを用い、前記インホイールモータユニットを含むバネ下部材を車体に懸架するストラット式サスペンションと、
を備えるインホイールモータ駆動装置において、
前記ストラット式サスペンションは、前記ストラットの下端部分を、前記ユニットケースの上部位置に取り付け、
前記インホイールモータユニットは、前記モータを、車軸方向にて前記ストラットの取り付け位置よりも車両外側に配置し、前記減速ギア機構を、車軸方向にて前記ストラットの取り付け位置に対して前記モータと反対側の車両内側に配置し、
前記減速ギア機構の一部を、車軸方向にて前記ストラットの支柱とオーバラップするストラット下側領域に配置し、前記減速ギア機構の残りの部分を、車軸方向にて前記ストラットの支柱内側面の位置よりも更に車両内側に配置する
ことを特徴とするインホイールモータ駆動装置。 - 請求項1又は2に記載されたインホイールモータ駆動装置において、
前記減速ギア機構は、第1減速ギア列と第2減速ギア列による2段減速機とする
ことを特徴とするインホイールモータ駆動装置。 - 請求項3に記載されたインホイールモータ駆動装置において、
前記ユニットケースは、ケース下部位置と車体とが、トランスバースリンクにより連結され、
前記減速ギア機構は、前記第1減速ギア列による第1減速比を、前記第2減速ギア列による第2減速比より大きくする
ことを特徴とするインホイールモータ駆動装置。 - 請求項4に記載されたインホイールモータ駆動装置において、
前記第1減速ギア列は、車軸方向にて前記ストラットを挟んで前記モータとは反対側の領域に配置し、
前記第2減速ギア列は、前記ストラットの下側領域に配置する
ことを特徴とするインホイールモータ駆動装置。 - 請求項1から5までの何れか一項に記載されたインホイールモータ駆動装置において、
前記モータは、ホイール駆動軸と平行なモータ軸を有し、
前記ユニットケースに、ステアリング機構のタイロッドが連結されるナックルアームを設け、
前記モータを、車軸直交方向にて前記ホイール駆動軸を挟んで前記ナックルアームのタイロッド連結部とは反対側の領域に配置する
ことを特徴とするインホイールモータ駆動装置。 - 請求項6に記載されたインホイールモータ駆動装置において、
前記タイヤホイールは、前記ユニットケースと車軸方向に隣接する位置に固定されたブレーキロータを有し、
前記ユニットケースに、前記ブレーキロータを挟圧するブレーキキャリパを設け、
前記ブレーキキャリパを、前記ホイール駆動軸を中心とする円周方向にて前記ナックルアームのタイロッド連結部と前記モータとの間の円周領域に配置する
ことを特徴とするインホイールモータ駆動装置。
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