JP6740822B2 - 自動二輪車のトルクリミッタ機構 - Google Patents

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本発明は、自動二輪車の後輪における動力伝達系の途中に配されるトルクリミッタ機構に関するものである。
この種の車両において、後輪の車軸であるアクスルシャフト等にエンジン駆動力の伝達系の適所にトルクリミッタを設けている。トルクリミッタによれば、エンジントルク以上の負荷が後輪のタイヤに加わった際にその車軸とこれに圧入されたギヤの圧入部を滑らせて、その負荷による衝撃を逃がすことで部品の損傷を防ぐようにしている。
例えば特許文献1に開示される自動変速装置は、複数の変速ギヤ対とギヤ選択機構とを有する変速装置と、ギヤ選択機構を駆動するシフトモータと、シフトモータの動力をギヤ選択機構に伝達するシフト動力伝達機構と、シフト動力伝達機構の一部である第3減速ギヤと第3シャフトとを有するトルクリミッタを備えている。
特開2009−24857号公報
圧入部には、圧入時のカジリ防止やアクスルシャフトが滑った際の焼付き防止等のために、表面処理が施される。しかしながら、表面処理による圧入部の摩擦係数の管理が困難である。圧入部において設計値通りの伝達トルクが得られず、そのままではアクスルシャフトが滑ったり、加速不良の原因となる。なお、表面処理による摩擦係数の管理が困難になる要因として、例えば固体潤滑材を形成させる表面処理において、圧入時に固体潤滑皮膜の一部が剥離し、あるいはアクスルシャフトが滑った際に固体潤滑皮膜が剥離する等がある。
本発明はかかる実情に鑑み、圧入部の摩擦係数を安定させる自動二輪車のトルクリミッタ機構を提供することを目的とする。
本発明の自動二輪車のトルクリミッタ機構は、エンジンの駆動力をアイドルシャフトから伝達されるリヤアクスルシャフトと、前記アイドルシャフトに設けられたファイナルドライブギヤと、前記リヤアクスルシャフトに圧入されたファイナルドリブンギヤとを備え、前記リヤアクスルシャフトと前記ファイナルドリブンギヤの圧入部には、前記リヤアクスルシャフトの軸方向に設けられた潤滑油導入溝と、該リヤアクスルシャフトの周方向に設けられた潤滑溝とを有し、前記潤滑油導入溝は、前記リヤアクスルシャフトの軸方向に前記圧入部よりも長いことを特徴とする。
本発明によれば、圧入部に潤滑油が保持されることになり圧入部の摩擦係数が安定し、設計値通りの伝達トルクを得ることができ、トルクリミッタ機構の適性機能が発揮、保証される。
本発明の自動二輪車のトルクリミッタ機構に係る自動二輪車の左後方斜視図である。 本発明に係る車体フレームに搭載されたパワーユニットまわりを示す右後方斜視図である。 本発明に係るパワーユニットにおけるクランクシャフト軸線及び後輪車軸線を通る平断面図である。 本発明の実施形態に係るギヤ減速機におけるギヤ配置構成例等を示す側面図である。 本発明の実施形態に係るギヤ減速機におけるギヤ配置構成例等を示す上面図である。 本発明の実施形態におけるトルクリミッタ機構に係る圧入部で結合するリヤアクスルシャフト及びファイナルドリブンギヤの斜視図である。 本発明に係るトルクリミッタ機構の圧入部の構成例を示す右方斜視図である。 本発明に係るトルクリミッタ機構の圧入部における潤滑油導入溝及び潤滑溝の構成例を示す斜視図である。 本発明に係るトルクリミッタ機構の圧入部の構成例を示す左方斜視図である。 本発明に係るトルクリミッタ機構の圧入部のリヤアクスルシャフト軸方向に沿う断面図である。 本発明に係るトルクリミッタ機構の圧入部のリヤアクスルシャフト軸方向と直交方向に沿う断面図である。 本発明に係るトルクリミッタ機構の圧入部の潤滑油導入溝の変形例を示す図である。 本発明に係るトルクリミッタ機構の圧入部の潤滑油導入溝の別の変形例を示す図である。
以下、図面に基づき、本発明による自動二輪車のトルクリミッタ機構における好適な実施の形態を説明する。
本発明の実施形態における自動二輪車のトルクリミッタ機構の一態様によれば、エンジンの駆動力をアイドルシャフトから伝達されるリヤアクスルシャフトと、前記アイドルシャフトに設けられたファイナルドライブギヤと、前記リヤアクスルシャフトに圧入されたファイナルドリブンギヤとを備え、前記リヤアクスルシャフトと前記ファイナルドリブンギヤの圧入部には、前記リヤアクスルシャフトの軸方向に設けられた潤滑油導入溝と、該リヤアクスルシャフトの周方向に設けられた潤滑溝とを有する。
相互に連通する潤滑油導入溝及び潤滑溝を持つことで、圧入部に潤滑油が保持されることになり圧入部の摩擦係数が安定し、設計値通りの伝達トルクを得ることができる。これにより、自動二輪車の後輪にかかる負荷が、エンジンから伝達されるトルクを超えると、ファイナルドリブンギヤがリヤアクスルシャフトに対して回転し、トルクリミッタ機構の適性機能が発揮、保証される。
図1は、本発明の実施例における自動二輪車のトルクリミッタ機構に係る自動二輪車の左後方斜視図である。先ず、図1を用いて、自動二輪車100の全体構成について概略説明する。なお、以下の説明で用いる図において必要に応じて、ライダーから見る方向を車両前方とし、その逆方向を後方とする。また、右側を右方、左側を左方とし、これらの方向をそれぞれ必要に応じて適宜、矢印により示す。
自動二輪車100は、鋼製あるいはアルミニウム合金製でなる複数の車体フレームにより車体骨格が形成され、車体フレームに対する各種部品の艤装を経て構成される。詳細図示を省略するが、車体フレームの一部であるダウンチューブは、その前端がステアリングヘッドパイプに結合しており、ステアリングヘッドパイプから略下方向に向けて延出し、その下端部付近でアンダーフレームと接続する。このアンダーフレームは略後方に延出する。アンダーフレームの後端部側には、車体フレームの一部として左右一対で構成されるリヤフレームが結合し、その一対のそれぞれが概して後上方に傾斜して延出する。
また、ステアリングヘッドパイプは、フロントフォーク101を左右方向に回動可能に支持し、フロントフォーク101の上方にはハンドルバー102が固定されると共に、下端側には前輪103が回転可能に支持される。前輪103には、これと一体回転するブレーキディスク104が装備される。
更に、アンダーフレームの後部及びリヤフレームの下部に跨るように、後述するエンジン11を含むパワーユニット10を支持するためのブラケットが付設形成される。このブラケットに連結されたステーを介して、スイング軸のまわりに上下方向に揺動可能にスイング式パワーユニット10が支持される。なお、パワーユニット10は、エンジン11のシリンダアセンブリや、クランクケース及びベルト/プーリを用いてなる無段変速機を内包する動力伝動装置12をユニット化したものであり、その車両前方側にて上述のステーに揺動可能に連結し、車両後方側にて動力伝動装置12により後輪105を回転可能に支持する。動力伝動装置12の後部とリヤフレームとの間はショックアブソーバ106によって連結され、パワーユニット10全体としてスイングアームとして機能する。
また、図1に示されるようにパワーユニット10の上方には、ライダーが着座するためのシート107を備え、シート107に着座したライダーが足を載せるためのステップボード108を有する。なお、ステップボード108は車両外観を構成するレッグフレームカバー109と一体的に形成される。また、パワーユニット10とシート107との間には、シート107により開閉される物品等の収納スペースとして構成されたラゲッジボックスを備えることができる。
車両外観としては、各種車体カバーが車体フレーム等の適所に支持されて被着される。フロントレッグシールド110は車両前面側を覆うと共にウィンカ等が実装され、上述のステップボード108と一体的に連なる。リヤフレームカバー111はシート107の下方乃至車両後方側を覆うと共に、ウィンカやブレーキランプが実装される。前輪103及び後輪105の上方はそれぞれフロントフェンダ及びリヤフェンダ112によって覆われる。
次に、図2及び図3等を参照してパワーユニット10について説明する。なお、図2は車体フレームに搭載されたパワーユニット10まわりを示す右後方斜視図、図3はクランクシャフト軸線及び後輪車軸軸線を通る平断面図である。パワーユニット10の基本構成において例えば空冷式4サイクル単気筒エンジン11を有し、このエンジン11は本例ではSOHCエンジン等であってよい。エンジン11は、左右方向に水平配置されるクランクシャフト13を回転自在に支持、収容するクランクケース14と、クランクケース14に対して前方に順次シリンダブロック15、シリンダヘッド16及びシリンダヘッドカバー17が結合し、シリンダ軸線18が略水平方向に設定される。この場合、シリンダヘッド16側が適度に高くなるようにシリンダブロック15のシリンダ軸線18はかなり前傾し、即ち略水平に近いかたちで傾斜する。
パワーユニット10において、クランクケース14と一体に結合する動力伝動装置12を有し、この動力伝動装置12はベルト及びプーリ等を用いてなる無段変速機19と、複数のギヤ等を用いてなるギヤ減速機20とを含む。この例ではクランクケース14は左右2つ割りに分割構成され(クランクケース14R、クランクケース14L)、無段変速機19のケーシング21がクランクケース14Lと一体に結合する。クランクシャフト13はベアリング22を介してクランクケース14に回転自在に支持される。ギヤ減速機20のケーシング23が無段変速機19のケーシング21の後部と一体的に結合し、後述のように後輪105がギヤ減速機20のケーシング23に支持される。動力伝動装置12を介してクランクシャフト13と後輪105とが連結され、即ちエンジン出力が後輪105へ伝達される。
無段変速機19において、ケーシング21内には略前後方向に所定間隔あけて一対のドライブプーリ24及びドリブンプーリ25がそれぞれ回転可能に支持される。これらドライブプーリ24及びドリブンプーリ25はベルト26(図3において二点鎖線により略記する)を介して相互に連結される。クランクシャフト13の左端部側にはドライブプーリ24が取り付けられ、一方、ドリブンプーリ25はケーシング21の後部に配置されたドライブシャフト27に取り付けられる。なお、ドライブシャフト27はベアリング28,29を介してケーシング23に回転自在に支持される。ドライブプーリ24はフィクストドライブフェイス24A及びムーバブルドライブフェイス24Bを有し、また、ドリブンプーリ25はフィクストドリブンフェイス25A及びムーバブルドリブンフェイス25Bを有する。クランクシャフト13の回転力がベルト26を介してドリブンプーリ25に伝達されるが、この場合、ドリブンプーリ25に伝達された回転駆動力が遠心クラッチ機構30を介してドライブシャフト27に伝達される。
ギヤ減速機20において、ドライブシャフト27はアイドルシャフト31を介して、リヤアクスルシャフト32に連結され、このリヤアクスルシャフト32から後輪105へ回転駆動力が伝達される。アイドルシャフト31はベアリング33,34を介してケーシング23に回転自在に支持される。また、リヤアクスルシャフト32はベアリング35,36を介してケーシング23に回転自在に支持される。ドライブシャフト27にはアイドルドライブギヤ37が一体に形成されると共に、アイドルシャフト31にはアイドルドライブギヤ37よりも大径のアイドルドリブンギヤ38が別体に設けられる。アイドルドライブギヤ37及びアイドルドリブンギヤ38が相互に噛合することで、ドライブシャフト27の回転がアイドルシャフト31に減速されて伝達される。
また、アイドルシャフト31にはファイナルドライブギヤ39が一体に形成されると共に、リヤアクスルシャフト32にはファイナルドライブギヤ39よりも大径のファイナルドリブンギヤ40が別体に設けられる。ファイナルドライブギヤ39及びファイナルドリブンギヤ40が相互に噛合することで、アイドルシャフト31の回転がリヤアクスルシャフト32に減速されて伝達される。リヤアクスルシャフト32にはハブ41が取り付けられ、このハブ41を介して後輪105(図3において後輪105のタイヤ105Aを二点鎖線により略記する)が支持される。
エンジン11の出力は図3の矢印Pで略記するように、動力伝動装置12を経由して後輪105へ伝達される。この場合、クランクシャフト13の回転が無段変速機19で無段変速され、次にギヤ減速機20で減速されてリヤアクスルシャフト32に伝達される。ギヤ減速機20内では図4及び図5に示されるようにドライブシャフト27、アイドルシャフト31及びリヤアクスルシャフト32は矢印のように回転する。そして、これと同時にアイドルドライブギヤ37、アイドルドリブンギヤ38、ファイナルドライブギヤ39及びファイナルドリブンギヤ40が、図4及び図5の矢印のように回転して動力が伝達される。このように構成される動力伝達系の途中に、後述するトルクリミッタ機構を有し、後輪105に対してエンジントルク以上の負荷が加わった際に、その衝撃を意図的に逃がして動力伝達系の部品等の損傷を防ぐようにしている。
トルクリミッタ機構の具体的構成において、図6に示すようにリヤアクスルシャフト32の左軸端部に設定された圧入部42にてファイナルドリブンギヤ40が圧入される。ギヤ減速機20の最終段においてリヤアクスルシャフト32及びファイナルドリブンギヤ40を圧入構造で結合することで、エンジントルク以上の負荷が加わった場合に圧入部42を滑らせるようにしたトルクリミッタ機構43が実現される。
本発明のトルクリミッタ機構43において、図7及び図8等に示すようにリヤアクスルシャフト32とファイナルドリブンギヤ40の圧入部42には、リヤアクスルシャフト32の軸方向に設けられた潤滑油導入溝44と、リヤアクスルシャフト32の周方向に設けられた潤滑溝45とを有する。なお、リヤアクスルシャフト32の外径とリヤアクスルシャフト32が圧入されるファイナルドリブンギヤ40の内孔40aの内径は、圧入部42に所定トルクが加わった場合に滑りが生じるように寸法公差が設定される。つまり、後輪105にかかる負荷が、エンジン11から伝達されるトルクを超えると、ファイナルドリブンギヤ40がリヤアクスルシャフト32に対して回転する。
圧入部42において典型的には潤滑油導入溝44はリヤアクスルシャフト32の軸方向に沿って連続して延設され、また、潤滑溝45はその周方向に沿って連続して延設され、これにより潤滑油導入溝44及び潤滑溝45は交差するように形成される。即ち、潤滑油導入溝44及び潤滑溝45は溝として、相互に連通し合う。
また、潤滑油導入溝44は、リヤアクスルシャフト32の軸方向に圧入部42よりも長く形成される。図8に示されるように潤滑油導入溝44は、リヤアクスルシャフト32の軸方向に長さLを有し、この潤滑油導入溝44の長さLは、圧入部42のリヤアクスルシャフト32の軸方向の長さよりも長く設定される。
このため図7及び図9に示されるように潤滑油導入溝44は、そのリヤアクスルシャフト32の軸方向の両端部が圧入部42から露出するようになっている。
また、潤滑油導入溝44は複数設けられ、例えば図10A及び図10Bに示したようにリヤアクスルシャフト32の外周面において円周4分割する位置に対応して4つの潤滑油導入溝44が設けられる。なお、この例の場合に限らず、4つ以上あるいはそれ以下の潤滑油導入溝44が設けることができる。
動力伝動装置12のギヤ減速機20の作動時にドライブシャフト27、アイドルシャフト31及びリヤアクスルシャフト32の回転する(図5参照)。これらのシャフトの回転に伴い、図4を参照して主にはアイドルドリブンギヤ38、ファイナルドライブギヤ39やファイナルドリブンギヤ40等の回転により、矢印Mあるいは矢印Nのようにケーシング23の内室23a内で潤滑油46の流れが形成される。上述のように潤滑油導入溝44は、圧入部42のリヤアクスルシャフト32の軸方向の長さよりも長く設定され(図8)、そのリヤアクスルシャフト32の軸方向の両端部が圧入部42から露出する。内室23a内で上記のように流れる潤滑油46は、図7及び図9に示したように各潤滑油導入溝44の両端部に流れ込み、潤滑油導入溝44に沿って圧入部42の内方へと流入する。潤滑油46は潤滑油導入溝44から更に潤滑溝45へ流入する。このように圧入部42の潤滑油導入溝44及び潤滑溝45には潤滑油46が常時流通し、且つ保持された状態となる。
本発明のトルクリミッタ機構43によれば、エンジン11の駆動力をアイドルシャフト31から伝達されるリヤアクスルシャフト32と、アイドルシャフト31に設けられたファイナルドライブギヤ39と、リヤアクスルシャフト32に圧入されたファイナルドリブンギヤ40とを備える。そして特に、リヤアクスルシャフト32とファイナルドリブンギヤ40の圧入部42は、リヤアクスルシャフト32の軸方向に設けられた潤滑油導入溝44と、その周方向に設けられた潤滑溝45とを有している。
このように相互に連通する潤滑油導入溝44及び潤滑溝45を持つことで、圧入部42に潤滑油46が保持されることになり圧入部42の摩擦係数が安定し、設計値通りの伝達トルクを得ることができる。即ち、後輪105にかかる負荷が、エンジン11から伝達されるトルクを超えると、ファイナルドリブンギヤ40がリヤアクスルシャフト32に対して回転し、トルクリミッタ機構43の適性機能が発揮、保証される。エンジントルク以上の負荷が後輪105に加わった際に圧入部42を滑らすことで、意図的に衝撃を逃がすことで関連部品、即ちギヤ減速機20内の複数のギヤ類等の損傷を防ぐことができる。
また、潤滑油導入溝44及び潤滑溝45を設けて、これらに保持される潤滑油を使用するので表面処理の場合に比べて耐久性が向上する。前述したように表面処理による場合にあっては、アクスルシャフトが滑った際に固体潤滑皮膜が剥離する等があるが、本発明によればそのような問題が生じないため、トルクリミッタ機構43の耐久性向上を図ることができる。潤滑油導入溝44及び潤滑溝45を設けるだけの簡素な構造であるため、トルクリミッタ機構43を極めて安価に実現することができ、コスト的、製造的に有利である。
潤滑油導入溝44は、圧入部42のリヤアクスルシャフト32の軸方向の長さよりも長く設定されため、その両端部が圧入部42から露出する。そして、アイドルドリブンギヤ38、ファイナルドライブギヤ39やファイナルドリブンギヤ40等の回転でかき上げられた潤滑油46を潤滑油導入溝44に導き易くなり、圧入部42における安定した潤滑が可能になる。
また、リヤアクスルシャフト32の軸方向の潤滑油導入溝44は複数設けられているため、トルクリミッタ機構43が作動する際の滑り時に潤滑油導入溝44のエッジがファイナルドリブンギヤ40の内孔40aの内周面に引っ掛かり不要な滑りを抑制できる。これによりリヤアクスルシャフト32の高回転による焼付き防止や、エンジン駆動力が後輪105に伝わるまでの動力伝達ロスが減り、自動二輪車100における走行フィーリングが向上する。また、複数の潤滑油導入溝44を持つことで、圧入部42における安定した潤滑が可能になる。
ここで、本発明の変形において、例えば図11Aに示すように潤滑油導入溝44はリヤアクスルシャフト32の軸方向と直交方向に見た場合に、リヤアクスルシャフト32の軸方向に対して適度に傾斜するように複数設けることができる。
あるいは図11Bに示すように潤滑溝45に対してリヤアクスルシャフト32の軸方向の両側で交互に複数の潤滑油導入溝44を設けることができる。
いずれの場合も潤滑油導入溝44は潤滑溝45に連通すると共に、圧入部42のリヤアクスルシャフト32の軸方向の両側で端部が露出するように形成される。潤滑油導入溝44から潤滑溝45へ潤滑油は流入することで、圧入部42に潤滑油が常時流通させ、トルクリミッタ機構43の適性機能が発揮、保証される。
以上、本発明を種々の実施形態と共に説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
潤滑油導入溝44のリヤアクスルシャフト32の軸方向の両端部が圧入部42から露出する例を説明したが、いずれか一方の端部が圧入部42から露出するようにした場合においても上記実施形態と実質的に同様な効果が得られる。
10 パワーユニット、11 エンジン、12 動力伝動装置、13 クランクシャフト、14 クランクケース、15 シリンダブロック、16 シリンダヘッド、17 シリンダヘッドカバー、18 シリンダ軸線、19 無段変速機、20 ギヤ減速機、21 ケーシング、22 ベアリング、23 ケーシング、24 ドライブプーリ、25 ドリブンプーリ、26 ベルト、27 ドライブシャフト、28,29 ベアリング、30 遠心クラッチ機構、31 アイドルシャフト、32 リヤアクスルシャフト、33,34,35,36 ベアリング、37 アイドルドライブギヤ、38 アイドルドリブンギヤ、39 ファイナルドライブギヤ、40 ファイナルドリブンギヤ、41 ハブ、42 圧入部、43 トルクリミッタ機構、44 潤滑油導入溝、45 潤滑溝、46 潤滑油、100 自動二輪車、105 後輪、105A タイヤ。

Claims (3)

  1. エンジンの駆動力をアイドルシャフトから伝達されるリヤアクスルシャフトと、前記アイドルシャフトに設けられたファイナルドライブギヤと、前記リヤアクスルシャフトに圧入されたファイナルドリブンギヤとを備え、
    前記リヤアクスルシャフトと前記ファイナルドリブンギヤの圧入部には、前記リヤアクスルシャフトの軸方向に設けられた潤滑油導入溝と、該リヤアクスルシャフトの周方向に設けられた潤滑溝とを有し、
    前記潤滑油導入溝は、前記リヤアクスルシャフトの軸方向に前記圧入部よりも長いことを特徴とする自動二輪車のトルクリミッタ機構。
  2. 前記潤滑油導入溝は、複数設けられていることを特徴とする請求項1記載の自動二輪車のトルクリミッタ機構。
  3. 後輪にかかる負荷が、エンジンから伝達されるトルクを超えると、前記ファイナルドリブンギヤが前記リヤアクスルシャフトに対して回転することを特徴とする請求項1又は2に記載の自動二輪車のトルクリミッタ機構。
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