JP6739803B2 - 純度が向上したシリコンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、より容易で簡便に、純度が向上されたシリコンを製造する方法に関する。そのようなシリコンは、例えば、太陽電池等を製造するために使用することができる。
シリコンは、例えば、トランジスタ、ダイオード、半導体及び太陽電池などに広く使用されている。シリコンを使用するために、各々の用途に要求される純度まで、シリコンを精製することが必要である。半導体用のシリコンは、極めて高い純度(11N以上)が要求されるが、太陽電池用のシリコンは、一般的には、5N程度の純度が要求される。太陽電池用シリコンは、半導体用シリコンのオフグレード品及びスクラップ品が、カスケード利用されることが多い。
近年、再生可能エネルギーが注目され、その一つとして太陽光発電が普及しつつある。しかし、太陽光発電に使用される太陽電池の需要の拡大に、太陽電池用のシリコンの供給が間に合わず、太陽光発電普及の一つの障害となっている。現在の太陽電池用のシリコンの主な製造方法は、いわゆるシーメンス法であり、その生産性は不十分である。従って、太陽電池用のシリコンの製造を目的とする、種々のシリコンの製造方法が検討されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
特許文献1は、中空孔を有する上部電極を備えた直流アーク炉を用い、該電極の中空孔を通して、搬送ガス(例えば、アルゴン)と共に、粉粒状のシリコンを該炉内に供給して溶解することを含み、搬送ガスは、酸化性ガス(例えば、水蒸気又は酸素)及び/又は粉末状のシリカあるいはフラックス(例えば、CaO、CaF及びCaCl)を含み得る、シリコンの精製方法を開示する(特許文献1特許請求の範囲及び第3頁参照)。
特許文献2は、アルカリ金属の塩化物及びアルカリ土類金属の塩化物の少なくとも一方を含む材料の溶融物に、固体シリコンを接触させる工程;及び、溶融物に接触後の固体シリコンの表面を処理する工程、を含むシリコンの精製方法を開示する(特許文献2要約及び[0103]〜[0107]参照)。
特許文献3は、溶融した二元又は三元共晶合金(具体的には、アルミニウム−シリコン合金)中に、小型のシリコン結晶を加えて、大型のシリコン結晶を形成し、その大型のシリコン結晶を融液から分離することを含む、太陽電池級シリコンの製造方法を開示する(特許文献3要約及び[0029]〜[0031]参照)。
特許文献4は、シリコンとの合金の共晶点がシリコンの融点より低い元素(例えば、アルミニウム)と、金属シリコンを、るつぼ内で加熱溶融して合金融液を生成すること;及び、その合金融液から、シリコンの種結晶を用いて、シリコンインゴットを引き上げること、を含む、シリコンインゴットの製造方法を開示する(特許文献4要約、[0063]〜[0072]参照)。
一方、本発明者らは、溶融した塩化カルシウムの存在下、シリコンと亜鉛の合金融液から、シリコンが析出すると、析出したシリコンの形状は、アスペクト比の大きな柱状であることを報告した(非特許文献1参照)。
特開平04−016504号公報 特開2010−208862号公報 特表2012−519129号公報 特開2009−167101号公報
安田幸司、島尾武征、楊肖、野平俊之、萩原理加、一坪幸輝、増田賢太、本間俊之、「溶融CaCl2中における液体Si-Zn合金からのSi析出挙動」、電気化学会第82回大会講演要旨集1R21(2015年3月15日)
特許文献1は、直流アーク炉という特定の設備を使用することを要し、高電圧を使用するので、必ずしも容易で簡便で経済的な方法ではない。
特許文献2は、固体シリコンの表面処理をすることで精製するので、必ずしも固体シリコンの内部まで十分に精製されているといえない。
特許文献3は、小型のシリコン結晶を種結晶として用いてシリコンを再結晶する方法といえる。
特許文献4は、シリコンの種結晶を用いて、シリコンインゴットを引き上げる、いわゆる引き上げ法によって、シリコンを精製する方法である。
特許文献3と4は、その液体から結晶化への温度制御が煩雑である。更に、特許文献4の引き上げ法は、装置の振動も制御することが必要である。
ところで、非特許文献1は、析出したシリコンの形状を報告するが、その析出したシリコンの純度について何ら教示するものではない。それは、下記の理由による。
一般に、溶融したシリコンからシリコンを析出させると、鉄・ニッケル・マンガン等の不純物として存在する金属元素の偏析係数は、約10−5〜約10−6であるから、その不純物である金属元素の含有率は大きく減少し得ることが知られている。それに対し、不純物として存在するB、C、O及びP等の非金属元素の偏析係数は、シリコンの融点で各々約0.8、約0.07、約1.25及び約0.35であるから、不純物の非金属元素の含有率はあまり減少しないことも知られている。それどころか、Oについては、含有率が上昇し得え、かえって不純物として酸素が増加することも知られている。
従って、溶融したシリコンからシリコンを析出させると、金属元素の含有率が低下することが予想し得るが、B、C、O、P等の非金属元素の含有率が低下することは予想し得ない。それどころか、Oについては、含有率が増加することが予想される。
ゆえに、非金属元素の含有率を低下させるためには、単にシリコンを析出させることでは不十分で有り、何らかの工夫を要することが明らかである。特許文献1〜4は、いずれもそのような工夫が提案されていることが理解できる。
上述の非特許文献1は、溶融した塩化カルシウムの存在下、シリコンと亜鉛の合金融液から、シリコンが析出する。シリコンと亜鉛の合金からシリコンが析出すること、塩化カルシウムが存在することを考慮すると、析出したシリコンに含まれる不純物の含有率について、予想することは容易ではない。更に、不純物として含まれる非金属元素の含有率について予想することは容易ではない。
太陽電池用のシリコンは、半導体用シリコンと比較して、低純度であるが、その一方で低価格であることを考慮すると、より容易でより簡便に、不純物の金属元素の含有率を低下させ、更に好ましくはB、O、P等の非金属元素の含有率が低下して、純度が向上したシリコンを製造する方法が求められている。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、金属とシリコンの合金の液体から、シリコンを析出させる際に、塩の溶融物が存在すると、純度が向上したシリコンを、容易に簡便に析出させることができることを見いだした。
本発明は、一の要旨において、純度が向上したシリコンの製造方法を提供し、それは、
(1)塩、金属及びシリコンを加熱して溶融して、溶融塩の上層と液体合金の下層を得ること;及び
(2)液体合金を冷却して、シリコンを析出させること
を含む、純度が向上したシリコンの製造方法である。
本発明の一の態様において、塩は、アルカリ金属のハロゲン化物及びアルカリ土類金属のハロゲン化物から選択される少なくとも一種を含み、アルカリ金属の酸化物、アルカリ土類金属の酸化物及びシリコンの酸化物から選択される少なくとも一種を含むことができる、製造方法を提供する。
本発明の他の態様において、金属は、シリコンと液体合金を形成し、アルミニウム、銅、鉄、スズ、亜鉛、鉛、マグネシウム、及びナトリウムから選択される少なくとも一種を含む、製造方法を提供する。
本発明の好ましい態様において、金属は、シリコンと液体金属を形成し、亜鉛、マグネシウム、ナトリウムから選択される少なくとも一種を含む、製造方法を提供する。
更に、本発明者らは、金属と原料シリコンの合金の液体から、シリコンを析出させる際に、液体合金の液面を除く液体合金の一部を別の場所に移動して、移動先で液体合金からシリコンを析出させると、純度が向上したシリコンを、容易かつ簡便に得ることができることを見いだした。
本発明は、他の要旨において、更にシリコンの製造方法を提供し、それは、
(a)入口を有する導入部を有し、回収部を有し得る容器を準備すること;
(b)入口から、金属及び原料シリコンを導入部に入れて、導入部で原料シリコンと金属を溶かして液体合金を製造すること;
(c)導入部の液面を除く(又は導入部の液面を含まない)液体合金の一部を、容器の回収部又は外部の回収部に移動すること;及び
(d)回収部で液体合金からシリコンを析出させること
を含む、純度が向上したシリコンの製造方法である。
本発明は他の一の態様において、金属は、シリコンと液体合金を形成し、アルミニウム、銅、鉄、スズ、亜鉛、鉛、マグネシウム、及びナトリウムから選択される少なくとも一種を含む、製造方法を提供する。
本発明の一の要旨の発明は、本発明の他の要旨の発明と組み合わせて行うことが好ましい。即ち、本発明は他の更なる態様において、入口から、金属及び原料シリコンを導入部に入れる前、入れると同時又は入れた後で、塩を加えて、導入部で塩を溶かして、液体合金層の上に、溶融した塩の層を形成することを含む、製造方法を提供する。
本発明の一の形態の製造方法は、
(1)塩、金属及びシリコンを加熱して溶融して、溶融塩の上層と液体合金の下層を得ること;及び
(2)液体合金を冷却して、シリコンを析出させること
を含むので、
特別な装置及び設備等を必要とせず、容易かつ簡便に、例えば、リン等の非金属元素及び金属元素に由来する不純物が減少して、純度が向上したシリコンを製造することができる。
塩は、アルカリ金属のハロゲン化物及びアルカリ土類金属のハロゲン化物から選択される少なくとも一種を含む場合、液体合金中の成分の揮発をより抑えることができる。
塩は、アルカリ金属の酸化物、アルカリ土類金属の酸化物及びシリコンの酸化物から選択される少なくとも一種を含む場合、シリコン中の例えば、ホウ素、炭素、酸素、リン等の非金属元素に由来する不純物及び金属に由来する不純物の溶融塩相への移行効率が向上し、より高純度のシリコンを得ることができる。
金属は、シリコンと液体合金を形成し、アルミニウム、銅、鉄、スズ、亜鉛、鉛、マグネシウム、及びナトリウムから選択される少なくとも一種を含む場合、シリコン中の例えばリン等の非金属元素に由来する不純物及び金属元素に由来する不純物を液体合金相へ移行し、濃縮させることができる。
本発明の他の形態のシリコンの製造方法は、
(a)入口を有する導入部を有し、回収部を有し得る容器を準備すること;
(b)入口から、金属及び原料シリコンを導入部に入れて、導入部で原料シリコンと金属を溶かして液体合金を製造すること;
(c)導入部の液体合金の液面を除く液体合金の一部を、(容器が回収部を有する場合)容器の回収部又は外部の回収部に移動すること;及び
(d)回収部で液体合金からシリコンを析出させることを含むので、
特別な装置及び設備等を必要とせず、容易かつ簡便に、例えば、ホウ素、炭素及び酸素等の非金属元素に由来する不純物が減少し、純度が向上したシリコンを製造することができる。
金属は、シリコンと液体合金を形成し、アルミニウム、銅、鉄、スズ、亜鉛、鉛、マグネシウム、及びナトリウムから選択される少なくとも一種を含む場合、シリコン中の、例えば、リン等の非金属元素に由来する不純物及び金属元素に由来する不純物が液体合金相へと高効率で移行するため、純度の高いシリコンを得ることができる。
入口から、金属及び原料シリコンを導入部に入れる前、入れると同時又は入れた後で、塩を加えて、導入部で塩を溶かして、液体合金層の上に、溶融した塩の層を形成することを含む場合、蒸気圧の高い金属を好ましく使用することができる。蒸気圧の高い金属は、シリコンからより容易に除去することができるので、その使用は、より好ましい。
図1は、本発明の一の形態の純度が向上したシリコンの製造方法を、模式的に示す。 図2は、本発明の他の一の形態のシリコンの製造方法を模式的に示す。一つの反応容器を壁で仕切って、導入部と回収部を形成し、壁の下部に開口を設けることで、導入部と回収部を接続する。 図3は、本発明の他の更なる形態のシリコンの製造方法を模式的に示す。反応容器は、各々独立した導入部と回収部を有し、両者は通路で接続されている。 図4は、本発明の他の異なる形態のシリコンの製造方法を模式的に示す。一つの円筒形の容器内に一つの円筒形の管を配置することで、管内に導入部が、管の外側には回収部が形成されている。円筒形の管が容器と接する端部に、スリットが設けられている。 図5は、本発明の他の好ましい形態のシリコンの製造方法を模式的に示す。反応容器は導入部を有し、導入部の下部にシリコン−金属合金の取り出し口が設けられている。合金液体は、取り出し口から取り出され、別の容器に設けられた回収部に移される。
以下、添付した図面も参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する。ただし、本発明は、これらの形態によって制限されることはない。
本発明の一の形態の製造方法は、
(1)塩、金属及び原料シリコンを加熱して溶融して、溶融塩の上層と液体合金の下層を得ること;及び
(2)液体合金を冷却して、シリコンを析出させること
を含む、純度が向上したシリコンの製造方法である。
本明細書において、「原料シリコン」とは、一般に、金属級シリコンとよばれ、不純物を0.5重量%以上、場合により1重量%〜2重量%含有するシリコンをいい、本発明が目的とする、純度が向上したシリコンを製造することができる限り、特に制限されることはない。
原料シリコンは、市販品を使用することができる。例えば、シグマ・アルドリッチ社製のシリコン粉末325メッシュ等を例示することができる。
本明細書において、「純度」とは、100%から不純物量を減じた値をいい、「不純物量」とは、シリコンに含まれる、ホウ素、炭素、酸素、リン、鉄、アルミニウム、リチウム、カリウム及びカルシウムの量の合計をいう。不純物量は、質量%又はppmで示す。分析方法は、実施例に示した。
本明細書において、「塩」とは、陽イオンと陰イオンがイオン結合した化合物であり、金属及びシリコンと一緒に加熱して、金属とシリコンの合金が溶ける温度で、溶融するが、化学的に安定な化合物であり、本発明が目的とする、純度が向上したシリコンを製造することができる限り、特に制限されることはない。「塩」は、「金属塩」を含むことが好ましい。「金属塩」の金属元素と、「金属」の金属元素は、同じでも異なっていてもよい。
「塩」は、純度が高いことが好ましい。通常、不純物は、100ppm以下であることが好ましく、50ppm以下であることがより好ましく、10ppm以下であることが特に好ましい。
更に塩は、その塩が溶融する温度より50℃高い温度(溶融する温度+50℃)での密度が、3.0g/cm以上であることが好ましく、2.5g/cm以上であることがより好ましく、2.3g/cm以上であることが更に好ましい。
塩は、市販品を使用することができる。
「塩」は、アルカリ金属のハロゲン化物及びアルカリ土類金属のハロゲン化物から選択される少なくとも一種を含むことが好ましく、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム及びカルシウムから選択される少なくとも一種の陽イオンと、フッ素及び塩素から選択される少なくとも一種の陰イオンを含むことがより好ましく、塩化リチウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム及びフッ化カリウムから選択される少なくとも一種を含むことが特に好ましい。
塩は、アルカリ金属のハロゲン化物及びアルカリ土類金属のハロゲン化物から選択される少なくとも一種を含む場合、液体合金中の成分の揮発をより抑えることができる。
「塩」は、酸化物を含んでよい。酸化物は、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、酸化ケイ素から選択される少なくとも一種を含むことが好ましく、酸化カルシウム、酸化ケイ素から選択される少なくとも一種を含むことがより好ましい。
塩は、アルカリ金属の酸化物、アルカリ土類金属の酸化物及びシリコンの酸化物から選択される少なくとも一種を含む場合、シリコン中の例えばリン等の非金属に由来する不純物及び金属元素に由来する不純物の溶融塩相への移行効率が向上し、より高純度のシリコンを得ることができる。
塩は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
本明細書において、「金属」とは、加熱によって溶融し、シリコンと合金の液体を形成することができ、その合金を冷却すると、シリコンが析出する金属であり、本発明が目的とする、純度が向上したシリコンを製造することができる限り、特に制限されることはない。
「金属」は、純度が高いことが好ましい。通常、不純物は、100ppm以下であることが好ましく、50ppm以下であることがより好ましく、10ppm以下であることが特に好ましい。
更に金属は、シリコンと形成した液体合金の密度が、溶融した塩の密度より、0.2g/cm以上大きいことが好ましく、0.5g/cm以上大きいことがより好ましく、1.0g/cm以上大きいことが更に好ましい。ここで、シリコンと形成した液体合金の密度は、その溶融塩が溶融する温度より50℃高い温度での密度をいう。
金属は、市販品を使用することができる。
「金属」は、例えば、アルミニウム、銅、鉄、スズ、亜鉛、鉛、マグネシウム、及びナトリウムから選択される少なくとも一種を含むことが好ましく、亜鉛、マグネシウム、及びナトリウムから選択される少なくとも一種を含むことがより好ましい。
金属は、シリコンと液体合金を形成し、アルミニウム、銅、鉄、スズ、亜鉛、鉛、マグネシウム、及びナトリウムから選択される少なくとも一種を含む場合、シリコン中の例えばリン等の非金属元素に由来する不純物及び金属元素に由来する不純物の液体合金相への移行効率が向上するので、より純度の高いシリコンを得ることができる。
本明細書において、「金属」として、蒸気圧の高い金属を使用することができる。蒸気圧の高い金属とは、好ましくは800℃で、蒸気圧が0.03気圧以上であることをいい、より好ましくは800℃で、蒸気圧が0.3気圧以上であることをいう。
蒸気圧の高い金属として、例えば、亜鉛、マグネシウム、ナトリウムを例示することができ、亜鉛及びナトリウムがより好ましく、亜鉛が特に好ましい。
蒸気圧の高い金属を使用すると、純度が向上されたシリコン中に残留する金属は、より高い蒸気圧を有することとなりえる。そのため、純度が向上されたシリコン中に残留することが想定される金属の除去が、より容易になり、より好ましい。
金属は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
本発明の形態では、上述の塩、金属及び原料シリコンを加熱して、融解する。本発明が目的とする、純度が向上したシリコンを製造することができる限り、塩、金属及び原料シリコンの加え方、加える順序、加熱方法等に関して、特に制限されることはない。
本発明の形態の製造方法は、上述の塩、金属及び原料シリコンに悪影響を与えない不活性は雰囲気下で行うことが好ましい。例えば、アルゴン及びヘリウム等の不活性な雰囲気下で行うことがより好ましい。
塩、金属及び原料シリコンが融解すると、塩が融解した溶融塩の層と、原料シリコンと金属の液体合金の層の二層構造を得る。尚、加熱温度は、塩、金属及び原料シリコンが融解する温度であり、当業者であれば、塩、金属及び原料シリコンに応じて、適宜選択することができる。金属として蒸気圧の高い金属を使用したとしても、溶融塩の上層が存在するために、金属は蒸発して存在しなくなることはなく、その結果、蒸気圧の高い金属を使用したとしても、本発明の形態の製造方法を好ましく行うことができる。
上述の合金液体の層を冷却して、シリコンを析出させる。冷却温度は、適宜選択することができる。冷却温度は、室温(例えば、5〜35℃)であってよい。析出したシリコンは、原料シリコンと比較して、その純度が向上する。冷却後、液体合金層は、シリコン層と、金属層に分離する。
本発明の形態の純度が向上したシリコンの製造方法は、得られるシリコンの純度と、目的とする純度を考慮して、必要に応じて、繰り返し行うことができる。本発明の形態の製造方法は、極めて容易で簡単であり、経済的である。
本発明の一の形態の製造方法を、添付した図1を参照して、更に、説明する。
図1−1に示すような、反応容器1を準備し、その内部を、例えば、アルゴン等の不活性ガスで置換する。金属(M)11、原料シリコン12及び塩13を加えて、反応容器1の温度を、金属(M)11、原料シリコン12及び塩13が融解する温度に加熱して、その温度を維持する。完全に融解して、金属とシリコンとの合金の液体を形成させる。
金属(M)11、原料シリコン12及び塩13が、完全に融解したら、静置する。図1−2に示すような、下層が液体合金の層(金属とシリコンの層)21と、上層が溶融塩の層23の二層構造を得ることができる。その後、下層を冷却する。冷却時間は適宜選択することができる。冷却温度も適宜選択することができる。
下層の冷却により、シリコンが析出して、図1−3に示すように、固化した金属の下層31と、固体の塩の上層33の間に、純度が向上したシリコンの中層32を得ることができる。
本発明の形態の製造方法で製造することができる純度が向上したシリコンは、その得られる純度に応じて太陽電池等の種々の用途に使用することができる。
更に本発明は、一の形態のシリコンの精製方法を提供する。その精製方法は、
(1)塩、金属及びシリコンを加熱して溶融して、溶融塩の上層と液体合金の下層をえること;及び
(2)液体合金を冷却して、シリコンを析出させること
を含む。
本発明の一の形態の製造方法について記載した事項は、本発明の一の形態の精製方法に適宜適用することができる。
本発明の他の形態の製造方法は、
(a)入口を有する導入部を有し、回収部を有し得る容器を準備すること;
(b)入口から、金属及び原料シリコンを導入部に入れて、導入部で原料シリコンと金属を溶かして液体合金を製造すること;
(c)導入部の液体合金の液面を除く(又は導入部の液体合金の液面を含まない)液体合金の一部を、容器が回収部を有する場合容器の回収部又は外部の回収部に移動すること;及び
(d)回収部で液体合金からシリコンを析出させること
を含む、純度が向上したシリコンの製造方法である。
本発明の他の形態の製造方法では、入口を有する導入部を有し、回収部を有し得る反応容器を準備する。反応容器が回収部を有さない場合、反応容器の外部に又は反応容器と別に回収部を設けても良い。原料シリコンと金属を溶かして液体合金を製造する導入部と、液体合金からシリコンを析出させる回収部が各々設けられ、本発明が目的とする純度が向上されたシリコンを得ることができる限り、反応容器の形態(形状、大きさなど)、導入部と回収部を設ける方法、導入部と回収部を分離する方法、導入部と回収部を接続する方法などは、特に制限されることはない。反応容器の形態として、立方体、円筒型等を例示できる。導入部と回収部は、一つの反応容器内に設けられても、二つの容器に別々に設けられてもよい。導入部と回収部を分離する方法として、例えば、壁、仕切り板などを例示できる。導入部と回収部を接続する方法として、例えば、スリット、管、溝、通路、移動させるための容器などを例示できる。
入口から、金属及び原料シリコンを導入部に入れる。導入部で原料シリコンと金属を加熱し、溶融して液体合金を製造することが、容易、簡便で好ましい。もし、合金の製造を別の箇所で行う場合、下記の導入部の説明は、その別の箇所に適用できる。加熱温度は、金属及び原料シリコンが液体合金として融解する温度であり、当業者であれば、金属及び原料シリコンに応じて、適宜選択することができる。後述する塩を加えた場合、当業者であれば、塩も考慮して、加熱温度を適宜選択することができる。
導入部と回収部は、いずれかの手段によって接続されている。接続方法は、導入部の液体合金の液面以外の部分の合金の一部が、回収部に移動することができれば、特に制限されることはない。そのような接続方法の例は、上述した。
これらの接続部分は、合金の液面には設けず、液面を除く箇所(又は液面より低い箇所)に設ける。接続部分は、導入部分の容器の底部の側方及び/又は側面の下方に設けることが好ましい。
合金の液面及びその近傍は、合金への溶解度が低い軽元素又は非金属元素(例えば、ホウ素、炭素及び酸素など)に由来する不純物の濃度が高いと考えられる。
液面の影響を受け難い位置に、接続部分を配置すると、そのような不純物を取り込む可能性が低くなり、シリコンの純度の向上のために好ましい。
導入部から回収部への一部の合金液体の移動は、金属と原料シリコンの全てが溶けた後、行ってもよいし、金属と原料シリコンが溶解して合金が得られるにつれて、適宜連続的に移動させてもよい。
回収部にて、合金液体を冷却することで、シリコンを析出させる。冷却温度は、適宜選択することができる。冷却温度は、室温(例えば、5〜35℃)であってよい。析出したシリコンは、原料シリコンと比較して、その純度が向上する。冷却後、通常、液体合金層は、シリコン層と金属層に分離する。
上述の本発明の他の形態の純度が向上したシリコンの製造方法は、得られるシリコンの純度と、目的とする純度を考慮して、必要に応じて、繰り返し行うことができる。本発明の形態の製造方法は、極めて容易で簡単であり、経済的である。
本発明の他の形態の製造方法において、「原料シリコン」、「純度」、「不純物量」、「金属」等は、上述した通りである。
本発明の他の形態の製造方法において、「塩」を使用して、溶融した塩の層を、導入部の合金液体層の上に形成することが、得られるシリコンの純度を更に向上することができ、好ましく、また、特に蒸気圧の高い金属を使用する場合、金属の蒸発を抑制することもできるので、より好ましい。回収部の合金液体層上にも、溶融した塩の層を形成することが好ましい。「塩」は、上述した通りである。
塩は、上述の金属及び原料シリコンを導入部に入れる前、入れると同時又は入れた後で、容器に加えることができるが、上述の金属及び原料シリコンの前に、塩を容器に加えることが、シリコンの純度向上と、金属の蒸発の抑制のために好ましい。
本発明が目的とする純度が向上したシリコンを製造することができる限り、金属及び原料シリコン等の加え方、加える順序、加熱方法等に関して、特に制限されることはない。
本発明の他の形態の製造方法は、上述の金属及び原料シリコン等に悪影響を与えない不活性な雰囲気下で行うことが好ましい。例えば、アルゴン及びヘリウム等の不活性な雰囲気下で行うことがより好ましい。
本発明の一の形態の製造方法について記載した事項、態様及び/又は形態等は、本発明の他の形態の製造方法に適宜適用し、好ましく組み合わせることができる。
本発明の他の形態の製造方法を、添付した図2〜5を参照して、更に、説明する。
図2−1に示すような、その内部が壁で導入部41と回収部51に区切られた反応容器2を準備する。壁の下部には、スリットが設けられている。反応容器2の内部を、例えば、アルゴン等の不活性ガスで置換する。金属11、原料シリコン12を加えて、反応容器2の温度を、金属11及び原料シリコン12が、液体合金として融解する温度に加熱して、その温度を維持する。完全に融解させて、金属とシリコンとの合金の液体を形成させる。
金属11及び原料シリコン12が、完全に融解すると、図2−2に示すように、金属とシリコンの液体合金の層21を得ることができる。この液体合金の層21は、金属11及び原料シリコン12の融解の進行に応じて、導入部41からスリットを通過して回収部51に入る。スリットにポンプなどの移送手段を設けていない場合、図2−2に示すように、導入部41の合金液体の液面の高さと、回収部51の合金液体の液面の高さは、同じになる。
回収部51の合金液体21を冷却する。冷却時間及び冷却温度は、適宜選択することができる。合金液体21の冷却により、シリコンが析出して、二層に分離して、図2−3に示すように、例えば、固化した金属の下層31と、純度が向上したシリコンの上層32を得ることができる。尚、金属の層と析出したシリコンの層の位置は、冷却方法及び合金の密度等によって入れ替わることがあり得る。
図3には、異なる形態の反応容器3を示す。反応容器3は、導入部41と回収部51が、完全に分離しており、両者は、管62で接続されている。導入部41に入れられた金属11と原料シリコン12が加熱され溶融して得られる合金液体21は、管62を通って回収部51に進む。
図4は、更なる形態の反応容器4を示す。反応容器4は、ボール状の容器64の内側に、広口の円筒形の管63が縦向きに配置される。円筒形の管63の内側が導入部41を形成し、円筒型の管63とボール状の容器64の間が回収部51を形成する。円筒形の管63の内側の導入部41に入れられた金属11と原料シリコン12が加熱され溶融して得られる合金液体21は、管63の下部のスリットを通って回収部51に進む。
図5は、好ましい形態の反応容器5及び容器5’を示す。反応容器5は、導入部41を有し、導入部底部の側方にバルブ66付き出口管65を有する。導入部41に入れられた金属11と原料シリコン12が加熱され溶融して得られる合金液体は、出口管65を通って、別の容器5’の回収部51に進む。反応容器5及び容器5’は、隣接していてもよいし、離れていてもよい。反応容器5及び容器5’を用いる形態の製造方法は、連続的に純度が向上したシリコンを製造することができ、好ましい。
本発明の他の形態の製造方法で製造することができる純度が向上したシリコンは、その得られる純度に応じて太陽電池等の種々の用途に使用することができる。
本発明は、他のシリコンの精製方法を提供する。本発明の他の形態の精製方法は、
(a)入口を有する導入部を有し、回収部を有し得る容器を準備すること;
(b)入口から、金属及び原料シリコンを導入部に入れて、導入部で原料シリコンと金属を溶かして液体合金を製造すること;
(c)導入部の液面を除く(又は含まない)液体合金の一部を、(容器が回収部を有する場合)容器の回収部又は外部の回収部に移動すること;及び
(d)回収部で液体合金からシリコンを析出させること
を含む。
本発明の一の形態の製造方法について記載した事項、態様及び/又は形態等は、本発明の他の形態の精製方法に適宜適用し、好ましく組み合わせることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的かつ詳細に説明するが、これらの実施例は本発明の一態様にすぎず、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
実施例1
石英製円筒容器とステンレス蓋からなる気密容器内に、石英インナーホルダーを設置し、その底部に内径90mmのカーボンるつぼを配置した。円筒容器内は、流量100ml/minのArガスを流通することで、Ar雰囲気に保った。塩化カルシウム200gを、カーボンるつぼ内に入れて、カーボンるつぼの温度を850℃に保持した。塩化カルシウムの融解を確認後、亜鉛580gを加えて融解し、シリコン(原料)12gを加えて融解した。この融解物を50時間かけて室温まで冷却した。冷却物を取り出して観察すると、固化した塩化カルシウムの上層と、(純度が向上した)シリコンの中層と、固化した亜鉛の下層の三層構造であった。従って、上述の融解物は、溶融した塩化カルシウムの上層と、亜鉛とシリコンの液体合金の下層の二層になった後、液体合金の下層が、シリコンの中層と亜鉛金属の下層に分かれたと考えられる。(純度が向上した)シリコンの中層を取り出して、硝酸に溶解することで、亜鉛を除去して、実施例1のシリコンを得た。
得られたシリコンの不純物の量を、グロー放電質量分析法(GD−MS)(サーモエレクトロン社製のVG9000を使用)によって、分析した。得られたシリコンの表面を1〜5ミクロンエッチングして、その内部を分析した。シリコンの金属成分を100%として規格化して、その他の成分の濃度を計算した結果は、表1に示した。
尚、塩化カルシウム(無水物)の融点は、約772℃であり、約822℃での、その密度は、約2.1g/cmである。実施例1に記載の亜鉛とシリコンの合金の密度は、約822℃で、約5.9g/cmである。
比較例1
実施例1と同様の方法を用いたが、塩化カルシウム200gを用いないで、比較例1のシリコンを製造した。そのため、50時間かけて室温まで冷却中に、亜鉛が全て蒸発して、シリコンの層になった。シリコンの層を取り出して、硝酸に溶解することで、存在し得る亜鉛を除去して、比較例1のシリコンを得た。
実施例1と同様にして、比較例1のシリコンの不純物量を分析した。結果は、表1に示した。
実施例2〜4
塩とその量、金属とその量を、表1のように変えたほかは、実施例1に記載の方法と同様の方法を用いて、実施例2〜4を行った。結果は、表1に示した。
尚、実施例2に記載の亜鉛、マグネシウムとシリコンの合金の密度は、約822℃で、約5.9g/cmである。
実施例3に記載の亜鉛、ナトリウムとシリコンの合金の密度は、約822℃で、約5.9g/cmである。
実施例4に記載の塩化カルシウムと酸化ケイ素の塩の混合物の融点は約780℃であり、50℃上の約830℃での、その密度は、約2.05g/cmである。実施例4の亜鉛とシリコンの合金の約830℃での密度は、約5.9g/cmである。
実施例5
石英製円筒容器とステンレス蓋からなる気密容器内に、石英インナーホルダーを設置し、その底部に内径90mmのカーボンるつぼを配置した。石英円筒容器内は、流量100ml/minのArガスを流通することで、Ar雰囲気に保った。るつぼ内に塩化カルシウム200gを入れ、カーボンるつぼの温度を850℃に保持した。塩化カルシウムの溶融を確認後、カーボン管(内径22mm)を溶融塩化カルシウム内に差し込んだ。尚、カーボンるつぼと接する、カーボン管の端部に、スリットを設けた。カーボン管の内側に亜鉛580gを加え溶融後、シリコン(原料)を入れて溶融した。この溶融物を50時間かけて室温まで冷却した。冷却物を取り出して観察すると、固化した塩化カルシウムの上層と、(純度が向上した)シリコンの中層と、固化した亜鉛の下層の三層構造を有していた。従って、上述の溶融物は、溶融した塩化カルシウムの上層と、亜鉛とシリコンの液体合金の下層の二層になった後、液体合金の下層が、シリコンの中層と亜鉛金属の下層に分かれたと考えられる。(純度が向上した)シリコンの中層を取り出し、硝酸に溶解することで、表面に付着した亜鉛を除去して、実施例5のシリコンを得た。尚、実施例5では、カーボン管の内側は、導入部と考えられ、カーボンるつぼとカーボン管の間(カーボン管の外側)は、回収部と考えられる。
得られたシリコンの不純物の量を、実施例1に記載の方法と同様な方法で分析した。結果は、表1に示した。
実施例6
シリコンの量を、表1のように変えたほかは、実施例5に記載の方法と同様の方法を用いて、実施例6を行った。結果は、表1に示した。実施例6に記載の亜鉛とケイ素の合金の密度は、約822℃で、約5.9g/cmである。
Figure 0006739803
表1の参考例1は、原料のシリコンを示す。
実施例1〜6を、参考例1の原料シリコンと比較すると、いずれの不純物も濃度が低下していることがわかる。これは、マグネシウム及びナトリウムを含み得る亜鉛相と、酸化ケイ素を含み得る塩化カルシウム相に、原料シリコンの不純物が移動したからであると考えられる。金属元素以外に、B、C、O、P等の非金属元素についても含有率が低下していることが認められた。特に、含有量が増加することさえ考えられた酸素でさえ、半分以下になるという驚くべき結果を得た。
一方、比較例1は、合金層の温度を下げている間に亜鉛が蒸発したので、原料のシリコンよりもかえって不純物の量が多くなった。実施例1の結果は、本発明の方法を用いると、亜鉛のような蒸気圧の高い金属でも、シリコンと合金を形成させて純度を向上させるために使用することができることを示している。
更に、実施例5〜6は、実施例1と比較すると、驚くべきことに、更に、不純物元素の含有率が低下した。特に、B、C、O及びPの非金属元素について、更に含有率が減少した。これは、導入部で溶融されたシリコン−亜鉛合金の表面より下の(又は表面以外の)一部を回収部に移動後、シリコンを析出させたからであると考えられる。軽元素不純物である、ホウ素、炭素、酸素及びリン等に由来する不純物は、亜鉛への溶解度が低いため、液体合金の上部に浮いているためと考えられる。
本発明では、より容易でより簡便に、不純物の金属元素の含有率を低下させ、更に好ましくはB、C、O、P等の非金属元素の含有率が低下して、純度が向上したシリコンを製造することができる。本発明で製造されるシリコンは、太陽電池等を製造するために有用である。
1:反応容器、2:反応容器、3:反応容器、4:反応容器、5:反応容器、5’:回収容器、
11:金属(M)、12:原料シリコン、13:塩、
21:合金の液体、23:溶融した塩、
31:固体の金属、32:純度が向上したシリコン、33:固化した塩
41:導入部、51:回収部、61:壁、62:通路、63:円筒状の壁、
64:円筒状の容器、65:管、66:バルブ

Claims (4)

  1. (a)入口を有する導入部を有し、回収部を有し得る容器を準備すること;
    (b)入口から、金属及び原料シリコンを導入部に入れて、導入部で原料シリコンと金属を溶かして液体合金を製造すること;
    (c)導入部の液面を除く又は導入部の液面を含まない液体合金の一部を、容器が回収部を有する場合容器の回収部に又は外部の回収部に移動すること;及び
    (d)回収部で液体合金からシリコンを析出させること
    を含む、純度が向上したシリコンの製造方法であり、
    入口から、金属及び原料シリコンを導入部に入れる前、入れると同時又は入れた後で、塩を加えて、導入部で塩を溶かして、液体合金層の上に、溶融した塩の層を形成することを含む、製造方法。
  2. 塩は、アルカリ金属のハロゲン化物及びアルカリ土類金属のハロゲン化物から選択される少なくとも一種を含み、アルカリ金属の酸化物、アルカリ土類金属の酸化物及びシリコンの酸化物から選択される少なくとも一種を含むことができる、請求項に記載の製造方法。
  3. 金属は、シリコンと液体合金を形成し、アルミニウム、銅、鉄、スズ、亜鉛、鉛、マグネシウム、及びナトリウムから選択される少なくとも一種を含む、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 金属は、シリコンと液体金属を形成し、亜鉛、マグネシウム、ナトリウムから選択される少なくとも一種を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
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