JP6737163B2 - 溶銑予備処理方法 - Google Patents

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本発明は、スラグスロッピングを抑制する溶銑予備処理方法に関するものである。
従来から、溶銑脱りん工程では、精錬剤としてCaOおよび酸化鉄を含有する副原料を使用する。溶銑に添加した副原料は、溶銑と反応してスラグを生成する。また、脱りん反応と並行して、スラグ中の酸化鉄と溶銑中の炭素が反応してCOガスが発生し、フォーミングといわれるスラグの泡立ちが起こる。フォーミングは従来から知られており、特許文献1では、フォーミングに関する知見が開示されている。
特開2016−29212号公報
ところで、フォーミングが著しくなると、反応容器からスラグが溢れる現象であるスロッピングが生じる。1400℃以上と高温のスラグが大量に容器外に溢れることは、重機による清掃を要し、操業を阻害するなどの問題もあり、スロッピングの抑制が求められている。
本発明の課題は、スロッピングの発生による稼働率の低下を回避することである。
上記課題を解決するためになされた本発明は次の手段を採用する。先ず、第一の手段は、溶銑予備処理の吹錬中であって、スラグフォーミング高さが転炉の炉底から炉口までの高さの80%以上、100%未満である間にスラグフォーミング鎮静剤を炉に投入することを特徴とする溶銑予備処理方法である。
第二の手段は、第一の手段において、スラグフォーミング鎮静剤の嵩密度は、200kg/m以上4000kg/m未満であるものとした溶銑予備処理方法である。
第三の手段は、第一または第二の手段において、スラグフォーミング鎮静剤として水、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウムのうち1種以上を含むものとした溶銑予備処理方法である。
本発明では、スロッピングの発生による稼働率の低下を回避することができる。また、スロッピング鎮静剤の使用量削減によるコスト削減を行うこともできる。
気泡体積分率とスラグ鎮静速度の関係を表す図である。 スラグ高さと気泡体積分率の関係を表す図である。 鎮静剤密度と30秒経過後の鎮静剤の沈降深さとの関係を表す図である。
以下では、発明の実施形態について説明するが、まず、溶銑予備処理吹錬中のスラグフォーミングの挙動について説明する。吹錬の初期は、鉄鉱石や焼結鉱、ダストなどの固体酸素源を投入することにより、溶銑に含有するSiが酸化され、粘度の高いスラグが生成する。吹錬の中期に溶銑[Si]濃度が0.01%を下回るまでSiの酸化が進行すると、次第に溶銑に含有する炭素の酸化速度が増大し、COガス発生量が増加する。発生したガスはスラグ中に気泡として蓄積され、見かけの体積を膨張させる。膨張したスラグの高さが溶銑予備処理反応容器の炉口を超えると、スロッピングと呼ばれるスラグ漏出が起こる。
フォーミングを鎮静させるために、ソーダ灰ブリケットなどの鎮静剤が使用されるが、本発明者らが鋭意検討することにより、鎮静剤を投入するタイミングによりフォーミングの鎮静やスロッピングの抑制の効果に優劣があることが判明した。スラグフォーミングおよび鎮静のメカニズムを詳細に検討したところ、鎮静効果の発現は鎮静剤からのガス発生により、スラグ中の気泡が凝集合体してガスが抜けること(破泡)によると推定された。従って、鎮静効果を十分に発揮するためには、鎮静剤を投入する時点で、ある程度のフォーミングが起こり、気泡がスラグに蓄積されていることが必要であるとの考えに至った。
本発明者は試験転炉、および実機転炉のオフライン実験による研究調査をおこなった。この研究調査から、図1に示すような結果が得られた。図1では横軸に気泡体積分率(%)を表し、縦軸にスラグ鎮静速度(高さ%/秒)を表している。なお、鎮静速度とは、フォーミングしていないスラグの高さから炉口までの距離を100%とし、1秒あたりのスラグ高さ低減速度を百分率で表したものである。
実機操業においては一般的に、転炉の炉口から少量のスラグが溢れ始めてから、大量のスラグが溢れて炉下に落下しはじめるまで30秒程度の時間がかかる。鎮静速度が0.3%毎秒以上であれば、この30秒間でスラグフォーミング高さを10%程度以上低下させることができるため、スロッピングの発生を抑えることができる。図1に示された結果から理解されるように、本発明者は、鎮静剤投入時のスラグ中気泡体積分率が63%以上である場合に、鎮静速度が0.3%毎秒以上となることを見出した。つまりは、鎮静剤投入時のスラグ中気泡体積分率が63%以上である場合に、スロッピングの発生を抑えることができることを見出した。
ところで、気泡体積分率は、オフライン実験では取得可能であるが、オンラインで得ることが困難な数値である。このため、気泡体積分率の測定値を直接的な指標として操炉を行うことは困難である。そこで、前述の試験転炉、および実機転炉のオフライン実験において気泡体積分率とスラグ高さの関係を調べることにより、図2のごとくの結果を得た。図2では横軸にスラグ高さ(%)を表し、縦軸に気泡体積分率(%)を表している。この結果、気泡体積分率63%に相当するスラグ高さは80%であり、この高さ以上で鎮静剤を投入することにより、実用上有効な鎮静速度を達成できることが明らかになった。
一方、鎮静剤を投入する時点でスラグフォーミング高さが高すぎると、鎮静剤がスラグ上面に乗った状態で反応容器外に排出されてしまうため、スロッピングの発生を抑えるという効果が発揮されない。このような事態は、スラグ高さが炉口の100%までフォーミングしている状態で発生する。このような事態の発生を回避することも併せて考えたことから、スラグフォーミング高さが反応容器の炉底から炉口までの高さの80%以上、100%未満であるときに鎮静剤を投入することが、スロッピング防止のためには有効であることを見出した。なお、スラグフォーミング高さの測定は、どのような手段を採用しても良く、目視においておこなうことも、マイクロ波等を利用した各種計測機器を用いることも可能である。
次に、鎮静剤の嵩密度について説明する。図3では、鎮静剤の嵩密度と鎮静剤の沈降深さについてのデータを示している。図3では横軸に鎮静剤密度(kg/m)を表し、縦軸は30秒後の沈降深さ(m)を表している。尚、鎮静剤の嵩密度は、表面を樹脂フィルムなどで覆った後、密度既知の液体(水など)に浸漬させたときの浮力から体積を求め(アルキメデス法)、空気中で測定した重量を用いて算出することができる。
スロッピングが発生する限界である、炉口までフォーミングしたスラグの嵩密度、すなわちフォーミングスラグの最小嵩密度は約200kg/mであるが、鎮静剤の嵩密度が200kg/m未満であると、投入した鎮静剤の浮力が重力に勝るため、フォーミングスラグの表面に鎮静剤が乗った状態になる。したがって、図3に示すように、鎮静剤がフォーミングスラグの内部に侵入しない。この場合、鎮静剤の密度が200kg/m以上の場合に比べて、鎮静剤のガス発生によるフォーミングの破泡効果が小さい。
鎮静剤の嵩密度が4000kg/m以上では、鎮静剤のフォーミングスラグ中の沈降速度が著しく速く、30秒間で炉口までフォーミングしたスラグ高さである5m以上沈降してしまう。この場合、スラグと接触する時間が短いため、鎮静効果が少ない。更に溶銑とスラグの界面に到達した鎮静剤は、ガス発生によってフォーミングを却って助長する現象を起こすために、好ましくない。このため、鎮静剤の嵩密度上限を4000kg/m未満とするのが好ましい。つまり、投入する鎮静剤の嵩密度は、200kg/m以上4000kg/m未満が好適である。
フォーミングを鎮静する鎮静剤としては、ガス発生物質として、水、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウムのうち1種以上を用いることが望ましい。これらはいずれも工業的に安価かつ大量に入手可能な物質であるため、大きくコストを増大させずに効果を得ることが可能である。また、やや高価ではあるが、水酸化カルシウムなどの水酸化物を鎮静剤として用いることも可能である。水酸化物は、ガス状の水の発生源となり、鎮静剤の効果を発現する。同様に水和物であれば、ガス状の水の発生源となり、鎮静剤の効果を発現する。したがって、炭酸ナトリウム水和物であるソーダ灰は、二酸化炭素及びガス状の水の双方を発生させることができ、鎮静剤に好適である。
次に実機での操業試験結果を表1に示す。炉底から炉口までの高さ5.2mの転炉を用い、270tの溶銑を装入し、上方から挿入したランスで酸素を吹きつけ、副原料として鉄鉱石、ダスト、生石灰を投入して脱りん吹錬を行った。このときの炉口からのスラグ逸出量を、重機で回収した後に秤量した。炉口からスラグ逸出量が800kgを超えないことを合格判断基準とした。比較例1では、鎮静剤を用いずに操業を行い、吹錬中期で激しいスロッピングが発生した。比較例2では、石灰石を鎮静剤として投入したが、タイミングが早かったため、十分な鎮静効果が得られず、吹錬末期にスロッピングが発生した。比較例3では、炉口からスラグ高さが炉口までの高さの100%、すなわち炉口からスラグが溢れ始めてから鎮静剤としてソーダ灰を投入したが、鎮静剤がスラグに乗って炉外に流出してしまい、鎮静効果が発揮できなかった。これに対し、実施例1〜6では、いずれも高い鎮静効果を発揮し、炉外に逸出したスラグ量は皆無か、または800kg未満で操業を阻害する量ではなかった。
実験結果からも理解されるように、本発明の条件では、スロッピング鎮静効果を十分に発揮でき、スロッピング発生比率を従来より低減できると考えられる。その結果、稼働率の低下を回避することができる。また、炉外に逸出するスラグには粒鉄が含まれているため、この量を削減することで歩留まりを向上させ、コスト削減を図ることができる。
本発明は、以上の実施形態には限定されることは無く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適応可能なことは勿論のことである。

Claims (3)

  1. 溶銑予備処理の吹錬中であって、スラグフォーミング高さが転炉の炉底から炉口までの高さの80%以上、100%未満である間にスラグフォーミング鎮静剤を炉に投入することを特徴とする溶銑予備処理方法。
  2. 前記スラグフォーミング鎮静剤の嵩密度は、200kg/m以上4000kg/m未満であることを特徴とする請求項1に記載の溶銑予備処理方法。
  3. 前記スラグフォーミング鎮静剤として、水、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウムのうち1種以上を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の溶銑予備処理方法。
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