以下、本発明の実施の形態に係る自動販売機の商品搬出装置を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明が対象とする自動販売機の一例である缶入り飲料,ペットボトル入り飲料を販売する自動販売機の概略側面図、図2は図1の商品収納ラックを右斜め上方から俯瞰した要部分解斜視図である。なお、左右とは、自動販売機の前面から見た場合の左右を指すものである。
図1に示すように、この自動販売機は、前面が開放した断熱筐体として形成された本体キャビネット1と、本体キャビネット1の前面に開閉可能に支持された外扉2とを備えている。本体キャビネット1の商品収納庫の前面は開閉可能な断熱内扉3によって閉塞されている。前記本体キャビネット1は鋼板製の外箱の内側、すなわち、上壁1a,左右側壁1b,背壁1cおよび底壁1dにウレタンフォームからなる断熱パネルを配設して断熱筐体として構成されている。前記本体キャビネット1の断熱パネルで囲まれた商品収納庫内には上下方向に多段に配設された商品収納棚10を備えた商品収納ラック4が収納設置されている。商品収納ラック4の下部には、商品搬出シュート6と商品収納ラック4に収容した商品Gをコールド若しくはホット状態に保存する冷却/加熱ユニット7が配設されている。さらに、本体キャビネット1の下部の機械室8には、冷却/加熱ユニット7の冷却ユニットと冷凍サイクルを形成する冷凍機コンデンシングユニット9が配設されている。
前記商品収納ラック4は、商品収納棚10が架設される左右一対のラック側板41,41を備えている。この左右のラック側板41,41は、図2から理解できるように、矩形平板状の薄板鋼板製になる。商品収納棚10は、商品投入口44となる前方側が高く、商品搬出口45となる後方側が低くなるように所定の勾配をもって傾斜する態様で左右のラック側板41,41に上下多段(この実施の形態では10段)に架設されている。最上段の商品収納棚10の上方にはメック係止部材30が左右一対のラック側板41,41に架設されている。また、左右のラック側板41,41の上端には、サーペンタイン式商品収納ラックと同様のラック側フック金具40(図2参照)が架設され、このラック側フック金具40を商品収納庫の天井に敷設された本体側フック金具(不図示)に係止固定することにより、商品収納ラック4が商品収納庫に収設されるものである。
前記商品収納棚10には、図2に示すように、複数の仕切部材42が装着されている。これらの仕切部材42は、複数の商品を横倒し姿勢で前後方向に一列に整列して収納する商品収納通路43(商品コラム)を画成するものである。各商品収納通路43の商品搬出口45の近傍であって各商品収納通路43の上部、この実施の形態においては上段側の商品収納棚10およびメック係止部材30の下面には当該商品収納通路43に収容された商品Gを一個ずつ切り出して搬出通路46に搬出する商品搬出装置5が配設されている。そして、各段における商品収納棚10の後端部には、前記搬出通路46に突出する突出位置と、落下する商品Gにより押し開かれて搬出通路46から退避する退避位置との間を回動する姿勢制御板47が配備されている。この姿勢制御板47はコイルばね(不図示)により搬出通路46に向けて突出するように付勢されており、搬出通路46を落下する商品Gにより押し開かれて搬出通路46から退避する際、当該商品Gの姿勢を横倒し姿勢に矯正するとともに当該商品Gの落下エネルギーを吸収してその落下速度を低減させる周知のものである。このように構成された商品収納ラック4が商品収納庫内に収納設置されている。
なお、外扉2の前面には、図示は省略するが、商品コラムに対応した複数の商品見本を展示した商品展示室、購入する商品Gを指定する商品選択ボタン、代価としての硬貨を投入する硬貨投入口、代価としての紙幣を挿入する紙幣挿入口、釣銭硬貨若しくは返却指令により返却される硬貨を取り出すための硬貨返却口、釣銭若しくは投入硬貨の返却を指示する返却レバーなど、貨幣の投入により商品Gの自動販売に必要な部品が配設され、さらに、外扉2を本体キャビネット1に閉止鎖錠する扉ロック機構のハンドルなどが設けられている。
前記商品収納棚10は、図3に示すように、矩形の板面の左右側縁から下方に折り曲げられたフランジ11,11を形成して補強が図られている。商品収納棚10の前端には中空円筒形状(カール状)に丸めて形成された中空状部12が形成されている。フランジ11,11の前部には切欠きによりピン挿通部11aが形成され、また、フランジ11の略中間部位および後端にも切欠きにより円弧状のピン係合部11b,11cが形成されている。このフランジ11,11に設けたピン挿通部11aおよびピン係合部11b,11cを、左右のラック側板41,41に架設されるピン部材P0〜P2(図2参照)に対峙させる態様で商品収納棚10を配置することにより商品収納棚10が左右のラック側板41,41に取付けられるように構成されている。
前記商品収納棚10の板面には前後方向に3連のスリット状の係合溝14が左右方向に4列穿設されている。また、商品収納棚10の前端の中空状部12には、複数の係合溝14に対応した表示溝15が複数形成されている。この表示溝15は、図3の(b)を参照すると理解できるように、中空状部12の円周の一部を穿孔して形成されており、3連の係合溝14のうちの前方の係合溝14に連通して形成されている。前記係合溝14は仕切部材42を係止固着するものであり、その幅が仕切部材42の板厚よりも大きく(例えば、板厚の2倍以上)形成されている。表示溝15は、係合溝14の位置を示す目印である。また、前記商品収納棚10の後端寄りには複数の逃げ穴16が形成され、これらの逃げ穴16は商品搬出装置5のペダル部材52の軸受部522(後述する図8,図12参照)を貫通させるものである。
最上段のメック係止部材30は、後述する商品搬出装置5を取付けるためのものであり、この実施の形態では部品点数を削減するために商品収納棚10が採用されている。
仕切部材42は、薄板鋼板製になり、前後方向に延在する態様で商品収納棚10に装着されて商品収納通路43を画成するものである。仕切部材42は、図4に示すように、その下部に下方に突出する3連の爪421が形成され、これらの爪421は商品収納棚10の板面に形成した3連の係合溝14にそれぞれ係合可能に構成されている。仕切部材42の上部には押圧突起422が形成されている。押圧突起422は、仕切部材42の上部中央寄りに位置して上方に突出するとともに後述する商品搬出装置5に配設された調節部材81,82に当接して当該調節部材81,82を操作(回動)させるものである。
前記仕切部材42の設定位置の変更は、商品収納棚10に装着された仕切部材42を上方に持ち上げることにより爪421を係合溝14から引き外した状態で仕切部材42を対応する係合溝14に対峙する位置まで左右方向に移動させた後、仕切部材42を下降させると、爪421が対応する係止溝14に落ち込んで係合してセットされる。
前記商品搬出装置5は、図5Aに示すように、商品搬出装置5A,5Bを備えている。この実施の形態では商品搬出装置5Aが固定式払出部として構成され、商品搬出装置5Bが可動式払出部として構成されている。商品搬出装置5Aは、左右に並設された払出機構501,502を備えている。商品搬出装置5Bは左右に並設された払出機構503,504を備えるとともに払出機構503,504を保持する可動式軸受部材60を備えている。また、商品搬出装置5は、固定式払出部の払出機構501,502および可動式払出部の払出機構503,504を駆動するモータ駆動ユニット(駆動手段)70A,70Bと、必要に応じて商品収納棚10にセットされて商品収納通路43を画成する仕切部材42により操作される複数の調節部材81、82と、払出機構501〜504に対応してそれぞれ検出レバー901と売切検出スイッチ902とを有する売切検出機構91〜94とを備えている。これらの商品搬出装置5の構成部品は薄い箱形の基板51にそれぞれ取付けられている。
前記商品搬出装置5Aの払出機構501,502は、商品収納通路43に出没自在に、基板51に架設した回動軸57(図5D参照)に軸支されるとともに販売順位一番の商品G(図1に示すように最後端の商品であり、販売商品ともいう)を保持する態様で商品収納通路43に突出する突出位置と前記販売商品Gの保持を解放する態様で商品収納通路43から退避する退避位置との間を移動可能に設けたペダル部材52,52(図5B参照)と、商品収納通路43に出没自在に、基板51に設けた回動軸57に軸支されるとともに商品収納通路43から退避する退避位置と販売商品Gに続く販売順位二番の商品G(最後端の商品に続く商品であり、次販売商品ともいう)を保持する態様で商品収納通路43に突出する突出位置との間を移動可能に設けたストッパ部材53,53(図5B参照)と、前記ペダル部材52,52およびストッパ部材53,53を突出位置と退避位置とに移動させる後部リンクピン55,55(図5D参照)および前部リンクピン56,56(図5D参照)を支持し、復帰ばね540,540(図5C参照)によって後退位置に向けて付勢されたリンク機構54,54などからなり、これらの構成部材が基板51に取付けられている。
商品搬出装置5Bの払出機構503,504は、商品収納通路43に出没自在に、可動式軸受部材60に架設した回動軸57(図5D参照)に軸支されるとともに販売順位一番の商品G(図1に示すように最後端の商品であり、販売商品Gともいう)を保持する態様で商品収納通路43に突出する突出位置と前記販売商品Gの保持を解放する態様で商品収納通路43から退避する退避位置との間を移動可能に設けたペダル部材52,52(図5B参照)と、商品収納通路43に出没自在に、基板51に設けた回動軸57に軸支されるとともに商品収納通路43から退避する退避位置と販売商品Gに続く販売順位二番の商品G(最後端の商品に続く商品であり、次販売商品ともいう)を保持する態様で商品収納通路43に突出する突出位置との間を移動可能に設けたストッパ部材53,53(図5B参照)と、前記ペダル部材52,52およびストッパ部材53,53を突出位置と退避位置とに移動させる後部リンクピン55,55(図5D参照)および前部リンクピン56,56(図5D参照)を支持し、復帰ばね540,540(図5C参照)によって後退位置に向けて付勢されたリンク機構54,54などからなり、これらの構成部材が可動式軸受部材60を介して基板51に取付けられている。
基板51は、図6Aに示すように、その周縁に上部側に向けて延在する左右のフランジ51a,51bおよび前フランジ51cを形成した薄板鋼板製になり、図25に示した従来装置における基板51の後フランジを削除した形態をなしている。基板51の前フランジ51cには断面コ字状のハーネス保持部510が一体に形成されている。ハーネス保持部510の前方側脚片には左右方向に複数の切欠き510a〜510dが設けられ、この切欠き510a〜510dはハーネス保持部510の前方側脚片から底面に跨って延在している。この切欠き510a〜510dは仕切部材42の押圧突起422を受容するものであり、その押圧突起422の進入を容易にするために台形状を成している。なお、ハーネス保持部510は、モータ駆動ユニット70A,70Bのモータ711、キャリアスイッチ716(後述する図16の(a)参照)の配線および売切検出機構91〜94の検出スイッチ902の配線をガイドするものであり、結束された配線を保持する保持片5101が複数設けられている。
基板51の左右のフランジ51a,51bの後端には、円弧状に切り欠いたピン係止部51a1,51b1が設けられている。基板51の前フランジ51cの上端は前方に折り曲げてコ字状のハーネス保持部510に連結され、前フランジ51cとハーネス保持部510の後方側脚片との間の隙間がピン係止部51c1として形成されている。これらのピン係止部51a1,51b1とピン係止部51c1は、左右一対のラック側板41,41に架設されるピン部材P1,P2(図2参照)に係合して基板51を商品収納棚10に係止固定するものである。基板51の前フランジ1cの近傍に切り起こしにより形成した係止片51dにはモータ駆動ユニット70A,70Bのユニットケース71におけるベース部材の頭部に設けた爪片71a,71a(図5D参照)を形成する穴51d1,51d1を設けるとともに基板51の板面にはモータ駆動ユニット70A,70Bのユニットケース71におけるベース部材に設けた突起(不図示)をそれぞれ係止固定する複数の穴51d2がそれぞれ穿設され、その穴51d2よりも後方側に、それぞれ左右一対の保持片51eが左右方向に複数(この例では3個)切り起こしにより形成され、これらの保持片51eには前後方向に延在する長穴51e1がそれぞれ穿設され、この長穴51e1には可動式軸受部材60の前方側を支持する2本の支持ピンP3,P4(図5A,図5C,図5D参照)が挿通されるものである。また、基板51の前方中央寄りにそれぞれ左右一対のガイド片51fが2個並設される態様でそれぞれ切り起こしにより形成されている。これらの2個のガイド片51fは、それぞれ調節部材81,82をガイドするものである。
基板51の後部には開口部511を挟んで左右両側に軸受部514,514が切り起こしにより形成され、また、基板51の後端側には開口部512を挟んで左右両側に軸受部515,515が切り起こしにより形成され、さらに基板51の後端側には開口部513を挟んで左右両側に開口フランジ516,516が切り起こしにより形成されている。前記開口部511,512,513の後方は開放されている。前記軸受部514,514、軸受部515,515、および開口フランジ516,516の後縁からは開口部511,512,513に向けて延在するストッパ517,517がそれぞれ設けられている。
基板51の軸受部514,514には、図6Bに示すように、前後方向に延在する前後一対の長穴5141,5142が段違いに形成されている。また、軸受部514,514には、長穴5141の下方位置に支軸穴5143が形成されている。前記長穴5141,5142は、商品搬出装置5Aの払出機構501に関わるリンク機構54に支持された後部リンクピン55,前部リンクピン56をそれぞれ前後方向にスライド移動可能に支持するものである。前記支軸穴5143は、前記払出機構501のペダル部材52とストッパ部材53に関わる共通の回動軸57を支持するものである。また、軸受部514,514には、長穴5141の前方位置に前後方向に延在する長穴5144,5144が形成されている。この長穴5144,5144は、払出機構501に対応する売切検出機構91の検出レバー901(図5C、図20参照)を前後方向にスライド可能に保持するものである。そして、軸受部514,514のうちの左側の軸受部514の前方寄りには前記リンク機構54を後退位置に復帰させる復帰ばね540の一端を係止する係止片5145が設けられている。なお、前記長穴5141,5142,5144および支軸穴5143の穴周縁はヘミング加工若しくはバーリング加工を施して、後部リンクピン55,前部リンクピン56、検出レバー901、回動軸57との摩擦を低減するように構成されている。
また、基板51の軸受部515,515には、図6Bに示すように、前後方向に延在する前後一対の長穴5151,5152が段違いに形成され、軸受部515,515には、長穴5151の下方位置に支軸穴5153が形成されている。前記長穴5151,5152は、商品搬出装置5Aの払出機構502に関わるリンク機構54に支持された後部リンクピン55,前部リンクピン56をそれぞれ前後方向にスライド移動可能に支持するものである。また、前記支軸穴5153は、前記払出機構502のペダル部材52とストッパ部材53に共通の回動軸57を支持するものである。また、軸受部515,515には、長穴5151の前方位置に前後方向に延在する長穴5154,5154が形成されている。この長穴5154,5154は、払出機構502に対応する売切検出機構92の検出レバー901(図20参照)を前後方向にスライド可能に保持するものである。そして、軸受部515,515のうちの左側の軸受部515の前方寄りには前記リンク機構54を後退位置に復帰させる復帰ばね540の一端を係止する係止片5155が設けられている。なお、前記長穴5151,5152,5154および支軸穴5153の穴周縁はヘミング加工若しくはバーリング加工を施して、後部リンクピン55,前部リンクピン56、検出レバー901、回動軸57との摩擦を低減するように構成されている。
基板51の後部に形成した開口部513に配設される可動式軸受部材60(図7参照)は、商品搬出装置5Bの払出機構503,504におけるそれぞれのリンク機構54,54に支持された後部リンクピン55,55および前部リンクピン56,56の両端を支持するとともにペダル部材52,52およびストッパ部材53,53に関わる共通の回動軸57を支持する左右の軸受部61,62を連接してなるものである。軸受部61,62は、その間の連結部63を介して連結され、軸受部61の左右方向の幅が軸受部62の左右方向の幅に対して略1/2となる態様で形成したプレス成型品になる。
軸受部61は、図7に示すように、底面と前後面が開口した箱形をなし、天井壁611と左右側壁612,613を備えてなり、前記軸受部61の左側壁612にはコ字状溝を介して並設されたストッパ壁614が形成されている。そして、左側壁612とストッパ壁614の前方寄りには、支持ピンP3,P4(図5A,図5C,図5D参照)を挿通させる挿通穴612a,614aが前後方向にそれぞれ2個穿設されている。
軸受部61の左右側壁612,613には、前後方向に延在する前後一対の長穴615,616が段違いに形成されるとともに長穴615の下方位置に支軸穴617がそれぞれ形成されている。また、左右側壁612,613には、長穴615の前方位置に前後方向に延在する長穴618がそれぞれ形成されている。前記長穴615,616は、商品搬出装置5Bの払出機構503に関わるリンク機構54に支持された後部リンクピン55,前部リンクピン56をそれぞれ前後方向にスライド移動可能に支持するものである。また、支軸穴617は、前記ペダル部材52およびストッパ部材53に関わる共通の回動軸57を支持するものである。また、長穴618は、払出機構503に対応する売切検出機構93の検出レバー901(図20参照)を前後方向にスライド可能に保持するものである。前記長穴615,616,618および支軸穴617の穴周縁はヘミング加工若しくはバーリング加工を施して、後部リンクピン55,前部リンクピン56,検出レバー901,回動軸57との摩擦を低減するように構成されている。
軸受部61における天井壁611の後端側には左右一対の開口611a,611aが形成され、また、天井壁611の前方寄りには天窓611bが形成されている。前記開口611a,611aは後述するペダル部材52の軸受部522(後述する図12参照)の逃げ穴を構成するものであり、前記天窓611bは、天窓611bの左右窓縁からL字状の摺動片610a,610bを切り起こし形成するとともに天窓611bの右縁から係止片619を切り起こし形成するためのものである。互いに対向するL字状の摺動片610a,610bの自由端は前方に向かうに従って湾曲した湾曲面として形成されており、この摺動片610a,610bは調節部材81,82の後端に形成した押圧片813,823(図17,図18参照)が摺接するように構成されたものである。また、係止片619は、前記リンク機構54を後退位置に復帰させる復帰ばね540の一端が係止されるものである。
図7に示すように、可動式軸受部材60の軸受部62も軸受部61と同様に、底面と前後面が開口した箱形をなし、天井壁621と左右側壁622,623を備えてなり、右側壁側623にはコ字状溝を介して並設されたストッパ壁624が形成されている。そして、右側壁623とストッパ壁624の前方寄りには、支持ピンP3,P4(図5A,図5C,図5D参照)を挿通させる挿通穴623a,624aが前後方向にそれぞれ2個穿設されている。
軸受部62の左右側壁622,623には、前後方向に延在する前後一対の長穴625,626が段違いに形成されるとともに長穴625の下方位置に支軸穴627(図7では左側壁622の支軸穴627の一部が見えており、右側壁622の支軸穴627はストッパ壁624に隠れて見えない)がそれぞれ形成されている。また、左右側壁622,623には、長穴625の前方位置に前後方向に延在する長穴628がそれぞれ形成されている。前記長穴625,626は、商品搬出装置5Bの払出機構504に関わるリンク機構54に支持された後部リンクピン55,前部リンクピン56をそれぞれ前後方向にスライド移動可能に支持するものである。また、支軸穴627は、前記ペダル部材52およびストッパ部材53に関わる共通の回動軸57を支持するものである。また、長穴628は、払出機構504に対応する売切検出機構94の検出レバー901(図20参照)を前後方向にスライド可能に保持するものである。前記長穴625,626,628および支軸穴627の穴周縁はヘミング加工若しくはバーリング加工を施して、後部リンクピン55,前部リンクピン56,検出レバー901,回動軸57との摩擦を低減するように構成されている。
軸受部62における天井壁621の後端側には左右方向に4個の開口621aが形成され、また、天井壁611の前方寄りには天窓621bが形成されている。前記開口621aは後述するペダル部材52の軸受部522(後述する図8,図21A参照)の逃げ穴を構成するものであり、前記天窓621bは、その右窓縁から係止片629を切り起こし形成するためのものである。この係止片629は、前記リンク機構54を後退位置に復帰させる復帰ばね540の一端が係止されるものである。
軸受部62における右側壁623に隣接するストッパ壁624の後端には円弧状に切り欠いたピン係止部6241が設けられている。そして、軸受部62の左右側壁622,623、軸受部61の左右側壁612,613、軸受部61の左側壁612に隣接するストッパ壁614、および左右の軸受部61,62を連結する連結部63の左右側壁(参照符号なし)のそれぞれの後端にも、前記ストッパ壁624の後端に円弧状に切り欠いて形成したピン係止部6241と同様なピン係止部が設けられているものである。これらのピン係止部6241等は、基板51の左右のフランジ51a,51bの後端に形成した円弧状に切り欠いたピン係止部51a1,51b1(図6A参照)と同一の構成をなし、左右一対のラック側板41,41に架設されて基板51を商品収納棚10に係止固定するピン部材P1,P2(図2参照)に係合するものである。これらのピン係止部6241等により可動式軸受部材60の後端側がピン部材P1,P2(図2参照)に載置される態様で支持される一方、可動式軸受部材60の前端側は、軸受部61の左側壁612とストッパ壁614および軸受部62の右側壁側623とストッパ壁624の前方寄りに前後方向にそれぞれ2個穿設された挿通穴612a,614a、および挿通穴623a,624aに、基板51に架設される支持ピンP3,P4(図5A,図5C,図5D参照)を挿通させることにより支持される。そして、可動式軸受部材60は前記支持ピンP3,P4に沿って幅方向に移動自在に構成されている。
商品搬出装置5Aにおける払出機構501を構成するペダル部材52は、図8(a),図8(b)に示すように、平板状の保持部521と、この保持部521の基端側から保持部521と反対方向に延在する4個の軸受部522を一体に形成した合成樹脂(たとえば、ポリアセタール)製になる。保持部521は、基板51の開口部511を通して商品収納通路43に出没し、商品収納通路43に突出することにより商品Gを保持するものである。前記軸受部522には軸挿通穴5221と異形孔523が形成されている。軸挿通穴5221は、回動軸57を挿通するためのものである。回動軸57には、捻りコイルばね(不図示)が巻装され、ペダル部材52は、この捻りコイルばねの弾性付勢力によって保持部521が商品収納通路43へ突出する方向に向けて常に付勢されている。回動軸57を挟んで保持部521と反対方向の部位に形成された異形孔523は、リンク機構54に支持された後部リンクピン55の端部を摺動させ、後部リンクピン55の前後方向へのスライド移動を許容するとともに後部リンクピン55と協働してペダル部材52の動作範囲を規制するためのものである。そして、この異形孔523は、後退位置(軸受部61の左右側壁に形成した長穴514の後端位置)にスライド移動した後部リンクピン55と当接してペダル部材52を商品収納通路43に突出した突出位置にロックするロック溝部523a(後述する図21Bも参照)を備えている。このように、本発明に係るペダル部材52は、商品収納通路43に突出して商品を保持する平板状の保持部521の基端側を回動軸57で軸支する一方、回動軸57を挟んで保持部521と反対方向の部位に、前後方向に移動自在な後部リンクピン55が摺動するととともに後退位置に移動した後部リンクピン55を係止してペダル部材52を商品収納通路43に突出した突出位置にロックするロック溝部523aを有する異形孔523を形成して構成されている。
商品搬出装置5Aにおける払出機構501を構成するストッパ部材53は、合成樹脂(例えば、ポリアセタール)製になり、図9に示すように、基端部側に形成された軸挿通穴5311を備えた3個の軸支部531と、先端側に形成されるとともに2個の切欠き532aを有する商品の保持部532と、基端部と先端との間の胴部530に形成した左右一対のストッパ壁533とが一体成形されている。左右一対のストッパ壁533には凹状の摺動溝533aが形成されている。前記軸支部531に形成され軸挿通穴5311は、回動軸57を挿通するためのものである。左右の軸支部531の間の幅は、ペダル部材52の軸挿通穴5221が設けられた両端の軸受部522の間の幅よりも大きく定められ、中央の軸受部522はペダル部材52の中央側の2個の軸受部522の間に位置するように定められている。前記保持部532は、基板51の開口部511を通して商品収納通路43に出没し、商品収納通路43に突出することにより商品Gを保持するものである。また、前記ストッパ壁533に形成した凹状の摺動溝533aは、前後方向にスライド移動する前部リンクピン56が摺動可能であり、後退位置(基板51の開口部511を挟んで左右両側に形成した軸受部514,514に設けた長穴5142の後端位置)にスライド移動した前部リンクピン56を受け入れてストッパ部材53を商品収納通路43から退避した退避位置にロックし、前部リンクピン56が後退位置から前方にスライド移動する際にストッパ部材53を商品収納通路43に向けて押し出すものである。また、前記ストッパ壁533における摺動溝533aに連なる部位には、前進位置(軸受部514,514に設けた長穴5142の前端位置)にスライド移動した前部リンクピン56に当接するストッパ面533b(後述する図21Aも参照)を設けている。このストッパ面533bは、前部リンクピン56に当接して商品収納通路43に突出したストッパ部材53が退避位置に向けて移動するのを阻止して当該ストッパ部材53を突出位置でロックするものである。なお、ストッパ部材53の軸支部531の外周縁にはストッパ531aが径外方向に突出形成されている。このストッパ531aは、ストッパ部材53が商品収納通路43に突出した際に基板51に形成したストッパ517に当接するように構成され、ストッパ部材53の突出位置を規制するものである。
前記ペダル部材52およびストッパ部材53を軸支する回動軸57の軸受部514,514への組み付けは、ペダル部材52の軸受部522およびストッパ部材53の基端部を軸受部514,514の所定位置に配設する。この場合、所定位置とは、ペダル部材52に設けた4個の軸受部522とストッパ部材53に設けた軸支部631を噛み合わせる、つまり、ペダル部材52の両端の軸受部522の外側にストッパ部材53の左右の軸支部531,531が位置し、ペダル部材52の中央側の2個の軸受部522の間にストッパ部材53の中央の軸支部531が位置する態様で配設した上で、ペダル部材52に設けた4個の軸受部522の軸挿通穴5221と、ストッパ部材53に設けた3個の軸支部531の軸挿通穴5311とが、軸受部514,514に形成した支軸穴5143,5143と一直線上に位置することを指している。このように、ペダル部材52の軸受部522およびストッパ部材53の軸支部631を軸受部514,514の所定位置に配設した上で、基板51の左フランジ51aの外側から当該右フランジ51aに形成した丸穴51a2(図6A,6B参照)に回動軸57を差し込み、回動軸57を軸受部514,514に形成した支軸穴5143,5143に挿通させて架設すると、ペダル部材52とストッパ部材53が回動軸57に軸支されることとなる。
商品搬出装置5Aにおける払出機構501を構成するリンク機構54は、図10に示すように、鋼板製のリンク部材541aを備えている。リンク部材541aは、短冊状の鋼板を階段状に折り曲げて形成された前方リンク部5411と後方リンク部5412からなる。リンク部材541aの後方リンク部5412には、切欠き5412aにより二股状に形成された脚片の左右両端から下方に延在する支持脚5410が形成され、その支持脚5410に後部リンクピン55が貫通する貫通穴からなる支持部542、およびその支持部542の前方側に位置して前部リンクピン56が貫通する貫通穴からなる支持部543が形成されている。前記支持部542は、後部リンクピン55を支持してリンク部材541の前後方向への往復動作に連動して当該後部リンクピン55を前後方向に移動させるものである。前記支持部543は、前部リンクピン56を支持してリンク部材541aの前後方向への往復動作に連動して当該前部リンクピン56を前後方向に移動させるものである。
リンク部材541aの前方リンク部5411の前端には、右側方向に延在する態様で折り曲げ形成された係合片544が設けられている。この係合片544は、後述するモータ駆動ユニット70Aのリンクレバー718の先端718bを前方から覆う態様で配設されるものである。また、前方リンク部5411の幅は、基板51に切り起こしにより形成した複数の左右一対の保持片51eのうちの左端側の左右一対の保持片51eの間の寸法よりも僅かに小さい幅に定められ、この左右一対の保持片51eをガイドとしてリンク部材541aが前後移動するように構成されている。そして、リンク部材541aの後方リンク部5412の左縁の前方寄りには係止片545が設けられている。この係止片545はリンク部材541aを後退位置に向けて付勢する捻りコイルばねからなる復帰ばね540の他端を係止するものである。復帰ばね540の一端は、基板51に形成した軸受部514,514のうちの左側の軸受部514の前方寄りに設けた係止片5145(図6参照)に係止されるものである。
前記リンク部材541aは、後部リンクピン55および前部リンクピン56とともに基板51の軸受部514,514に組み付けられる。すなわち、リンク部材541の軸受部514,514への組み付けは、前述したように、ペダル部材52およびストッパ部材53を、回動軸57を介して軸受部514,514に組み付けた後、リンク部材541aの後方リンク部5412を軸受部514,514の所定位置に配設した状態で後部リンクピン55および前部リンクピン56を組み付ける。この場合、所定位置とは、リンク部材541aにおける左右の支持脚5410,5410を軸受部514,514に予め組み付けられているペダル部材52の両端の軸受部522の内側に挿入する態様で組み込んだ上で、ペダル部材52の軸受部522に設けた異形孔523と、リンク部材541aの支持脚5410,5410に設けた支持部(貫通穴)542とが、軸受部514,514に形成した長穴5141,5141と一直線上に位置し、また、軸受部514,514に予め組み付けられているストッパ部材53の左右一対のストッパ壁533,533に形成した凹状の摺動溝533a,533aと、リンク部材541aの左右の支持脚5410,5410に設けた支持部(貫通穴)543とが、軸受部514,514の左右側壁に形成した長穴5142,5142と一直線上に位置することを指している。
このようにリンク部材541aを軸受部514,514の所定位置に配設した状態で、後部リンクピン55を、基板51の左フランジ51aに穿設した半円状の切欠き51a3(図6A,図6B参照)の外側から差し込んで軸受部514,514に形成した長穴5141,5141に跨るように装着する一方、前部リンクピン56を、基板51の左フランジ51aに形成した丸穴51a4(図6A,図6B参照)の外側から差し込んで軸受部514,514に形成した長穴5142,5142に跨るように装着する。これにより、後部リンクピン55がリンク部材541aの支持部(貫通穴)542に支持されるとともにペダル部材52の軸受部522に設けた異形孔523に挿通された状態で軸受部514,514に形成した長穴5141,5141に跨って保持され、前部リンクピン56がリンク部材541aの支持部(貫通穴)543に支持されるとともにストッパ部材53の左右一対のストッパ壁533に設けた凹状の摺動溝533aに挿通された状態で軸受部514,514に形成した長穴5142,5142に跨って保持される。
このように、リンク部材541aを基板51に組み付けた状態で復帰ばね540を、リンク部材541aの係止片545と軸受部514,514のうちの左側の軸受部514の前方寄りに設けた係止片5145(図6参照)と係止する態様で組み付ける。これによりリンク部材541aは待機状態で復帰ばね540の付勢力により後部リンクピン55および前部リンクピン56が軸受部514,514に形成した長穴5141,5141および長穴5142,5142の後端位置に位置するように後退しているものである。なお、商品収納通路43から退避位置に退避したストッパ部材53が復帰ばね540と干渉するのを避けるためにストッパ部材53の保持部532には切欠き532a(図9参照)が設けられている。この場合、ストッパ部材53の保持部532には2個の切欠き532aが設けられているが、復帰ばね540との干渉を避けるための切欠き532aは、図9においては左側のものである。
商品搬出装置5Aにおける払出機構502は、前述した払出機構501とはリンク機構54を構成するリンク部材541bの点で相違し、その他の構成については同一であるので、ここでは相違点のみについて説明する。この払出機構502における払出機構501との相違点であるリンク機構54を構成するリンク部材541bの構成を図11に示す。なお、図10に示したリンク部材541aと同一の機能を有するものには同一の符号を付している。
図11に示すように、リンク部材541bは、商品搬出装置5Bの領域にまで延在する態様で屈曲して形成された前方リンク部5411と後方リンク部5412とを有する鋼板製になる。リンク部材541bの後方リンク部5412は、図10に示したリンク部材541の後方リンク部材5412と同様に、切欠き5412aにより二股状に形成された脚片の左右両端から下方に延在する支持脚5410が形成され、その支持脚5410に後部リンクピン55が貫通する貫通穴からなる支持部542、およびその支持部542の前方側に位置して前部リンクピン56が貫通する貫通穴からなる支持部543が形成されている。また、後方リンク部5412の左縁の前方寄りには係止片545が設けられている。この係止片545はリンク部材541bを後退位置に向けて付勢する捻りコイルばねからなる復帰ばね540の他端を係止するものである。復帰ばね540の一端は、基板51に形成した軸受部515,515のうちの左側の軸受部515の前方寄りに設けた係止片5145(図6参照)に係止されるものである。また、後方リンク部5412の係止片545の前方には下方に折り曲げられた脚片546が設けられ、この脚片546には前後方向に延在する長穴(不図示)が形成されている。この脚片546の長穴には、基板51に架設されて可動式軸受部材60の前方側を支持する2本の支持ピンP3,P4(図5参照)が挿通されるものであり、その長穴の長さは当該支持ピンP3,P4によってリンク部材541bの前後方向への移動が阻害されることがないように定められている。
リンク部材541bにおける商品搬出装置5Bの領域にまで延在する前方リンク部5411の先端には、フック状に折り曲げ形成された係合片544が設けられている。この係合片544は、後述する商品搬出装置5Bにおけるモータ駆動ユニット70Bのリンクレバー718の先端718bを前方から囲繞する態様で配設されるものである。
前記払出機構502を構成するペダル部材52およびストッパ部材53を軸支する回動軸57は、払出機構501のペダル部材52およびストッパ部材53を軸支する回動軸57と共通のもの、つまり、回動軸57が払出機構502を構成するペダル部材52およびストッパ部材53と払出機構502を構成するペダル部材52およびストッパ部材53に跨る長さを有し、前記払出機構501のペダル部材52およびストッパ部材53を軸支する回動軸57の軸受部514,514への組付けと同時に、払出機構502を構成するペダル部材52の軸受部522およびストッパ部材53の基端部を軸受部515,515の所定位置に配設した上で、基板51の左フランジ51aに形成した丸穴51a4(図6B参照)の外側から回動軸57を差し込んで軸受部515,515に形成した支軸穴5153,5153に挿通させて架設すると、払出機構502のペダル部材52とストッパ部材53とが回動軸57に軸支されることとなる。
また、リンク部材541bに支持される後部リンクピン55および前部リンクピン56の基板51の軸受部515,515への組み付けは、リンク部材541bの後方リンク部5412を軸受部515,515の所定位置に配設した上で前記開口フランジ516,516(図6A参照)のうちの左側の開口フランジ516に穿設した半円状の切欠き516aおよび丸穴516b(図6B参照)の外側(開口部513側)から後部リンクピン55および前部リンクピン56を差し込んで軸受部515,515に形成した長穴5151,5151、5152,5152に跨るように装着する。これにより、後部リンクピン55がリンク部材541bの支持部(貫通穴)542に支持されるとともにペダル部材52の軸受部522に設けた異形孔523に挿通された状態で軸受部515,515に形成した長穴5151,5151に跨って保持され、前部リンクピン56がリンク部材541bの支持部(貫通穴)543に支持されるとともにストッパ部材53の左右一対のストッパ壁533に設けた凹状の摺動溝533aに挿通された状態で軸受部515,515に形成した長穴5152,5152に跨って保持される。
商品搬出装置5Bにおける払出機構503を構成するペダル部材52を図12に示し、図8に示したペダル部材52と同一の機能を有するものには同一の符号を付している。図12に示すように、払出機構503のペダル部材52は、平板状の保持部521と、この保持部521の基端側から保持部521と反対方向に延在する左右一対の軸受部522を一体に形成した合成樹脂(たとえば、ポリアセタール)製になり、前述した払出機構501,502を構成するペダル部材52の幅よりも小さく形成されている。前記保持部521は、基板51の開口部513を通して商品収納通路43に出没し、商品収納通路43に突出することにより商品Gを保持するものである。前記軸受部522には、回動軸57(図5D参照)を挿通する軸挿通穴5221とリンク機構54に支持された後部リンクピン55(図5D参照)を挿通する異形孔523が形成されている。回動軸57には、捻りコイルばね(不図示)が巻装され、ペダル部材52は、この捻りコイルばねの弾性付勢力によって商品収納通路43への突出位置に向けて常に付勢されている。回動軸57を挟んで保持部521と反対方向の部位に形成された異形孔523は、リンク機構54に支持された後部リンクピン55の端部を摺動させ、後部リンクピン55の前後方向へのスライド移動を許容するとともに後部リンクピン55と協働してペダル部材52の動作範囲を規制するためのものである。そして、この異形孔523は、後退位置(可動式軸受部材60の軸受部61の左右側壁612,613に形成した長穴616の後端位置)にスライド移動した後部リンクピン55と当接してペダル部材52を商品収納通路43に突出した突出位置にロックするロック溝部523aを備えている。このように、本発明に係るペダル部材52は、商品収納通路43に突出して商品を保持する平板状の保持部521の基端側を回動軸57で軸支する一方、回動軸57を挟んで保持部521と反対方向の部位に、前後方向に移動自在な後部リンクピン55が摺動するととともに後退位置に移動した後部リンクピン55を係止してペダル部材52を商品収納通路43に突出した突出位置にロックするロック溝部523aを有する異形孔523を形成して構成されている。
商品搬出装置5Bにおける払出機構503を構成するストッパ部材53を図13に示し、図9に示したストッパ部材53と同一の機能を有するものには同一の符号を付している。図13に示すように、払出機構503のストッパ部材53は、基端部側に形成された軸挿通穴5311を備えた左右一対の軸支部531と、先端側に形成されるとともに2個の切欠き532aを有する商品の保持部532と、基端部と先端との間の胴部530に形成した左右一対のストッパ壁533とが一体成形された合成樹脂(例えば、ポリアセタール)製になり、前述した払出機構501,502を構成するストッパ部材53の幅よりも小さく形成されている。左右一対のストッパ壁533には凹状の摺動溝533aが形成されており、前記軸支部531に形成され軸挿通穴5311は、回動軸57(図5D参照)を挿通するためのものである。左右一対の軸支部531の間の幅は、ペダル部材52における左右一対の軸受部522の間の幅よりも大きく定められている。前記保持部532は、基板51の開口部513を通して商品収納通路43に出没し、商品収納通路43に突出することにより商品Gを保持するものである。前記ストッパ壁533に形成した凹状の摺動溝533aは、前後方向にスライド移動する前部リンクピン56(図5D参照)が摺動可能であり、後退位置(可動式軸受部材60の軸受部61の左右側壁612,613に形成した長穴616の後端位置)にスライド移動した前部リンクピン56を受け入れてストッパ部材53を商品収納通路43から退避した退避位置にロックし、前部リンクピン56が後退位置から前方にスライド移動する際にストッパ部材53を商品収納通路43に向けて押し出すものである。また、前記ストッパ壁533における摺動溝533aに連なる部位には、前進位置(可動式軸受部材60の軸受部61の左右側壁612,613に形成した長穴616,616の前端位置)にスライド移動した前部リンクピン56に当接するストッパ面533bを設けている。このストッパ面533bは、前部リンクピン56に当接して商品収納通路43に突出したストッパ部材53が退避位置に向けて移動するのを阻止して当該ストッパ部材53を突出位置でロックするものである。なお、ストッパ部材53の軸支部531の外周縁にはストッパ531aが径外方向に突出形成されている。このストッパ531aは、ストッパ部材53が商品収納通路43に突出した際に基板51に形成したストッパ517に当接するように構成され、ストッパ部材53の突出位置を規制するものである。
前記払出機構503のペダル部材52およびストッパ部材53は回動軸57を介して可動式軸受部材60の軸受部61に組み付けられる。なお、回動軸57は、後述する払出機構504のペダル部材52およびストッパ部材53と共通のものであり、その払出機構504のペダル部材52およびストッパ部材53を軸支するものであるが、回動軸57による払出機構504のペダル部材52およびストッパ部材53の軸支については後述することとし、ここでは払出機構503のペダル部材52およびストッパ部材53の軸支について説明する。回動軸57の軸受部61への組み付けは、ペダル部材52の軸受部522およびストッパ部材53の基端部を軸受部61の所定位置に配設する。この場合、所定位置とは、ペダル部材52に設けた左右一対の軸受部522の外側にストッパ部材53の左右一対の軸支部531が位置する態様で配設した上で、ペダル部材52に設けた左右一対の軸受部522の軸挿通穴5221と、ストッパ部材53に設けた左右一対の軸支部531の軸挿通穴5311とが、軸受部61の左右側壁612,613に形成した支軸穴617,617と一直線上に位置することを指している。このように、ペダル部材52の軸受部522およびストッパ部材53の軸支部531を軸受部61の所定位置に配設した上で、軸受部62の右側壁623に並設したストッパ壁624(図7参照)に設けた丸穴6242から回動軸57を差し込み、回動軸57を軸受部62の左右側壁622,623に形成した支軸穴627,627を介して軸受部61の左右側壁612,613に形成した支軸穴517,517に挿通させて架設すると、払出機構503のペダル部材52とストッパ部材53が回動軸57に軸支されることとなる。
商品搬出装置5Bにおける払出機構503を構成するリンク機構54を図14に示し、リンク機構54は鋼板製のリンク部材541cを備えている。なお、リンク部材541cにおいて、図10に示したリンク部材541と同一の機能を有するものには同一の符号を付している。
図14に示すように、払出機構503を構成するリンク部材541cは、前後に分離された前方リンク部5411と後方リンク部5412からなる。リンク部材541cの後方リンク部5412の後部には、左右両縁から下方に延在する支持脚5410が形成され、その支持脚5410に後部リンクピン55(図5D参照)が貫通する貫通穴からなる支持部542、およびその支持部542の前方側に位置して前部リンクピン56(図5D参照)が貫通する貫通穴からなる支持部543が形成されている。前記支持部542は、後部リンクピン55を支持してリンク部材541cの前後方向への往復動作に連動して当該後部リンクピン55を前後方向に移動させるものである。前記支持部543は、前部リンクピン56を支持してリンク部材541cの前後方向への往復動作に連動して当該前部リンクピン56を前後方向に移動させるものである。また、後方リンク部5412の右縁の前方寄りには係止片545が設けられている。この係止片545はリンク部材541cを後退位置に向けて付勢する捻りコイルばねからなる復帰ばね540の他端を係止するものである。復帰ばね540の一端は、可動式軸受部材60の軸受部61に設けた係止片619(図7参照)に係止されるものである。さらに、後方リンク部5412の前端には下方に折り曲げられた係合片546が設けられている。
リンク部材541cの前方リンク部5411の平板状の基部の前端には、商品搬出装置5Aの領域にまで延在する態様で折り曲げ形成された係合片544が設けられている。この係合片544は、後述する商品搬出装置5Aにおけるモータ駆動ユニット70Aのリンクレバー717の先端717bを前方から覆う態様で配設されるものであり、その途中領域には調節部材81との干渉を避けるための切欠き544aが形成されている。また、前方リンク部5411の平板状の基部の後端には、上方に折り曲げられた係合片547が設けられ、平板状の基部の左右両端には前後方向に延在する長穴548a,548aが形成された翼片548,548が設けられている。係合片547は、後方リンク部5412の係合片546と前後方向に重なる態様で当該係合片546の後方側に位置するものである。翼片548,548の長穴548a,548aには、基板51に架設されて可動式軸受部材60の前方側を支持する2本の支持ピンP3,P4(図5A,図5C,図5D参照)が挿通されるものであり、長穴548a,548aの長さは当該支持ピンP3,P4によって前方リンク部5411(リンク部材541c)の前後方向への移動が阻害されることがないように定められている。なお、後方リンク部5412の係合片546と翼片548,548との間には、後方リンク部5412の係合片546の板厚よりも大きな隙間を備えており、当該隙間に係合片546が進入することができる、つまり、係合片546の左右方向への移動が翼片548,548により阻害されることがないように構成されている。
さらに、前方リンク部5411における左右の翼片548,548の幅は、基板51に切り起こしにより形成した複数の左右一対の保持片51eのうちの中央の左右一対の保持片51eの間の寸法よりも僅かに小さい幅に定められ、この左右一対の保持片51eをガイドとして前方リンク部5411(リンク部材541c)が前後移動するように構成されている。
前記リンク部材541cの後方リンク部5412は、後部リンクピン55および前部リンクピン56とともに可動式軸受部材60の軸受部61に組み付けられる。すなわち、後方リンク部5412の軸受部61への組み付けは、前述したように、ペダル部材52およびストッパ部材53を、回動軸57を介して軸受部61に組み付けた後、後方リンク部5412を軸受部61の所定位置に配設した状態で後部リンクピン55および前部リンクピン56を組み付ける。この場合、所定位置とは、後方リンク部5412における左右の支持脚5410,5410を軸受部61に予め組み付けられているペダル部材52の左右一対の軸受部522の間に挿入する態様で組み込んだ上で、ペダル部材52の軸受部522に設けた異形孔523と、後方リンク部5412の支持脚5410,5410に設けた支持部(貫通穴)542とが、軸受部61の左右側壁612,613に形成した長穴615,615と一直線上に位置し、また、軸受部61に予め組み付けられているストッパ部材53の左右一対のストッパ壁533,533に形成した凹状の摺動溝533a,533aと、リンク部材541の左右の支持脚5410,5410に設けた支持部(貫通穴)543とが、軸受部61の左右側壁612,613に形成した長穴616,616と一直線上に位置することを指している。
このように後方リンク部5412を軸受部61の所定位置に配設した状態で、後部リンクピン55を、軸受部61の左側壁612に並設するストッパ壁614(図7参照)に設けた半円状の切欠き6141から差し込んで軸受部61の左右側壁612,613に形成した長穴615,615に跨るように装着する一方、前部リンクピン56を、軸受部61の左側壁612に並設するストッパ壁614(図7参照)に設けた丸穴(不図示)から差し込んで軸受部61の左右側壁612,613に形成した長穴616,616に跨るように装着する。これにより、後部リンクピン55が後方リンク部5412の支持部(貫通穴)542に支持されるとともにペダル部材52に設けた左右一対の軸受部522に設けた異形孔523に挿通された状態で軸受部61の左右側壁612,613に形成した長穴615,615に跨って保持され、前部リンクピン56が後方リンク部5412の支持部(貫通穴)543に支持されるとともにストッパ部材53の左右一対のストッパ壁533に設けた凹状の摺動溝533aに挿通された状態で軸受部61の左右側壁612,613に形成した長穴616,616に跨って保持される。
このように、後方リンク部5412を軸受部61に組み付けた状態で復帰ばね540を、後方リンク部5412の係止片545と軸受部61に設けた係止片619(図7参照)と係止する態様で組み付ける。これにより後方リンク部5412は待機状態で復帰ばね540の付勢力により後部リンクピン55および前部リンクピン56が軸受部61の左右側壁612,613に形成した長穴615,615および長穴616,616の後端位置に位置するように後退しているものである。なお、商品収納通路43から退避位置に退避したストッパ部材53が復帰ばね540と干渉するのを避けるためにストッパ部材53の保持部532には切欠き532a(図13参照)が設けられている。この場合、ストッパ部材53の保持部532には2個の切欠き532aが設けられているが、復帰ばね540との干渉を避けるための切欠き532aは、図13においては左側のものである。
商品搬出装置5Bにおける払出機構504を構成するペダル部材52およびストッパ部材53は、前述した払出機構501,502のペダル部材52およびストッパ部材53に対して幅が僅かに大きい点を除けば同一であるので、ここでは重複するペダル部材52およびストッパ部材53の説明を省略する。なお、払出機構504を構成するペダル部材52およびストッパ部材53は、基板51の開口部513を通して商品収納通路43に交互に出没するものである。
払出機構504のペダル部材52およびストッパ部材53は回動軸57を介して可動式軸受部材60の軸受部62に組み付けられる。回動軸57の軸受部62への組み付けは、ペダル部材52の軸受部522およびストッパ部材53の基端部を軸受部62の所定位置に配設する。この場合、所定位置とは、ペダル部材52に設けた4個の軸受部522とストッパ部材53に設けた軸支部631を噛み合わせる、つまり、ペダル部材52の両端の軸受部522の外側にストッパ部材53の左右の軸支部531,531が位置し、ペダル部材52の中央側の2個の軸受部522の間にストッパ部材53の中央の軸支部531が位置する態様で配設した上で、ペダル部材52に設けた4個の軸受部522の軸挿通穴5221と、ストッパ部材53に設けた3個の軸支部531の軸挿通穴5311とが、軸受部62の左右側壁622,623に形成した支軸穴627,627と一直線上に位置することを指している。なお、この場合、回動軸57が払出機構503のペダル部材52の軸受部522およびストッパ部材53と共通であるので、その払出機構503のペダル部材52の軸受部522およびストッパ部材53の基端部を軸受部61の所定位置に配設しているものである。このように、払出機構504のペダル部材52の軸受部522およびストッパ部材53の軸支部631を軸受部62の所定位置に配設した上で、軸受部62の右側壁623に並設したストッパ壁624(図7参照)に設けた丸穴6242から回動軸57を差し込み、回動軸57を軸受部62の左右側壁622,623に形成した支軸穴527,527に挿通させて架設すると、払出機構503,504のペダル部材52とストッパ部材53が回動軸57に軸支されることとなる。
商品搬出装置5Bにおける払出機構504を構成するリンク機構54を図15に示し、リンク機構54は鋼板製のリンク部材541dを備えている。なお、リンク部材541dにおいて、図10に示したリンク部材541と同一の機能を有するものには同一の符号を付している。
図15に示すように、払出機構504を構成するリンク部材541dは、前後に分離された前方リンク部5411と後方リンク部5412からなる。リンク部材541dの後方リンク部5412の後部には、切欠き5412aにより二股状に形成された脚片の左右両端から下方に延在する支持脚5410が形成され、その支持脚5410に後部リンクピン55(図5D参照)が貫通する貫通穴からなる支持部542、およびその支持部542の前方側に位置して前部リンクピン56(図5D参照)が貫通する貫通穴からなる支持部543が形成されている。前記支持部542は、後部リンクピン55を支持してリンク部材541dの前後方向への往復動作に連動して当該後部リンクピン55を前後方向に移動させるものである。前記支持部543は、前部リンクピン56を支持してリンク部材541dの前後方向への往復動作に連動して当該前部リンクピン56を前後方向に移動させるものである。また、後方リンク部5412の右縁の前方寄りには係止片545が設けられている。この係止片545はリンク部材541dを後退位置に向けて付勢する捻りコイルばねからなる復帰ばね540の他端を係止するものである。復帰ばね540の一端は、可動式軸受部材60の軸受部62に設けた係止片629(図7参照)に係止されるものである。さらに、後方リンク部5412の前端には下方に折り曲げられた係合片549が設けられている。
リンク部材541dの前方リンク部5411の平板状の基部の前端には、左斜め前方に延在したアーム550の先端側に上方に折り曲げられた係合片544が設けられている。この係合片544は、後述する商品搬出装置5Bにおけるモータ駆動ユニット70Bのリンクレバー717の先端717bを前方から覆う態様で配設されるものである。また、前方リンク部5411の平板状の基部の後端には、上方に折り曲げられた係合片551が設けられ、平板状の基部の左右両端には前後方向に延在する長穴552a,552aが形成された翼片552,552が設けられている。係合片551は、後方リンク部5412の係合片549と前後方向に重なる態様で当該係合片549の後方側に位置するものである。翼片552,552の長穴552a,552aには、基板51に架設されて可動式軸受部材60の前方側を支持する2本の支持ピンP3,P4(図5A,図5C,図5D参照)が挿通されるものであり、長穴552a,552aの長さは当該支持ピンP3,P4によって前方リンク部5411(リンク部材541d)の前後方向への移動が阻害されることがないように定められている。なお、後方リンク部5412の係合片549と翼片552,552との間には、後方リンク部5412の係合片549の板厚よりも大きな隙間を備えており、当該隙間に係合片549が進入することができる。つまり、係合片549の左右方向への移動が翼片552,552により阻害されることがないように構成されている。
さらに、前方リンク部5411における左右の翼片552,552の幅は、基板51に切り起こしにより形成した複数の左右一対の保持片51eのうちの右端側の左右一対の保持片51eの間の寸法よりも僅かに小さい幅に定められ、この左右一対の保持片51eをガイドとして前方リンク部5411(リンク部材541d)が前後移動するように構成されている。
前記リンク部材541dの後方リンク部5412は、後部リンクピン55および前部リンクピン56とともに可動式軸受部材60の軸受部62に組み付けられる。すなわち、後方リンク部5412の軸受部62への組み付けは、前述したように、ペダル部材52およびストッパ部材53を、回動軸57を介して軸受部62に組み付けた後、後方リンク部5412を軸受部62の所定位置に配設した状態で後部リンクピン55および前部リンクピン56を組み付ける。この場合、所定位置とは、後方リンク部5412における左右の支持脚5410,5410を軸受部62に予め組み付けられているペダル部材52の両端の軸受部522の内側に挿入する態様で組み込んだ上で、ペダル部材52の軸受部522に設けた異形孔523と、後方リンク部5412の支持脚5410,5410に設けた支持部(貫通穴)542とが、軸受部62の左右側壁622,623に形成した長穴625,625と一直線上に位置し、また、軸受部62に予め組み付けられているストッパ部材53の左右一対のストッパ壁533,533に形成した凹状の摺動溝533a,533aと、後方リンク部5412の左右の支持脚5410,5410に設けた支持部(貫通穴)543とが、軸受部62の左右側壁622,623に形成した長穴626,626と一直線上に位置することを指している。
このように後方リンク部5412を軸受部62の所定位置に配設した状態で、後部リンクピン55を、軸受部62の右側壁623に並設したストッパ壁624(図7参照)に設けた半円状の切欠き6243から差し込んで軸受部62の左右側壁622,623に形成した長穴625,625に跨るように装着する一方、前部リンクピン56を、軸受部62の右側壁623に並設したストッパ壁624(図7参照)に設けた丸穴6244から差し込んで軸受部62の左右側壁622,623に形成した長穴626,626に跨るように装着する。これにより、後部リンクピン55が後方リンク部5412の支持部(貫通穴)542に支持されるとともにペダル部材52に設けた異形孔523に挿通された状態で軸受部62の左右側壁622,623に形成した長穴625,625に跨って保持され、前部リンクピン56が後方リンク部5412の支持部(貫通穴)543に支持されるとともにストッパ部材53の左右一対のストッパ壁533に設けた凹状の摺動溝533aに挿通された状態で軸受部62の左右側壁622,623に形成した長穴626,626に跨って保持される。
このように、後方リンク部5412を軸受部61に組み付けた状態で復帰ばね540を、後方リンク部5412の係止片545と軸受部62に設けた係止片629(図7参照)と係止する態様で組み付ける。これによりリ後方リンク部5412は待機状態で復帰ばね540の付勢力により後部リンクピン55および前部リンクピン56が軸受部62の左右側壁622,623に形成した長穴625,625および長穴626,626の後端位置に位置するように後退しているものである。なお、商品収納通路43から退避位置に退避したストッパ部材53が復帰ばね540と干渉するのを避けるためにストッパ部材53の保持部532には切欠き532a(図9参照)が設けられている。この場合、ストッパ部材53の保持部532には2個の切欠き532aが設けられているが、復帰ばね540との干渉を避けるための切欠き532aは、図9においては左側のものである。
前記商品搬出装置5A,5Bに搭載されたモータ駆動ユニット70A,70B(図5A参照)は、同一構成になるので、モータ駆動ユニット70Aを中心に説明する。モータ駆動ユニット70Aは、商品選択ボタンの操作に基づく販売指令によりユニットケース71に内蔵したモータ711(図16参照)が正転若しくは逆転駆動され、このモータ711の正転によりリンクレバー717(図5D,図16参照)を介して払出機構503のリンク部材541cを前進させ、モータ711の逆転によりリンクレバー718(図5D,図16参照)を介して払出機構501のリンク部材541aを前進させるものである。
モータ駆動ユニット70Aのユニットケース71は、ベース部材とカバー部材とからなり、その内部に、図16に示すような、モータ711、歯車伝達機構714、出力歯車715、キャリアスイッチ716、リンクレバー717,718などを内蔵している。このモータ駆動ユニット70Aは、ユニットケース71におけるベース部材の頭部に設けた爪片71a,71a(図5D参照)を基板51の前フランジ1cの近傍に切り起こしにより形成した係止片51dに設けた穴51d1,51d1(図6A参照)に係止する一方、ユニットケース71におけるベース部材の背面に突出形成した複数の係止突起(不図示)を基板51の収納凹部511の底面に穿設した穴51d2(図6A参照)などに嵌合させることにより基板51に組付けられる。
モータ駆動ユニット70Aのユニットケース71に内蔵したモータ711は、販売指令に応じて正転若しくは逆転する正逆回転可能な直流モータであり、ユニットケース71のベース部材に保持されている。
歯車伝達機構714は、ウオーム712aとウオームホイール712bからなるウオーム歯車712および中間歯車713を備えて構成されている。ウオーム歯車712のウオーム712aは、モータ711の出力軸に取り付けられている。ウオームホイール712bは、ウオーム712aに噛み合う第1ホイールと、中間歯車713に噛み合う第2ホイールとが上下方向に段違いに設けられている。中間歯車713は、前記ウオームホイール712bの第2ホイールと噛み合う第1中間歯車と、出力歯車715に噛み合う第2中間歯車とが上下方向に段違いに設けられている。ウオーム歯車712および中間歯車713は、ユニットケース71のベース部材とカバー部材の軸受部により回転可能に配設される。
前記出力歯車715は、中間歯車713の第2中間歯車と噛み合うホイールとして形成され、その一方の板面(上面)にカム突起7151が形成され、他方の板面(上部)にキャリアスイッチ716を制御する押圧片(図16では見えない)が形成されている。カム突起7151は、出力歯車715の板面から離隔する方向に突出する態様で円弧状に形成されている。このカム突起7151は、その円弧状の長さがリンク機構54のリンク部材541a,541cを前進させた後に所定時間の間その状態を保持するのに十分な長さとなるように形成されている。キャリアスイッチ716を制御する押圧片は、カム突起7151の反対側の板面に位置して板面から離隔する方向に突出する態様で略V字状に形成されており、図16の(a)の状態でキャリアスイッチ716の接触子を押圧するように形成されている。この出力歯車715は、ユニットケース71のベース部材とカバー部材の軸受部により回転可能に配設される。
キャリアスイッチ716は、いわゆる押しボタンスイッチであり、接触子(不図示)を備えている。このキャリアスイッチ716は、出力歯車715よりも僅かに前方域にユニットケース71のベース部材に保持された状態で配設されている。このキャリアスイッチ716は、接触子が出力歯車715の押圧片に押圧されるとオン状態となる一方、出力歯車715の押圧片が離れて接触子が押圧されない場合にはオフ状態となるものであり、販売指令により駆動されたモータ711を、出力歯車715が一回転するように制御するためのものである。
リンクレバー717,718は樹脂成型品になる。リンクレバー717は、商品搬出装置5Bにおける払出機構503のリンク機構54を駆動するためのものである。リンクレバー717は、基部717aを貫通するユニットケース71のカバー部材に設けたレバー軸710に回転可能に軸支されている。リンクレバー717の先端部717bは、ユニットケース71のベース部材とカバー部材を切り欠いて形成した開口(不図示)から外部に突出する態様で前方に湾曲したフック状を成している。リンクレバー717の基部717aに設けられた係止片717cは、基部717aの後方側より後方に向けて延在する弾性変形可能な板状の弾性部材である。係止片717cは、その自由端がカバー部材に設けた突出片(不図示)に当接することにより常態におけるリンクレバー717の待機姿勢を、図16の(a)に示す位置に決めている。リンクレバー718はリンクレバー717と同一の部品からなり、リンクレバー717を反転させたものであり、商品搬出装置5Aにおける払出機構501のリンク機構54を駆動するためのものであり、基部718aを貫通するユニットケース71のカバー部材に設けたレバー軸710に回転可能に軸支され、フック状の先端部718bおよび弾性変形可能な板状の弾性部材からなる係止片718cを備えている。このモータ駆動ユニット70Aにより払出機構501のリンク機構54を駆動して商品の払い出しを行う動作については後述する。
モータ駆動ユニット70Bもモータ駆動ユニット70Aと同一構成になり、ここでは重複する説明は省略するが、モータ駆動ユニット70Bのリンクレバー717が、商品搬出装置5Bにおける払出機構504のリンク機構54を駆動し、リンクレバー718が、商品搬出装置5Aにおける払出機構502のリンク機構54を駆動する。
複数の調節部材81,82は、必要に応じて商品収納棚10にセットされて商品収納通路43を画成する仕切部材42と可動式払出部(商品搬出装置5B)の払出機構503,504を支持する可動式軸受部材60とを連繋し、商品収納棚10にセットされた仕切部材42に押圧されて後方に移動することにより可動式軸受部材60を幅方向に移動させるものである。
調節部材81は、図17に示すように、前後方向に延在する横断面コ字状の本体部810の前端に本体部810の延在方向に鉛直な平坦面からなるとともに商品収納棚10にセットされる仕切部材42の上部に形成した押圧突起422が当接する当接部812が形成される一方、後端に可動式軸受部材60の軸受部61に設けたL字状の摺動片610aと前後方向に重なる態様で当該摺動片610aに対峙する押圧片813が形成されている。本体部810の後方寄りには前後方向に延在する長穴811が穿設され、この長穴811には可動式軸受部材60の前方側を支持する2本の支持ピンP3,P4(図5A,図5C,図5D参照)が挿通されるものである。この長穴811は、要するに支持ピンP3,P4との干渉を避けるとともに支持ピンP3,P4により調節部材81の前後方向への移動が阻害されることがないようにするためのものである。また、押圧片813の自由端は、前方側に鈍角に屈曲した屈曲面として形成され、この屈曲面が軸受部61に設けたL字状の摺動片610aの湾曲面と摺接するように構成されている。
調節部材81は、当接部811が基板51の前フランジ51cに一体成形されたハーネス保持部510の前方側脚片に設けた切欠き510c(図6A参照)の背後に位置するように基板51の前フランジ51cを跨ぐ態様で配設され、押圧片813が前記摺動片610aの前方に位置するように商品搬出装置5Bの払出機構503におけるリンク部材541cの係合片544を跨ぐ態様で配設されため、本体部810には、基板51の前フランジ51cとの干渉および商品搬出装置5Bの払出機構503におけるリンク部材541cの係合片544との干渉を避けるために切欠き810a,810bが形成されている。そして、調節部材81は、本体部810が基板51の前方中央寄りに切り起こしにより形成した左右一対のガイド片51fによりガイドされて前後方向への移動が許容される一方、左右方向への移動が規制されている。
調節部材82は、前後方向に延在する横断面コ字状の本体部820の前端に本体部820の延在方向に鉛直な平坦面からなるとともに商品収納棚10にセットされる仕切部材42の上部に形成した押圧突起422が当接する当接部822が形成される一方、後端に可動式軸受部材60の軸受部61に設けたL字状の摺動片610bと前後方向に重なる態様で当該摺動片610bに対峙する押圧片823が形成されている。本体部820の後方寄りには前後方向に延在する長穴821が穿設され、この長穴821には可動式軸受部材60の前方側を支持する2本の支持ピンP3,P4(図5A,図5C,図5D参照)が挿通されるものである。この長穴821は、要するに支持ピンP3,P4との干渉を避けるとともに支持ピンP3,P4により調節部材82の前後方向への移動が阻害されることがないようにするためのものである。また、押圧片823の自由端は、前方側に鈍角に屈曲した屈曲面として形成され、この屈曲面が軸受部61に設けたL字状の摺動片610bの湾曲面と摺接するように構成されている。
調節部材82は、当接部811が基板51の前フランジ51cに一体成形されたハーネス保持部510の前方側脚片に設けた切欠き510b(図6A参照)の背後に位置するように基板51の前フランジ51cを跨ぐ態様で配設され、押圧片813が前記摺動片610aの前方に位置するように配設されため、本体部820には、基板51の前フランジ51cとの干渉を避けるために切欠き820aが形成されている。そして、調節部材82は、本体部820が基板51の前方右端寄りに切り起こしにより形成された左右一対のガイド片51fによりガイドされて前後方向への移動が許容される一方、左右方向への移動が規制されている。
前記調節部材81,82が商品収納棚10にセットされた仕切部材42に押圧されて後方に移動することにより可動式軸受部材60を幅方向に移動させる状態を図19の(a)(b)に示している。なお、図19の(a)(b)においては、基板51と調節部材81,82と可動式軸受部材60を抜き出して示したものである。
図19の(a)は、調節部材81が商品収納棚10にセットされた仕切部材42に押圧されて後方に移動した状態を示す。この場合、調節部材81が仕切部材42に押圧されて後方に移動すると、その後端に設けた押圧片813が可動式軸受部材60の軸受部61に設けたL字状の摺動片610aに摺動して可動式軸受部材60を、基板51の後端側の開口部513を挟んで左右両側に形成した開口フランジ516,516(図6A参照)のうちの右側の開口フランジ516側に移動させている。可動式軸受部材60が開口フランジ516,516(図6A参照)のうちの右側の開口フランジ516側に移動した位置を初期位置ともいう。
図19の(a)に示したように、可動式軸受部材60が初期位置に移動した状態で、調節部材82の後端に押圧片823が可動式軸受部材60の軸受部61に設けたL字状の摺動片610bと前後方向に重なる位置にある。この状態で、調節部材82が仕切部材42に押圧されて後方に移動すると、図19の(b)に示すように、その後端に設けた押圧片823が可動式軸受部材60の軸受部61に設けたL字状の摺動片610bに摺動して可動式軸受部材60を初期位置から左側に所定距離Lだけ移動させる。ここで、後方に移動している調節部材81は、可動式軸受部材60が初期位置から左側に所定距離Lだけ移動する途中において、軸受部61に設けたL字状の摺動片610aが調節部材81の後端に設けた押圧片813に当接して前方に押し出される。これにより調整部材81は前方に移動して待機位置に復帰する。後方に移動した調整部材82も調整部材81と同様に可動式軸受部材60の初期位置への移動により前方に移動して待機位置に復帰する。したがって、調整部材81,82には復帰用のばねなどを設ける必要がないので、部品点数を削減できるものである。
商品搬出装置5Aの払出機構501の売切検出機構91は、図20に示すように、検出レバー901と売切検出スイッチ902とからなる。検出レバー901は、平板状の基端部9011の左右両端から下方に折り曲げられた左右一対の係止片9012と、基端部9011の後端から後方に突出して形成された左右一対のカール状の当接部9013と、基端部9011から前方に延在して先端にフック状の作動片9014を備えた薄板鋼板製になる。左右一対の係止片9012には互いに対向する方向に押出し形成されたボス9012aを備えている。売切検出スイッチ902は、基板51に係止固定されるマイクロスイッチからなる。
前記検出レバー901は、基板51の後端側に設けた軸受部514,514に装着される。この場合、検出レバー901の左右一対の係止片9012が軸受部514,514を跨ぐ態様で基端部9011を軸受部514,514に被せるように配設される。その際、左右一対の係止片9012,9012に設けたボス9012a,9012aが軸受部514,514に設けた前後方向に延在する長穴5144,5144(図6B参照)に嵌め込まれるとともに左右一対のカール状の当接部9013,9013が前記軸受部514,514に組み付けられたペダル部材52の4個の軸受部522のうちの左右両端の軸受部522(図8、図21A参照)の前方位置であってその回動軌跡上に位置するように構成されている。前記ボス9012a,9012aの径は、長穴5144,5144の溝幅よりも小さく形成されており、ボス9012a,9012aが長穴5144,5144に遊嵌されるように構成されている。これにより、検出レバー901はボス9012aが遊嵌された長穴5144に沿って前後方向にスライド移動可能である。そして、この検出レバー901の前後方向へのスライド移動によって検出レバー901の作動片9014が基板51に係止固定された売切検出スイッチ902の接触子902aを操作するように構成されている。
前記検出レバー901の左右一対のカール状の当接部9013,9013は、軸受部514,514に組み付けられたペダル部材52の左右両端の軸受部522(図8、図21A参照)の前方位置であって回動軌跡上に位置し、ペダル部材52の回動することによって軸受部522が当接するように構成されている。この場合、図示は省略したが、検出レバー901を後方に向けて付勢する付勢ばねにより検出レバー901の左右一対のカール状の当接部9013,9013がペダル部材52の左右両端の軸受部522に常時当接している。したがって、前記検出レバー901は、ペダル部材52の商品収納通路43への突出および商品収納通路43からの退避移動に応じて前後方向へのスライド移動するものである。
売切検出スイッチ902は、検出レバー901を介してペダル部材52が商品収納通路43に最大開度に突出した状態を検知するように構成されている。すなわち、ペダル部材52は不図示の捻りコイルばね520の弾性付勢力によって突出位置に向けて常に付勢されており、商品を保持していない状態で商品収納通路43に突出した際に最大開度となり、最大開度に突出したペダル部材52に商品が当接すると商品収納通路43から退避する方向に僅かに回動した後、ペダル部材52の軸受部522における異形孔523のロック溝部523aが、後退位置に後退した後部リンクピン55と当接してペダル部材52を商品収納通路43に突出した状態にロックし、ロック状態におけるペダル部材52の開度が最大開度よりも小さくなるように構成されている。このように、ペダル部材52が商品収納通路43に最大開度に突出した状態でペダル部材52の軸受部522が軸受部514,514の後端側に位置しており、これに伴って検出レバー901が最も後方にスライド移動し、最大開度に突出したペダル部材52に販売商品が当接して当該ペダル部材52が商品収納通路43から退避する方向に僅かに回動した後ロックされると検出レバー901が所定寸法だけ前方にスライド移動する。売切検出スイッチ902は、検出レバー901が最も後方にスライド移動した場合に検出レバー901の作動片9014により売切検出スイッチ902の接触子902aが押圧されてオン状態となり、検出レバー901が最も後方に移動した状態から所定寸法だけ前方に移動すると検出レバー901の作動片9014による売切検出スイッチ902の接触子902aへの押圧が解除されてオフ状態となる。このように、売切検出スイッチ902は、検出レバー901を介してペダル部材52が商品収納通路43に最大開度に突出した状態を検知するように構成されている。なお、売切検出スイッチ902からの信号を処理する制御部では、売切検出スイッチ902からのオン信号が所定時間継続した場合に「売切れ」として判断する処理が行われる。
商品搬出装置5Aの払出機構502に対応する売切検出機構92も検出レバー901と売切検出スイッチ902からなる。この場合、検出レバー901が基板51の後端側に設けた軸受部515,515に、その左右一対の係止片9012に設けたボス9012aが軸受部515,515に設けた前後方向に延在する長穴5154,5154に嵌め込まれて前後方向にスライド移動自在な態様で装着される。なお、検出レバー901の後端に設けた左右一対のカール状の当接部9013と前記軸受部515,515に組み付けられたペダル部材52の4個の軸受部522のうちの左右両端の軸受部522(図8、図21A参照)との関係および検出レバー901の作動片9014による売切検出スイッチ902の操作は、前述した売切検出機構91の検出レバー901のカール状の当接部9013と軸受部514,514に組み付けられたペダル部材52の4個の軸受部522のうちの左右両端の軸受部522との関係および検出レバー901の作動片9014による売切検出スイッチ902の操作と同一であるので、ここでは重複する説明を割愛する。
商品搬出装置5Bの払出機構503,504にそれぞれ対応する売切検出機構93,94も検出レバー901,901と売切検出スイッチ902,902とからなる。この場合、売切検出機構93,94が前述した売切検出機構91と相違する点は、払出機構503,504にそれぞれ対応する検出レバー901,901が可動軸受部材60に装着されて可動軸受部材60の左右方向への移動に伴って左右方向に移動する点を除いて同一であるので、同一のものには同一の符号を付している。
売切検出機構93の検出レバー901は、基板51に左右方向へ移動自在に設けた可動軸受部材60の軸受部61に装着される。この場合、売切検出機構93の検出レバー901の左右一対の係止片9012,112が箱形の軸受部61の天井壁611を跨ぐ態様で基端部9011を箱形の軸受部61の天井壁611に被せるように配設される。その際、左右一対の係止片9012,9012に設けたボス9012a,9012aが軸受部61の左右側壁612,613に設けた前後方向に延在する長穴618,618(図7参照)に嵌め込まれるとともに左右一対のカール状の当接部9013が前記軸受部61の天井壁611の後端側に設けた左右一対の開口611a,611a(図7参照)に没入する。前記ボス9012aの径は、長穴618の溝幅よりも小さく形成されており、ボス9012aが長穴618に遊嵌されるように構成されている。これにより、検出レバー901はボス9012aが遊嵌された長穴618に沿って前後方向にスライド移動可能である。そして、この検出レバー901の前後方向へのスライド移動によって検出レバー901の作動片9014が基板51に係止固定された売切検出スイッチ902の接触子を操作するように構成されている。
前記売切検出機構93の検出レバー901の左右一対のカール状の当接部9013が没入するところの前記軸受部61の天井壁611の後端側に設けた左右一対の開口611a,611aには、軸受部61に組み付けられたペダル部材52の軸受部522(図12参照)が進入するように構成されているのは前述したとおりであり、前記左右一対のカール状の当接部9013は軸受部61の開口611a,611aに没入することによりペダル部材52の軸受部522に当接可能である。この場合、図示は省略したが、検出レバー901を後方に向けて付勢する付勢ばねにより検出レバー901の左右一対のカール状の当接部9013がペダル部材52の軸受部522に常時当接している。したがって、前記検出レバー901は、ペダル部材52の商品収納通路43への突出および商品収納通路43からの退避に応じて前後方向へのスライド移動するものである。なお、検出レバー901の後端に設けた左右一対のカール状の当接部9013と前記軸受部61に組み付けられたペダル部材52の軸受部522(図12参照)との関係は、前述した売切検出機構91の検出レバー901のカール状の当接部9013と軸受部514,514に組み付けられたペダル部材52の4個の軸受部522のうちの左右両端の軸受部522との関係と同一である。そして、検出レバー901の作動片9014による売切検出スイッチ902の操作については、売切検出機構93の検出レバー901が可動軸受部材60に装着されて可動軸受部材60の左右方向への移動に伴って左右方向に移動する点を除いて前述した売切検出機構91の検出レバー901の作動片9014による売切検出スイッチ902の操作と同一であるので、ここでは重複する説明を省略する。
商品搬出装置5Bの払出機構504に対応する売切検出機構94も検出レバー901と売切検出スイッチ902からなる。この場合、売切検出機構94の検出レバー901が基板51に左右方向へ移動自在に設けた可動軸受部材60の軸受部62に、その左右一対の係止片9012,9012に設けたボス9012a,9012aが左右側壁622,623に設けた前後方向に延在する長穴628,628に嵌め込まれて前後方向にスライド移動自在な態様で装着される。この場合、検出レバー901の後端に設けた左右一対のカール状の当接部9013が前記軸受部62の天井壁621の後端側に設けた左右両端の開口621a,621a(図7参照)に没入する。前記検出レバー901の左右一対のカール状の当接部9013が没入するところの前記軸受部62の天井壁621の後端側に設けた左右両端の開口621a,621aには、軸受部62に組み付けられたペダル部材52の左右両端の軸受部522(図8参照)が進入するように構成されており、この検出レバー901の左右一対のカール状の当接部9013と軸受部62に組み付けられたペダル部材52の軸受部522との関係および検出レバー901の作動片9014による売切検出スイッチ902の操作は、売切検出機構94の検出レバー901が可動軸受部材60に装着されて可動軸受部材60の左右方向への移動に伴って左右方向に移動する点を除いて前述した売切検出機構91の検出レバー901のカール状の当接部9013と軸受部514,514に組み付けられたペダル部材52の4個の軸受部522のうちの左右両端の軸受部522との関係および検出レバー901の作動片9014による売切検出スイッチ902の操作と同一であるので、ここでは重複する説明を省略する。
ここで、モータ駆動ユニット70Aにより、商品搬出装置5Aにおける払出機構501のリンク機構54を駆動して商品の払い出しを行う動作について説明する。
図21Aに示すように、払出機構501のペダル部材52は、商品がローディングされる前の状態では商品収納通路43に最大開度に突出し、ストッパ部材53が商品収納通路43から退避している。この場合、モータ駆動ユニット70Aの出力歯車715のカム突起7151が最も前方に位置している(図16の(a)参照)。また、出力歯車715の背面に設けたキャリアスイッチ716用の押圧片が最も前方に位置してキャリアスイッチ716がオン状態にある。これにより、モータ711が停止しており、リンクレバー718の先端部718bがリンク部材541aの前端に設けられた係合片544から後方に離隔した位置にある(図5Dも参照)。このため、リンク部材541aは復帰ばね540の付勢力により後退した状態にある。また、ペダル部材52は、捻りコイルばね(不図示)の付勢力によって商品収納通路43に最大開度に開いた突出位置にある。ペダル部材52は、ペダル部材52の軸受部522に設けた異形孔523に挿通された後部リンクピン55との協働により動作範囲が規制され、ペダル部材52が最大開度以上開くことはない。このように、ペダル部材52が最大開度に開いた状態ではペダル部材52の軸受部522が軸受部514,514の後端側に位置しており、これに伴って売切検出機構91の検出レバー901が最も後方にスライド移動して売切検出スイッチ902がオン状態となっている。一方、ストッパ部材53は、ストッパ壁533に形成した凹状の摺動溝533aに、後退位置に移動した前部リンクピン56を受容して商品収納通路43から退避した退避位置に維持されている。
斯様な待機状態において、最初にローディングされた商品Gは、最大開度に開いて突出位置にあるペダル部材52の保持部521に当接する。商品Gが当接することによりペダル部材52は退避位置に向けて回動する。この回動によりペダル部材52の軸受部522における異形孔523のロック溝部523aが、後退位置に移動した後部リンクピン55と当接してペダル部材52は商品収納通路43に突出した突出位置にロックされ、ペダル部材52に保持された商品Gが販売順位一番の商品(販売商品G1)となる(図21B参照)。このように、ペダル部材52が最大開度から当該最大開度よりも小さな開度で商品収納通路43に突出した状態にロックされるように回動すると、売切検出機構91の検出レバー901がペダル部材52の軸受部522に押圧されることにより前進して売切検出スイッチ902がオフ状態となる。次にローディングされる商品は、ペダル部材52により保持された販売商品G1の上に積み重ねられて次販売商品G2となり、引き続いてローディングされる商品は、次販売商品G2の上に順次積み重ねられる。
このようにして商品収納ラック4に収容した商品Gは冷却/加熱ユニット7により冷却若しくは加熱されて販売に適したコールド若しくはホット状態に保存されて販売可能な状態(販売待機状態)となる。斯様な販売待機状態において、商品選択スイッチの操作に基づいて販売指令がモータ駆動ユニット70Aに与えられると、モータ駆動ユニット70Aに内蔵されたモータ711が逆転駆動され、歯車伝達機構714を介して出力歯車715が、図16の(a)において、時計回りの方向に回転する。出力歯車715が回転すると、出力歯車715の背面に設けた押圧片がキャリアスイッチ716の接触子から離脱してキャリアスイッチ716がオフ状態となり、次にキャリアスイッチ716がオン状態となるまで(すなわち、出力歯車715が一回転するまでの期間)モータ711を逆転駆動させる。出力歯車715の回転によりカム突起7151がリンクレバー718の基端部718aに前方より当接すると、リンクレバー718は、図16の(a)において反時計回りの方向に回転する。このリンクレバー718の反時計回りの方向への回転により、その先端部718bがリンク部材541aの係合片544に当接してリンク部材541aを復帰ばね540の付勢力に抗して前進させる。そして、カム突起7151がリンクレバー718の基端部718aに摺接している間(図16の(b)参照)は、リンク部材541aが前進した状態に保持される。
このリンク部材541aの前進に伴ってリンク部材541aに支持された後部リンクピン55も前進してペダル部材52の異形孔523のロック溝部523aから離脱するので、当該後部リンクピン55により突出位置にロックされたペダル部材52のロックが解除される。これにより、ペダル部材52が商品の荷重によって捻りコイルばね(不図示)の付勢力に抗して退避位置に向けて移動する(図21C参照)。ペダル部材52の退避位置への移動により販売商品G1は、ペダル部材52をすり抜けて後方に搬出される。販売商品G1がペダル部材52をすり抜けると、ペダル部材52は不図示の捻りコイルばねの付勢力によって突出位置に復帰する。
一方、販売待機状態でリンク部材541aに保持された前部リンクピン56を凹状の摺動溝533aに受け入れて退避位置に維持されたストッパ部材53は、リンク部材541aとともに前進する前部リンクピン56が摺動溝533aの壁面と当接することにより突出位置へ向けて押し出される(図21C参照)。そして、前部リンクピン56がストッパ部材53におけるストッパ壁533のストッパ面533bに対峙する位置まで前進することによりストッパ面533bと当接してストッパ部材53の退避位置への移動を規制する。そして、突出位置に移動したストッパ部材53は、販売商品G1が搬出されることにより後方に移動する次販売商品G2に当接して保持し、次販売商品G2が後方に向けて移動するのを規制する。
前記ペダル部材52を退避位置に退避させて販売商品G1を払い出す一方、ストッパ部材53を退避位置から突出位置に移動させて次販売商品G2を保持する動作は、出力歯車715のカム突起7151がリンクレバー718の基端部718aに摺接している所定時間の間に実行される。
そして、出力歯車715の回転によりカム突起7151とリンクレバー718の基端部718aとの当接が解除されると、復帰ばね540の付勢力によりリンク部材541aは後退する。このリンク部材541aの後退によってリンク部材541aに支持された前部リンクピン56がストッパ部材53のストッパ面533bから摺動溝533aに入り込んでストッパ部材53を退避位置に向けて移動させる。このストッパ部材53の退避位置への移動によりストッパ部材53に保持された次販売商品G2が後方に移動して最大開度に開いたペダル部材52に当接する。この後、ペダル部材52の軸受部522における異形孔523のロック溝部523aが、後退位置に移動した後部リンクピン55と当接してペダル部材52は商品収納通路43に突出した突出位置にロックされて次販売商品G2を販売商品として保持する。そして、出力歯車715の回転によりカム突起7151が待機状態の位置に戻ると、キャリアスイッチ716の接触子が押圧片により押圧されてキャリアスイッチ716がオン状態となる。これによりモータ711の駆動が停止されて販売待機状態に復帰する。
なお、出力歯車715の時計回りの方向への回転によりカム突起7151とリンクレバー718の基端部718aとの当接が解除された後、出力歯車715のカム突起7151が待機状態の位置に戻る途中において他方のリンクレバー717の基端部717aに当接するが、弾性部材からなる係止片717cが弾性変形してリンクレバー717の回動を許容することによりカム突起7151は移動を阻止されることなく復帰位置に復帰する。リンクレバー717はカム突起7151が通過することにより係止片717cの作用により図16の(a)の待機姿勢に復帰する。
商品搬出装置5Aにおける払出機構502のリンク機構54を駆動して商品の払い出しを行う動作は、モータ駆動ユニット70Bに内蔵されたモータ711(図16の(a)参照)を逆転駆動することにより行われる。この場合、前記モータ駆動ユニット70Aの動作と同様に、モータ711の逆転駆動により出力歯車715が時計回りの方向に回転し、出力歯車715の背面に設けたカム突起7151とリンクレバー718との協働により払出機構502のリンク機構54(リンク部材541b)を操作する。これにより、払出機構502のペダル部材52およびストッパ部材53を商品収納通路43に交互に出没させて販売商品G1の搬出を行うとともに次販売商品G2を販売商品としてペダル部材52に保持した上で待機状態に復帰する。
商品搬出装置5Bにおける払出機構503のリンク機構54を駆動して商品の払い出しを行う動作は、モータ駆動ユニット70Aに内蔵されたモータ711(図16の(a)参照)を正転駆動することにより行われる。この場合、歯車伝達機構714を介して出力歯車715が、図16の(a)において、反時計回りの方向に回転する。この出力歯車715の反時計回りの方向への回転によりカム突起7151がリンクレバー717の基端部717aに当接すると、リンクレバー717は、図16の(a)において時計回りの方向に回転する。このリンクレバー717の反時計回りの方向への回転により、その先端部718bが払出機構503のリンク機構54(リンク部材541c)の前端に設けた係合片544に当接してリンク部材541cを復帰ばね540の付勢力に抗して前進させる。この後、可動軸受部材60の軸受部61に支持されたペダル部材52、ストッパ部材53が交互に商品収納通路43に出没して商品の搬出を行う動作は前述した払出機構501の動作と同一であるので、ここではその重複する説明を省略する。
商品搬出装置5Bにおける払出機構504のリンク機構54を駆動して商品の払い出しを行う動作は、モータ駆動ユニット70Bに内蔵されたモータ711(図16の(a)参照)を正転駆動することにより行われる。この場合、前記モータ駆動ユニット70Aの動作と同様に、モータ711の正転駆動により出力歯車715が反時計回りの方向に回転し、出力歯車715の背面に設けたカム突起7151とリンクレバー717との協働により払出機構504のリンク機構54(リンク部材541d)を操作する。これにより、払出機構504のペダル部材52およびストッパ部材53を商品収納通路43に交互に出没させて販売商品G1の搬出を行うとともに次販売商品G2を販売商品としてペダル部材52に保持した上で待機状態に復帰する。
なお、商品搬出装置5Aにおける払出機構502のリンク機構54(リンク部材541b)と商品搬出装置5Bにおける払出機構503のリンク機構54(リンク部材541c)をクロスさせているのは、商品搬出装置5Aにおける払出機構501,502若しくは商品搬出装置5Bにおける払出機構503,504をそれぞれ同期して動作させるためであり、商品搬出装置5Aにおける払出機構501,502を同期して動作させる場合にはモータ駆動ユニット70A,70Bのモータ711を同時に逆転駆動することによりモータ駆動ユニット70Aにより払出機構501のリンク機構54が操作されると同時にモータ駆動ユニット70Bにより払出機構502のリンク機構54が操作され、商品搬出装置5Bにおける払出機構503,504を同期して動作させる場合にはモータ駆動ユニット70A,70Bのモータ711を同時に正転駆動することによりモータ駆動ユニット70Aにより払出機構503のリンク機構54が操作されると同時にモータ駆動ユニット70Bにより払出機構504のリンク機構54が操作されるものである。
商品搬出装置5を構成する可動式払出部(商品搬出装置5B)の払出機構503,504は、必要に応じて商品収納棚10にセットされて商品収納通路43を画成する仕切部材42により幅方向に移動するものであるが、この動作については仕切部材42による商品コラムの設定とともに以下の図22A〜図22Cおよび図23A〜図23Dを用いて説明する。
図22Aは、商品搬出装置5の模式図を示し、固定式払出部を構成する商品搬出装置5Aと可動式払出部を構成する商品搬出装置5Bを備えている。可動式払出部を構成する商品搬出装置5Bの払出機構503,504を支持する可動式軸受部材60、および必要に応じて商品収納棚10にセットされて商品収納通路43を画成する仕切部材42と可動式軸受部材60とを連繋する調節部材81,82については塗り潰して示している。図22Aは、可動式軸受部材60が初期状態に位置している場合を示している。なお、図22A〜図22Cおよび図23A〜図23Dでは、売切検出機構90については省略している。
図22Bは、調節部材82が必要に応じて商品収納棚10にセットされて商品収納通路43を画成する仕切部材42により押し込まれて後方に移動し、調整部材82によって可動式軸受部材60が初期状態から幅方向(左側)に寸法Lだけ移動した状態を示している。この場合、仕切部材42を商品収納棚10にセットする際、仕切部材42の上部に形成した押圧突起422が基板51の前フランジ51cに一体成形されたハーネス保持部510の前方側脚片に設けた切欠き510bに進入して調節部材82の当接部821に当接して調節部材82を押し込む。押し込まれた調節部材82は基板51の前方右端寄りに切り起こしにより形成されたガイド片51fによりガイドされて後方に移動し、その後端に設けた押圧片823が可動式軸受部材60の軸受部61に設けたL字状の摺動片610bに当接して可動式軸受部材60を初期位置から幅方向(左側)に所定寸法Lだけ移動させる。
ここで、払出機構503,504のリンク機構54を構成するリンク部材541c、541dは、それぞれ前後に分離された前方リンク部5411と後方リンク部5412とのうちの後方リンク部5412が可動式軸受部材60とともに幅方向に移動する一方、前方リンク部5411が基板51に固定的に保持されているが、それぞれの後方リンク部5412の前端に下方に折り曲げて形成した係合片546,係合片549と、前方リンク部5411の後端に上方に折り曲げられた係合片547,係合片551とが幅方向に重なるように広幅に形成されていることから両者は離隔することなく良好な連結状態が維持されるものである。
図22Cは、調節部材81が仕切部材42により押し込まれて後方に移動し、調整部材81によって可動式軸受部材60が初期位置に戻った状態若しくは初期位置にセットした状態を示している。この場合、仕切部材42を商品収納棚10にセットする際、仕切部材42の上部に形成した押圧突起422が基板51の前フランジ51cに一体成形されたハーネス保持部510の前方側脚片に設けた切欠き510cに進入して調節部材81の当接部811に当接して調節部材81を押し込む。押し込まれた調節部材81は基板51の前方中央に切り起こしにより形成されたガイド片51fによりガイドされて後方に移動し、その後端に設けた押圧片813が可動式軸受部材60の軸受部61に設けたL字状の摺動片610aに当接して可動式軸受部材60を幅方向(右側)に移動、つまり、可動式軸受部材60を初期位置に移動させる。この場合にも、払出機構503,504のリンク機構54を構成するリンク部材541c、541dにおける、それぞれ前後に分離された前方リンク部5411と後方リンク部5412とは良好な連結状態が維持されている。
さて、前記商品搬出装置5と商品コラムの設定に応じて商品収納棚10に装着される仕切部材42との関係を、以下に図23A〜図23Dを用いて説明する。図23A〜図23Dは、ショートサイズの商品S、ロングサイズの商品L、ミドルサイズの商品M(S<M<L)を単独、或いはその組合せにより販売する商品コラムを仕切部材42に設定する一例を模式図とともに示すものである。
図23Aは、ショートサイズの商品Sを収納する商品コラムC1〜C4を設定するために商品収納棚10に3個の仕切部材42を装着した場合、図23Bは、ショートサイズの商品Sを収納する商品コラムC1と、ミドルサイズの商品Mを収納する商品コラムC5,C6を設定するために商品収納棚10に2個の仕切部材42を装着した場合、図23Cは、ロングサイズの商品Lを収納する商品コラムC7と、ショートサイズの商品Sを収納する商品コラムC3,C4とを設定するために商品収納棚10に2個の仕切部材42を装着した場合、図23Dは、ロングサイズの商品Lを収納する商品コラムC7,C8を設定するために商品収納棚10に1個の仕切部材42を装着した場合を示している。
図23Aのように商品コラムC1〜C4が設定されている場合、商品コラムC1,C2を区画する仕切部材42により商品搬出装置5Aの払出機構501,502の間が仕切られ、コラムC2,C3を区画する仕切部材42により商品搬出装置5Aの払出機構502と商品搬出装置5Bの払出機構503との間が仕切られ、また、商品コラムC3,C4を区画する仕切部材42により商品搬出装置5Bの払出機構503,504の間が仕切られる。そして、コラムC2,C3を区画する仕切部材42により、図22Cに示したように調節部材81を介して可動式軸受部材60が初期位置に移動している。
この場合、商品コラムC1に収納された商品Sを販売する際には、商品搬出装置5Aのモータ駆動ユニット70Aに内蔵されたモータ711を逆転させて当該モータ駆動ユニット70Aのリンクレバー718により払出機構501のリンク部材541aを駆動することにより払出機構501のペダル部材52,ストッパ部材53を動作させて当該コラムC1に収納された商品S(販売商品G1)を搬出する。また、商品コラムC2に収納された商品Sを販売する際には、商品搬出装置5Bのモータ駆動ユニット70Bに内蔵されたモータ711を逆転させて当該モータ駆動ユニット70Bのリンクレバー718により払出機構502のリンク部材541bを駆動することにより払出機構502のペダル部材52,ストッパ部材53を動作させて当該コラムC2に収納された商品S(販売商品G1)を搬出する。また、商品コラムC3に収納された商品Sを販売する際には、商品搬出装置5Aのモータ駆動ユニット70Aに内蔵されたモータ711を正転させて当該モータ駆動ユニット70Aのリンクレバー717により払出機構503のリンク部材541cを駆動することにより払出機構503のペダル部材52,ストッパ部材53を動作させて当該コラムC3に収納された商品S(販売商品G1)を搬出する。そして、商品コラムC4に収納された商品Sを販売する際には、商品搬出装置5Bのモータ駆動ユニット70Bに内蔵されたモータ711を正転させて当該モータ駆動ユニット70Bのリンクレバー717により払出機構504のリンク部材541dを駆動することにより払出機構504ペダル部材52,ストッパ部材53を動作させて当該コラムC4に収納された商品S(販売商品G1)を搬出する。
図23Bのように、商品コラムC1,C5,C6が設定されている場合、商品コラムC1,C5を区画する仕切部材42により商品搬出装置5Aの払出機構501,502の間が仕切られ、また、商品コラムC5,C6を区画する仕切部材42により商品搬出装置5Bの払出機構503,504の間が仕切られるとともに当該仕切部材42により、図22Bに示したように調節部材82を介して可動式軸受部材60が初期位置から幅方向(左側)に所定寸法Lだけ移動している。
この場合、商品コラムC1に収納された商品Sを販売する際の動作は、図23AのコラムC1に収納された商品Sを搬出する動作と同一であるのでここではその重複する説明を省略する。一方、商品コラムC5に収納された商品Mを販売する際には、商品搬出装置5Aのモータ駆動ユニット70Aに内蔵されたモータ711を正転させて当該モータ駆動ユニット70Bのリンクレバー717により払出機構503のリンク部材541cを駆動することにより払出機構503のペダル部材52,ストッパ部材53を動作させると同時に商品搬出装置5Bのモータ駆動ユニット70Bに内蔵されたモータ711を逆転させて当該モータ駆動ユニット70Bのリンクレバー718により払出機構502のリンク部材541bを駆動することにより払出機構502のペダル部材52,ストッパ部材53を動作させる、つまり、払出機構503のペダル部材52,ストッパ部材53および払出機構502のペダル部材52,ストッパ部材53を同期して動作させて当該コラムC5に収納された商品M(販売商品G1)を搬出する。そして、商品コラムC6に収納された商品Mを販売する際には、商品搬出装置5Bのモータ駆動ユニット70Bに内蔵されたモータ711を正転させて当該モータ駆動ユニット70Bのリンクレバー717により払出機構504のリンク部材541dを駆動することにより払出機構504ペダル部材52,ストッパ部材53を動作させて当該コラムC6に収納された商品M(販売商品G1)を搬出する。
図23Cのように商品コラムC7,C3,C4が設定されている場合、商品コラムC7,C3を区画する仕切部材42により商品搬出装置5Aの払出機構502と商品搬出装置5Bの払出機構503の間が仕切られ、商品コラムC3,C4を区画する仕切部材42により商品搬出装置5Bの払出機構503,504の間が仕切られる。そして、コラムC7,C3を区画する仕切部材42により、図22Cに示したように調節部材81を介して可動式軸受部材60が初期位置に移動している。
この場合、商品コラムC7に収納された商品Lを販売する際には、商品搬出装置5Aのモータ駆動ユニット70Aに内蔵されたモータ711を逆転させて当該モータ駆動ユニット70Aのリンクレバー718により払出機構501のリンク部材541aを駆動することにより払出機構501のペダル部材52,ストッパ部材53を動作させると同時に商品搬出装置5Bのモータ駆動ユニット70Bに内蔵されたモータ711を逆転させて当該モータ駆動ユニット70Bのリンクレバー718により払出機構502のリンク部材541bを駆動することにより払出機構502のペダル部材52,ストッパ部材53を動作させる、つまり、払出機構501のペダル部材52,ストッパ部材53および払出機構502のペダル部材52,ストッパ部材53を同期して動作させて当該コラムC7に収納された商品L(販売商品G1)を搬出する。なお、商品コラムC3,C4に収納された商品Sを販売する際の動作は、図23AのコラムC3,C4に収納された商品Sを搬出する動作と同一であるのでここではその重複する説明を省略する。
図23Dのように商品コラムC7,C8が設定されている場合、商品コラムC7,C8を区画する仕切部材42により商品搬出装置5Aの払出機構502と商品搬出装置5Bの払出機構503の間が仕切られている。
この場合、商品コラムC7に収納された商品を販売する際の動作は、図23CのコラムC7に収納された商品Lを搬出する動作と同一であるのでここではその重複する説明を省略する。一方、商品コラムC8に収納された商品Lを販売する際には、商品搬出装置5Aのモータ駆動ユニット70Aに内蔵されたモータ711を正転させて当該モータ駆動ユニット70Aのリンクレバー717により払出機構503のリンク部材541cを駆動することにより払出機構503のペダル部材52,ストッパ部材53を動作させると同時に商品搬出装置5Bのモータ駆動ユニット70Bに内蔵されたモータ711を正転させて当該モータ駆動ユニット70Bのリンクレバー717により払出機構504のリンク部材541dを駆動することにより払出機構504のペダル部材52,ストッパ部材53を動作させる、つまり、払出機構503のペダル部材52,ストッパ部材53および払出機構504のペダル部材52,ストッパ部材53を同期して動作させて当該コラムC8に収納された商品L(販売商品G1)を搬出する。
ここで、商品搬出装置5Aにおける払出機構501のリンク機構54を駆動して商品の払い出しを行う動作を示した図21A〜図21Cから、ペダル部材52を軸支する回動軸57と商品収納棚10の後端との間のデットスペースを可及的に減少させて商品収納通路43の有効長を伸長させることが可能なことが理解できる。すなわち、ペダル部材52は、商品収納通路43に突出して商品Gを保持する平板状の保持部521の基端側を回動軸57で軸支する一方、回動軸57を挟んで保持部521と反対方向の部位に、前後方向に移動自在な後部リンクピン55が摺動するととともに後退位置に移動した後部リンクピン55を係止してペダル部材52を商品収納通路43に突出した突出位置にロックするロック溝部523aを有する異形孔523を形成して構成されている。これにより、後部リンクピン55をその移動行程の軌跡が回動軸57と立体交差状にクロスする態様で前後方向へ移動自在に配設することができる。後部リンクピン55の移動行程の軌跡は、後部リンクピン55を前後方向にスライド移動可能に支持する長穴5141に相当し、この長穴5141が回動軸57と立体交差状にクロスしていることから、後部リンクピン55の移動行程の軌跡が回動軸57と立体交差状にクロスしていることが理解できる。したがって、後部リンクピン55の移動行程の軌跡を回動軸57と立体交差状にクロスさせた分だけペダル部材52を軸支する回動軸57と商品収納棚10の後端との間のデットスペースを減少させて商品収納通路43の有効長を伸長させることが可能となる。
この点は、図25に示した従来装置と対比すると明らかである。すなわち。図25に示した従来装置では、ペダル部材110の背面に異形溝115が形成されており、これにより後部リンクピン131がペダル部材110を回動自在に支持する回動軸160の後方側に配設されている。これにより、少なくとも後部リンクピン131が前後方向に往復動するストローク分だけ回動軸160から後方側にデッドスペースが生じることとなる。かかる点、本発明の実施の形態においては、ペダル部材52は、商品収納通路43に突出して商品Gを保持する平板状の保持部521の基端側を回動軸57で軸支する一方、回動軸57を挟んで保持部521と反対方向の部位に、前後方向に移動自在な後部リンクピン55が摺動するととともに後退位置に移動した後部リンクピン55を係止してペダル部材52を商品収納通路43に突出した突出位置にロックするロック溝部523aを有する異形孔523を形成して構成されていることから、後部リンクピン55をその移動行程の軌跡が回動軸57と立体交差状にクロスする態様で前後方向へ移動自在に配設することができ、後部リンクピン55の移動行程の軌跡を回動軸57と立体交差状にクロスさせた分だけペダル部材52を軸支する回動軸57と商品収納棚10の後端との間のデットスペースを減少させて商品収納通路43の有効長を伸長させることが可能となるものである。
また、基板51の後端側に設けたところの、払出機構501〜504のペダル部材52およびストッパ部材53を商品収納通路43に出没させる開口部511,512,513の後方は開放されている(図6A参照)。これは、図25に示した従来装置における基板150の構成、つまり、前後左右のフランジにより浅い箱形に形成された基板150から後部側のフランジを削除したものに相当し、後部側のフランジを削除した分だけ前記デッドスペースをより一層減少させることができるものである。
次に、図24は本発明の実施の形態に係る自動販売機の商品搬出装置の変形例を示すペダル部材の斜視図である。この図24に示すペダル部材52Aは、図8に示したペダル部材52に相当するものであり、図8に示したペダル部材52と同一の機能を有するものには同一の符号を付している。
図24に示したペダル部材52Aが図8に示したペダル部材52と異なる点は、図8に示したペダル部材52が4個の軸受部522の全てに回動軸57(図5D参照)を挿通する軸挿通穴5221とリンク機構54に支持された後部リンクピン55(図5D参照)を挿通する異形孔523が形成されているのに対し、ペダル部材52Aが左右両端の軸受部522A,522Aには軸挿通穴5221aのみが形成され、中央側の2個の軸受部522B,522Bに軸挿通穴5221aと異形孔523Aとを形成し、それも軸挿通穴5221aと異形孔523Aとを連通させてなる点である。
図24に示したペダル部材52Aも、図8に示したペダル部材52と同様に、商品収納通路43に突出して商品を保持する平板状の保持部521の基端側を回動軸57で軸支する一方、回動軸57を挟んで保持部521と反対方向の部位に、前後方向に移動自在な後部リンクピン55が摺動するととともに後退位置に移動した後部リンクピン55(図5D参照)を係止してペダル部材52Aを商品収納通路43に突出した突出位置にロックするロック溝部523aを有する異形孔523Aを形成して構成されている。従って、後部リンクピン55をその移動行程の軌跡が回動軸57と立体交差状にクロスする態様で前後方向へ移動自在に配設することができ、後部リンクピン55の移動行程の軌跡を回動軸57と立体交差状にクロスさせた分だけペダル部材52を軸支する回動軸57と商品収納棚10の後端との間のデットスペースを減少させて商品収納通路43の有効長を伸長させることが可能となるものである。
なお、図24のペダル部材52Aを用いた場合には、当然のことながら売切検出機構91(図20参照)の検出レバー901を次の構成のものに変更する必要がある。すなわち、その検出レバー901の後端から後方に突出して形成された左右一対のカール状の当接部9013,9013の位置を、ペダル部材52の中央側の2個の軸受部522Bに対峙する箇所に変更したものである。
前述したように、この実施の形態に係る自動販売機の商品搬出装置によれば、商品投入口44に対して商品搬出口45が低くなるように傾斜して配設された商品収納棚10を上下方向に多段に有し、この商品収納棚10に横倒し姿勢の商品Gを前後方向に一列に整列して収納する商品収納通路43を仕切部材42により左右方向に複数画成してなり、商品収納棚10おける商品搬出口45の近傍に配設した商品搬出装置5により商品収納通路43に収納された商品Gを一個ずつ切り出して搬出する商品収納ラック4を備えた自動販売機の商品搬出装置において、前記商品搬出装置5は、基板51に保持された回動軸57に回動自在に軸支されるとともに商品収納通路43に出没自在であって販売順位一番の商品Gを保持する態様で商品収納通路43に突出する突出位置と前記販売順位一番の商品Gの保持を解放する態様で商品収納通路43から退避する退避位置との間を移動可能に設けたペダル部材52、前記回動軸57に回動自在に軸支されるとともに商品収納通路43に出没自在であって商品収納通路43から退避する退避位置と前記販売順位一番の商品に続く販売順位二番の商品Gを保持する態様で商品収納通路43に突出する突出位置との間を移動可能に設けたストッパ部材53、前記ペダル部材52およびストッパ部材53を突出位置と退避位置とに移動させる後部リンクピン55および前部リンクピン56を支持するリンク機構54、および前記リンク機構54を駆動する駆動手段(モータ駆動ユニット70A,70B)を備え、前記ペダル部材52は、商品収納通路43に突出して商品Gを保持する平板状の保持部521の基端側を回動軸57で軸支する一方、回動軸57を挟んで保持部521と反対方向の部位に、前後方向に移動自在な後部リンクピン55が摺動するととともに後退位置に移動した後部リンクピン55を係止してペダル部材52を商品収納通路43に突出した突出位置にロックするロック溝部523aを有する異形孔523を形成し、前記後部リンクピン55をその移動行程の軌跡が回動軸57と立体交差状にクロスする態様で前後方向へ移動自在に配設したことにより、ペダル部材52を軸支する回動軸57を商品搬出口45に接近、つまり、商品収納棚10の後端に近付けることができるので、ペダル部材52を軸支する回動軸57と商品収納棚10の後端との間のデッドスペースを減少させて商品収納通路43の有効長を伸長させることが可能な商品搬出装置を提供することができるという効果を奏する。
なお、前述した実施の形態においては、固定式払出部(商品搬出装置5A)の払出機構501,502のリンク機構54を駆動する駆動手段および可動式払出部(商品搬出装置5B)の払出機構503,504のリンク機構54を駆動する駆動手段として正逆転可能なモータ711を内蔵したモータ駆動ユニット70A,70Bを用いた例について説明したが、駆動手段としてソレノイドを用いることができ、この場合にはそれぞれの払出機構部501〜504に対応してそれぞれソレノイドを設ければよい。従って、駆動手段は、正逆転可能なモータ711を内蔵したモータ駆動ユニット70A,70Bに限定されるものではない。