JP6736275B2 - 手術後の慢性の痛みのための薬物充填マイクロスフェア - Google Patents

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Description

(関連出願への相互参照)
本願は、2014年9月26日に出願された米国仮特許出願第62/056,129号に基づく利益および優先権を主張しており、その全体の開示は本明細書中に参考として援用される。
(背景)
(技術分野)
本開示は、医薬品、組成物、薬物−デバイス組み合わせ製品、および医療状態を処置するための方法に関する。実施形態では、本開示の組成物は、慢性の手術後の痛みを処置するために用いられ得る。実施形態では、本開示は、投薬量、および移植可能な生分解性のマイクロスフェアからの局所麻酔剤の放出動力学の関数として最適化された痛み管理に関する。
(関連技術の背景)
手術後の痛みは、数日より多く、そして何週間でさえ継続し、多くの患者に影響する。例えば、開胸術後の慢性の痛みは、安静時に、例えば、浅い呼吸とともに生じ、そしてまた、咳をすること、ストレッチングまたは捻転の間の著しい動きに関連するコンポーネント、例えば、機械的−痛覚過敏を有している。種々の局所的およびその他の麻酔方法が手術後の痛みを低減することが示されているが、慢性の痛みにおける効果の機構は、急性の痛みとは異なり良好に理解されておらず、なぜなら、そのような薬物は、複数の異なる標的に対して作用することが知られているからである。
局所麻酔剤は、従前には、手術前に使用されており、急性の痛みを低減する。末梢神経ブロック、硬膜外ブロック、および脊髄麻酔剤は、通常、約4〜約12時間の間しびれ感を生じるが、それらは長い持続時間には有効ではない。例えば、創傷中に配置されたカテーテルを通じる局所麻酔剤の連続的注入、および創傷の周りの組織中に薬物をゆっくりと放出する種々の材料を含む、いくつかのその他の処置戦略がまた採用されている。適切な送達材料は、多胞体脂質懸濁物(例えば、EXPAREL(登録商標)、 Pacira Pharmaceuticals,Inc.,San Diego,CAからのリポソーム持続放出ブピバカイン処方物)、骨ワックス、生分解性ポリマー、例えば、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)(「PLGA」)およびその他の材料を含む。局所麻酔剤組成物を含む生分解性材料から形成されたマイクロスフェアがまた知られ、そして急性の手術後の痛みを処置するために使用されている(例えば、当初はMITとBoston Children’s Hospitalとの間のLanger−Berde共同研究から開発されたPurdue PharmaceuticalsからのようなPLGA)。しかし、ブピバカインのこれらの持続放出処方物から慢性の痛みに対する何らかの効果を示唆するであろう情報、データ、またはオピニオンはパブリックドメインにはない。
慢性の手術後の痛みを処置することで薬物を投薬すること、および局所麻酔剤の薬物放出動力学の最適化に関する公開された情報は欠如している。慢性の痛みを処置するために適切なものを含む、改良された薬物送達組成物が所望されたままである。
(要旨)
本開示の1つの実施形態によれば、マイクロスフェアが提供される。このマイクロスフェアは、少なくとも1つの生分解性ポリマー、および少なくとも1つの局所麻酔剤を含み、ここで、上記少なくとも1つの局所麻酔剤の約75%が約72時間までに放出され、そして上記少なくとも1つの局所麻酔剤の約80%〜約90%が約120時間までに放出されることによって、少なくとも28日間慢性の痛みを軽減する。
本開示の別の実施形態によれば、マイクロスフェアが提供される。このマイクロスフェアは、少なくとも1つの生分解性ポリマー、および少なくとも1つの局所麻酔剤を含み、ここで、上記少なくとも1つの局所麻酔剤が、最初のほぼ120時間の間に実質的に直線状に放出されることによって、少なくとも28日間慢性の痛みを軽減する。
上記の実施形態の1つの局面によれば、上記少なくとも1つの局所麻酔剤が、上記マイクロスフェアの約60重量%の量で存在する。上記少なくとも1つの局所麻酔剤は、以下の1つ以上を含み得る:リドカイン、プロカイン、コカイン、ベンゾカイン、ブピバカイン、メピバカイン、プリロカイン、アルティカイン、テトラカイン、ジブカイン、クロロプロカイン、エチドカイン、オキシブプロカイン、コカエチレン、ジメトカイン、ブタカイン、塩酸プロパラカイン、プロパラカイン、ピペロカイン、ヘキシルカイン、フルオレセイン、プロパラカイン、およびそれらの組み合わせ。
上記実施形態のさらなる局面によれば、上記少なくとも1つの局所麻酔剤が、ブピバカインである。
上記実施形態のさらなる局面によれば、上記少なくとも1つの生分解性ポリマーが、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)である。このポリ(乳酸−co−グリコール酸)は、ポリ乳酸およびグリコール酸を、約75:25の比で含み得る。
上記実施形態の1つの局面によれば、上記マイクロスフェアは、上記マイクロスフェアの表面積の約1%〜約60%の間隙率を有するシェルを含む。
本開示のさらなる実施形態によれば、慢性の痛みを処置する方法が開示される。この方法は、少なくとも1つのマイクロスフェアを処置部位に移植する工程を包含し、このマイクロスフェアが、少なくとも1つの生分解性ポリマー、および少なくとも1つの局所麻酔剤を含み、ここで、該少なくとも1つの局所麻酔剤の約75%が約72時間までに放出され、そして該少なくとも1つの局所麻酔剤の約80%〜約90%が約120時間までに放出されることによって、少なくとも28日間慢性の痛みを軽減する。
上記の実施形態の1つの局面によれば、上記少なくとも1つのマイクロスフェアは、手術前または手術後に移植される。
上記実施形態の別の局面によれば、上記の方法はさらに、上記少なくとも1つのマイクロスフェアを含む懸濁物を形成する工程を包含する。
上記実施形態のさらなる局面によれば、上記方法はさらに、上記懸濁物を上記処置部位中に注入する工程を包含する。
上記実施形態の1つの局面によれば、上記方法はさらに、上記懸濁物を医療デバイスの少なくとも一部分上に堆積して、上記デバイス上にフィルムを形成する工程を包含し、該フィルムが少なくとも1つのマイクロスフェア粒子を含む。
(項目1−A)
マイクロスフェアであって、
少なくとも1つの生分解性ポリマー、および少なくとも1つの局所麻酔剤を含み、
ここで、該少なくとも1つの局所麻酔剤の約75%が約72時間までに放出され、そして該少なくとも1つの局所麻酔剤の約80%〜約90%が約120時間までに放出されることによって、少なくとも28日間慢性の痛みを軽減する、マイクロスフェア。
(項目2−A)
前記少なくとも1つの局所麻酔剤が、リドカイン、プロカイン、コカイン、ベンゾカイン、ブピバカイン、メピバカイン、プリロカイン、アルチカイン、テトラカイン、ジブカイン、クロロプロカイン、エチドカイン、オキシブプロカイン、コカエチレン、ジメトカイン、ブタカイン、塩酸プロパラカイン、プロパラカイン、ピペロカイン、ヘキシルカイン、フルオレセイン、プロパラカイン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、上記項目のいずれか1項に記載のマイクロスフェア。
(項目3−A)
前記少なくとも1つの局所麻酔剤が、ブピバカインである、上記項目のいずれか1項に記載のマイクロスフェア。
(項目4−A)
前記少なくとも1つの生分解性ポリマーが、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)である、上記項目のいずれか1項に記載のマイクロスフェア。
(項目5−A)
前記ポリ(乳酸−co−グリコール酸)が、ポリ乳酸およびグリコール酸を、約75:25の比で含む、上記項目のいずれか1項に記載のマイクロスフェア。
(項目6−A)
前記少なくとも1つの局所麻酔剤が、前記マイクロスフェアの約60重量%の量で存在する、上記項目のいずれか1項に記載のマイクロスフェア。
(項目7−A)
前記マイクロスフェアの表面積の約1%〜約60%の間隙率を有するシェルを含む、上記項目のいずれか1項に記載のマイクロスフェア。
(項目8−A)
慢性の痛みを処置する方法であって、
少なくとも1つのマイクロスフェアを処置部位に移植する工程を包含し、該マイクロスフェアが、
少なくとも1つの生分解性ポリマー、および少なくとも1つの局所麻酔剤を含み、
ここで、該少なくとも1つの局所麻酔剤の約75%が約72時間までに放出され、そして該少なくとも1つの局所麻酔剤の約80%〜約90%が約120時間までに放出されることによって、少なくとも28日間慢性の痛みを軽減する、方法。
(項目9−A)
前記少なくとも1つのマイクロスフェアが、手術前に移植される、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目10−A)
前記少なくとも1つのマイクロスフェアが、手術後に移植される、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目11−A)
さらに、前記少なくとも1つのマイクロスフェアを含む懸濁物を形成する工程を包含する、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目12−A)
さらに、前記懸濁物を前記処置部位に注入する工程を包含する、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目13−A)
さらに、前記懸濁物を医療デバイスの少なくとも一部分上に堆積して該デバイス上にフィルムを形成する工程を包含し、該フィルムが少なくとも1つのマイクロスフェア粒子を含む、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目14−A)
マイクロスフェアであって、
少なくとも1つの生分解性ポリマー、および少なくとも1つの局所麻酔剤を含み、
ここで、該少なくとも1つの局所麻酔剤が、最初のほぼ120時間の間に実質的に直線状に放出されることによって、少なくとも28日間慢性の痛みを軽減する、マイクロスフェア。
(項目15−A)
前記少なくとも1つの局所麻酔剤が、ブピバカインである、上記項目のいずれか1項に記載のマイクロスフェア。
(項目16−A)
前記少なくとも1つの生分解性ポリマーが、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)である、上記項目のいずれか1項に記載のマイクロスフェア。
(項目17−A)
前記ポリ(乳酸−co−グリコール酸)が、ポリ乳酸およびグリコール酸を、約75:25の比で含む、上記項目のいずれか1項に記載のマイクロスフェア。
(項目18−A)
前記少なくとも1つの局所麻酔剤が、前記マイクロスフェアの約60重量%の量で存在する、上記項目のいずれか1項に記載のマイクロスフェア。
(項目1−B)
マイクロスフェアであって、
少なくとも1つの生分解性ポリマー、および少なくとも1つの局所麻酔剤を含み、
ここで、該少なくとも1つの局所麻酔剤の約75%が約72時間までに放出され、そして該少なくとも1つの局所麻酔剤の約80%〜約90%が約120時間までに放出されることによって、少なくとも28日間慢性の痛みを軽減する、マイクロスフェア。
(項目2−B)
前記少なくとも1つの局所麻酔剤が、リドカイン、プロカイン、コカイン、ベンゾカイン、ブピバカイン、メピバカイン、プリロカイン、アルチカイン、テトラカイン、ジブカイン、クロロプロカイン、エチドカイン、オキシブプロカイン、コカエチレン、ジメトカイン、ブタカイン、塩酸プロパラカイン、プロパラカイン、ピペロカイン、ヘキシルカイン、フルオレセイン、プロパラカイン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、上記項目のいずれか1項に記載のマイクロスフェア。
(項目3−B)
前記少なくとも1つの局所麻酔剤が、ブピバカインである、上記項目のいずれか1項に記載のマイクロスフェア。
(項目4−B)
前記少なくとも1つの生分解性ポリマーが、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)である、上記項目のいずれか1項に記載のマイクロスフェア。
(項目5−B)
前記ポリ(乳酸−co−グリコール酸)が、ポリ乳酸およびグリコール酸を、約75:25の比で含む、上記項目のいずれか1項に記載のマイクロスフェア。
(項目6−B)
前記少なくとも1つの局所麻酔剤が、前記マイクロスフェアの約60重量%の量で存在する、上記項目のいずれか1項に記載のマイクロスフェア。
(項目7−B)
前記マイクロスフェアの表面積の約1%〜約60%の間隙率を有するシェルを含む、上記項目のいずれか1項に記載のマイクロスフェア。
(項目8−B)
前記少なくとも1つのマイクロスフェアが、手術前に移植される、上記項目のいずれか1項に記載のマイクロスフェア。
(項目9−B)
前記少なくとも1つのマイクロスフェアが、手術後に移植される、上記項目のいずれか1項に記載のマイクロスフェア。
(項目10−B)
さらに、前記少なくとも1つのマイクロスフェアを含む懸濁物を形成する工程を包含する、上記項目のいずれか1項に記載のマイクロスフェア。
(項目11−B)
さらに、前記懸濁物を前記処置部位に注入する工程を包含する、上記項目のいずれか1項に記載のマイクロスフェア。
(項目12−B)
さらに、前記懸濁物を医療デバイスの少なくとも一部分上に堆積して該デバイス上にフィルムを形成する工程を包含し、該フィルムが少なくとも1つのマイクロスフェア粒子を含む、上記項目のいずれか1項に記載のマイクロスフェア。
(項目13−B)
マイクロスフェアであって、
少なくとも1つの生分解性ポリマー、および少なくとも1つの局所麻酔剤を含み、
ここで、該少なくとも1つの局所麻酔剤が、最初のほぼ120時間の間に実質的に直線状に放出されることによって、少なくとも28日間慢性の痛みを軽減する、マイクロスフェア。
(項目14−B)
前記少なくとも1つの局所麻酔剤が、ブピバカインである、上記項目のいずれか1項に記載のマイクロスフェア。
(項目15−B)
前記少なくとも1つの生分解性ポリマーが、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)である、上記項目のいずれか1項に記載のマイクロスフェア。
(項目16−B)
前記ポリ(乳酸−co−グリコール酸)が、ポリ乳酸およびグリコール酸を、約75:25の比で含む、上記項目のいずれか1項に記載のマイクロスフェア。
(項目17−B)
前記少なくとも1つの局所麻酔剤が、前記マイクロスフェアの約60重量%の量で存在する、上記項目のいずれか1項に記載のマイクロスフェア。
(本開示の摘要)
マイクロスフェアが開示される。このマイクロスフェアは、少なくとも1つの生分解性ポリマー、および少なくとも1つの局所麻酔剤を含み、ここで、上記少なくとも1つの局所麻酔剤の約75%が約72時間までに放出され、そして上記少なくとも1つの局所麻酔剤の約80%〜約90%が約120時間までに放出されることによって、少なくとも28日間慢性の痛みを軽減する
本開示の種々の実施形態は、図面を参照して本明細書中に記載され、ここで:
図1A−1Bは、本開示によるブピバカインをカプセル化するポリ(乳酸−co−グリコール酸)マイクロスフェアの走査電子顕微鏡画像である。
図2Aは、本開示による図1Aのマイクロスフェアの断面の走査電子顕微鏡画像である。
図2Bは、本開示による図1Aのマイクロスフェアの断面のラマン分光分析画像である。
図3は、本開示による図1A−Bのマイクロスフェアのブピバカインインビトロ放出プロフィールのプロットである。
図4は、本開示による図3の放出プロフィールプロットの第1の導関数のプロットである。
図5は、本開示に従って処置された3つの群の実験室ラットの機械的侵害防御機能閾値応答のプロットである。
図6A−Hは、本開示によるブピバカインマイクロスフェアの注入後の個々の試験されたラットの閾値応答の複数のプロットである。 図6A−Hは、本開示によるブピバカインマイクロスフェアの注入後の個々の試験されたラットの閾値応答の複数のプロットである。 図6A−Hは、本開示によるブピバカインマイクロスフェアの注入後の個々の試験されたラットの閾値応答の複数のプロットである。 図6A−Hは、本開示によるブピバカインマイクロスフェアの注入後の個々の試験されたラットの閾値応答の複数のプロットである。
図7A−Hは、本開示によるプラシーボマイクロスフェアの注入後の個々の試験されたラットの閾値応答の複数のプロットである。 図7A−Hは、本開示によるプラシーボマイクロスフェアの注入後の個々の試験されたラットの閾値応答の複数のプロットである。 図7A−Hは、本開示によるプラシーボマイクロスフェアの注入後の個々の試験されたラットの閾値応答の複数のプロットである。 図7A−Hは、本開示によるプラシーボマイクロスフェアの注入後の個々の試験されたラットの閾値応答の複数のプロットである。
図8A−Cは、本開示に従って試験された3つの群の実験室ラットの定性的痛覚過敏プロフィールの複数の棒グラフである。 図8A−Cは、本開示に従って試験された3つの群の実験室ラットの定性的痛覚過敏プロフィールの複数の棒グラフである。 図8A−Cは、本開示に従って試験された3つの群の実験室ラットの定性的痛覚過敏プロフィールの複数の棒グラフである。
(実施形態の詳細な説明)
本開示は、医薬品、組成物、薬物−デバイス組み合わせ製品、および痛みを防ぎ/処置する方法に関する。これら組成物は、生理活性薬剤、例えば、局所麻酔剤をカプセル化する生分解性ポリマーから形成されたマイクロスフェアを含む。本開示の種々の実施形態は、マイクロスフェアに特異的であるが、本開示はまた、約0.001マイクロメートル〜約1,000マイクロメートルの、実施形態では、約0.01マイクロメートル〜約500マイクロメートルの、任意の規則的または不規則形状を有する、任意のマクロ、ミクロ、またはナノカプセル、スフェア、またはその他の粒子に適用可能である。
マイクロスフェアは、任意の適切な液体中の液体(例えば、油中油、油中水、水中油など)抽出方法を用いて形成され得る。実施形態では、マイクロスフェアは、エマルジョン法、次いで抽出媒体中の溶媒抽出ステップを用いて形成され得る。
本明細書中で用いられるとき、用語「エマルジョン」は、混和不能である2つ以上の液体の混合物をいい、そこでは、1つの液体が連続相を形成し、そして他方の液体が不連続相を形成する。
用語「不連続相」および「分散相」は交換可能に用いられ、そして連続相を通じて分散されている化合物をいい、そして局所麻酔剤、ならびに任意のカプセル化する生分解性ポリマーおよび/または対応する溶媒または溶媒和剤を含み得る。
本明細書で用いられるとき、用語「連続相」は、不連続相から任意の溶媒または溶媒和剤を抽出するために用いられる油のような液体をいう。これら液体は、通常、不連続相で採用された溶媒と混和することはできない。
本明細書で用いられるとき、用語「薄化剤相」または「第3の相」は交換可能に用いられ、そして連続相の粘度を低減する液体をいい、連続相と混和可能であり、そして/またはマイクロスフェアの表面から残存する連続相を除去する。実施形態では、この薄化剤は、不連続相と混和不能であり得る。
本開示によるマイクロスフェアは、上記の水中油エマルジョン化プロセスを用いて形成され得る。この溶液は、任意の適切な生分解性ポリマー、溶媒、局所麻酔剤、随意の乳化剤、および/または界面活性剤を含み得る。実施形態では、さらなる生理活性剤が含まれてもよく、これは、マイクロスフェアに含まれる局所麻酔剤と同じであってもよく、異なっていてもよい。
本開示によるマイクロスフェアを形成するために用いられる適切な生分解性ポリマーは、制限されないで、脂肪族ポリエステル、ポリアミド、ポリアミン、ポリアルキレンオキサレート、ポリ酸無水物、ポリアミドエステル、コポリ(エーテル−エステル)、チロシン由来カーボネートを含むポリ(カーボネート)、ポリ(ヒドロキシ酪酸)、ポリ(ヒドロキシ吉草酸)、およびポリ(ヒドロキシブチラート)のようなポリ(ヒドロキシアルカノエート)、ポリイミドカーボネート、ポリ(ビスフェノールA−イミノカーボネート)のようなポリ(イミノカーボネート)、ポリオルトエステル、アミン基を含むものを含むポリオキサエステル、ポリホスファゼン、ポリ(プロピレンフマレート)、ポリウレタン、ポリジフルニゾール、ポリアスピリン、およびタンパク質治療薬のようなポリマー薬剤、生物学的に改変された生体吸収性ポリマー(例えば、タンパク質、ペプチド)、およびコポリマー、ブロックコポリマー、ホモポリマー、ブレンド、およびそれらの組み合わせを含む。
実施形態では、マイクロスフェアを形成するために用いられる適切なポリマーは、制限されないで、ポリラクチド、ポリラクチド−co−グリコリド、ポリラクチド−ポリカプロラクトン、ラクチド(乳酸、D−、L−およびメソラクチドを含む)のホモポリマーおよびコポリマー、グリコリド(グリコール酸を含む)、イプシロン−カプロラクトン、p−ジオキサノン(1,4−ジオキサン−2−オン)、トリメチレンカーボネート(1,3−ジオキサン−2−オン)、トリメチレンカーボネートのアルキル誘導体、Δ−バレロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、ε−デカラクトン、ヒドロキシブチラート、ビロキシバレラート、1,4−ジオキセパン−2−オン(そのダイマー1,5,8,12−テトラオキサシクロテトラデカン−7,14−ジオンを含む)、1,5−ジオキセパン−2−オン、6,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2−オン、2,5−ジケトモルホリン、ピバロラクトン、α,α−ジエチルプロピオラクトン、エチレンカーボネート、エチレンオキサレート、3−メチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、3,3−ジエチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、6,8−ジオキサビシクロオクタン−7−オン、およびこれらのコポリマーならびにこれらの組み合わせのような脂肪族ポリエステルを含む。
本開示によるマイクロスフェアを形成するために適切な生分解性ポリマーは、ポリ乳酸(「PLA」)およびグリコール酸(「GA」)を約50:50〜約100:0の比で有するポリ(乳酸−co−グリコール酸)(「PLGA」)を含み、得実施形態では、PLA:GAは約75:25の比であり得る。
生分解性ポリマー溶液を形成するために適切な溶媒は、制限されないで、酢酸エチル、塩化メチレン、パークロロエタン、トリクロロエチレン、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、およびICH Q3C (International Conference on Harmonization − residual solvents used in pharmaceutical processing)に列挙されたような製薬溶媒およびそれらの組み合わせを含む。
オプションの乳化剤は、溶媒の約0.01重量%および/または容量%〜約25重量%および/または容量%、実施形態では、溶媒の約0.1重量%および/または容量%〜約10重量%および/または容量%、さらなる実施形態では、溶媒の約0.5重量%および/または容量%〜約5重量%および/または容量%の量で存在し得る。油中油プロセスには、乳化剤の使用は、オプションである。適切な乳化剤は、制限されないで、水溶性ポリマー、例えば、ポリビニルアルコール(「PVA」)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール(「PEG」)、ポリプロピレングリコール(PPG)、PLURONICS(商標)、TWEENS(商標)、多糖類、ホスホリピド、およびそれらの組み合わせを含む。
本開示に従って含められ得る適切な局所麻酔剤は、制限されないで、リドカイン、ロピバカイン、プロカイン、コカイン、ベンゾカイン、ブピバカイン、メピバカイン、プリロカイン、アルチカイン、テトラカイン、ジブカイン、クロロプロカイン、エチドカイン、オキシブプロカイン、コカエチレン、ジメトカイン、ブタカイン、塩酸プロパラカイン、プロパラカイン、ピペロカイン、ヘキシルカイン、フルオレセイン、プロパラカイン、およびそれらの組み合わせを含む。
本開示による生分解性マイクロスフェアは、マイクロスフェアの重量の約30重量%〜約85重量%、実施形態では約45重量%〜約75重量%、さらなる実施形態では、約50重量%〜約70重量%、付加的な実施形態では、マイクロスフェアの重量の約55重量%〜約65重量%の理論的局所麻酔剤充填を有し得る。生分解性マイクロスフェアは、約25%〜約90%、実施形態では、約40%〜約80%、さらなる実施形態では、約45%〜約75%、付加的な実施形態では、約50%〜約70%の実際の局所麻酔剤充填を有し得る。さらなる実施形態において、本開示によるマイクロスフェアは、約60%の実際の局所麻酔剤充填を有し得る。
本開示によるマイクロスフェアを形成することで、1つ以上の麻酔剤が生分解性ポリマーの溶液に添加されてもよく、そして十分に混合されて均一な懸濁物または均質な溶液を確実にする(例えば、次いで水中油エマルジョン/溶媒蒸発プロセスで用いられるべき、例えば、塩化メチレンのような適切な溶媒とともに)。生分解性ポリマーは、溶液中に、この溶液の約0.1重量%〜50重量%の量、実施形態では、この溶液の約1.0重量%〜25重量%の量、実施形態では、この溶液の約5重量%〜15重量%の量で存在し得る。局所麻酔剤と生分解性ポリマーとの溶液は、不連続相を形成し、これは、連続相を形成する液体を含む容器に滴下様式で添加される。連続相液体は、生分解性ポリマー溶液を形成することで用いられる極性溶媒と混和不能である任意の適切な水性または有機の、極性または非極性の化合物であり得る。逆に、非極性溶媒が生分解性ポリマーを溶解するために用いられるとき、連続相液体は、この非極性溶媒と混和不能である任意の極性化合物であり得る。不連続相液体は、連続相液体の約1容量%〜約50容量%、実施形態では、約5%〜20%の量で存在し得る。
連続相を処理する容器には、バッフルが取り付けられ得る。この容器は、約25rpm〜約60,000rpmの速度で、実施形態では、約100rpm〜約15,000rpmで、さらなる実施形態では、約250rpm〜約5,000rpmで回転するように構成されたインペラを備えたミキサを含み得る。攪拌は、約5秒〜約10時間、実施形態では、約15秒〜約5時間継続し得る。回転の速度は、所望の粒子サイズを得るために調節され得る。マイクロスフェアのサイズは、均質化(例えば、不連続相と連続相の攪拌)の持続時間および速度、温度および/または圧力を調整すること、不連続相に対する連続相の比、剪断速度、ならびに生分解性ポリマーおよび/または局所麻酔剤の分子量および濃度を変えることにより適合され得る。
不連続相溶液の連続相への移行が終了した際、第3の相の液体がエマルジョンに添加することができ、溶媒を不連続相液体から除去する。適切な第3の相の液体は、連続相液体および不連続相液体の両方と混和可能である任意の化合物を含む。溶媒の抽出は、連続相液体には混和できないが、第3の相の液体に混和可能である溶媒に起因して起こる。適切な第3の相の液体は、ミリスチン酸イソプロピル、ヘキサン、n−ヘプタン、トリグリセリドおよびこれらの組み合わせを含む。第3の相の液体は、連続相液体の約100容量%〜約200容量%、実施形態では、約140容量%〜約150容量%の量で存在し得る。
連続相からの溶媒の除去は、生分解性ポリマーによってカプセル化された局所麻酔剤を含むマイクロスフェアの形成を容易にする。エマルジョンは、約0.1時間〜約24時間、実施形態では、約2時間〜約5時間攪拌され得、マイクロスフェアからの溶媒の抽出を支援する。マイクロスフェアは、次いで、濾過によって収集され得、そして洗浄され得(例えば、水性媒体または非水性媒体で)、マイクロスフェアの表面上の連続相液体および不連続相液体の任意の痕跡を除去する。マイクロスフェアは、次いで、収集され得、そして窒素またはアルゴンオーバーレイ下、ガラスシンチレーションバイアルに移され得る。実施形態では、マイクロスフェアはまた、噴霧乾燥およびジェットミル技法を用いて形成され得る。
本開示によれば、局所麻酔剤をカプセル化する生分解性マイクロスフェアは、慢性の手術後の痛み、および/または痛覚過敏のような痛みを処置するために局所的に移植され得る。マイクロスフェアは、シリンジ、カテーテル、または任意のその他の静脈内医療デバイスを用いる、マイクロスフェアを含む懸濁物の注入によって移植され得る。この懸濁物は、マイクロスフェアが懸濁されている溶液、およびその他の因子に依存して、注入の直前の使用のときに、または任意のその他の適切なときに形成され得る。マイクロスフェアは、手術前、手術中、および/または手術後に移植され得る。マイクロスフェアは、処置部位および/または近傍神経に移植され得、手術手順の間に起こり得る神経損傷に付随する痛みを軽減する。実施形態では、本開示によるマイクロスフェアは、任意の手術手順に付随する手術後の慢性の痛みを手術中に処置するために用いられ得、これには、制限されないで、ヘルニア縫合術、開胸術、関節形成術が含まれる。
その他の実施形態では、マイクロスフェアは、その他の移植可能な医療デバイスに含まれ得る。適切な医療デバイスは、メッシュ、スカフォールド、グラフト、ステント、縫合糸、パッチ、スリング、バットレス、外科用綿撒糸のような任意の外科インプラント、そして一般に、軟組織修復デバイス、外科補綴具および人工器官であり得;または、創傷包帯、被覆物、テープ、ガーゼなど、医療/外科手順で用いられ得るような、局所的に付与される医療製品であり得る。
マイクロスフェアは、フィルムまたはコーティングとして医療デバイスに付与され得る。実施形態では、マイクロスフェアフィルムは、マイクロスフェア懸濁物から単一のプロセスステップで直接医療デバイス上に直接キャストされ得、それによって、医療デバイスをコーティングするために適切な均質な懸濁物を形成するためのマイクロスフェアの再懸濁を避ける。マイクロスフェア粒子を含むフィルムは、少なくとも1の生分解性ポリマーおよび少なくとも1つの溶媒の均質な懸濁物(例えば、エマルジョン)中に形成され得る。均質な懸濁物を形成するために適切なポリマーおよび溶媒は、本開示によるマイクロスフェアを形成するために適切であるとして記載される任意のポリマーおよび溶媒を含む。
本開示によるマイクロスフェアは、生理活性薬剤およびポリマーの分配、およびマイクロスフェアからの生理活性薬剤の表面腐食に基づく放出を生じる表面形態に起因して、慢性の痛みを処置するために特に有効である。マイクロスフェアは、約0.001マイクロメートル〜約1,000マイクロメートル、実施形態では、約0.1マイクロメートル〜約500マイクロメートル、さらなる実施形態では、約1マイクロメートル〜約250マイクロメートル、付加的な実施形態では、約10マイクロメートル〜約150マイクロメートル、なおさらなる実施形態では、約55マイクロメートル〜約85マイクロメートルの平均直径を有し得る。
本開示によるマイクロスフェア中の相対的なポリマー/局所麻酔剤の分布およびそれらの密度は、全体が均一であるか、または部分的に均一であり得、例えば、ミクロドメインを含む。マイクロスフェアの間隙率は、マイクロスフェアの容量の約0.0001%〜約33%、実施形態では、マイクロスフェアの容量の約0.001%〜約25%、さらなる実施形態では、マイクロスフェアの容量の約0.01%〜約20%、付加的な実施形態では、マイクロスフェアの容量の約0.1%〜約15%であり得る。マイクロスフェアは、完全な球、部分的な球、または球でなくてもよい。
マイクロスフェアの放出プロフィールは、初期バーストがないか、ほとんどなく、最初の約48時間の間は、比較的一定である放出速度、そして約48時間〜約120時間の徐々に減少する放出速度を含み得、局所麻酔剤の蓄積放出の約75%は、ほぼ最初の72時間以内に起こり、そして蓄積放出の約80%〜約90%は、約120時間後に起こる。
初期放出のバーストは、最初の10秒〜約10分に約0%〜約25%、実施形態では、最初の1分〜約8分に約1%〜約15%、さらなる実施形態では、最初の2分〜約7分に約2%〜約10%、そして付加的な実施形態では、最初の5分に約3%〜約5%であり得る。
蓄積放出のほぼ75%は、約12時間〜約120時間、実施形態では、約24時間〜約96時間、さらなる実施形態では、約36時間〜約84時間に生じ得る。蓄積放出のほぼ約80%〜約90%は、約72時間〜約168時間、実施形態では、約96時間〜約144時間、さらなる実施形態では、約108時間〜約132時間に生じ得る。
最初の120時間にわたる蓄積放出速度の二次の導関数は、約0.1%/時間〜約10%/時間、実施形態では、約0.5%/時間〜約5%/時間、さらなる実施形態では、約1%/時間〜約3%/時間であり得る。本開示によるマイクロスフェアはまた、図3に示され、そしてさらに詳細に以下で記載されるように、局所麻酔剤の% 対 時間の平方根でプロットされるとき、約0.94〜約0.99であるR、実施形態では、Rが約0.985である直線の放出速度で局所麻酔剤を放出する。
局所麻酔剤の放出動力学は、慢性の手術後痛覚過敏を処置するための重要なパラメータであると考えられる。この理由は、速すぎる放出速度は、すべての局所麻酔剤を短時間に浪費することであり、これは次いで、局所脈管系によって局所的に代謝されるか、または吸収され、そして全身循環に分配され、そこから主に肝臓によって代謝され、そして次に排出される。迅速な送達はまた、局所麻酔剤のプールを急速に消耗し、後の麻酔を行うために局所麻酔剤をほとんどまたは全く残さず、そしてまた潜在的毒性である全身濃度をもたらす可能性がある。
対照的に、遅すぎる放出速度は、標的にされた組織中に局所麻酔剤が神経ブロックのために十分な濃度で入ることを防ぎ;局所麻酔剤は、機能的ブロックを達成することなく堆積されたマイクロスフェアから除去され得る。従って、特定の要求に適合された、放出の最適速度と持続時間が推奨され、これは、特定の局所麻酔剤およびその処方物pH、標的組織の局所解剖学的構造、処方物の表面対容量の関係、脈管の豊富さ、およびその他の因子に依存する。
マイクロスフェアはまた、約1日〜約35日、実施形態では、約28日までの期間の間、手術後の慢性の痛みに影響し得る。慢性の痛みを処置するための本開示によるマイクロスフェアの有効性は、局所ニューロン中の局所的ナトリウムイオンチャンネルによる阻害に起因すると考えられる。この結論は、以下の実施例のセクションでさらに詳細に記載されるように、血清中で測定されるような薬物動態および全身濃度に基づき到達された。
手術後の急性の痛みに影響することは、好都合に手術後の慢性の痛みに影響するということは良く受け入れられているが、この影響の程度および持続時間ならびに持続する放出麻酔剤処方物の対応する属性は、自明ではない。いくつかのブピバカインの従前の持続放出処方物は、急性の痛みには十分に影響するが、慢性の痛みに影響することは報告されていない。
本開示の種々の実施形態は、局所麻酔剤を含むマイクロスフェアに特異的であるが、この開示はまた、さらなる生理活性薬剤のカプセル化に適用可能である。実施形態では、上記のように、1つ以上の生理活性薬剤が溶媒に添加されてもよく、これら生理活性薬剤は、生分解性ポリマー溶液中に取り込まれ、これは、次に、種々のマイクロスフェアを形成するために用いられ得る。生理活性薬剤の組み合わせが用いられ得ることもまた意図される。
以下の実施例は、本開示の実施形態を示すために提出される。これらの実施例は、例示的であることのみであることが意図され、そして本開示の範囲を制限することは意図されない。また、部およびパーセントは、そうでないことが示されなければ、重量による。本明細書で用いられるとき、「室温」または「周囲温度」は、約20℃〜約25℃の温度をいう。そうでないことが特定されなければ、以下の実施例は、周囲温度、約1気圧の圧力で実施された。
(実施例1)
この実施例は、60重量%のブピバカインが充填されたポリ(乳酸−co−グリコール酸)(PLGA)マイクロスフェアの処方を記載する。
塩化メチレン(Spectrum Chemicals,New Brunswick,NJ)のミリリットルあたりに溶解された約0.24グラムのブピバカイン(BASF,Chicago,IL)とともに、Durect Corp.(Pelham,AL)から得た約0.16グラムのPLGAポリマー(ポリ乳酸(「PLA」)およびグリコール酸(「GA」)を約75:25の比で有するPLGA LACTEL(登録商標)ポリマー)を、塩化メチレンのミリリットルあたりに溶解し、溶液を形成した。この溶液を次いで、マイクロフスフェアを形成するための乳化剤としてポリビニルアルコール(PVA)を用いて、改変された水中油(o/w)エマルジョン/溶媒蒸発技法に供した。
マイクロスフェアのサイズ分画化は、異なる篩を用いて達成した。ブピバカインマイクロスフェアは、ステンレス鋼 US Standard (ASTM E−11)試験篩、8インチ直径(W.S.Tyler,Mentor,Ohio)を用いてそれらの個々のサイズ画分に湿式篩分けした。約150、105、および45マイクロメートルの3つの篩を上から順に積み上げた。溶媒蒸発の後、ブピバカインマイクロスフェアを含む連続相を、最上部の篩を通して注ぎ、そして、次の篩に、より小さい直径のマイクロスフェアを水圧で駆動するためにハンドヘルドスプレイヤを用いて、(インチ)あたり約90ポンドで加圧された脱イオン水で注意深く洗浄した。各篩の内容物を、次いで、ブフナー漏斗中にセットしたWhatman No.4濾紙(GE Healthcare,Little Chalfont,UKのWhatman Paper,Ltd,)を用いて減圧下で集めた。これらマイクロスフェアは、約4℃でアルゴンオーバーレイ下で貯蔵前に風乾させた。湿潤篩分けの後、約45マイクロメートル〜約105マイクロメートルのサイズ画分のマイクロスフェアを、約5マイクロメートル〜約75マイクロメートルの平均粒子サイズを有して得た。
サイズ分画化の後、マイクロスフェアのバッチを一晩風乾し、そして約4℃でアルゴンオーバーレイ下で貯蔵した。無菌化は、約11キログレイ(「kGy」)〜約13kGyでのγ線照射を用いてサンプルを照射するために、JS8900 Batch Gamma Irradiator(Steris Isomedix Corp.,Morton Grove,Illinois)を用いて実施した。
約50ミリグラムのブピバカインマイクロスフェアを、約50ミリリットルのアセトニトリル中に溶解し、そしてさらに、高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)グレードの水中、約10重量/容量%アセトニトリルによって希釈した。得られたサンプルを、次いで、HPLCアッセイによって分析し、ブピバカイン濃度を得た。薬物充填のパーセントは、出発サンプル中のブピバカインの総量を算出することによって決定し、それは、約50ミリグラムであった。薬物充填の標的%は、マイクロスフェアの約60重量%であり、そして達成された代表的な充填率は、マイクロスフェアの約55重量%〜マイクロスフェアの約60重量%であった。マイクロスフェアは、約65マイクロメートル〜約75マイクロメートルの平均直径、約10マイクロメートル〜約15マイクロメートルの標準偏差で均一に球であった。
回収されたブピバカインマイクロスフェアを、FEI Quanta 600FEG環境制御形走査電子顕微鏡(「SEM」)(FEI,Hillsboro,Oregon)を用いて造影した。ブピバカインマイクロスフェア標本は、カーボン接着テープ上にマウントした。内部セクションを剥き出すために、いくつかのブピバカインマイクロスフェアをレーザーブレードで断面が見えるようにしたか、またはエポキシ中にマウントし、そしてタングステンカーバイドミクロトームブレードで断面が見えるようにした。全体および切断標本を低真空および低キロボルト状態を用いて造影した。
図1Aおよび1Bは、それぞれ、約800倍および約1600倍での全体マイクロスフェアのSEM画像である。これらのSEM画像は、均一な球の幾何学的形状を有するマイクロスフェアを示す。
図2Aは、断面を見えるようにしたマイクロスフェアのSEMを示す。この画像は、マイクロスフェア内の均一に構造化されたマトリックスを示した。図2Bは、断面を見えるようにしたマイクロスフェアのラマン顕微鏡法の化学的画像を示し、マトリックス全体でブピバカインおよびPLGAの両方の均一な分配を示す。PLGAおよびブピバカインは、それぞれ、シアンおよびマゼンタの色によって識別し、これらは、断面全体に散らばっていた。図2Aおよび2Bの走査電子顕微鏡法およびラマン分光分析は、それぞれ、スフェア全体で、ポリマーおよび薬物/活性医薬成分(API)の比較的均一な分布を示し、ポリマーまたは薬物/APIいずれかバルク区画化の徴候もなかった。
マイクロスフェアのガス物理吸着等温線(示されてはいない)をまた得、マイクロスフェアは、約0.0834±0.0019(メートル)/グラムのBrunauer−Emmett−Teller表面積を有していた。比較のために、想定された円滑な表面をもつ約70マイクロメートルの直径を有するマイクロスフェアについての理論的表面積は、測定された真の密度1.138±0.0009グラム/ミリリットルを基に、約0.0750(メートル)/グラムであり、測定された表面積より有意により小さくない値であり、それ故、マイクロスフェアの低い間隙率を示唆している。
放出動力学を、約37℃でリン酸緩衝化生理食塩水(「PBS」)中インビトロで測定し、そして結果を図3に含まれるグラフにプロットした。ミリリットルあたり約100ミリグラムのブピバカインマイクロスフェアの懸濁物からのインビトロにおける放出初期速度は、時間あたり約0.6〜約0.75ミリグラムであった。図3のプロットは、最初のほぼ12時間の間はほぼ一定に放出が起こり;全体の放出可能なブピバカインの約50%がほぼ30時間までに送達され、そして全体の放出可能なブピバカインの約75%が約72時間までに送達されたことを示した。この放出の動力学は、拡散を基礎にした制御放出システムのHiguchiモデル内に適合する。蓄積パーセント放出 対 時間の平方根の一次プロットは、約0.985のR値を生じた。
図4は、図3の放出プロフィールのプロットの第1の導関数のプロットである。放出速度は、y軸上に2つの異なる単位、すなわち、時間あたりの%放出および時間あたりのミリグラムで表した。時間あたりミリグラムの値は、臨床前研究におけるマイクロスフェアに対して注入あたり送達された実際の総用量に基づいて算出し、これは、注入あたり約34.0±1.0ミリグラムの平均であった。放出の初期速度は、最初のほぼ7〜13時間の間は、時間あたり約0.6から0.75ミリグラムで変動した。
(実施例2)
この実施例は、プラシーボのポリ(乳酸−co−グリコール酸)(PLGA)マイクロスフェアの形成を記載する。
プラシーボのマイクロスフェアが、ブピバカインなしで調製されたことを除き、上記実施例1で提示したのと同じプロセスに従った。
(実施例3)
この実施例は、実施例1のマイクロスフェアの存在の効果を決定するための、実施例1のマイクロスフェアおよび実施例2のプラシーボのマイクロスフェアのラット中への移植を記載し、後者はネガティブコントールとして用いた。
ラットにおける実験的開胸術によって誘導される慢性の手術後痛覚過敏のためのモデルを、慢性の手術後の痛みを低減する実施例1の浸潤マイクロスフェアの能力および持続時間を調べるために、手術後ほぼ4週間(約28日)の間、用いた。実施例1のマイクロスフェアを、実験的開胸術のための切開−後退位置を取り囲む皮下区画中に手術前に置き、そして開胸術後の延長された痛覚過敏における減少を観察した。
すべての手順は、実験室動物のケアおよび取扱いのための国際標準を遵守して行った。雄のSprague−Dawley(「S−D」)ラットは、Charles River Laboratory(Wilmington,MA)から購買し、そして制御された約20%〜約30%の相対湿度、周囲温度、そしてほぼ12−12時間の光−暗サイクルの動物収容施設中、食餌および水への自由アクセスで維持した。彼らは、手順前約5〜7日間馴養され、ストレスで誘導される痛覚脱失を最少にし、そして各々の個々の動物についてベースライン挙動パラメータを確立するために実験環境に慣らした。手術のとき、動物を秤量すると約280グラム〜約310グラムであった。
8匹ずつのラットの3つの群を、3つの個々の条件で研究した。各群は、各々4匹のラットの2つのコホートの合計であり、各コホートは、同日に供給者から受け、そして同時に馴養され、かつ手術を受けた。群中のすべての8匹のラットからのデータは、コホート識別にかまわずに、一緒に分析した。
すべてのラットは、以下に記載のように開胸術を受けた;第1の群は、手術前に切開部位で実施例1のマイクロスフェアの約60ミリグラムを、第2の群は、同じ位置および時間に実施例2のプラシーボのマイクロスフェアの約40ミリグラムを、そして第3の群は、切開部位から約10センチメートル遠隔の、麻酔された皮膚が手術場まで延びないが、そこからの全身摂取が非常に似ているであろう尾部位置に、実施例1のマイクロスフェアの約60ミリグラムを注入した。第3の群の注入は、実施例1のマイクロスフェアから放出され、そして循環中に再吸収される全身のブピバカインの可能な影響を制御するために用いた。
実施例1および2のマイクロスフェアの皮下注入は、ラットが銃口触発のセボフルランから短い全身麻酔下にあった間、21ゲージの薄壁のベベル針(Becton−Dickinson)を通じて行った。約60ミリグラムのブピバカインベースを含む約0.6ミリリットルの容量をまた、ほぼ2センチメートルの直径の概略円形領域、開胸術のための切開の長さを麻酔するために、意図された切開および後退の位置の下に、手術前約2時間に注入した。
ラットを、腹腔内にナトリウムペントバルビタール(NEMBUTAL(登録商標),Akorn,Inc.,Lake Forest,IL)を約60ミリグラム/キログラム投薬量で受ける前に、約4%〜約5%のセボフルラン(SEVORANE(登録商標),Abbott Laboratory,North Chicago,IL,USA)で簡単に麻酔した。動物は、次いで、気管に挿管された。麻酔されたラットは、首の下に小さな枕を置いて仰臥位置に置いた。ナンバー3の検鏡を備えた耳聴診管(Welch Allyn,Inc.,Skaneateles Falls,NY)を動物の中咽頭中に導入し、そしてタングを穏やかに後退させ、そして左人差し指圧縮によって検鏡上に固定した。ガイドワイヤ(スプリングワイヤガイド:0.46ミリメートル直径、25センチメートル長さ;Arrow International,Inc.,Reading,PA)を喉頭蓋を通り、次いで声帯を通って気管中に導入した。耳聴診管をワイヤ上で除去し、そして16ゲージのポリエチレンカテーテル(ANGIOCATH(登録商標)1.7×51ミリメートル INSYTE(商標)AUTOGUARD(商標)翼あり;BD Infusion Therapy Systems Inc.,Sandy, UT)をその全長までワイヤ上を滑らせた。ワイヤを除去し、カテーテルを、分あたり約65〜約80の呼吸の呼吸速度にセットされた小動物圧力制御ベンチレータ(TOPO(登録商標)220;Kent Scientific Corporation,Torrington,CN)からの管材に取り付けられたY−コネクタに接続した。イソフランベポライザ(SURGIVET(登録商標))をベンチレータの取入口に接続し、必要に応じて酸素中約1.0%〜約1.5%の濃度でイソフルランを送達した。二酸化炭素アナライザ(CAPSTAR−100(登録商標);IITC Inc.,Woodland Hills, CA)を呼気端に接続し、呼気終末の二酸化炭素をモニターし、これは、外科手順の持続時間の間、約25ミリメートル水銀(「mmHg」)〜約40mmHgで維持した。
麻酔されたラットを、手術場を高めるために反対側の脇の下に枕を置き、左床擦れ位置においた。耳のラインの下および上腸骨頂点の上の皮膚を両側で剃った。ほぼ3センチメートルの切開を、中線の側方約1センチメートルおよび右肩甲骨の劣角の下1センチメートルから開始し、第四肋間ラインに沿って右側方胸郭の皮膚に作製した。肋骨を覆う表面および深部側方胸部筋肉を切開し、そして肋間筋を剥き出すために引っ込めた。ほぼ1センチメートルの切開を、第五肋骨の頭部縁に沿って肋間筋および肋膜を通って作製した。小さな開創器(モデル17003−03,約4.5ミリメートル深さ、約6.5ミリメートルの幅の鋭い歯Goldstein 3x3;FST,Inc.,Foster City,CA)の鈍い枝を第四および第5肋骨の下に置いた。開創器を開き、肋骨を約1センチメートルだけ分離し、そして約60分間その場に残した。この時間の間、開いた創傷を湿潤包帯ガーゼで覆い、滅菌PBSで湿りを保った。約1時間後、開創器を閉じ、そして取り除き、第四および第五肋骨を接近させ、そして4−0 VICRYL(登録商標)縫合糸(Ethicon,Sommerville NJ)で堅く結紮した。ポリエチレン管材に取り付けた5ミリメートルシリンジで胸膜腔から空気を吸引し、名目上の胸腔内圧力を回復させた。肋骨を覆う表面筋を次いで、4−0 VICRYL(登録商標)で並べ、そして皮膚を、3−0 PROLENE(登録商標)縫合糸(Ethicon,Sommerville NJ)を用いて閉じた。動物を回復させ、そして一旦自発呼吸が再確立されたなら、気管内カテーテルを取り除いた。
痛閾値を、約31日の全試験期間の間、手術前約3日および手術後約28日を含み、毎日および隔日にアッセイした。試験は、各別個のコホートについて約3時間の間、日の同時刻に実施した。ラットから任意の応答を惹起するために必要な閾値力は、一連の単一のvon Freyヘアモノフィラメント(「VFH」)を用いてラットの剃った胸部腰部の背の領域に対して押しつけることによって決定された。各ラットは、ラットが彼らの体を再配向し、そしてそれ故、走り去ることなく、可能な痛い刺激から逃げることを可能にする「保持チャンバ」中に緩く拘束されている間、VFHで探ることによってのみ試験された。個々のVFHフィラメントは、約1グラム質量(「gm」)から約2gmまでの最も軽い力から始め、そして一連の増加する厚み/力で応答が惹起されるまで進行し、しかし、約15gmまでに制限した。この最高の力に対してでさえ、応答しなかったラットは、15gmの閾値に割り当てた。なぜなら、より強い力が、繰り返され刺激後の皮膚の局所膨潤/炎症を引き起こしたからである。
一旦、任意の応答が惹起されると、次の刺激は、先の有効でない力のVFHにより、ついで再び有効な力によった。閾値は、信頼性があって応答を惹起できた最も弱い力として規定され、例えば、3突きから3回の応答である。
上記のように、ラットは手術前約5日〜約7日の間馴養し、「ストレス誘導痛覚脱失」を廃し、そして安定な手術前ベースライン閾値の確立を可能にした。この閾値は、手術に先行する3日の各日に測定された閾値の平均から算出された。
閾値での応答の性質は手術後に変化したので、応答は、「定量的痛覚過敏プロフィール(「QHP)」」によって特徴付けた。挙動は、以下の表1に示されるグレードの次のスコアリングシステムに従って分類した:
挙動のこれらのパターンは、手術前および手術後の「痛み」の異なるステージの特徴であった。グレード0およびIは、無傷の手術前の皮膚で起こっただけの応答であって、約15gmのVFH力によって惹起された。手術後、閾値刺激、例えば、約3gmに応答して、グレードIIおよびIIIが観察された。
手術前に実施例1のマイクロスフェアおよび実施例2のプラシーボマイクロスフェアを注入されたラットの3群の機械的閾値応答のプロットは記録され、そして図5に示されるように、28日についてプロットした。図5を参照して、黒塗り四角のデータ点は、切開部位に実施例1のマイクロスフェアを注入されたラットの第1の群の閾値応答を表す。黒塗り円のデータ点は、切開部位に実施例2のブシラーボマイクロスフェアを注入されたラットの第2の群の閾値応答を表す。中抜きの四角のデータ点は、実施例1のマイクロスフェアを注入されたが、切開部位から約10センチメートルの尾部である第3の群のラットの閾値応答を表す。
3つすべての群のラットにおいて、最初の手術後3日間の閾値は、約15gmであったことが観察された。しかし、第2の群および第3の群の閾値は、次いで、残りのほぼ25日間について、それぞれ、約3gmおよび約5gmに低下した。対照的に、第1の群においては、閾値における初期低下は、約4日後に約10gmで引き止められ、そして試験の次の24日についてそこに留まった。この抗痛覚過敏効果が、マイクロスフェアから放出され、そして局所的な皮膚反応および皮下循環によって再吸収され、全身に分配されたブピバカインから生じた可能性は、同じ手術前のときではあるが、より遠い尾部位置に注入された第3の群によって試験された。この処置の効果は、創傷部位で実施例2のプラシーボマイクロスフェアを有する群のものとは有意には異ならず、そして手術後の抗痛覚過敏に対する全身性ブピバカインの寄与を排除した。
図6A−Hは、実施例1のマイクロスフェアで処置した第1の群の1〜8で番号付けした個々のラットの平均の閾値応答の複数のプロットを示す。実施例1のマイクロスフェアを受けた第1の群の8匹のラットの各々は、閾値変化の時間経過の3つのパターンの1つを示した。経過1:閾値が、手術後約第5日または6日までに約8gmまで落ち、そしてそこに留まった、例えば、ラット番号1〜3。経過2:ラット番号5〜7で観察されるように、閾値は15gmの手術前ベースラインに留まり、感受性はなかった。経過3:ラット番号8で観察されるように閾値は約2gmの低い値に落ち、そしてそこに留まった。ラット番号8は、約10gmの異常に低いベースライン閾値を有し、そして手術後約2gmまで持続する低下を示した。ラット番号4は、約10日目に約2gmまで閾値の一時的低下を示したが、次いで、約16日までには約8gmに逆転し、そしてそのままであった。
図7A−Hは、実施例2のプラシーボマイクロスフェアを受けた第2の群の1〜8で番号付けられた個々のラットの複数のプロットを示す。実施例2のプラシーボマイクロスフェアを受けた第2の群の8匹のラットの各々は、閾値変化の時間経過の3つのパターンの1つを示した。経過1:ラット番号1および6は、約8gmの中間閾値までの減少を示した。経過2:すべてのラットは、手術後閾値において低下を示した。経過3:ラット番号2、4、5、および7は、約1gmの同じ低レベルまでの低下を示した。経過4:ラット番号3および8は、わずか4gmまで低下した閾値を有し、そしてほぼ28日を通じてそのままであった。
第1の群および第2の群の間の閾値経過の分布を以下の表2に示す。
実施例1のマイクロスフェアの手術前注入は、QHPによって示されたように、痛みを少なくしたことがまた観察された。上記の表1を参照して、上記3つの群の任意におけるすべてのラットのベースライン期間は、グレードIまたはグレード0応答のいずれかを示した;すなわち、ラットは、応答を有しなかったか、または局所背筋の収縮のみを有した。しかし、開胸術の後、グレードIIおよびIIIが観察されて閾値に現れ、そして優勢な挙動表現になった。
異なる手術後ステージにおける個々のラットのQHPグレードは、図8A−Cのプロットに示される。図8Aは、第1の群について、手術前、および手術後5、14、および28日にそれぞれとったQHP応答の棒グラフを示す。この第1の群においては、8匹のラットのうち3匹がグレードIの挙動を示し、その一方、残りの5匹はグレードIIおよびIIIの挙動を示したことが観察された。しかし、3匹のラット、グレードIの彼らのQHPグレードを保持した番号5〜7は、図6E−Gに示されるように、手術後閾値における低下を示さなかったのと同じラットであった。従って、より高いQHP応答を惹起するために要求されるVFH力に基づき、実施例1のマイクロスフェアは、ほぼ28日の間、慢性の手術後の痛みを処置することに成功した。
図8Bは、第2の群について、手術前および日5、14および28にそれぞれとったQHP応答の棒グラフを示す。この群では、手術後14日および28日に、第2の群の8匹のラットの7匹においてグレードIIおよびIIIが観察され、1匹のラットのみが、グレードIの挙動を示した。図8Cは、第3の群について、手術前および日5、14および28にそれぞれとったQHP応答の棒グラフを示す。この群における28日のQHP分布は、第2の群のそれとほとんど同一であった。
実施例1のマイクロスフェアはまた、ラットにおける坐骨神経ブロックおよび皮下浸潤麻酔について試験された。坐骨神経には、実施例1のマイクロスフェアの、約40ミリグラムのブピバカインを有する公称投与量を、約0.4ミリリットルの単回ボーラスとしての注入によって注入した。注入シリンジ中に保持された材料の分析は、注入された用量は、約34±1ミリグラムのブピバカインであったことを示した。足をつねることに対する侵害受容ブロックは、約23±7時間の間の完全な非応答性;約12±10時間の間続く全身弛緩麻痺によって示される運動ブロックを示した。これら個々の機能の半分の回復は、約42±6時間および36±3時間で起こり、そして正常なブロック前機能は、侵害受容について63±8時間、そして運動ブロックについて56±7時間までに回復した。比べると、約0.5重量%の水性ブピバカイン溶液の約0.4ミリリットルの注入は、侵害受容について約0.5時間〜約1時間、そして運動機能について約1時間のみの完全ブロックを与え、両方の機能については、約3時間までには完全に回復した。実施例2のマイクロスフェアは、機能的欠損は引き起こさなかった。
実施例1のマイクロスフェアはまた、齧歯類手術後の抗痛覚過敏効果について試験された。坐骨神経によって専ら神経刺激される側方領域中の足切開は、切開近傍の足底に付与されたVFHによって試験されたように、約3日から約4日に第3の群のラットにおいて、触覚異痛症および触覚過敏を生じた。実施例1のマイクロスフェアが手術前ほぼ1.5時間に坐骨神経に注入された場合、引き続く手術後痛覚過敏は、約4日間抑制された。対照的に、0.5重量%水性ブピバカイン溶液による神経ブロックは、手術後の痛覚過敏を約6時間抑制した。実施例2のマイクロスフェアは、切開後の痛みに対しては効果的ではなかった。
第2の手術シナリオでは、実施例1のマイクロスフェアは、背皮膚の切開および鈍解剖前の胸部−腰部領域における皮膚浸潤として注入された。約40ミリグラムのブピバカインを含む、実施例1のマイクロスフェアは、約0.4ミリリットルの単回ボーラスとして注入された。注入は、注入領域におけるVFH突きに対する約6時間の麻酔、そしてピン突き傷に対する約12時間の麻酔を生じた。このモデルにおける手術後異痛症および痛覚過敏は、約14日間継続したが、手術前ほぼ2時間で注入された実施例1のマイクロスフェアによって、それぞれほぼ5日間および3日間の間抑制された。0.5重量%の水性ブピバカイン溶液の約0.4ミリリットルは、丁度実施例2のマイクロスフェアもまた有効でなかったように、手術後の痛覚過敏を低減するには有効ではなかった。さらに、切開部位の反対側の背側への実施例1のマイクロスフェアの同じ用量の注入は、手術後の痛みに対して影響を有さず、全身に分配された局所麻酔剤は、単独ではいずれの治療効果も生じなかったことを示唆している。
(比較例1)
この例は、ブピバカインリポソームの注射可能な粒子の懸濁物EXPAREL(登録商標)(Pacira Pharmaceuticals,Inc.,San Diego,CA)粒子からのブピバカインの放出動力学を記載する。EXPAREL(登録商標)は、ホスホリピド(例えば、ジオレイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジエルコイルホスファチジルコリン(DEPC)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG))、コレステロールおよびトリグリセリド(例えば、トリオレイン、トリカプリリン)のような脂質から構成される粒子の多重小胞懸濁物である、DEPOFOAM(登録商標)(Pacira Pharmaceuticals,Inc.,San Diego,CA)粒子中にカプセル化されたブピバカインを含む。
EXPAREL(登録商標)懸濁物は、約97重量%のブピバカインの水性溶液および約3%の脂質を含み、そして完全に生分解性であると予期された。このEXPAREL(登録商標)懸濁物は、注入のために0.9重量%生理食塩水中に懸濁された。
EXPAREL(登録商標)粒子の平均直径は、位相差顕微鏡によって測定したとき、約31.2±17.8マイクロメートルであった。EXPAREL(登録商標)粒子のブピバカイン含量の分析は、20ミリリットル懸濁物あたり約261±18ミリグラムであり、懸濁物の約1.33重量%に相当した。DEPOFORM(登録商標)粒子のブピバカイン充填は、従って、懸濁物の約47.4±3.3重量%であり、そして市販され入手可能なEXPAREL(登録商標)粒子は、ミリリットルあたり約13±0.9ミリグラムのブピバカインを含んでいた。
市販され入手可能なEXPAREL(登録商標)粒子からのブピバカインの放出動力学は、約37℃でPBS中の透析によって測定され、そして最初のほぼ50時間の間の約10%のブピバカインの比較的迅速な初期放出、次いで約25%の別のブピバカインが300時間に亘って放出されたより遅い相;含まれたブピバカインの別の50%が次の約100時間に亘って迅速に放出され、そして次に残りの薬物が次の約300時間に亘ってゆっくりと放出されたことが示された。全部で約800時間が、全部のブピバカインが放出されるために必要であった。高度に異例の放出の動力学は、DEPOFOAM(登録商標)粒子内のブピバカインの分布の均一性の欠如、またはDEPOFOAM(登録商標)ブピバカインの異なるサイズおよび組成物における均質性の欠如のいずれかを暗示する。このような粒子サイズにおける均質性の欠如はまた、上記のような平均直径における大きな分散によって示唆されている。
EXPAREL(登録商標)粒子の抗侵害受容活性もまた試験した。足の足底表面に付与された約56℃の有害な熱刺激からS−Dラットにおける脚引っ込めの反応時間を、EXPAREL(登録商標)を用いて達成される機能的坐骨神経ブロックの持続時間を試験するために用いた。足引っ込めの通常の反応時間は、約2秒であり、そして「最大知覚ブロック」は、約12秒の反応時間によって特徴付けられた。キログラムあたり約25ミリグラムのブピバカインに相当した、約310グラム〜約420グラム体重の成体雄S−Dラットの坐骨神経近傍に注入された、約7.8ミリグラムのブピバカインを含むEXPAREL(登録商標)の約0.6ミリリットルの知覚ブロックは、反応時間が、約2秒の注入前反応時間に戻る中途の約7秒まで戻るまでの注入からの時間によって決定された。この規準により、EXPAREL(登録商標)からの知覚ブロックは約240分続き、そしてコントロールとして用いた約0.5重量%のブピバカインの0.6ミリリットル溶液からは約120分続いた。
(比較例2)
この例は、Purdue Pharma L.P.,Stamford,CTからのブピバカインポリエステルマイクロスフェアからのブピバカインの放出動力学を記載する。
Purdueマイクロスフェアは、PLGAポリマーから作製され、ブピバカインをカプセル化している。マイクロスフェアはインビボで試験され、そしてマイクロスフェアの約75±2重量%のブピバカイン、およびマイクロスフェアの0.05重量%のデキサメタゾンがカプセル化された、PLA:GAが約65:35の比のPLGAを含んでいた。デキサメタゾンは、インビボでマイクロスフェアによる局所麻酔の持続時間を約1日より多く増加するために用いた。しかし、デキサメタゾンを含めたことは、インビボにおけるブピバカイン放出に影響しなかった。
Purdueマイクロスフェアは、約76マイクロメートルの平均直径を有していた。これらマイクロスフェアの放出動力学は、PLA:GA比に依存しているように見えた。純粋なPLAマイクロスフェアは、約1日未満で約100%のブピバカインを放出した。対照的に、約50:50のPLA:GA比でPLGAを含むマイクロスフェアは、約100%のブピバカインを、約2日の半減期を有するほぼ一次の指数関数動力学で放出した。25%のブピバカインが最初の数時間で放出された初期「バースト放出」が存在したことがまた観察された。同じバーストが、約75:25の比のPLGAを有するマイクロスフェアについて生じ、次のほぼ10日にわたるかなり均一な放出動力学が続き、しかし最終的には、約80%のみの含有薬物が、この処方物によって送達された。約65:35の比のPLGAを有するマイクロスフェアは、バースト放出は示さなかったが、これもまた、充填されたブピバカインのほぼ80%を放出したのみであった。
Purdueマイクロスフェアを、熱反応時間を用いて局所麻酔について試験した。坐骨神経ブロックは、雄のS−Dラットの坐骨神経の近傍に注入されたブピバカインのキログラムあたり約150ミリグラムの投与量で達成した。ブロック持続時間は、デキサメタゾンを含まなかった調製物については約3時間〜約6時間であったが、Purdueマイクロスフェアの約0.05重量%の濃度でデキサメタゾンを含めたときは約70時間〜約100時間まで延長された。そのブロックされた脚に対する重量を負担するラットの能力によって決定された運動ブロックは、幾分より長く続き、そしてまたデキサメタゾンを含めることにより約160時間まで大きく延長された。
Purdueマイクロスフェアによって引き起こされた局所炎症が観察され、そして短いブロック持続時間に関連していると考えられた。これは、Purdueマイクロスフェアを羊の肋間胸部神経の周りにを注入することによって確認した。胸郭を覆う皮膚に対する有害なつまみに対するブロックの持続時間は、Purdueマイクロスフェアの約0.05重量%の濃度でデキサメタゾンを含めることにより延長された。キログラムあたり約40ミリグラムまたは神経あたり約8ミリグラムの用量は、5つの神経が各ブロックについて注入されて以来、約2±1日続き、そしてデキサメタゾンを含めることにより約約10±3日まで増加した。デキサタメゾンなくしてPurdueマイクロスフェアが注入された組織からとられた筋肉の組織学は、注入後の約7時間という初期に好中球(PMN)の激しい侵入を示し、そして約4日までに多くのマクロファージの存在をともなう肉芽腫性浸潤に発展した。対照的に、Purdueマイクロスフェアをデキサメタゾンとともに注入した場合、組織の組織病理学は、ほとんど正常であった。増加したブロック持続時間と減少した局所炎症と間の相関関係は、原因となる関係のためのサポートを提供した。この関係は、炎症のある領域の周りの環境、例えば、炎症のない組織における約7.4のpHと比較して約6.9〜約7.2のわずかに酸性のpHが、荷電された神経非浸透種(約8.1の塩基性pHを有する)に対する中性の神経浸透性ブピバカイン種の比率を低減し、そしてそれ故、神経内容物およびブロックの持続時間を低減したことを示唆している。
(考察)
ここでの議論は、実施例1のマイクロスフェア、比較例1の組成物、および比較例2のマイクロスフェアの物理的、化学的、および薬物放出性質、ならびに、臨床前動物研究におけるインビボのしびれ感に影響するそれらの能力および実験的な術後の痛みを低減するそれらの能力を比較した。
比較例2の制御放出マイクロスフェアは、二次的な活性薬学的成分として処方物中のデキサメタゾンの取り込みに単に起因する放出プロフィールを達成した。実施例1のマイクロスフェアは、マイクロスフェア処方物中の唯一の活性な薬学的成分としてブピバカインの使用で、24時間後、数日続くラットにおける痛みの有意な減少を示した。
比較例2のマイクロスフェアで達成された薬物充填レベル、および実施例1のマイクロスフェアのそれは、両方とも比較的高く、それぞれ約75%および約60%であった。さらに、動物あたり投与された合計薬物投与量は、同様に類似しており、比較例2のマイクロスフェアでキログラムあたり約150ミリグラム、および実施例1のマイクロスフェアでキログラムあたり約133.3ミリグラムであった。なお、比較例2のマイクロスフェアは、慢性の痛みに対して報告された効果はなく、その一方、実施例1のマイクロスフェアは、約28日間の手術後の慢性の痛みを和らげた。それ故、性能における差異は、ブピバカインの生物学的利用能およびインビボの効き目に影響する放出の動力学における差異に起因すると考えられる。
比較例2のマイクロスフェアの放出動力学の比較は、インビトロにおけるブピバカインの放出の約75%が、約7日に亘って起こったことを示唆した。対照的に、実施例1のマイクロスフェアでは、75%のブピバカインが、約3日にインビトロで放出された。従って、放出の有効な速度は、約2より大きい係数によって異なる。しかし、この平均の差異は、ブピバカイン放出の初期のほぼ6時間〜12時間と対照的である。比較例2のマイクロスフェアでは、「バースト効果」がインビトロで観察され、その一方、実施例1のマイクロスフェアは、目立ったバースト効果を有さずに、むしろ、図4に関して上記で論議されたように、時間あたりほぼ0.6〜0.75ミリグラムの比較的一定の放出速度を有していた。この観察に一致して、バースト効果を低減することが、ブピバカインについてはインビトロの効き目を延ばし得るが、バースト効果を低減することが慢性の痛みに影響し得るということは示唆していないようであると考えられる。
実施例1のマイクロスフェアについて、図2Bのラマン分光分析データに基づくマイクロスフェア断面全体でポリマーおよびブピバカインの両方の均一な分配、ならびにこれらのマイクロスフェアの低間隙率(ガス物理吸着データ)は、ブピバカインについて、比較的一定の放出速度を達成することに寄与したと考えられる。ラマン分光分析および間隙率データはまた、ブピバカイン放出についての表面腐食および拡散ベースの機構と一致し、推論は、処方物についてHiguchiモデルとの比較的良好な適合によって支持され、拡散ベースの制御放出システムについて約0.985であるRである。
比較例1の組成物はまた、ウサギおよびイヌに注入され、そしてブピバカインの血液レベルが、次の数日間にわたって測定された。皮下用量が、ミリリットルあたり約25ミリグラムの異なる用量または希釈として送達された、キログラムあたり約9、18、および30ミリグラムの濃度でブピバカインを含み、背中線の周りの左側および右側に注入された。ウサギ中の血漿ブピバカインは、キログラムあたり9、18および30ミリグラムの単回ボーラス注入から、ミリリットルあたり約213±145、147±60、および94±45ナノグラムのピーク値にそれぞれ到達した。与えられた用量と、達成された血漿レベルとの間のこの逆の関係は、局所脈管常態に対する異なる影響および生じる薬物除去とともに、異なる用量および局所濃度の皮下拡散のための表面対容量比に影響して、異なる用量を送達するための異なる容量および希釈の使用から生じたかも知れない。ピーク血漿値は、キログラムあたり約9ミリグラムおよびキログラムあたり約18ミリグラムのそれぞれの用量の注入後、約1時間〜約4時間で、そしてキログラムあたり約30ミリグラムの用量の後、26±24時間で生じた。
イヌにおける類似の皮下注入は、それらのより重い体重に起因してより高い合計用量で、キログラムあたり約9、18および30ミリグラムの単回注入で、ミリリットルあたりそれぞれ約488±335、560±299、および633±280ナノグラムのブピバカインのピーク血漿濃度を生じた。キログラムあたり約9ミリグラムおよびキログラムあたり約18ミリグラムの用量は、約0.5時間で生じる血漿中のピーク値に至り、そしてキログラムあたり約30ミリグラムの用量は、約48±30時間でピークに至った。
従って、比較例1の組成物または比較例2のマイクロスフェアのいずれも、慢性の痛みを処置する上で何等の影響も有さなかった。比較例1の組成物および比較例2のマイクロスフェアは、ブピバカインの持続放出を提供したが、最初の数日後に生じたブピバカインを完全に放出した後に痛みを軽減することに関し何等の効果を有さなかった。上記に記載のように、実施例1のマイクロスフェアのみが、ほぼ28日の全体に亘って慢性の痛みに対して影響を有することが示された。実施例3で集めたデータは、実施例1のマイクロスフェアが、比較例1の組成物、比較例2のマイクロスフェア、およびその他の持続放出ブピバカイン処方物からは存在しない、慢性の痛みを処置するための予期せぬ性質を所有していることを示す。
上記で開示される特徴および機能、およびその他の特徴および機能またはその代替物は、多くのその他の異なるシステムまたは適用に所望されて組み合わされ得ることが認識され得る。また、その中の種々の現在予期できなかったか、または予期せぬ代替物、改変物、変形物または改良物が、当業者によって続いてなされるかもしれず、それらもまた、添付の請求項によって包含されることが意図される。請求項に特定して記載されていなければ、請求項に記載のステップまたは構成要素は、任意の特定の順序、数、位置、サイズ、形状、角度、または材料について、明細書または任意のその他の請求項から暗示されるか、またはインポートされるべきではない。

Claims (13)

  1. 慢性の痛みを処置するための少なくとも1つのマイクロスフェアを含む組成物であって、
    少なくとも1つの生分解性ポリマー、および少なくとも1つの局所麻酔剤を含み、
    ここで、該少なくとも1つの局所麻酔剤の約75%が約72時間までに放出され、そして該少なくとも1つの局所麻酔剤の約80%〜約90%が約120時間までに放出されることによって、少なくとも28日間慢性の痛みを軽減し、
    該少なくとも1つの生分解性ポリマーが、約75:25の比のポリ乳酸およびグリコール酸を含むポリ(乳酸−co−グリコール酸)であり、
    該組成物が処置部位に移植され、
    該少なくとも1つの局所麻酔剤がアミド型局所麻酔剤である、
    組成物。
  2. 前記少なくとも1つの局所麻酔剤が、リドカインブピバカイン、メピバカイン、プリロカイン、アルチカインジブカインエチドカインおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記少なくとも1つの局所麻酔剤が、ブピバカインである、請求項2に記載の組成物。
  4. 前記少なくとも1つの局所麻酔剤が、前記マイクロスフェアの約60重量%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記マイクロスフェアの表面積の約1%〜約60%の間隙率を有するシェルを含む、請求項1に記載の組成物。
  6. 前記組成物が、手術前に移植される、請求項1に記載の組成物。
  7. 前記組成物が、手術後に移植される、請求項1に記載の組成物。
  8. 前記組成物が懸濁物中に含まれる、請求項1に記載の組成物。
  9. 前記懸濁物が前記処置部位に注入される、請求項に記載の組成物。
  10. 前記懸濁物が医療デバイスの少なくとも一部分上に堆積して該デバイス上にフィルムを形成し、該フィルムが少なくとも1つのマイクロスフェアを含む、請求項に記載の組成物。
  11. 慢性の痛みを処置するための少なくとも1つのマイクロスフェアを含む組成物であって、
    少なくとも1つの生分解性ポリマー、および少なくとも1つの局所麻酔剤を含み、
    ここで、該少なくとも1つの局所麻酔剤が、最初のほぼ120時間の間に実質的に直線状に放出されることによって、少なくとも28日間慢性の痛みを軽減し、
    該少なくとも1つの生分解性ポリマーが、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)であり、
    該ポリ(乳酸−co−グリコール酸)が、約75:25の比のポリ乳酸およびグリコール酸を含み、
    該組成物が処置部位に移植され、
    該少なくとも1つの局所麻酔剤がアミド型局所麻酔剤である、
    組成物。
  12. 前記少なくとも1つの局所麻酔剤が、ブピバカインである、請求項11に記載の組成物。
  13. 前記少なくとも1つの局所麻酔剤が、前記マイクロスフェアの約60重量%の量で存在する、請求項11に記載の組成物。
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