JP6734681B2 - 塗布容器及び塗布器具 - Google Patents

Description

本発明は、塗布器具に関する。

従来、鎮痛剤等の薬液を皮膚に塗布するための塗布器具が知られている。例えば、特許文献１には、薬液を収容する塗布容器と、塗布容器に接続された塗布部と、を備える塗布器具が開示されている。塗布容器は、底壁と、底壁の外縁から起立する形状を有する胴部と、胴部に接続された口部と、を有している。口部は、底壁と直交する方向に対して交差する方向に開口している。胴部は、底壁に接続された基部と、基部から口部に向かうにしたがって次第に縮径する縮径部と、口部の中心軸と直交する方向について前記中心軸を基準として底壁が位置する側とは反対側の位置で縮径部と口部とを連結する背側首部と、を有している。

特開２００７−１５２１３８号公報

特許文献１に記載されるような塗布器具では、背中の中央部ないしその近傍の部位（以下、「中央部等」という）への薬液の塗布が困難である。背中の中央部等へ薬液を塗布する場合、使用者は、肩越しにこの塗布器具で薬液を塗布することが多い。具体的に、使用者は、基部のうちの底壁の近傍の部位を親指、人差し指及び中指の３本の指で把持した状態でかつ塗布部ないし口部が底壁よりも下方に位置する下向き姿勢で肩越しにこの塗布器具を使用することが多い。ここで、上記塗布器具では、塗布部ないし口部が底壁よりも上方に位置する上向き姿勢から前記下向き姿勢にすると、塗布容器内の薬液は、縮径部の内面に衝突することにより波立ち、その直後に背側首部の内面に衝突することによりさらに波立つ。このとき、大きな衝撃力が生じるので、基部のうちの底壁の近傍の部位を前記３本の指で把持する持ち方では、使用者が塗布容器を落下させるおそれがある。

本発明の目的は、上向き姿勢から下向き姿勢にしたときの薬液による衝撃力を低減可能な塗布容器及び塗布器具を提供することである。

前記課題を解決するための手段として、本発明は、薬液を収容可能な塗布容器であって、底壁と、前記底壁の外縁から起立する形状を有する胴部と、前記胴部のうち前記底壁側とは反対側の端部に接続されており、前記底壁と直交する方向に対して交差する方向に開口する口部と、を有し、前記胴部は、前記底壁に接続された基部と、前記基部から前記口部に向かうにしたがって次第に縮径する縮径部と、前記縮径部と前記口部との間に介在する介在部と、前記口部の中心軸と直交する方向について前記中心軸を基準として前記底壁が位置する側とは反対側の位置で前記介在部と前記口部とを連結する背側首部と、を有し、前記胴部のうち前記口部が開口している側と同じ側における前記基部と前記縮径部との第１腹側境界の内面は、外向きに凸となるように湾曲する形状を有しており、前記胴部のうち前記口部が開口している側と同じ側における前記縮径部と前記介在部との第２腹側境界の内面は、内向きに凸となるように湾曲する形状を有し、前記口部の内周面には、当該口部の径方向について外向きに凸となるように窪む溝部が形成されている、塗布容器を提供する。

本塗布容器では、第１腹側境界の内面が外向きに凸となるように湾曲しており、第２腹側境界の内面が内向きに凸なるように湾曲しているので、当該塗布容器が上向き姿勢（口部が底壁よりも上方に位置する姿勢）から下向き姿勢（口部が底壁よりも下方に位置する姿勢）にされたときにおけるこれら境界での薬液の波立ちが抑制される。しかも、縮径部と口部との間には介在部が存在しており、第２腹側境界から背側首部までの距離が長く確保されるため、上向き姿勢から下向き姿勢にされたときに第２腹側境界を通過した薬液がこの介在部で整流される。よって、薬液が背側首部の内面に衝突したときに生じる衝撃力が低減される。したがって、基部のうち底壁の近傍の部位を親指、人差し指及び中指の３本指で把持した状態で塗布容器を上向き姿勢から下向き姿勢に変更したときに使用者が当該塗布容器を落下させることが抑制される。

さらに、口部から流出する 薬液の乱れが抑制される。

また、前記塗布容器において、前記基部は、当該基部のうち前記口部が開口している側とは反対側に形成されており当該基部の径方向について外向きに突出する形状又は内向きに窪む形状を有する背面指掛け部を有することが好ましい。

この態様では、基部のうち底壁の近傍の部位を親指、人差し指及び中指の３本指で把持するときに背面指掛け部に人差し指を掛けることができるので、塗布容器を上向き姿勢から下向き姿勢に変更するときに使用者が塗布容器を落下させることがより確実に抑制される。

具体的に、前記背面指掛け部は、前記基部の径方向について外向きに突出する形状を有しており、前記背面指掛け部は、前記基部の径方向について前記底壁の外縁よりも外側において載置面に接触可能な背面下張出面を有することが好ましい。

このようにすれば、塗布容器を机等の載置面に載置したときに底壁の外縁よりも外側で背面下張出面が載置面に接触するので、底壁の外面のみが載置面に接触する場合に比べて塗布容器を載置面に載置したときの当該塗布容器の転倒が抑制される。

また、前記塗布容器において、前記基部は、当該基部のうち前記口部が開口している側とその反対側とを結ぶ方向と直交する方向の両側に形成されており当該基部の径方向について外向きに突出する形状又は内向きに窪む形状を有する一対の側面指掛け部を有することが好ましい。

この態様では、基部のうち底壁の近傍の部位を親指、人差し指及び中指の３本指で把持するときに一対の側面指掛け部に親指及び中指を掛けることができるので、塗布容器を上向き姿勢から下向き姿勢に変更するときに使用者が塗布容器を落下させることがより確実に抑制される。

具体的に、前記一対の側面指掛け部は、前記基部の径方向について外向きに突出する形状を有しており、前記一対の側面指掛け部は、前記基部の径方向について前記底壁の外縁よりも外側において載置面に接触可能な側面下張出面を有することが好ましい。

このようにすれば、塗布容器を机等の載置面に載置したときに底壁の外縁よりも外側で側面下張出面が載置面に接触するので、底壁の外面のみが載置面に接触する場合に比べて塗布容器を載置面に載置したときの当該塗布容器の転倒が抑制される。

また、本発明は、前記塗布容器と、前記塗布容器の口部に接続されており、前記塗布容器内の薬液を塗布可能な塗布部と、を備える塗布器具を提供する。

以上のように、本発明によれば、上向き姿勢から下向き姿勢にしたときの薬液による衝撃力を低減可能な塗布容器及び塗布器具を提供することができる。

本発明の一実施形態の塗布器具の側面図である。 図１に示される塗布器具の背面図である。 図２のＩＩＩ−ＩＩＩ線での断面図である。 塗布容器の平面図である。 背面指掛け部及び一対の指掛け部の変形例を示す図である。 背面指掛け部及び一対の指掛け部の変形例を示す図である。

本発明の一実施形態の塗布器具１について、図１〜図４を参照しながら説明する。図１に示されるように、本塗布器具１は、塗布容器１０と、塗布部９０と、を備えている。なお、図３及び図４では、塗布部９０の図示は省略されている。

塗布容器１０は、底壁２０と、胴部３０と、口部８０と、を有する。

底壁２０は、図３に示されるように、内向き（図３の上向き）に凸となるように湾曲する形状を有している。

胴部３０は、底壁２０の外縁から起立する形状を有する。胴部３０は、底壁２０と直交する方向に沿って延びる形状を有する。胴部３０は、基部４０と、縮径部５０と、介在部６０と、背側首部７０と、を有している。

基部４０は、底壁２０に接続されている。基部４０は、略円筒状を呈する。基部４０の詳細については、後述する。

縮径部５０は、基部４０から口部８０に向かうにしたがって次第に縮径する。具体的に、縮径部５０は、口部８０に向かうにしたがって、縮径部５０のうち口部８０が開口している側と同じ側（図１及び図３の左側）の部位が縮径部５０のうち口部８０が開口している側とは反対側（図１及び図３の右側）の部位に近づくように縮径している。以下、胴部３０のうち口部８０が開口している側と同じ側を腹側と称し、胴部３０のうち口部８０が開口している側とは反対側を背側と称する。腹側における基部４０と縮径部５０との第１腹側境界３１の内面は、外向きに凸となるように湾曲する形状を有している。

介在部６０は、縮径部５０と口部８０との間に介在する。介在部６０の腹側の部位は、内向きに凸となるように湾曲する形状を有している。この介在部６０の腹側の部位は、口部８０に接続されている。腹側における縮径部５０と介在部６０との第２腹側境界３２の内面は、内向きに凸となるように湾曲する形状を有している。

背側首部７０は、口部８０の中心軸Ａと直交する方向について前記中心軸Ａを基準として底壁２０が位置する側とは反対側の位置で介在部６０と口部８０とを連結する。換言すれば、背側首部７０は、背側において介在部６０と口部８０とを連結している。

口部８０は、胴部３０のうち底壁２０側とは反対側（図１の上側）の端部に接続されている。この口部８０は、底壁２０と直交する方向に対して交差する方向に開口している。図３に示されるように、口部８０の内周面には、当該口部８０の径方向について外向きに凸となるように窪む溝部８２が形成されている。なお、この溝部８２は、省略されてもよい。また、口部８０には、キャップを取り付けることが可能である。

塗布部９０は、口部８０に対して着脱自在に接続可能である。塗布部９０は、塗布容器１０内の薬液を塗布可能である。

ここで、基部４０の詳細について説明する。基部４０は、筒状の外周面を有する基部本体４１と、使用者が指を掛けるための指掛け部４２と、を有している。

指掛け部４２は、基部本体４１のうち底壁２０の近傍の部位に形成されている。本実施形態では、指掛け部４２は、基部本体４１の径方向について基部本体４１の外周面から外向きに突出する形状を有している。図１〜図３に示されるように、指掛け部４２は、基部本体４１の周方向に沿って連続的につながっている。図４に示されるように、平面視において、指掛け部４２の外形は、基部本体４１、縮径部５０、介在部６０、背側首部７０、口部８０及び塗布部９０の外形よりも一回り大きく設定されている。

指掛け部４２は、底壁２０と口部８０とを結ぶ方向（図１の上下方向）について口部８０に近い側に形成された上張出面４２ａと、底壁２０と口部８０とを結ぶ方向について底壁２０に近い側に形成された下張出面４２ｂと、を有している。

上張出面４２ａは、底壁２０に近づくにしたがって次第に外向きに張り出す形状を有している。具体的に、上張出面４２ａは、口部８０から底壁２０に向かう方向に凸となるように湾曲する形状を有している。

下張出面４２ｂは、底壁２０の外面２０ａと滑らかにつながっている。本実施形態では、図３に示されるように、下張出面４２ｂ及び底壁２０の外面２０ａは、全体的に内向き（図３の上向き）に凸となるように湾曲する形状を有している。下張出面４２ｂは、基部本体４１の径方向について底壁２０の外縁の外側において全域にわたって机等の平坦な載置面に同時に接触可能である。上張出面４２ａと下張出面４２ｂとの境界は、外向きに凸となるように湾曲する形状を有している。

次に、以上に説明した塗布器具１の使用方法の例について説明する。以下では、背中の中央部ないしその近傍の部位（以下、「中央部等」という）に対して肩越しに塗布器具１で薬液を塗布する場合について説明する。

使用者は、基部４０のうちの底壁２０の近傍の部位、つまり、指掛け部４２を親指、人差し指及び中指の３本の指で把持する。具体的に、使用者は、指掛け部４２のうち口部８０が開口している側とは反対側（図１の右側）の部位（以下、「背面指掛け部４４」という）に人差し指を掛けるとともに、指掛け部４２のうち口部８０が開口している側とその反対側とを結ぶ方向と直交する方向（図２及び図４の左右方向）の両側の部位（以下、「一対の側面指掛け部４６」という）に親指と中指とを掛ける。

その状態において、塗布部９０ないし口部８０が底壁２０よりも上方に位置する上向き姿から塗布部９０ないし口部８０が底壁２０よりも下方に位置する下向き姿勢となるように塗布器具１の姿勢を変更する。これにより、塗布容器１０内の薬液は、口部８０に向かって流動する。

ここで、本塗布容器１０では、第１腹側境界３１の内面が外向きに凸となるように湾曲しており、第２腹側境界３２の内面が内向きに凸なるように湾曲しているので、塗布器具１を上向き姿勢から下向き姿勢にしたときにおけるこれら境界３１．３２での薬液の波立ちが抑制される。しかも、縮径部５０と口部８０との間には介在部６０が存在しており、第２腹側境界３２から背側首部７０までの距離が長く確保されるため、塗布器具１を上向き姿勢から下向き姿勢にしたときに第２腹側境界３２を通過した薬液がこの介在部６０で整流される。よって、薬液が背側首部７０の内面に衝突したときに生じる衝撃力が低減される。したがって、指掛け部４２を親指、人差し指及び中指の３本指で把持した状態で塗布器具１を上向き姿勢から下向き姿勢に変更したときに使用者が当該塗布器具１を落下させることが抑制される。

また、背面指掛け部４４に人差し指を掛けることができ、かつ、一対の側面指掛け部４６に親指及び中指を掛けることができるので、塗布容器１０を上向き姿勢から下向き姿勢に変更するときに使用者が塗布容器１０を落下させることがより確実に抑制される。

また、口部８０の内周面には、溝部８２が形成されているので、この溝部８２でさらに薬液の波立ちが低減される。さらに、口部８０から流出する薬液の乱れも抑制される。

また、塗布容器１０を机等の平坦な載置面に載置したとき、背面指掛け部４４のうち底壁２０と口部８０とを結ぶ方向について底壁２０に近い側の背面下張出面、及び、一対の側面指掛け部４６のうち底壁２０と口部８０とを結ぶ方向について底壁２０に近い側の側面下張出面を含めた下張出面４２ｂの全域が底壁２０の外縁よりも外側において前記載置面に同時に接触するので、底壁２０の外面２０ａのみが載置面に接触する場合に比べて塗布容器１０を載置面に載置したときの当該塗布容器１０の転倒が抑制される。

なお、今回開示された上記実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。

例えば、図５に示されるように、指掛け部４２の下張出面４２ｂは、底壁２０の外面２０ａから口部８０側に離間していてもよい。つまり、下張出面４２ｂと底壁２０の外面２０ａとが面一になっていなくてもよい。

あるいは、図６に示されるように、指掛け部４２は、基部本体４１の外周面から当該基部本体４１の径方向について内向きに凸となるように窪む形状であってもよい。

また、指掛け部４２のうち背面指掛け部４４及び一対の指掛け部４６以外の部位は、省略されてもよい。

また、口部８０の内周面に設ける溝部８２は複数であってもよい。

また、底壁２０の外面２０ａ及び下張出面４２ｂは、平坦に形成されてもよい。

１ 塗布器具
１０ 塗布容器
２０ 底壁
３０ 胴部
３１ 第１腹側境界
３２ 第２腹側境界
４０ 基部
４１ 基部本体
４２ 指掛け部
４２ａ 上張出面
４２ｂ 下張出面
４４ 背面指掛け部
４６ 側面指掛け部
５０ 縮径部
６０ 介在部
７０ 背側首部
８０ 口部
８２ 溝部
９０ 塗布部

Claims (6)

1. 薬液を収容可能な塗布容器であって、
   底壁と、
   前記底壁の外縁から起立する形状を有する胴部と、
   前記胴部のうち前記底壁側とは反対側の端部に接続されており、前記底壁と直交する方向に対して交差する方向に開口する口部と、を有し、
   前記胴部は、
   前記底壁に接続された基部と、
   前記基部から前記口部に向かうにしたがって次第に縮径する縮径部と、
   前記縮径部と前記口部との間に介在する介在部と、
   前記口部の中心軸と直交する方向について前記中心軸を基準として前記底壁が位置する側とは反対側の位置で前記介在部と前記口部とを連結する背側首部と、を有し、
   前記胴部のうち前記口部が開口している側と同じ側における前記基部と前記縮径部との第１腹側境界の内面は、外向きに凸となるように湾曲する形状を有しており、
   前記胴部のうち前記口部が開口している側と同じ側における前記縮径部と前記介在部との第２腹側境界の内面は、内向きに凸となるように湾曲する形状を有し、
   前記口部の内周面には、当該口部の径方向について外向きに凸となるように窪む溝部が形成されている、塗布容器。
2. 請求項１に記載の塗布容器において、
   前記基部は、当該基部のうち前記口部が開口している側とは反対側に形成されており当該基部の径方向について外向きに突出する形状又は内向きに窪む形状を有する背面指掛け部を有する、塗布容器。
3. 請求項２に記載の塗布容器において、
   前記背面指掛け部は、前記基部の径方向について外向きに突出する形状を有しており、
   前記背面指掛け部は、前記基部の径方向について前記底壁の外縁よりも外側において載置面に接触可能な背面下張出面を有する、塗布容器。
4. 請求項１ないし３のいずれかに記載の塗布容器において、
   前記基部は、当該基部のうち前記口部が開口している側とその反対側とを結ぶ方向と直交する方向の両側に形成されており当該基部の径方向について外向きに突出する形状又は内向きに窪む形状を有する一対の側面指掛け部を有する、塗布容器。
5. 請求項４に記載の塗布容器において、
   前記一対の側面指掛け部は、前記基部の径方向について外向きに突出する形状を有しており、
   前記一対の側面指掛け部は、前記基部の径方向について前記底壁の外縁よりも外側において載置面に接触可能な側面下張出面を有する、塗布容器。
6. 請求項１ないし５のいずれかに記載の塗布容器と、
   前記塗布容器の口部に接続されており、前記塗布容器内の薬液を塗布可能な塗布部と、を備える塗布器具。

Images