JP6733574B2 - 係合機構の油圧制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、係合することによりトルクを伝達するように構成された係合機構に関し、特に、油圧が供給されて係合・解放するように構成された係合機構を対象とする油圧制御装置に関するものである。
この種の係合機構の一例が特許文献1に記載されている。その機構は、湿式の多板クラッチであって、入力側部材であるクラッチドラムと、クラッチドラムの内側に同心円状に配置された出力側部材であるクラッチハブとを備えている。クラッチドラムの内周面に摩擦プレートがスプライン嵌合され、クラッチハブの外周面に、摩擦プレートに係合するディスクプレートがスプライン嵌合されている。摩擦プレートとディスクプレートとは、油圧によって作動するクラッチピストンによって互いに押し付けられて係合させられる。また、クラッチハブに板厚方向に貫通するオイル供給口が形成されており、オイル供給口から摩擦プレートとディスクプレートとを冷却および潤滑するオイルが供給される。クラッチドラムに板厚方向に貫通するオイル排出口が形成されている。摩擦プレートとディスクプレートとが解放されていることによりクラッチハブが回転を停止している場合であっても、クラッチドラムは常時回転するため、オイル排出口からクラッチドラムの外周側に排出することができる、とされている。
特許文献2には、インペラクラッチの係合制御装置が記載されている。インペラクラッチはトルクコンバータの内部に配置されていて、エンジンとポンプインペラとを選択的に連結するように構成されている。すなわち、エンジンの出力部材と一体回転する一方の摩擦係合部材と、ポンプインペラと一体回転する他方の摩擦係合部材と、各摩擦係合部材を係合させるクラッチピストンと、クラッチピストンを作動させる油圧が供給されるクラッチ油圧室とを備えている。特許文献2に記載された係合制御装置は、インペラクラッチを係合させる場合には、トルクコンバータ内のオイルを油圧回路に排出してトルクコンバータの内圧を低下させるように構成されている。
特許文献3に記載された油圧制御装置は、ピストンを挟んで配置された正圧室の油圧と背圧室の油圧との圧力差に応じてピストンを移動させて開弁もしくは閉弁するように構成されたバランスピストン式の開閉弁を備えている。その装置は、背圧室に空気が混入しているなどのことにより開弁動作が遅い場合には、背圧室を低油圧供給部とドレン箇所とに連通させるように構成されている。これにより、背圧室に低油圧供給部のオイルを供給し、そのオイルとともに背圧室に混入した空気をドレン箇所に排出して背圧室をオイルで満たすようになっている。
特開2008−14368号公報 特開2011−106554号公報 国際公開第2013/183162号
特許文献1に記載された摩擦プレートとディスクプレートとを油浴すると、オイルに接触する面積が増えるため、オイルによる摩擦プレートとディスクプレートとの冷却性能を向上することができる。しかしながら、摩擦プレートとディスクプレートとが油浴されている状態でクラッチピストンを作動させて摩擦プレートとディスクプレートを係合させると、クラッチピストンの移動に伴ってクラッチドラムの内部の体積が減少して摩擦プレートとディスクプレートとを油浴しているオイルの圧力が上昇する。その摩擦プレートとディスクプレートとを油浴しているオイルの圧力はクラッチピストンを作動させる油圧に対して背圧として作用する。そのため、摩擦プレートとディスクプレートとを油浴している状態で摩擦プレートとディスクプレートとのクリアランスを詰めたり、摩擦プレートとディスクプレートとを係合させたりする場合には、制御応答性が低下してしまう可能性がある。
特許文献2に記載された構成では、インペラクラッチを係合させる場合には、トルクコンバータ内のオイルを排出して内圧を低下させるため、トルクコンバータの内圧とクラッチピストンを作動させる油圧との圧力差を大きくすることができる。しかしながら、特許文献2に記載された構成では、トルクコンバータ内のオイルは油圧回路に排出されるため、トルクコンバータ内のオイルを排出する経路での圧力損失が高くなってオイルを排出しにくくなってしまう可能性がある。また、トルクコンバータの内部へのオイルの供給は継続される。それらの結果、トルクコンバータの内圧を低下させるには時間が掛かってしまう。
特許文献3に記載された開閉弁は、正圧室の油圧と背圧室の油圧との圧力差によって開弁もしくは閉弁させるように構成されているため、開弁する場合には、背圧室の油圧を低下させることになる。つまり、特許文献3に記載された構成であっても、特許文献1および特許文献2と同様の課題がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、係合機構が油浴されている状態であっても、油圧応答性を向上させることのできる係合機構の油圧制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、オイルに油浴されて冷却されるとともに互いに接触することによりトルクを伝達する複数のプレートと、前記複数のプレート同士を押圧して互いに接触させるピストンと、第1オイルポンプから油圧が供給されて前記ピストンを前記複数のプレートに向けて移動させる油圧室とを備え、前記油圧室の油圧が低下されて解放状態となることによりトルクの伝達が遮断され、前記油圧室の油圧が増大されて係合状態となることにより前記トルクの伝達を行うように構成された係合機構の油圧制御装置において、電気的に駆動されて前記複数のプレートに対して前記冷却のためのオイルを供給する第2オイルポンプと、前記油圧室に供給する前記油圧を変化させるコントローラとを備え、前記コントローラは、前記第1オイルポンプによって前記油圧室の前記油圧を増大させて互いに隣接する前記複数のプレート同士の隙間を詰めるとともに前記トルクの伝達がない待機状態を設定する場合に、前記第2オイルポンプによる前記複数のプレートに対する前記オイルの供給圧を低下させることを特徴としている。
この発明によれば、ピストンを作動させる油圧室に対して油圧を供給する第1オイルポンプとは別に、電気的に駆動されて複数のプレートに対して冷却のためのオイルを供給する第2オイルポンプが設けられている。そのため、油圧室に対する油圧の供給と、各プレートに対するオイルの供給とを互いに独立して制御することができる。互いに隣接するプレート同士の隙間を詰めてトルクの伝達がない待機状態を設定する場合には、第1オイルポンプによる油圧室への油圧の供給を継続し、一方で、第2オイルポンプによる各プレートへのオイルの供給圧つまり背圧を低下させることができる。これにより、ピストンを作動させる油圧室の油圧と、背圧との圧力差が大きくなり、ピストンを速やかに移動させて待機状態を速やかに設定することができる。その結果、油圧の応答性を向上することができる。また、第2オイルポンプは電気的に駆動されるため、機械式のオイルポンプを用いる場合に比較して、各プレートに対するオイルの供給および停止の制御性が良好になる。
この発明の実施形態における車両のパワートレーンの一例を模式的に示す図である。 この発明の実施形態に係る係合機構の油圧制御装置の一例を模式的に示す図である。 この発明の実施形態における制御の一例を説明するためのフローチャートである。 図3に示す制御を行った場合のEOPの電流値、油圧室の油圧、ピストンのストローク、車両における駆動力の変化の一例を示すタイムチャートである。 他の制御を行った場合のEOPの電流値、油圧室の油圧、ピストンのストロークの変化の一例を示すタイムチャートである。 他の制御を行った場合の圧力差の変化と駆動力の変化との一例を示すタイムチャートである。
図1は、この発明の実施形態における車両Veのパワートレーンの一例を模式的に示す図である。駆動力源としてガソリンエンジンなどの内燃機関(以下、エンジンと記す。)1を備えており、エンジン1の出力側に、この発明の実施形態における係合機構に相当する発進機構2を介して自動変速機3が連結されている。エンジン1は、従来知られている車両用エンジンと同様の構成であり、図示しないアクセルペダルを踏み込むなどの加速操作によって吸入空気量や燃料噴射量が増大して、エンジン出力が加速操作に応じた値になるように構成されている。発進機構2は、従来知られた発進クラッチと同様の構成であって、エンジン1と自動変速機3との間でトルクを伝達し、またトルクの伝達を遮断するように構成されている。その構成については後述する。自動変速機3は、変速比がステップ的に変化する有段式の自動変速機、もしくは、変速比が連続的に変化する無段変速機などの従来知られた自動変速機であってよい。自動変速機3の出力軸4は終減速機であるデファレンシャルギヤ5に連結され、デファレンシャルギヤ5から左右の駆動輪6にトルクが伝達される。
図2は、この発明の実施形態に係る係合機構の油圧制御装置の一例を模式的に示す図である。図2には、発進機構2の一部を拡大して示してある。発進機構2は、伝達トルク容量を連続的に変化させることのできる油圧式の多板クラッチであって、従来知られている多板クラッチと同様の構成を備えている。すなわち、互いに摩擦接触する複数の第1摩擦プレート7と複数の第2摩擦プレート8とを有し、第1摩擦プレート7はエンジン1にトルク伝達可能に構成されたクラッチドラム9の内周面にスプライン嵌合している。クラッチドラム9の半径方向で内側に同心円状にクラッチハブ10が設けられている。クラッチハブ10は自動変速機3の図示しない入力軸にトルク伝達可能に構成されており、その外周面に第2摩擦プレート8がスプライン嵌合している。また、第2摩擦プレート8には、第1摩擦プレート7と第2摩擦プレート8との間の摩擦係数を増大させる摩擦材11が取り付けられている。第1摩擦プレート7と第2摩擦プレート8とは図2に示すように、交互に配置されている。
クラッチドラム9における一方の端部は軸線方向に凹んだ環状の中空部であるシリンダ部12を形成している。シリンダ部12は、第1摩擦プレート7および第2摩擦プレート8に向けて開口しており、シリンダ部12の内部に第1摩擦プレート7と第2摩擦プレート8とを押圧するクラッチピストン(以下、ピストンと記す。)13が軸線方向に前後動可能に収容されている。軸線方向におけるピストン13とシリンダ部12との隙間が油圧室14となっている。なお、発進機構2は図示しないリターンスプリングを有しており、リターンスプリングは発進機構2を解放させる方向つまり、第1摩擦プレート7と第2摩擦プレート8とからピストン13を離隔させる方向にピストン13を押圧している。
上述した車両Veには、油圧室14に供給する油圧を生じさせる第1オイルポンプ15と、第1摩擦プレート7と第2摩擦プレート8とに対して冷却および潤滑のためのオイルを供給する第2オイルポンプ16との2つのオイルポンプが設けられている。第1オイルポンプ15は、機械式のオイルポンプであって、従来知られているものと同様に構成されている。第1オイルポンプ15を以下の説明では、MOP15と記す。MOP15はエンジン1が出力するトルクによって駆動され、オイルパン17からオイルを汲み上げて吐出するように構成されている。MOP15の図示しない吐出口はバルブボディ18に接続されている。バルブボディ18にはレギュレータバルブや流量制御弁など、油圧や油量を調整する各種のバルブが設けられており、MOP15から吐出されたオイルを車速Vやアクセル開度ACCなどに基づいて定められる油圧に調圧し、その調圧されたオイルをピストン油路19を介して油圧室14に供給し、余剰のオイルをオイルパン17に排出するように構成されている。
第2オイルポンプ16は電気的に駆動されて油圧を発生する電動オイルポンプ(以下、EOPと記す。)16である。そのため、EOP16を駆動するモータ20が設けられている。モータ20はバッテリなどの図示しない電源装置に接続されていて、そのトルクを増減することにより、EOP16の吐出圧すなわち各プレート7,8へのオイルの供給圧を増減するようになっている。EOP16の図示しない吐出口は供給油路21を介してクラッチドラム9の内部に接続されており、EOP16から吐出されたオイルによって第1摩擦プレート7と第2摩擦プレート8とが油浴された状態で冷却および潤滑されるようになっている。ここで、油浴された状態とは、第1摩擦プレート7と第2摩擦プレート8とがオイルに浸漬され、もしくは、没していることを意味している。クラッチドラム9の内部に供給されたオイルは、第1摩擦プレート7と第2摩擦プレート8とを冷却および冷却した後に、排出油路22を介してバルブボディ18に戻される。
上述した発進機構2や自動変速機3、バルブボディ18における各種のバルブ、EOP16などを制御する電子制御装置(ECU)23が設けられている。ECU23は、この発明の実施形態におけるコントローラに相当し、例えばマイクロコンピュータを主体にして構成され、入力されたデータや、予め記憶しているデータを使用して演算を行い、演算の結果を制御指令信号として出力するように構成されている。入力されるデータは、各種のセンサによって得られたデータであって、車速Vやアクセルペダルの踏み込み量であるアクセル開度ACC、油圧室14の油圧を検出する油圧センサ24からの検出信号などがその例である。ECU23から出力される指令信号の例を挙げると、発進機構2の係合指令や油圧指令値、エンジン1のトルク指令値、モータ20のトルク指令値などがECU20から出力される。ECU23は例えば、車速Vやアクセル開度ACCなどに基づいてバルブボディ18における各種のバルブを制御してMOP15から吐出されたオイルを調圧したり、EOP16を駆動するモータ20のトルクを制御したりするようになっている。
この発明の実施形態における油圧制御装置は、第1摩擦プレート7と第2摩擦プレート8との間のクリアランス(パッククリアランスと称されることがある。)を詰め、かつ発進機構2でトルクを伝達しない待機状態を設定する場合に、以下に説明する制御を実行するように構成されている。図3は、この発明の実施形態に係る制御の一例を説明するためのフローチャートである。ここに示すルーチンは、ECU23によって所定の短時間毎に繰り返し実行される。先ず、発進機構2を係合させる係合指令信号がオンすなわち出力されているか否かが判断される(ステップS1)。係合指令信号は、発進機構2でトルクを伝達していない解放状態からトルクを伝達する係合状態への移行を要求する指令信号であり、例えば、図示しないシフト装置でパーキングレンジやニュートラルレンジからドライブレンジやリバースレンジが設定された場合などにオンすなわち出力される。また、発進機構2を解放してエンジン1のポンピングロスなどの制動力すなわちエンジンブレーキを駆動輪6に作用させずに、車両の慣性力によって惰性走行している状態(以下、ニュートラル惰行と記す。)から、アクセルペダルが踏み込まれ、アクセル開度ACCを検出するアクセル開度センサの出力信号が所定値を超えた場合に出力される。すなわち、発進したり、ニュートラル惰行している状態から復帰したりする場合など、発進機構2でトルクを伝達する要求がある場合に、肯定的に判断されてステップS2に進む。発進機構2でトルクを伝達する要求がない場合には、肯定的に判断されるまで上述した判断が繰り返される。
ところで、発進機構2でトルクを伝達する要求があることにより、油圧室14の油圧を増大させて第1摩擦プレート7と第2摩擦プレート8とに向けてピストン13を移動させると、ピストン13がクラッチドラム9の内部に入り込む。ピストン13が入り込んだ分、クラッチドラム9内の空隙つまり体積が減少する。それに伴って、第1摩擦プレート7と第2摩擦プレート8とを油浴しているオイルの圧力が増大する。第1摩擦プレート7と第2摩擦プレート8とを油浴しているオイルの圧力を、以下の説明では背圧と記す。背圧はピストン13をシリンダ部12側に押し戻すように作用するから、背圧によって油圧室14の油圧は見かけ上、低減されてしまう。そのため、ステップS2では、発進機構2でトルクを伝達する要求がある場合には、EOP16を駆動するトルクをオフもしくは低下させる。例えば、図示しない電源装置からモータ20への電力供給を遮断もしくは低下させてEOP16を駆動するトルクを低減もしくはゼロにする。これにより、EOP16の吐出圧を低下させて上述した背圧の増大を回避もしくは抑制する。
次いで、パック詰め制御が完了したか否かが判断される(ステップS3)。パック詰め制御は、第1摩擦プレート7と第2摩擦プレート8との間のクリアランスを詰める制御であって、油圧室14の油圧はパックエンド圧に設定される。パックエンド圧は、第1摩擦プレート7と第2摩擦プレート8との間での伝達トルク容量がゼロとなる油圧室14における最大の油圧であって、実験などにより予め求めることができる。そのため、ステップS3での判断は油圧センサ24によって油圧室14の油圧を検出することにより行うことができ、油圧室14の油圧がパックエンド圧に設定されている場合にはパック詰め制御が完了しているとして肯定的に判断されてステップS4に進む。一方、油圧室14の油圧がパックエンド圧より低い場合には、否定的に判断されて上述したステップS2に戻る。
ステップS4では、第1摩擦プレート7と第2摩擦プレート8とに対して発進機構2での負荷もしくは伝達トルク容量に応じて冷却および潤滑のためのオイルを供給するように、EOP16の駆動トルクを前記負荷に応じたトルクに復帰させる復帰制御が実行される。具体的には、モータ20に対する電力供給を再開しかつ所定の勾配で上昇させ、それに伴って、EOP16の吐出圧を所定の勾配で上昇させるいわゆるスイープ制御を行う。その後、図3のルーチンを一旦終了する。
図3に示す制御を行った場合のEOP16を駆動するモータ20の電流値、油圧室14の油圧、ピストン13のストローク、車両Veにおける駆動力の変化の一例を図4にタイムチャートで示してある。図4には、上述した制御を行った場合の変化を実線で記載してあり、上述した制御を行っていない場合の変化を破線で記載してある。図示しないシフト装置におけるシフトポジションをニュートラルレンジからドライブレンジに設定すると(t時点)、直ちに、EOP16に対する電力供給が遮断され、EOP16を駆動するモータ20の電流値が低下させられる。それに伴って、第1摩擦プレート7と第2摩擦プレート8とを油浴しているオイルの圧力すなわち背圧が低下する。これと同時に、油圧室14の油圧すなわちピストン圧が増大され、第1摩擦プレート7と第2摩擦プレート8とに向けてピストン13が移動し始める。なお、t時点では、第1摩擦プレート7と第2摩擦プレート8とは係合していないため、駆動力は発生していない。
第1摩擦プレート7と第2摩擦プレート8とのクリアランスを詰めるパック詰め制御が完了し、油圧室14の油圧がパックエンド圧を超えると(t時点)、第1摩擦プレート7と第2摩擦プレート8とが係合もしくは半係合するため、それらの間でトルクが伝達され、駆動力が発生する。これに僅かに遅れて、パック詰め制御が完了したことの判定が成立すると(t時点)、復帰制御が実行されるとともに、発進機構2での負荷もしくは伝達トルク容量に応じたオイル量を供給するように、EOP16を駆動するモータ20の電流値が増大される。それに伴ってEOP16を駆動させるトルクが増大して吐出圧が増大し、背圧が増大される。また、背圧の増大に応じて油圧室14の油圧を増大させると共に、発進機構2での伝達トルク容量に応じた油圧に設定する。
したがって、上述した制御では、発進機構2を解放状態から係合状態に切り替える係合指令がオンになると、直ちに、EOP16の駆動が停止もしくは抑制されるため、背圧の増大が回避もしくは抑制され、ピストン13を速やかに移動させることができる。これにより、パック詰めが完了するまでに掛かる時間を短縮することができる。油圧の応答性を向上することができ、運転者が、発進や変速が良好でないと感じたりすることを防止もしくは抑制することができる。
次いで、この発明の実施形態における他の制御例について説明する。他の制御例は、上述した復帰制御を行う際に、EOP16による背圧の上昇量と、油圧室14の油圧の上昇量とを同じにした制御例である。他の制御例を行った場合のEOP16を駆動するモータ20の電流値、油圧室14の油圧、ピストン13のストロークの変化の一例を図5にタイムチャートで示してある。また、他の制御例を行った場合における油圧室14の油圧と背圧との差圧の変化と、駆動力の変化との一例を図6にタイムチャートで示してある。なお、他の制御を行った場合の変化を実線で図5および図6に記載してあり、他の制御を行っていない場合の変化を破線で記載してある。また、図4に示すタイムチャートと同じ時点については、図4と同様の符号を付してある。
復帰制御が実行されると(t時点)、発進機構2での負荷もしくは伝達トルク容量に応じたオイル量を供給するように、EOP16を駆動するモータ20の電流値が増大される。それに伴ってEOP16を駆動させるトルクが増大して吐出圧が増大する。また背圧が増大する。単位時間当たりにおける背圧の上昇量と同じになるように、油圧室14の油圧が増大させられる。つまり圧力差が維持される。なお、図5および図6に破線で示す例では、油圧室14の油圧に比較して背圧が大きくなると(t時点)、ピストン13がシリンダ部12側に押し戻され、それに伴って、発進機構2での伝達トルク容量が低下し、駆動力が低下する。さらに、背圧が増大すると、圧力差がゼロになる(t時点)。運転者はアクセルペダルを踏み増すなど、運転者の負担が大きくなる。
したがって、上述した制御では、油圧室14の油圧と背圧とが同じ勾配で増大するため、圧力差が維持され、背圧によってシリンダ部12にピストン13が押し戻されて発進機構2での伝達トルク容量が低下したり、解放状態となったりすることを防止もしくは抑制することができる。安定した駆動力を得ることができ、運転者が意図する駆動力と、実際の駆動力とに差が生じて違和感が生じることを防止もしくは抑制することができる。
なお、この発明は上述した実施形態に限定されないのであって、上述した実施形態では係合機構をクラッチとしたが、この発明における係合機構はブレーキであってもよい。要は、油圧によって係合および解放されるものであればよい。
2…発進機構(係合機構)、 7…第1摩擦プレート(プレート)、 8…第2摩擦プレート(プレート)、 13…ピストン、 14…油圧室、 15…第1オイルポンプ(MOP)、 16…第2オイルポンプ(EOP)、 23…ECU。

Claims (1)

  1. オイルに油浴されて冷却されるとともに互いに接触することによりトルクを伝達する複数のプレートと、前記複数のプレート同士を押圧して互いに接触させるピストンと、第1オイルポンプから油圧が供給されて前記ピストンを前記複数のプレートに向けて移動させる油圧室とを備え、前記油圧室の油圧が低下されて解放状態となることによりトルクの伝達が遮断され、前記油圧室の油圧が増大されて係合状態となることにより前記トルクの伝達を行うように構成された係合機構の油圧制御装置において、
    電気的に駆動されて前記複数のプレートに対して前記冷却のためのオイルを供給する第2オイルポンプと、
    前記油圧室に供給する前記油圧を変化させるコントローラとを備え、
    前記コントローラは、
    前記第1オイルポンプによって前記油圧室の前記油圧を増大させて互いに隣接する前記複数のプレート同士の隙間を詰めるとともに前記トルクの伝達がない待機状態を設定する場合に、
    前記第2オイルポンプによる前記複数のプレートに対する前記オイルの供給圧を低下させる
    ことを特徴とする係合機構の油圧制御装置。
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