JP2012017840A - 車両用クラッチ装置の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】摩擦クラッチの開作動の応答性を向上させることができる車両用クラッチ装置の制御装置を提供する。
【解決手段】推力伝達ピストン50を出力ピストン48側へ移動させるが出力ピストン48を摩擦クラッチ18のダイヤフラムスプリング32側へ移動させないようにクラッチ油圧制御装置80を制御して、推力伝達ピストン50と出力ピストン48との間の隙間を詰める隙間詰め制御手段104を含むことから、クラッチシリンダ40の圧力室44内に負圧が発生してクラッチシリンダ40の出力ピストン48と推力伝達ピストン50との間に隙間が形成されても、摩擦クラッチ18の開作動が開始されるまでの間に上記隙間が詰められるか或いは小さくされるので、摩擦クラッチ18の開作動の応答性を向上させることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両用クラッチ装置の制御装置に関し、特に、上記車両用クラッチ装置が備える摩擦クラッチの開作動の応答性を向上させる技術に関するものである。
動力伝達経路に設けられ、開作動することで上記動力伝達経路における動力伝達を遮断する摩擦クラッチと、所定のクラッチ作動油圧が供給されることで上記摩擦クラッチを開作動させるクラッチシリンダとを備える車両用クラッチ装置が知られている。たとえば、特許文献1乃至3に記載されたものがそれである。
特許文献1には、クラッチペダルの入力を倍力してマスタシリンダを作動させる真空倍力装置内にオンオフ制御電磁弁が設けられ、マスタシリンダとクラッチシリンダとの間の油路に比例制御弁が設けられた車両用クラッチ装置が記載されている。この車両用クラッチ装置によれば、真空倍力装置内に比例制御弁が設けられる場合と比較して真空倍力装置を小型化することができ、また、摩擦クラッチを自動的に開作動させるときには、上記オンオフ制御弁が用いられて速やかに摩擦クラッチを開作動させることができる。
特許文献2には、車両停止時に所定のエンジン停止条件が成立してエンジンが停止されている間、自動変速機の摩擦クラッチに供給される油圧が所定の低圧状態となるように低圧制御するクラッチ油圧制御装置が記載されている。このクラッチ油圧制御装置によれば、所定のエンジン始動条件が成立してエンジンが始動されるときに、自動変速機の摩擦クラッチへ供給される油圧を速やかに上昇させることができ、上記摩擦クラッチを速やかに係合させることができる。
特許文献3には、半クラッチ状態にある摩擦クラッチの係合速度をクラッチペダルストロークに応じて変更するように構成された車両用クラッチ装置が記載されている。この車両用クラッチ装置によれば、車両発進時において半クラッチ状態でアクセルが戻されたときに生じるショックを抑制することができる。
また、前記クラッチシリンダは、油圧を受け入れる圧力室と、前記摩擦クラッチの操作力入力部材に隣接して設けられてその操作力入力部材にクラッチ操作力を伝達する出力ピストンと、その出力ピストンと前記圧力室との間に設けられてその圧力室内の油圧を受けて前記出力ピストンへ推力を伝達する推力伝達ピストンとを有して構成され、そのクラッチシリンダの圧力室へ作用させられる油圧の圧力値および流量をそれぞれ調節するクラッチ油圧制御装置を備える車両用クラッチ装置が知られている。この車両用クラッチ装置においては、動力伝達経路の上流側に設けられる例えばエンジン等の振動が摩擦クラッチを介してクラッチシリンダの出力ピストンへ伝達する場合であっても、その出力ピストンと推力伝達ピストンとの間に微量の隙間が形成されることにより、上記エンジンの振動が推力伝達ピストンへ伝達することが抑制される。そのため、上記振動が推力伝達ピストンとクラッチシリンダの圧力室との間に設けられてその圧力室を油密に封止するシール部材に伝達することが抑制されるので、そのシール部材の耐久性を向上させることができる。
特開2004−197872号公報 特開2003−74688号公報 特開2002−21880号公報
ところで、前記従来の車両用クラッチ装置の制御装置では、例えば、前記摩擦クラッチの閉作動時に前記クラッチシリンダの圧力室からそれに連通された油路を通じて流出させられる作動油の慣性、又は車両用クラッチ装置を備える車両の前方加速走行時にクラッチシリンダの圧力室内の作動油および上記油路内の作動油が車両の後方側へ移動させられること等に起因して、クラッチシリンダの圧力室内に負圧が発生する場合がある。これにより、クラッチシリンダの推力伝達ピストンが出力ピストンに対してその出力ピストンとは反対側へ移動させられる場合がある。そして、前記エンジンの振動の伝達を抑制するために必要十分な微量の隙間を超える比較的大きな隙間が、出力ピストンと推力伝達ピストンとの間に形成される場合がある。このような場合には、摩擦クラッチの開作動に際して、上記比較的大きな隙間が詰まるまでの間はクラッチシリンダの圧力室内の油圧が上昇せず、摩擦クラッチの開作動が開始されないため、摩擦クラッチの開作動の応答性が低下するという問題があった。そして、変速時間が増加すると共に、変速時の車両の空走感が増し、ドライバビリティが低下するという問題があった。
本発明は以上の事情を背景としてなされたものであり、その目的とするところは、摩擦クラッチの開作動の応答性を向上させることができる車両用クラッチ装置の制御装置を提供することにある。
かかる目的を達成するための請求項1にかかる発明の要旨とするところは、(a−1)車両の動力伝達経路に設けられ、開作動することでその動力伝達経路における動力伝達を遮断する摩擦クラッチと、(a−2)油圧を受け入れる圧力室と、前記摩擦クラッチの操作力入力部材に隣接して設けられてその操作力入力部材にクラッチ操作力を伝達する出力ピストンと、その出力ピストンと前記圧力室との間に設けられてその圧力室内の油圧を受けて前記出力ピストンへ推力を伝達する推力伝達ピストンとを有するクラッチシリンダと、(a−3)そのクラッチシリンダの圧力室内の油圧を制御するクラッチ油圧制御装置とを、備える車両用クラッチ装置の制御装置であって、(b)前記摩擦クラッチが係合させられているときに、前記推力伝達ピストンを前記出力ピストン側へ移動させるが前記出力ピストンを前記摩擦クラッチ側へ移動させないように前記クラッチ油圧制御装置を制御して、前記推力伝達ピストンと前記出力ピストンとの間の隙間を詰める隙間詰め制御手段を含むことにある。
また、請求項2にかかる発明の要旨とするところは、請求項1にかかる発明において、前記隙間詰め制御手段は、所定圧力値の油圧が前記圧力室へ間欠的に作用するように前記クラッチ油圧制御装置を制御することにある。
また、請求項3にかかる発明の要旨とするところは、請求項1または2にかかる発明において、(a)前記出力ピストンの軸心方向の移動量または移動位置を検出する第1ストロークセンサと、前記推力伝達ピストンの軸心方向の移動量または移動位置を検出する第2ストロークセンサとを備え、(b)前記隙間詰め制御手段は、前記第1ストロークセンサにより検出された前記出力ピストンの移動量または移動位置、および第2ストロークセンサにより検出された前記推量伝達ピストンの移動量または移動位置に基づいて、前記出力ピストンと前記推力伝達ピストンとの間の隙間量を算出し、その隙間量が予め定められた隙間詰め開始判定値を超えた場合に、前記クラッチ油圧制御装置を制御することにある。
また、請求項4にかかる発明の要旨とするところは、請求項3にかかる発明において、前記隙間詰め制御手段は、前記クラッチ油圧制御装置を制御している間に、前記隙間量が予め定められた隙間詰め完了判定値以下となった場合には、前記クラッチ油圧制御装置を制御することを止めることにある。
また、請求項5にかかる発明の要旨とするところは、請求項1または2にかかる発明において、(a)前記クラッチシリンダの圧力室と前記クラッチ油圧制御装置との間を接続する油路に設けられてその油路内の油圧の圧力値を検出する圧力センサを備え、(b)前記隙間詰め制御手段は、予め定められた関係から、前記圧力センサにより検出された前記油路内の油圧の圧力値に基づいて、前記出力ピストンと前記推力伝達ピストンとの間の隙間量を推定し、その隙間量が予め定められた隙間詰め開始判定値を超えた場合に、前記クラッチ油圧制御装置を制御することにある。
また、請求項6にかかる発明の要旨とするところは、請求項1または2にかかる発明において、(a)前記クラッチシリンダは、前記摩擦クラッチに対して車両の後方側に配設され、(b)その車両の前進方向の加速度を検出する加速度センサを備え、(c)前記隙間詰め制御手段は、予め定められた関係から、前記加速度センサにより検出された前記車両の前進方向の加速度に基づいて、前記出力ピストンと前記推力伝達ピストンとの間の隙間量を推定し、その隙間量が予め定められた隙間詰め開始判定値を超えた場合に、前記クラッチ油圧制御装置を制御することにある。
また、請求項7にかかる発明の要旨とするところは、請求項1乃至2および5乃至6のいずれか1にかかる発明において、(a)前記出力ピストンの軸心方向の移動量または移動位置を検出する第1ストロークセンサを備え、(b)前記隙間詰め制御手段は、前記クラッチ油圧制御装置を制御している間に、前記出力ピストンが前記推力伝達ピストンとは反対側に予め定められた所定距離以上移動したことが前記第1ストロークセンサにより検出された場合には、前記クラッチ油圧制御装置を制御することを止めることにある。
また、請求項8にかかる発明の要旨とするところは、請求項3または4にかかる発明において、(a)前記隙間詰め制御手段は、前記クラッチ油圧制御装置を制御している間に、前記出力ピストンが前記推力伝達ピストンとは反対側に予め定められた所定距離以上移動したことが前記第1ストロークセンサにより検出された場合には、前記クラッチ油圧制御装置を制御することを止めることにある。
請求項1にかかる発明の車両用クラッチ装置の制御装置によれば、前記摩擦クラッチが係合させられているときに、前記推力伝達ピストンを前記出力ピストン側へ移動させるが前記出力ピストンを前記摩擦クラッチ側へ移動させないように前記クラッチ油圧制御装置を制御して、前記推力伝達ピストンと前記出力ピストンとの間の隙間を詰める隙間詰め制御手段を含むことから、摩擦クラッチの閉作動時にクラッチシリンダの圧力室から流出させられる作動油の慣性、又は車両の前方加速走行時にクラッチシリンダの圧力室内の作動油およびそれに連通された油路内の作動油が車両の後方側へ移動させられること等に起因して、クラッチシリンダの圧力室内に負圧が発生してクラッチシリンダの出力ピストンと推力伝達ピストンとの間に隙間が形成されても、摩擦クラッチの開作動が開始されるまでの間に上記隙間が詰められるか或いは小さくされるので、摩擦クラッチの開作動の応答性を向上させることができる。そして、上記のようにして隙間が詰められない場合と比較して、変速時間が短くなると共に、変速時の車両の空走感が小さくなり、ドライバビリティが向上される。
また、請求項2にかかる発明の車両用クラッチ装置の制御装置によれば、前記隙間詰め制御手段は、所定圧力値の油圧が前記圧力室へ間欠的に作用するように前記クラッチ油圧制御装置を制御することから、出力ピストンと推力伝達ピストンとの間に隙間が有る場合には、推力伝達ピストンだけを少しずつ出力ピストン側へ移動させることができ、出力ピストンと推力伝達ピストンとの間の隙間が詰まった場合には、摩擦クラッチを開作動させるほど出力ピストンを移動させることが防止できるので、隙間詰め制御を実施しつつも、隙間が詰まった後の隙間詰め制御の実施により摩擦クラッチが滑るのを防止することができる。
また、請求項3にかかる発明の車両用クラッチ装置の制御装置によれば、前記出力ピストンの軸心方向の移動量または移動位置を検出する第1ストロークセンサと、前記推力伝達ピストンの軸心方向の移動量または移動位置を検出する第2ストロークセンサとを備え、前記隙間詰め制御手段は、前記第1ストロークセンサにより検出された前記出力ピストンの移動量または移動位置、および第2ストロークセンサにより検出された前記推量伝達ピストンの移動量または移動位置に基づいて、前記出力ピストンと前記推力伝達ピストンとの間の隙間量を算出し、その隙間量が予め定められた隙間詰め開始判定値を超えた場合に、前記クラッチ油圧制御装置を制御することから、上記隙間量が摩擦クラッチの開作動の応答性低下に影響がないほどに小さい場合には、不要な油圧制御(隙間詰め制御)が行われないので、隙間詰め制御が行われることで作動させられるクラッチ油圧制御装置や推力伝達ピストン等の耐久性が低下することを抑制することができる。
また、請求項4にかかる発明の車両用クラッチ装置の制御装置によれば、前記隙間詰め制御手段は、前記クラッチ油圧制御装置を制御している間に、前記隙間量が予め定められた隙間詰め完了判定値以下となった場合には、前記クラッチ油圧制御装置を制御することを止めることから、上記隙間量が摩擦クラッチの開作動の応答性低下に影響がないほどに小さい場合には、不要な油圧制御(隙間詰め制御)が行われないので、隙間詰め制御が行われることで作動させられるクラッチ油圧制御装置や推力伝達ピストン等の耐久性が低下することを抑制することができる。
また、請求項5にかかる発明の車両用クラッチ装置の制御装置によれば、前記クラッチシリンダの圧力室と前記クラッチ油圧制御装置との間を接続する油路に設けられてその油路内の油圧の圧力値を検出する圧力センサを備え、前記隙間詰め制御手段は、予め定められた関係から、前記圧力センサにより検出された前記油路内の油圧の圧力値に基づいて、前記出力ピストンと前記推力伝達ピストンとの間の隙間量を推定し、その隙間量が予め定められた隙間詰め開始判定値を超えた場合に、前記クラッチ油圧制御装置を制御することから、上記隙間量が摩擦クラッチの開作動の応答性低下に影響がないほどに小さい場合には、不要な油圧制御(隙間詰め制御)が行われないので、隙間詰め制御が行われることで作動させられるクラッチ油圧制御装置や推力伝達ピストン等の耐久性が低下することを抑制することができる。
また、請求項6にかかる発明の車両用クラッチ装置の制御装置によれば、前記クラッチシリンダは、前記摩擦クラッチに対して車両の後方側に配設され、その車両の前進方向の加速度を検出する加速度センサを備え、前記隙間詰め制御手段は、予め定められた関係から、前記加速度センサにより検出された前記車両の前進方向の加速度に基づいて、前記出力ピストンと前記推力伝達ピストンとの間の隙間量を推定し、その隙間量が予め定められた隙間詰め開始判定値を超えた場合に、前記クラッチ油圧制御装置を制御することから、上記隙間量が摩擦クラッチの開作動の応答性低下に影響がないほどに小さい場合には、不要な油圧制御(隙間詰め制御)が行われないので、隙間詰め制御が行われることで作動させられるクラッチ油圧制御装置や推力伝達ピストン等の耐久性が低下することを抑制することができる。
また、請求項7にかかる発明の車両用クラッチ装置の制御装置によれば、前記出力ピストンの軸心方向の移動量または移動位置を検出する第1ストロークセンサを備え、前記隙間詰め制御手段は、前記クラッチ油圧制御装置を制御している間に、前記出力ピストンが前記推力伝達ピストンとは反対側に予め定められた所定距離以上移動したことが前記第1ストロークセンサにより検出された場合には、前記クラッチ油圧制御装置を制御することを止めることから、ピストン間の隙間が詰められた以降には、不要な油圧制御(隙間詰め制御)が行われないので、隙間詰め制御が行われることで作動させられるクラッチ油圧制御装置や推力伝達ピストン等の耐久性が低下することを抑制することができる。
また、請求項8にかかる発明の車両用クラッチ装置の制御装置によれば、前記隙間詰め制御手段は、前記クラッチ油圧制御装置を制御している間に、前記出力ピストンが前記推力伝達ピストンとは反対側に予め定められた所定距離以上移動したことが前記第1ストロークセンサにより検出された場合には、前記クラッチ油圧制御装置を制御することを止めることから、ピストン間の隙間が詰められた以降には、不要な油圧制御(隙間詰め制御)が行われないので、隙間詰め制御が行われることで作動させられるクラッチ油圧制御装置や推力伝達ピストン等の耐久性が低下することを抑制することができる。
本発明の一実施例の車両用クラッチ装置およびその制御装置としての機能を一部に有する電子制御装置を示す概略図である。 図1のクラッチ装置に備えられた、摩擦クラッチの開作動に際してその摩擦クラッチのダイヤフラムスプリングにクラッチ操作力を伝達するクラッチシリンダを示す断面図である。 図1の電子制御装置に備えられた制御機能の要部を説明するための機能ブロック線図である。 予め定められた変速マップを示す図である。 図1のクラッチシリンダのピストン間の隙間を詰めるためにクラッチ油圧制御装置を制御することで流量制御弁に供給される駆動電流、およびクラッチシリンダの出力ピストンのストロークを示すタイムチャートである。 図1の電子制御装置の信号処理によって実行される制御作動の要部を説明するフローチャートである。 本発明の他の実施例の車両用クラッチ装置およびその制御装置としての機能を一部に有する電子制御装置を示す概略図である。 図7の電子制御装置に備えられた制御機能の要部を説明するための機能ブロック線図である。 図7の圧力センサにより検出された制御油路内の油圧の圧力値と、出力ピストンと推力伝達ピストンとの間の隙間量との予め実験的に求められて記憶された関係を示す図である。 本発明の他の実施例の電子制御装置の制御系統を示すと共に、その電子制御装置に備えられた制御機能の要部を説明するための機能ブロック線図である。 図10の加速度センサにより検出された車両の加速度と、出力ピストンと推力伝達ピストンとの間の隙間量との予め実験的に求められて記憶された関係を示す図である。 本発明の他の実施例の電子制御装置に備えられた制御機能の要部を説明するための機能ブロック線図である。 図12の電子制御装置によるクラッチ油圧制御装置の制御によって流量制御弁に供給される駆動電流、および出力ピストンのストロークを示すタイムチャートである。 図12の電子制御装置の信号処理によって実行される制御作動の要部を説明するフローチャートである。
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明の一実施例の車両用クラッチ装置(以下、クラッチ装置と記載する)10およびその制御装置としての機能を一部に有する電子制御装置12を示す概略図である。図1において、クラッチ装置10は、車両の走行用駆動源としてのエンジン14と変速機16との間の動力伝達経路に設けられ、開作動することでその動力伝達経路における動力伝達を遮断する摩擦クラッチ18を備えている。なお、上記エンジン14は、例えば良く知られた内燃機関により構成される。また、上記変速機16は、例えば、良く知られた平行軸式常時噛合型変速機構を有する有段式のものであり、電子制御装置12からの指令で駆動されるシフト装置20により変速段が切り替えられる。
上記摩擦クラッチ18は、良く知られた円板クラッチであって、エンジン14と変速機16のケースとにそれぞれ固定された筒状のクラッチハウジング24内に収容され、エンジン14のクランク軸26に連結されたフライホイール28と変速機16の入力軸30との間に設けられている。この摩擦クラッチ18では、後述するクラッチシリンダ40によって、摩擦クラッチ18の開作動のためのクラッチ操作力がダイヤフラムスプリング32の内周端部に伝達されない場合には、プレッシャープレート34がダイヤフラムスプリング32の外周端部によりフライホイール28側へ押圧されて、クラッチディスク36がフライホイール28とプレッシャープレート34との間で挟圧されることにより、フライホイール28およびクラッチディスク36が摩擦材38と摩擦係合されて共に回転させられるようになっている。これにより、摩擦クラッチ18は、フライホイール28から入力軸30へトルク伝達が可能な状態(動力伝達状態)とされる。
また、摩擦クラッチ18では、クラッチシリンダ40によって、ダイヤフラムスプリング32の内周端部をフライホイール28側へ移動させるクラッチ操作力がその内周端部に伝達された場合には、そのクラッチ操作力の大きさに応じてプレッシャープレート34のクラッチディスク36への押圧力が変化して、フライホイール28およびクラッチディスク36と摩擦材38との係合状態が半係合状態から非係合状態までの間で変化させられるようになっている。そして、摩擦クラッチ18は、フライホイール28およびクラッチディスク36と摩擦材38とが非係合状態とされた場合には、フライホイール28から入力軸30へトルク伝達が遮断された状態(動力伝達遮断状態)とされる。なお、上記ダイヤフラムスプリング32は、本発明における摩擦クラッチの操作力入力部材に相当するものである。
図2は、クラッチ装置10に備えられた、摩擦クラッチ18の開作動に際してその摩擦クラッチ18のダイヤフラムスプリング32にクラッチ操作力を伝達するクラッチシリンダ40を示す断面図である。図2において、クラッチシリンダ40は、摩擦クラッチ18に対して車両の後方側に配設され、入力軸30と同軸に設けられた良く知られた同軸型のものであって、ダイヤフラムスプリング32の内周端部の図1に示す変速機16側においてクラッチハウジング24の内壁面に固定された円環状のシリンダハウジング42と、そのシリンダハウジング42内に形成された、油圧を受け入れる円環状の圧力室44と、シリンダハウジング42内に摺動可能に嵌め入れられると共にダイヤフラムスプリング32の内周端部にレリーズベアリング46を介して当接可能に設けられ、そのレリーズベアリング46を介してダイヤフラムスプリング32にクラッチ操作力を伝達する円筒状の出力ピストン48と、その出力ピストン48と圧力室44との間においてシリンダハウジング42内に摺動可能に嵌め入れられると共に出力ピストン48から離間可能に設けられ、圧力室44内の油圧を受けて出力ピストン48へ推力を伝達する円環状の推力伝達ピストン50と、その推力伝達ピストン50の圧力室44側に設けられ、圧力室44を油密に封止するためのシール部材52とを備えている。
上記シリンダハウジング42は、圧力室44の外周側から径方向外側へ突設されて、その圧力室44へ作動油を供給するため及び圧力室44から作動油を排出するための金属配管54に接続され、その金属配管54内の制御油路56と圧力室44とを連通させる連通孔58が形成された配管接続部42aと、圧力室44の外周側から径方向外側へ複数突設され、シリンダハウジング42をクラッチハウジング24に固定するためにボルト60によりクラッチハウジング24に締着された複数の固定部42bとを備えて構成されている。また、上記出力ピストン48は、段付円筒状に形成されており、シリンダハウジング42内に摺動可能に嵌め入れられた小径側の摺動部48aと、その摺動部48aのダイヤフラムスプリング32側においてレリーズベアリング46を内包する大径側の軸受収容部48bとを有して構成されている。
また、クラッチシリンダ40には、出力ピストン48の軸心C1方向の所定の原位置からの移動距離(移動量)S1を検出する第1ストロークセンサ62と、推力伝達ピストン50の軸心C1方向の所定の原位置からの移動距離(移動量)S2を検出する第2ストロークセンサ64とが設けられている。上記第1ストロークセンサ62は、軸心C1方向において出力ピストン48の軸受収容部48bとシリンダハウジング42との間に配設され、スプリング66により軸受収容部48b側に向けて常時付勢されることで出力ピストン48と共に軸心C1方向に移動可能に設けられ、外周面に固着された第1環状磁石68を有する円筒状部材70と、その円筒状部材70の外周側に配設されると共にシリンダハウジング42に固定された円筒状カバー72の外周面に固定され、所謂ホール効果を用いて上記第1環状磁石68の磁界の強さを電気信号として検出する複数のホール素子が軸心C1方向に連ねられて成り、上記複数のホール素子のうち、第1環状磁石68の磁界の強さを最も大きく検出したホール素子の軸心C1方向の位置に基づいて、出力ピストン48の軸心C1方向の移動距離S1を検出するホール素子アレイ74とを備えて構成される。上記ホール効果とは、磁界中にある金属や半導体にその磁界と垂直向きの電流を流すと、その電流および磁界にそれぞれ直交する方向に、上記磁界の強さおよび向きに応じた起電力E[V]が発生する現象である。
上記第2ストロークセンサ64は、推力伝達ピストン50の内周面に形成された円環状の溝内に固着された第2環状磁石76と、その第2環状磁石76の内周側においてシリンダハウジング42の内周面に固定され、所謂ホール効果を用いて上記第2環状磁石76の磁界の強さを電気信号として検出する複数のホール素子が軸心C1方向に連ねられて成り、上記複数のホール素子のうち、第2環状磁石76の磁界の強さを最も大きく検出したホール素子の軸心C1方向の位置に基づいて、推力伝達ピストン50の軸心C1方向の移動距離S2を検出する第2ホール素子アレイ78とを備えて構成される。
上記のように構成されたクラッチシリンダ40では、ダイヤフラムスプリング32の内周端部をそのダイヤフラムスプリング32の反力に抗してフライホイール28側へ移動させるクラッチ操作力に相当する所定の推力を出力ピストン48に与える所定のクラッチ作動油圧が、図1に示す後述のクラッチ油圧制御装置80によって圧力室44に作用させられた場合には、出力ピストン48によりダイヤフラムスプリング32に摩擦クラッチ18の開作動のためのクラッチ操作力が伝達される。そして、上記クラッチ作動油圧の大きさに応じて、出力ピストン48からダイヤフラムスプリング32の内周端部へ伝達されるクラッチ操作力の大きさが変化させられるようになっている。
なお、本実施例では、クラッチシリンダ40のピストンは、軸心C1方向に分割されて相互に離間可能な出力ピストン48および推力伝達ピストン50から構成されている。これにより、出力ピストン48が摩擦クラッチ18の完全係合状態に対応する軸心方向の位置に位置させられて、エンジン14の振動が摩擦クラッチ18を介して出力ピストン48に伝達される場合であっても、出力ピストン48と推力伝達ピストン50との間に微量の隙間が形成されることにより、上記振動が推力伝達ピストン50およびシール部材52に伝達するのを防止することができるようになっている。
図1に戻って、クラッチ装置10は、クラッチシリンダ40の圧力室44内の油圧を制御するクラッチ油圧制御装置80を備えている。このクラッチ油圧制御装置80は、油圧源82と、摩擦クラッチ18を開放させる等のために油圧源82で加圧された作動油をクラッチシリンダ40の圧力室44へ供給し、また、摩擦クラッチ18を係合させるためにクラッチシリンダ40の圧力室44内の作動油を流出させる流量制御弁84とを備えている。
上記油圧源82は、オイルタンク86から作動油を圧送する電動式のオイルポンプ88と、そのオイルポンプ88の吐出口に逆止弁90を介して接続された吐出油路92に設けられたアキュムレータ94とを備えている。
前記流量制御弁84は、ソレノイドに供給される駆動電流I[A]に応じて、吐出油路92と制御油路52とを連通させることで上記油圧源82で加圧された作動油をクラッチシリンダ40の圧力室44へ供給する状態と、吐出油路92とドレン油路96とを連通させることでクラッチシリンダ40の圧力室44内の作動油を流出させる流量させる状態とを、相互に切り替える電磁弁である。
図1において、クラッチ装置10の制御装置としての機能を含む電子制御装置12は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUがRAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、変速機16の変速制御やクラッチ装置10の作動制御などを実行する。
電子制御装置12には、たとえば、第1ストロークセンサ62により検出される出力ピストン48の軸心C方向の所定の原位置からの移動距離(移動量)S1を表す信号、第2ストロークセンサ64により検出される推力伝達ピストン50の軸心C方向の所定の原位置からの移動距離(移動量)S2を表す信号、アクセル開度センサ98により検出されるアクセルペダルの操作量すなわちアクセル開度Accを表す信号、車速センサ100により検出される車速Vを表す信号などがそれぞれ供給される。
一方、電子制御装置12からは、変速機16の変速段を切り換えるためにシフト装置20を駆動する信号、クラッチ装置10の摩擦クラッチ18の係合状態を切り換える等のために流量制御弁84を駆動するための信号などがそれぞれ出力される。
図3は、電子制御装置12に備えられた制御機能の要部を説明するための機能ブロック線図である。図3において、変速制御手段102は、図4に示すような予め定められた関係すなわち変速マップから、実際の車速Vおよびアクセル開度Accに基づいて、変速機16の変速すべき目標変速段を決定する。その決定された目標変速段が実際の変速機16の変速段と異なる場合には、変速制御手段102は、先ず、クラッチ油圧制御装置80の流量制御弁84を駆動してクラッチシリンダ40の圧力室44にクラッチ作動油圧を作用させて、摩擦クラッチ18を開放状態とする。次いで、変速制御手段102は、シフト装置20を駆動して変速機16の変速段を上記決定された目標変速段に切り換える。次いで、変速制御手段102は、流量制御弁84を駆動してクラッチシリンダ40の圧力室44から作動油を流出させて、摩擦クラッチ18を係合状態とすることによって、変速機16の変速を自動的に行う自動変速制御を実行する。
隙間詰め制御手段104は、摩擦クラッチ18が係合させられているか否かを、変速制御手段102により変速制御が行われていないか否かに基づいて判定する。また、隙間詰め制御手段104は、たとえば予め実験的に求められた関係から、出力ピストン48の所定の原位置からの移動距離S1と推量伝達ピストン50の所定の原位置からの移動距離S2とに基づいて、図2に示す出力ピストン48と推力伝達ピストン50との間に形成される隙間の軸心C1方向距離すなわち隙間量X[mm]を算出する。そして、隙間詰め制御手段104は、摩擦クラッチ18が係合させられているときに、上記算出された隙間量Xが予め定められた隙間詰め開始判定値X1[mm]を超えた場合には、推力伝達ピストン50を出力ピストン48側へ移動させるが出力ピストン48を摩擦クラッチ18のダイヤフラムスプリング32側へ移動させないようにクラッチ油圧制御装置80を制御して、推力伝達ピストン50と出力ピストン48との間の隙間を詰める隙間詰め制御を行う。上記隙間詰め開始判定値X1は、摩擦クラッチ18の開作動の応答性低下量が許容量以内であるときの隙間量Xの最大値であり、予め実験的に求められる。
具体的には、隙間詰め制御手段104は、図5の上段に示すように、予め実験的に求められて設定された所定周期T[s]の間隔で所定時間tt[s]の間に最大値が所定駆動電流I[A]となる駆動電流I[A]を流量制御弁84のソレノイドに供給することで、所定圧力値の油圧をクラッチシリンダ40の圧力室44に間欠的に作用させて、推力伝達ピストン50を出力ピストン48側へ少しずつ移動させる。上記のように、所定周期Tのうちの比較的短い時間である所定時間ttの間だけ所定圧力値の油圧を圧力室44に間欠的に作用させることにより、出力ピストン48と推力伝達ピストン50との間に隙間が有る場合には、推力伝達ピストン50だけが少しずつ出力ピストン48側へ移動させられる。図5において、ピストン間の隙間を詰めるためのクラッチ油圧制御装置80の制御を開始したt1時点からt2時点までの間は、出力ピストン48と推力伝達ピストン50との間に隙間が有り、推力伝達ピストン50が出力ピストン48側へ移動しても図5の下段に示すように出力ピストン48の軸心C1方向の移動距離(出力ピストンストローク)S1が変化しない。そして、上述のように所定周期Tのうちの比較的短い時間である所定時間ttの間だけ所定圧力値の油圧を圧力室44に間欠的に作用させることにより、出力ピストン48と推力伝達ピストン50との間の隙間が詰まった場合であっても、摩擦クラッチ18を開作動させるほどに圧力室44内が昇圧せず、出力ピストン48が摩擦クラッチ18を開作動させるほどにダイヤフラムスプリング32側へ移動しないようになっている。図5において、推力伝達ピストン50が出力ピストン48に当接したt2時点以降においては、流量制御弁84のソレノイドへの間欠的な駆動電流I[A]の供給に応じて、出力ピストン48が摩擦クラッチ18の係合状態に変化を与えない程度に微量にダイヤフラムスプリング32側へ間欠的に移動させられる。なお、上記所定圧力値は、油圧源82から流量制御弁84に供給される油圧の圧力値(元圧)またはそれ以下の値であり、たとえば、ピストン間に隙間が有る場合には推力伝達ピストン50を出力ピストン48側へ移動させ、且つピストン間に隙間が無い場合には所定周期Tの間隔で所定時間ttの間に圧力室44に作用させても摩擦クラッチ18を開作動させないように、予め実験的に求められた値である。
また、隙間詰め制御手段104は、例えば、変速制御手段102において目標変速段が実際の変速段と異なると判定されたか否かに基づいて、変速制御手段102による変速機16の変速段切換が開始されたか否かを判定し、変速機16の変速段切換が開始されたと判定された場合には、推力伝達ピストン50と出力ピストン48との間の隙間を詰めるためにクラッチ油圧制御装置80を制御することを止める。
図6は、電子制御装置12の信号処理によって実行される制御作動の要部を説明するフローチャートである。このフローチャートは、電子制御装置12による制御作動のうちの隙間詰め制御のための制御作動を説明するためのものであり、例えば、数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行される。
図6において、先ず、隙間詰め制御手段104に対応するステップ(以下、「ステップ」を省略する)S1においては、変速機18の変速制御が行われているか否かに基づいて、摩擦クラッチ18が係合状態にあるが否かが判定される。
S1の判定が否定される場合には、S1以下が繰り返し実行されるが、S1の判定が肯定される場合には、隙間詰め制御手段104に対応するS2において、出力ピストン48と推力伝達ピストン50との間の隙間量Xが算出される。
S2に次いで、隙間詰め制御手段104に対応するS3において、S2で算出された隙間量Xが予め定められた隙間詰め開始判定値X1よりも大きいか否かを判定する。
S3の判定が否定される場合には、S2以下が繰り返し実行されるが、S3の判定が肯定される場合には、隙間詰め制御手段104に対応するS4において、予め実験的に求められて設定された所定周期T[s]の間隔で所定時間tt[s]の間に最大値が所定駆動電流I[A]となる駆動電流I[A]が流量制御弁84のソレノイドに供給されることで、所定圧力値の油圧がクラッチシリンダ40の圧力室44に間欠的に作用させられて、推力伝達ピストン50が出力ピストン48側へ少しずつ移動させられる。
S4に次いで、隙間詰め制御手段104に対応するS5において、変速制御において目標変速段が実際の変速段と異なると判定されたか否かに基づいて、変速機16の変速段切換が開始されたか否かが判定される。
S5の判定が否定される場合には、S4以下が繰り返し実行されるが、S5の判定が肯定される場合には、本ルーチンが終了させられる。
本実施例のクラッチ装置10の制御装置として機能する電子制御装置12によれば、摩擦クラッチ18が係合させられているときに、推力伝達ピストン50を出力ピストン48側へ移動させるが出力ピストン48を摩擦クラッチ18のダイヤフラムスプリング32側へ移動させないようにクラッチ油圧制御装置80を制御して、推力伝達ピストン50と出力ピストン48との間の隙間を詰める隙間詰め制御手段104を含むことから、摩擦クラッチ18の閉作動時にクラッチシリンダ40の圧力室44から流出させられる作動油の慣性、又は車両の前方加速走行時にクラッチシリンダ40の圧力室44内の作動油およびそれに連通された制御油路56内の作動油が車両の後方側へ移動させられること等に起因して、クラッチシリンダ40の圧力室44内に負圧が発生してクラッチシリンダ40の出力ピストン48と推力伝達ピストン50との間に隙間が形成されても、摩擦クラッチ18の開作動が開始されるまでの間に上記隙間が詰められるか或いは小さくされるので、摩擦クラッチ18の開作動が開始されてから圧力室44の昇圧開始までの時間が早まり、摩擦クラッチ18の開作動の応答性を向上させることができる。そして、上記のようにして隙間が詰められない場合と比較して、変速機16の変速時間が短くなると共に、変速時の車両の空走感が小さくなり、ドライバビリティが向上される。
また、本実施例の電子制御装置12によれば、隙間詰め制御手段104は、所定周期Tのうちの比較的短い所定時間ttの間だけ所定圧力値の油圧がクラッチシリンダ40の圧力室44へ間欠的に作用するようにクラッチ油圧制御装置80を制御することから、出力ピストン48と推力伝達ピストン50との間に隙間が有る場合には、推力伝達ピストン50だけを少しずつ出力ピストン48側へ移動させることができ、出力ピストン48と推力伝達ピストン50との間の隙間が詰まった場合には、摩擦クラッチ18を開作動させるほど圧力室44内が昇圧せず、出力ピストン48が摩擦クラッチ18を開作動させるほどダイヤフラムスプリング32側へ移動させられないので、隙間詰め制御を実施しつつも、隙間が詰まった後の隙間詰め制御の実施により摩擦クラッチ18が滑るのを防止することができる。
また、本実施例の電子制御装置12によれば、隙間詰め制御手段104は、出力ピストン48の軸心C1方向の所定の原位置からの移動距離S1を検出する第1ストロークセンサ62と、推力伝達ピストン50の軸心C1方向の所定の原位置からの移動距離S2を検出する第2ストロークセンサ64とを備え、隙間詰め制御手段104は、第1ストロークセンサ62により検出された出力ピストン48の移動距離S1と第2ストロークセンサ64により検出された推量伝達ピストン50の移動距離S2とに基づいて、出力ピストン48と推力伝達ピストン50との間の隙間量Xを算出し、その隙間量Xが予め定められた隙間詰め開始判定値X1を超えた場合に、上記隙間を詰めるためにクラッチ油圧制御装置80を制御することから、上記隙間量X1が摩擦クラッチ18の開作動の応答性低下に影響がないほどに小さい場合には、不要な油圧制御(隙間詰め制御)が行われないので、隙間詰め制御が行われることで作動させられるクラッチ油圧制御装置80やシーブ部材52等の耐久性が低下することを抑制することができる。
次に、本発明の他の実施例について説明する。なお、以下の実施例の説明において、実施例相互に重複する部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図7は、本発明の他の実施例の車両用クラッチ装置110およびその制御装置としての機能を一部に有する電子制御装置112を示す概略図である。図7に示すように、本実施例の車両用クラッチ装置110のクラッチ油圧制御装置114には、クラッチシリンダ40の圧力室44と流量制御弁84との間を接続する制御油路56に設けられてその制御油路56内の油圧の圧力値を検出する圧力センサ116が備えられている。そして、電子制御装置112には、上記圧力センサ116により検出された制御油路56内の油圧の圧力値すなわち圧力室44内の油圧の圧力値P[Pa]を表す信号が供給される。
図8は、電子制御装置112に備えられた制御機能の要部を説明するための機能ブロック線図である。図8において、本実施例の隙間詰め制御手段118は、前述の実施例1の隙間詰め制御手段104と比較して、出力ピストン48と推力伝達ピストン50との間の隙間量Xの算出手順が異なる。すなわち、隙間詰め制御手段118は、図9に示す予め実験的に求められて記憶された関係から、圧力センサ116により検出された制御油路56内の油圧の圧力値P[Pa]に基づいて、出力ピストン48と推力伝達ピストン50との間の隙間量Xを算出する。図9に示すように、隙間詰め制御手段118は、制御油路56内の油圧の圧力値Pが負圧値であるときに隙間が形成され、その負圧値の絶対値が大きいほど隙間量Xが大きいと推定する。
上記以外の車両用クラッチ装置110および電子制御装置112の構成は、実施例1のクラッチ装置10および電子制御装置12と同じである。
本実施例の電子制御装置112によれば、摩擦クラッチ18が係合させられているときに、推力伝達ピストン50を出力ピストン48側へ移動させるが出力ピストン48を摩擦クラッチ18のダイヤフラムスプリング32側へ移動させないようにクラッチ油圧制御装置80を制御して、推力伝達ピストン50と出力ピストン48との間の隙間を詰める隙間詰め制御手段104を含むことから、摩擦クラッチ18の閉作動時にクラッチシリンダ40の圧力室44から流出させられる作動油の慣性、又は車両の前方加速走行時にクラッチシリンダ40の圧力室44内の作動油およびそれに連通された制御油路56内の作動油が車両の後方側へ移動させられること等に起因して、クラッチシリンダ40の圧力室44内に負圧が発生してクラッチシリンダ40の出力ピストン48と推力伝達ピストン50との間に隙間が形成されても、摩擦クラッチ18の開作動が開始されるまでの間に上記隙間が詰められるか或いは小さくされるので、実施例1と同様に、摩擦クラッチ18の開作動が開始されてから圧力室44の昇圧開始までの時間が早まり、摩擦クラッチ18の開作動の応答性を向上させることができる。
また、本実施例の電子制御装置112によれば、隙間詰め制御手段118は、予め実験的に求められて記憶された関係から、圧力センサ116により検出された制御油路56内の油圧の圧力値に基づいて、出力ピストン48と推力伝達ピストン50との間の隙間量Xを推定することから、隙間量Xを求めるために、前述の実施例1のように第1ストロークセンサ62および第2ストロークセンサ64を設ける必要がなく、比較的安価な圧力センサ116が設ければよいので、車両用クラッチ装置110の製造コストを低減することができる。
図10は、クラッチ装置10の制御装置として機能する、本発明の他の実施例の電子制御装置120の制御系統を示すと共に、その電子制御装置120に備えられた制御機能の要部を説明するための機能ブロック線図である。図10に示すように、本実施例の電子制御装置120には、車両に設けられた加速度センサ122により検出された車両の前進方向の加速度G[m/s2]を表す信号が供給される。
本実施例の隙間詰め制御手段124は、前述の実施例1の隙間詰め制御手段104と比較して、出力ピストン48と推力伝達ピストン50との間の隙間量Xの算出手順が異なる。すなわち、隙間詰め制御手段124は、図11に示す予め実験的に求められて記憶された関係から、加速度センサ122により検出された車両の前進方向の加速度Gに基づいて、出力ピストン48と推力伝達ピストン50との間の隙間量Xを算出する。図11に示すように、隙間詰め制御手段124は、車両の前進方向の加速度Gが大きいほど、出力ピストン48と推力伝達ピストン50との間の隙間量Xが大きいと推定する。
本実施例の電子制御装置120によれば、摩擦クラッチ18が係合させられているときに、推力伝達ピストン50を出力ピストン48側へ移動させるが出力ピストン48を摩擦クラッチ18のダイヤフラムスプリング32側へ移動させないようにクラッチ油圧制御装置80を制御して、推力伝達ピストン50と出力ピストン48との間の隙間を詰める隙間詰め制御手段104を含むことから、摩擦クラッチ18の開作動が開始されるまでの間にピストン間の隙間が詰められるか或いは小さくされるので、実施例1と同様に、摩擦クラッチ18の開作動の応答性を向上させることができる。
また、本実施例の電子制御装置120によれば、隙間詰め制御手段124は、予め実験的に求められて記憶された関係から、加速度センサ122により検出された車両の前進方向の加速度Gに基づいて、出力ピストン48と推力伝達ピストン50との間の隙間量Xを推定することから、隙間量Xを求めるために、前述の実施例1のように第1ストロークセンサ62および第2ストロークセンサ64を設ける必要がなく、車両に元々備えられている加速度センサ122を用いればよいので、隙間詰め制御を実施するための機能を車両に追加する際にかかる費用が少ないという利点がある。
図12は、クラッチ装置10の制御装置として機能する、本発明の他の実施例の電子制御装置130に備えられた制御機能の要部を説明するための機能ブロック線図である。本実施例の隙間詰め制御手段132は、前述の実施例1の隙間詰め制御手段104の備える制御機能に加えて、隙間詰め完了判定手段134を備えている。隙間詰め完了判定手段134は、推力伝達ピストン50と出力ピストン48との間の隙間を詰めるためにクラッチ油圧制御装置80を制御している間に、出力ピストン48が推力伝達ピストン50とは反対側に予め定められた所定距離s[mm]以上移動したことが第1ストロークセンサ62により検出された場合には、ピストン間の隙間詰めが完了したと判定する。そして、隙間詰め制御手段132は、隙間詰め完了判定手段134によりピストン間の隙間詰めが完了したと判定された場合には、隙間詰めのためにクラッチ油圧制御装置80を制御することを止める。
図13の上段に示すように、隙間詰め制御手段132は、予め実験的に求められて設定された所定周期T[s]の間隔で所定時間tt[s]の間に最大値が所定駆動電流I[A]となる駆動電流I[A]を流量制御弁84のソレノイドに供給することで、所定圧力値の油圧をクラッチシリンダ40の圧力室44に間欠的に作用させて、推力伝達ピストン50を出力ピストン48側へ少しずつ移動させる。そして、隙間詰め制御手段132は、図13に示すように、推力伝達ピストン50が出力ピストン48に当接したt2時点直後において、出力ピストン48の移動距離S1が移動距離S1−1から移動距離S1−2を超えて所定距離s[mm]以上移動したことが検出された以降においては、流量制御弁84のソレノイドへの間欠的な駆動電流I[A]の供給を止める。
図14は、電子制御装置130の信号処理によって実行される制御作動の要部を説明するフローチャートである。このフローチャートは、電子制御装置130による制御作動のうちの隙間詰め制御のための制御作動を説明するためのものであり、例えば、数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行される。なお、実施例1の図6と同様の制御作動については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図14において、S5の判定が肯定される場合には、本ルーチンが終了させられるが、S5の判定が否定される場合には、隙間詰め完了判定手段134に対応するS10において、出力ピストン48が推力伝達ピストン50とは反対側に予め定められた所定距離s以上移動したことが第1ストロークセンサ62により検出されたか否かに基づいて、ピストン間の隙間詰めが完了したか否か、すなわち隙間量Xが0(零)となったか否かが判定される。
S10の判定が否定される場合には、S4以下が繰り返し実行されるが、S10の判定が肯定される場合には、本ルーチンが終了させられる。
本実施例の電子制御装置130によれば、摩擦クラッチ18が係合させられているときに、推力伝達ピストン50を出力ピストン48側へ移動させるが出力ピストン48を摩擦クラッチ18のダイヤフラムスプリング32側へ移動させないようにクラッチ油圧制御装置80を制御して、推力伝達ピストン50と出力ピストン48との間の隙間を詰める隙間詰め制御手段104を含むことから、摩擦クラッチ18の開作動が開始されるまでの間にピストン間の隙間が詰められるか或いは小さくされるので、実施例1と同様に、摩擦クラッチ18の開作動の応答性を向上させることができる。
また、本実施例の電子制御装置130によれば、推力伝達ピストン50と出力ピストン48との間の隙間を詰めるためにクラッチ油圧制御装置80を制御している間に、出力ピストン48が推力伝達ピストン50とは反対側に予め定められた所定距離s以上移動したことが第1ストロークセンサ62により検出された場合には、ピストン間の隙間詰めが完了したと判定する隙間詰め完了判定手段134と、その隙間詰め完了判定手段134によりピストン間の隙間詰めが完了したと判定された場合には、隙間詰めのためにクラッチ油圧制御装置80を制御することを止める隙間詰め制御手段132とを備えていることから、ピストン間の隙間が詰められた以降には、不要な油圧制御(隙間詰め制御)が行われないので、隙間詰め制御が行われることで作動させられるクラッチ油圧制御装置80やシール部材52等の耐久性が低下することを抑制することができる。
以上、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、別の態様でも実施され得る。
例えば、隙間詰め制御手段104(118,124,132)は、隙間詰め制御に際して、予め設定された所定周期T[s]の間隔で所定時間tt[s]の間に最大値が所定駆動電流I[A]となる駆動電流I[A]を流量制御弁84のソレノイドに供給することで、クラッチシリンダ40の圧力室44に、大きさが最大で所定圧力値となる油圧を所定周期T毎に所定時間ttの間だけ間欠的に作用させるように構成されていたが、これに限らず、油圧を作用させる周期T、油圧を作用させる時間tt、および流量制御弁84のソレノイドに供給する最大の駆動電流Iのうちの少なくとも1つがピストン間の隙間量Xに応じて変更されるように構成されてもよい。たとえば、隙間量Xが大きいほど周期Tが小さくなるように、予め定められた関係から隙間量Xに基づいて周期Tを算出し、または、隙間量Xが大きいほど時間ttが大きくなるように、予め定められた関係から隙間量Xに基づいて時間ttを算出し、または、隙間量Xが大きいほど駆動電流Iが大きくなるように、予め定められた関係から隙間量Xに基づいて駆動電流Iを算出して、クラッチ油圧制御装置80(114)を制御するように構成されてもよい。ただし、上記周期T、時間tt、駆動電流Iのいずれか1、いずれか2、またはいずれか3が変更される場合であっても、クラッチ油圧制御装置80(114)が制御されてクラッチシリンダ40の圧力室44に作用させられる油圧の圧力値は、ピストン間に隙間が有る場合には推力伝達ピストン50を出力ピストン48側へ移動させ、且つピストン間に隙間が無い場合には摩擦クラッチ18を開作動させるほどに圧力室44内を昇圧させないように設定される。
また、隙間詰め完了判定手段134は、前述のものに限らず、例えば、第1ストロークセンサ62により検出された出力ピストン48の移動距離S1と第2ストロークセンサ64により検出された推量伝達ピストン50の移動距離S2とに基づいて、出力ピストン48と推力伝達ピストン50との間の隙間量Xを算出し、その隙間量Xが0(零)になった場合に、ピストン間の隙間詰めが完了したと判定するものであってもよい。また、予め定められた関係から、制御油路56内または圧力室44内の圧力値(負圧値)Pに基づいて隙間量Xを算出し、その隙間量Xが0(零)になった場合に、ピストン間の隙間詰めが完了したと判定するものであってもよい。また、予め定められた関係から、車両の加速度Gに基づいて隙間量Xを算出し、その隙間量Xが0(零)になった場合に、ピストン間の隙間詰めが完了したと判定するものであってもよい。
また、変速機16は、良く知られた平行軸式常時噛合型変速機構を有する有段式変速機であって、予め定められた変速マップから車速Vおよびアクセル開度Accに基づいて電子制御装置12(112,120,130)により変速段が切り換えられる自動変速制御が行われるものであったが、例えば、運転者により操作される変速段指示装置からの変速段指示信号に基づいて電子制御装置12(112,120,130)により変速段が切り換えられる手動変速制御が行われるものであってもよい。
また、クラッチ装置10の摩擦クラッチ18は、エンジン14と変速機16との間の動力伝達経路に設けられるものであったが、これに限らず、車両用駆動源と駆動輪との間の動力伝達経路であれば、どこに設けられてもよい。
また、クラッチシリンダ40は、ダイヤフラムスプリング32側から順に、出力ピストン48と、推力伝達ピストン50と、シール部材52とを備えていたが、これに限らず、例えば、シール部材52が設けられず、推力伝達ピストン50或いは出力ピストン48に圧力室44を油密に封止する機能が追加されてもよい。
また、出力ピストン48および推量伝達ピストン50の移動距離(移動量)を検出するセンサは、ホール素子を用いた磁気センサであったが、これに限らず、例えば、マグネスケール等の他のセンサが用いられてもよい。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、その他一々例示はしないが、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:車両用クラッチ装置
12,112,120,130:電子制御装置(制御装置)
18:摩擦クラッチ
32:ダイヤフラムスプリング(操作力入力部材)
40:クラッチシリンダ
44:圧力室
48:出力ピストン
50:推力伝達ピストン
56:制御油路(油路)
62:第1ストロークセンサ
64:第2ストロークセンサ
80,114:クラッチ油圧制御装置
104,118,124,132:隙間詰め制御手段
116:圧力センサ
122:加速度センサ
C1:軸心
G:加速度
P:圧力値
X:隙間量
X1:隙間詰め開始判定値
X2:隙間詰め完了判定値

Claims (8)

  1. 車両の動力伝達経路に設けられ、開作動することで該動力伝達経路における動力伝達を遮断する摩擦クラッチと、
    油圧を受け入れる圧力室と、前記摩擦クラッチの操作力入力部材に隣接して設けられて該操作力入力部材にクラッチ操作力を伝達する出力ピストンと、該出力ピストンと前記圧力室との間に設けられて該圧力室内の油圧を受けて該出力ピストンへ推力を伝達する推力伝達ピストンとを有するクラッチシリンダと、
    該クラッチシリンダの圧力室内の油圧を制御するクラッチ油圧制御装置と
    を、備える車両用クラッチ装置の制御装置であって、
    前記摩擦クラッチが係合させられているときに、前記推力伝達ピストンを前記出力ピストン側へ移動させるが該出力ピストンを該摩擦クラッチ側へ移動させないように前記クラッチ油圧制御装置を制御して、該推力伝達ピストンと該出力ピストンとの間の隙間を詰める隙間詰め制御手段を含むことを特徴とする車両用クラッチ装置の制御装置。
  2. 前記隙間詰め制御手段は、所定圧力値の油圧が前記圧力室へ間欠的に作用するように前記クラッチ油圧制御装置を制御することを特徴とする請求項1の車両用クラッチ装置の制御装置。
  3. 前記出力ピストンの軸心方向の移動量または移動位置を検出する第1ストロークセンサと、前記推力伝達ピストンの軸心方向の移動量または移動位置を検出する第2ストロークセンサとを備え、
    前記隙間詰め制御手段は、前記第1ストロークセンサにより検出された前記出力ピストンの移動量または移動位置、および第2ストロークセンサにより検出された前記推量伝達ピストンの移動量または移動位置に基づいて、該出力ピストンと該推力伝達ピストンとの間の隙間量を算出し、該隙間量が予め定められた隙間詰め開始判定値を超えた場合に、前記クラッチ油圧制御装置を制御することを特徴とする請求項1または2の車両用クラッチ装置の制御装置。
  4. 前記隙間詰め制御手段は、前記クラッチ油圧制御装置を制御している間に、前記隙間量が予め定められた隙間詰め完了判定値以下となった場合には、該クラッチ油圧制御装置を制御することを止めることを特徴とする請求項3の車両用クラッチ装置の制御装置。
  5. 前記クラッチシリンダの圧力室と前記クラッチ油圧制御装置との間を接続する油路に設けられて該油路内の油圧の圧力値を検出する圧力センサを備え、
    前記隙間詰め制御手段は、予め定められた関係から、前記圧力センサにより検出された前記油路内の油圧の圧力値に基づいて、前記出力ピストンと前記推力伝達ピストンとの間の隙間量を推定し、該隙間量が予め定められた隙間詰め開始判定値を超えた場合に、前記クラッチ油圧制御装置を制御することを特徴とする請求項1または2の車両用クラッチ装置の制御装置。
  6. 前記クラッチシリンダは、前記摩擦クラッチに対して車両の後方側に配設され、
    該車両の前進方向の加速度を検出する加速度センサを備え、
    前記隙間詰め制御手段は、予め定められた関係から、前記加速度センサにより検出された前記車両の前進方向の加速度に基づいて、前記出力ピストンと前記推力伝達ピストンとの間の隙間量を推定し、該隙間量が予め定められた隙間詰め開始判定値を超えた場合に、前記クラッチ油圧制御装置を制御することを特徴とする請求項1または2の車両用クラッチ装置の制御装置。
  7. 前記出力ピストンの軸心方向の移動量または移動位置を検出する第1ストロークセンサを備え、
    前記隙間詰め制御手段は、前記クラッチ油圧制御装置を制御している間に、前記出力ピストンが前記推力伝達ピストンとは反対側に予め定められた所定距離以上移動したことが前記第1ストロークセンサにより検出された場合には、該クラッチ油圧制御装置を制御することを止めることを特徴とする請求項1乃至2および5乃至6のいずれか1の車両用クラッチ装置の制御装置。
  8. 前記隙間詰め制御手段は、前記クラッチ油圧制御装置を制御している間に、前記出力ピストンが前記推力伝達ピストンとは反対側に予め定められた所定距離以上移動したことが前記第1ストロークセンサにより検出された場合には、該クラッチ油圧制御装置を制御することを止めることを特徴とする請求項3または4の車両用クラッチ装置の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114569037A (zh) * 2022-03-21 2022-06-03 江苏凯德电控科技有限公司 一种开门装置及安装开门装置的洗碗机

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