JP6732908B2 - スラグ排出システム、これを備えたガス化炉、およびスラグ排出システムの運転方法 - Google Patents

スラグ排出システム、これを備えたガス化炉、およびスラグ排出システムの運転方法 Download PDF

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Description

本発明は、石炭等の炭素含有固体燃料を熱分解させてガス化するガス化炉のスラグ排出システム、これを備えたガス化炉、およびスラグ排出システムの運転方法に関する。
石炭、木質ペレット等のバイオマス燃料、ペットコーク等の炭素含有固体燃料を熱分解することより可燃性ガスを生成するガス化炉では、炭素含有固体燃料の灰分が溶融し、スラグとしてガス化炉の底部に設けられたスラグホッパに堆積する。スラグホッパにはスラグ冷却水が貯留されており、スラグはこのスラグ冷却水中に落下して急冷されることにより固化し、破砕される。
このように固化・破砕されてスラグホッパ内に溜まったスラグは、ガス化炉の外部に設けられたロックホッパを経てガス化炉の系外へと排出される。スラグはスラグ冷却水に比べて密度が大きいため、従来はスラグホッパからロックホッパへスラグを移動させる際、重力により自然落下させていた。例えば、特許文献1に、ガス化炉の下方にロックホッパを配置したスラグ排出システムが開示されている。
ところが、上述したスラグ排出システムによれば、ガス化炉の下方にロックホッパを設けるためにガス化炉の配置位置が高くなる。したがって、プラントの設置面からガス化炉上部までの高さが増すこととなる。ガス化炉の配置位置が高くなることにより、ガス化炉を支持する支持架台や操作架台などの配置位置が高くなる。
そこで、特許文献2に開示されているようなスラグ排出システムが提案されている。このスラグ排出システムでは、ロックホッパをガス化炉の側方に配置し、ガス化炉底部のスラグホッパからロックホッパへと連通するスラグ排出ラインを設け、循環ポンプによってスラグ排出ライン中にスラグホッパからロックホッパへの水流を形成し、この水流によってスラグホッパ内のスラグをロックホッパへ排出するようにしている。
こうすることにより、スラグをスラグ冷却水の流れに乗せてスラグホッパからロックホッパに移送することができるため、ロックホッパをガス化炉の側方に配置することが可能となり、プラントの設置面からガス化炉上部までの高さを低く抑えることができる。
特開2011−74274号公報 特許第5743093号公報
上記のように、特許文献2に示される従来のスラグ排出システムでは、ガス化炉底部のスラグホッパに落下したスラグを、スラグホッパに貯留されたスラグ冷却水と共にスラグ排出ラインで吸い出している。スラグホッパからスラグを吸い出すスラグ排出ラインのスラグ吸出口は、鉛直下方を向いてスラグホッパの底面に向かって開口している。
ガス化炉の通常運転時は、スラグホッパ内に落下するスラグが順次スラグ排出ラインのスラグ吸出口から吸い出されて排出されるため、スラグ吸出口にスラグが堆積することはない。しかし、ガス化炉の起動時や一時的な運転停止後にはスラグ吸出口の上までスラグが堆積した状態となることがある。この状態でスラグ排出ラインからのスラグ吸い出しを再開した場合、スラグの密度が高過ぎてスラグ排出ラインが詰まり、閉塞してしまう懸念がある。また、スラグ排出ライン内に残存するスラグによってスラグ排出ラインが閉塞してしまう懸念もある。このように、スラグ排出ラインを閉塞させる事象は、主にスラグ排出システムの起動時に起こりやすく、そうなるとガス化炉の運転に支障を来す。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、簡素な構成により、ガス化炉の底部からスラグを吸い出すスラグ吸出口がスラグによって閉塞することを抑制または解消し、ガス化炉の運転を順調に行うことのできるスラグ排出システム、これを備えたガス化炉、およびスラグ排出システムの運転方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を採用する。
即ち、本発明の第1態様に係るスラグ排出システムは、炭素含有固体燃料をガス化するガス化炉の底部に設けられ、前記炭素含有固体燃料から生じたスラグを受容するとともに、該スラグを急冷するスラグ冷却水が貯留されたスラグホッパと、前記スラグホッパの底部に堆積する前記スラグを前記スラグ冷却水と共に吸い出すスラグ吸出口と、前記スラグ吸出口から吸い出された前記スラグと前記スラグ冷却水とを前記スラグホッパの外部に搬送するスラグ冷却水送水ラインと、前記スラグ冷却水送水ラインに接続され、前記スラグ冷却水に含まれる前記スラグを分離するスラグ分離装置と、前記スラグ分離装置から前記スラグホッパに前記スラグ冷却水を循環させるスラグ冷却水循環ラインと、前記スラグ冷却水循環ラインに接続され、前記スラグ吸出口から前記スラグと前記スラグ冷却水とを吸い出す水流を形成する循環ポンプと、一端が前記スラグ冷却水送水ラインに接続され、他端が前記スラグ冷却水循環ラインにおける前記循環ポンプの下流側との間に接続された逆流ラインと、前記循環ポンプから吐出された前記スラグ冷却水を、前記スラグ冷却水循環ラインと前記逆流ラインとに選択的に供給可能にする選択供給部と、前記スラグ冷却水送水ラインまたは前記スラグ冷却水循環ラインにおける、前記スラグ分離装置に隣接する区間に一端が接続された水供給ラインと、前記水供給ラインに設けられた水供給弁と、を備えている。
前記構成のスラグ排出システムによれば、循環ポンプから吐出されたスラグ冷却水がスラグ冷却水循環ラインを通ってスラグホッパに流れるように選択供給部を操作すれば、スラグ冷却水送水ライン中に、スラグ吸出口からスラグ分離装置への水流が形成される。このため、スラグホッパの底部に堆積したスラグがスラグ冷却水と共にスラグ吸出口から吸い出されてスラグ冷却水送水ラインを経てスラグ分離装置に送給され、スラグ排出システムは通常運転モードとなる。
また、循環ポンプから吐出されたスラグ冷却水が逆流ライン側に流れるように選択供給部を操作すれば、循環ポンプから吐出されたスラグ冷却水が、逆流ラインとスラグ冷却水送水ラインとを経てスラグホッパ内に逆流し、スラグ排出システムは逆流運転モードとなる。このため、スラグ冷却水送水ラインの上流側部分の内部が逆洗パージされる。
したがって、スラグ吸出口の周囲にスラグが堆積していたり、スラグ冷却水送水ラインの内部にスラグが残留していても、この残留したスラグがスラグ冷却水の逆流によってスラグホッパ側に流し戻され、これによってスラグ吸出口およびスラグ冷却水送水ラインの閉塞を抑制または解消することができる。
逆流運転モードにおいては、水供給弁を開くことにより、スラグ冷却水送水ラインまたはスラグ冷却水循環ラインにおける、スラグ分離装置に隣接する区間に水供給ラインから水が供給される。この水としては、スラグホッパに貯留されたスラグ冷却水、あるいは系外から導入される外水が考えられる。このため、循環ポンプの吸込み側が真空になることを防止し、循環ポンプから吐出された水を逆流ラインからスラグ冷却水送水ライン側に逆流させてスラグ吸出口およびスラグ冷却水送水ラインの閉塞を確実に解消することができる。
逆流ラインは、スラグ冷却水送水ラインにおけるスラグ吸出口からスラグ分離装置までの区間と、スラグ冷却水循環ラインにおける循環ポンプの下流側との間をバイパス的に接続する1本の配管であるため、容易に配設することができる。また、選択供給部は、複数の遮断弁を組み合わせたり、多方向弁を用いたりすることによって比較的容易に構成することができる。しかも、逆流ラインを用いたスラグ冷却水送水ラインの逆洗パージは短時間で完了するため、逆流運転モードを長時間に亘って実行する必要はなく、ガス化炉の運転を中断させることはない。
前記構成のスラグ排出システムにおいて、前記水供給ラインは、その他端から前記スラグホッパに貯留された前記スラグ冷却水が供給される構成としてもよい。
こうすれば、逆流運転時に水供給弁を開くことにより、スラグホッパに貯留されたスラグ冷却水が水供給ラインを経て循環ポンプに供給される。これにより、系外から外水を引くことなく、系内のスラグ冷却水を有効に利用して逆流運転を行うことができる。
上記のように水供給ラインからスラグホッパに貯留された前記スラグ冷却水が供給されたスラグ排出システムにおいて、前記水供給ラインの前記一端を前記スラグ分離装置の下流側に接続してもよい。
こうすれば、スラグ分離装置が故障等により停止した場合にも逆流運転を行うことができる。
上記のように水供給ラインからスラグホッパに貯留された前記スラグ冷却水が供給されたスラグ排出システムにおいて、前記水供給ラインの前記一端を前記スラグ分離装置の上流側に接続してもよい。
こうすれば、逆流運転時にスラグホッパに貯留されたスラグ冷却水がスラグ分離装置を通過することによって粗粒スラグを分離されてから循環ポンプに供給される。このため、循環ポンプおよび配管類の摩耗や損傷を防止することができる。
前記水供給ラインは、その前記他端が前記スラグ冷却水循環ラインにおける前記スラグホッパへの接続部付近に合流するように接続してもよい。
こうすれば、水供給ラインの他端をスラグホッパに接続するにあたり、ガス化炉およびスラグホッパに新たに穿孔することなく、既存の配管を利用して接続することができる。このため、水供給ラインの配設が容易になる。
前記構成のスラグ排出システムにおいて、前記ガス化炉は、前記炭素含有固体燃料を燃焼してガス化する燃焼部を有し、前記スラグホッパは、前記燃焼部と連通する内側空間を内部に有する内側容器及び該内側容器を覆う外側容器を有し、前記水供給ラインの前記他端は、前記内側容器と前記外側容器との間の外側空間に位置していてもよい。
燃焼部で炭素含有固体燃料が燃焼した際に生成されるスラグは、燃焼部と連通する内側空間へ供給される。これにより、内側空間と内側容器によって隔てられている外側空間にはほとんどスラグが存在しない。
上記構成では、水供給ラインの他端が外側空間に位置し、外側空間に貯留されたスラグ冷却水が水供給ラインに供給されている。これにより、水供給ラインの一端をスラグ分離装置の下流側に接続しても、スラグがほとんど含まれていないスラグ冷却水を循環ポンプに供給することができる。このように、スラグ分離装置を介さずに、スラグのほとんど含まれていないスラグ冷却水を循環ポンプに供給することができるので、スラグ分離装置が故障等により停止した場合にも逆流運転を行うことができ、且つ、スラグによる循環ポンプおよび配管類の摩耗や損傷を防止することができる。
前記構成のスラグ排出システムにおいて、前記選択供給部は、前記スラグ冷却水送水ラインにおける前記逆流ラインの接続部よりも下流側に設けられた送水遮断弁と、前記逆流ラインに設けられた逆流遮断弁と、を備えて構成してもよい。
選択供給部を上記構成とすることにより、送水遮断弁を開いて逆流遮断弁を閉じれば通常運転モードとなり、送水遮断弁を閉じて逆流遮断弁を開けば逆流運転モードとなる。本構成により、選択供給部を簡素で信頼性の高い構成とすることができる。
前記選択供給部は、前記スラグ冷却水循環ラインにおける前記逆流ラインの接続部よりも下流側に設けられた循環遮断弁をさらに備えていてもよい。
選択供給部を上記構成とすれば、逆流運転モードの実行時に循環遮断弁を閉じる、または開度を小さくすることにより、循環ポンプから吐出されたスラグ冷却水または外水を逆流ラインに優先的に流すことができる。これにより、スラグ吸出口およびスラグ冷却水送水ラインの閉塞を確実且つ迅速に解消することができる。
前記スラグ冷却水送水ラインには、前記逆流ラインから流入する流体を前記スラグ吸出口側に送るか前記スラグ分離装置側に送るかを切換える切換え手段が設けられていてもよい。
上記構成のように、スラグ冷却水送水ラインに切換え手段を設ければ、切換え手段を切換えることで、逆流ラインからスラグ冷却水送水ラインに流入する流体(例えば、スラグ冷却水や外水)をスラグ吸出口に供給するかスラグ分離装置に供給するかを選択することができる。
したがって、スラグ吸出口の周囲にスラグが堆積していたり、スラグ冷却水送水ラインの内部にスラグが残留していた場合に、逆流ラインを流通する流体をスラグ吸出口に供給するように、切換え手段を切換えれば、スラグ吸出口に供給される流体によって残留したスラグがスラグホッパ側に流し戻され、これによってスラグ吸出口およびスラグ冷却水送水ラインの閉塞を抑制または解消することができる。
また、スラグ分離装置の内部でスラグにより閉塞が発生した場合には、逆流ラインを流通する流体をスラグ分離装置に供給するように、切換え手段を切換えれば、スラグ分離装置に供給される流体によって閉塞の要因となっているスラグが押し流され、スラグ分離装置の内部の閉塞を解消することができる。
前記選択供給部および前記水供給弁を制御する制御部をさらに備えた構成としてもよい。これにより、通常運転モードと逆流運転モードの切り替えを自動的に行うことができる。
前記構成のスラグ排出システムにおいて、前記循環ポンプの吸い込み側の圧力を測定する圧力計をさらに備え、前記制御部は、前記圧力計により測定された圧力データが所定の閾値を超えた時に、前記循環ポンプから吐出された前記スラグ冷却水が前記逆流ラインを経て前記スラグホッパに流れるように前記選択供給部を制御する制御部と、をさらに備えた構成としてもよい。
ガス化炉の起動時、あるいは運転中(通常運転モード)において、スラグ吸出口の周囲やスラグ冷却水送水ラインの内部にスラグが堆積して閉塞気味になると、循環ポンプの吸込み側の圧力が低くなる。この圧力データが所定の閾値を超えると、制御部が選択供給部を制御し、これによって循環ポンプから吐出されたスラグ冷却水が逆流ラインを経てスラグホッパに逆流する逆流運転モードとなる。このため、スラグの堆積によるスラグ吸出口およびスラグ冷却水送水ラインの閉塞が抑制または解消される。
このようにすれば、循環ポンプの吸い込み側に圧力計を設け、その負圧データを制御部に入力して制御部に選択供給部を制御させるという簡素な構成により、スラグ吸出口およびスラグ冷却水送水ラインの閉塞を自動的に抑制または解消することができる。
前記構成のスラグ排出システムにおいて、前記スラグホッパは、その内部に複数のスラグポットが並設され、前記スラグ吸出口は複数の前記スラグポットに対応して複数設けられ、前記スラグ冷却水送水ラインの上流側区間は複数の前記スラグ吸出口に各々接続される複数の送水分岐ラインに分岐され、前記選択供給部は、前記逆流ラインから供給される前記スラグ冷却水または外水を、複数の前記送水分岐ラインに選択的に供給可能な構成としてもよい。
上記構成によれば、スラグ排出システムの通常運転モードにおいては一方のスラグポットを使用し、他方のスラグポットを待機状態にしておく。そして、所定の運転時間が経過し、一方のスラグポットからスラグを吸い出す一方の送水分岐ラインがスラグにより閉塞気味になったら、この一方のスラグポットを待機状態とし、他方のスラグポットのスラグを他方の送水分岐ラインで吸い出すように選択供給部を切り替え操作する。
この切り替え操作を行う際に、選択供給部を操作して、循環ポンプから吐出されたスラグ冷却水を逆流ラインから他方の送水分岐ラインに一時的に流し、他方の送水分岐ラインの内部をスラグポットに向かって逆洗パージする。即ち、一時的に逆流運転モードに切り替える。
これにより、待機状態にあった他方の送水分岐ラインの内部にスラグが堆積または残留していても、この残留したスラグをスラグポット側に流し戻し、送水分岐ラインの閉塞の可能性を排除した上で、この送水分岐ラインにより他方のスラグポットのスラグを吸い出させて通常運転を続行することができる。他方のスラグポットから一方のスラグポットに運転を切り替える時も同様に送水分岐ラインの逆洗パージを行う。
このように、複数のスラグポットを交代で使用し、その交代時に先駆けて一時的に逆流運転モードに切り替えて送水分岐ラインの逆洗パージを行うことにより、ガス化炉の運転を中断させることなく、スムーズに連続運用することができる。
前記構成のスラグ排出システムにおいて、前記スラグ吸出口は、単一の前記スラグホッパに対して複数設けてもよい。こうすれば、スラグホッパの平面面積に対するスラグ吸出口の吸い込み面積の割合が多くなるため、スラグによってスラグ吸出口が閉塞してしまう確率を低下させる、あるいは閉塞するまでの時間を延ばすことができる。
前記構成のスラグ排出システムにおいて、前記スラグ冷却水循環ラインから分岐して前記スラグホッパの底部に接続される撹拌ラインと、前記撹拌ラインに接続された撹拌ライン弁と、をさらに備えた構成としてもよい。
上記構成によれば、撹拌ライン弁を開くことにより、循環ポンプから吐出されたスラグ冷却水が撹拌ラインを経てスラグホッパの底部から噴射され、スラグ排出システムは撹拌運転モードとなる。これにより、スラグホッパの底部に堆積したスラグを撹拌および希釈して流動化させ、スラグ吸出口から吸い込み易くしてスラグ吸出口およびスラグ冷却水送水ラインの閉塞を抑制または解消することができる。この撹拌ラインを用いてのスラグの撹拌および希釈も短時間で完了するため、撹拌運転モードを長時間に亘って実行する必要はなく、ガス化炉の運転を中断させることはない。
前記構成のスラグ排出システムにおいて、前記撹拌ラインは、前記スラグホッパの底部への接続部が複数設けられていてもよい。これにより、スラグホッパの底部に堆積したスラグをより広範囲に撹拌して流動化させ、スラグ吸出口およびスラグ冷却水送水ラインの閉塞を抑制または解消することができる。
前記構成のスラグ排出システムにおいて、前記スラグホッパは、その内部に複数のスラグポットが並設され、前記撹拌ラインの下流側区間は複数の前記スラグポットに各々接続される複数の撹拌分岐ラインに分岐され、前記撹拌ライン弁は、前記撹拌ラインから供給される前記スラグ冷却水を、複数の前記撹拌分岐ラインに選択的に供給可能な構成としてもよい。
上記構成によれば、前述のように複数のスラグポットを交代で使用する場合に、逆流ラインを用いてスラグ冷却水送水ラインの逆洗パージを行う逆流運転モードを実行するとともに、撹拌ライン弁を開いて循環ポンプから吐出されたスラグ冷却水または外水を複数の撹拌分岐ラインから各スラグポットの底部から噴射させる撹拌運転モードを実行することができる。これにより、各スラグポットの底部に堆積したスラグを撹拌および希釈して流動化させ、スラグ吸出口およびスラグ冷却水送水ラインの閉塞を抑制または解消することができる。
前記構成のスラグ排出システムにおいて、前記循環ポンプの吸い込み側の圧力を測定する圧力計と、前記圧力計により測定された圧力データが所定の閾値を超えた時に、前記循環ポンプから吐出された前記スラグ冷却水が前記撹拌ラインを経て前記スラグホッパに供給されるように、前記選択供給部と共に前記撹拌ライン弁を制御する制御部と、をさらに備えた構成としてもよい。
上記構成によれば、通常運転モードの実行時や、逆流運転モードの実行時に、循環ポンプから吐出されたスラグ冷却水または前記外水を撹拌ラインからスラグホッパの底部に噴射させる撹拌運転モードを実行することができる。これにより、スラグホッパの底部に堆積したスラグを撹拌および希釈して流動化させ、スラグ吸出口から吸い込み易くしてスラグ吸出口およびスラグ冷却水送水ラインの閉塞を確実に抑制または解消することができる。
本発明の第2態様に係るガス化炉は、上記のいずれかのスラグ排出システムを備えており、このガス化炉によれば、上記に記載の各種の作用・効果を奏することができる。
本発明の第3態様に係るスラグ排出システムの運転方法は、炭素含有固体燃料をガス化するガス化炉の底部のスラグホッパに受容されたスラグをスラグ冷却水と共に循環ポンプによりスラグ吸出口から吸い出してスラグ冷却水送水ラインを通してスラグ分離装置に送るものであって、前記スラグ吸出口が前記スラグによって閉塞した時、または閉塞の予兆がある時に、前記循環ポンプから吐出された前記スラグ冷却水を前記スラグ冷却水送水ラインに送り、前記スラグ吸出口から前記スラグホッパ内に逆流させる逆流工程を備えるものである。
上記のスラグ排出システムの運転方法によれば、逆流工程の実行時において、循環ポンプから吐出されるスラグ冷却水がスラグ冷却水循環ラインに逆流する。この逆流は一時的でよい。これにより、スラグ冷却水循環ラインの内部がスラグホッパに向かって逆洗パージされる。したがって、スラグ吸出口の周囲や、スラグ冷却水送水ラインの内部にスラグが堆積している場合に、この堆積したスラグがスラグホッパ側に流し戻され、これによってスラグ吸出口およびスラグ冷却水送水ラインの閉塞を抑制または解消することができる。
上記のスラグ排出システムの運転方法において、前記スラグ吸出口が前記スラグによって閉塞した時、または閉塞の予兆がある時に、前記循環ポンプから吐出された前記スラグ冷却水を前記スラグホッパの底部から該スラグホッパ内に噴射させる撹拌工程をさらに備えたものとしてもよい。
上記のスラグ排出システムの運転方法によれば、撹拌工程の実行時において、循環ポンプから吐出されるスラグ冷却水が、スラグホッパの底部から該スラグホッパ内に噴射される。この噴射は一時的でよい。これにより、スラグホッパの底部に堆積したスラグを撹拌および希釈して流動化させ、スラグ吸出口から吸い込み易くしてスラグ吸出口およびスラグ冷却水送水ラインの閉塞を抑制または解消することができる。
上記のスラグ排出システムの運転方法において、前記循環ポンプの吸い込み側の圧力を測定する圧力測定工程と、前記圧力測定工程により測定した圧力データに基づいて、前記スラグ吸出口の閉塞状態を判定する閉塞判定工程と、をさらに有し、前記閉塞判定工程では、前記圧力測定工程において測定された圧力データが所定の閾値を超えた時に、前記逆流工程または前記撹拌工程を実行させるようにしてもよい。
ガス化炉の起動時、あるいは運転中(通常運転モード)において、スラグ吸出口の周囲や、スラグ冷却水送水ラインの内部にスラグが堆積して閉塞気味になると、循環ポンプの吸込み側の圧力が低くなる。
したがって、この圧力を測定する圧力測定工程を実行することで、スラグ吸出口が閉塞している、あるいは閉塞しつつあることを閉塞判定工程にて判定することができる。そして、循環ポンプの吸い込み側の圧力が所定の閾値まで低下した場合に、閉塞判定工程においてスラグ吸出口が閉塞したと判定され、逆流工程または撹拌工程が実行される。この運転方法によれば、簡素な構成によってスラグ吸出口の閉塞を自動的に抑制または解消することができる。
本発明の第4態様に係るスラグ排出システムの運転方法は、炭素含有固体燃料をガス化するガス化炉の底部のスラグホッパに受容されたスラグをスラグ冷却水と共に循環ポンプによりスラグ吸出口から吸い出してスラグ冷却水送水ラインを通してスラグ分離装置に送るスラグ排出システムの運転方法であって、前記スラグ分離装置の内部で前記スラグによる閉塞が生じた時、または閉塞の予兆がある時に、前記循環ポンプから吐出された流体を前記スラグ冷却水送水ラインに送り、該スラグ冷却水送水ラインから前記スラグ分離装置に供給される分離装置洗浄工程を備える。
上記のスラグ排出システムの運転方法によれば、分離装置洗浄工程の実行時において、循環ポンプから吐出される流体が、スラグ分離装置に供給される。この供給は一時的でよい。これにより、スラグ分離装置の内部で閉塞を生じさせているスラグを押し流し、スラグ分離装置の内部の閉塞を解消することができる。
以上のように、本発明に係るスラグ排出システム、これを備えたガス化炉、およびスラグ排出システムの運転方法によれば、簡素な構成により、ガス化炉の底部からスラグを吸い出すスラグ吸出口がスラグによって閉塞することを抑制または解消し、ガス化炉の運転を順調に行うことができる。
本発明の第1実施形態を示すガス化炉およびスラグ排出システムの概略構成図である。 第1実施形態における運転モードと各弁の開閉状態の相関関係を示す図表である。 本発明に係るスラグ排出システムの運転制御の流れを示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態を示すガス化炉およびスラグ排出システムの概略構成図である。 第2実施形態における運転モードと各弁の開閉状態の相関関係を示す図表である。 本発明の第3実施形態を示すガス化炉およびスラグ排出システムの概略構成図である。 本発明の第4実施形態を示すガス化炉およびスラグ排出システムの概略構成図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態を示すガス化炉およびスラグ排出システムの概略構成図である。このスラグ排出システム1Aは、例えば石炭ガス化複合発電プラント(IGCC:Integrated Coal Gasification Combined Cycle)において、石炭(炭素含有固体燃料)をミル等で粉砕した微粉炭を空気や酸素等のガス化剤とともに炉内に投入して熱分解し、ガス化するガス化炉2に備えられている。なお、石炭に限らず、例えば間伐材、廃材木、流木、草類、廃棄物、汚泥、古タイヤ等のバイオマス燃料など、他の炭素含有固体燃料をガス化するガス化炉に置き換えてもよい。また、このスラグ排出システム1Aは、発電プラントに限らず、例えば化学プラントにおけるガス化炉等にも適用することができる。
ガス化炉2は、例えば加圧型噴流床式のガス化炉となっており、略円筒形状の内側容器2aと、この内側容器2aと同心状に周囲を包囲する略円筒形状の外側容器2bとを備えている。内側容器2aの内部には、一部の微粉炭を燃焼させてガス化反応に必要な熱量を得るコンバスタ(燃焼部)2cと、コンバスタ2cからの熱量を得て微粉炭をガス化するリダクタ(燃焼部)2dとが上下二段に配置されている。すなわち、ガス化炉2では、内側容器2aの内部で微粉炭の燃焼及びガス化が行われる。
ガス化炉2の底部にはスラグホッパ5が設けられており、その内部にスラグ冷却水Wが貯留されている。スラグホッパ5は、内側容器2aの内部に位置する内側空間5cと、内側容器2aの外周面と外側容器2bの内周面との間に形成された外側空間5dとに区画されている。内側空間5cは、コンバスタ2c及びリダクタ2dが配置された空間と連通している。内側容器2aには、連通穴5eが設けられていて、連通穴5eによって内側空間5cと外側空間5dとは連通している。連通穴5eは、ガス化炉2の運転時におけるスラグホッパ5内に貯留するスラグ冷却水Wの水面よりも下方に位置している。すなわち、ガス化炉2の運転時において、スラグ冷却水Wは、連通穴5eを介して内側空間5c内と外側空間5d内とを移動可能となっている。これにより、内側空間5c内に貯留するスラグ冷却水Wの水面と外側空間5d内に貯留するスラグ冷却水Wの水面とは、一定に保たれている。
ガス化炉2に投入された微粉炭中の灰分はコンバスタ2cで溶融後、液状の溶融スラグSとしてコンバスタ2c下部のスラグホール(非図示)から、重力によりスラグホッパ5の内側空間5cに貯留しているスラグ冷却水W中に落下し、急冷されることにより固化して破砕され、スラグ排出システム1Aによってガス化炉2の系外に排出される。すなわち、スラグSは、スラグホッパ5における内側空間5c内に堆積し、外側空間5dにはほとんど堆積しない。スラグ排出システム1Aは、次のように構成されている。
スラグホッパ5の内側空間5cにはスラグライン7が接続されている。このスラグライン7は、スラグホッパ5の底部5aから破砕されたスラグSを排出するスラグ冷却水送水ライン7Aと、一端がスラグ分離装置10を介してスラグ冷却水送水ライン7Aに接続され、他端がスラグホッパ5に接続されたスラグ冷却水循環ライン7Bと、逆流ライン7Rとを備えて構成されている。
スラグ冷却水送水ライン7Aの上流端はスラグ吸出口7pとされ、スラグ吸出口7pは、スラグホッパ5の内側空間5cに位置している。また、スラグ吸出口7pは、スラグホッパ5の底部5aよりも上方に離間して鉛直下方に向かって開口している。このスラグ吸出口7pからスラグホッパ5の内側空間5c内の破砕されたスラグSとスラグ冷却水Wとの混合物であるスラグスラリーS+Wが吸い出される。スラグライン7の内部にはガス化炉2の運転圧力と同等の圧力が作用する。
スラグライン7の途中に接続されたスラグ分離装置10は、スラグスラリーからスラグSを分離するものであり、例えば遠心分離装置(液体サイクロン等)が好適であるが、ストレーナやフィルタのような濾過式の分離手段を用いてもよい。スラグ吸出口7pから吸い出されたスラグスラリーは、スラグ冷却水送水ライン7Aを流れる水流によってスラグ分離装置10に移送される。
スラグ分離装置10の下部にはロックホッパ13と排出弁14とが接続されている。ロックホッパ13は、スラグ分離装置10にてスラグ冷却水Wから分離されたスラグSを所定量貯留するホッパであり、定期的に排出弁14が開かれてスラグの払い出しが行われる。払い出されたスラグSは図示しない運搬車両等によってガス化炉2の系外に搬出される。
スラグ冷却水循環ライン7Bにおいて、スラグ分離装置10の下流側には、圧力計16と循環ポンプ20と冷却器22とがこの順で接続されている。スラグ冷却水循環ライン7Bの通常運転モード(後述)におけるスラグ冷却水W流れの下流端は、スラグホッパ5におけるスラグ冷却水Wの浅層部に相当する高さに設けられた還流部5bに接続されている。即ち、スラグライン7は、スラグホッパ5の内側空間5cから延出して再びスラグホッパ5の内側空間5cにおける還流部5bに繋がるループ状の管路に構成されている。
このようにループ状に配設されたスラグライン7において、そのスラグ吸出口7pからスラグ分離装置10までの区間を構成するスラグ冷却水送水ライン7Aと、循環ポンプ20からスラグホッパ5の還流部5bまでの区間を構成するスラグ冷却水循環ライン7Bにおける循環ポンプ20の下流側との間が逆流ライン7Rによってバイパス状に接続されている。
スラグ冷却水送水ライン7Aにおける逆流ライン7Rとの接続部の下流側には送水遮断弁25が接続され、スラグ冷却水循環ライン7Bにおける逆流ライン7Rとの接続部の下流側には循環遮断弁26が接続されている。また、逆流ライン7Rには逆流遮断弁27が接続されている。
スラグ冷却水送水ライン7A、またはスラグ冷却水循環ライン7Bにおける、スラグ分離装置10に隣接する区間に水供給ライン23の一端が接続されている。本実施形態では、この水供給ライン23の一端(図1中の右端)がスラグ冷却水送水ライン7Aにおけるスラグ分離装置10の上流側に接続されている。水供給ライン23の他端(図1中の左端)は、スラグ冷却水循環ライン7Bにおけるスラグホッパ5への接続部付近、即ち循環遮断弁26とスラグホッパ5の還流部5bとの間の区間に接続されている。これにより、水供給ライン23の他端からスラグホッパ5に貯留されたスラグ冷却水Wが供給される。この水供給ライン23には水供給弁28が接続されている。
水供給ライン23の一端(図1中の右端)は、上記のようにスラグ分離装置10の上流側(送水遮断弁25とスラグ分離装置10との間の区間)に接続してもよいし、図1中に符号23aで示すように、スラグ分離装置10の下流側(スラグ分離装置10と循環ポンプ20との間の区間)に接続してもよい。
また、水供給ライン23とともに、スラグライン7の系外から外水を供給可能にする別の水供給ライン23A,23Bを設けてもよい。例えば水供給ライン23Aはスラグ分離装置10と循環ポンプ20との間の区間に接続されて水供給弁28Aが設けられ、水供給ライン23Bは送水遮断弁25とスラグ分離装置10との間の区間に接続されて水供給弁28Bが設けられている。
送水遮断弁25、循環遮断弁26、逆流遮断弁27、水供給弁28,28A,28Bは、手動で開閉される弁であってもよいが、本実施形態では制御部35Aによって電気的に開閉制御される電磁弁とされている。
上記の各遮断弁25,26,27によって選択供給部DAが構成されている。この選択供給部DAは、循環ポンプ20から吐出されたスラグ冷却水W(または水供給ライン23A,23Bから供給された外水)を、還流部5bと、スラグ吸出口7pとのいずれかに選択的に供給可能にするものである。
一方、スラグ冷却水循環ライン7Bにおける循環ポンプ20と還流部5bとの間の区間から分岐してスラグホッパ5の底部5aに接続される撹拌ライン7Sが配設されており、この撹拌ライン7Sには撹拌ライン弁30が接続されている。この撹拌ライン弁30も制御部35Aによって電気的に開閉制御される電磁弁である。
以上のように構成されたスラグ排出システム1Aは、図2の図表に示すように、「通常運転モード」、「逆流運転モード」、「撹拌運転モード」の3つの運転モードを備えている。
通常運転モードにおいて、制御部35Aは、循環ポンプ20から吐出されたスラグ冷却水Wが逆流ライン7Rおよび撹拌ライン7Sを通らずにスラグ冷却水循環ライン7Bのみを通ってスラグホッパ5の還流部5bに流れるように選択供給部DAおよび撹拌ライン弁30を操作する。即ち、図2の通り、送水遮断弁25と循環遮断弁26が開かれ、逆流遮断弁27と撹拌ライン弁30が閉じられる。また、水供給弁28も閉じられる。これにより、スラグライン7中に、スラグ吸出口7pからスラグ分離装置10への水流が形成され、スラグホッパ5の底部5aに堆積したスラグスラリーS+Wがスラグ冷却水送水ライン7Aのスラグ吸出口7pから吸い出されてスラグ分離装置10に送給される。
スラグ分離装置10においてスラグSはスラグ冷却水Wから分離されてロックホッパ13に貯留され、定期的に排出弁14から排出されてガス化炉2の系外に搬出される。そして、スラグSを除去されたスラグ冷却水Wのみが循環ポンプ20に吸入・吐出されてスラグ冷却水循環ライン7Bを通り、さらに冷却器22で所定の温度まで冷却されてから還流部5bを経てスラグホッパ5の内側空間5cに還流する。還流したスラグ冷却水Wは再びスラグホッパ5の内側空間5cの底部5aに堆積したスラグSと共にスラグ冷却水送水ライン7Aのスラグ吸出口7pから吸い出されてスラグ分離装置10に送給される。
また、逆流運転モードにおいて、制御部35Aは、循環ポンプ20から吐出されたスラグ冷却水Wが逆流ライン7R側に流れるように選択供給部DAおよび水供給弁28、撹拌ライン弁30を操作する。即ち、図2の通り、送水遮断弁25と循環遮断弁26と撹拌ライン弁30が閉じられ、逆流遮断弁27と水供給弁28が開かれる。必要に応じて水供給ライン23A(23B)の水供給弁28A(28B)も開かれる。
これにより、循環ポンプ20から吐出されたスラグ冷却水W(外水)が、逆流ライン7Rとスラグ冷却水送水ライン7Aとを経てスラグホッパ5内に逆流する。このため、スラグ冷却水送水ライン7Aの上流側部分の内部が逆洗パージされ、スラグ吸出口7pの周囲にスラグSが堆積していたり、スラグ冷却水送水ライン7Aの内部にスラグSが残留していても、このスラグSがスラグ冷却水Wまたは外水の逆流によってスラグホッパ5側に流し戻され、これによってスラグ冷却水送水ライン7Aの閉塞が抑制または解消される。
この逆流運転モードにおいては、水供給弁28が開かれることにより、スラグホッパ5の内側空間5cに貯留されているスラグ冷却水Wが、水供給ライン23とスラグライン7(7A,7B)とを経て循環ポンプ20に供給される。このため、循環ポンプ20の吸込み側が真空になることが防止され、循環ポンプ20から吐出されたスラグ冷却水W(外水)を逆流ライン7Rからスラグ冷却水送水ライン7A側に逆流させてスラグ吸出口7pおよびスラグ冷却水送水ライン7Aの閉塞を確実に解消することができる。
逆流運転モードにおいてスラグホッパ5に貯留されたスラグ冷却水Wを循環ポンプ20の吸込み側に供給する水供給ライン23を設けたことにより、スラグライン7の系外から多くの外水を引くことなく、あるいは外水を全く引くことなく、系内のスラグ冷却水Wを有効に利用して逆流運転を行うことができる。
本実施形態では、逆流運転モードにおいて、スラグホッパ5の内側空間5cに貯留するスラグ冷却水Wを抽水しているので、スラグ冷却水WにスラグSが混在する可能性があるが、水供給ライン23の一端をスラグ分離装置10の上流側に接続したことにより、逆流運転時にスラグ冷却水Wがスラグ分離装置10を通過することによって粗粒スラグを分離されてから循環ポンプ20に供給される。このため、循環ポンプ20および配管類(7A,7B,7R)の摩耗や損傷を防止することができる。なお、本実施形態では、スラグ冷却水Wを抽水する還流部5bが、スラグ冷却水Wの浅層部に相当する高さに設けられているので、抽水するスラグ冷却水Wには、堆積するスラグSが混在し難くなっている。これにより、逆流運転モード及び後述する撹拌運転モードにおけるスラグ分離装置10にかかる負荷を低減することができる。
また、水供給ライン23の一端を、符号23aで示すようにスラグ分離装置10の下流側に接続することにより、スラグ分離装置10が故障等により停止した場合においても逆流運転および後述する撹拌運転を行うことができる。
水供給ライン23の他端をスラグ冷却水循環ライン7Bにおける循環遮断弁26とスラグホッパ5の還流部5bとの間の区間に接続したことにより、ガス化炉2およびスラグホッパ5に新たに穿孔することなく、既存の配管(7B)を利用して水供給ライン23の他端をスラグホッパ5に接続することができる。このため、水供給ライン23の配設が容易になる。
撹拌運転モードにおいて、制御部35Aは、循環ポンプ20から吐出されたスラグ冷却水Wが撹拌ライン7Sを経てスラグホッパ5の底部5aに噴射されるように選択供給部DAおよび水供給弁28、撹拌ライン弁30を操作する。即ち、図2の通り、送水遮断弁25と循環遮断弁26と逆流遮断弁27が閉じられ、水供給弁28と撹拌ライン弁30が開かれる。必要に応じて水供給ライン23A(23B)の水供給弁28A(28B)も開かれる。
これにより、循環ポンプ20から吐出されたスラグ冷却水W(外水)が、撹拌ライン7Sを経てスラグホッパ5の底部5aから噴射される。このため、スラグホッパ5の底部5aに堆積したスラグSを撹拌および希釈して流動化させ、スラグ冷却水送水ライン7Aのスラグ吸出口7pから吸い込み易くしてスラグ吸出口7pやスラグ冷却水送水ライン7Aの閉塞を抑制することができる。
このスラグ排出システム1Aにおいて、逆流ライン7Rは、スラグホッパ5から延出して再びスラグホッパ5の還流部5bに繋がるループ状のスラグライン7における、スラグ吸出口7pからスラグ分離装置10までのスラグ冷却水送水ライン7Aと、循環ポンプ20からスラグホッパ5への還流部5bまでのスラグ冷却水循環ライン7Bとの間をバイパス状に接続する1本の配管であるため、容易に配設することができる。
また、選択供給部DAは、本実施形態のように複数の遮断弁25,26,27を組み合わせたり、多方向弁を用いたりすることによって比較的容易に構成することができる。したがって、スラグ排出システム1Aの構成を複雑化させる懸念がない。
さらに、撹拌ライン7Sも、スラグ冷却水循環ライン7Bとスラグホッパ5の底部5aとの間を接続する単純な配管であり、その中間に撹拌ライン弁30を設けるだけなので、スラグ排出システム1Aの構成を複雑化させることなく設置することができる。
選択供給部DAに循環遮断弁26を設けたことにより、逆流運転モードの実行時に循環遮断弁26を閉じる、または開度を小さくすることにより、循環ポンプ20から吐出されたスラグ冷却水Wまたは外水を逆流ライン7Rに優先的に流すことができる。これにより、スラグ吸出口7pおよびスラグ冷却水送水ライン7Aの閉塞を確実且つ迅速に解消することができる。
逆流ライン7Rを用いたスラグ冷却水送水ライン7Aの逆洗パージや、撹拌ライン7Sを用いてのスラグSの撹拌および希釈は、いずれも短時間で完了するため、逆流運転モードおよび撹拌運転モードを長時間に亘って実行する必要はなく、ガス化炉2の運転を中断させることはない。この逆流運転モードと撹拌運転モードとを順次、または同時に実行することにより、スラグ冷却水送水ライン7Aの内部や、スラグホッパ5の底部5aにスラグSが残留、あるいは堆積していても、このスラグSによってスラグ吸出口7pやスラグ冷却水送水ライン7Aが閉塞することを抑制し、スラグ吸出口7pからスラグSを吸い込み易くして、ガス化炉2の運転を順調に行うことができる。
通常運転モード、逆流運転モード、撹拌運転モードの切り替えは、オペレーターがスラグ吸出口7pの状態を監視しながら制御部35Aを操作することによって人為的に行ってもよいが、循環ポンプ20の吸い込み側の圧力を測定する圧力計16のデータを基にして制御部35Aに自動的に切り替えさせることもできる。
つまり、ガス化炉2の起動時、あるいは通常運転モードにおいて、スラグ吸出口7pの周囲やスラグ冷却水送水ライン7Aの内部にスラグSが堆積して閉塞気味になると、循環ポンプ20の吸込み側の圧力が低くなる。この圧力データが所定の閾値を超えた時に、制御部35Aに選択供給部DA及び水供給弁28を制御させて通常運転モードを逆流運転モードにし、スラグ冷却水送水ライン7Aの内部を逆洗パージしてスラグ吸出口7pおよびスラグ冷却水送水ライン7Aの閉塞を抑制または解消させる。
あるいは、上記圧力データが所定の閾値を超えた時に、制御部35Aに選択供給部DAおよび水供給弁28、撹拌ライン弁30を制御させ、逆流運転モードの実行時と同時、あるいは逆流運転モードに続いて撹拌運転モードを実行し、スラグホッパ5の底部5aに堆積しているスラグSを撹拌、希釈してスラグ吸出口7pから吸い込み易くし、スラグ吸出口7pおよびスラグ冷却水送水ライン7Aの閉塞を抑制または解消することができる。
このようにすれば、循環ポンプ20の吸い込み側に圧力計16を設け、その圧力データを制御部35Aに入力して制御部35Aに選択供給部DA、水供給弁28、撹拌ライン弁30を制御させるという簡素な構成により、スラグ吸出口7pおよびスラグ冷却水送水ライン7Aの閉塞を自動的に抑制することができる。
図3は、スラグ排出システム1Aの運転制御の流れを示すフローチャートである。この流れを説明すると、ガス化炉2の起動時、および運転開始後に、圧力計16により循環ポンプ20の吸い込み側の圧力を計測して制御部35Aに入力する圧力測定工程が実行される(ステップS1)。次に、制御部35Aにおいて、入力された圧力データに基づきスラグ吸出口7pの閉塞状態を判定する閉塞判定工程が実行される(ステップS2)。
閉塞判定工程S2においてスラグ吸出口7pが閉塞していないと判定された場合、即ち循環ポンプ20の吸い込み側の圧力が所定の閾値に達していない場合には、制御は元に戻り、圧力測定工程S1と閉塞判定工程S2とが反復される。
また、閉塞判定工程S2においてスラグ吸出口7pが閉塞している、または閉塞の予兆があると判定された場合、即ち循環ポンプ20の吸い込み側の圧力が所定の閾値に達した場合には、逆流工程(ステップS3)および撹拌工程(ステップS4)のいずれか、または両方が実行される。逆流工程S3および撹拌工程S4の実行時間は短時間でよい。
これにより、前述のようにスラグ吸出口7pおよびスラグ冷却水送水ライン7Aの閉塞が抑制または解消される。その後、制御は元に戻り、運転中は各ステップS1〜S4が反復される。
このように、循環ポンプ20の吸い込み側の圧力を測定する圧力測定工程S1と、この圧力測定工程S1により測定した圧力データに基づいて、スラグ吸出口7pの閉塞状態を判定する閉塞判定工程S2とを備え、閉塞判定工程S2にてスラグ吸出口7pが閉塞したと判定された時、または閉塞の予兆がある時と判定された時に、逆流工程S3および撹拌工程S4を実行するようにした。この運転方法によれば、簡素な構成によりスラグ吸出口7pおよびスラグ冷却水送水ライン7Aの閉塞を自動的に抑制または解消することができる。
なお、循環ポンプ20の吸い込み側の圧力が所定の閾値に達していない場合であっでも、定期的且つ瞬間的に撹拌工程S4を実行してスラグホッパ5内のスラグSを撹拌することにより、スラグSによってスラグ吸出口7pおよびスラグ冷却水送水ライン7Aが閉塞することを未然に防止することができる。
[第2実施形態]
図4は、本発明の第2実施形態を示すガス化炉およびスラグ排出システムの概略構成図である。このスラグ排出システム1Bは、基本的には第1実施形態のスラグ排出システム1Aと同様な構成を備えているが、スラグホッパ5の内側空間5c中に複数(例えば2基)のスラグポット5A,5Bが並設されている点と、スラグ冷却水送水ライン7Aの上流側区間、および逆流ライン7Rの下流側区間、ならびに撹拌ライン7Sの下流側区間が複数に分岐されている点が異なる。図1と同一の符号が付してある各部分は第1実施形態と同一の構成であるため、重複する説明は省略する。
スラグ冷却水送水ライン7Aの上流側区間は、2基のスラグポット5A,5Bに各々接続される2本の送水分岐ライン7Aa,7Abに分岐しており、その各々の先端にスラグ吸出口7pa,7pbが設けられている。これら2本の送水分岐ライン7Aa,7Abにはそれぞれ送水遮断弁25a,25bが接続されている。
逆流ライン7Rの下流側区間は、2本の送水分岐ライン7Aa,7Abにそれぞれ接続される2本の逆流分岐ライン7Ra,7Rbに分岐しており、その各々に逆流遮断弁27a,27bが接続されている。スラグ冷却水循環ライン7Bに循環遮断弁26が接続されている点は第1実施形態と同様である。
上記の各遮断弁25a,25b,26,27a,27bと、逆流分岐ライン7Ra,7Rbとによって選択供給部DBが構成されている。この選択供給部DBは、循環ポンプ20から吐出されたスラグ冷却水W(外水)を、還流部5bと、スラグ吸出口7pa,7pbとのいずれかに選択的に供給可能にするとともに、逆流ライン7Rから供給されるスラグ冷却水W(外水)を、複数の送水分岐ライン7Aa,7Abに選択的に供給するものである。各遮断弁25a,25b,26,27a,27b,および水供給弁28,28A,28Bは手動で開閉される弁でもよいが、本実施形態では制御部35Bによって電気的に開閉制御される電磁弁とされている。
一方、撹拌ライン7Sの下流側区間は、2基のスラグポット5A,5Bの底部5aに各々接続される2本の撹拌分岐ライン7Sa,7Sbに分岐しており、その各々に撹拌ライン弁30a,30bが接続されている。これらの撹拌ライン弁30a,30bも制御部35Bによって電気的に開閉制御される遮断弁であり、撹拌ライン7Sから供給されるスラグ冷却水W(外水)を、複数の撹拌分岐ライン7Sa,7Sbに選択的に供給する弁である。
以上のように構成されたスラグ排出システム1Bは、第1実施形態のスラグ排出システム1Aと同じく、図5の図表に示すように、「通常運転モード」、「逆流運転モード」、「撹拌運転モード」の3つの運転モードを備えている。
通常運転モードにおいて、制御部35Bは、循環ポンプ20から吐出されたスラグ冷却水Wが逆流ライン7Rおよび撹拌ライン7Sを通らずにスラグ冷却水循環ライン7Bのみを通ってスラグホッパ5(スラグポット5A,5B)の還流部5bに流れるように選択供給部DBおよび撹拌ライン弁30a,30bを操作する。即ち、図5の通り、送水遮断弁25a,25bの一方が開かれて他方が閉じられるとともに、循環遮断弁26が開かれ、逆流遮断弁27a,27bと撹拌ライン弁30a,30bとが閉じられる。また、水供給弁28も閉じられる。
これにより、送水遮断弁25a,25bが開いている方の送水分岐ライン7Aaまたは7Ab中に、スラグ吸出口7paまたは7pbからスラグ分離装置10への水流が形成され、スラグポット5Aまたは5Bの底部5aに堆積したスラグスラリーS+Wがスラグ吸出口7paまたは7pbから吸い出されてスラグ分離装置10に送給される。スラグ分離装置10にてスラグSを分離されたスラグ冷却水Wはスラグ冷却水循環ライン7Bと還流部5bとを経てスラグポット5A,5Bに還流する。
また、逆流運転モードにおいて、制御部35Bは、循環ポンプ20から吐出されたスラグ冷却水Wが逆流ライン7Rの逆流分岐ライン7Raまたは7Rbを通るように選択供給部DBおよび撹拌ライン弁30a,30b、水供給弁28を操作する。即ち、図5の通り、送水遮断弁25a,25bと循環遮断弁26と撹拌ライン弁30a,30bとが閉じられるとともに、逆流遮断弁27a,27bの一方が開かれて他方が閉じられ、水供給弁28は開かれる。これにより、循環ポンプ20から吐出されたスラグ冷却水Wが、逆流ライン7Rの逆流分岐ライン7Raまたは7Rbを通り、さらに送水分岐ライン7Aaまたは7Abを通ってスラグポット5Aまたは5Bに逆流する。循環ポンプ20の吸い込み側には水供給ライン23からスラグホッパ5に貯留されているスラグ冷却水Wが供給される。
このため、送水分岐ライン7Aaまたは7Abのいずれかの上流側部分の内部が逆洗パージされ、スラグ吸出口7paまたは7pbの周囲にスラグSが堆積していたり、送水分岐ライン7Aaまたは7Abの内部にスラグSが残留していても、このスラグSがスラグ冷却水Wまたは外水の逆流によってスラグポット5Aまたは5B側に流し戻され、これによって送水分岐ライン7Aaまたは7Abの閉塞が抑制または解消される。
上記構成によれば、スラグ排出システム1Bの通常運転モードにおいては一方のスラグポット5Aを使用し、他方のスラグポット5Bを待機状態にしておく(逆でもよい)。つまり、送水遮断弁25aを開き、送水遮断弁25bを閉じる。そして、所定の運転時間が経過し、一方のスラグポット5AからスラグSを吸い出す一方の送水分岐ライン7AaがスラグSにより閉塞気味になったら、この一方のスラグポット5Aを待機状態とし、他方のスラグポット5BのスラグSを他方の送水分岐ライン7Abで吸い出すように選択供給部DBを切り替え操作する。つまり、送水遮断弁25aを閉じ、送水遮断弁25bを開く。
この切り替え操作を行う際に、選択供給部DBを操作して、循環ポンプ20から吐出されたスラグ冷却水Wまたは外水を逆流ライン7Rから他方の送水分岐ライン7Abに一時的に流し、他方の送水分岐ライン7Abの内部をスラグポット5Bに向かって逆洗パージする。即ち、一時的に逆流運転モードに切り替える。
これにより、待機状態にあった他方の送水分岐ライン7Abの内部にスラグSが堆積または残留していても、この残留したスラグSをスラグポット5B側に流し戻し、送水分岐ライン7Abの閉塞の可能性を排除した上で、この送水分岐ライン7Abにより他方のスラグポット5BのスラグSを吸い出させて通常運転を続行することができる。他方のスラグポット5Bから一方のスラグポット5Aに運転を切り替える時も同様に送水分岐ライン7Aaの逆洗パージを行う。
このように、複数のスラグポット5A,5Bを交代で使用し、その交代時に先駆けて一時的に逆流運転モードに切り替えて送水分岐ライン7Aa,7Abの逆洗パージを行うことにより、ガス化炉2の運転を中断させることなく、スムーズに連続運用することができる。
また、撹拌運転モードにおいて、制御部35Bは、循環ポンプ20から吐出されたスラグ冷却水Wが撹拌ライン7Sの撹拌分岐ライン7Saまたは7Sbのいずれかを経てスラグポット5Aまたは5Bの底部5aに噴射されるように選択供給部DBおよび撹拌ライン弁30a,30b、水供給弁28を操作する。即ち、図5の通り、送水遮断弁25a,25bと循環遮断弁26と逆流遮断弁27a,27bとが閉じられるとともに、撹拌ライン弁30a,30bの一方が開かれて他方が閉じられ、水供給弁28は開かれる。これにより、循環ポンプ20から吐出されたスラグ冷却水Wと、水供給ライン23A,23Bから供給された外水とが、撹拌分岐ライン7Saまたは7Sbを経てスラグポット5Aまたは5Bの底部5aに噴射される。
上記構成によれば、前述のように複数のスラグポット5A,5Bを交代で使用する場合に、逆流ライン7Rを用いて送水分岐ライン7Aa,7Abの逆洗パージを行う逆流運転モードを実行するとともに、撹拌ライン弁30a,30bを開くことにより、循環ポンプ20から吐出されたスラグ冷却水Wを複数の撹拌分岐ライン7Sa,7Sbからスラグポット5A,5Bの底部5aに噴射する撹拌運転モードを実行することができる。これにより、スラグポット5A,5Bの底部5aに堆積したスラグSを撹拌および希釈して流動化させ、送水分岐ライン7Aa,7Abのスラグ吸出口7pa,7pbから吸い込み易くして送水分岐ライン7Aa,7Abの閉塞を抑制することができる。
このような、通常運転モード、逆流運転モードを、撹拌運転モードの切り替えは、人為的に行ってもよいが、第1実施形態のスラグ排出システム1Aと同様に、圧力計16のデータを基にして制御部35Bに自動的に切り替えさせるようにしてもよい。
[第3実施形態]
図6は、本発明の第3実施形態を示すガス化炉およびスラグ排出システムの概略構成図である。このスラグ排出システム1Cは、単一のスラグホッパ5に対して複数のスラグ吸出口7pc,7pdが設けられている点と、撹拌ライン7Sのスラグホッパ5の内側空間5cの底部5aへの接続部7Scが複数に分岐して接続されている点において第1実施形態のスラグ排出システム1Aと相違し、その他の点で一致している。したがって、各同一構成部には同一符号を付して説明は省略する。
スラグライン7の上流部を構成するスラグ冷却水送水ライン7Aは、スラグホッパ5に向かって例えば2本の送水分岐ライン7Ac,7Adに分岐しており、その各々の先端にスラグ吸出口7pc,7pdが設けられている。2本の送水分岐ライン7Ac,7Adは、逆流ライン7Rとの接続部よりも手前で1本に合流している。
このため、通常運転モードの実行時には、スラグホッパ5の底部5aに堆積したスラグスラリーS+Wが、2つのスラグ吸出口7pc,7pdから均等に吸い出されて2本の送水分岐ライン7Ac,7Adとスラグ冷却水送水ライン7Aとを経てスラグ分離装置10に送給される。
また、逆流運転モードの実行時には、逆流ライン7Rから供給されるスラグ冷却水Wおよび外水が、2本の送水分岐ライン7Ac,7Adに均等に配分される。
このように、単一のスラグホッパ5に対して複数のスラグ吸出口7pc,7pdを設けることにより、スラグホッパ5の平面面積に対するスラグ吸出口7pc,7pdの吸い込み面積の割合が多くなる。このため、スラグSによってスラグ吸出口7pc,7pdが閉塞してしまう確率を低下させる、あるいは閉塞するまでの時間を引き延ばすことができ、逆流運転モードや撹拌運転モードを実行する頻度を少なくしてスラグSの搬出性を高めることができる。
一方、撹拌ライン7Sのスラグホッパ5の底部5aへの接続部7Scは、例えば3本に分岐している。このようにすることにより、撹拌運転モードの実行時に、スラグホッパ5の底部5aに堆積したスラグSをより広範囲に撹拌して流動化させ、スラグ吸出口7pc,7pdおよびスラグ冷却水送水ライン7A(送水分岐ライン7Ac,7Ad)の閉塞を抑制または解消することができる。
[第4実施形態]
図7は、本発明の第4実施形態を示すガス化炉およびスラグ排出システムの概略構成図である。このスラグ排出システム1Dは、基本的には第1実施形態のスラグ排出システム1Aと同様の構成を備えているが、水供給ライン23bがスラグホッパ5とスラグ冷却水循環ライン7Bとに接続している点及び、スラグ冷却水送水ライン7Aにおける逆流ライン7Rとの接続位置よりもガス化炉2側に流入遮断弁29が設けられている点が異なる。第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明は省略する。
図7に示すように、本実施形態における水供給ライン23bは、逆流運転モードにおけるスラグ冷却水W流れの上流端が外側容器2bを貫通し、スラグホッパ5の外側空間5dに連通している。また、水供給ライン23bの逆流運転モードにおけるスラグ冷却水W流れの下流端は、スラグ冷却水循環ライン7Bにおけるスラグ分離装置10と循環ポンプ20との間の区間に接続されている。
また、本実施形態におけるスラグ冷却水送水ライン7Aには、逆流ライン7Rとの接続位置よりもガス化炉2側(すなわち、通常運転モードにおけるスラグ冷却水W流れの上流側)に流入遮断弁29が設けられている。本実施形態における制御部(切換え手段)35Cは、第1実施形態で説明したように、各弁を制御するとともに、この流入遮断弁29の開度を制御する。通常運転モード、逆流運転モード及び撹拌運転モードにおいて、流入遮断弁29は開状態となるように制御される。
スラグ排出システム1Dは、「通常運転モード」、「逆流運転モード」、「撹拌運転モード」の他に「分離装置洗浄モード」を備えている。通常運転モード、逆流運転モード及び撹拌運転モードについては、第1実施形態とほぼ同様のため、同様の内容については、その説明を省略する。本実施形態における逆流運転モード及び撹拌運転モードでは、水供給ライン23bを介してスラグ冷却水Wが循環ポンプ20に供給される点が第1実施形態と異なる。すなわち、本実施形態では、スラグホッパ5のうち、スラグSがほとんど存在していない外側空間5dからスラグ冷却水Wが抽水され、注水されたスラグ冷却水Wが、スラグ分離装置10の下流側(スラグ分離装置10と循環ポンプ20との間の区間)において、スラグ冷却水循環ライン7Bに流入する。
このような構成とすることで、逆流運転モード及び撹拌運転モードにおいて、スラグ分離装置10を介することなく、スラグSがほとんど含まれていないスラグ冷却水Wを循環ポンプ20に供給することができる。スラグ分離装置10を介さずに、スラグSのほとんど含まれていないスラグ冷却水Wを循環ポンプ20に供給することができるので、スラグ分離装置10が故障等により停止した場合にも逆流運転モード及び撹拌運転モードを行うことができ、且つ、スラグSによる循環ポンプ20および配管類の摩耗や損傷を防止することができる。
分離装置洗浄モード(分離装置洗浄工程)において、制御部35Cは、循環ポンプ20から吐出されたスラグ冷却水(流体)Wが逆流ライン7Rを経てスラグ分離装置10に供給されるように選択供給部DA、水供給弁28、撹拌ライン弁30及び流入遮断弁29を操作する。すなわち、循環遮断弁26と撹拌ライン弁30と流入遮断弁29が閉じられ、逆流遮断弁27と水供給弁28と送水遮断弁25が開かれる。必要に応じて水供給ライン23A(23B)の水供給弁28A(28B)も開かれる。
これにより、スラグホッパ5の外側空間5dから抽水されたスラグ冷却水Wがスラグ分離装置10を介さずに、循環ポンプ20に供給される。循環ポンプ20から吐出されたスラグ冷却水W(および/または外水)は、逆流ライン7R及びスラグ冷却水送水ライン7Aを介し、スラグ分離装置10に供給される。このように、分離装置洗浄モードでは、スラグ分離装置10を介さずに、スラグSがほとんど含まれていないスラグ冷却水Wをスラグ分離装置10に供給することができる。したがって、スラグ分離装置10の内部でスラグSにより閉塞が発生した場合に、分離装置洗浄モードを行えば、逆流ライン7Rを流通するスラグ冷却水Wがスラグ分離装置10に供給され、スラグ分離装置10に供給されるスラグ冷却水W(および/または外水)によって閉塞の要因となっているスラグSがロックホッパ13に押し流され、スラグ分離装置10の内部の閉塞を解消することができる。分離装置洗浄モードは、スラグ分離装置10の内部でスラグSによる閉塞が生じたとき、または、閉塞の予兆があるときに行うのが好適であるが、所定時間ごとに行ってもよい。また、スラグ分離装置10の内部でスラグSによる閉塞が生じているか、または、閉塞の予兆があるかは、圧力計16によって計測された圧力値に基づいて判断してもよい。
なお、本実施形態では、逆流ライン7Rからスラグ冷却水送水ライン7Aに流入したスラグ冷却水Wが、スラグ吸出口7pに供給される(逆流運転モード)か、スラグ分離装置10に供給される(分離装置洗浄モード)かは、送水遮断弁25及び流入遮断弁29によって切換えられているが、逆流ライン7Rとスラグ冷却水送水ライン7Aとの接続部分に三方弁を設けて、スラグ冷却水Wの供給先を切換えてもよい。
以上に説明したように、上記第1〜第4実施形態に係るスラグ排出システム1A,1B,1C、1D、およびこれを備えたガス化炉2によれば、簡素な構成により、ガス化炉2の底部からスラグSを吸い出すスラグ吸出口7p,7pa〜7pdがスラグSによって閉塞することを抑制または解消し、ガス化炉2の運転を順調に行うことができる。
なお、上記第1〜第4実施形態で用いられる制御部35A〜35Cは、例えば、CPU(Central
Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等である。
なお、本発明は上記実施形態の構成のみに限定されるものではなく、適宜変更や改良を加えることができ、このように変更や改良を加えた実施形態も本発明の権利範囲に含まれるものとする。
例えば、上記各実施形態における各構成部材の接続順序や設置位置等は適宜変更することが考えられる。また、上記実施形態において、選択供給部DA,DBは、それぞれ複数の遮断弁25,25a,25b,26,27,27a,27bから構成されているが、複数の遮断弁を三方変や四方弁等の多方向弁によって纏める構成としてもよい。同様に、第2実施形態における2つの撹拌ライン弁30a,30bを1つの三方弁に置き換えるといった変更を加えてもよい。
1A,1B,1C,1D スラグ排出システム
2 ガス化炉
5 スラグホッパ
5A,5B スラグポット
5a スラグホッパの底部
5c 内側空間
5d 外側空間
7A スラグ冷却水送水ライン
7Aa,7Ab 送水分岐ライン
7B スラグ冷却水循環ライン
7R 逆流ライン
7S 撹拌ライン
7Sa,7Sb 撹拌分岐ライン
7p,7pa〜7pd スラグ吸出口
10 スラグ分離装置
16 圧力計
20 循環ポンプ
23,23a,23A,23B 水供給ライン
25,25a,25b 送水遮断弁
26 循環遮断弁
27,27a,27b 逆流遮断弁
28,28A,28B 水供給弁
30,30a,30b 撹拌ライン弁
35A,35B,35C 制御部
DA,DB 選択供給部
S スラグ
S1 圧力測定工程
S2 閉塞判定工程
S3 逆流工程
S4 撹拌工程
W スラグ冷却水

Claims (23)

  1. 炭素含有固体燃料をガス化するガス化炉の底部に設けられ、前記炭素含有固体燃料から生じたスラグを受容するとともに、該スラグを急冷するスラグ冷却水が貯留されたスラグホッパと、
    前記スラグホッパの底部に堆積する前記スラグを前記スラグ冷却水と共に吸い出すスラグ吸出口と、
    前記スラグ吸出口から吸い出された前記スラグと前記スラグ冷却水とを前記スラグホッパの外部に搬送するスラグ冷却水送水ラインと、
    前記スラグ冷却水送水ラインに接続され、前記スラグ冷却水に含まれる前記スラグを分離するスラグ分離装置と、
    前記スラグ分離装置から前記スラグホッパに前記スラグ冷却水を循環させるスラグ冷却水循環ラインと、
    前記スラグ冷却水循環ラインに接続され、前記スラグ吸出口から前記スラグと前記スラグ冷却水とを吸い出す水流を形成する循環ポンプと、
    一端が前記スラグ冷却水送水ラインに接続され、他端が前記スラグ冷却水循環ラインにおける前記循環ポンプの下流側との間に接続された逆流ラインと、
    前記循環ポンプから吐出された前記スラグ冷却水を、前記スラグ冷却水循環ラインと前記逆流ラインとに選択的に供給可能にする選択供給部と、
    前記スラグ冷却水送水ラインまたは前記スラグ冷却水循環ラインにおける、前記スラグ分離装置に隣接する区間に一端が接続された水供給ラインと、
    前記水供給ラインに設けられた水供給弁と、
    を備えているスラグ排出システム。
  2. 前記水供給ラインは、その他端から前記スラグホッパに貯留された前記スラグ冷却水が供給される請求項1に記載のスラグ排出システム。
  3. 前記水供給ラインは、その前記一端が前記スラグ分離装置の下流側に接続されている請求項2に記載のスラグ排出システム。
  4. 前記水供給ラインは、その前記一端が前記スラグ分離装置の上流側に接続されている請求項2に記載のスラグ排出システム。
  5. 前記水供給ラインは、その前記他端が前記スラグ冷却水循環ラインにおける前記スラグホッパへの接続部付近に合流するように接続されている請求項2に記載のスラグ排出システム。
  6. 前記ガス化炉は、前記炭素含有固体燃料を燃焼してガス化する燃焼部を有し、
    前記スラグホッパは、前記燃焼部と連通する内側空間を内部に有する内側容器及び該内側容器を覆う外側容器を有し、
    前記水供給ラインの前記他端は、前記内側容器と前記外側容器との間の外側空間に位置している請求項3に記載のスラグ排出システム。
  7. 前記選択供給部は、
    前記スラグ冷却水送水ラインにおける前記逆流ラインの接続部よりも下流側に設けられた送水遮断弁と、
    前記逆流ラインに設けられた逆流遮断弁と、
    を備えて構成されている請求項1に記載のスラグ排出システム。
  8. 前記選択供給部は、
    前記スラグ冷却水循環ラインにおける前記逆流ラインの接続部よりも下流側に設けられた循環遮断弁をさらに備えた請求項7に記載のスラグ排出システム。
  9. 前記スラグ冷却水送水ラインには、前記逆流ラインから流入する流体を前記スラグ吸出口側に送るか前記スラグ分離装置側に送るかを切換える切換え手段が設けられている請求項7に記載のスラグ排出システム。
  10. 前記選択供給部および前記水供給弁を制御する制御部をさらに備えた請求項1に記載のスラグ排出システム。
  11. 前記循環ポンプの吸い込み側の圧力を測定する圧力計をさらに備え、
    前記制御部は、前記圧力計により測定された圧力データが所定の閾値を超えた時に、前記循環ポンプから吐出された前記スラグ冷却水が前記逆流ラインを経て前記スラグホッパに流れるように前記選択供給部を制御する請求項10に記載のスラグ排出システム。
  12. 前記スラグホッパは、その内部に複数のスラグポットが並設され、
    前記スラグ吸出口は複数の前記スラグポットに対応して複数設けられ、
    前記スラグ冷却水送水ラインの上流側区間は複数の前記スラグ吸出口に各々接続される複数の送水分岐ラインに分岐され、
    前記選択供給部は、前記逆流ラインから供給される前記スラグ冷却水を、複数の前記送水分岐ラインに選択的に供給可能である請求項1に記載のスラグ排出システム。
  13. 前記スラグ吸出口は、単一の前記スラグホッパに対して複数設けられている請求項1に記載のスラグ排出システム。
  14. 前記スラグ冷却水循環ラインから分岐して前記スラグホッパの底部に接続される撹拌ラインと、
    前記撹拌ラインに接続された撹拌ライン弁と、
    をさらに備えた請求項1に記載のスラグ排出システム。
  15. 前記撹拌ラインは、前記スラグホッパの底部への接続部が複数設けられている請求項14に記載のスラグ排出システム。
  16. 前記スラグホッパは、その内部に複数のスラグポットが並設され、
    前記撹拌ラインの下流側区間は複数の前記スラグポットに各々接続される複数の撹拌分岐ラインに分岐され、
    前記撹拌ライン弁は、前記撹拌ラインから供給される前記スラグ冷却水を、複数の前記撹拌分岐ラインに選択的に供給可能である請求項14に記載のスラグ排出システム。
  17. 前記循環ポンプの吸い込み側の圧力を測定する圧力計と、
    前記圧力計により測定された圧力データが所定の閾値を超えた時に、前記循環ポンプから吐出された前記スラグ冷却水が前記撹拌ラインを経て前記スラグホッパに供給されるように、前記選択供給部と共に前記撹拌ライン弁を制御する制御部と、
    をさらに備えた請求項14に記載のスラグ排出システム。
  18. 請求項1から請求項17のいずれかに記載のスラグ排出システムを備えたガス化炉。
  19. 炭素含有固体燃料をガス化するガス化炉の底部のスラグホッパに受容されたスラグをスラグ冷却水と共に循環ポンプによりスラグ吸出口から吸い出してスラグ冷却水送水ラインを通してスラグ分離装置に送り、スラグ冷却水循環ラインを通して前記スラグ分離装置から前記スラグホッパに前記スラグ冷却水を循環させるスラグ排出システムの運転方法であって、
    前記スラグ吸出口が前記スラグによって閉塞した時、または閉塞の予兆がある時に、前記スラグ冷却水送水ラインまたは前記スラグ冷却水循環ラインにおける、前記スラグ分離装置に隣接する区間に一端が接続された水供給ラインを介して前記スラグ冷却水を前記循環ポンプに供給し、前記循環ポンプから吐出された前記スラグ冷却水を、一端が前記スラグ冷却水送水ラインに接続され、他端が前記スラグ冷却水循環ラインに接続された逆流ラインを介して前記スラグ冷却水送水ラインに送り、前記スラグ吸出口から前記スラグホッパ内に逆流させる逆流工程を備えるスラグ排出システムの運転方法。
  20. 前記スラグ吸出口が前記スラグによって閉塞した時、または閉塞の予兆がある時に、前記循環ポンプから吐出された前記スラグ冷却水を前記スラグホッパの底部から該スラグホッパ内に噴射させる撹拌工程をさらに備える請求項19に記載のスラグ排出システムの運転方法。
  21. 前記循環ポンプの吸い込み側の圧力を測定する圧力測定工程と、
    前記圧力測定工程により測定した圧力データに基づいて、前記スラグ吸出口の閉塞状態を判定する閉塞判定工程と、
    をさらに有し、
    前記閉塞判定工程では、前記圧力測定工程において測定された圧力データが所定の閾値を超えた時に、前記逆流工程または前記撹拌工程を実行させる請求項20に記載のスラグ排出システムの運転方法。
  22. 前記スラグ分離装置の内部で前記スラグによる閉塞が生じた時、または閉塞の予兆がある時に、前記循環ポンプから吐出された流体を前記スラグ冷却水送水ラインに送り、該スラグ冷却水送水ラインから前記スラグ分離装置に供給される分離装置洗浄工程を備える請求項19から請求項21のいずれかに記載のスラグ排出システムの運転方法。
  23. 前記スラグ吸出口が前記スラグによって閉塞した時、または閉塞の予兆がある時に、前記循環ポンプから吐出された前記スラグ冷却水を前記スラグ冷却水循環ラインと前記逆流ラインとに選択的に供給可能にする選択供給部によって、前記逆流ラインに前記スラグ冷却水を供給する請求項19から請求項22のいずれかに記載のスラグ排出システムの運転方法。
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