JP2018111759A - スラグ排出システム、ガス化炉設備、ガス化複合発電設備、およびスラグ排出システムの運転方法 - Google Patents

スラグ排出システム、ガス化炉設備、ガス化複合発電設備、およびスラグ排出システムの運転方法 Download PDF

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【課題】ガス化炉上部までの高さを低く抑えつつ、ガス化炉の起動時に、スラグホッパからスラグ分離装置へスラグを導くスラグ排出ラインを冷却水で満たす。【解決手段】スラグホッパ122と、サイクロン48Aと、スラグホッパ122からサイクロン48Aへスラグと冷却水の混合物を導くスラグ排出ライン140と、冷却水をスラグホッパ122に戻す冷却水循環ライン150と、循環ポンプ160と、循環ポンプ160の下流側に配置される冷却器170と、スラグ排出ライン140に配置される第1開閉弁180と、冷却水循環ライン150に配置される第2開閉弁190と、を備え、第1開閉弁180が配置される鉛直方向の第1位置P1および第2開閉弁190が配置される鉛直方向の第2位置P2よりもサイクロン48Aへ混合物を供給するスラグ排出ライン140の下流端が配置される鉛直方向の第3位置P3が高い位置にあるガス化炉設備14を提供する。【選択図】図2

Description

本発明は、石炭等の炭素含有固体燃料をガス化するガス化炉に適用可能なスラグ排出システム、ガス化炉設備、ガス化複合発電設備、およびスラグ排出システムの運転方法に関するものである。
石炭、木質ペレット等のバイオマス燃料、ペットコーク等の炭素含有固体燃料を部分燃焼することより可燃性ガスを生成するガス化炉では、炭素含有固体燃料の灰分が溶融し、スラグとしてガス化炉の下方に設けられたスラグホッパに堆積する。スラグホッパにはスラグ水(冷却水)が貯留されており、スラグはこのスラグ水中に落下して急冷されることにより固化し、破砕される。
このように固化・破砕されてスラグホッパ内に溜まったスラグは、ガス化炉の外部に設けられたロックホッパを経てガス化炉の系外へと排出される。スラグはスラグ水に比べて密度が大きいため、従来はスラグホッパからロックホッパへスラグを移動させる際、重力により自然落下させていた。例えば、特許文献1に、ガス化炉の下方にロックホッパを配置したスラグ排出システムが開示されている。
ところが、上述したスラグ排出システムによれば、スラグを重力により自然落下させるにあたり、ガス化炉の鉛直下方側にロックホッパを設けるためにガス化炉の配置位置が高くなる。したがって、プラントの設置面からガス化炉上部までの高さが増すこととなる。ガス化炉の配置位置が高くなることにより、ガス化炉を支持する支持架台や操作架台などの配置位置が高くなり、ガス化炉の設置作業にかかるコストが高くなる課題がある。
そこで、特許文献2に開示されているようなスラグ排出システムが提案されている。このスラグ排出システムでは、ロックホッパをガス化炉の側方に配置し、スラグホッパからロックホッパへと連通するスラグ排出ラインを設け、循環ポンプによってスラグ排出ライン中にスラグホッパからロックホッパへの水流を形成し、この水流によってスラグホッパ内のスラグをロックホッパへ排出するようにしている。
こうすることにより、スラグをスラグ水の流れに乗せてスラグホッパからロックホッパに移送することができるため、ロックホッパをガス化炉の側方に配置することが可能となり、プラントの設置面からガス化炉上部までの高さを低く抑えることができる。
特開2011−74274号公報 特許第5743093号公報
特許文献2に開示されるスラグ排出システムにおいては、ロックホッパをガス化炉の側方に配置するため、ガス化炉の底部からロックホッパの上部までスラグを導くラインに水流を形成する必要がある。そのため、ガス化炉の起動時に、ロックホッパの上部までスラグを導くラインを水で満たす必要がある。
しかしながら、ガス化炉の起動前の水系統への水張りや起動時においては、ガス化炉の内部の圧力が十分な加圧状態となっておらず、ガス化炉のロックホッパの上部までスラグを導くラインを水で満たした場合のロックホッパ水レベルと、スラグ排出設備レベルとの間に水頭差があるため、スラグを導くラインを満たす前にガス化炉の燃焼部(コンバスタ部,リダクタ部)等の主要部分へ水系統の保有水が流入して支障を生じてしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ガス化炉上部までの高さ位置が高くならないようにしつつ、ガス化炉の起動時に、スラグホッパからスラグ分離装置へスラグを導くスラグ排出ラインを冷却水で満たすことを可能としたスラグ排出システム、ガス化炉設備、ガス化複合発電設備、およびスラグ排出システムの運転方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るスラグ排出システムは以下の手段を採用する。
本発明の一態様に係るスラグ排出システムは、炭素含有固体燃料をガス化するガス化炉の鉛直下方側に設けられ、前記炭素含有固体燃料から生じたスラグを受け入れるとともに、該スラグを冷却する冷却水が貯留されたスラグホッパと、前記スラグと前記冷却水との混合物から前記スラグを分離するスラグ分離装置と、前記スラグホッパから前記スラグ分離装置へ前記混合物を導くスラグ排出ラインと、前記スラグ分離装置で分離された前記冷却水を前記スラグホッパに戻す冷却水循環ラインと、前記スラグホッパから前記スラグ分離装置への水流を形成する循環ポンプと、前記冷却水循環ラインの前記循環ポンプの下流側に配置される冷却器と、前記スラグ排出ラインに配置される第1開閉弁と、前記冷却水循環ラインに配置される第2開閉弁と、を備え、前記第1開閉弁が配置される鉛直方向の第1位置および前記第2開閉弁が配置される鉛直方向の第2位置よりも、前記スラグ分離装置へ前記混合物を供給する前記スラグ排出ラインの下流端が配置される鉛直方向の第3位置が高い位置にある。
本発明の一態様に係るスラグ排出システムによれば、第1開閉弁が配置される第1位置および第2開閉弁が配置される第2位置よりもスラグ排出ラインの下流端の鉛直方向の第3位置が高い位置にあるため、スラグ分離装置をガス化炉の鉛直下方側に設置する場合に比べ、ガス化炉上部までの高さ位置が高くならないようにすることができる。
また、第1位置および第2位置よりもスラグ排出ラインの下流端の鉛直方向の第3位置が高いため、第1開閉弁および第2開閉弁の双方を閉状態とすることにより、スラグ排出ラインが第1開閉弁の上流側と下流側とに分離され、冷却水循環ラインが第2開閉弁の上流側と下流側とに分離される。スラグ排出ラインの上流側と冷却水循環ラインの下流側とが第1位置および第2位置よりも鉛直方向の位置が低い低水頭系統であり、スラグ排出ラインの下流側と冷却水循環ラインの上流側とが第1位置および第2位置よりも鉛直方向の位置が高い高水頭系統である。
第1開閉弁および第2開閉弁によって、冷却水が循環するラインが低水頭系統と高水頭系統とに分離されるため、低水頭系統と高水頭系統とにそれぞれ独立して注水を行うことができる。そのため、高水頭系統に注水してスラグ排出ラインの下流端が配置される鉛直方向の第3位置の上方まで冷却水で満たしたとしても、低水頭系統と分離しているため、高水頭系統への注水によってガス化炉の燃焼部(コンバスタ部,リダクタ部)等の主要部分へ流入することはない。よって、ガス化炉の起動時に、スラグホッパからスラグ分離装置へスラグを導くスラグ排出ラインを冷却水で満たすことができる。
上記態様のスラグ排出システムにおいては、前記スラグホッパに貯留された前記冷却水の一部を前記第2開閉弁の下流側で、前記循環ポンプの上流側の前記冷却水循環ラインに導くバイパスラインを備え、前記循環ポンプが、前記冷却水循環ラインにおいて、前記バイパスラインから前記冷却水循環ラインへ前記冷却水が導かれる位置よりも下流側に配置される構成であってもよい。
上記構成のスラグ排出システムによれば、低水頭系統と高水頭系統が分離されるガス化炉の起動時であっても、循環ポンプを動作させてスラグホッパに貯留される冷却水を、バイパスラインを介して循環させることができる。そのため、ガス化炉の起動時であってもスラグホッパに貯留される冷却水を循環させることができる。また、例えば、ガス化炉が起動した後の通常運転時において、スラグ分離装置等に異常が発生して高水頭系統に冷却水を循環させられない場合であっても、ガス化炉を停止させることなく運転を継続させることができる。
上記構成のスラグ排出システムにおいては、前記スラグホッパから前記バイパスラインへ前記冷却水を導く排出口の鉛直方向の位置が、前記スラグ排出ラインの上流端よりも上方であってもよい。
このようにすることで、スラグ分離装置に異常が発生してスラグホッパからスラグを排出できない場合に、スラグ排出ラインの上流端から上方に遠ざかった位置から冷却水がバイパスラインに導かれる。そのため、スラグを分離する設備を持たないバイパス系統へのスラグの排出を抑制することができる。
上記態様のスラグ排出システムにおいては、前記第1開閉弁および前記第2開閉弁の開閉状態を制御する制御部を備え、前記制御部が、前記ガス化炉を起動する前に、前記第1開閉弁および前記第2開閉弁が閉状態となるよう制御する構成としてもよい。
このようにすることで、ガス化炉を起動する前に、スラグ排出ラインを第1開閉弁の上流側と下流側とに分離し、冷却水循環ラインを第2開閉弁の上流側と下流側とに分離し、低水頭系統と高水頭系統とにそれぞれ独立して注水を行うことができる。
上記構成のスラグ排出システムにおいては、前記ガス化炉の内部の圧力を検出する圧力検出部を備え、前記制御部が、前記圧力検出部が検出する圧力が所定圧力以上となった場合に前記第1開閉弁および前記第2開閉弁が開状態となるよう制御してもよい。
このようにすることで、低水頭系統の圧力が高水頭系統との水頭差以上の圧力となったことに応じて、低水頭系統と高水頭系統とを接続することができる。これにより、ガス化炉の起動により生じるスラグをスラグホッパから排出し、スラグ分離装置でスラグを分離することが可能となる。
本発明の一態様に係るガス化炉設備は、炭素含有固体燃料を部分燃焼させてガス化するガス化炉と、上記のいずれかに記載のスラグ排出システムと、を備える。
本発明の一態様に係るガス化炉設備によれば、ガス化炉上部までの高さを低く抑えつつ、ガス化炉の起動時に、スラグホッパからスラグ分離装置へスラグを導くスラグ排出ラインを冷却水で満たすことが可能となる。
本発明の一態様に係るガス化複合発電設備は、炭素質含有固体燃料を部分燃焼させてガス化するガス化炉と、上記のいずれかに記載のスラグ排出システムと、前記ガス化炉によりガス化された前記炭素含有固体燃料により発電を行う発電機と、を備える。
本発明の一態様に係るガス化複合発電設備によれば、ガス化炉上部までの高さを低く抑えつつ、ガス化炉の起動時に、スラグホッパからスラグ分離装置へスラグを導くスラグ排出ラインを冷却水で満たすことが可能となる。
本発明の一態様に係るスラグ排出システムの運転方法は、炭素含有固体燃料を部分燃焼させてガス化するガス化炉の下方に設けられ、前記炭素含有固体燃料から生じたスラグを受け入れるとともに、該スラグを冷却する冷却水が貯留されたスラグホッパと、前記スラグと前記冷却水との混合物から前記スラグを分離するスラグ分離装置と、前記スラグホッパから前記スラグ分離装置へ前記混合物を導くスラグ排出ラインと、前記スラグ分離装置で分離された前記冷却水を前記スラグホッパに戻す冷却水循環ラインと、前記スラグホッパから前記スラグ分離装置への水流を形成する循環ポンプと、前記冷却水循環ラインの冷却水を冷却する冷却器と、前記スラグ排出ラインに配置される第1開閉弁と、前記冷却水循環ラインに配置される第2開閉弁と、を備えるスラグ排出システムの運転方法であって、前記第1開閉弁が配置される鉛直方向の第1位置および前記第2開閉弁が配置される鉛直方向の第2位置が前記スラグホッパの前記底部よりも高く、前記第1位置および前記第2位置よりも、前記スラグ分離装置へ前記混合物を供給する前記スラグ排出ラインの下流端が配置される鉛直方向の第3位置が高い位置にあり、前記ガス化炉の起動前に、前記第1開閉弁と前記第2開閉弁とを閉状態とする遮断工程と、前記遮断工程によりに前記第1開閉弁と前記第2開閉弁とを閉状態とした状態で、前記スラグ排出ラインの前記第1開閉弁よりも上流側と前記冷却水循環ラインの前記第2開閉弁よりも下流側に前記冷却水を注水する第1注水工程と、前記遮断工程によりに前記第1開閉弁と前記第2開閉弁とを閉状態とした状態で、前記スラグ排出ラインの前記第1開閉弁よりも下流側と前記冷却水循環ラインの前記第2開閉弁よりも上流側に前記冷却水を注水する第2注水工程と、前記第1注水工程および前記第2注水工程による注水が行われた後に、前記ガス化炉内の圧力が所定圧力以上であるかを確認する圧力確認工程と、前記第1開閉弁と前記第2開閉弁とを開状態とする接続工程と、を備える。
本発明の一態様に係るスラグ排出システムの運転方法によれば、ガス化炉上部までの高さを低く抑えつつ、ガス化炉の起動時に、スラグホッパからスラグ分離装置へスラグを導くスラグ排出ラインを冷却水で満たすことが可能となる。
ガス化炉上部までの高さ位置が高くならないようにしつつ、ガス化炉の起動時に、スラグホッパからスラグ分離装置へスラグを導くスラグ排出ラインを冷却水で満たすことを可能としたスラグ排出システム、ガス化炉設備、ガス化複合発電設備、およびスラグ排出システムの運転方法を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係るガス化炉設備を適用した石炭ガス化複合発電設備の概略構成図である。 図1に示すガス化炉設備の概略構成図である。 図2に示すガス化炉設備の起動時の運転方法を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るガス化炉設備の概略構成図である。 図4に示すガス化炉設備の起動時の運転方法を示すフローチャートである。
以下に、本発明に係るガス化炉設備(スラグ排出システム)の一実施形態について、図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態について、図1を用いて説明する。図1は、第1実施形態に係るガス化炉設備14を適用した石炭ガス化複合発電設備10の概略構成図である。
本実施形態に係るガス化炉設備14が適用される石炭ガス化複合発電設備(IGCC:Integrated Coal Gasification Combined Cycle)10は、空気を酸化剤として用いており、ガス化炉設備14において、燃料から可燃性ガス(生成ガス)を生成する空気燃焼方式を採用している。そして、石炭ガス化複合発電設備10は、ガス化炉設備14で生成した生成ガスを、ガス精製設備16で精製して燃料ガスとした後、ガスタービン17に供給して発電を行っている。すなわち、本実施形態の石炭ガス化複合発電設備10は、空気燃焼方式(空気吹き)の発電設備となっている。ガス化炉設備14に供給する燃料としては、例えば、石炭等の炭素含有固体燃料が用いられる。
石炭ガス化複合発電設備(ガス化複合発電設備)10は、図1に示すように、給炭設備11と、ガス化炉設備14と、チャー回収設備15と、ガス精製設備16と、ガスタービン17と、蒸気タービン18と、発電機19と、排熱回収ボイラ(HRSG:Heat Recovery Steam Generator)20とを備えている。
給炭設備11は、原炭として炭素含有固体燃料である石炭が供給され、石炭を石炭ミル(図示略)などで粉砕することで、細かい粒子状に粉砕した微粉炭を製造する。給炭設備11で製造された微粉炭は、給炭ライン11aの出口で後述する空気分離設備42にから供給される搬送用イナートガスとしての窒素ガスによって加圧されて、ガス化炉設備14へ向けて供給される。イナートガスとは、酸素含有率が約5体積%以下の不活性ガスであり、窒素ガスや二酸化炭素ガスやアルゴンガスなどが代表例であるが、必ずしも約5%以下に制限されるものではない。
ガス化炉設備14は、給炭設備11で製造された微粉炭が供給されると共に、チャー回収設備15で回収されたチャー(石炭の未反応分と灰分)が戻されて再利用可能に供給されている。
また、ガス化炉設備14には、ガスタービン17(圧縮機61)からの圧縮空気供給ライン41が接続されており、ガスタービン17で圧縮された圧縮空気の一部が昇圧機68で所定圧力に昇圧されてガス化炉設備14に供給可能となっている。空気分離設備42は、大気中の空気から窒素と酸素を分離生成するものであり、第1窒素供給ライン43によって空気分離設備42とガス化炉設備14とが接続されている。そして、この第1窒素供給ライン43には、給炭設備11からの給炭ライン11aが接続されている。
また、第1窒素供給ライン43から分岐する第2窒素供給ライン45もガス化炉設備14に接続されており、この第2窒素供給ライン45には、チャー回収設備15からのチャー戻しライン46が接続されている。更に、空気分離設備42は、酸素供給ライン47によって、圧縮空気供給ライン41と接続されている。そして、空気分離設備42によって分離された窒素は、第1窒素供給ライン43及び第2窒素供給ライン45を流通することで、石炭やチャーの搬送用ガスとして利用される。また、空気分離設備42によって分離された酸素は、酸素供給ライン47及び圧縮空気供給ライン41を流通することで、ガス化炉設備14において酸化剤として利用される。
ガス化炉設備14は、例えば、2段噴流床形式のガス化炉101(図2参照)を備えている。ガス化炉設備14は、内部に供給された石炭(微粉炭)およびチャーを酸化剤(空気、酸素)により部分燃焼させることでガス化させ生成ガスとする。なお、ガス化炉設備14には、微粉炭に混入した異物(溶融スラグ(以下、単にスラグともいう。))を除去する異物除去設備48が設けられている。そして、このガス化炉設備14には、チャー回収設備15に向けて生成ガスを供給するガス生成ライン49が接続されており、チャーを含む生成ガスが排出可能となっている。この場合、図2に示すように、ガス生成ライン49にシンガスクーラ102(ガス冷却器)を設けることで、生成ガスを所定温度まで冷却してからチャー回収設備15に供給してもよい。
チャー回収設備15は、集塵設備51と供給ホッパ52とを備えている。この場合、集塵設備51は、1つまたは複数のサイクロンやポーラスフィルタにより構成され、ガス化炉設備14で生成された生成ガスに含有するチャーを分離することができる。そして、チャーが分離された生成ガスは、ガス排出ライン53を通してガス精製設備16に送られる。供給ホッパ52は、集塵設備51で生成ガスから分離されたチャーを貯留するものである。なお、集塵設備51と供給ホッパ52との間にビンを配置し、このビンに複数の供給ホッパ52を接続するように構成してもよい。そして、供給ホッパ52からのチャー戻しライン46が第2窒素供給ライン45に接続されている。
ガス精製設備16は、チャー回収設備15によりチャーが分離された生成ガスに対して、硫黄化合物や窒素化合物などの不純物を取り除くことで、ガス精製を行うものである。そして、ガス精製設備16は、生成ガスを精製して燃料ガスを製造し、これをガスタービン17に供給する。なお、チャーが分離された生成ガス中にはまだ硫黄分(HSなど)が含まれているため、このガス精製設備16では、アミン吸収液などによって硫黄分を除去回収して、有効利用する。
ガスタービン17は、圧縮機61、燃焼器62、タービン63を備えており、圧縮機61とタービン63とは、回転軸64により連結されている。燃焼器62には、圧縮機61からの圧縮空気供給ライン65が接続されると共に、ガス精製設備16からの燃料ガス供給ライン66が接続され、また、タービン63に向かって延びる燃焼ガス供給ライン67が接続されている。また、ガスタービン17は、圧縮機61からガス化炉設備14に延びる圧縮空気供給ライン41が設けられており、中途部に昇圧機68が設けられている。従って、燃焼器62では、圧縮機61から供給された圧縮空気の一部とガス精製設備16から供給された燃料ガスの少なくとも一部とを混合して燃焼させることで燃焼ガスを発生させ、発生させた燃焼ガスをタービン63へ向けて供給する。そして、タービン63は、供給された燃焼ガスにより回転軸64を回転駆動させることで発電機19を回転駆動させる。
蒸気タービン18は、ガスタービン17の回転軸64に連結されるタービン69を備えており、発電機19は、この回転軸64の基端部に連結されている。排熱回収ボイラ20は、ガスタービン17(タービン63)からの排ガスライン70が接続されており、給水とタービン63の排ガスとの間で熱交換を行うことで、蒸気を生成するものである。そして、排熱回収ボイラ20は、蒸気タービン18のタービン69との間に蒸気供給ライン71が設けられると共に蒸気回収ライン72が設けられ、蒸気回収ライン72に復水器73が設けられている。また、排熱回収ボイラ20で生成する蒸気には、ガス化炉101のシンガスクーラ102で生成ガスと熱交換して生成された蒸気を含んでもよい。従って、蒸気タービン18では、排熱回収ボイラ20から供給された蒸気によりタービン69が回転駆動し、回転軸64を回転させることで発電機19を回転駆動させる。
そして、排熱回収ボイラ20の出口から煙突75までには、ガス浄化設備74を備えている。
ここで、本実施形態の石炭ガス化複合発電設備10の動作について説明する。
本実施形態の石炭ガス化複合発電設備10において、給炭設備11に原炭(石炭)が供給されると、石炭は、給炭設備11において細かい粒子状に粉砕されることで微粉炭となる。給炭設備11で製造された微粉炭は、空気分離設備42から供給される窒素により第1窒素供給ライン43を流通してガス化炉設備14に供給される。また、後述するチャー回収設備15で回収されたチャーが、空気分離設備42から供給される窒素により第2窒素供給ライン45を流通してガス化炉設備14に供給される。更に、後述するガスタービン17から抽気された圧縮空気が昇圧機68で昇圧された後、空気分離設備42から供給される酸素と共に圧縮空気供給ライン41を通してガス化炉設備14に供給される。
ガス化炉設備14では、供給された微粉炭及びチャーが圧縮空気(酸素)により燃焼し、微粉炭及びチャーがガス化することで、生成ガスを生成する。そして、この生成ガスは、ガス化炉設備14からガス生成ライン49を通って排出され、チャー回収設備15に送られる。
このチャー回収設備15にて、生成ガスは、まず、集塵設備51に供給されることで、生成ガスに含有する微粒のチャーが分離される。そして、チャーが分離された生成ガスは、ガス排出ライン53を通してガス精製設備16に送られる。一方、生成ガスから分離した微粒のチャーは、供給ホッパ52に堆積され、チャー戻しライン46を通ってガス化炉設備14に戻されてリサイクルされる。
チャー回収設備15によりチャーが分離された生成ガスは、ガス精製設備16にて、硫黄化合物や窒素化合物などの不純物が取り除かれてガス精製され、燃料ガスが製造される。圧縮機61が圧縮空気を生成して燃焼器62に供給する。この燃焼器62は、圧縮機61から供給される圧縮空気と、ガス精製設備16から供給される燃料ガスとを混合し、燃焼することで燃焼ガスを生成する。この燃焼ガスによりタービン63を回転駆動することで、回転軸64を介して圧縮機61及び発電機19を回転駆動する。このようにして、ガスタービン17は発電を行うことができる。
そして、排熱回収ボイラ20は、ガスタービン17におけるタービン63から排出された排ガスと給水とで熱交換を行うことにより蒸気を生成し、この生成した蒸気を蒸気タービン18に供給する。蒸気タービン18では、排熱回収ボイラ20から供給された蒸気によりタービン69を回転駆動することで、回転軸64を介して発電機19を回転駆動し、発電を行うことができる。
なお、ガスタービン17と蒸気タービン18は同一軸として1つの発電機19を回転駆動しなくてもよく、別の軸として複数の発電機を回転駆動しても良い。
その後、ガス浄化設備74では排熱回収ボイラ20から排出された排気ガスの有害物質が除去され、浄化された排気ガスが煙突75から大気へ放出される。
次に、図2を参照して、図1に示すガス化炉設備14について、詳細に説明する。
図2に示すように、本実施形態のガス化炉設備14は、ガス化炉101と、異物除去設備48と、スラグ排出ライン140と、冷却水循環ライン150と、循環ポンプ160と、冷却器170と、第1開閉弁180と、第2開閉弁190と、制御部90と、を備える。
以下、ガス化炉設備14が備える各構成について説明する。
ここで、図2に示した各機器において、ガス化炉設備14が備えるガス化炉101以外の他の構成(異物除去設備48,スラグ排出ライン140,冷却水循環ライン150,循環ポンプ160,冷却器170,第1開閉弁180,第2開閉弁190,制御部90)が、本実施形態のスラグ排出システムである。本実施形態のガス化炉設備は、ガス化炉101とスラグ排出システムと、を備える。
ガス化炉101は、鉛直方向(設置面Sに直交する軸線Xに沿って上方に延びる方向)に延びて形成されており、鉛直方向の下方側に微粉炭及び酸素が供給され、部分燃焼(熱分解)させてガス化した生成ガスが鉛直方向の下方側から上方側に向かって流通している。ガス化炉101は、圧力容器110と、圧力容器110の内部に設けられるガス化炉壁(炉壁)111とを有している。そして、ガス化炉101は、圧力容器110とガス化炉壁111との間の空間にアニュラス部115を形成している。また、ガス化炉101は、ガス化炉壁111の内部の空間において、鉛直方向の下方側(つまり、生成ガスの流通方向の上流側)から順に、コンバスタ部116、ディフューザ部117、リダクタ部118を形成している。
圧力容器110は、内部が中空空間となる筒形状に形成され、上端部にガス排出口121が形成される一方、下端部(底部)にスラグホッパ122が形成されている。ガス化炉壁111は、内部が中空空間となる筒形状に形成され、その壁面が圧力容器110の内面と対向して設けられている。本実施形態では圧力容器110は円筒形状で、ガス化炉壁111のディフューザ部117も円筒形状に形成されている。そして、ガス化炉壁111は、支持部材(図示略)により圧力容器110の内面に連結されている。
ガス化炉壁111は、横断面形状がコンバスタ部116とリダクタ部118との間のディフューザ部117で変化する形状である。ガス化炉壁111は、鉛直方向の上端部が、圧力容器110のガス排出口121に接続され、鉛直方向の下端部が圧力容器110の底部と隙間を空けて設けられている。そして、圧力容器110の下方に形成されるスラグホッパ122には、冷却水(貯水)が溜められており、ガス化炉壁111の下端部が冷却水に浸水することで、ガス化炉壁111の内外を封止している。ガス化炉壁111には、バーナ126およびバーナ127が挿入され、ガス化炉壁111の内部空間にシンガスクーラ102が配置されている。
アニュラス部115は、圧力容器110の内側とガス化炉壁111の外側に形成された空間であり、本実施形態では空気分離設備42で分離された不活性ガスである窒素が、窒素供給ライン(図示略)を通って供給される。このため、アニュラス部115は、窒素が充満する空間となる。なお、このアニュラス部115の鉛直方向の上部付近には、ガス化炉101内を均圧にするための炉内均圧管(図示略)が設けられている。炉内均圧管は、ガス化炉壁111の内外を連通して設けられ、ガス化炉壁111の内部(コンバスタ部116、ディフューザ部117及びリダクタ部118)と外部(アニュラス部115)との圧力差を所定圧力以内となるよう略均圧にしている。
圧力センサ128は、ガス化炉101の内部であるアニュラス部115の圧力を検出するセンサである。圧力センサ128が検出した圧力は、後述する制御部90に伝達される。
コンバスタ部116は、微粉炭及びチャーと空気とを一部燃焼させる空間となっており、コンバスタ部116におけるガス化炉壁111には、複数のバーナ126からなる燃焼装置が配置されている。コンバスタ部116で微粉炭及びチャーの一部を燃焼した高温の燃焼ガスは、ディフューザ部117を通過してリダクタ部118に流入する。
リダクタ部118は、ガス化反応に必要な高温状態に維持されコンバスタ部116からの燃焼ガスに微粉炭を供給し部分燃焼させて、微粉炭を揮発分(一酸化炭素、水素、低級炭化水素等)へと分解してガス化された生成ガスを生成する空間となっている。リダクタ部118におけるガス化炉壁111には、複数のバーナ127からなる燃焼装置が配置されている。
スラグホッパ122は、ガス化炉101の鉛直下方側に設けられ、微粉炭とチャーの燃焼により高温ガス中で生成されたスラグ(溶融スラグ)を受け入れるとともに、スラグを冷却する冷却水を貯留する装置である。スラグは、スラグホッパ122が貯留する冷却水中に落下して急冷されることにより固化し、破砕される。破砕されたスラグは、スラグホッパ122の底部122Aに蓄積する。
シンガスクーラ102は、ガス化炉壁111の内部に設けられると共に、リダクタ部118のバーナ127の鉛直方向の上方側に設けられている。シンガスクーラ102は熱交換器であり、ガス化炉壁111の鉛直方向の下方側(生成ガスの流通方向の上流側)から順に、蒸発器(エバポレータ)131、過熱器(スーパーヒータ)132、節炭器(エコノマイザ)134が配置されている。これらのシンガスクーラ102は、リダクタ部118において生成された生成ガスと熱交換を行うことで、生成ガスを冷却する。また、蒸発器(エバポレータ)131、過熱器(スーパーヒータ)132、節炭器(エコノマイザ)134は、図に記載された数量に限定されるものではない。
ここで、上述のガス化炉101の動作について説明する。
ガス化炉101において、リダクタ部118のバーナ127により窒素と微粉炭が投入されて点火されると共に、コンバスタ部116のバーナ126により微粉炭及びチャーと圧縮空気(酸素)が投入されて点火される。すると、コンバスタ部116では、微粉炭とチャーの燃焼により高温燃焼ガスが発生する。また、コンバスタ部116では、微粉炭とチャーの燃焼により高温ガス中で溶融スラグが生成され、この溶融スラグがガス化炉壁111へ付着すると共に、炉底へ落下し、最終的にスラグホッパ122内の冷却水へ排出される。そして、コンバスタ部116で発生した高温燃焼ガスは、ディフューザ部117を通ってリダクタ部118に上昇する。このリダクタ部118では、ガス化反応に必要な高温状態に維持されて、微粉炭が高温燃焼ガスと混合し、高温の還元雰囲気において微粉炭を部分燃焼(熱分解)させてガス化するガス化反応が行われ、生成ガスが生成される。ガス化した生成ガスが鉛直方向の下方側から上方側に向かって流通する。
異物除去設備48は、スラグホッパ122内からスラグ排出ライン140で排出されるスラグと冷却水の混合物から混入したスラグを除去する設備であり、サイクロン(スラグ分離装置)48Aと、ロックホッパ48Bと、貯蔵タンク48Cと、仕切り弁48Dと、第1排出弁48Eと、第2排出弁48Fと、を備える。
サイクロン48Aは、遠心力によりスラグと冷却水との混合物からスラグを分離する装置である。なお、サイクロン48Aに変えて、ストレーナやフィルタのような濾過式のスラグ分離装置を用いてもよい。サイクロン48Aは、後述するスラグ排出ライン140から取込口48Aaに供給された混合物からスラグを分離して下方へ導く。また、サイクロン48Aは、スラグと冷却水の混合物から冷却水を分離して排出口48Abから後述する冷却水循環ライン150へ冷却水を排出する。
ロックホッパ48Bは、サイクロン48Aにて分離されたスラグを所定量貯留するホッパである。サイクロン48Aで分離されたスラグは、仕切り弁48Dが開状態の場合にロックホッパ48Bに供給される。ロックホッパ48Bにスラグが所定量もしくは所定期間で蓄積されると仕切り弁48Dが閉じられ、減圧操作がなされた後に第1排出弁48Eが開かれる。ロックホッパ48Bに貯留されたスラグは、第1排出弁48Eが開かれたことに応じて、重力により貯蔵タンク48Cへ落下する。
貯蔵タンク48Cは、ロックホッパ48Bに貯留されたスラグを受け入れて貯蔵するとともに、貯蔵したスラグを運搬車輌Cに排出する装置である。貯蔵タンク48Cに貯蔵されたスラグは、第2排出弁48Fが開状態の場合に運搬車輌Cに排出される。運搬車輌Cに排出されたスラグは、ガス化炉設備14の系外に運搬される。
スラグ排出ライン140は、スラグホッパ122の底部122Aからサイクロン48Aへスラグと冷却水の混合物を導く配管である。スラグ排出ライン140には、混合物が流通する流通状態と混合物の流通を遮断する遮断状態とを切り替える第1開閉弁180が設けられている。
スラグ排出ライン140は、第1開閉弁180よりも混合物の流通方向の上流側に配置される上流側スラグ排出ライン140Aと、第1開閉弁180よりも混合物の流通方向の下流側に配置される下流側スラグ排出ライン140Bとを有する。
上流側スラグ排出ライン140Aの上流端には、スラグホッパ122の底部122Aの近傍に配置される取水口141が設けられている。スラグホッパ122の底部122Aに蓄積したスラグは、後述する循環ポンプ160が発生させる水流の作用により、周囲の冷却水とともに取水口141から上流側スラグ排出ライン140Aへ流入する。上流側スラグ排出ライン140Aから排出したスラグと冷却水の混合物は、下流側スラグ排出ライン140Bへ導かれ、取込口48Aaからサイクロン48Aへ流入する。
ここで、スラグと冷却水との混合物は、スラグホッパ122から重力により自然落下させてサイクロン48Aに移送されるのではなく、スラグ排出ライン140を流れる水流によって移送される。このため、サイクロン48Aをガス化炉101の鉛直下方側でなく側方側に配置することができ、ガス化炉101の高さ位置が高くならないように抑えることができる。
冷却水循環ライン150は、サイクロン48Aで分離されて排出口48Abから排出される冷却水をスラグホッパ122に戻す配管である。冷却水循環ライン150には、循環ポンプ160と、スラグホッパ122に戻される冷却水を冷却する冷却器170と、冷却水が流通する流通状態と冷却水の流通を遮断する遮断状態とを切り替える第2開閉弁190と、が設けられている。
循環ポンプ160は、スラグホッパ122からサイクロン48Aへスラグと冷却水の混合物を導くとともに、サイクロン48Aからスラグホッパへ冷却水を戻す水流を形成するポンプである。循環ポンプ160は、スラグ排出ライン140および冷却水循環ライン150が混合物または冷却水で満たされた状態で動作することにより、前述した水流を形成する。
制御部90は、ガス化炉設備14の各部を制御する装置であり、例えば、第1開閉弁180,第2開閉弁190,仕切り弁48D,第1排出弁48E,第2排出弁48Fの開閉状態を制御する。また、制御部90は、例えば、循環ポンプ160の吐出量を制御する。
図2において、軸線X上に図示される第1位置P1は、第1開閉弁180が配置される鉛直方向の高さ位置である。また、軸線X上に図示される第2位置P2は、第2開閉弁190が配置される鉛直方向の高さ位置である。また、軸線X上に図示される第3位置P3は、サイクロン48Aへ混合物を供給するスラグ排出ライン140の下流端が配置される鉛直方向の高さ位置である。第1位置P1,第2位置P2,第3位置P3は、それぞれ設置面Sを基準とした軸線X方向の高さを示している。図2に示すように、第1位置P1および第2位置P2よりも、第3位置P3の高さ位置が高い。
スラグホッパ122に貯留される冷却水の水面は、ガス化炉壁111の下端部を浸水させてガス化炉壁111の内外を封止しつつガス化炉101の上方部分へスラグ排出ライン140と冷却水循環ライン150の系統保有水が流入しないように適切な高さに維持する必要がある。図2は、ガス化炉設備14の運転中に、冷却水の水面を位置P0に維持している状態を示している。
図2において、スラグ処理システムのうち、スラグホッパ122の冷却水の水面の位置P0よりも鉛直下方側の高さ位置に設置される部分が低水頭系統Lであり、位置P0よりも鉛直上方側の高さ位置に設置される部分が高水頭系統Hである。
低水頭系統Lは、上流側スラグ排出ライン140Aと、下流側冷却水循環ライン150Bとを含む系統である。一方、高水頭系統Hは、下流側スラグ排出ライン140Bと、上流側冷却水循環ライン150Aとを含む系統である。
図2に示すように、第1開閉弁180が配置される第1位置P1と、第2開閉弁190が配置される第2位置P2は、冷却水の水面を位置P0と一致している。そのため、第1開閉弁180および第2開閉弁190を閉状態とすることにより、低水頭系統Lと高水頭系統Hとを分離することができる。そのため、後述するように、ガス化炉101の起動時にガス化炉101の内部の圧力が運転中の圧力よりも低い場合であっても、低水頭系統Lと高水頭系統Hの双方の圧力を別々に管理して、独立に冷却水で満たすことができる。
次に、図3のフローチャートを参照して、本実施形態のガス化炉設備14の起動時の運転方法について説明する。なお、図3のフローチャートに示す各処理は、制御部90が備える演算装置がプログラムを実行することにより行われる処理である。
なお、本実施形態のガス化炉設備14は、起動前において、低水頭系統Lおよび高水頭系統Hのいずれの配管にも冷却水が注水されていないものとする。また、ガス化炉101のスラグホッパ122にも、冷却水が注水されていないものとする。
ステップS301(遮断工程)において、制御部90は、ガス化炉101を起動する前に、第1開閉弁180を閉状態(遮断状態)とする。また、ステップS302(遮断工程)において、制御部90は、ガス化炉101を起動する前に、第2開閉弁190を閉状態とする。第1開閉弁180と第2開閉弁190を閉状態(遮断状態)とすることにより、スラグ排出ライン140および冷却水循環ライン150を含む系統が、低水頭系統Lと高水頭系統Hとに分離される。なお、ステップS301とステップS302は同時に実施されても良く、またステップS301よりステップS302を先に実施しても良い。
ステップS303(第1注水工程)において、制御部90は、高水頭系統Hへの冷却水の注水を開始する。また、ステップS304(第2注水工程)において、制御部90は、低水頭系統Lへの冷却水の注水を開始する。なお、ステップS303とステップS304は同時に実施されても良く、またステップS303よりステップS304を先に実施しても良い。
ステップ305において、制御部90は、ガス化炉101の起動を開始させる。本実施形態では、例えばコンバスタ部116、ディフューザ部117、リダクタ部118などから構成されるガス化炉壁111の内部の空間とアニュラス部115に空気や不活性ガスを注入して圧力を上昇させ、起動用バーナ(図示略)による着火を開始するとともに、バーナ126,127への微粉炭と圧縮空気の投入を開始する。ガス化炉101のコンバスタ部116およびリダクタ部118での燃焼が促進されるのに応じて生成ガスが生成され、ガス化炉101内の圧力がさらに上昇する。
ステップ306において、制御部90は、低水頭系統Lおよび高水頭系統Hの双方が冷却水で満たされて注水が完了したかどうかを判断し、注水が完了した場合にはステップS307へ処理を進める。
ステップ307(確認工程)において、制御部90は、圧力センサ128が検出するガス化炉101内の圧力が上昇して、所定圧力以上となったかどうかを確認し、所定圧力以上となった場合にはステップS308へ処理を進める。このとき、ガス化炉101内の圧力が上昇するに伴い、低水頭系統Lの圧力が上昇する。
ここで、所定圧力とは、低水頭系統Lと高水頭系統Hの水頭差と一致する圧力をいう。低水頭系統Lと高水頭系統Hの水頭差は、高水頭系統Hを冷却水で満たした場合に、第1開閉弁180および第2開閉弁190が配置される高水頭系統Hの下端位置(位置P0)での水圧に相当する。
圧力センサ128が検出するガス化炉101内の圧力が所定圧力以上となった場合、低水頭系統Lの位置P0での水圧も所定圧力以上となる。そのため、第1開閉弁180の低水頭系統L側の圧力が第1開閉弁180の高水頭系統H側の圧力以上となる。同様に、第2開閉弁190の低水頭系統L側の圧力が第2開閉弁190の高水頭系統H側の圧力以上となる。よって、第1開閉弁180および第2開閉弁190を開状態としても、高水頭系統Hから低水頭系統Lへ向けて圧力がかかってスラグホッパ122に貯留された冷却水の水位が上昇することはない。
ステップS308(接続工程)において、制御部90は、第1開閉弁180を開状態(接続状態)とする。また、ステップS309(接続工程)において、制御部90は、第2開閉弁190を開状態(接続状態)とする。第1開閉弁180と第2開閉弁190を開状態とすることにより、低水頭系統Lと高水頭系統Hとが接続される。なお、ステップS308とステップS309は同時に実施されても良い。
ステップS310において、制御部90は、低水頭系統Lと高水頭系統Hとが接続されて冷却水の循環が可能となったため、循環ポンプ160の動作を開始させる。これにより、スラグホッパ122の底部122Aに蓄積したスラグと冷却水との混合物をサイクロン48Aへ導く水流が形成される。また、サイクロン48Aで分離された冷却水をスラグホッパ122へ戻す水流が形成される。
以下説明した本実施形態のガス化炉設備14が奏する作用および効果について説明する。
本実施形態のガス化炉設備14(スラグ排出システム)によれば、第1開閉弁180が配置される第1位置P1および第2開閉弁190が配置される第2位置P2よりもスラグ排出ライン140の下流端の鉛直方向の第3位置P3の鉛直方向高さ位置が高いため、サイクロン48Aをガス化炉101の鉛直下方側に設置する場合に比べ、ガス化炉101上部までの高さ位置を高くならないように抑えることができる。
また、第1位置P1および第2位置P2よりもスラグ排出ライン140の下流端の鉛直方向の第3位置P3の高さ位置が高いため、第1開閉弁180および第2開閉弁190の双方を閉状態とすることにより、スラグ排出ライン140が第1開閉弁180の上流側と下流側とに分離され、冷却水循環ライン150が第2開閉弁の190上流側と下流側とに分離される。スラグ排出ライン140の上流側と冷却水循環ライン150の下流側とが第1位置および第2位置よりも鉛直方向の位置が低い低水頭系統Lであり、スラグ排出ライン140の下流側と冷却水循環ライン150の上流側とが第1位置P1および第2位置P2よりも鉛直方向の位置が高い高水頭系統Hである。
第1開閉弁180および第2開閉弁190によって、冷却水が循環するラインが低水頭系統Lと高水頭系統Hとに分離されるため、低水頭系統Lと高水頭系統Hとのそれぞれに系統と圧力の管理を独立させた状態で注水を行うことができる。そのため、高水頭系統Hに注水してスラグ排出ライン140の下流端が配置される鉛直方向の第3位置P3の上方まで冷却水で満たしたとしても、低水頭系統と分離しているため、高水頭系統Hへの注水によってガス化炉101の燃焼部(コンバスタ部116,リダクタ部118)等の主要部分へ冷却水が流入することはない。よって、ガス化炉101の内圧が低い状態となっている起動時に、スラグホッパ122の底部122Aからサイクロン48Aへスラグを導くスラグ排出ライン140を冷却水で満たすことができる。
また、本実施形態のガス化炉設備14は、第1開閉弁180および第2開閉弁190の開閉状態を制御する制御部90を備え、制御部90が、ガス化炉101を起動する前に、第1開閉弁180および第2開閉弁190が閉状態となるよう制御する。
このようにすることで、ガス化炉101を起動する前に、スラグ排出ライン140を第1開閉弁180の上流側と下流側とに分離し、冷却水循環ライン150を第2開閉弁190の上流側と下流側とに分離し、低水頭系統Lと高水頭系統Hとのそれぞれに系統と圧力の管理を独立させた状態で注水を行うことができる。
また、本実施形態のガス化炉設備14は、ガス化炉101の内部の圧力を検出する圧力センサ128を備え、制御部90が、圧力センサ128が検出する圧力が所定圧力以上となった場合に第1開閉弁180および第2開閉弁190が開状態となるよう制御する。
このようにすることで、ガス化炉101の内圧上昇に伴って低水頭系統Lの圧力が上昇し、低水頭系統Lと高水頭系統Hとの水頭差が所定値以下となったことに応じて、低水頭系統Lと高水頭系統Hとを接続することができる。これにより、ガス化炉101の起動により生じるスラグをスラグホッパ122から排出し、サイクロン48Aでスラグを分離することが可能となる。
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態について、図4および図5を用いて説明する。
本実施形態は、第1実施形態の変形例であり、以下で特に説明する場合を除き、第1実施形態と同様であるものとする。
本実施形態のガス化炉設備14Aは、バイパスライン210と第3開閉弁220が追加されている点で、第1実施形態のガス化炉設備14と異なる。
図4に示すように、バイパスライン210は、スラグホッパ122に貯留された冷却水を、第2開閉弁190の下流側に配置される下流側冷却水循環ライン150Bに導く配管である。
ここで、図4に示すように、本実施形態の循環ポンプ160は、冷却水循環ライン150において、バイパスライン210から下流側冷却水循環ライン150Bへ冷却水が導かれる合流位置Mよりも冷却水の流通方向の下流側に配置されている。
循環ポンプ160が合流位置Mよりも冷却水の流通方向の下流側に配置されているため、第1開閉弁180および第2開閉弁190が閉状態となるガス化炉101の起動時においても、スラグホッパ122に貯留される冷却水を循環させることができる。すなわち、循環ポンプ160を動作させることにより、冷却水を、スラグホッパ122、バイパスライン210、下流側冷却水循環ライン150B、循環ポンプ160、冷却器170、スラグホッパ122の順に、循環させることができる。
また、起動時だけでなく、例えば、ガス化炉101が起動した後の通常運転時において、サイクロン48A等に何らかの異常が発生して高水頭系統Hに冷却水の循環を停止する場合であっても、冷却水を冷却器170で冷却しながら循環させるので、ガス化炉101を停止させることなく運転を継続させることができる。
なお、本実施形態のガス化炉設備14Aの制御部90は、第1開閉弁180および第2開閉弁190を閉状態とした場合に第3開閉弁220を開状態とし、第1開閉弁180および第2開閉弁190を開状態とした場合に第3開閉弁220を閉状態とする。このようにすることで、高水頭系統Hと低水頭系統Lとが遮断される場合にバイパスライン210を用いた冷却水の循環を行い、高水頭系統Hと低水頭系統Lとが接続される場合にはバイパスライン210を用いた冷却水の循環を行わないようにすることができる。
また、本実施形態において、スラグホッパ122からバイパスライン210へ冷却水を導く排出口210Aの鉛直方向の位置が、スラグ排出ライン140の上流端に配置される取水口141よりも上方となっている。
このようにすることで、サイクロン48A等に異常が発生してスラグホッパ122からスラグを排出できない場合に、スラグ排出ライン140の上流端から上方に遠ざかった位置から冷却水がバイパスライン210に導かれる。そのため、スラグを分離する設備を持たないバイパスライン210のある系統へのスラグの排出を抑制することができる。
次に、図5のフローチャートを参照して、本実施形態のガス化炉設備14Aの起動時の運転方法について説明する。なお、図5のフローチャートに示す各処理は、制御部90が備える演算装置がプログラムを実行することにより行われる処理である。
図5のフローチャートのステップS501〜506の各処理は、第1実施形態の図3のフローチャートのステップS301〜S306の各処理と同様であるため、説明を省略する。
また、図5のフローチャートのステップS508〜510の各処理は、第1実施形態の図3のフローチャートのステップS307〜S309の各処理と同様であるため、説明を省略する。
第1実施形態では第1開閉弁180および第2開閉弁190を開状態とした後に循環ポンプ160の動作を開始するものであった。それに対して、本実施形態は、第1開閉弁180および第2開閉弁190を開状態とする前に循環ポンプ160の動作を開始するものである。
図5に示すように、ステップS507で、制御部90は、低水頭系統Lと高水頭系統Hとが遮断された状態で、循環ポンプ160の動作を開始させる。これにより、冷却水を、スラグホッパ122、バイパスライン210、下流側冷却水循環ライン150B、循環ポンプ160、冷却器170、スラグホッパ122の順に、循環させる水流が形成される。
〔他の実施形態〕
上述した実施形態においては、ガス化炉設備14,14Aが備える制御部90がガス化炉設備14,14Aの各部を制御するものとしたが、他の態様であってもよい。ガス化炉設備14,14Aの一部の動作を作業者による作業により実行する態様としてもよい。
例えば、第1開閉弁180および第2開閉弁190の開閉状態の切り替えを、作業者が行うようにしてもよい。この場合、作業者は、ガス化炉設備14,14Aの起動時に第1開閉弁180および第2開閉弁190を閉状態とする作業を行う。また、作業者は、圧力センサ128が検出する圧力が所定圧力以上となった場合に、第1開閉弁180および第2開閉弁190を開状態とする作業を行う。
また、上述した実施形態においては、第1開閉弁180を配置する第1位置P1および第2開閉弁190を配置する第2位置P2の位置を冷却水の水面の位置P0と同じ位置としたが他の態様であってもよい。
例えば、第1開閉弁180を配置する第1位置P1および第2開閉弁190を配置する第2位置P2の位置を冷却水の水面の位置P0の下方としてもよい。
また、上述した実施形態において、制御部90は、更に、圧力センサ128が検出する圧力が所定圧力を下回った場合、もしくは所定圧力に冷却水水面の位置P0に対する許容を考慮した圧力を下回った場合に、第1位置P1および第2開閉弁190を閉状態として低水頭系統Lと高水頭系統Hとを分離するようにしてもよい。ここで、所定圧力とは、第1実施形態で説明した通り、低水頭系統Lと高水頭系統Hの水頭差と一致する圧力をいう。
このようにすることで、例えば、ガス化炉101の内部の圧力が低下して冷却水の水面が位置P0、もしくは許容を考慮した水面位置よりも上昇してしまうような不具合を抑制することができる。
また、上述した実施形態では、燃料として石炭を使用したが、高品位炭や低品位炭であっても適用可能であり、また、石炭に限らず、再生可能な生物由来の有機性資源として使用されるバイオマスであってもよく、例えば、間伐材、廃材木、流木、草類、廃棄物、汚泥、タイヤ及びこれらを原料としたリサイクル燃料(ペレットやチップ)などを使用することも可能である。
また、上述した実施形態はガス化炉101として、タワー型ガス化炉について説明してきたが、ガス化炉101はクロスオーバー型ガス化炉でも、ガス化炉101内の各機器の鉛直上下方向を生成ガスのガス流れ方向を合わせるように置き換えることで、同様に実施が可能である。
10 石炭ガス化複合発電設備(ガス化複合発電設備)
14,14A ガス化炉設備(スラグ処理システム)
19 発電機
48 異物除去設備
48A サイクロン(スラグ分離装置)
48Aa 取込口
48Ab 排出口
48B ロックホッパ
48C 貯蔵タンク
48D 仕切り弁
48E 第1排出弁
48F 第2排出弁
49 ガス生成ライン
90 制御部
101 ガス化炉
102 シンガスクーラ
110 圧力容器
111 ガス化炉壁
115 アニュラス部
116 コンバスタ部
117 ディフューザ部
118 リダクタ部
121 ガス排出口
122 スラグホッパ
122A 底部
126,127 バーナ
128 圧力センサ(圧力検出部)
131 蒸発器(エバポレータ)
132 過熱器(スーパーヒータ)
134 節炭器(エコノマイザ)
140 スラグ排出ライン
140A 上流側スラグ排出ライン
140B 下流側スラグ排出ライン
141 取水口
150 冷却水循環ライン
150A 上流側冷却水循環ライン
150B 下流側冷却水循環ライン
160 循環ポンプ
170 冷却器
180 第1開閉弁
190 第2開閉弁
210 バイパスライン
220 第3開閉弁
C 運搬車輌
S 設置面
X 軸線

Claims (8)

  1. 炭素含有固体燃料をガス化するガス化炉の鉛直下方側に設けられ、前記炭素含有固体燃料から生じたスラグを受け入れるとともに、該スラグを冷却する冷却水が貯留されたスラグホッパと、
    前記スラグと前記冷却水との混合物から前記スラグを分離するスラグ分離装置と、
    前記スラグホッパから前記スラグ分離装置へ前記混合物を導くスラグ排出ラインと、
    前記スラグ分離装置で分離された前記冷却水を前記スラグホッパに戻す冷却水循環ラインと、
    前記スラグホッパから前記スラグ分離装置への水流を形成する循環ポンプと、
    前記冷却水循環ラインの前記循環ポンプの下流側に配置される冷却器と、
    前記スラグ排出ラインに配置される第1開閉弁と、
    前記冷却水循環ラインに配置される第2開閉弁と、を備え、
    前記第1開閉弁が配置される鉛直方向の第1位置および前記第2開閉弁が配置される鉛直方向の第2位置よりも、前記スラグ分離装置へ前記混合物を供給する前記スラグ排出ラインの下流端が配置される鉛直方向の第3位置が高い位置にあるスラグ排出システム。
  2. 前記スラグホッパに貯留された前記冷却水の一部を前記第2開閉弁の下流側で、前記循環ポンプの上流側の前記冷却水循環ラインに導くバイパスラインを備え、
    前記循環ポンプが、前記冷却水循環ラインにおいて、前記バイパスラインから前記冷却水循環ラインへ前記冷却水が導かれる位置よりも下流側に配置されている請求項1に記載のスラグ排出システム。
  3. 前記スラグホッパから前記バイパスラインへ前記冷却水を導く排出口の鉛直方向の位置が、前記スラグ排出ラインの上流端よりも上方である請求項2に記載のスラグ排出システム。
  4. 前記第1開閉弁および前記第2開閉弁の開閉状態を制御する制御部を備え、
    前記制御部が、前記ガス化炉を起動する前に、前記第1開閉弁および前記第2開閉弁が閉状態となるよう制御する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のスラグ排出システム。
  5. 前記ガス化炉の内部の圧力を検出する圧力検出部を備え、
    前記制御部が、前記圧力検出部が検出する圧力が所定圧力以上となった場合に前記第1開閉弁および前記第2開閉弁が開状態となるよう制御する請求項4に記載のスラグ排出システム。
  6. 炭素含有固体燃料を部分燃焼させてガス化するガス化炉と、
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のスラグ排出システムと、を備えたガス化炉設備。
  7. 炭素質含有固体燃料を部分燃焼させてガス化するガス化炉と、
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のスラグ排出システムと、
    前記ガス化炉によりガス化された前記炭素含有固体燃料により発電を行う発電機と、を備えたガス化複合発電設備。
  8. 炭素含有固体燃料を部分燃焼させてガス化するガス化炉の下方に設けられ、前記炭素含有固体燃料から生じたスラグを受け入れるとともに、該スラグを冷却する冷却水が貯留されたスラグホッパと、前記スラグと前記冷却水との混合物から前記スラグを分離するスラグ分離装置と、前記スラグホッパから前記スラグ分離装置へ前記混合物を導くスラグ排出ラインと、前記スラグ分離装置で分離された前記冷却水を前記スラグホッパに戻す冷却水循環ラインと、前記スラグホッパから前記スラグ分離装置への水流を形成する循環ポンプと、前記冷却水循環ラインの冷却水を冷却する冷却器と、前記スラグ排出ラインに配置される第1開閉弁と、前記冷却水循環ラインに配置される第2開閉弁と、を備えるスラグ排出システムの運転方法であって、
    前記第1開閉弁が配置される鉛直方向の第1位置および前記第2開閉弁が配置される鉛直方向の第2位置よりも、前記スラグ分離装置へ前記混合物を供給する前記スラグ排出ラインの下流端が配置される鉛直方向の第3位置が高い位置にあり、
    前記ガス化炉の起動前に、前記第1開閉弁と前記第2開閉弁とを閉状態とする遮断工程と、
    前記遮断工程によりに前記第1開閉弁と前記第2開閉弁とを閉状態とした状態で、前記スラグ排出ラインの前記第1開閉弁よりも上流側と前記冷却水循環ラインの前記第2開閉弁よりも下流側に前記冷却水を注水する第1注水工程と、
    前記遮断工程によりに前記第1開閉弁と前記第2開閉弁とを閉状態とした状態で、前記スラグ排出ラインの前記第1開閉弁よりも下流側と前記冷却水循環ラインの前記第2開閉弁よりも上流側に前記冷却水を注水する第2注水工程と、
    前記第1注水工程および前記第2注水工程による注水が行われた後に、前記ガス化炉内の圧力が所定圧力以上であるかを確認する圧力確認工程と、
    前記第1開閉弁と前記第2開閉弁とを開状態とする接続工程と、を備えるスラグ排出システムの運転方法。
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