JP3806851B2 - 加圧流動層ボイラ用燃料の配管内輸送方法及び装置 - Google Patents

加圧流動層ボイラ用燃料の配管内輸送方法及び装置 Download PDF

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Description

【発明の属する技術分野】
【0001】
本発明は、ガスタービン、スチームタービンを駆動して複合発電を行う加圧流動層ボイラ発電プラントにおいて、燃焼用の石炭・水混合燃料が輸送配管内で閉塞するのを防ぐのに好適な加圧流動層ボイラ用燃料の配管輸送方法及び装置に関する。
【従来の技術】
【0002】
加圧流動層ボイラ発電プラントでは、流動層火炉への石炭の供給方法として湿式供給方式が主に採用されている。例えば、特開昭62−155433号公報に示されているように、破砕された石炭に水を加え、ミキサーにより混合してペースト状の流体燃料(以下、ペーストと略す)とした後、ポンプで流動層火炉に供給する方法がある。
【0003】
図13は、ペーストを製造して流動層火炉へ供給し燃焼する設備の系統図である。図13により、ペーストを流動層火炉へ供給する方法を詳細に説明する。
【0004】
粉砕炭B、石灰石C及び水Dが、混練機8へ所定の混合比率で連続的に供給されると、混練機8の回転翼50で攪拌、混合されて、ペーストFが製造される。このペーストFはタンク9に投入され、攪拌翼52で攪拌される。タンク9の下には、開閉弁53を介してペーストFを輸送するポンプ12が設けられる。
【0005】
ペーストFを燃焼する火炉101は圧力容器104内に収納されている。火炉101の底部に空気分散板105が設けられ、その上に流動媒体粒子102が充填されている。加圧空気106は圧力容器104内に供給された後、燃焼用空気107として、空気分散板105を通って火炉101内に供給され、流動媒体粒子102を流動化して流動層109を形成する。
【0006】
ポンプ12により、ペーストFが輸送配管28および35を経て、分散ノズル10から流動層109内へ供給されて燃焼される。燃焼ガスは流動層109上部の空間部(フリーボード)110を経て排出され、サイクロン103でダストを除去後、導火管108を通って図示されていないガスタービンに導入される。
【0007】
上述した火炉101へのペーストFの供給及び燃焼操作の前には、以下に詳述する一連の準備操作が行われている。
a.輸送配管の水濡らし
b.ペーストの循環運転
c.分散ノズル内水濡らし
d.三方弁切り替え、ペースト火炉投入
ペーストFがタンク9内に所定量投入された時点で、まず、ペーストの輸送配管の水濡らし操作(上記操作a)を行う。開閉弁18を開いて水D1が導管32を経由して輸送配管28へ一定時間導入される。次に、開閉弁18を閉じ、開閉弁17を開けて、空気G1を導管31を経由して輸送配管28へ一定時間導入し、先に導入した水D1を空気G1によってパージする。これを数回繰り返して配管内面を水で濡らす。この場合、三方弁14はタンク9側の戻り配管29方向に開く。また三方弁15は排出側の配管37側へ開かれ排水槽38へ開口する。
【0008】
次に、ポンプ12を起動してタンク9内のペーストFが輸送配管28、29へ送られる。三方弁15はタンク9側へ切り替え、ポンプ12から送り出されたペーストFがタンク9へ循環運転される(上記操作b)。
【0009】
燃焼の準備が完了した時点で、開閉弁19及び20が開いて、空気G2及び水D2が輸送配管35へ導入され、輸送配管35及び分散ノズル10内が水で濡らされる。(上記操作c)。その後、三方弁14が戻り側から火炉側へ切り替えられ、ペーストFの火炉101への投入が開始される(上記操作d)。火炉101に投入したペーストFが着火したことを確認した後に、開閉弁20を閉じ水D2の供給を停止する。
【0010】
また、特開昭62−155433号公報に開示されているように、輸送配管へ図示されていない石鹸水を供給した後に、ペーストFを輸送することもある。いずれの方法も、配管内壁でのペーストの滑りを良くすることを目的とした操作である。
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記従来技術において、水濡らし操作後にペーストの輸送配管の水平部の下部に少量の水が溜まるが、上面はほとんど濡れていない。従来の水と空気によるパージでは、一旦壁面についた水も重力によって落ちる。特に、鉛直方向輸送配管では、上述した水や石鹸水での配管濡らし操作をしても、配管内壁に水分が保持されない箇所が多数発生した。そのような箇所では輸送されるペーストFの先行端が滑りにくくなる(摩擦抵抗が大きくなる)ため、ペーストFの脱水が促進されて管内閉塞を回避することができない。
【0012】
図14は、輸送配管内でのペーストFの流動状態を示したものである。配管壁面に水分が保持されていれば、上記の摩擦抵抗力が小さくなるので脱水されずに流動する。しかし、壁面での水分の保持が不十分であると、輸送配管内を移動するペーストFの先行部分Ftは、配管内壁面から受ける摩擦抵抗力によって脱水される。脱水されて配管内を流れにくくなっても、ポンプの吐出圧によりペーストFは押され続けて閉塞に至る。特に、ペーストF中の石炭粒子と水が分離しやすい炭種では、この脱水現象が起こり易い。その結果、起動時に配管の分解、清掃等が必要となり、廃スラリが大量に発生して復旧にも多大な時間を要した。
【0013】
本発明の目的は、上記従来技術の欠点を排除して、石炭・水混合燃料であるペーストをポンプにより配管を通じて火炉に供給開始した際に、ペーストが配管内で閉塞するのを防ぐことができる加圧流動層ボイラ用燃料の配管内輸送方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明の第1の加圧流動層ボイラ用燃料の配管内輸送方法は、原炭を粉砕機により粉砕して得られた粗粉炭と、粗粉炭及び水を湿式粉砕して得られる微粉炭スラリと、水と、脱硫剤とを混練して石炭・水混合燃料(ペーストという)を製造し、このペーストを加圧された流動層火炉へポンプにより配管を通じて供給する方法において、ペーストの輸送を開始する前に、配管にあらかじめ微粉炭スラリを導入してスラリを配管内面に付着させることを特徴とする。そして微粉炭スラリの降伏値が0.1〜10Paであるのが好ましい。
【0015】
本発明のポイントは、あらかじめ輸送配管に導入する微粉炭スラリが、静止した流体を流動させるに必要な応力、いわゆる降伏値を有する点にある。すなわち、配管の内壁面に一旦付着した上記のスラリが、配管壁面を流れ落ちてしまうことがなく、水分を保持する役目を果たす。従来法で問題なのは、水濡らし操作をしても、ペーストの輸送配管の内壁面に水分が保持されにくい点にあった。本発明によって、あらかじめ微粉炭スラリを導入すると、輸送配管内へ供給されたペーストが管内を移動する過程で、ペーストと管壁面の抵抗が著しく減少する。その結果、ペーストをはじめて配管に供給する起動時に、ペーストの先行端が脱水されにくくなり供給配管内での閉塞が無くなる。
【0016】
また、上記目的を達成するために、本発明の第1の加圧流動層ボイラ用燃料の配管内輸送装置は、原炭を粉砕機により粉砕して得られた粗粉炭と、粗粉炭及び水を湿式粉砕して得られる微粉炭スラリと、水と、脱硫剤とを混練してペーストを製造し、このペーストを加圧された流動層火炉へポンプにより配管を通じて供給する装置において、ペーストを送り出すポンプの出口から流動層火炉に至る配管に、微粉炭スラリを供給するスラリ供給手段を設けたことを特徴とする。
【0017】
また、本発明の第2の加圧流動層ボイラ用燃料の配管内輸送装置は、上記第1の装置のようにスラリ供給手段をポンプの出口側の配管に設ける代わりに、スラリ供給手段をポンプの入口に設けたものである。
【0018】
このようにスラリ供給手段を低圧側のポンプ入口に設けることにより、スラリ供給手段の構成要素として、その低圧に対応した強度の部品、部材を用いることができ、また低圧であるだけメンテナンスも容易となる
【発明の実施の形態】
【0019】
以下に、本発明の実施の形態となる加圧流動層ボイラ用燃料の配管内輸送方法及びその方法を実施する装置を図面により説明する。
【0020】
<実施の形態1>
図1は実施の形態1の加圧流動層ボイラ用燃料の配管内輸送装置(時に燃料配管内輸送装置と略す)の系統図である。この燃料配管内輸送装置は、概略すると、原炭Aを貯える原炭バンカ1と、原炭バンカ1から送られた原炭Aを粉砕して粗粉砕炭を生成する粗粉砕機2と、該粗粉砕炭から最大粒子径6mm以下の粉砕炭を分級する分級機3と、分級された粉砕炭Bを貯留する粉砕炭ホッパー4と、粉砕炭ホッパー4から送られた粉砕炭Bと石灰石ホッパ7から導管26を通じて供給された石灰石Cと導管27を通じて供給された水Dとを攪拌、混合して混合燃料であるペーストFを生成する混練機8と、該ペーストFを貯えるタンク9と、ペーストFをタンク9から導管28を通じ火炉(図示なし)に備えた分散ノズル10に供給するポンプ12とを備え、さらに、本発明の特徴として、粉砕炭ホッパー4で分配されて送られた粉砕炭Bの一部を導管23より供給される所定量の水Dとともに湿式粉砕して微粉炭スラリEを生成する微粉砕機5と、微粉炭スラリEを一時的に保管するタンク6と、微粉炭スラリEを導管39を通じポンプ12の出口側に供給するポンプ11とを備えている。
【0021】
粗粉砕機2で粉砕され分級機3で分級され粉砕炭ホッパー4に貯えられた粉砕炭Bの一部は、導管22を通って微粉機5に、残りは導管25を通って混練機8に送られる。上記粉砕炭Bの一部は、微粉砕機5で湿式粉砕されて微粉炭スラリEとなり、この微粉炭スラリEはタンク6に一時的に保管された後、ポンプ11によって導管24を通って混練機8に供給される。混練機8には、微粉炭スラリE以外に粉砕炭B、石灰石C及び水Dが、それぞれ供給されて攪拌、混合された後、所定の水分を含有するペーストFが製造されて、タンク9に投入される。
【0022】
上述のようにしてペーストFが製造されると、ペーストFを輸送配管に供給する準備操作が行われる。本発明は、この準備操作の方法及び構成に着目したものである。
【0023】
ポンプ12から分散ノズル10に至る配管に設けられた三方弁14は、分散ノズル10方向に閉じ、タンク9側の戻り配管29方向に開かれている。また、三方弁14からタンク9側への戻り配管29に設けられた三方弁15は、タンク9方向へは閉じ、排出槽38へと延びる配管37側へ開かれている。ペーストFがタンク9内に所定量投入された時点で、本発明にかかわる微粉炭スラリEが、導管39よりポンプ12の出口側の輸送配管28へ供給される。この微粉炭スラリEの供給前に、ポンプ11出口側に設けられた三方弁13が、混練機8方向から輸送配管28方向へ”開”に切り替えられ、また、導管39に設けられた開閉弁16が開けられる。
【0024】
以上の操作が完了すると、ポンプ12を起動してタンク9内のペーストFが輸送配管28へ送られる。三方弁15はタンク9方向に切り替えられ、ポンプ12から送りだされたペーストFがタンク9へ循環運転される。
【0025】
燃焼の準備が完了した時点で、一旦ポンプ12を停止する。三方弁14が戻り側から火炉側へ切り替えられ、ペーストFが分散ノズル10から図示されていない火炉へ投入される。
【0026】
また、図1には示していないが、三方弁14から分散ノズル10側の輸送配管35についても、微粉炭スラリEを導入する本発明法を適用すると、さらに閉塞のない安定なペースト供給ができる。
【0027】
図2は、図1に示した設備において、本発明の方法を実施した場合の運転トレンドの一例である。
【0028】
時刻t1から時刻t2になるまでの一定時間、微粉炭スラリEが、ポンプ11によりタンク6から三方弁13、導管39、開閉弁16を通じて輸送配管28へ供給される。微粉炭スラリEの供給量は、輸送配管の内径や配管長さによって異なるが、ペーストFが輸送される全配管の内壁に厚さ1mm程度のスラリの層を形成させるとよい。例えば、内径80mmで全長50mの輸送配管であれば、供給する微粉炭スラリEの量は少なくとも13リットル程度は必要である。
【0029】
微粉炭スラリEの供給が完了した時刻t2に、ポンプ12によりペーストFが輸送配管28へ送り出される。このペーストFに押されて、あらかじめ導入した微粉炭スラリEが先行して輸送配管内を進み、配管壁面に付着して滑りやすくする。微粉炭スラリEは降伏値を有するので、配管の内壁面を流れ落ちることがなく、水分も保持される。ポンプ12の出力は一定の条件でタンク9への循環運転が行われる。燃焼準備が完了する時刻t3で、燃焼初期の出力設定にポンプ12の出力を順次低下させ時刻t4にてポンプ12は一旦停止する。
【0030】
時刻t5に三方弁14が分散ノズル10側へ切り替えられ、ポンプ12を起動して火炉内へペーストFの供給が開始される。その後、負荷の上昇にともなって除々にペーストFの供給量を増加する。その結果、ペーストFの製造再開が必要となり、時刻t6において微粉炭スラリEの供給ポンプ11出側の三方弁13が混練機8方向に切り替えられた後、微粉炭スラリEが混練機8へ供給される。
【0031】
次に図1に示す設備で配管輸送を実施した結果を説明する。
【0032】
豪州炭(燃料比1.5:灰分11.5%)のペーストを製造して輸送配管内での循環テストを実施した。図3は、循環運転におけるポンプ12の出口圧力の経時変化を、本発明法と従来法で比較した結果である。時刻t2でペーストの供給を開始すると、主としてペーストの流動に伴って配管壁面との間に発生する圧力損失に相当するだけポンプ出口圧力が上昇する。従来法では輸送途中からポンプ出口圧力が急上昇し(時刻t4’)、ポンプは緊急停止した。これは、配管内を送られるペーストの先行部分が脱水されて流動性が極めて低下し閉塞したためである。これに対して、本発明法では、ペーストの流量に応じて段階的にポンプ出口圧力も低下し安定な輸送を達成した。
【0033】
本実施の形態に示した本発明法の効果は、輸送配管内へペーストを供給する際の配管内壁面の状態の違いに起因すると考え、配管内部の様子を観察した。
【0034】
図4は、水平面と鉛直部の配管内部の状況について本発明法と従来法を比較した結果である。まず、水平管部について比較すると、従来法では配管下部に少量の水が溜っており、上面はほとんど濡れていない。一方、本発明法では、微粉炭スラリが配管内面の全体にわたって付着している。また、鉛直配管部については、さらに違いが明確である。従来法では、配管壁面がほとんど濡れていないが、本発明法では全面に微粉炭スラリが付着していることを確認した。従来の水と空気によるパージでは、一旦壁面についた水も重力によって落ちる。これに対して、微粉炭スラリをあらかじめ輸送配管内に導入する方法では、微粉炭スラリ自身が降伏値を有しているため、重力によって流れ落ちることがほとんどない。
【0035】
<実施の形態2>
図5は実施の形態2となる加圧流動層ボイラ用燃料の配管内輸送装置の系統図である。この燃料配管内輸送装置は、微粉炭スラリEの導入する位置をポンプ本体、すなわちポンプ12入口側としたもので、この点が実施の形態1のように微粉炭スラリEの導入する位置をポンプ12出口としたものと相違している。その他の構成は同じである。
【0036】
ペーストFを輸送配管に供給する準備段階では、ポンプ12から分散ノズル10に至る配管に設けられた三方弁14はタンク9側の戻り配管29方向に開かれている。また、三方弁14からタンク9側への戻り配管29に設けられた三方弁15は排出側の配管37側へ開かれている。ペーストFがタンク9内に所定量投入された時点で、本発明にかかわる微粉炭スラリEが、導管40よりポンプ12の本体へ供給される。微粉炭スラリEの供給前には、微粉炭スラリEを供給するポンプ11出側の三方弁13が混練機8方向からポンプ12方向へと”開”に切り替えられ、また、導管40に設けられた開閉弁41が開けられる。
【0037】
本実施の形態における微粉炭スラリEの導入位置は、ポンプ12の吐出部より上流となり、プラント運転中でも圧力が低く、導管40のメンテナンスが容易である。この場合、ペーストFのタンク9とポンプ12の間の開閉弁53を閉じれば圧力はほとんどかからなくすることもできる。
【0038】
参考例1
本発明の目的は、図1及び図5に示した方法及び装置によらなくとも達成することができる。すなわち、ペーストFの製造のために粉砕炭Bと共に微粉炭スラリEを用いる製造方式であれば、微粉炭スラリの供給導管を別途設けなくても、運転方法を工夫することによって本発明の目的を達成することができる。
【0039】
図6に代表的な例の系統図を示す。この加圧流動層ボイラ用燃料の配管内輸送装置は、それぞれ投入された粉砕炭B、微粉炭スラリE、石灰石C及び水Dを混合して所望のペーストFを製造する混練機8と、該ペーストFを貯えるタンク9と、ペーストFをタンク9から導管28を通じ火炉(図示なし)に備えた分散ノズル10に供給するポンプ12と、導管28に設けられ分散ノズル10またはタンク9方向に切り替えられる三方弁14と、から構成されている。この系統では、輸送配管28もしくはポンプ12の本体に、微粉炭スラリEを導入する導管は設けていない。
【0040】
図7は、上記各原料の供給量の時間変化を示したトレンドである。
【0041】
時刻t0からペーストの製造が開始される。通常、各原料の配合比率は石炭性状に応じて決定され、連続運転中に水Dの注水流量を微調整する以外ほとんどの場合一定条件である。本参考例では、ペーストFの製造初期に微粉炭スラリEの混合比率を増加させ、微粉含有率の高いペーストFとし、輸送配管内に先行して微粉含有率の高いペーストFが輸送され、その後時刻t0 より計画通りの配合で製造されたペーストFがポンプ12より送り出されることになる。
【0042】
微粉含有率の高いペーストFが配管内を輸送される際に、ペースト中の過剰な微粉石炭粒子と水が配管内壁面に付着しながら進む。その後から輸送されてくる計画通りのペーストFは、微粉石炭粒子と水が付着して滑り易くなった壁面を通過することになるため、管壁との摩擦が生じにくく脱水されない。先行するペーストFは製造条件から微粉リッチかつ水分も多くなるため、壁面に微粉石炭粒子と水が付着してもそれ自身が閉塞することはない。
【0043】
参考例2
参考例1と同じ設備を用いた別の運転方法を、図8の運転トレンドを用いて説明する。
【0044】
時刻t0からペーストFの製造が開始される。本参考例では、ペーストFの製造初期に微粉炭スラリEのみが供給され、その後に時刻t0’より全ての原料を所定の比率で混合攪拌して製造されたペーストFがポンプ12より送り出される。
【0045】
微粉炭スラリEは、ペーストFに押し出されて輸送配管内を進む。この際、微粉炭スラリEは配管内壁面に付着するため、後から輸送されてくるペーストFは、微粉石炭粒子と水が付着して滑り易くなった壁面を通過することになるため、管壁との摩擦が生じにくく脱水されない。
【0046】
参考例3
図9は、ペーストの製造に微粉炭スラリEを使用しない製造設備において、本の目的を達成するための装置である。
【0047】
参考例3の加圧流動層ボイラ用燃料の配管内輸送装置は、原炭Aを貯える原炭バンカ1と、原炭Aを粉砕して粗粉砕炭を生成する粗粉砕機2と、粉砕炭を分級する分級機3と、分級された粉砕炭Bを貯留する粉砕炭ホッパー4と、粉砕炭ホッパー4から送られた粉砕炭Bと石灰石ホッパ7から供給された石灰石Cと水Dとを攪拌、混合してペーストFを生成する混練機8と、ペーストFを貯えるタンク9と、ペーストFをタンク9から導管28を通じて分散ノズル10に供給するポンプ12とを備え、さらに、本参考例の特徴として、微粉粒子を含有するスラリを貯える別置きのタンク54と、該スラリをタンク54から導管56を通ってペーストFの輸送配管28へ供給するポンプ55とを備えている。微粒子を含有するスラリとしては、高濃度石炭・水スラリ(Coal-Water Mixtures;CWM)を使用した。
【0048】
CWMを使用する本参考例によれば、タンク54内で長期保存が可能である。そのため、ペーストFの製造に微粉炭スラリEを使用しない方式を採用しても、タンク54とCWMの導管56を付設するだけで、大幅な設備投資をせずに本発明の目的を達成できる。
【0049】
以上のように、本発明で用いる微粒子を含有するスラリとして、微粉炭スラリ以外にCWMを用いても同様の効果が得られることは、上述の通りである。
【0050】
微粒子を含有するスラリを使用する理由は、僅かでも降伏値を有し、配管のレイアウトに関係なく、配管内面のほぼ全域に付着させることが可能なことにある。燃焼灰と混合して得られるスラリを用いても効果が得られる。
【0051】
図10に微粒子を含むスラリの降伏値とポンプ出口圧の関係を示す。本発明で記述しているごとく、配管内壁に微粒子を含むスラリを効率よく付着させ、ポンプ出口圧の上昇を防止するためには、スラリの降伏値が0.1〜10Paの範囲であることが必要である。
【0052】
参考例4
図11は、原料として投入された粉砕炭B、石灰石C及び水Dを撹拌、混合する混練機を有するが、微粉炭スラリEを用いない製造設備において、本発明の目的を達成するための装置である。これは、混練機の回転を高く設定してペーストを製造すると、混練中に石炭粒子が粉砕されてペースト中に含有される微粒子量が増加することを利用する、あるいは、ペーストの製造量を低下すると、混練機内での平均滞留時間が増加して、混練中に石炭粒子が粉砕されペースト中に含有される微粒子量が増加することを利用するものである。
【0053】
参考例4の加圧流動層ボイラ用燃料の配管内輸送装置は、図11に示すように、原料として投入された粉砕炭B、石炭石C及び水Dを混合して所望のペーストFを製造する混練機8と、ペーストFを貯えるタンク9と、ペーストFをタンク9から導管28を通じて送り、分散ノズル10を介して火炉101に供給するポンプ12と、導管28に設けられ分散ノズル10またはタンク9方向に切り替えられる三方弁14と、図示されない各原料の供給フィーダの起動/停止や混練機8の回転数を制御する制御装置71等を備えている。
【0054】
ペーストFの製造指令信号が制御装置71に出力されると、制御装置71より混練機8の回転数調節器70に回転数の調節指令信号が出力される。混練機8の回転翼50を駆動する混練機モータ60の回転数は、標準運用条件に比べて高く設定される。混練機8へ供給される各原料は、混練機8内で高回転数(周速で5〜10m/s程度)で攪拌混合されるため、混練前に比べ混練後のペースト中には微粉炭の含有量が過剰に増加する。
【0055】
ペーストFがタンク9内に所定量投入された時点で、ポンプ12を起動してタンク9内の微粉炭過剰のペーストFが輸送配管28へ送られる。この場合、三方弁14はタンク9側の戻り配管29方向に開く。また、三方弁15は排出側の配管37側へ開かれている。排出側の配管37にペーストFが循環されてきたことを確認した後、三方弁15が配管36へ切り替えられ、タンク9へペーストFが循環される。
【0056】
次に、燃焼の準備が完了すると三方弁14が戻り側から火炉側へ切り替えられ、ペーストFが分散ノズル10から火炉101へ投入され、燃焼に入る。
【0057】
このように、微粉炭過剰のペーストFをタンク9から分散ノズル10に延びる輸送配管28、35に供給開始すると、輸送配管の壁面に過剰の微粒石炭粒子とともに水が付着しながら管内を進んでいく。その結果、輸送配管28、35内へ供給されたペーストFが管内を移動する過程で、ペーストと管壁面の抵抗が著しく減少し、先行部分が脱水されず閉塞することがない。
【0058】
図11に示した設備を用い、豪州炭(燃料比1.5;灰分11.5%)のペーストFを製造して輸送配管内での循環テストを実施した。図12には、循環運転及び火炉に燃料を投入するまでの運転トレンドを示した。
【0059】
時刻t1でペーストFの製造を開始する(トレンドa)。混練機8の回転数は高く設定されている(トレンドb)。ペーストFの製造を開始すると、タンク9レベルが上昇する(トレンドc)。タンク9レベルがある一定値まで達した時刻t2で、ペーストFの製造を停止する。時刻t3にペーストポンプ12を起動し、輸送配管28、29、36への供給を開始する。時刻t4で輸送配管に供給したペーストFがペーストタンク9に循環してくると、時刻t5になるまで循環運転が継続される。時刻t5でペーストポンプを停止した後、三方弁14を火炉101側に切り替え火炉内へのペースト投入準備に入る。時刻t6でペーストポンプ12を起動し、火炉101内にペーストF投入を開始する。ペーストポンプ12の出力を除々に上昇しゆく過程で、タンク9レベルが減少するため、時刻t7でペーストFの製造を再開する。
【0060】
以上の操作において、微粉含有率の多いペーストが配管内を輸送される際に、ペースト中の過剰な微粉石炭粒子が水とともに配管内壁面に付着しながら進む。後から輸送されてくる計画通りのペーストは、微分石炭粒子と水が付着して滑り易くなった壁面を通過することになるため、管壁との摩擦が生じにくく脱水されない。
【0061】
時刻t1より混練機8で製造するペーストFの製造量を、標準条件より意図的に低くすると、混練機8内での平均滞留時間が増加し、微粉石炭粒子の含有率の高いペーストが製造されて同様の効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0062】
本発明によって、供給配管内へ供給されたペーストが管内を移動する過程で、ペーストと管壁面の抵抗が減少する。その結果、ペーストをはじめて配管に供給する起動時に、ペーストの先行端が脱水されにくくなり供給配管内での閉塞が無くなる。さらに、起動時に配管の分解、清掃等が不要となり、廃スラリの発生も大幅に抑えることができる。
【0063】
また、従来法で実施してきた輸送配管の水濡らし操作が省略されるため、ポンプ台数の多い大型のプラントでの廃水量を大幅に削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】 本発明の実施の形態1である加圧流動層ボイラ用燃料の配管内輸送装置の系統図である。
【図2】 第1の実施の形態におけるペースト供給時の運転パターンの一例を示す説明図である。
【図3】 ペースト供給開始時における本発明の閉塞防止効果と従来法のそれとを比較して示す図である。
【図4】 本発明実施による配管内壁面の状況を従来法のそれと比較して示す図である。
【図5】 本発明の実施の形態2である加圧流動層ボイラ用燃料の配管内輸送装置の系統図である。
【図6】 本発明の参考例1となる加圧流動層ボイラ用燃料の配管内輸送装置の系統図である。
【図7】 参考例1におけるペースト供給運転パターンの一例を示す図である。
【図8】 参考例1におけるペースト供給運転パターンの別の例を示す図である。
【図9】 本発明の参考例3となる加圧流動層ボイラ用燃料の配管内輸送装置の系統図である。
【図10】 本発明におけるスラリの降伏値に関する説明図である。
【図11】 本発明の参考例4となる加圧流動層ボイラ用燃料の配管内輸送装置の系統図である。
【図12】 参考例4におけるペースト供給運転パターン例を示す図である。
【図13】 従来法における加圧流動層ボイラ用燃料の配管内輸送装置の系統図である。
【図14】 従来法における配管閉塞状況の説明図である。
【符号の説明】
【0065】
5 微粉砕機
6 タンク(スラリ用)
8 混練機
9 タンク(ペースト用)
10 分散ノズル
11 ポンプ(スラリ用)
12 ポンプ(ペースト用)
28、35 輸送配管
70 回転数調節器
71 制御装置
72 ポンプ制御装置
101 加圧流動層燃焼炉
102 流動媒体
A 原炭
B 粉砕炭
C 石炭石
D 水
E 微粉炭スラリ
F ペースト

Claims (4)

  1. 原炭を粉砕機により粉砕して得られた粗粉炭と、該粗粉炭及び水を湿式粉砕して得られる微粉炭スラリと、水と、脱硫剤とを混練してペースト状の石炭・水混合燃料を製造し、該燃料を加圧された流動層火炉へポンプにより配管を通じて供給する加圧流動層ボイラ用燃料の配管内輸送方法において、該燃料の輸送を開始する前に、配管にあらかじめ前記微粉炭スラリを導入して該微粉炭スラリを該配管内面に付着させることを特徴とする加圧流動層ボイラ用燃料の配管内輸送方法。
  2. 前記微粉炭スラリの降伏値が0.1〜10Paであることを特徴とする請求項1記載の加圧流動層ボイラ用燃料の配管内輸送方法。
  3. 原炭を粉砕機により粉砕して得られた粗粉炭と、該粗粉炭及び水を湿式粉砕して得られる微粉炭スラリと、水と、脱硫剤とを混練してペースト状の石炭・水混合燃料を製造し、該燃料を加圧された流動層火炉へポンプにより配管を通じて供給する加圧流動層ボイラ用燃料の配管内輸送装置において、該燃料を送り出すポンプの出口から流動層火炉に至る配管に、前記微粉炭スラリを供給するスラリ供給手段を設けたことを特徴とする加圧流動層ボイラ用燃料の配管内輸送装置。
  4. 原炭を粉砕機により粉砕して得られた粗粉炭と、該粗粉炭及び水を湿式粉砕して得られる微粉炭スラリと、水と、脱硫剤とを混練してペースト状の石炭・水混合燃料を製造し、該燃料を加圧された流動層火炉へポンプにより配管を通じて供給する加圧流動層ボイラ用燃料の配管内輸送装置において、該燃料を送り出すポンプの入口に、前記微粉炭スラリを供給するスラリ供給手段を設けたことを特徴とする加圧流動層ボイラ用燃料の配管内輸送装置。
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