JP6732538B2 - マンホールの出入補助装置 - Google Patents

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本発明はマンホールの出入補助装置に関し、詳しくは、マンホールの出入に使用する掴み棒等からなる出入補助装置に関するものである。
マンホールの地上部付近には、作業者が出入時に使用するはしごや掴み棒等の出入補助装置が設置されている。このようなマンホールの出入補助装置について、種々の提案がなされている(特許文献1参照)。特許文献1に記載された技術は、作業者が無理のない姿勢でマンホールに出入りできるようにするとともに、第三者に対してマンホールが開放されていることを告知する機能を有している。
具体的には、マンホールの周壁に設置された上部の梯子本体の両側にそれぞれ縦方向に固定される一対の支持パイプと、これら支持パイプに縦杆部がそれぞれ摺動自在かつ回動自在に挿入されるとともに、縦杆部の上部を略U字状に折り返して手摺り枠が形成された一対の手摺杆と、この手摺杆の延出端部の間に着脱自在に掛け渡されて、延出端部同士を固定する固定部材とを備えている。そして、延出端部をマンホール上に上昇、回転させて、マンホールの周縁部に接地することにより、手摺杆をマンホール外に設置することができるようになっている。
特開2000−273886号公報
上述したように、マンホールの地上部付近には、作業者がマンホール内に出入するための梯子が設けられている。この梯子は、マンホールの縦穴の周壁から突出した複数段の足掛け部からなり、作業者はこの梯子を用いてマンホール内を昇降する。特許文献1に記載された技術は、梯子の補助装置として、マンホールから地上に突出する手摺杆(掴み棒)を備えており、作業者が手摺杆(掴み棒)を握って梯子に足をかけることにより、マンホールへの出入時に作業者が不安定な姿勢になることを防止している。
しかし、特許文献1に記載された技術では、マンホールの蓋を開けた後に、手摺杆(掴み棒)を引き出して固定しなければならず、この一連の操作では作業者が腰をかがめて、マンホール内に手を差し込む等の動作が必要となる。このため、手摺杆(掴み棒)を固定するまでの動作において、作業者に無理な姿勢を強いることになる。
本発明は上述した事情に鑑み提案されたもので、作業者がマンホール内に出入する際に、無理な姿勢をとることなく、マンホール内から掴み棒を取り出して固定することができるマンホールの出入補助装置を提供することを目的とする。
本発明に係るマンホールの出入補助装置は、上述した事情に鑑み提案されたもので、以下の特徴点を有している。すなわち、本発明に係るマンホールの出入補助装置は、取り外し可能な蓋部材が開口部に設置されるマンホール内に設置した複数段の梯子と、梯子の上方に設置することにより、マンホールに出入する作業者の手掛けとなる掴み棒と、梯子の上部付近に設置され、掴み棒を収容する収納部と、収納部の底部に設置され、掴み棒を上方へ向かって押し出す押出部材と、収納部の近傍に設置され、掴み棒をマンホールから突出した状態で固定する固定部と、掴み棒をマンホール内に繋ぎ止める繋留部材とを備えている。そして、掴み棒は、マンホールの開口部に蓋部材を取り付けた状態で、蓋部材により押出部材の押出力に抗して収納部内に収納された状態となり、マンホールの開口部から蓋部材を取り外した状態で、押出部材の押出力により収納部内から突出した状態となることを特徴とするものである。
また、上述した構成に加えて、蓋部材のマンホール内部側に設置されたカバー部材を備えることが可能である。カバー部材は、筒状の本体部と、当該本体部の上端部に開閉可能に取り付けた開閉蓋とを有しており、開閉蓋は、閉じられた状態で、蓋部材と掴み棒の上端部との間に配置される。また、カバー部材は、マンホールの開口部から蓋部材を取り外した状態で、掴み棒とともに、収納部内から突出した状態となる。また、カバー部材は、本体部の外周面に対して、着色または反射部材の取り付けの少なくとも一方が施されていることが好ましい。また、カバー部材の開閉蓋は透光性を有していることが好ましい。
本発明に係るマンホールの出入補助装置によれば、マンホールの開口部に取り付けた蓋部材を取り除いてマンホールを開放状態とすると、収納部内に収納してある掴み棒が押出部材の押出力によりマンホールから突出した状態となる。したがって、作業者は無理な姿勢をとることなく掴み棒を手にすることができるので、掴み棒を固定する操作が容易となり、作業者の負担を軽減することができる。
本発明の実施形態に係る出入補助装置を設けたマンホールを側面から見た状態の説明図。 本発明の実施形態に係る出入補助装置を設けたマンホールを正面から見た状態の説明図。 本発明の実施形態に係る掴み棒、収納部、固定部の斜視図。 本発明の実施形態に係る掴み棒の着脱を示す説明図。 マンホール開口部のカバー部材の概略斜視図。 マンホール開口部のカバー部材の平面図。 マンホール開口部のカバー部材の使用状態の説明図。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るマンホールの出入補助装置について説明する。図1〜図4は本発明の実施形態に係るマンホールの出入補助装置を説明するもので、図1は出入補助装置を設けたマンホールを側面から見た状態の説明図、図2は出入補助装置を設けたマンホールを正面から見た状態の説明図、図3は掴み棒、収納部、固定部の斜視図、図4は掴み棒の着脱を示す説明図である。また、図5はマンホール開口部に取り付けるカバー部材の概略斜視図、図6はカバー部材の平面図、図7はカバー部材の使用状態の説明図である。
<マンホールの出入補助装置の概要>
本発明の実施形態に係るマンホールの出入補助装置は、図1〜図4に示すように、作業者がマンホール200内に出入する際に手掛けとして使用する掴み棒に特徴があり、掴み棒10と、梯子20の上部付近に設置され、掴み棒10を収容する収納部30と、収納部30の底部に設置され、掴み棒10を上方へ向かって押し出す押出部材40と、収納部30の近傍に設置され、掴み棒10をマンホール200から突出した状態で固定する固定部50と、掴み棒10をマンホール200内に繋ぎ止める繋留部材60とを備えている。
<掴み棒>
掴み棒10は、図1〜図4に示すように、マンホール200内に設置した複数段の梯子20の上方に設置することにより、マンホール200に出入する作業者の手掛けとなる部材であり、マンホール200の開口部に蓋部材70を取り付けた状態では、梯子20の上部付近に設置された収納部30内に収納されている。そして、マンホール200の開口部から蓋部材70を取り外した状態で、収納部30に設けた押出部材40の押出力により収納部30内から突出して、作業者が手に取ることができる。
この掴み棒10は、角筒状の棒材からなり、下端部は先細り状となっている。掴み棒10の長さは、マンホール200の開口部に蓋部材70を取り付けた状態で収納部30内に収納されるとともに、マンホール200の開口部から蓋部材70を取り外した状態でマンホール200から上端部が突出するように設定されている。なお、掴み棒10の形状は角筒状に限られず、円筒状等であってもよい。
<収納部/押出部材>
収納部30は、図1〜図4に示すように、掴み棒10を収納するための部材であり、掴み棒10の外径よりも若干大きな内径を有する筒状の部材からなり、底部は閉塞されている。また、収納部30内には、掴み棒10を上方へ向かって押し出す押出部材40を設置してある。押出部材40は、例えば、弦巻バネからなり、その押出力により、掴み棒10を上方へ向かって押し出すことができる。押出部材40による掴み棒10の押出量は、掴み棒10の上端部がマンホール200内から若干突出する程度であり、掴み棒10の長さや重量により、適宜な押出力を設定する。また、押出部材40は弦巻バネに限られず、掴み棒10を収納部30内から押し出すことができる他の部材を用いることができる。
<固定部>
固定部50は、図1〜図4に示すように、収納部30の近傍に設置され、収納部30から取り出した掴み棒10をマンホール200から突出した状態で固定するための部材である。この固定部50は、掴み棒10の外径よりも若干大きな内径を有する筒状の部材からなり、掴み棒10の下端部を支持する支持部を設けてある。固定部50の深さは、掴み棒10がマンホール200内から適宜長さだけ突出するように設定してある。掴み棒10の突出長さは、梯子20を昇降する作業者が手がかりとして使用できるとともに、マンホール200から突出しても邪魔にならないように設定する。
<繋留部材>
掴み棒10と固定部50との間には、掴み棒10をマンホール200内に繋ぎ止めるための繋留部材60を設けてある。この繋留部材60は、図1及び図4に示すように、例えば、チェーンからなり、万が一、掴み棒10を収納部30と固定部50との間で移動させる際に、作業者の手から掴み棒10が離れ、あるいは収納部30や固定部50から掴み棒10が外れたとしても、掴み棒10がマンホール200内に落下することを防止するようになっている。掴み棒10はチェーンに限られず、掴み棒10をマンホール200内に繋ぎ止めることができるとともに、掴み棒10の着脱を阻害しなければ、どのような部材を用いてもよい。
<掴み棒の着脱>
マンホール200の開口部に蓋部材70を取り付けた状態では、図4(a)に示すように、掴み棒10が押出部材40の押出力に抗して収納部30内に収納されている。そして、作業者がマンホール200内で作業を行うために、マンホール200の開口部から蓋部材70を取り外すと、図4(b)に示すように、掴み棒10が押出部材40の押出力により収納部30内から突出する。次いで、図4(c)に示すように、作業者は収納部30から突出した掴み棒10の上端部を持って収納部30から引き出し、固定部50に差し替える。掴み棒10を固定部50に固定したら、作業者は掴み棒10に手を掛けながら梯子20に足を掛けて、マンホール200内に入る。
また、マンホール200内での作業が終了したら、固定部50に固定した掴み棒10を収納部30へ移動させ、押出部材40の押出力に抗して掴み棒10を収納部30内に収納し、マンホール200の開口部に蓋部材70を取り付ける。掴み棒10を着脱する際に、繋留部材60により掴み棒10が固定部50に繋ぎ止められているため、万が一、作業者の手から掴み棒10が離れ、あるいは収納部30や固定部50から掴み棒10が外れたとしても、掴み棒10がマンホール200内に落下することはない。
<カバー部材>
マンホール200内で作業を行うには、蓋部材70を取り外して開口部を開放する必要がある。この際、開口部が開放状態となっているため、第三者の落下等を防止するために、マンホール200が開放されていることを告知する必要がある。例えば、開放されたマンホール200の周囲に柵を設置することにより、第三者がマンホール200に近づくことを防止するとともに、マンホール200が開放されていることを告知している。本実施形態のカバー部材100は、マンホール200の開口部が開放状態となっている場合に、開口部を閉塞して、第三者がマンホール200に落下する等の事故を未然に防止するとともに、マンホール200内への雨水等の浸入を最小限とするための部材である。
このカバー部材100を設けた場合には、カバー部材100をマンホール200内に収容した状態で、掴み棒10の上端部が開閉蓋120に突き当たり、押出部材40の押出力に抗して収納部30内に収納され、カバー部材100をマンホール200内から上方へ向かって移動させた状態で、掴み棒10が押出部材40の押出力により収納部30内から突出する。
本実施形態のカバー部材100は、常時は、マンホール200内に収納されており、マンホール200の開口部から蓋部材70を取り外した状態で、マンホール200の開口部の上部を閉塞するようになっている。このカバー部材100は、図5〜図7に示すように、本体部110と開閉蓋120とからなる。本体部110はマンホール200の内径よりも若干小さい外径を有する筒状の部材であり、開閉蓋120は本体部110の上端部に回動可能(開閉可能)に取り付けた部材である。
<本体部>
本体部110は、例えば、アルミ材により形成された筒状の部材であり、軽量化を図るために複数のパンチング孔を開口してある。また、本体部110の下部には、梯子20の上部を避けて本体部110をマンホール200内に収納するための梯子開口部130と、マンホール200の内壁面に設けた支持突起140を避けて本体部110をマンホール200内に収納するための支持突起開口部150とを設けてある。また、本体部110の下部内周面には、本体部110を操作するための操作取っ手170を取り付けてある。
また、マンホール200の開口部にカバー部材100を取り付けていることを報知するために、本体部110の外周面はアクリル塗料等で着色してある。塗装色は特に限定されないが、第三者に注意を喚起するため、黄色、赤色、蛍光色等であることが好ましい。また、着色に代えて、あるいは着色とともに反射部材を取り付けてもよい。
<開閉蓋>
開閉蓋120は、本体部110の上端開放面を開閉するための板状の部材からなり、蝶番を用いて本体部110に開閉可能に取り付けてある。この開閉蓋120は、例えば透光性を有するアクリル樹脂により形成されている。このように、カバー部材100の上面(開閉蓋120)が透光性を有しているため、マンホール200内の照度を保つことができる。また、開閉蓋120の上面には、開閉蓋120を操作するための取っ手160を取り付けてある。
<カバー部材の着脱>
マンホール200の開口部を開放状態としたら、マンホール200内に収容したカバー部材100を引き出し、カバー部材100を水平方向に回転させる。カバー部材100の回転角度は、梯子開口部130が梯子20の位置から外れるとともに、支持突起開口部150が支持突起140の位置から外れる角度である。この状態では、カバー部材100の下端部を梯子20の上部及び支持突起140に載置した状態となるので、カバー部材100がマンホール200から突出した状態で、マンホール200の開口部の上部を閉塞することができる。
そして、開閉蓋120を開状態とすることにより、作業者がマンホール200内へ出入したり、工具を出し入れしたりすることができる。また、開閉蓋120を閉状態とすることにより、マンホール200の開口部を閉塞して、雨水等の侵入を最小限とすることができる。カバー部材100の側面(本体部110)は着色されているので、マンホール200が開放状態となっていることを、通行人等に確実に報知することができる。
マンホール200内での作業が終了したら、梯子開口部130が梯子20の位置となり、支持突起開口部150が支持突起140の位置となるようにカバー部材100を回転させて、カバー部材100をマンホール200内に収納する。この状態では、梯子開口部130の上部が梯子20に載置され、支持突起開口部150の上部が支持突起140に載置される。
<カバー部材の作用効果>
カバー部材100を設けることにより、マンホール200を開放状態とした際に、マンホール200内からカバー部材100を取り出して、マンホール200の開口部を閉塞し、通行人等の落下を防止することができる。
また、カバー部材100の上部を、透光性を有する部材とすることにより、開口部にカバー部材100を取り付けても、マンホール200内の照度を保つことができる。また、カバー部材100の側面を着色することにより、マンホール200が開放状態となっていることを、通行人等に確実に報知することができる。さらに、カバー部材100の上部に開閉蓋120を設けることにより、マンホール200の開口部にカバー部材100を取り付けたまま、作業者がマンホール200内へ出入したり、工具を出し入れしたりすることができる。
10 掴み棒
20 梯子
30 収納部
40 押出部材
50 固定部
60 繋留部材
70 蓋部材
100 カバー部材
110 本体部
120 開閉蓋
130 梯子開口部
140 支持突起
150 支持突起開口部
160 取っ手
170 操作取っ手
200 マンホール

Claims (5)

  1. 取り外し可能な蓋部材が開口部に設置されるマンホール内に設置した複数段の梯子と、
    前記梯子の上方に設置することにより、前記マンホールに出入する作業者の手掛けとなる掴み棒と、
    前記梯子の上部付近に設置され、前記掴み棒を収容する収納部と、
    前記収納部の底部に設置され、前記掴み棒を上方へ向かって押し出す押出部材と、
    前記収納部の近傍に設置され、前記掴み棒を前記マンホールから突出した状態で固定する固定部と、
    前記掴み棒をマンホール内に繋ぎ止める繋留部材と、
    を備え、
    前記掴み棒は、前記マンホールの開口部に前記蓋部材を取り付けた状態で、前記蓋部材により前記押出部材の押出力に抗して前記収納部内に収納された状態となり、前記マンホールの開口部から前記蓋部材を取り外した状態で、前記押出部材の押出力により前記収納部内から突出した状態となる、
    ことを特徴とするマンホールの出入補助装置。
  2. 前記蓋部材のマンホール内部側に設置されたカバー部材を備え、
    前記カバー部材は、筒状の本体部と、当該本体部の上端部に開閉可能に取り付けた開閉蓋とを有し、
    前記開閉蓋は、閉じられた状態で、前記蓋部材と前記掴み棒の上端部との間に配置される、
    ことを特徴とする請求項1に記載のマンホールの出入補助装置。
  3. 前記カバー部材は、
    前記マンホールの開口部から前記蓋部材を取り外した状態で、前記掴み棒とともに、前記収納部内から突出した状態となる、
    ことを特徴とする請求項2に記載のマンホールの出入補助装置。
  4. 前記カバー部材は、
    前記本体部の外周面に対して、着色または反射部材の取り付けの少なくとも一方が施されていることを特徴とする請求項2または3に記載のマンホールの出入補助装置。
  5. 前記カバー部材の前記開閉蓋は透光性を有していることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のマンホールの出入補助装置。
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