JP4869735B2 - 非常用物資備蓄装置 - Google Patents
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Description
また、住居とは別棟の物置等が設置されている場合には、その物置等に非常用物資を収納しておき、避難時に持ち出しできるようにしておく場合もある。
また、非常用物資が重量物であったり多物品に及ぶ場合は、一時に避難先へ運ぶことができず、何度かにわけて運ばなければならない場合もある。災害時には移動手段が充分に確保されていない事態が予想され、そのような事態を鑑みれば、非常用物資は一度に運搬できることが望ましい。
さらに、非常用物資が重量物であったり多物品に及ぶと、その運搬作業は重労働となるので、できる限り運搬しやすいものが望まれる。
加えて、ケースが筒状であるので、持ち出した後、その端部を引けば運搬容易であるし、重量物であっても複数人で持ちやすい。
建物の軒下は、通常、その建物の外壁に沿って横方向に長く延びており、1階部分、2階部分等のフロアの差異にかかわらず、窓や出入り口等の開口部上、あるいは開口部の無い部分いずれの場合にも、普段使用する機会があまりない。その建物の外壁に沿って横方向に長い軒下空間に、筒状を成す収納ケース部を横向きに配置したので、デッドスペースの有効活用が可能である。また、収納ケース部が筒状であるので、それを軒下空間に収めれば、軒の下で雨に濡れにくいという効果もある。
収納ケース部をスライド自在とすれば、その収納ケース部を軒下に吊す作業、及び吊した収納ケース部を取り降ろす作業が、比較的簡単となる。例えば、軒下に吊す際には、まず、収納ケース部の一端部を持ち上げて軒下に吊し、その後は、他端部を支えて一端部側に押し込めばよいし、その吊された状態の収納ケース部を取り降ろす際には、逆に、他端部を引いて引き出すとともに、その引き出した他端部を支えながらさらに引き出して残る一端部を取り降ろせばよい。このように、作業途中において、常に、収納ケース部全体を支える必要がなくなるため、比較的簡単な作業となる。
なお、このように、収納ケース部を、一度軒下に吊してしまえば、災害時や、必要な最小限の備蓄物資の入れ替え時以外は、収納ケース部を軒下から取り降ろす機会は少ないと考えられる。
収納ケース部に入れられた非常用物資を運搬する際には、その収納ケース部を担いで運んでも良いし、地面を引きずるように引張ってもよいが、このように車輪を付ければ走行できるようになるので、その収納ケース部を引張るか押すなどして容易に運搬することができる。なお、車輪は、収納ケース部の前後において、それぞれ左右両側に設けてもよいが、少なくとも前後いずれかに設けられていれば、適宜、取手等設けることによって、収納ケース部を引張って運ぶのには支障ない。
このようにすれば、災害時に負傷者が発生した場合、あるいは、高齢者や身体の不自由な方が避難する際に、非常用物資の運搬と同時に、その負傷者等を適切な場所へ早期に避難させることができる。
このようにすれば、足載せ台を使用しない通常の状態において、その足載せ台は、筒状の収納ケース部の外周面から外側に突出しないので、運搬時にその足載せ台が邪魔になることがない。また、その足載せ台の外側面が、収納ケース部の外周面と面一状態に収納されているので、外観上の一体感が生まれ、美観上も好ましい。
さらに、足載せ台は、使用状態において、凹状の弧面を有する内側面が上向き状態に維持される。足載せ台が上向き凹状であれば被災者が足を載せやすく、また、載せた足の両側に立上がり部があるので、足は両側から保持されて落ちにくいという効果もある。
ちなみに、収納ケース部が筒状であって、且つ上記のごとく袋が長手状でなければ、このように収納されたすべての物資の位置を、一目で外部から把握することは困難であると考えられる。
上記筏用の床部材は、単体で水に浮かぶ素材を採用することもできるが、収納ケース部内は蓋により水密に閉じられているので、上記のように、その筏用の床部材に収納ケース部を一体化させれば、ケース内部の空気の浮力により、筏の浮力を増すことができる。
また、収納ケース部と筏とが一体であれば、非常用物資を常に筏に備えることが可能となる。なお、上記収納ケース部を開閉する蓋を、筏を水に浮かべた状態で水面上に位置する部分に設ければ、その水に浮かべた状態において、内部に収納された非常用物資を取り出すことが容易となる。
収納ケース部2は、図2に示すように、両端開口した筒状に形成されている。その筒状を成す収納ケース部2の両端部に雄ねじ部2aが形成されており、その雄ねじ部2aの端部にOリング7が嵌め込まれている。この雄ねじ部2aに、雌ねじ部5aを有する蓋5がねじ込まれることにより、収納ケース部2内は水密に閉塞されるようになっている。ケースの大きさは自由に設定可能であるが、この実施例では、収納ケース部2の外径30cm、長さ200cm、蓋の外径35cmに設定している。
収納ケース部2の素材としては、例えば、アクリル樹脂、ユリア樹脂、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニール等を採用することができる。硬質の樹脂製とすることが望ましいが、軽量、耐熱性、所定の強度を有する素材であれば、軟質の可撓性のある樹脂素材、あるいは金属素材等を採用することもできる。
このため、図2(a)に示す状態から、図2(b)に示す状態へと長袋9が収納ケース部2から引き出されれば、外部から一目で目的の物資Gがどのあたりにあるか把握することができる。長袋9の端部を閉じる結束材9aを緩めてその端部から目的の物資Gを取り出しても良いし、その物資Gに近い部分において長袋9を切り裂いて物資Gを取り出しても良い。
建物側には、水平なレール3が設けられている。当て板3cが釘3dによって軒下Rに固定されており、その当て板3cにねじ込まれた固定軸3bが、二股部3fを介して断面コ字状の固定片3aへと延びている。固定片3aは、同じく断面コ字状のレール3を外側から挟むように係止しており、固定片3aの下端部に設けた対の鍔部3a’が、同じくレール3の下端部に設けた鍔部3gを下方から支えている。
なお、レール3内に係合子4を嵌める際には前記ナット3eを緩めておき、係合子4を嵌めた後に上述のようにねじ込み、締付けを行えば、レール3内に係合子4を嵌め易い。
なお、レバー6bには、ピン6dをレール3の側板に向かって差し込み可能となっているので、ピン6dが嵌る孔をレバー6b及びレール3の側板に適宜設けることにより、当接板6aの向きを上下方向、横方向、いずれの向きにも不動に固定することができる。
その設置場所が、例えば、1階部分の軒下、通路やバルコニー上の軒下であったり、あるいは、2階以上のフロアの軒下であっても、その設置場所近くに建物外壁Wの開口部(窓や出入り口等)があれば、収納ケース部2をレール3に着脱する作業が行い易いが、この収納ケース部2は、日常において頻繁に着脱するものではないので、仮に人が行き来しにくい箇所であっても、はしごや他の昇降装置を使って設置すれば実用上問題ない。
アーム12を図中の鎖線から実線の位置に向かって回動させる際は、そのアーム12の中程がストッパ装置17のテーパー面17aに当たることにより、そのストッパ装置17を付勢力に抗して内側へ押し戻し、アーム12が通過すれば、ストッパ装置17が再度外側へ突出して、前述のごとく、アーム12の回動を規制するように機能する。
また、前記車輪10を介して円滑に走行できないようなフラットでない地盤上を通過する際には、一旦、前記アーム10を畳んで車輪10を収納し(図5aの鎖線状態)、収納ケース部2の底面を地盤に摺動させながら、その収納ケース部2を引張ってもよい。このとき、収納ケース部2の底面が円弧面となっているので、その摺動抵抗は少ないものとなっている。
また、この両取手片42a,42bは、収納ケース部2と蓋5との締付け金具としても利用できる。蓋5を開閉する際には、両取手片42a,42bを相互に連結しない状態で、それぞれの後端を前記穴5bに差し込む。両取手片42a,42bの長さ方向中程がS字状に湾曲しているため、その各両取手片42a,42bを、図5b(c)に示す向きに回動させることにより、そのS字部43が蓋5の側周面に触れて、そのS字部43よりも先端側は、蓋5の側周面から径方向外側に突出する。このため、取手片42a又は42bは掴みやすい状態に維持され、その取手片42a又は42bに蓋5の周方向へ向かう力を付与すれば、テコの原理により軽やかな力で蓋5を開閉できる。このため、力の弱い老人や女性でも簡単に収納ケース部2の蓋5を開閉することができる。
これは、通常、軸受部14には大きな力が作用するため、収納ケース部2に直接軸受部14を設ければ、その収納ケース部2は非常に強固なものにする必要があるが、上記の構成によれば、サドル部材16に設けた軸受部14に作用する力が、収納ケース部2の全周に作用するので、力が分散するからである。
なお、図10において、レール33は図示省略している。
このとき、仮に、前記収納ケース部2を開閉する蓋5の部分を、筒状の収納ケース部2の周面の一部に設けるなどして、その蓋5が、筏30を水に浮かべた状態で水没しないようにすれば、筏30を陸地にあげることなく、内部に収納された非常用物資Gを取り出すことが容易となる。ただし、その場合、蓋5を開放することにより筏30の全体の浮力が減少するので、筏30が沈んでしまわないようにする必要がある。
その手法として、例えば、収納ケース部2が床部材31に複数取付けられていれば、その数が多いほど、一つの収納ケース2の蓋5を外すことによる浮力の急激な減少を回避できる。
2 収納ケース部
2a,5a ねじ部
2b 外周面
2c 凹部底面
3,33 レール
3a 固定片
3b 固定軸
3c 当て板
3d 釘
3e 締付けナット
3f 二股部
3g 鍔部
4,34 係合子
5 蓋
6 ストッパ
6a 当接板
6b レバー
6c 軸
9 長袋
9a 結束材
10 車輪
11 車軸
12 アーム
13 アーム回動軸
14 軸受部
15 固定索
16 固定用サドル部材
20 足載せ台
21 内側面
22 外側面
23 軸
24 ストッパピン
30 避難用筏
31 床部材
32 蝶番
Claims (3)
- 開閉自在の蓋5を有する収納ケース部2を設け、その収納ケース部2内に災害時に使用する非常用物資Gを入れて保管する非常用物資備蓄装置1において、
上記収納ケース部2を筒状とし、上記筒状を成す収納ケース部2に車輪10を取付け、その車輪10の回転により前記収納ケース部2を走行可能とし、上記筒状を成す収納ケース部2に足載せ台20を設け、その足載せ台20上に、前記収納ケース部2に跨った被災者が足を載せることができるようにし、上記収納ケース部2は円筒状を成し、上記足載せ台20は凹状の弧面を有する内側面21と凸状の弧面を有する外側面22とを備えているとともに前記収納ケース部2に筒軸交差方向へ回動自在に取付けられ、その回動により、前記足載せ台20は、前記外側面22が前記収納ケース部2の外周面2bに沿って面一状態に収納されるとともに、使用時には、前記内側面21が上向き状態に維持されてその内側面21上に上記被災者が足を載せることができるようにしたことを特徴とする非常用物資備蓄装置。 - 開閉自在の蓋5を有する収納ケース部2を設け、その収納ケース部2内に災害時に使用する非常用物資Gを入れて保管する非常用物資備蓄装置1において、
上記収納ケース部2は筒状を成し、その収納ケース部2を、その筒軸方向が建物の外壁Wに沿って横方向になるように前記建物の軒下Rに吊し、上記筒状を成す収納ケース部2を、その筒軸方向に沿ってスライド自在に上記建物の軒下Rに吊すことが可能な非常用物資備蓄装置1を浮体として用いた避難用筏30であって、上記蓋5は上記収納ケース部2内を水密に閉じるものであり、前記収納ケース部2は、その収納ケース部2又は上記建物のいずれか一方に設けたレール3と他方に設けた係合子4とが噛み合うことによりスライド自在となっており、前記収納ケース部2に設けたレール3又は係合子4を、筏用の床部材31に設けた対応する係合子34又はレール33に噛み合わせることにより前記床部材31と前記収納ケース部2とを一体に固定して構成した避難用筏。 - 上記筏用の床部材31は、上記収納ケース部2を取り外した状態で折り畳み又は複数の部材31a,31b・・・に分割可能であり、その折り畳み後又は分割後の床部材31は、上記収納ケース部2内に収納可能であることを特徴とする請求項2に記載の避難用筏。
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