JP4931258B2 - 仮設建物の基本ユニット - Google Patents
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Description
前述の仮設建物としては、特許文献1に記載されたように、複数の壁面パネル、床パネル、天井パネルを組み合わせたもの、特許文献2に記載されたように、壁体と扉体と屋根板を備え、それらが重なり合った折り畳み状態と、複数の個室が形成された展開状態にできるようにした折り畳み式建家が知られている。
このようであるから、前述した仮設建物は、使用時に短時間に誰でも簡単に組み立てできることが要求される。
しかも、天井のパネルの組み合わせは、その組み合わせ部から雨水等が浸入しないように組み合わせなければならず、組み合わせには熟練した作業者が必要で、一般の人が組み合わせると、その組み合わせ部から雨水等が浸入することがある。
しかも、屋根板の連結には、その連結部から雨水等が浸入しないように連結しなければならず、連結には熟練した作業者が必要で、一般の人が連結したのでは、連結部から雨水等が浸入することがある。
しかし、災害発生時には輸送手段が混乱し、被災地まで運搬するのに時間がかかり、被災地に仮設住宅、仮設トイレを建てるのに時間がかかり、被災者に不便をかけてしまう。
一方、近年、災害発生に備え、公園などの避難場所に備蓄倉庫を設置し、食料、日用品などの備蓄品を保管することが実施されている。
この備蓄倉庫内に、分解した仮設建物を備蓄品とともに保管すれば、災害発生時に仮設住宅、仮設トイレを直ちに組み立てできる。
前記屋根部10と一端壁面部11と他端壁面部12がほぼ下向きコ字形状で、かつ前記屋根部10、一端壁面部11、他端壁面部12が幅方向にV字形状に折曲した使用形態に折り曲げて組み立てできると共に、前記屋根部10、一端壁面部11、他端壁面部12が1枚のシート状に展開した状態で折り畳んで短尺な保管形態にできるようにした仮設建物の基本ユニットである。
前記屋根部10、一端壁面部11、他端壁面部12の幅方向中間部に、長手方向に向かう第1・第2・第3折り曲げ線4,5,6を有し、
この第1・第2・第3折り曲げ線4,5,6は、前記第1・第2主折り曲げ線2,3の折曲部2c,3cを通り一直線状に連続し、
前記屋根部10の長手方向両端寄りに、折り畳み用折り曲げ線9をそれぞれ有し、
この各折り畳み用折り曲げ線9は、幅方向に向けて一直線状とすることができる。
このようにすれば、第1・第2主折り曲げ線2,3及び第1・第2・第3折り曲げ線4,5,6を沿って折り曲げることで使用形態に折り曲げて組み立てできる。
また、各折り畳み用折り曲げ線9に沿って折り曲げて折り畳むことで、屋根部10、一端壁面部11、他端壁面部12が重なり合った保管形態とすることができる。
前記各内側折り曲げ線9b、外側折り曲げ線9aに沿って折り畳むことで、屋根部10と一端壁面部11、他端壁面部12との間に収納スペースbを有した保管形態とすることができる。
このようにすれば、基本ユニット1に取り付けて仮設建物とする一側壁面シート、他側壁面シートなどを収納スペースb内に収納した状態で保管できる。
前記他方の外側折り曲げ線9aは、前記第2主折り曲げ線3の幅方向一端部3aと幅方向他端部3bを結ぶ一直線状とすることができる。
このようにすれば、各一側外側折り曲げ線9aに沿って折り曲げることで、屋根部10、一端壁面部11、他側壁面部12が幅方向に平坦面となった下向きコ字形状の補助使用形態に組み立てできると共に、その屋根部10の長さ、一端壁面部11、他端壁面部12の高さが、使用形態のときの屋根部10の長さ、一端壁面部11、他端壁面部12の高さと同一である。
したがって、補助使用形態の基本ユニット1と使用形態の基本ユニット1を幅方向に連結して仮設建物とすることができる。
前記第1折り曲げ線4は谷折りで、第2・第3折り曲げ線5,6は山折りとすることができる。
このようにすれば、基本ユニット1を使用形態に組み立てたときに、屋根部10が凹V字形状に折曲し、一端壁面部11、他端壁面部12が凸V形状に折り曲するので、基本ユニット1の幅方向に一側・他側壁面ユニットを取り付けたとき、幅方向に隣接した基本ユニット1を連結したときに、その取付部、連結部が山形状となるから、雨水等が溜まることがない。
しかも、基本ユニット1を用いて仮設建物としたときに内部を広くできる。
前記一側折り曲げ線7に沿って折り曲げることで一側フランジ10a,11a,12aを形成し、他側折り曲げ線8に沿って折り曲げることで他側フランジ10b,11b,12bを形成するようにできる。
このようにすれば、一側・他側壁面シートをフランジを利用して取り付けできるし、隣接した基本ユニット1同士をフランジを利用して連結できる。
しかも、1枚のシート状に展開して折り畳んで短尺な保管形態にできるので、狭いスペースに保管でき、避難場所に設置した備蓄倉庫内に、備蓄品とともに保管することが可能である。
前記基本ユニット1は、防水性を有するシート、好ましくはプラスチック製段ボール、より好ましくは気泡ボードタイプのプラスチック製段ボールより成る。
前記基本ユニット1は図1に示す展開した状態で長尺で幅狭いほぼ長方形の平面形状で、長手方向中央部よりも長手方向一端寄りに第1主折り曲げ線2を有し、長手方向中央部よりも長手方向他端寄りに第2主折り曲げ線3を有する。つまり、長手方向両端寄りに第1・第2主折り曲げ線2,3を有する。この第1主折り曲げ線2と第2主折り曲げ線3との間の部分を屋根部10、第1主折り曲げ線2よりも長手方向一端寄り部分を一端壁面部11、第2折り曲げ線3よりも長手方向他端寄り部分を他端壁面部12としてある。
そして、屋根部10と一端壁面部11との境界部に第1主折り曲げ線2を有し、屋根部10と他端壁面部12との境界部に第2主折り曲げ線3を有している。
前記第1・第2主折り曲げ線2,3は幅方向に向かうと共に、山折りである。
例えば、幅方向一端部2aと幅方向他端部2bよりも幅方向中間部2c(つまり、折曲部)が長手方向一端寄りとなるように長手方向一端に向かうV字形状に折曲している。
前記第2主折り曲げ線3は、幅方向に向けてV字形状に折曲している。
例えば、幅方向一端部3aと幅方向他端部3bよりも幅方向中間部3c(つまり、折曲部)が長手方向他端寄りとなるように長手方向他端に向かうV字形状に折曲している。
この第1折り曲げ線4は、前記第1・第2主折り曲げ線2,3の折曲部2c,3c(幅方向中間部)間に亘って直線状に連続している。
この第1折り曲げ線4は谷折りである。
前記第2折り曲げ線5は、前記第1主折り曲げ線2の折曲部2cと基本ユニット1の長手方向一端面1aとに亘って連続し、かつ前記第1折り曲げ線4と一直線状に連続する。
前記第3折り曲げ線6は、前記第2主折り曲げ線3の折曲部3cと基本ユニット1の長手方向他端面1bとに亘って連続し、かつ前記第1折り曲げ線4と一直線状に連続する。
つまり、第1・第2・第3折り曲げ線4,5,6は、前記折曲部2c、3cを通り一直線状に連続する。
前記第2・第3折り曲げ線5,6は山折りである。
なお、図1において山折りは実線、谷折りは点線で図示してある。
前記各一側折り曲げ線7は、前記第1・第2主折り曲げ線2,3の幅方向一端部2a,3aを結ぶように長手方向に一直線状に連続している。
前記各他側折り曲げ線8は、前記第1・第2主折り曲げ線2,3の幅方向他端部2b,3bを結ぶように長手方向に一直線状に連続している。
前記各他側折り曲げ線8に沿って折り曲げることで、屋根部10、一端壁面部11、他端壁面部12の幅方向他側部に他側フランジ10b,11b,12bを形成することができる。
前記長手方向に隣接した各フランジの端部は切欠きされて折り曲げしたときに相互に重なり合うことがないようにしてある。
このことを防止するために、各交差部に孔13を形成して応力が集中しないようにすることで、繰り返して複数回折り曲げしても破断しないようにしてある。
前記第1主折り曲げ線2の幅方向他端部2bと屋根部10、一端壁面部11に形成した他側折り曲げ線8の端部、前記第2主折り曲げ線3の幅方向他端部3bと屋根部10、他端壁面部12に形成した他側折り曲げ線8の端部は、それぞれ1点で交差しているので、その各交差部に他側孔15をそれぞれ形成してある。
これによって、複数回の折り曲げによって交差部が破断しないようにできる。
なお、前述の一側孔14、他側孔15は一側フランジ、他側フランジの切欠き部によって不連続となっている。例えば、略C字形状となっている。
または、基本ユニット1をシート状に展開して地面などに縦向きに置き、一側壁面部11と他側壁面部12を作業者がそれぞれ手で持ち、幅方向に折り曲げる力を付与しながら地面などに沿った方向に移動することで、ほぼ横向きコ字形に折り曲げ、その後に起立して図2に示すほぼ下向きコ字形状の使用形態とする。
このように、2人の作業者によって簡単にほぼ下向きコ字形状の基本ユニット1とすることができる。
また、屋根部10、一端壁面部11、他端壁面部12は一体で連結部がないし、屋根部10と一端壁面部11、他端壁面部12は連続しているので、雨水等が浸入する部分が存在しないから、一般の人が折り曲げて使用形態に組み立てしても雨水等の浸入がなく、誰にでも組み立てできる。
例えば、前述の孔13にロープ17を支持し、そのロープ17を設置面aに固定する。
前記一端壁面部11、他端壁面部12の内面に亘って床材18を設ける。
そして、前記屋根部10、一端壁面部11、他端壁面部12の幅方向一側縁、例えば、一側フランジ10a,11a,12aに一側壁面シート20を取り付け、屋根部10、一端壁面部11、他端壁面部12の幅方向他側縁、例えば他側フランジ10b,11b,12bに他側壁面シート21を取り付ける。
前記他側壁面シート21は出入口22を有すると共に、この出入口22を開閉する扉23が取り付けてある。
これによって、一側・他側壁面シート20,21の取付部に直接雨水等がかかることがなく、その取付部から雨水等が内部に浸入しないようにできる。
例えば、図5に示すように、幅方向に隣接した一方の基本ユニット1の幅方向一側縁、例えば一側フランジ10a,11a,12aと他方の基本ユニット1の幅方向他側縁、例えば他側フランジ10,11b,12bを連結する。
以下同様にして順次基本ユニット1を連結し、最も一側寄りの基本ユニット1の幅方向一側縁、例えば一側フランジ10a,11a,12aに前述の一側壁面シート20を取り付け、最も他側寄りの基本ユニット1の幅方向他側縁、例えば他側フランジ10b,11b,12bに前述の他側壁面シート21を取り付ける。
そして、隣接した基本ユニット1の屋根部10の取付部に亘って中間笠木26を取り付ける。
この中間笠木26は前述の一側・他側笠木24,25と同様に防水性を有するシートである。
この場合には、取付用のシートを用いて一側・他側壁面シート20,21を基本ユニット1に取り付けたり、幅方向に隣接した基本ユニット1を連結することができる。
または、一側・他側壁面シート20,21の上端部、縦縁部に折り曲げ線を設け、その折曲げ線に沿って折り曲げてフランジを有するものとしても良い。
しかも、一端壁面部11、他端壁面部12は外側に向けてV字形状に突出しているので、建物内部のスペースを広くできる。
前記各折り畳み用折り曲げ線9は、幅方向に向けて直線状、好ましくは長手方向と直角の直線状で山折りとしてある。
このようであるから、1枚のシート状に展開した基本ユニット1を、前述した各折り畳み用折り曲げ線9に沿って折り曲げることで、屋根部10、一端壁面部11、他端壁面部12が重なり合うように折り畳みできる。
例えば、屋根部10に一端壁面部11が重なり合うと共に、他端壁面部12が一端壁面部11に重なり合うように折り畳みできる。
例えば、公園などの避難場所に設置した備蓄倉庫内に、備蓄品とともに保管することができる。
つまり、1枚のシート状に展開した基本ユニット1を、長手方向に折り畳みして短尺な保管形態にできるようにすれば良い。
このようであるから、図6に示すように、一端壁面部11、他端壁面部12の屋根部10に対する折り曲げ部11c,12cがコ字形状となるので、一端壁面部11、他端壁面部12が重なり合うと共に、屋根部10と離隔した状態に折り畳み、その屋根部10と一端壁面部11、他端壁面12との間に収納スペースbを有した折り畳み形態とすることができる。
前記収納スペースbに収納できるシートの長さと幅は、展開した屋根部10の長さ(内側折り曲げ線9b間の寸法)、幅より小さい値であるので、一側壁面シート20、他側壁面シート21を前述のように複数に分割し、分割したシートを収納すると共に、笠木を長手方向に2つに折り畳みできるようにし、2つに折り畳みして収納する。
前記長手方向他方の折り畳み用折り曲げ線9の外側折り曲げ線9aの幅方向両端部は、前記第2主折り曲げ線3の幅方向一端部3a、幅方向他端部3bと同一位置である。
したがって、複数の基本ユニット1を用いて幅広い仮設建物とすることができる。
しかも、前述の補助使用形態の基本ユニット1は、屋根部10、一端壁面部11、他端壁面部12が平坦面のために強度が弱いが、この補助使用形態の基本ユニット1の幅方向両側に連結した屋根部10、一端壁面部11、他端壁面部12がV字形状に折曲し強度が強い使用形態の基本ユニット1で補強されるから、仮設建物としての強度を強いものにできる。
例えば、屋根部10に小さな開口を複数形成し、その各開口に透明材料より成るシートの小片を嵌め込んで固着して採光部とする。
つまり、図1に示す第1・第2主折り曲げ線2,3を長手方向中央部に向かうV字形状とし、第1折り曲げ線4を山折り、第2・第3折り曲げ線5,6を谷折りとすることで、図9に示す使用形態の基本ユニットに折り曲げることができる。
前記基本ユニット1を形成する防水性を有するシート30は、図10に示すように、表面シート31と裏面シート32を芯材33を介在して接合したプラスチック製段ボールである。
前記芯材33は、多数の凹陥部を有したシートで、この凹陥部と表側シート31、裏側シート32で空洞部を形成し、気泡ボードタイプのプラスチック製段ボールとしてある。
前記芯材33は、波形状に湾曲したシート、凹凸を有したシート、ハニカム構造体等でも良い。
また図11に2点鎖線で示すように、裏側に向けて90°より小さい角度折り曲げて鈍角(例えば120°)の状態に折り曲げできるから、一側・他側壁面部11,12を折り曲げできる。
しかも図11に3点鎖線で示すように表側に向けて90°より小さい角度折り曲げて鈍角(例えば120°)の状態に折り曲げできるから屋根部10を折り曲げできる。
しかも、水平部35aを有するので折り曲げに柔軟に対応できる。
これによって、凹部35が内側(建物内部側)となるので、基本ユニット1の外側は凹凸のない平坦面となるから、雨水等が溜まることがないようにできる。
前記凹溝が雨水等の排水経路となるので、床材18の下に雨水等が溜まることがない。
前記床材18にナットを埋設し、一端・他端壁面部11,12(フランジ)、一側・他側壁面シート20,21の下縁部の孔からボルトを前記ナットに螺合して固着している。
図12に示すように、他端壁面部12の外側面(前述のシート30の表側シート31)に開閉用シート42の取付部42aが取り付けてある。例えば両面粘着材付きシーラー43によって接着して取り付けてある。
この取付部42aには、前記換気穴41と連通した穴44が形成され、この穴44と換気穴41を通して空気が流通する。
前記開閉用シート42は、前記取付部42aの穴44を塞ぐ閉塞部42bを有し、この閉塞部42bは取付部42aに、取付部42aに接して穴44を塞ぐ閉じ位置と、取付部42aと離れて穴44を開放する開き位置とに亘って移動自在に設けてある。
そして、閉塞部42bと他端壁面部12に亘って紐45を設け、この紐45にコードストッパー46を取り付け、そのコードストッパー46を弛め操作して紐45を引張ることで閉塞部42bが閉じ位置に折り曲げられ、その状態でコードストッパー46で紐43をストップすることで閉塞部42bを閉じ位置で保持できるようにしてある。
また、開閉用シート42の閉塞部42bは、シート自身の弾性によって開き位置に保持され、紐45を引張ることで閉じ位置に回動でき、その紐45を弛めることで閉塞部42bが開き位置に回動するので、その閉塞部42bを回動する操作が簡単である。
なお、前述した換気部40は本発明の基本ユニットに限ることはなく、前述したシート30を用いた仮設建物であれば適用できることは勿論である。
この窓用開口部50は窓部材51で開閉され、窓としてある。
前記窓部材51の取り付けについて説明する。
図13に示すように、前記一端壁面部11の外面(前述のシート30の表側シート31)における窓用開口部50の上縁部に沿ってシーラー52が設けられ、左右の縦縁部と下縁部に沿って面ファスナーの雄部材53が設けてある。
前記窓用開口部50を開閉する窓部材51は、前記窓用開口部50よりも大きな矩形状で、上部寄りに上折り曲げ線54a、上下中間に中間折り曲げ線54b、下部寄りに下部折り曲げ線54cを有している。
例えば、窓部材51は前述したシート30と同様のシートで、前述と同様にして折り曲げ線が形成される。
前記窓部材51の上折り曲げ線54aと下折り曲げ線54cとの間の中間部分51bは、中間折り曲げ線54bに沿って折り曲げられる。
前記窓部材51の下折り曲げ線54cよりも下方寄り部分が保持部51cで、この保持部51cには前記雄部材53に係脱する雌部材55が取り付けてある。
そして、この雌部材55を前記雄部材53に係合することで、窓部材53で窓用開口部50を開閉できる。
このとき、2つに折り畳みされた中間部分51bが一端壁面部11の外面よりも外方に張り出し、その窓部材51は庇の役目を果たす。
しかも、窓部材51の中間部分51bにおける中間折り曲げ線54bを境として上部分と下部分とには、前述した面ファスナーの雄部材53、雌部材55が取り付けてあり、この雄部材53と雌部材55が係合することで窓部材51の中間部分51bを2つに折り畳んだ状態にしっかりと保持できる。
例えば、一側枠56aと他側枠56bで防虫網56cを挟持して網戸56とし、その一側枠56aを接着手段、例えば粘着シーラー57で一端壁面部11の内面における窓用開口部50の周縁に接着して取り付けてある。前記一側枠56aと他側枠56bは前述したシート30を用い、2つの開口部を形成し、2つの開口部の間の部分を折り曲げて形成してある。
また、前述の窓は本発明の基本ユニットに限ることはなく、通常の仮設建物の窓として利用できることは勿論である。
例えば、第1シート60と第2シート61を連結部材62で着脱自在に連結し、その連結部材62の屋内側に補強部材63が取り付けてある。
また、連結部材62と補強部材63とで2つのシートの連結部を補強しているので、一側壁面シート20が変形等することがない。
前記連結部材62は、3つの連結用凹部62aをT字形状となるように有している。
そして、直線状に対向した2つの連結用凹部62aに第1・第2シート60,61の連結用突部材64を嵌合して連結する。
前記連結部材62の残りの連結用凹部62aに補強部材63の連結用突部64を嵌合して補強部材63を第1・第2シート60,61と直角となるように取り付ける。
また、一側壁面シート20は3つ以上のシートに分割し、前述と同様に連結部材62、補強部材63を用いて順次連結しても良い。
また、一側壁面シート20は1枚でも良い。
例えば、一側壁面シート20と同様に、第1シート60と第2シート61を連結部材62で連結し、その連結部材62に補強部材63が取り付けてある。
前記第2シート61に出入口22が形成してある。この第2シート61の外面における出入口22の周縁に沿ってシーラー22aを貼着する。
前記扉23は、前述の基本ユニット1のシート30と同様のシートで、その一側寄りに折り曲げ線23aを上下方向に連続して有し、この折り曲げ線23aよりも一側寄り部分が取付部23bである。
前記取付部23bを第2シート61の外面における出入口22の一方の縦縁に固着具65を用いて着脱可能に取り付ける。
この錠装置70は図18に示すように、錠杆71とレバー72とシリンダ錠73を備えている。
前記錠杆71は、第2シート61の内面に接して扉23が開放しないように閉じ状態でロックするロック位置と、第2シート21の内面と離れてロック解除するロック解除位置とに亘って回転する。
前記レバー72は第2シート61の内面側(つまり、仮設建物の内部)に位置し、内側からレバー72を操作して錠杆71を回転できる。
前記シリンダ錠73は第2シート61の外面側(つまり、仮設建物の外部)に位置し、キーを挿入して回転することで錠杆71を回転できる。
そして、扉23を閉じ状態に折り曲げると、その扉23には開き状態に折り曲げる力が作用する。
したがって、錠杆71は第2シート61の内面に押しつけられるから、ガタついたりすることがない。
この扉23の取り付けは、本発明の基本ユニット1に限ることはなく、通常の仮設建物の扉にも利用できることは勿論である。
この各笠木の長さは基本ユニット1の屋根部10の長さと同一である。
前記各笠木は、その幅方向中間部に折り曲げ線24a,25a,26aを有する。この折り曲げ線は前述と同様にして形成する。
そして、各笠木は折り曲げ線に沿って幅方向に山形状に折り曲げられ、その幅方向一側の下面と幅方向他側の下面に面ファスナーの雄部材53がそれぞれ取り付けてある。
図19は一側笠木24を図示しているが、他側笠木25も同様である。つまり、一側笠木24、他側笠木25、中間笠木26は同一としてある。
前記一側笠木24は、図19に示すように一方の雄部材53を雌部材55に係合して幅方向一方側を屋根部10の幅方向一側寄りに取り付け、幅方向他方側を屋根部10よりも側方に張り出して庇とする。
また、図示はしていないが他側笠木25も同様にして屋根部10の幅方向他側寄りに取り付ける。
前記中間笠木26は図20に示すように、両方の雄部材53を、幅方向に隣接した基本ユニット1の屋根部10の雌部分55にそれぞれ係合して隣接した基本ユニット1の屋根部10に亘って取り付ける。
なお、笠木の下面と屋根部10の上面との間には隙間が生じるので、屋根部10の上面にスポンジ58を取り付け、このスポンジ58に笠木の下面を接するようにしてある。
前述の実施の形態では、図10に示すように、シート30に治具34で1つの凹部35を形成して折り曲げ線としたが、図21に示すように、シート30に治具34で2つの凹部35を間隔を置いて形成し、その2つの凹部35で折り曲げ線とするようにしても良い。
このようにすれば、図22に示すように、各凹部35ごとにそれぞれ折り曲げることで、その各凹部35ごとの折り曲げ角度の和が全体の折り曲げ角度となるので、小さな折り曲げ角度で折り曲げることによって2つの凹部35を境として大きな角度に折り曲げできる。図22においては2つの凹部35ごとに同じ角度だけ折り曲げしてあるが、一方の凹部35で最大限に折り曲げ、他方の凹部35で若干折り曲げるようにしても良い。
これによって、屋根部10の一側・他側フランジ10a,10bを折り曲げたときに、その折り曲げた状態に維持し易い。
前述のシート30の折り曲げ線の形成の仕方は、図1に示す各一側・他側折り曲げ線7,8に適用し、他の折り曲げ線は前述の図10に示す治具34を用いて1つの凹部35を形成すれば良い。
例えば、図23、図24に示すように、一側・他側壁面シート20,21の第1シート60、第2シート61の端部を折り曲げて折り曲げ片60a,61aとし、その折曲げ片60a,61aを突き合わせて連結手段60bで連結する。
前記連結手段60bとしてはクリップが用いられているが、ボルト・ナットや後述するジョイントなどでも良い。
前記の一側床材18b、他側床材18cの対向端面18d,18eの幅方向両端寄りに切欠凹部18fがそれぞれ形成され、この対向した切欠凹部18f間に、前記の一側・他側壁面シート20,21の第1・第2シート60,61の折り曲げ片60a,61aが嵌まり込んでいる。
なお、の一側・他側床材18a,18bは、長手方向に複数の床材を接合してそれぞれ形成してある。これは、床材18を保管するときに短尺とするためである。
前記補強用裏板80は、図23に示すように、横板81と、その長手方向両端部と連続した一端下向板82、他端下向板83で下向コ字形状で、その横板81が屋根部10の一側フランジ10a、他側フランジ10bの長手方向全長に亘って固着具で固着して取付けてある。
前記一端下向板82は一側壁面部11の一側フランジ11a、他側フランジ11bの上部寄りに固着具で固着して取付けてある。
前記他端下向板83は他端壁面部12の一側フランジ12a、他端フランジ12bの上部寄りに固着具で固着して取付けてある。なお、横板81の長手方向中央部に折り曲げ線81aを形成し、保管時に短尺にできるようにしてある。
例えば、図26に示すように、屋根部10の他側フランジ10b、他側壁面シート21の第2シート61、補強用裏板80の横板81の重なり合う部分に孔84を形成し、前述したジョイント85の外側筒86を各孔84に挿入し、その外側筒86内に内側筒87を押し込んで90°回転することで、前述の他側フランジ10b、第2シート61、横板81を連結する。
しかも、前記一側フランジ10aの長手方向両端面を、各一側フランジ11a,12aの上端面に接した状態に保持できると共に、他側フランジ10bの長手方向両端面を、各他側フランジ11b,12bの上端面に接した状態に保持できる。
そして、端部片24c,25cで、一端壁面部11と一側・他側壁面シート20,21の重なり部における上部、他端壁面部12と一側・他側壁面シート20,21の重なり部における上部をそれぞれ覆うようにしてある。
これによって、前述の重なり部の上部に雨水等が吹きつけられることを端部片24c,25cで防止できる。
そして、笠木用シート90を各折り曲げ線91,92に沿って折り曲げることで前述した形状の一側・他側笠木24,25とすることができる。なお、笠木用シート90の長手方向中央部に折り曲げ線90aを形成し、保管時に短尺にできるようにしてある。
例えば、矩形状、円形状などの小さな採光部を屋根部10に複数形成する。帯状の採光部を屋根部10の幅方向に亘って形成する。
前述の採光部は、一側・他側壁面シート20,21、扉23などにも形成するようにしても良い。
例えば、図28、図29に示すように、一側壁面部11に管体挿通用孔95を形成し、この孔95を閉塞する配管蓋96をリベット97などで回動自在に取付ける。
そして配管蓋96を2点鎖線で示すように上方に回動して管体挿通孔95を開放し、管体挿通用パイプ98を挿入して取り付ける。
例えば、図31に示すように、一側片101と他側片102を連結片103で一体に連結した断面ほぼコ字形状のガスケット100を、一方の基本ユニット1の屋根部10、一端壁面部11、他端壁面図12の一側フランジ10a,11a,12aと他方の基本ユニット1の屋根部10、一端壁面部11、他端壁面部12の他側フランジ10b,11b,12bに嵌合して挟持して取り付ける。
しかも、一側フランジ10a,11a,12a、他側フランジ10b,11b,12bの接触面間に雨水等が浸入した場合に、そのガスケット100が雨樋の役目をするので、室内に流れ落ちることがなく、止水性能が向上する。
さらに、一側・他側フランジ10a,11a,12a,10b,11b,12bの角部がガスケット100で覆われるので、安全性が向上する。
前記一側片101、他側片102の内側面には突条105が設けてあり、この突条105を一側・他側フランジ10a,10bに形成した溝に嵌合することで抜け止め、位置決めできるようにしてある。
例えば、図14に示す網戸56を着脱自在又は、巻き取って開き状態に保持できるようにし、窓部材51の下部寄り内側面にロック部材、例えばバックルの雄部材58aを取り付けると共に、一端壁面部11の窓用開口部50よりも下方位置にロック受部材、例えばバックルの雌部材58bを取り付ける。
そして、窓部材51を全閉状態としたときに、雄部材58aを雌部材58bに係合連結して窓部材51が動かないようにロックする。
Claims (6)
- 防水性を有するシートにより屋根部10と、この屋根部10の長手方向一端と連続した一端壁面部11と、前記屋根部10の長手方向他端と連続した他端壁面部12を有し、
前記屋根部10と一端壁面部11と他端壁面部12がほぼ下向きコ字形状で、かつ前記屋根部10、一端壁面部11、他端壁面部12が幅方向にV字形状に折曲した使用形態に折り曲げて組み立てできると共に、前記屋根部10、一端壁面部11、他端壁面12が1枚のシート状に展開した状態で折り畳んで短尺な保管形態にできるようにした仮設建物の基本ユニット。 - 前記屋根部10と一端壁面部11との境界部に、幅方向に向けてV字形状に折曲した第1主折り曲げ線2を有し、屋根部10と他端壁面部12との境界部に、幅方向に向けてV字形状に折曲した第2主折り曲げ線3を有し、
前記屋根部10、一端壁面部11、他端壁面部12の幅方向中間部に、長手方向に向かう第1・第2・第3折り曲げ線4,5,6を有し、
この第1・第2・第3折り曲げ線4,5,6は、前記第1・第2主折り曲げ線2,3の折曲部2c,3cを通り一直線状に連続し、
前記屋根部10の長手方向両端寄りに、折り畳み用折り曲げ線9をそれぞれ有し、
この各折り畳み用折り曲げ線9は、幅方向に向けて一直線状である請求項1記載の仮設建物の基本ユニット。 - 前記各折り畳み用折り曲げ線9は、長手方向に離隔した外側折り曲げ線9aと内側折り曲げ線9bを有し、
前記各内側折り曲げ線9b、外側折り曲げ線9aに沿って折り畳むことで、屋根部10と一端壁面部11、他端壁面部12との間に収納スペースbを有した保管形態とすることができる請求項2記載の仮設建物の基本ユニット。 - 前記一方の外側折り曲げ線9aは、前記第1主折り曲げ線2の幅方向一端部2aと幅方向他端部2bを結ぶ一直線状で、
前記他方の外側折り曲げ線9aは、前記第2主折り曲げ線3の幅方向一端部3aと幅方向他端部3bを結ぶ一直線状である請求項3記載の仮設建物の基本ユニット。 - 前記第1主折り曲げ線2は長手方向一方に向かうV字形状で、第2主折り曲げ線3は長手方向他方に向かうV字形状で、
前記第1折り曲げ線4は谷折りで、第2・第3折り曲げ線5,6は山折りである請求項2記載の仮設建物の基本ユニット。 - 前記屋根部10、一端壁面部11、他端壁面部12の幅方向一側寄りに一側折り曲げ線7、幅方向他側寄りに他側折り曲げ線8をそれぞれ有し、
前記一側折り曲げ線7に沿って折り曲げることで一側フランジ10a,11a,12aを形成し、他側折り曲げ線8に沿って折り曲げることで他側フランジ10b,11b,12bを形成するようにした請求項1〜5いずれか1項に記載の仮設建物の基本ユニット。
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