JP6731477B2 - ヌクレオシドホスホルアミダート系プロドラッグの製造方法及びその中間体 - Google Patents
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Description
3’−Boc保護ゲムシタビン(100mg)を2モル当量のフェニル(ベンジル−Lアラニン)クロロホスフェート(150mg)と反応させ、0.5モル当量のトリス(アセチルアセトナト)鉄(56mg)を触媒として、1.5モル当量のDIPEA(55μL)を塩基として、10mlのTHFを反応溶媒として用いて、窒素雰囲気下、室温で24時間反応させ、収率は45%であり、異性体RP:SPは3:1であった。
これまでの先行技術には、NUC‐1031の単一異性体の製造方法に関する報告はなかった。NUC‐1031の分子構造中のキラルPの2つのエナンチオマーは構造が非常に類似し、極性が非常に近いので、高純度の単一異性体をNUC−1031異性体混合物から単離することは非常に困難になり、特に精製プロセスにおいて純度と収率を両立させることはさらに困難である。本発明者らは、当業界の通常の晶析、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、C18結合シリカの逆相分取クロマトグラフィー、球状シリカゲルの順相分取クロマトグラフィー、キラルカラム分離などの種々の方法によってNUC−1031異性体を分離しようと試みたが、いずれも、90%以上の純度を有する単一異性体を単離することはできなかった。
この方法では、化合物61501cと化合物61501bを反応させて、化合物61501aを得ることを含む。
式中、RはH又はヒドロキシ保護基であり、Lは脱離基であり、
RがHでない場合、化合物61501aのヒドロキシ保護基を脱離させることで、化合物SP‐1を得てもよい。
(1)化合物61501c(R=H)と化合物61501bを反応させ、化合物SP‐1を得ることを含む。
式中、Lはアリールオキシ、ベンゼンスルホネート基、カンファースルホネート基、又は少なくとも1つの電子求引基で置換されたアリールオキシである。
(1)化合物61501c(Rがヒドロキシ保護基である)と化合物61501bを反応させ、化合物61501aを得ることと、
(2)化合物61501aのヒドロキシ保護基を脱離させ、化合物SP‐1を得ることとを含む。
この方法では、化合物61501cを化合物61501eと反応させ、化合物61502aを得ることを含む。
式中、RはH又はヒドロキシ保護基であり、Lはアリールオキシ、ベンゼンスルホネート基、カンファースルホネート基、又は少なくとも1つの電子求引基で置換されたアリールオキシである。
必要に応じて、化合物61502aのヒドロキシ保護基を脱離させ、化合物RP‐1を得る。
化合物61501c(R=H)を化合物61501eと反応させ、化合物RP‐1(化合物61502a、R=Hの場合)を得ることを含む。式中、Lはアリールオキシ、ベンゼンスルホネート基、カンファースルホネート基、又は少なくとも1つの電子求引基で置換されたアリールオキシである。
(1)化合物61501c(Rがヒドロキシ保護基である)を化合物61501eと反応させ、化合物61502aを得ることと、
(2)化合物61502aのヒドロキシ保護基を脱離させ、化合物RP‐1を得ることとを含む。
さらに、化合物R P‐1をクロマトグラフィー、抽出または晶析等の手法により処理し、精製したRP‐1を得ることを含んでもよい。
(1)化合物(PhO)P(O)(L’)2をアラニンベンジルエステル及び第一アルカリ成分と反応させることで、(L’)P(O)(PhO)(Ala‐CH2Ph)を得る工程、
(2)(L’)P(O)(PhO)(Ala‐CH2Ph)をフェノール及び第二アルカリ成分と反応させることで、化合物61501b及び61501eを含む混合物を得る工程、及び、
(3)工程(2)における化合物61501b及び化合物61501eを含む混合物を抽出処理、クロマトグラフィー処理又は晶析処理することで、化合物61501b又は化合物61501eを得る工程、
を含む化合物61501b及び61501eの製造方法を提供する。
上記工程において、好ましくは、反応を窒素雰囲気下で行い、化合物61501hを適切な溶媒(例えば、ジクロロメタン、イソプロパノール、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジオキサン等)中に加え、適切な温度(好ましくは‐80℃)下で、化合物61501g及び適切なアルカリ成分(例えば、トリエチルアミン、N、N‐ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、N‐メチルモルホリン(NMM)、ピリジン、ピペリジン)を加え、滴下完了後、好ましくは室温で一晩反応させ、その後、反応液に化合物61501f及び適切なアルカリ成分(例えば、トリエチルアミン、DIPEA、NMM、ピリジン、ピペリジン)を加え、反応終了後、溶媒を留去し、酢酸エチル及び水により抽出して分離することで、目的化合物61501eと61501bの混合物が得られる。
さらに好ましくは、化合物61502をメタノールに溶解した後、C18、10μm逆相充填剤に通過させ、移動相としてメタノール、5‰酢酸/水を使用し、メタノールの比率を70%〜85%とし、グラジエント溶離することで、化合物61501eを得る。
表1:
式中、L1はアリールオキシ、ベンゼンスルホネート基、カンファースルホネート基、又は1つ以上の同一又は非同一の電子求引基により置換されたアリールオキシである。
ただし、上記化合物中のL1はペンタフルオロフェノキシ化合物ではなく、かつ、化合物61502‐2中のL1はp−ニトロフェノキシではない。
下記の化合物を含む。
<データ2>
以下には、実施例により本発明の内容をさらに解釈・説明するが、これらの実施例は本発明を説明するためのものにすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。下記実施例において具体的な条件を明記しない実験方法は、通常の条件又はメーカーの推奨条件で実施する。別段の説明がない限り、すべての百分率、比率、割合又は部数は重量によるものである。
‐80℃で、61501h 20gのジクロロメタン溶液60mlに61501g 20.6gを加え、続いてトリエチルアミン19.3gのジクロロメタン希釈液20mlを加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。混合物に61501fを加え、続いてトリエチルアミン19.3gのジクロロメタン希釈液20mlを加え、混合物を室温で4h撹拌した。混合物を直接脱溶媒し、残渣を酢酸エチル200ml及び水400mlに溶解した。酢酸エチルを分離した後、酢酸エチル(2×100ml)で水相を2回洗い、1回につき酢酸エチル100mlを用いた。酢酸エチル相を併合し、酢酸エチル相を食塩水で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。酢酸エチルを留去して、目的化合物61502を得、このまま次の精製に使用した。
表1:製造方法
溶離液を段階的に収集し、化合物61501e 12gを得た。収率は28%であり、HPLC純度は99.8%である。
(1)化合物61502a2の作製
0℃で、化合物61501c2 800mgのテトラヒドロフラン10ml溶液にtert-ブチルマグネシウムクロリド溶液(1.0mol/L、6.5ml)を加え、1h撹拌して反応させた後、化合物61501e 2gを加え、反応終了まで室温で撹拌し続けた。混合物に水50mlを加え、酢酸エチルにより水相を3回抽出し、1回につき酢酸エチル50mlを用いた。酢酸エチル相を併合し、食塩水で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、脱溶媒した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:メタノール/ジクロロメタン(メタノールの比率を2.5%から5%に上昇)、グラジエント溶離)により精製することで、化合物61502a2 700mgを得た。
(2)化合物RP‐1の作製
室温で、化合物61502a2 500mgのメタノール溶液5mlにPd/C100mgを加え、反応系を水素で置換した後、圧力を0.4barに維持し、室温で反応終了まで反応した。反応液は直接ろ過し、ろ液は脱溶媒した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:メタノール/ジクロロメタン(メタノールの比率を2.5%から10%に上昇)、グラジエント溶離)により精製することで、化合物RP‐1 240mgを得、HPLC純度は99.5%である。31P‐NMR(202MHz、MeOD):δP3.81.1H‐NMR(500MHz、MeOD):δH:7.56、7.52(2d、J=7.5Hz、1H、H‐6)、7.38‐7.33(m、7H、ArH)、7.26‐7.19(m、3H、ArH)、6.25(apparent q、J=7.5Hz、1H、H‐1’)、5.88、5.84(2×d、J=7.5Hz、1H、H‐5)、5.18‐5.12(m、2H、OCH2Ph)、4.49‐4.42(m、1H、H‐5’)、4.38‐4.31(m、1H、H‐5’)、4.25‐4.18(m、1H、H‐3’)、4.07‐4.01(m、2H、H‐4’、CHCH3)、1.38(apparent t、J=8.5Hz、3H、CHCH3)。
(1)化合物61502a3の作製
0℃で、化合物61501c3 800mgのテトラヒドロフラン10ml溶液にtert-ブチルマグネシウムクロリド溶液(1.0mol/L、7ml)を加え、1h撹拌して反応させた後、化合物61501e 2gを加え、反応終了まで室温で撹拌し続けた。混合物に水50mlを加え、酢酸エチルで水相を3回抽出し、1回につき酢酸エチル50mlを用いた。酢酸エチル相を併合し、食塩水で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、脱溶媒した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:メタノール/ジクロロメタン(メタノールの比率を2.5%から5%に上昇)、グラジエント溶離)により精製することで、化合物61502a3 400mgを得た。
(2)化合物RP‐1の作製
0℃で、化合物61502a3 400mgのメタノール5ml溶液に1mol/L塩酸(1ml)を加え、0℃で反応終了まで反応した。反応液を直接脱溶媒し、残渣を酢酸エチル50mlに溶解した後、飽和食塩水で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。脱溶媒した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:メタノール/ジクロロメタン(メタノールの比率を2.5%から10%に上昇)、グラジエント溶離)により精製することで、化合物RP‐1(200mg)を得、HPLC純度は99.2%である。
(1)化合物61502aの作製
0℃で、化合物61501c 2gのテトラヒドロフラン10ml溶液にtert-ブチルマグネシウムクロリド溶液(1.0mol/L、16ml)を加え、1h撹拌して反応させた後、化合物61501e 5gを加え、反応終了まで室温で撹拌し続けた。混合物に水50mlを加え、酢酸エチルで水相を3回抽出し、1回につき酢酸エチル100mlを用いた。酢酸エチル相を併合し、食塩水で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、脱溶媒した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:メタノール/ジクロロメタン2.5%〜5%)により精製することで、化合物61502a 2gを得、収率は55%である。
(2)化合物RP‐1の作製
0℃で、化合物61502a 2gのジクロロメタン10ml溶液にトリフルオロ酢酸6mlを加え、反応終了まで保温して撹拌した。混合物を脱溶媒した後、重炭酸ナトリウム溶液50mlを加え、酢酸エチルで3回抽出し、1回につき酢酸エチル50mlを用いた。酢酸エチル相を併合し、食塩水で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。脱溶媒した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:メタノール/ジクロロメタン(メタノールの比率を2.5%から5%に上昇)、グラジエント溶離)により、化合物RP‐1 700mgを得、HPLC純度は99.1%である。31P‐NMR(202MHz、MeOD):δP3.81(図2参照)である。1H‐NMR(500MHz、MeOD):δH:7.56、7.52(2d、J=7.5Hz、1H、H‐6)、7.38‐7.33(m、7H、ArH)、7.26‐7.19(m、3H、ArH)、6.25(apparent q、J=7.5Hz、1H、H‐1’)、5.88、5.84(2×d、J=7.5Hz、1H、H‐5)、5.18‐5.12(m、2H、OCH2Ph)、4.49‐4.42(m、1H、H‐5’)、4.38‐4.31(m、1H、H‐5’)、4.25‐4.18(m、1H、H‐3’)、4.07‐4.01(m、2H、H‐4’、CHCH3)、1.38(apparent t、J=8.5Hz、3H、CHCH3)。
(1)化合物61502a4の作製
0℃で化合物61501c4 1gのテトラヒドロフラン10ml溶液にtert-ブチルマグネシウムクロリド溶液(1.0mol/L、8ml)を加え、1h撹拌して反応させた後、化合物61501e 2.5gを加え、反応終了まで室温で撹拌し続けた。混合物に水50mlを加え、酢酸エチルで水相を3回抽出し、1回につき酢酸エチル50mlを用いた。酢酸エチル相を併合し、食塩水で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、脱溶媒した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:メタノール/ジクロロメタン(メタノールの比率を2.5%から5%に上昇)、グラジエント溶離)により精製することで、化合物61502a4 900mgを得た。
(2)化合物RP‐1の作製
室温で化合物61502a4 900mgのメタノール5ml溶液に7mol/Lのメタノールアンモニア溶液1.5mlを加え、室温で反応終了まで反応した。反応液を直接脱溶媒し、残渣を酢酸エチル50mlに溶解し、飽和食塩水で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、脱溶媒し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:メタノール/ジクロロメタン(メタノールの比率を2.5%から5%に上昇)、グラジエント溶離)により、化合物RP‐1 500mgを得、HPLC純度は99.5%である。
(1)化合物RP‐1の作製
0℃で、化合物61501d 1gのテトラヒドロフラン10ml溶液にtert-ブチルマグネシウムクロリド溶液(1.0mol/L、8ml)を加え、1h撹拌して反応させた後、化合物61501e 2.5gを加え、反応終了まで室温で撹拌し続けた。混合物に水50mlを加え、酢酸エチルで水相を3回抽出し、1回につき酢酸エチル50mlを用いた。酢酸エチル相を併合し、食塩水で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、脱溶媒した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:メタノール/ジクロロメタン(メタノールの比率を2.5%から5%に上昇)、グラジエント溶離)により精製することで、化合物RP‐1 421mgを得た。HPLC純度は99.5%である。
表1:製造方法
溶離液を段階的に収集し、化合物61502‐1r(1.1g)、61502‐1s(1.3g)を得た。
(1)化合物SP‐1の作製
0℃で、化合物61501d(500mg)のテトラヒドロフラン(10ml)溶液にtert-ブチルマグネシウムクロリド溶液(1.0mol/L、5ml)を加え、1h撹拌して反応させた後、化合物61502‐1s 1gを加え、反応終了まで室温で撹拌し続けた。混合物に水30mlを加え、酢酸エチルで水相を3回抽出し、1回につき酢酸エチル20mlを用いた。酢酸エチル相を併合し、食塩水で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、脱溶媒した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:メタノール/ジクロロメタン(メタノールの比率を2.5%から5%に上昇)、グラジエント溶離)により精製することで、化合物SP‐1(186mg)を得た。HPLC純度は99.4%である。31P‐NMR(202MHz、MeOD):δP 3.64;1H‐NMR(500MHz、MeOD):δH:7.56、7.52(2d、J=7.5Hz、1H、H‐6)、7.38‐7.33(m、7H、ArH)、7.26‐7.19(m、3H、ArH)、6.25(apparent q、J=7.5Hz、1H、H‐1’)、5.88、5.84(2×d、J=7.5Hz、1H、H‐5)、5.18‐5.12(m、2H、OCH2Ph)、4.49‐4.42(m、1H、H‐5’)、4.38‐4.31(m、1H、H‐5’)、4.25‐4.18(m、1H、H‐3’)、4.07‐4.01(m、2H、H‐4’、CHCH3)、1.38(apparent t、J=8.5Hz、3H、CHCH3)。
化合物61502‐4(7.8g)をメタノール50mlに溶解し、C18,10μm充填剤の分取カラムで精製した。製造方法は下記の表1のとおりであり、移動相はそれぞれメタノール、5‰酢酸/水で、メタノールの比率を70%から80に上昇させてグラジエント溶離を行った。
表1:製造方法
溶離液を段階的に収集し、化合物61502‐4r(1.05g)、61502‐4s(1.1g)を得た。
(1)化合物SP‐1の作製
0℃で、化合物61501d(500mg)のテトラヒドロフラン(10ml)溶液にtert-ブチルマグネシウムクロリド溶液(1.0mol/L、5ml)を加え、1h撹拌して反応させた後、化合物61502‐4s(1g)を加え、反応終了まで室温で撹拌し続けた。混合物に水30mlを加え、酢酸エチルで水相を3回抽出し、1回につき酢酸エチル20mlを用いた。酢酸エチル相を併合し、食塩水で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、脱溶媒した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:メタノール/ジクロロメタン(メタノールの比率を2.5%から5%に上昇)、グラジエント溶離)により精製することで、化合物SP‐1(203mg)を得た。HPLC純度は98.3%である。31P‐NMR(202MHz、MeOD):δP 3.64;1H‐NMR(500MHz、MeOD):δH:7.56、7.52(2d、J=7.5Hz、1H、H‐6)、7.38‐7.33(m、7H、ArH)、7.26‐7.19(m、3H、ArH)、6.25(apparent q、J=7.5Hz、1H、H‐1’)、5.88、5.84(2×d、J=7.5Hz、1H、H‐5)、5.18‐5.12(m、2H、OCH2Ph)、4.49‐4.42(m、1H、H‐5’)、4.38‐4.31(m、1H、H‐5’)、4.25‐4.18(m、1H、H‐3’)、4.07‐4.01(m、2H、H‐4’、CHCH3)、1.38(apparent t、J=8.5Hz、3H、CHCH3)。
(1)化合物61501a2の作製
0℃で、化合物61501c2(700mg)のテトラヒドロフラン(10ml)溶液にtert-ブチルマグネシウムクロリド溶液(1.0mol/L、7ml)を加え、1h撹拌して反応させた後、化合物61501b(2g)を加え、反応終了まで室温で撹拌し続けた。混合物に水50mlを加え、酢酸エチルで水相を3回抽出し、1回につき酢酸エチル50mlを用いた。酢酸エチル相を併合し、食塩水で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、脱溶媒した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:メタノール/ジクロロメタン(メタノールの比率を2.5%から5%に上昇)、グラジエント溶離)により精製することで、化合物61501a 2700mgを得、収率は55%である。
(2)化合物SP‐1の作製
室温で、化合物61501a2(700mg)のメタノール(5ml)溶液にPd/C(150mg)を加え、反応系を水素で置換した後、圧力を0.4barに維持し、室温で反応終了まで反応した。反応液は直接ろ過し、ろ液は脱溶媒した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:メタノール/ジクロロメタン(メタノールの比率を2.5%から10%に上昇)、グラジエント溶離)により精製することで、化合物SP‐1(350mg)を得、HPLC純度は99.3%である。31P‐NMR(202MHz、MeOD):δP 3.64.1H‐NMR(500MHz、MeOD):δH:7.56、7.52(2d、J=7.5Hz、1H、H‐6)、7.38‐7.33(m、7H、ArH)、7.26‐7.19(m、3H、ArH)、6.25(apparent q、J=7.5Hz、1H、H‐1’)、5.88、5.84(2×d、J=7.5Hz、1H、H‐5)、5.18‐5.12(m、2H、OCH2Ph)、4.49‐4.42(m、1H、H‐5’)、4.38‐4.31(m、1H、H‐5’)、4.25‐4.18(m、1H、H‐3’)、4.07‐4.01(m、2H、H‐4’、CHCH3)、1.38(apparent t、J=8.5Hz、3H、CHCH3)。
(1)化合物61501a3の作製
0℃で、化合物61501c3(700mg)のテトラヒドロフラン(10ml)溶液にtert-ブチルマグネシウムクロリド溶液(1.0mol/L、8ml)を加え、1h撹拌して反応させた後、化合物61501b(2g)を加え、反応終了まで室温で撹拌し続けた。混合物に水50mlを加え、酢酸エチルで水相を3回抽出し、1回につき酢酸エチル50mlを用いた。酢酸エチル相を併合し、食塩水で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、脱溶媒した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:メタノール/ジクロロメタン(メタノールの比率を2.5%から5%に上昇)、グラジエント溶離)により精製することで、化合物61501a 3600mgを得た。
(2)化合物SP‐1の作製
0℃で、化合物61501a3(600mg)のメタノール(5ml)溶液に1mol/L塩酸(1ml)を加え、0℃で反応終了まで反応した。反応液を直接脱溶媒し、残渣を酢酸エチル50mlに溶解した後、飽和食塩水で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。脱溶媒した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:メタノール/ジクロロメタン(メタノールの比率を2.5%から10%に上昇)、グラジエント溶離)により精製することで、化合物SP‐1(300mg)を得、HPLC純度は99.5%である。31P‐NMR(202MHz、MeOD):δP 3.64.。1H‐NMR(500MHz、MeOD):δH:7.56、7.52(2d、J=7.5Hz、1H、H‐6)、7.38‐7.33(m、7H、ArH)、7.26‐7.19(m、3H、ArH)、6.25(apparent q、J=7.5Hz、1H、H‐1’)、5.88、5.84(2×d、J=7.5Hz、1H、H‐5)、5.18‐5.12(m、2H、OCH2Ph)、4.49‐4.42(m、1H、H‐5’)、4.38‐4.31(m、1H、H‐5’)、4.25‐4.18(m、1H、H‐3’)、4.07‐4.01(m、2H、H‐4’、CHCH3)、1.38(apparent t、J=8.5Hz、3H、CHCH3)。
(1)化合物61501aの作製
0℃で、化合物61501c(2g)のテトラヒドロフラン(10ml)溶液にtert-ブチルマグネシウムクロリド溶液(1.0mol/L、16ml)を加え、1h撹拌して反応させた後、化合物61501b(5g)を加え、室温で反応終了まで撹拌した。混合物に水50mlを加え、酢酸エチルで水相を3回抽出し、1回につき酢酸エチル100mlを用いた。酢酸エチル相を併合し、食塩水で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、脱溶媒した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:メタノール/ジクロロメタン2.5%〜5%)精製し、化合物61501a 2.8gを得、収率は77%であり、HPLC純度は93%である。
(2)化合物SP‐1の作製
0℃で、化合物61501a(2g)のジクロロメタン(10ml)溶液にトリフルオロ酢酸6mlを加え、反応終了まで保温して撹拌した。混合物を脱溶媒した後、重炭酸ナトリウム溶液50mlを加え、酢酸エチルで3回抽出し、1回につき酢酸エチル50mlを用いた。酢酸エチル相を併合し、食塩水で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。脱溶媒した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:メタノール/ジクロロメタン(メタノールの比率を2.5%から5%に上昇)、グラジエント溶離)により、化合物SP‐1(700mg)を得、HPLC純度は100%である(図3参照)。31P‐NMR(202MHz、MeOD):δP 3.64.(図4参照)。1H‐NMR(500MHz、MeOD):δH:7.56、7.52(2d、J=7.5Hz、1H、H‐6)、7.38‐7.33(m、7H、ArH)、7.26‐7.19(m、3H、ArH)、6.25(apparent q、J=7.5Hz、1H、H‐1’)、5.88、5.84(2×d、J=7.5Hz、1H、H‐5)、5.18‐5.12(m、2H、OCH2Ph)、4.49‐4.42(m、1H、H‐5’)、4.38‐4.31(m、1H、H‐5’)、4.25‐4.18(m、1H、H‐3’)、4.07‐4.01(m、2H、H‐4’、CHCH3)、1.38(apparent t、J=8.5Hz、3H、CHCH3)(図5参照)。
(1)化合物61501a4の作製
0℃で、化合物61501c4(600mg)のテトラヒドロフラン(10ml)溶液にtert-ブチルマグネシウムクロリド溶液(1.0mol/L、7ml)を加え、1h撹拌して反応させた後、化合物61501b(1.8g)を加え、反応終了まで室温で撹拌し続けた。混合物に水50mlを加え、酢酸エチルで水相を3回抽出し、1回につき酢酸エチル50mlを用いた。酢酸エチル相を併合し、食塩水で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、脱溶媒した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:メタノール/ジクロロメタン(メタノールの比率を2.5%から5%に上昇)、グラジエント溶離)により精製することで、化合物(61501a4)550mgを得た。
(2)化合物SP‐1の作製
室温で、化合物61501a4(500mg)のメタノール(5ml)溶液に7mol/Lのメタノールアンモニア溶液1.5mlを加え、室温で反応終了まで反応した。反応液を直接脱溶媒し、残渣を酢酸エチル50mlに溶解し、飽和食塩水で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、脱溶媒し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:メタノール/ジクロロメタン(メタノールの比率を2.5%から5%に上昇)、グラジエント溶離)により、化合物SP‐1(300mg)を得、HPLC純度は99.5%である。31P‐NMR(202MHz、MeOD):δP 3.64.1H‐NMR(500MHz、MeOD):δH:7.56、7.52(2d、J=7.5Hz、1H、H‐6)、7.38‐7.33(m、7H、ArH)、7.26‐7.19(m、3H、ArH)、6.25(apparent q、J=7.5Hz、1H、H‐1’)、5.88、5.84(2×d、J=7.5Hz、1H、H‐5)、5.18‐5.12(m、2H、OCH2Ph)、4.49‐4.42(m、1H、H‐5’)、4.38‐4.31(m、1H、H‐5’)、4.25‐4.18(m、1H、H‐3’)、4.07‐4.01(m、2H、H‐4’、CHCH3)、1.38(apparent t、J=8.5Hz、3H、CHCH3)。
本発明の化合物SP‐1の立体配置をさらに確認するために、発明者は本発明で提供する方法、例えば実施例15、17、18〜21の方法により得られた化合物SP‐1の単結晶成長をした。例えば、化合物SP‐1を溶媒、例えば低級アルコール及び水からなる溶媒に加え、系温度を30〜50℃から0〜5℃に徐々に降下させることで、棒状単結晶を得た。好ましくは前記低級アルコールはC1~3アルコール(例えばメタノール、エタノール、プロパノール又はイソプロパノール)であり、さらに好ましくは、前記低級アルコールはエタノールである。低級アルコールと水の使用量比は1:3(v/v)であることが好ましい。そして、単結晶分析を行った。
実施例15で作製された化合物SP‐1をエタノール/水(1/3、v/v)系に加え、50℃から0.01℃/minの速度で5℃まで徐々に降温させ、棒状単結晶を得た(図7参照)。単結晶の反射XRPDパターンは図6に示すとおりであり、単結晶のセルパターンは図8に示すとおりである。単結晶分析により、化合物SP‐1分子の絶対配置が、リン原子P1(S)と、C9(S)、C18(R)、C19(R)、C21(R)であると確認した(図9、10参照)。
Claims (14)
- 化合物61501cと化合物61501bを反応させ、化合物61501aを得ることを含む、化合物SP‐1の製造方法であって、
(式中、Rは、H又はヒドロキシ保護基であり、Lは脱離基である。)
前記RがHでない場合、化合物61501aのヒドロキシ保護基を脱離させることで、化合物SP‐1を得てもよい、化合物SP‐1の製造方法。 - Lは、ハロゲン、アリールオキシ、ベンゼンスルホネート基、カンファースルホネート基、又は少なくとも1つの電子求引基で置換されたアリールオキシであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 前記電子求引基は、ニトロ基又はハロゲンであることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
- Lは、ニトロフェノキシ、p−クロロフェノキシ、o−クロロフェノキシ、2,4‐ジニトロフェノキシ、又は、ペンタフルオロフェノキシであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 前記ヒドロキシ保護基Rは、シリル、アルキル又は置換アルキル、アシル又は置換アシル、アルコキシカルボニル又は置換アルコキシカルボニルであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 前記ヒドロキシ保護基Rは、テトラヒドロピラニル、ベンジル、p−メチルベンジル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ベンゾイル、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、9‐フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、ジメチルtert−ブチルシリル、トリメチルシリル、又は、ジメチルフェニルシリルであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- Rは、H又はtert−ブトキシカルボニル(Boc)であり、Lはペンタフルオロフェノキシであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 化合物SP‐1を約95重量%以上含むことを特徴とする、組成物:
。
- 化合物SP‐1を約99重量%以上含むことを特徴とする、請求項8に記載の組成物。
- 化合物61501bの製造方法は、
(1)化合物(PhO)P(O)(L’)2を、アラニンベンジルエステル及び第一アルカリ成分と反応させることで、(L’)P(O)(PhO)(Ala‐CH2Ph)を得る工程、
(2)(L’)P(O)(PhO)(Ala‐CH2Ph)を、フェノール及び第二アルカリ成分と反応させることで、化合物61501bと61501eを含む混合物を得る工程、及び、
(3)工程(2)における化合物61501b及び化合物61501eを含む混合物を抽出処理、クロマトグラフィー処理又は晶析処理することで、化合物61501bを得る工程、
を含む、請求項1に記載の方法。
(式中、Lはアリールオキシ、ベンゼンスルホネート基、カンファースルホネート基、又は少なくとも1つの電子求引基で置換されたアリールオキシであり、L’とLは、それぞれ独立にして、脱離基を示す。) - 工程(3)においては、化合物61501b及び化合物61501eを含む混合物を溶媒に溶解又は懸濁させ、貧溶媒を添加して晶析させることで、化合物61501bを得ることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
- 化合物61501bは、下記化合物から選ばれることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
(式中、L1は、アリールオキシ、ベンゼンスルホネート基、カンファースルホネート基、又は1つ以上の同一又は異なる電子求引基により置換されたアリールオキシである。
ただし、上記化合物では、L1はペンタフルオロフェノキシ化合物ではない。) - 前記電子求引基は、F、Cl、Br、ニトロ基、カルボキシル基、スルホネート基、シアノ基又はカルボニル基から選ばれることを特徴とする請求項12に記載の方法。
- 化合物61501bは、下記化合物から選ばれることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
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