JP6731273B2 - 電気掃除機 - Google Patents
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Description
ダストセンサーを用いることで、例えばゴミの量が多いと判定した時は吸引モータの出力を上げ、逆にゴミの量が少ないと判定した時は吸引モータの出力を維持、あるいは下げるといった制御を行い、効率の良い運転を行うことができる。
ダストセンサーは、発光素子と受光素子の一対の光素子(LEDとフォトセンサーなど)が用いられることが一般的である。ダストセンサーが設置される場所の一例は、吸引されたゴミが通過するパイプ(吸引ダクト)の内壁部である(例えば、特許文献1、2参照)。
ダストセンサーは適当な期間をおいてキャリブレーションが必要である。なぜなら、使用時間の経過によってダストセンサーにゴミが付着し、発光素子側の発光量や受光素子側の受光量が徐々に落ちたり、変化したりするためである。キャリブレーションは、ダストセンサーの出力を調整して、ダストセンサーが設置された箇所を塵埃が通過しない状態の出力を検出して無塵レベルとして記憶あるいは更新する処理である。以後、塵埃の多少はこの無塵レベルを基準に判断する。
特に近年は、省電力が重視される。そのため運転停止の状態で操作がされないまま一定期間が経過すると吸引モータやダストセンサーの動作を制御するマイクロコンピュータの電源を遮断する構成が多い。その場合、運転開始の操作がなされたときにマイクロコンピュータおよびダストセンサーに給電する。電池を電源とする電気掃除機ではそのような構成が一般的である。
その場合、運転開始の操作がなされてからキャリブレーションが開始されるまでの間に、以下の期間が必要になる。即ち、操作がされてからマイクロコンピュータの電源が立ち上がるまでの期間、電源が立ち上がってからマイクロコンピュータが処理を実行開始するまでの期間である。また、マイクロコンピュータは処理実行開始後にまずワークメモリーや出力信号の初期設定等、いわゆる初期化処理を行う。この初期化処理の期間がさらに必要である。即ち、運転開始操作から吸引モータ起動までの遅延要素としては、キャリブレーションのみならず、マイクロコンピュータの電源立ち上がり期間、電源立ち上がりから処理開始までの期間および初期化処理の期間が含まれる。
この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、ユーザーに応答遅延による違和感を与えずに、ダストセンサーのキャリブレーションを吸引モータの起動前に実行する電気掃除機を提供するものである。
図1は本発明の電気掃除機の一態様(実施形態1)を示す右側面図であり、図2は実施形態1の電気掃除機の平面図であり、図3は実施形態1の電気掃除機の正面図である。また、図4は実施形態1の電気掃除機の背面図であり、図5は図2のI-I線断面矢視図であり、図6は図2のII-II線断面矢視図である。図7は実施形態1の電気掃除機におけるダストカップユニットの着脱機構を説明する分解斜視図であり、図8は実施形態1の電気掃除機の内部構造を説明する分解斜視図である。
これらダストカップ保持部12、バッテリー装着部13およびハンドル14は筐体11によって形成されている。なお、本明細書において、前後左右上下の方向とは、ハンドル14を握ってダストカップ保持部12が水平方向に沿うように構えた状態の電気掃除機1についてダストカップ保持部12の先端が前側、それに対してハンドル14が後側とし、前方に向かって上下左右の方向を指す(図4および図5参照)。
吸気口12a1の近傍のパイプ部12aには、ダストセンサー100が配置されている。
筐体11の下部には、室内の壁などに取り付けたフックに引っ掛けることができるU形のフック掛け部材16が設けられている。
また、この電気掃除機1は、付属品として、細長いノズル体、延長パイプ、吸込口体等を備えている。掃除機本体10に延長パイプ61を介して吸込口体62を取り付けて床面を掃除できる。
掃除中にユーザーが一時的に掃除する場所から離れなければならなくなると掃除機本体10に延長パイプ61および吸込口体62を取り付けた状態で、電気掃除機1を自立させておくことができる。
図10Aおよび図10Bは、図9に示す吸込口体62が清掃作業中の姿勢および自立状態の姿勢をとる場合をそれぞれ示す断面図である。
図10Aおよび図10Bに示すように、吸込口体62は、吸込口本体62a、および関節部62cを備え、吸込口本体62aに当接する側の関節部62cの先端は、球面上の接続部62bを有する。吸込口本体62aには前記接続部を受容して関節部62cの可動範囲を規制する回転止め機構が設けられている。この回転止め機構によって接続部62bは後方から前記回転止めの位置まで起き上がる。これにより、電気掃除機1の自立状態では、ハンドル14の中心点と回転止めの位置とを結ぶ線は床面前方の水平面に対して90°より僅かに小さい約80°の角度で前方へ傾斜する。それによって延長パイプ61が垂直状態よりも吸込口本体62a側に僅かに傾斜した自立状態で維持される。
持上検知スイッチ65は吸込口体62が床面から持上げられた状態で、図10Aおよび図10Bに示すようにアクチュエータの先端が吸込口本体62aの底面から突出する。この状態で持上検知スイッチ65はオフし、パワーブラシモータ63および自走モータ64への電源供給が遮断される。吸込口本体62aが床面上に置かれると、アクチュエータの先端が吸込み口本体62aに没入し、持上検知スイッチ65がオンする。パワーブラシモータ63および自走モータ64への電源供給路が掃除機本体10と接続される。なお、持上検知スイッチ65とは別に、掃除機本体10内にパワーブラシモータ63および自走モータ64への電源供給をオンおよびオフするスイッチ回路がある(後述する図12参照)。
図11Aおよび図11Bは、図10Aおよび図10Bに示す姿勢検知スイッチ66と接続部62bとの部分を拡大した説明図である。接続部62bには姿勢検知スイッチ66のレバー66aを押し込む突起部が形成されている。図11Aに示すように、関節部62cの軸方向が床面に垂直な方向より後方へ傾いた状態では、姿勢検知スイッチ66のレバー66aは押し込まれずスイッチは解除されている。この状態でパワーブラシモータ63および自走モータ64への電源供給路は持上検知スイッチ65を介して掃除機本体10と接続されている。
図11Bに示すように関節部62cが吸込口本体62a側に倒れて自立姿勢をとると前記レバー66aが押し込まれてスイッチが切り換わる。パワーブラシモータ63および自走モータ64への電源供給路が掃除機本体10から遮断される。即ち、自立姿勢をとるとパワーブラシモータ63および自走モータ64は停止する。
ダストカップユニット20は、フィルターユニットFと、フィルターユニットFを着脱可能に装着する開口部を有する前記ダストカップ21とを備える(図7参照)。ダストカップ21は、底壁21aおよび周囲壁21bを有する円筒形に形成され、その軸心方向において低壁21aの反対側は解放された開口部(図示せず)となっており、その開口部の近傍には第1接続孔部12a2と連通する流入口21d(図8参照)が設けられている。
第1ロック機構51は、ダストカップ保持部12の垂直壁部12bに設けられた第1係止凹部11d4に、ダストカップユニット20にスライド可能に設けられた係止部材24cの第1係止爪24c1が挿入されることで、ダストカップユニット20の一端部をロックする機構である。
また、第2ロック機構52は、ダストカップ21に設けられた第2係止凹部21f1に、ダストカップ保持部12に設けられた第2係止爪52aが挿入されることで、ダストカップユニット20の他端部をロックする機構である。
バッテリー装着部13は、バッテリー30を収めるバッテリー収納凹部13aと、このバッテリー収納凹部13aに開閉可能に設けられたバッテリーカバー13bと、バッテリー収納凹部13aの奥部に設けられてバッテリー30の正負極端子と電気的に接触可能な前記端子部43とを有する。
この電気掃除機1を用いて室内の掃除を行う際には、操作部15の起動停止ボタン15aを押した後に放す(即ち解除する)。この操作に応答して電動送風機41が起動する。電動送風機41が動作すると、図5に太線矢印に示すように、塵埃を含む気流が掃除機本体10のパイプ部12aの内部を通過して流入口21dからダストカップ21内に流入する。ダストカップ21内に流入した塵埃を含む空気はダストカップ21内を旋回する。それによって質量の大きな塵埃は遠心分離されてダストカップ21の底壁21aへ寄せられる。
図12は、この実施形態に係る電気掃除機の動作回路の一例を示す回路図である。図12に示すように、電気掃除機1の動作回路は、掃除機本体10内の回路基板42を中心に、ダストセンサー基板101、キー基板102、LED基板103、および吸込口体62内のパワーブラシ基板104に分散して実装されている。
回路基板42は、掃除機本体10内に配置されている。回路基板42にはこの発明に係る制御部に相当するマイクロコンピュータ110が実装されている。
前記マイクロコンピュータ110は、ダストセンサー100のキャリブレーションを実行し、そのダストセンサー100による塵埃の検出に基づいて電動送風機41の吸引強さを制御する。
キー基板102およびLED基板103は、操作部15に配置されている。図12でキー基板102に実装された2つのタクトスイッチであるSW104およびSW102は、それぞれ起動停止ボタン15aおよび吸引力切換ボタン15bに対応している。
図12において回路基板42の左端にはバッテリー30と電気的に接続される端子部43が設けられている。L1端子は、バッテリー30からの電圧出力B+(定格は20.5V)を受ける接続端子である。L2端子は接地(GND)の接続端子である。
バッテリー30からの出力電圧B+は、キー基板102にも供給される。さらにまた、前記出力電圧は、ラッチ回路106を経て、5V電源を出力する安定化電源回路111の入力として供給される。
さらに、バッテリー30の出力電圧B+は、吸込口体62内のパワーブラシ基板104に供給されて吸込口体62のパワーブラシモータ63および自走モータ64を回転させる。ただし、マイクロコンピュータ110から出力される「PB駆動信号」によって駆動されるトランジスタのQ10によって、パワーブラシモータ63および自走モータ64への電圧B+の供給がオンおよびオフされる。
吸込口体62がユーザーによって床面から持上げられると、吸込口体62の下面に設けられた持上検知スイッチ65(図12のSW301に対応)がオフしてパワーブラシモータ63および自走モータ64への電流が回路的に遮断される。また、姿勢検知スイッチ66(図12のSW302に対応)が自立姿勢を検知すると、パワーブラシモータ63および自走モータ64への電流路からR304への電流路へ回路が切換わる。すると、電流検出抵抗のR58に定常電流が流れる。R304の抵抗値は、パワーブラシモータ63および自走モータ64が動作中および停止中(即ち、電流値ゼロ)のいずれとも異なる電流値が得られるように設定されている。
以下の表1は、持上検知スイッチ65および姿勢検知スイッチ66の状態に応じた電動送風機41、パワーブラシモータ63および自走モータ64の状態と、「PB電流検知」信号のレベルを示している。
マイクロコンピュータ110は、「PB電流検知」信号のレベルがR304に流れる定常電流であると判定したら、自立姿勢状態であるとして電動送風機41を停止させる。「PB電流検知」信号のレベルがパワーブラシモータ63および自走モータ64の動作中または停止中の何れかと判定したら(運転中に起動停止ボタン15aが押されて停止指示を受けた状態を除き)電動送風機41を動作させる。
例えば、ユーザーが吸込口体62を外し、ブラシ部材17を用いてハンディタイプの電気掃除機として使用する場合を考える。吸込口体62が外されると、持上検知スイッチ65がオフした場合と同様、「PB電流検知」の信号レベルはゼロになる。マイクロコンピュータ110は、吸込口体62が外されたことを直接認識はしないが、電流値がゼロであっても電動送風機41を動作させるので電気掃除機として使用可能である。
即ち、吸込口体62が装着され、自立姿勢でなく、持上げ状態でなければ電動送風機41は動作する(表1の第4行目参照)。吸込口体62が取外された場合、パワーブラシモータ63および自走モータ64が接続されない。よって、電流検出抵抗のR58には電流が流れない(ゼロ電流)。ゼロ電流の状態は、表1の最下行の状態(持上げ状態でかつ倒れた姿勢)に等しい。マイクロコンピュータ110は、吸込口体62が取り外されたこと自体は認識しないが、「PB電流検知」信号のレベルがゼロ電流であることに基づいて電動送風機41を動作させる。
以上のように、2本の電源線のみの単純な構成であっても、マイクロコンピュータ110は、吸込口体62が装着されていれば持上検知および姿勢検知に応じて電動送風機41を動作または停止させ、吸込口体62が取り外されている場合は電動送風機41を動作させるので、吸込口体62の着脱にかかわらず電気掃除機として使用可能である。
LED501からの光はパイプ部12aの対向する内壁に配置されたダスト受光基板101bのフォトトランジスタのQ601に届く。Q601は、塵埃が多くてQ601に届く光が弱い場合と、塵埃が少なくてQ601に至る光が強い場合とで異なるレベルの「DUST_DETECT」信号を出力する。マイクロコンピュータ110は、「DUST_VCHECK」信号のレベルに応じて塵埃の多少を認識する。なお、塵挨の多少を判断するための閾値の設定をユーザーが変更できるようにしてもよい。これは、例えば、塵挨の量が少なめのときは、塵挨を検出する感度を低めに設定し、塵挨の量が多めのときは、塵挨を検出する感度を高めに設定するなど、任意に感度を変えることができるものである。
マイクロコンピュータ110は、塵埃の多少に応じて電動送風機41の吸引力を制御する。
続いて、電源オフ状態から電源オン状態へ遷移する場合の回路動作について述べる。電源オフ状態では5V電源が遮断されており、マイクロコンピュータ110は動作していない。ただし、バッテリー30からの出力電圧B+は、キー基板102に供給されている。
5V電源が立ち上がると、マイクロコンピュータ110の電源であるVDD端子に5V電圧が供給されると共に、RESET端子に接続されたC16がR50を介して充電され、やがてリセットが解除される。このようにしてマイクロコンピュータ110の処理が開始される。
ラッチ回路106および安定化電源回路111は、この発明に係る電源部を構成する。
起動停止ボタン15aまたは吸引力切換ボタン15bが押された操作に応答してマイクロコンピュータ110が、実行する処理、特にダストセンサー100のキャリブレーションの処理について説明する。
この実施形態で、マイクロコンピュータ110は、起動停止ボタン15aまたは吸引力切換ボタン15bが押された後、電動送風機41を起動する前にダストセンサー100のキャリブレーションを実行する。使用時間の経過に伴ってダストセンサー100のLED501の発光部表面やフォトトランジスタのQ601の受光部表面にゴミが付着して無塵状態においてQ601の受光量が変化するので、その影響を相殺するためである。マイクロコンピュータ110は、電動送風機41が停止中でダストセンサー100を塵埃が通過しない状態での「DUST_VCHECK」信号のレベルを無塵レベルとして記憶し、あるいはすでに記憶した無塵レベルを更新する。以後、次のキャリブレーションで更新するまで、ここで記憶した無塵レベルを基準に塵埃の多少を判断する。
電気掃除機1の5V電源がオフの状態で、例えば起動停止ボタン15aが押されると、上述のように5V電源が立ち上がりマイクロコンピュータ110のVDD端子に電源が供給されると共にリセットが解除される。マイクロコンピュータ110は処理の実行を開始する。図13に示すようにマイクロコンピュータ110は、処理実行を開始するとまず、ワークメモリー領域や出力信号の初期設定等、いわゆる初期化処理を行う(ステップS11)。その後、「KEY1」信号のレベルを判定して起動停止ボタン15aが押されているか否かを調べる(ステップS12)。
マイクロコンピュータ110は予め定められた第1期間を超えて起動停止ボタン15aが押され続けるまでは、押された状態であると確定せずに判断を留保する。逆に、あらかじめ定められた第2期間を超えて起動停止ボタン15aが解除され続けるまでは解除された状態と確定せずに判断を留保する。第1期間または第2期間の何れかが経過した時点で起動停止ボタン15aの状態を確定する。チャタリングによる誤判定を防止するためである。
起動停止ボタン15aが押されていると判断したら(ステップS12のYes)、マイクロコンピュータ110は、電動送風機41が停止の状態か否かを判断する(ステップS13)。この実施形態では起動停止ボタン15aが押される度に電動送風機41をオンまたはオフさせる。そこで、電動送風機41が現在動作中であれば(ステップS13のNo)、「吸込駆動」信号をオフして電動送風機41を停止させて終了する(ステップS14)。
ステップS15でLED501を点灯させたらマイクロコンピュータ110は、押された起動停止ボタン15aが解除されたか否かを調べ(ステップS16)、解除されるまでキャリブレーションを継続しつつ待機する(ステップS16のNo)。なお、ステップS16における起動停止ボタン15aの状態判定は、ステップS12と同様に第1期間または第2期間の何れかが経過するのを待って確定させる。
この実施形態で、キャリブレーションに要する期間は長くとも約150ミリ秒である。これに対して起動停止ボタン15aが押されてから解除されるまでの操作はユーザーの状況や癖により変わるが、通常100〜300ミリ秒である。多くの場合はこの時点でキャリブレーションは完了している。しかし、念のためにキャリブレーション完了を待つ処理を行っている。
以上が、起動停止ボタンの操作に係る処理の手順である。
実施の形態1では、起動停止ボタン15aを押すことによって5V電源が立ち上がり、マイクロコンピュータ110が起動した後、電動送風機41の起動前にダストセンサー100のキャリブレーションを開始する。ただし、この発明の本質はそのような電源構成に依存するものでない。
例えば、起動停止ボタン15aと別に電源スイッチがあって、電源スイッチをオンするとマイクロコンピュータ110が動作する構成であってもよい。起動ボタンと停止ボタンが別のボタンの構成であってもよい。さらに、バッテリー30に代えて交流電源を電源とし、ACプラグが商用交流電源に接続されたらマイクロコンピュータ110が動作する構成であってもよい。
いずれの電源構成でも、制御部は電動送風機の停止時に起動停止ボタン15aが押された操作に応答してダストセンサーのキャリブレーションを実行する。そして、押されていた前記起動停止ボタン15aが解除された操作に応答して前記電動送風機を起動させる。
即ち、実施形態1において電源オン状態で起動停止ボタン15aが押された場合と同様の処理を行う。
実施の形態1では、ダストセンサー100のキャリブレーションを実行して無塵レベルを記憶することを述べた。
この実施形態において、キャリブレーションを実行して得られた無塵レベルが予め定められた範囲内にない場合、無塵レベルを記録することに代えてユーザーに報知を行う。報知は例えばLED基板103の何れかのLEDを点滅させることによって行う。
無塵レベルが予め定められた範囲にない場合とは、たとえばダストセンサー100の部分にティッシュペーパー等の異物が詰まった状態を想定している。あるいは、ダストLED駆動回路やLED501が故障したり、フォトトランジスタのQ601やダスト検出回路114が故障したりする場合を想定している。
(i)この発明による電気掃除機は、塵埃吸引除去用の気流を発生する電動送風機と、前記電動送風機の起動操作を受付ける起動停止ボタンと、前記気流が通過する管状の吸引路と、前記吸引路に配置され、前記気流と共に通過する塵埃を検出するダストセンサーと、前記起動停止ボタンが受け付けた操作に基づいて前記電動送風機を起動し、前記ダストセンサーの検出に基づいて前記電動送風機の吸引強さを制御し、前記電動送風機の停止時に前記ダストセンサーを塵埃が通過しない無塵レベルを記憶する制御部とを備え、前記制御部は、前記電動送風機の停止時に前記起動停止ボタンが押された操作に応答して前記ダストセンサーに前記無塵レベルを検出させて記憶し、押されていた前記起動停止ボタンが解除された操作に応答して前記電動送風機を起動させることを特徴とする。
この発明において、ダストセンサーは、吸引路を通過する塵埃を検出するものである。その具体的な態様は、例えば、前記吸引路を挟んで対向する発光部と受光部からなる光センサーである。ただし、この構成に限らない。例えば反射型の光センサーと反射板を用いた構成であってもよい。
また、制御部は、例えば電気掃除機の動作を制御するマイクロコンピュータである。
(ii)この発明による電気掃除機が、バッテリーを含み前記起動停止ボタンの操作に応答して前記電動送風機、前記ダストセンサーおよび前記制御部に電源を供給して動作させる電源部をさらに備え、前記電源部は、電源オフ時に前記起動停止ボタンが押されたら前記ダストセンサーおよび前記制御部に電源を供給して動作させ、前記制御部は、電源が供給されて動作を開始したら前記ダストセンサーの無塵レベルを記憶し、その後に前記起動停止ボタンの解除に応答して前記電動送風機を起動させてもよい。
このようにすれば、電源部は、電源オフ時に前記起動停止ボタンが押されたら前記ダストセンサーおよび前記制御部に電源を供給して動作させ、前記制御部は、電源が供給されて動作を開始したら前記ダストセンサーの無塵レベルを記憶してキャリブレーション処理を完了し、前記起動停止ボタンが解除された操作に応答して前記電動送風機を起動させるので、ユーザーに応答遅延による違和感を与えずに、制御部を動作させてダストセンサーのキャリブレーションを吸引モータの起動前に実行できる。
このようにすれば、第1および第2期間の判定によって起動停止ボタンが操作された場合のチャタリングを除去し、ユーザーの操作に確実に応答できる。さらに、チャタリング防止のための第1および第2期間を含めて、ユーザーに応答遅延による違和感を与えずに、ダストセンサーのキャリブレーションを吸引モータの起動前に実行できる。
このようにすれば、制御部は前記電動送風機の停止時に前記起動停止ボタンが押された操作に応答して前記ダストセンサーに前記無塵レベルを検出させてキャリブレーション処理を実行し、その際に無塵レベルが予め定められた範囲にないときは前記ダストセンサーの異常または前記吸引路の閉塞と判断し、ユーザーに報知を行って対処を促すことができる。
この発明の好ましい態様には、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含まれる。
前述した実施の形態の他にも、この発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この発明の範囲に属さないと解されるべきものではない。この発明には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
100:ダストセンサー、 101:ダストセンサー基板、 101a:ダスト発光基板、 101b:ダスト受光基板、 102:キー基板、 103:LED基板、 104:パワーブラシ基板、 106:ラッチ回路、 110:マイクロコンピュータ、 111:安定化電源回路、 112:ドライバ回路、 113:増幅回路、 114:ダスト検出回路、 115:ダストLED駆動回路
F:フィルターユニット
Claims (5)
- 塵埃吸引除去用の気流を発生する電動送風機と、
前記電動送風機の起動操作を受付ける起動停止ボタンと、
前記気流が通過する管状の吸引路と、
前記吸引路に配置され、前記気流と共に通過する塵埃を検出するダストセンサーと、
前記起動停止ボタンが受け付けた操作に基づいて前記電動送風機を起動し、前記ダストセンサーの検出に基づいて前記電動送風機の吸引強さを制御し、前記電動送風機の停止時に前記ダストセンサーを塵埃が通過しない無塵レベルを記憶する制御部と、
バッテリーと、
前記ダストセンサーおよび前記制御部に前記バッテリーから電源を供給して動作させる電源回路と、
前記電源回路から前記ダストセンサーおよび前記制御部への電源供給のオンおよびオフを切り替える電源遮断回路とを備え、
前記電源遮断回路は、前記電源供給がオフの状態で前記起動停止ボタンが押された操作に応答して前記ダストセンサーおよび前記制御部への電源供給をオンし、
前記制御部は、前記電源回路からの電源供給がオンになり処理を開始してから前記起動停止ボタンが押されているか否かを判断し、押されていれば前記ダストセンサーに前記無塵レベルを検出させて記憶し、押されていた前記起動停止ボタンが解除された操作に応答して前記電動送風機を起動させる電気掃除機。 - 前記起動停止ボタンの操作に応答して前記電動送風機に前記バッテリーからの電源を供給して動作させるドライバ回路をさらに備える請求項1に記載の電気掃除機。
- 前記ダストセンサーは、前記吸引路を挟んで対向する発光部と受光部とを有する光センサーにより通過する塵埃を検出する請求項1または2に記載の電気掃除機。
- 前記制御部は、予め定められた第1期間を超えて前記起動停止ボタンが押され続けた場合に前記起動停止ボタンが押されたと認識し、押されていた前記起動停止ボタンが予め定められた第2期間を超えて解除され続けた場合に前記起動停止ボタンが解除されたと認識する請求項1〜3の何れか一つに記載の電気掃除機。
- 前記制御部は、前記無塵レベルが予め定められた範囲内にないときはユーザーに報知を行う請求項1〜4の何れか一つに記載の電気掃除機。
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