JP6731240B2 - 蛋白質架橋分解剤 - Google Patents

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本発明は、蛋白質の糖化により形成される蛋白質間の架橋結合を分解する蛋白質架橋分解剤及び、当該蛋白質架橋分解剤を含有する食品などに関する。
蛋白質糖化反応は、L.C.Maillardがアミノ酸と還元糖を加熱すると褐色の色素が生成することを発見したことからメイラード反応として知られるようになった。現在では、メイラード反応は蛋白質糖化反応の一態様と位置付けられている。近年、この蛋白質糖化反応が老化現象、認知症、癌、高血圧、シミなどの皮膚疾患、動脈硬化症などにも関与していることが明らかになっている。
また、蛋白質の糖化反応による最終生成物であるAGEs(advanced glycation endproducts)は、とくに糖尿病患者において血液中に蓄積され神経障害や網膜症などの合併症をもたらすとされている。このように、AGEsの生成に至る蛋白質の糖化反応は人体に好ましくない影響を及ぼすものであり糖化反応の阻害などついて様々な研究がなされている。
図1は、蛋白質の糖化反応によるAGEsの生成過程の概略を示す図である。蛋白質とグルコースの反応に端を発し、反応の進行に応じて生成される「糖化反応中間体」と「AGEs(糖化反応最終生成物)」の一例を示している。
ここで、AGEsの生成に至る中間体である糖化反応中間体として例示したグリオキサール(GO)、メチルグリオキサール(MG)、3−デオキシグルコソン(3DG)は、いずれも分子内に2つのカルボニル基(c=0)を有するα−ジカルボニル化合物である。
このα−ジカルボニル化合物は反応性に富んでおり蛋白質間に架橋を形成し、例えば生体内のコラーゲン分子間で架橋を形成する。正常な状態の皮膚や骨は、酵素の作用を介して遺伝的に規定された部位に秩序立って形成される架橋(生理的架橋)により皮膚や骨の適正な柔軟性や強度を維持しているが、α−ジカルボニル化合物による無秩序で余分に形成される架橋は皮膚の硬化や骨の脆弱化をもたらす。
このようなα−ジカルボニル化合物を分解することは、AGEsの生成及び蓄積を抑制するとともに、糖化反応により形成された無秩序で余分な架橋を分解し、皮膚の硬化や骨の脆弱化などを回復させるために有効であると考えられる。
α−ジカルボニル化合物を分解することのできる物質として、N−フェナシルチアゾリウムブロミド(phenacyl−thiazolium bromide; PTB)が知られているが、副作用などの問題があると言われている。安全に摂取するという観点から、天然物由来であってα−ジカルボニル化合物を分解することのできる物質が求められるところだが、そのような物質としてユズなどの柑橘類が報告されている(特許文献1)。また、健康茶として飲用されている植物の抽出物についても、例えば、月見草、グァバ、ビワ、クマザサなどが、α−ジカルボニル化合物の分解作用を有することが報告されている(特許文献2)。ここでいう健康茶とは、ハーブティー、野草茶などのように植物を乾燥させた後、熱水等で煮出して飲用する食品を示す。
特許第4315650号公報 特開2007−119373号公報
健康茶の原料となる植物抽出物は、例えば、ドクダミ、ルイボス、トチュウ、高麗ニンジンなどいずれも独特の風味があり、飲みやすいとは言えないものが多い。そこで、一般的に製造販売されている健康茶は、様々な植物抽出物をブレンドし飲みやすくする工夫を行っている。
ところで、このように複数の植物抽出物を合わせてブレンド茶とした場合において、個々の原料が有するα−ジカルボニル化合物の分解作用がブレンド茶にどのように反映されるかについての研究は十分でなかった。そこで、ブレンドすることにより個々の原料の上記分解作用を上回ることのできる原料の組み合わせを得ることを本発明の課題とする。
上記課題を解決するための手段として、以下の発明などを提供する。すなわち、テンヨウケンコウシ、カキノキ、クマザサ、バナバの各抽出物を含む混合物を有効成分として含有する蛋白質架橋分解剤を提供する。また、テンヨウケンコウシ、カキノキ、クマザサ、バナバの各抽出物を含む混合物を有効成分として含有するペントシジン生成阻害能を有する上記蛋白質架橋分解剤を提供する。また、上記蛋白質架橋分解剤を含有する食品、食品添加物、医薬品、医薬部外品及び化粧品を提供する。
本発明により、ブレンドすることにより個々の原料の蛋白質架橋分解作用を上回ることのできる原料の組み合わせによってなる蛋白質架橋分解剤を提供することができる。
蛋白質の糖化反応によるAGEsの生成過程の概略を示す図 試験結果を示す図 甜茶、柿の葉茶、クマザサ茶、バナバ茶を組み合わせたブレンド茶のAGEs等生成阻害作用を示す図 甜茶、ドクダミ茶、柿の葉茶、ガァバ茶を組み合わせたブレンド茶のAGEs等生成阻害作用を示す図
以下、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるべきものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得る。
<実施例>
<概要>
本実施例の蛋白質架橋分解剤は、テンヨウケンコウシ、カキノキ、クマザサ、バナバの各抽出物を含む混合物を有効成分として含有するものである。
<構成>
本実施形態において、「蛋白質架橋分解剤」とは、蛋白質の糖化反応により生じる3DGなどのα−ジカルボニル化合物を分解することにより、3DGなどにより形成される架橋を分解することができる剤を意味する。
「テンヨウケンコウシ(Rubus suavissimus)」は、バラ科キイチゴ属の植物である。発酵後乾燥させたテンヨウケンコウシの葉を煮出して甜茶として飲まれている。
「カキノキ(Diospyros kaki)」は、カキノキ科カキノキ属の植物である。乾燥させた葉を煮出して柿の葉茶として飲まれている。
「クマザサ(Sasa veitchii)」は、イネ科ササ属の植物である。乾燥させた葉を煮出してクマザサ茶として飲まれている。
「バナバ(Lagerstroemia speciosa)」は、ミソハギ科サルスベリ属の植物である。葉を煮出してバナバ茶として飲まれている。
上述した各植物の抽出物を得るための溶媒は、抽出物を含有する製品の種類や態様に応じて定法に則して適宜選択することができ、例えば、精製水、エタノール、メタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、プロピレングリコールなどの種々の溶媒を用いることができる。茶のように各植物を煎じて飲用とする場合には水を用いて抽出することが簡便で好ましい。また、液体として抽出物を得た後にさらに乾燥等を施し粉体や粒体として得てもよい。
上記の各植物の抽出物を有効成分とする本実施形態の蛋白質架橋分解剤は、さらに既知の方法を用いることにより、当該蛋白質架橋分解剤を含有する食品、食品添加物、医薬品、医薬部外品、化粧品などとして提供することが可能である。
例えば、医薬品とする場合には、本実施形態の蛋白質架橋分解剤を粉体や粒体としカプセルに充填したり、あるいは、賦形剤、結合剤、崩壊剤などを添加して打錠機等を用いて製造することができる。また、食品とする場合には、各植物を適宜乾燥や破砕等を湯で煮出すことで提供できる。また、医薬品のようにカプセルや錠剤のような形態で提供してもよいし、他の飲料、調味料、菓子等の各種の食品にコラーゲン架橋分解剤を添加した態様で提供することもできる。
また、美容液、クリーム、ローションなどの化粧品とすることもできる。例えば、美容液とする場合には、本実施形態のコラーゲン架橋分解剤の他、水、コメヌカ油、ペンチレングリコール、グリセリン、スクワラン、パルミチン酸セチル、ダイマージリノール酸などを主成分とし、ヒアルロン酸Na、水添ナタネ油アルコール、カルボマー、キサンタンガム、水酸化K、ジメチコン、ポリソルベート−60、ステアリン酸グリセリル、水添ヒマシ油、フェノキシエタノール、尿素、アルギニン、アルブチン、クエン酸などを添加剤とする。そして、各成分を水溶性原料・油溶性原料に分けて溶解してから、それらを加熱して混合・乳化する。これを冷却しながらエキスなどの添加物を配合し、さらに低温になったところで精油や香料などの揮発性の高いものを添加する。その後、所定の安全性の検査(菌、pH、温度安定性、粘度等)を行い、瓶などに充填して製品として提供することができる。
<試験>
本試験は、上述した各植物を水を用いて抽出した抽出物をサンプルとして、蛋白質架橋分解活性を、α−ジカルボニル化合物の分解活性を有することが既知のN−フェナシルチアゾリウムブロミド(以下、PTB)に対する相対値として示す。測定方法は、Vasan sらの方法(Nature,Vol.382,p.275−278,1996)に準拠し、AGEs架橋のモデル化合物である1−phenyl−1,2−propane dione (PPD)中のαジケトン構造のC−C結合を分解した時に生成する安息香酸をHPLC(高速液体クロマトグラフィー)で測定する。
本試験のサンプルとして、健康茶として比較的著名で入手が困難ではないと考えられる以下のものを選択した。上述の甜茶(テンヨウケンコウシ)、カキノキ(柿の葉茶)、クマザサ(クマザサ茶)、バナバ(バナバ茶)の他に、ほうじ茶、ジャスミン茶、プーアール茶、ドクダミ茶、ルイボス茶、サンザシ茶、ハマ茶、サラシア茶、トチュウ茶、ウーロン茶、ローズヒップ茶、緑茶も用いた。また各サンプルは、株式会社ひかわにより煎じて飲用する茶の茶葉として製造されたものを用いた。サンプル調製及び試験方法、結果などについて以下に詳述する。なお、茶にはチャノキ以外の植物の葉、芽、花、樹皮、根などを材料として煎じたいわゆる茶外茶を含むものとする。
(1)サンプルの調製
80℃に加熱した蒸留水40mL中に各茶葉2gを加えて、80℃に設定したウォーターバス中で1時間抽出した。
(2)AGEs架橋分解作用の測定
AGEs架橋分解作用の測定は上記の通りVasanらの方法に準拠した。AGEs架橋モデルの反応基質としては50% acetonitrileで溶解した1−phenyl−1,2−propane dione (PPD)を用いた。1molのPPDが分解すると1molの安息香酸が遊離する。AGEs架橋分解作用の測定には、試料500μL、10mmol/L PPD 100μL,0.2mol/Lリン酸緩衝液 400μLを混合し、37℃で8時間反応させた。その後、反応液には2 mol/L HClを200μL加えて反応停止させ、10,000 rpm (9,170 g)で2分間遠心分離した上清中の安息香酸量をHPLCで測定した。
HPLCは島津LC‐10Aシステム(島津製作所)にCadenza CD−C18 75x4.6mmID(Imtakt,)を接続して使用した。分析条件は溶離液:2mmol/L ethylenediamine−N,N,N',N'−tetraacetic acid, disodium salt, dihydrate (EDTA−2NA) を含む0.2%酢酸/acetonitrile (70/30)、流速:1.0mL/min、カラム温度:40℃、検出波長:UV270nm、インジェクション量:50μLとした。
(3)AGEs架橋分解率の算出
PPDは1分子が分解されると、1分子の安息香酸を生成する。このためHPLCで測定した反応液中の安息香酸量を、反応液中に添加したPPD量で除した値をAGEs架橋分解率とした。なお反応液中の安息香酸量は、予め試料中の安息香酸量を同様の方法で測定して測定値から減じた。AGEs架橋切断率は、0.4mmol/L PTBのAGEs架橋切断率を100としたときの相対値を算出した。
(4)結果
図2は、上記試験の結果を示すものであり、分解率の高い順に示している。図示するように、最も分解率が優れていたのは、ほうじ茶でありPTBとの相対値は179であった。また、最も分解率が劣っていたのは、トチュウ茶でありPTBとの相対値は17であった。
そして、各サンプルのうち任意の3種ないし4種を組み合わせて混合したブレンド茶を複数調製し、それらについても同様の試験を行った。なお、試料の調製は、ブレンド茶を構成する個々のサンプルを等量で混合し500μLとなるようにした。
測定した複数のブレンド茶のうち、顕著に優れたAGEs架橋切断率を示したのは、「甜茶、柿の葉茶、クマザサ茶、バナバ茶」を組み合わせて混合してなるブレンド茶であった。このブレンド茶の特定結果を下記の表1に示す。
Figure 0006731240
表1に示すように、このブレンド茶のAGEs架橋切断率は、74.78±6.22(%)であり、PTBとの相対値は325であった。このブレンド茶を構成する各サンプルのPTB相対値は「甜茶140、柿の葉茶92、クマザサ茶73、バナバ茶23」であったことから、組み合わせることによって個々のサンプルが示す架橋切断作用をはるかに超える作用を生じ得ることが分かった。
なお、今回測定した他の組み合わせによるブレンド茶においては、上記組み合わせによって認められたような相乗効果を示すものは見出されなかった。
<効果>
以上のように、「甜茶、柿の葉茶、クマザサ茶、バナバ茶」を組み合わせることで、個々のAGEs架橋切断作用をはるかに超える優れたAGEs架橋切断作用を奏することが分かった。
<実施例2>
上述の通り、「甜茶、柿の葉茶、クマザサ茶、バナバ茶」を組み合わせて混合してなるブレンド茶が、個々の作用を超えるAGEs架橋切断作用を奏することが分かった。そこで、AGEsの生成抑制作用についても試験を行った。
<試験>
上記のブレンド茶を構成する各茶及びブレンド茶のAGEs生成抑制作用及び抗糖化活性(IC50)を測定した。具体的には、生体蛋白質であるヒト血清アルブミン(HSA)及びコラーゲン(Col)をターゲットとし、生体内で生成する糖化反応中間体である3DG(3−デオキシグルコソン)、糖化反応最終生成物である蛍光性AGEs、ペントシジン、CML(カルボキシメチルリジン)の生成抑制作用を測定した。
(1)サンプルの抽出
恒温水槽中で80℃に加温した蒸留水150mL中に、各サンプルの茶葉3.75gを加えて1時間インキュベートした。その後、4,500rpmで15分間遠心分離し、上清を回収した。回収したサンプル抽出液は5mLずつアルミ製トレイに入れ、120℃に加温したインキュベーター内に1時間入れて水分を完全に蒸発させた後、固形分重量を測定した。
(2)サンプルの調製
各サンプル抽出液を原液、10倍希釈液、100倍希釈液の3つの濃度に調製した。また、ブレンド茶については、各構成の混合比率を同比率(1:1:1:1)として上記3つの濃度に調製した。また、比較対象とした公知の糖化反応阻害剤であるアミノグアニジン(塩酸アミノグアニジン 和光純薬工業社製:code 6328−26432,Lot.EPN0180)は10.0mg/mL、1mg/mL、0.1mg/mL水溶液を調整した。
(3)in vitro糖化反応
0.05mol/Lリン酸緩衝液(pH7.4)、8mg/mLヒト血清アルブミン(HSA)(Sigma−Aldrich Corporation)または0.6mg/mLコラーゲンタイプIウシ真皮由来(Col)(株式会社ニッピ)、0.2mol/Lグルコース反応液中に、サンプル調製した各濃度のサンプルを1/10濃度になるように添加し、60℃でHSAの場合40時間、コラーゲンの場合10日間インキュベートした。陰性対照としてはサンプルの代わりに蒸留水を添加したものを用いた。各種AGEs量の測定にはインキュベート後の各反応液を使用した。
(4)蛍光性AGEs生成抑制作用および抗糖化活性の測定
蛍光性AGEsは、所定の方法(北野貴大、八木雅之、埜本慶太郎、堀未央、庄野繁一、米井嘉一、原高明、原英郎、山路明俊:食用紫菊花の蛋白糖化最終生成物(AGEs)生成抑制作用の研究, New Food Industry, 53 (6), 1−10 (2011))に従い、サンプル反応液のAGEs由来の蛍光(励起波長370nm、蛍光波長440nm)を測定した。蛍光値は5μg/mLの硫酸キニーネ0.1N硫酸水溶液の蛍光値を1000とした時の相対値として算出した。
AGEs由来蛍光生成抑制率(%)は、サンプルを添加した反応液(A)、グルコース水溶液の代わりに蒸留水を添加したもの(B)、サンプルを添加しない溶液のみを添加してインキュベーションしたもの(C)、ブランクとしてグルコースの代わりに蒸留水を添加したもの(D)として、以下の式に従って算出した。
(式1)蛍光性AGEs生成抑制率(%)={1−(A−B)/(C−D)}×100
抗糖化活性はIC50(50%生成阻害濃度:固形分濃度あたり)を算出し小数点以下3桁まで表示した。ここで、IC50反応による物質の生成を50%抑制する被験物質濃度で、この値が小さいほど阻害活性が強いことを示す。
(5)3DG生成抑制作用および抗3DG活性の測定
サンプル反応液中に生成した3DGは、上記参考文献1の方法に従い、2,3−pentane−dioneを内部標準物質とした、2.3−diaminonaphthalenプレラベル化HPLC法により定量した。
3DG測定には、各サンプル200μLに蒸留水300μLと内部標準物質として20 mg/mLの2,3−pentanedione(和光純薬工業株式会社)25μLを添加して撹拌混合した。次いで6.0%過塩素酸(和光純薬工業株式会社)500μLを加え撹拌後、12,000 rpm、10分間遠心分離した。遠心分離後、上清800μLを別の容器に分注し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(和光純薬工業株式会社)1000μLを加えて撹拌した。その後、ラベル化剤として1.0mg/mLの2.3−diaminonaphthalene(株式会社同仁化学研究所)100μLを加えて撹拌し、25℃で1日間靜置した後、以下の条件でHPLCへ導入して3DGを測定した。
カラムはYMC−PackCN150x4.6mmI.D.(株式会社ワイエムシィ)を使用した。測定条件は、溶離液を50mmol/Lリン酸:アセトニトリル:メタノール=70:17:13、流速1.0 mL/min、カラム温度35℃、検出波長UV268nmとした。抗3DG活性はIC50(50%生成阻害濃度:固形分濃度あたり)を算出し小数点以下3桁まで表示した。
(6)ペントシジン生成抑制作用および抗ペントシジン活性の測定
サンプル反応液中に生成したペントシジンは、上記参考文献1の方法に従い、FSKペントシジンキット(株式会社伏見製薬所)によるELISA法で定量した。
各サンプル50μLと100μLのプロナーゼ溶液を混合し、55℃で90分間インキュベーションした後、沸騰水中で15分間加熱してプロナーゼを不活化し、キットに添付の補助液を50μL添加した。その後、50μLのサンプルまたはペントシジン標準液と、キットに添付の抗ペントシジンモノクローナル抗体溶液50μLをマイクロプレートの各ウェルに分注し、37℃で60分間反応させた。次いで各ウェルをキットに添付の洗浄液200μLで3回洗浄後、キットに添付の3'5,5'−tetra−methylbenzidine(TMB)を含む溶液を各ウェルに100μL分注して10分間反応させた。その後、キットに添付の反応停止液100μLを加え、10分以内に450nm(主波長)/630nm(参照波長)における吸光度を測定した。サンプル中のペントシジン濃度はペントシジン標準液で作成した検量線から算出した。抗ペントシジン活性はIC50(50%生成阻害濃度:固形分濃度あたり)を算出し小数点以下3桁まで表示した。
(7)CML生成抑制作用および抗CML活性の測定
サンプル反応液中に生成したCMLは、上記参考文献1の方法に従い、CircuLexCML/Nε−(carboxymethyl)lysine ELISA KIT(株式会社サイクレックス)によるELISA法で定量した。
まず測定キットに添付の濃縮洗浄液50mLに450mLの精製水を加え(10倍希釈)500mLの洗浄液を調製した、さらにキットに添付の抗CMLモノクローナル抗体(一次抗体)に3mLの精製水を加えて十分攪拌し、10分間静置した。このうち600μLを取り出し、5.4mLの精製水を加え(10倍希釈)計6mLのFirst Antibody working solutionを作った。またキットに添付のCML−HSAStandardには500μLの精製水を加え、CML‐ HSA Master Standard(20μg/mL)を調製して検量線の作成に使用した。
CMLの測定には、各サンプル30μLにキットに添付のSample dilution Bufferを90μL加えた後、さらに調製したFirst Antibody working solutionを120μL加えて攪拌し、100μLをマイクロプレート上の各ウェルに分注した。その後、室温で60分間攪拌しながら反応させた。その後、各ウェルの反応液を捨て調製した洗浄液200μLで4回洗浄した。さらに各ウェルにキットに添付のHRP conjugated Detection Antibody(二次抗体)100μLを分注し、室温で60min攪拌しながら反応させた。反応終了後、上記と同様の洗浄操作を行った。各ウェルにキットに添付のSubstrate Reagentを100μL分注し、1分間攪拌した後、アルミホイルでプレートを包み遮光し、10分間静置した。その後、各ウェルにキットに添付のStop solutionを100μL分注して1分間攪拌し、直ちにマイクロプレートリーダーで450 nm(主波長)/540nm(参照波長)で測定した。抗CML活性はIC50(50%生成阻害濃度:固形分濃度あたり)を算出し小数点以下3桁まで表示した。
(8)結果
図3は、各サンプルの抗糖化活性(HSA,Col)、抗CML活性、抗ペントシジン(Pent)活性及び抗3DG活性を一覧に示したものである。
この結果から、ブレンド茶の活性度合は、ブレンド茶を構成する茶のなかで最も活性の強い茶の活性度合が概ね反映されるということが分かる。例えば、抗糖化(HSA)では、ブレンド茶の活性度合(0.045)は甜茶の活性度合(0.046)が反映されている。また、抗CML活性では、ブレンド茶の活性度合(0.0002)はバナバ茶の活性度合(0.0003)が反映されている。また、抗3DG活性では、ブレンド茶の活性度合(0.020)はバナバ茶の活性度合(0.020)が反映されている。そして、抗ペントシジン活性についても、ブレンド茶の活性度合(0.007)は柿の葉茶の活性度合(0.005)が反映されている。
ところが、抗ペントシジン活性については、このような結果を得たことは本発明者らにとって初めてのことであった。すなわち、本発明者らのこれまでの知見によれば、抗ペントシジン活性は、ブレンド茶を構成する個々の茶に抗ペントシジン活性を有するものが含まれている場合においても、ブレンド茶については抗ペントシジン活性が認められないことが多かったのである。そのような例を図4に示す。
図4は、甜茶、ドクダミ茶、柿の葉茶、ガァバ茶を組み合わせてブレンド茶を作るにあたり、個々の茶及び種々の組み合わせにおける抗糖化活性等を測定した結果を示すものである。
図示するように抗ペントシジン活性については、ドクダミ茶を除き活性が認められるものの、2種以上を組み合わせた場合には測定結果が「NC(算出不能)」となるケースが多数であった。つまり、2種以上を組み合わせると、個々の茶に活性があるのにもかかわらず活性が生じなくなることが多い。
このような抗ペントシジン活性の特異性を鑑みると、「バナバ茶、甜茶、クマザサ茶、柿の葉茶」の組み合わせからなるブレンド茶が、優れた抗ペントシジン活性(0.007)を備えることは特異なことであると考えられる。
<効果>
バナバ茶、甜茶、クマザサ茶、柿の葉茶を混合したブレンド茶は、AGEs、CML、3DGの生成阻害作用を有するだけでなく、複数の茶を組み合わせた場合に個々の阻害活性作用が反映されにくいペントシジンに対しても有効な生成阻害活性を有することが分かった。すなわち、この組み合わせによるブレンド茶は、AGEs等に対して広範な生成阻害作用を有するといえる。

Claims (6)

  1. テンヨウケンコウシ、カキノキ、クマザサ、バナバの各抽出物を含む混合物を有効成分として含有する蛋白質架橋分解剤。
  2. 請求項1に記載の蛋白質架橋分解剤を含有する蛋白質架橋分解用医薬品。
  3. 請求項1に記載の蛋白質架橋分解剤を含有する蛋白質架橋分解用医薬部外品。
  4. 請求項1に記載の蛋白質架橋分解剤を含有する蛋白質架橋分解用食品。
  5. 請求項1に記載の蛋白質架橋分解剤を含有する蛋白質架橋分解用食品添加物。
  6. 請求項1に記載の蛋白質架橋分解剤を含有する蛋白質架橋分解用化粧品
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