JP6217038B2 - 蛋白質糖化反応阻害剤 - Google Patents

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Description

本発明は、蛋白質糖化反応による中間生成物及び最終生成物の生成を阻害する蛋白質糖化反応阻害剤及び、当該蛋白質糖化反応阻害剤を含有する飲食品や医薬品などに関する。
蛋白質糖化反応(以下、糖化反応と省略)は、L.C. Maillardがアミノ酸と還元糖を加熱すると褐色の色素が生成することを発見したことからメイラード反応として知られるようになった。メイラード反応は糖化反応と一態様といってよいが、糖化反応の総称としてメイラード反応と呼ぶ場合もある。近年、この糖化反応が老化現象、認知症、癌、高血圧、動脈硬化症などにも関与していることが明らかになっている。例えば、糖化反応により蛋白質は褐変化するが、これにより、肌などにくすみが生じることになる。また、糖化反応により皮膚や骨のコラーゲンが硬化することにより、皮膚や骨の弾力及びしなやかさが損なわれてしまう。そこで、生体に様々な影響を及ぼす糖化反応を阻害するための研究が種々行われている。
図1に糖化反応の反応経路を示す。糖化反応の反応経路についてはすべてが解明されているものではないが、まず、グルコースなどの還元糖と蛋白質やアミノ酸のアミノ基との反応によりシッフ塩基が形成され、引き続きエナミノールを経て、アマドリ転位によって安定なアマドリ化合物となる。ここまでの反応を、糖化反応系における前期段階と呼んでいる。
前期段階に続く後期段階において、アマドリ化合物は脱水、加水分解、炭素間の開裂により、グリオキサール(GO)、メチルグリオキサール(MG)、3−デオキシグルコソン(3DG)など、分子内に2つのカルボニル基(C=0)を有するα−ジカルボニル化合物を生成する。これらの生成物を糖化反応中間体と呼んでいる。その後、生体内ではα−ジカルボニル化合物、シッフ塩基やアマドリ化合物の分解、脂質過酸化反応由来のアルデヒド、糖の自動酸化や分解などにより糖化反応最終生成物であるAGEs(advanced glycation endprpducts)が生成する。AGEsという名称は、あくまでも糖化反応による最終生成物の総称であり、一定の構造を示す化合物ではない。
このような糖化反応に対して、特定の植物の抽出物がその反応を抑制することについて有効であることが報告されている。しかしながら、生体蛋白質であるヒト血清アルブミン(HSA)、コラーゲンをターゲットとし、かつ、生体内で生成する糖化反応中間体である3DG、糖化反応最終生成物であるペントシジン、カルボキシメチルリジン(CML)の生成を効果的に抑制する蛋白質糖化反応阻害剤については、未だ示されていない。
特許第4195840号公報
上記の事情を鑑み、本発明は、生体蛋白質であるヒト血清アルブミン(HSA)、コラーゲンをターゲットとし、かつ、生体内で生成する糖化反応中間体である3DG、糖化反応最終生成物であるペントシジン、カルボキシメチルリジン(CML)の生成を効果的に抑制する蛋白質糖化反応阻害剤を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段として、以下の発明などを提供する。すなわち、第一の発明として、バラ科、カキノキ科、フトモモ科、シソ科、イネ科、マメ科、ジャケツイバラ科、ミソハギ科に属する植物の抽出物の一種又は二種以上の組み合わせからなり、ヒト血清アルブミンの蛍光性AGEs、3DG、ペントシジン生成を阻害し、かつコラーゲンの蛍光性AGEs、CMLの生成を阻害する蛋白質糖化反応阻害剤を提供する。
第二の発明として、第一の発明に記載の植物が、テンヨウケンコウシ、カキノキ、グァバ、シソ、クマザサ、ルイボス、カワラケツメイ、バナバの少なくとも1種以上である蛋白質糖化反応阻害剤を提供する。
第三の発明として、第一の発明又は第二の発明に記載の植物が、甜茶、柿の葉茶、グァバ葉茶、シソ葉茶、クマザサ茶、ルイボス茶、ハマ茶、バナバ茶の少なくとも1種類以上である蛋白質糖化反応阻害剤を提供する。
第四の発明としては、後発酵ドクダミ茶、甜茶、柿の葉茶、グァバ葉茶のうち少なくともドクダミ後発酵茶を含む一種又は二種以上の組み合わせからなり、ヒト血清アルブミンの蛍光性AGEs、3DG生成を阻害し、かつコラーゲンの蛍光性AGEs、CMLの生成を阻害する蛋白質糖化反応阻害剤を提供する。
第五の発明としては、第一の発明から第四の発明に記載の蛋白質糖化反応阻害剤を含有する飲食品、健康食品、食品添加物を提供する。
第六の発明としては、第一の発明から第四の発明に記載の蛋白質糖化反応阻害剤を含有する医薬品、化粧品、医薬部外品を提供する。
本発明により、生体蛋白質であるヒト血清アルブミン(HSA)、コラーゲンをターゲットとし、かつ、生体内で生成する糖化反応中間体である3DG、糖化反応最終生成物である蛍光性AGEs、ペントシジン、カルボキシメチルリジン(CML)の生成を効果的に抑制する蛋白質糖化反応阻害剤を提供することが可能となる。
蛋白質糖化反応の反応経路を示す概念図 試験1におけるHSAに対する蛍光性AGEsの生成抑制作用を示す図 試験1におけるコラーゲンに対する蛍光性AGEsの生成抑制作用を示す図 試験1におけるHSAに対する3DGの生成抑制作用を示す図 試験1におけるHSAに対するペントシジンの生成抑制作用を示す図 試験1におけるコラーゲンに対するCML生成抑制作用を示す図 試験1における固形分あたりの抗糖化活性を示す図 試験2における蛍光性AGEs(HSA)生成抑制作用を示す図 試験2における蛍光性AGEs(Col)生成抑制作用を示す図 試験2における3DG(HSA)生成抑制作用を示す図 試験2におけるCML(HSA)生成抑制作用を示す図 試験2におけるCML(Col)生成抑制作用を示す図 試験2における各サンプルの固形分あたりの抗糖化活性及び抗AGEs活性を示したグラフ
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明は、これらの実施形態に何ら限定されるべきものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得る。
<実施形態1>
<実施形態1 概要>
本実施形態は、ヒト血清アルブミンの蛍光性AGEs、3DG、ペントシジン生成を阻害し、かつコラーゲンの蛍光性AGEs、CMLの生成を阻害する蛋白質糖化反応阻害剤に関する。これらの生成を阻害する植物の抽出物として、バラ科、ドクダミ科、カキノキ科、フトモモ科、シソ科、イネ科、マメ科、ジャケツイバラ科、に属する植物の抽出物を用いる。
<実施形態1 構成>
本実施形態における蛍光性AGEsは、励起波長が約370nmであり蛍光波長が約440nmの蛍光物質であり、このような蛍光性は蛋白質糖化反応最終生成物の物理化学的な特徴である。また、ペントシジンも蛋白質糖化反応最終生成物であるが、上記の蛍光性AGEsとは異なり、励起波長が約335nmであり蛍光波長が約385nmである。また、CMLは蛋白質糖化反応最終生成物であるが蛍光性を有しない。3DGは、糖化反応中間体である。
本実施形態における植物の抽出物は、植物のどの部位から抽出したものであってもよく、例えば、全草、花、種子、果実、枝、茎、樹皮、根などから抽出したものであってよい。また、抽出物の性状を限定するものではない。以下に、本実施形態で用いられる植物を説明する。
「バラ科」は、バラ目に属し、バラ属、キイチゴ属、シモツケ属、サンザシ属などを下位分類に有する。後述する試験においては、バラ科植物のサンプルとして、キイチゴ属の「テンヨウケンコウシ(Rubus suavissimus)」を原料とする甜茶を用いた。
「ドクダミ科」は、コショウ目に属し、ドクダミ属、ハンゲショウ属などを下位分類に有する。後述する試験においては、ドクダミ科植物のサンプルとして、ドクダミ属の「ドクダミ(Houttuynia cordata)」を原料とするドクダミ茶(地上部と葉)を用いた。
「カキノキ科」は、カキノキ目に属し(分類によってはツツジ目)、カキノキ属を含む2属を下位分類に有する。後述する試験においては、カキノキ科植物のサンプルとして、カキノキ属の「カキノキ(Diospyros kaki)」を原料とする柿の葉茶を用いた。
「フトモモ科」は、フトモモ目に属し、ユーカリノキ属、バンジロウ属、フトモモ属などを下位分類に有する。後述する試験においては、フトモモ科植物のサンプルとして、バンジロウ属の「グァバ(Psidium guajava)」を原料とするグァバ葉茶を用いた。
「シソ科」は、シソ目に属し、シソ属、メボウキ属、オレガノ属などを下位分類に有する。後述する試験においては、シソ科植物のサンプルとして、シソ属の「シソ(Perilla frutescens)」を原料とするシソ葉茶を用いた。
「イネ科」は、イネ目に属し、ササ属、イネ属、イチゴツナギ属、ヨシ属などを下位分類に有する。後述する試験においては、イネ科植物のサンプルとして、ササ属の「クマザサ(Sasa veitchii)」を原料とするクマザサ茶を用いた。
「マメ科」は、マメ目に属し、アスパラトゥス属、インゲン属、ゲンゲ属、ソラマメ属などを下位分類に有する。後述する試験においては、マメ科植物のサンプルとして、アスパラトゥス属の「ルイボス(Aspalathus linearis)」を原料とするルイボス茶を用いた。
「ジャケツイバラ科」は、マメ目に属する。なお、マメ科に入れてジャケツイバラ亜科とする分類もあるが、ここでは、マメ科とは独立した科とする。下位分類として、ジャケツイバラ属、カワラケツメイ属、ハナズオウ属などを有する。後述する試験においては、ジャケツイバラ科植物のサンプルとして、カワラケツメイ属の「カワラケツメイ(Chamaecrista nomame)」を原料とするハマ茶を用いた。
「茶」は、チャノキの葉や茎などを加工して飲料とするものをいうが、ここでは、チャノキ以外の植物の葉、芽、花、樹皮、根などを加工して飲料としたものも茶という。このようなチャノキ以外の植物を用いた茶として、上述した、ドクダミ茶、甜茶、柿の葉茶、グァバ葉茶、シソ葉茶、クマザサ茶、ルイボス茶、ハマ茶などがある。
上述した8種類の植物抽出物の一種又は二種以上の組み合わせからなる蛋白質糖化反応阻害剤は、これを含有する飲食品、健康食品、食品添加物、医薬品、化粧品、医薬部外品などとして応用することが可能である。
<実施形態1 試験>
上述した8種の植物のサンプルである、甜茶、ドクダミ、柿の葉、グァバ、シソ葉、クマザサ、ドクダミ葉、ルイボス、ハマ茶のそれぞれからの抽出物について、蛋白質糖化反応における中間生成物及び最終生成物の生成抑制作用の試験を行った。なお、比較対象として、公知の糖化反応阻害剤であるアミノグアニジン(塩酸アミノグアニジン 和光純薬工業社製:code 6328-26432,Lot.EPN0180)を用いた。
<試験1>
(1)サンプルの抽出
恒温水槽中で80℃に加温した蒸留水150mL中に、各サンプルの茶葉3.75gを加えて1時間インキュベートした。その後、4,500rpmで15分間遠心分離し、上清を回収した。回収したサンプル抽出液は5mLずつアルミ製トレイに入れ、120℃に加温したインキュベーター内に1時間入れて水分を完全に蒸発させた後、固形分重量を測定した。
(2)サンプル調製
上記の各サンプル抽出液を原液、10倍希釈液、100倍希釈液の3つの濃度に調製した。アミノグアニジンは10.0mg/mL、1mg/mL、0.1mg/mL水溶液を調整した。
(3)in vitro糖化反応
0.05 mol/Lリン酸緩衝液(pH7.4)、8 mg/mLヒト血清アルブミン(Sigma-Aldrich Corporation)(HSA)または0.6mg/mLコラーゲンタイプIウシ真皮由来(株式会社ニッピ)(コラーゲン)、0.2 mol/Lグルコース反応液中に、サンプル調製した各濃度のサンプルを1/10濃度になるように添加し、60℃でHSAの場合40時間、コラーゲンの場合10日間インキュベートした。陰性対照としてはサンプルの代わりに蒸留水を添加したものを用いた。各種AGEs量の測定にはインキュベート後の各反応液を使用した。
(4)蛍光性AGEs生成抑制作用および抗糖化活性の測定
蛍光性AGEsは、所定の方法(北野貴大、八木雅之、埜本慶太郎、堀未央、庄野繁一、米井嘉一、原高明、原英郎、山路明俊:食用紫菊花の蛋白糖化最終生成物(AGEs)生成抑制作用の研究, New Food Industry, 53 (6), 1-10 (2011) (参考文献1))に従い、サンプル反応液のAGEs由来の蛍光(励起波長370nm、蛍光波長440nm)を測定した。蛍光値は5μg/mLの硫酸キニーネ0.1N硫酸水溶液の蛍光値を1000とした時の相対値として算出した。
AGEs由来蛍光生成抑制率(%)は、サンプルを添加した反応液(A)、グルコース水溶液の代わりに蒸留水を添加したもの(B)、サンプルを添加しない溶液のみを添加してインキュベーションしたもの(C)、ブランクとしてグルコースの代わりに蒸留水を添加したもの(D)として、以下の式に従って算出した。
(式1)蛍光性AGEs生成抑制率(%)={1-(A - B)/(C - D)}×100
抗糖化活性はIC50(50%生成阻害濃度:固形分濃度あたり)を算出し小数点以下3桁まで表示した。ここで、IC50反応による物質の生成を50%抑制する被験物質濃度で、この値が小さいほど阻害活性が強いことを示す。
(5)3DG生成抑制作用および抗3DG活性の測定
サンプル反応液中に生成した3DGは、上記参考文献1の方法に従い、2,3-pentane- dioneを内部標準物質とした、2.3-diaminonaphthalenプレラベル化HPLC法により定量した。
3DG測定には、各サンプル200μLに蒸留水 300μLと内部標準物質として20 mg/mLの2,3-pentanedione(和光純薬工業株式会社)25μLを添加して撹拌混合した。次いで6.0 %過塩素酸(和光純薬工業株式会社) 500μLを加え撹拌後、12,000 rpm、10 分間遠心分離した。遠心分離後、上清800μLを別の容器に分注し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(和光純薬工業株式会社)1000μLを加えて撹拌した。その後、ラベル化剤として1.0 mg/mL の2.3- diaminonaphthalene(株式会社同仁化学研究所) 100μLを加えて撹拌し、25℃で1日間靜置した後、以下の条件でHPLCへ導入して3DGを測定した。
カラムはYMC-Pack CN 150 x 4.6 mmI.D.(株式会社ワイエムシィ)を使用した。測定条件は、溶離液を50mmol/L リン酸:アセトニトリル:メタノール=70:17:13、流速1.0 mL/min、カラム温度35℃、検出波長UV 268 nmとした。抗3DG活性はIC50(50%生成阻害濃度:固形分濃度あたり)を算出し小数点以下3桁まで表示した。
(6)ペントシジン生成抑制作用および抗ペントシジン活性の測定
サンプル反応液中に生成したペントシジンは、上記参考文献1の方法に従い、FSKペントシジンキット(株式会社伏見製薬所)によるELISA法で定量した。
各サンプル50μLと100μLのプロナーゼ溶液を混合し、55℃で90分間インキュベーションした後、沸騰水中で15分間加熱してプロナーゼを不活化し、キットに添付の補助液を50μL添加した。その後、50μLのサンプルまたはペントシジン標準液と、キットに添付の抗ペントシジンモノクローナル抗体溶液50μLをマイクロプレートの各ウェルに分注し、37℃で60分間反応させた。次いで各ウェルをキットに添付の洗浄液200μLで3回洗浄後、キットに添付の3'5,5'- tetra-methylbenzidine (TMB)を含む溶液を各ウェルに100μL分注して10分間反応させた。その後、キットに添付の反応停止液100μLを加え、10分以内に450 nm(主波長)/630 nm(参照波長)における吸光度を測定した。サンプル中のペントシジン濃度はペントシジン標準液で作成した検量線から算出した。抗ペントシジン活性はIC50(50%生成阻害濃度:固形分濃度あたり)を算出し小数点以下3桁まで表示した。
(6)CML生成抑制作用および抗CML活性の測定
サンプル反応液中に生成したCMLは、上記参考文献1の方法に従い、CircuLex
CML/Nε-(carboxymethyl)lysine ELISA KIT (株式会社サイクレックス)によるELISA法で定量した。
まず測定キットに添付の濃縮洗浄液50mLに450mLの精製水を加え(10倍希釈)500 mLの洗浄液を調製した、さらにキットに添付の抗CMLモノクローナル抗体(一次抗体)に3 mLの精製水を加えて十分攪拌し、10分間静置した。このうち600μL を取り出し、5.4 mLの精製水を加え(10倍希釈)計6 mLのFirst Antibody working solutionを作った。またキットに添付のCML-HSA Standardには500μLの精製水を加え、CML- HSA Master Standard(20 μg/mL)を調製して検量線の作成に使用した。
CMLの測定には、各サンプル30μLにキットに添付のSample dilution Bufferを90μL加えた後、さらに調製したFirst Antibody working solutionを120μL加えて攪拌し、100μLをマイクロプレート上の各ウェルに分注した。その後、室温で60分間攪拌しながら反応させた。その後、各ウェルの反応液を捨て調製した洗浄液200μLで4回洗浄した。さらに各ウェルにキットに添付のHRP conjugated Detection Antibody(二次抗体)100μLを分注し、室温で60min攪拌しながら反応させた。反応終了後、上記と同様の洗浄操作を行った。各ウェルにキットに添付のSubstrate Reagentを100μL分注し、1分間攪拌した後、アルミホイルでプレートを包み遮光し、10分間静置した。その後、各ウェルにキットに添付のStop solutionを100μL分注して1分間攪拌し、直ちにマイクロプレートリーダーで450 nm(主波長)/540 nm(参照波長)で測定した。抗CML活性はIC50(50%生成阻害濃度:固形分濃度あたり)を算出し小数点以下3桁まで表示した。
<結果>
(1)まず、各サンプルの固形分濃度を下記の表1に示す。
(2)サンプル抽出液あたりのAGEs生成抑制作用を以下に示す。
(2−1)ヒト血清アルブミン(HSA)に対する蛍光性AGEsの生成抑制作用を、図2に示す。図示したように、すべてのサンプルにおいて、生成抑制作用が認められた。また、HSAに対する抗糖化活性はルイボス、甜茶で小さかった(0.050mg/mL未満)。
(2−2)コラーゲンに対する蛍光性AGEsの生成抑制作用を、図3に示す。図示したように、すべてのサンプルにおいて、生成抑制作用が認められた。また、コラーゲンに対する抗糖化活性(IC50)は甜茶、ドクダミ、ハマ茶で小さかった(0.010mg/mL未満)。
(2−3)ヒト血清アルブミン(HSA)に対する3DGの生成抑制作用を、図4に示す。図示したように、すべてのサンプルにおいて、生成抑制作用が認められた。また、抗3DG活性(IC50)は甜茶、柿の葉で小さかった(0.050mg/mL未満)。
(2−4)ヒト血清アルブミン(HSA)に対するペントシジンの生成抑制作用を、図5に示す。図示したように、生成抑制作用は、柿の葉、グァバ、甜茶、ルイボスにおいて認められた。また、抗ペントシジン活性(IC50)は柿の葉、グァバで小さかった(0.050mg/mL未満)。
(2−5)コラーゲンに対するCML生成抑制作用を、図6に示す。図示したように、すべてのサンプルにおいて、生成抑制作用が認められた。また、抗CML活性(IC50)は甜茶、ハマ茶、グァバ、シソ葉、ドクダミ葉、ルイボス(0.050mg/mL未満)で小さかった。
上記の結果に基づき、固形分あたりの抗糖化活性を表2及び図7にまとめた。ここで、表2及び図7の中の記載について、「抗糖化(Col)」の(Col)は、コラーゲンを意味し、「抗Pent」のPentは、ペントシジンを意味する。表2及び図7に示したように、甜茶、グァバ、柿の葉は、固形分あたりの抗糖化、抗3DG、抗ペントシジン、抗CML活性(IC50)のすべてが0.15mg/ml以下であった。
以上のように、8種類の植物の抽出物がそれぞれについて糖化反応阻害作用を確認することができた。これらの植物はいずれも茶としてなじみがあり抵抗なく摂取することで糖化反応を効果的に抑制することが可能となる。また、種類によって糖化反応阻害作用の対象物が異なるため、複数種の植物を適宜選択し組み合わせることにより、AGEs、3DG、ペントシジン、CMLのそれぞれの生成を同時に阻害する効果を得ることもできる。また、組み合わせることにより、様々な味の調整が可能となり、多種多様な味覚の要望に応え得る。
<バナバ>
上記9種類の植物の他に「ミソハギ科」についても同様の試験を行い、蛍光性AGEs(HAS,Col)に対する抗糖化活性、抗3DG(HSA)活性、抗ペントシジン(HSA)活性、抗CML(Col)活性を測定した。また、上記9種類のうち「甜茶」、「クマザサ茶」、「柿の葉茶」と、「バナバ茶」とを同比率にてブレンド(1:1:1:1)したものをサンプルとして同様の試験を行い、抗糖化活性を測定した。
「ミソハギ科」は、フトモモ目に属し、サルスベリ属、キカシグサ属、ヒシ属などを下位分類に有する。本試験においては、ミソハギ科植物のサンプルとして、サルスベリ属の「バナバ(Lagerstroemia speciosa)」を原料とする「バナバ茶」を用いた。
上記バナバについての測定結果と、甜茶、クマザサ茶、柿の葉茶と同比率で組み合わせたブレンド茶についての測定結果を表3に示す。
<実施形態1 効果>
本実施形態により、生体蛋白質であるヒト血清アルブミン(HSA)、コラーゲンをターゲットとし、かつ、生体内で生成する糖化反応中間体である3DG、糖化反応最終生成物である蛍光性AGEs、ペントシジン、カルボキシメチルリジン(CML)の生成を効果的に抑制する蛋白質糖化反応阻害剤を提供することができる。
<実施形態2>
<実施形態2 概要>
ドクダミは「十薬」と呼ばれるほどに健康や美容等に効能があることが知られており、例えば、高血圧の改善や糖尿病予防、肌荒れの改善などの効能が挙げられる。ドクダミを摂取する一般的な方法は、ドクダミの葉や茎を乾燥させた後、日本茶のように煎じてドクダミ茶として摂取するものである。
ドクダミ茶は、上記の通り健康や美容において様々な効能が期待される一方で、特有の匂いと風味のため飲みやすいものではなかった。そこで、野草のクセのある匂いや風味をマイルドにして飲みやすくするための技術として本出願人が有する「後発酵技術」をドクダミに適用して「ドクダミ後発酵茶」としたところ、単にドクダミを煎じたドクダミ茶に比べて飲みやすいものとすることができた。この「後発酵技術」は、プーアール茶の製造に用いられる技術であり、葉や茎などに微生物(菌)を付着させ、その微生物により発酵させる技術である。
本実施形態においては、「後発酵技術」により飲みやすくすることができた「ドクダミ後発酵茶」の蛋白質抗糖化反応阻害作用を実験結果から示すとともに、「ドクダミ後発酵茶」をベースとして、実施形態1において蛋白質抗糖化反応阻害作用が示された甜茶、柿の葉茶、グァバ葉茶をさらに組み合わせることによる作用を示すものである。
<実施形態2 構成>
「ドクダミ後発酵茶」は、実施形態1において示したドクダミ科のドクダミ(Houttuynia cordata)を原料とし、後発酵処理を施すことにより製造した茶である。後述する試験において用いたドクダミ後発酵茶を例として後発酵処理について説明する。
まず、スライス又は寸切りにしたドクダミの葉を乾燥させる。この乾燥させたドクダミの葉をさらにカット又は粉砕してカット体又は粉砕体を得る。他方で、中国のプーアール茶や日本の碁石茶などの黒茶を水中に投じ、その黒茶に存する微生物を該水中に移動させて抽出液を得る。そして、得られたカット体又は粉砕体に抽出液を噴霧し1〜3週間程度発酵させる。その後、機械により又は天日により乾燥させることでドクダミ後発酵茶を得ることができる。なお、機械による乾燥(機械乾燥)及び天日による乾燥(天日干し)は、一般的な緑茶を製造する際の設備や手法により行われる。
ドクダミ後発酵茶と組み合わされる甜茶、柿の葉茶、グァバ葉茶は、実施形態1におけるものと同様である。また、ドクダミ後発酵茶又はドクダミ後発酵茶をベースとし、甜茶、柿の葉茶、グァバ葉茶のいずれか一種乃至三種を組み合わせてなるブレンド茶を含有成分とする飲食品、健康食品、食品添加物、医薬品、化粧品、医薬部外品などとして応用することも可能である。
<試験2>
ドクダミ後発酵茶と、甜茶、柿の葉茶、グァバ葉茶とを組み合わせたサンプルについて、実施形態1において行った試験1と同様に、抗糖化活性、抗3DG活性、抗CML活性を測定した。実施形態1と同様の試験を行うことにより、ドクダミ後発酵茶とドクダミ茶との比較を行い得る。その結果については最後に示す。サンプルは、以下の8種である。
1.ドクダミ後発酵茶
2.ドクダミ後発酵茶+柿の葉茶
3.ドクダミ後発酵茶+甜茶
4.ドクダミ後発酵茶+グァバ葉茶
5.ドクダミ後発酵茶+柿の葉茶+甜茶
6.ドクダミ後発酵茶+柿の葉茶+グァバ葉茶
7.ドクダミ後発酵茶+甜茶+グァバ葉茶
8.ドクダミ後発酵茶+柿の葉茶+甜茶+グァバ葉茶
なお、二種以上の茶葉を含むものについては、各茶葉の組み合わせ比率はいずれも同比率(1:1、1:1:1、1:1:1:1)とした。
(1)サンプルの抽出
恒温水槽中で80℃に加温した蒸留水40mL中に、各茶葉合計1g(等量混合)を加えて3分間抽出した。その後、市販のお茶パックで濾過して上清を回収した。回収したサンプル抽出液は5mLずつアルミ製トレイに入れ、120℃に加温したインキュベーター内に1時間入れて水分を完全に蒸発させた後、固形分重量を測定した。
(2)サンプル調製
上記8種類のサンプル抽出液を原液、10倍希釈液、100倍希釈液の3濃度に調製した。アミノグアニジンは10.0mg/mL、1mg/mL、0.1mg/mL水溶液を調整した。
(3)in vitro糖化反応
0.05 mol/L リン酸緩衝液 (pH7.4) 、8 mg/mLヒト血清アルブミン(HSA)(Sigma- Aldrich Corporation)または0.6mg/mLコラーゲンタイプIウシ真皮由来(コラーゲン)(ニッピ製)、0.2 mol/Lグルコース反応液中に、サンプル調製した各濃度のサンプルを1/10濃度になるように添加し、60℃でHSAの場合40時間、コラーゲンの場合10日間インキュベートした。陰性対照としてはサンプルの代わりに蒸留水を添加したものを用いた。各種AGEs量の測定にはインキュベート後の各サンプル反応液を使用した。
(4)蛍光性AGEs(HSA)生成抑制作用および抗糖化活性の測定
蛍光性AGEsは、試験1においても用いた参考文献1の方法に従い、サンプル反応液のAGEs由来の蛍光(励起波長370nm、蛍光波長440nm)を測定した。蛍光値は5μg/mLの硫酸キニーネ0.1N硫酸水溶液の蛍光値を1000とした時の相対値として算出した。
蛍光性AGEs生成抑制率(%)は、in vitro糖化反応においてサンプルを添加した反応液(A)、グルコース水溶液の代わりに蒸留水を添加したもの (B)、サンプルを添加しない溶液のみを添加してインキュベーションしたもの(C)、ブランクとしてグルコースの代わりに蒸留水を添加したもの (D)として実施形態1におけるものと同式である下記の式に従って算出した。
(式1)蛍光性AGEs生成抑制率(%)={1-(A - B)/(C - D)}×100
抗糖化活性はIC50(50%生成阻害濃度:固形分濃度あたり)を算出し小数点以下3桁まで表示した。IC50は反応による物質の生成を50%抑制する被験物質濃度で、この値が小さいほど阻害活性が強いことを示す。
(5)3DG生成抑制作用および抗3DG活性(HSA)の測定
サンプル反応液中に生成した3DGは、上記参考文献1の方法に従い、2,3-pentane- dioneを内部標準物質とした、2.3-diaminonaphthalenプレラベル化HPLC法により定量した。
3DG測定には、各サンプル200μLに蒸留水 300μLと内部標準物質として20 mg/mLの2,3-pentanedione(和光純薬工業株式会社)25μLを添加して撹拌混合した。次いで6.0 %過塩素酸(和光純薬工業株式会社) 500μLを加え撹拌後、12,000 rpm、10 分間遠心分離した。遠心分離後、上清400μLを別の容器に分注し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(和光純薬工業株式会社)500μLを加えて撹拌した。その後、ラベル化剤として1.0 mg/mL の2.3- diaminonaphthalene(株式会社同仁化学研究所) 50μLを加えて撹拌し、25℃で1日間靜置した後、以下の条件でHPLCへ導入して3DGを測定した。
カラムはYMC-Pack CN 150 x 4.6 mmI.D.(株式会社ワイエムシィ)を使用した。測定条件は、溶離液を50mmol/L リン酸:アセトニトリル:メタノール=70:17:13、流速1.0 mL/min、カラム温度35℃、検出波長UV 268 nmとした。
抗3DG活性はIC50(50%生成阻害濃度:固形分濃度あたり)を算出し小数点以下3桁まで表示した。
(6)CML生成抑制作用および抗CML活性(HSA, Col)の測定
サンプル反応液中に生成したCMLは、上記参考文献1の方法に従い、CircuLex TM CML/Nε-(carboxymethyl)lysine ELISA KIT (サイクレックス製)によるELISA法で定量した。
まず測定キットに添付の濃縮洗浄液50mLに450mLの精製水を加え(10倍希釈)500 mLの洗浄液を調製した、さらにキットに添付の抗CMLモノクローナル抗体(一次抗体)に1mLの精製水を加えて十分攪拌し、10分間静置した。このうち500μL を取り出し、12 mLの精製水を加え(25倍希釈)計12.5 mLのFirst Antibody working solutionを作った。またキットに添付のCML-HSA Standardには1 mLの精製水を加え、CML- HSA Master Standard(20 μg/mL)を調製して検量線の作成に使用した。
CMLの測定には、各サンプル30μLにキットに添付のSample dilution Bufferを90μL加えた後、さらに調製したFirst Antibody working solutionを120μL加えて攪拌し、100μLをマイクロプレート上の各ウェルに分注した。その後、室温で60分間攪拌しながら反応させた。その後、各ウェルの反応液を捨て調製した洗浄液200μLで4回洗浄した。さらに各ウェルにキットに添付のHRP conjugated Detection Antibody(二次抗体)100μLを分注し、室温で60min攪拌しながら反応させた。反応終了後、上記と同様の洗浄操作を行った。各ウェルにキットに添付のSubstrate Reagentを100μL分注し、1分間攪拌した後、アルミホイルでプレートを包み遮光し、10分間静置した。その後、各ウェルにキットに添付のStop solutionを100μL分注して1分間攪拌し、直ちにマイクロプレートリーダーで450 nm(主波長)/540 nm(参照波長)で測定した。
抗CML活性はIC50(50%生成阻害濃度:固形分濃度あたり)を算出し小数点以下3桁まで表示した。
<結果>
(1)まず、各サンプルの固形分濃度を下記の表4に示す。
(2)サンプル抽出液あたりのAGEs生成抑制作用を以下に示す。
(2−1)蛍光性AGEs(HSA)生成抑制作用を図8に示し、抗糖化活性を表5に示す。なお、比較対象として、公知の糖化反応阻害剤であるアミノグアニジン(塩酸アミノグアニジン 和光純薬工業社製:code 6328-26432,Lot.EPN0180)を用いた。また、図中においてサンプル2.〜8.について「ドクダミ」との記載があるが、これは、「ドクダミ後発酵茶」を省略した記載したものであり、「ドクダミ茶」を意味するものではない。
(2−2)蛍光性AGEs(Col)生成抑制作用を図9に示し、抗糖化活性を表6に示す。
(3)3DG(HSA)生成抑制作用を図10に示し、抗3DG活性を表7に示す。
(5−1)CML(HSA)生成抑制作用を図11に示し、抗CML活性を表8に示す。
(5−2)CML(Col:コラーゲン)生成抑制作用を図12に示し、抗CML活性を表9に示す。
(6)上記各結果に基づき、各サンプルの固形分あたりの抗糖化活性及び抗AGEs活性を比較した結果を表10に示す。なお、表中において塗りを施したところは、ドクダミ後発酵茶単独よりもIC50値が小さくなった結果である。また、図13は、表10をグラフとして表したものであり、横軸に8種のサンプルを示し、縦軸にIC50値を上限値0.1として示したものである。なお、抗CML(Col)については、各サンプルとも値が極めて小さいものであったため、グラフ中に示すことを省略した。
(7)ドクダミ後発酵茶とドクダミ茶との抗糖化活性及び抗AGEs活性を比較した結果を表11に示す。
(8)考察
上記の結果から、まず、HSA反応系の蛍光性AGEs生成抑制作用は、8種類のお茶ともアミノグアニジンとほぼ同等、アミノグアニジンのIC50値と比較すると80〜125%であった。また、ブレンド効果(サンプル1.ドクダミ後醗酵茶単独よりブレンドすることでIC50値が小さくなる効果)がみられたのはサンプル3.4.5.8であった。
また、コラーゲン反応系の蛍光性AGEs生成抑制作用は8種類のお茶ともアミノグアニジンを上回り、IC50値はアミノグアニジンのそれの25%以下であった。さらにブレンド効果もサンプル2.〜8.の全てに認められた。IC50値が最も低かったのはサンプル6.であった。
3DG生成抑制作用は、サンプル3.4.5.6.8.がアミノグアニジンを上回り、アミノグアニジンのIC50値に対してサンプル3.4.5.のそれが70%前後、サンプル8.が最も低く35%であった。ブレンド効果が認められたのも上記の4サンプルであった。
HSA反応系のCML生成抑制作用は8種類のお茶すべてアミノグアニジンを上回り、IC50値はアミノグアニジンのそれの7%以下であった。ブレンド効果も程度は異なったがサンプル2.〜8.のすべてに見られた。また、コラーゲン反応系のCML生成抑制作用は著しく高く、サンプル6.以外のIC50値は0.01mg/mL以下であった。
一般的なドクダミ茶とドクダミ後発酵茶との比較結果によれば、ドクダミ後発酵茶がドクダミ茶に対して同等若しくは優れた生成抑制作用を有することが分かった(表11参照)。とくにコラーゲン反応系のCML生成抑制作用は著しく優れており、肌の老化を抑制し得る効果などが期待される。なお、このような結果が生じた要因として、付着させた微生物(菌)による発酵によるドクダミの組成変化がその一つであると考えられる。
<実施形態2 効果>
ドクダミ後発酵茶単独及びドクダミ後発酵茶と甜茶、柿の葉茶、グァバ葉茶との組みあわせにより、生体蛋白質であるヒト血清アルブミン(HSA)、コラーゲンをターゲットとし、かつ、生体内で生成する糖化反応中間体である3DG、糖化反応最終生成物である蛍光性AGEs、カルボキシメチルリジン(CML)の生成を効果的に抑制する蛋白質糖化反応阻害剤を提供することができる。

Claims (15)

  1. テンヨウケンコウシ、カキノキ、グァバの抽出物の一種又は二種以上の組み合わせからなる、ヒト血清アルブミンの3DG及びペントシジン、並びにコラーゲンのCML生成阻害剤
  2. 請求項1に記載の抽出物が、甜茶、柿の葉茶、グァバ葉茶の少なくとも1種類以上であるヒト血清アルブミンの3DG及びペントシジン、並びにコラーゲンのCML生成阻害剤
  3. 甜茶、柿の葉茶、クマザサ茶、バナバ茶の各抽出物の組み合わせからなる、ヒト血清アルブミンの3DG及びペントシジン、並びにコラーゲンのCML生成阻害剤
  4. ドクダミ後発酵茶、甜茶、柿の葉茶、グァバ葉茶のうち少なくともドクダミ後発酵茶を含む一種又は二種以上の組み合わせからなる、ヒト血清アルブミンの3DG及びCML、並びにコラーゲンのCML生成阻害剤
  5. 請求項1〜に記載のヒト血清アルブミンの3DG及びペントシジン、並びにコラーゲンのCML生成阻害剤を含有することを特徴とする、ヒト血清アルブミンの3DG及びペントシジ ン、並びにコラーゲンのCML生成阻害用飲食品。
  6. 請求項1〜に記載のヒト血清アルブミンの3DG及びペントシジン、並びにコラーゲンのCML生成阻害剤を含有することを特徴とする、ヒト血清アルブミンの3DG及びペントシジ ン、並びにコラーゲンのCML生成阻害用健康食品。
  7. 請求項1〜に記載のヒト血清アルブミンの3DG及びペントシジン、並びにコラーゲンのCML生成阻害剤を含有することを特徴とする、ヒト血清アルブミンの3DG及びペントシジ ン、並びにコラーゲンのCML生成阻害用食品添加物。
  8. 請求項1〜に記載のヒト血清アルブミンの3DG及びペントシジン、並びにコラーゲンのCML生成阻害剤を含有することを特徴とする、ヒト血清アルブミンの3DG及びペントシジ ン、並びにコラーゲンのCML生成阻害用医薬品。
  9. 請求項1〜に記載のヒト血清アルブミンの3DG及びペントシジン、並びにコラーゲンのCML生成阻害剤を含有することを特徴とする、ヒト血清アルブミンの3DG及びペントシジ ン、並びにコラーゲンのCML生成阻害用化粧品。
  10. 請求項1〜に記載のヒト血清アルブミンの3DG及びペントシジン、並びにコラーゲンのCML生成阻害剤を含有することを特徴とする、ヒト血清アルブミンの3DG及びペントシジ ン、並びにコラーゲンのCML生成阻害用医薬部外品。
  11. バナバの抽出物からなる、ヒト血清アルブミンの蛍光性AGEs、3DG及びペントシジン、 並びにコラーゲンの蛍光性AGEs及びCML生成阻害剤
  12. カワラケツメイの抽出物からなる、ヒト血清アルブミンの蛍光性AGEs及び3DG、並びにコラーゲンの蛍光性AGEs及びCML生成阻害剤
  13. ルイボスの抽出物からなる、ヒト血清アルブミンの3DG及びペントシジン生成阻害剤
  14. シソ、クマザサの抽出物のいずれか一種又は組み合わせからなる、ヒト血清アルブミンの3DG、並びにコラーゲンのCML生成阻害剤
  15. ドクダミ後発酵茶からなる、ヒト血清アルブミンの蛍光性AGEs、3DG及びCML、並びにコラーゲンの蛍光性AGEs及びCML生成阻害剤
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