JP6728731B2 - フッ化水素酸と硝酸の回収方法 - Google Patents
フッ化水素酸と硝酸の回収方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6728731B2 JP6728731B2 JP2016019945A JP2016019945A JP6728731B2 JP 6728731 B2 JP6728731 B2 JP 6728731B2 JP 2016019945 A JP2016019945 A JP 2016019945A JP 2016019945 A JP2016019945 A JP 2016019945A JP 6728731 B2 JP6728731 B2 JP 6728731B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acid
- hydrofluoric
- nitric acid
- distillation
- water
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Removal Of Specific Substances (AREA)
Description
リン酸エステルを抽剤に用い、酢酸、硝酸、フッ化水素酸の順に抽出する方法が開示されているが、それぞれの成分の剥離回収工程に大量の水を使用することや、硝酸を有機物である正リン酸エステルで抽出するので硝酸との混触危険性が考えられ、商業的なプロセスにおいては得策とは言い難い。
<原料>
本発明の原料となるケイフッ化水素酸を含むフッ硝酸水溶液中のケイフッ化水素酸、フッ化水素酸、硝酸および水の含有量は、特に限定されないが、以下の通りである。ケイフッ化水素酸は、1〜30wt%が好ましく、より好ましくは、5〜15wt%である。フッ化水素酸は、5〜40wt%が好ましく、より好ましくは、20〜40wt%である。硝酸の含有量は、10〜50wt%が好ましく、より好ましくは、20〜40wt%である。水は、30〜65wt%が好ましく、より好ましくは、35〜45wt%である。また、本発明の分離回収プロセスに実質影響を与えない程度の含有量で上記以外の成分が含まれてもかまわない。
ケイフッ化水素酸を含むフッ硝酸水溶液を、そのまま蒸留にかけると、フッ化水素酸、ケイフッ化水素酸、水は共沸組成を形成するため、蒸留による分離は極めて困難となる。本発明では、予め、ケイフッ化水素酸は除去しておくため、硝酸塩にて難溶性のケイフッ化水素酸塩に転換し(固定化反応)、固形物として析出させ、それを分離、回収する。
すなわち、ケイフッ化水素酸を含むフッ硝酸水溶液と硝酸塩とを接触させることにより、下記式(1)のように、ケイフッ化水素酸を硝酸塩と反応させ、ケイフッ化水素酸塩と硝酸を生成することができる(式(1)では、硝酸カリウムの例を挙げる)。
硝酸塩としては、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、硝酸バリウム等が
挙げられるが、生じるケイフッ化水素酸塩の溶解度が最も低い硝酸カリウムの使用が好ましい。
本発明にケイフッ化水素酸を含むフッ硝酸水溶液に接触させる硝酸塩の量は、特に限定されないが、好ましくは、ケイフッ化水素酸の1モルに対し、2モル以上であることが好ましく、更に好ましくは、3モル以上が望ましい。過剰の硝酸塩はこの後の工程で硝酸を蒸留分離(第四蒸留塔)して、再度、リサイクル使用することが経済上好ましい。
離工程の第一蒸留塔(図1)へ送られる。一方、固体のケイフッ化水素酸塩は、必要に応じて乾燥し(図1の(3))、次工程のシリカ及びフッ化水素酸塩製造工程(図2)へと供
給される。
次に、フッ硝酸の蒸留分離工程について説明する(図1)。
ケイフッ化水素酸塩を分離して得られた濾液中(図1の濾液A)には、フッ化水素酸、硝酸及び過剰の硝酸塩が含まれているので、還流器付第一蒸留塔に供給することで、塔頂より硝酸を数パーセン含む約30wt%のフッ化水素酸を得ることができる。蒸留塔の理論段数は、10段以上が好ましく、より好ましくは20〜40段である。還流比は、1以上
が好ましく、より好ましいのは3以上である。蒸留方法は、回分式でも連続式でもよいが、回分式では適宜、還流比を変更しながら蒸留することとなる。
である。硫酸添加後の蒸留塔供給液硫酸濃度は、45wt%以上が好ましく、より好ましくは60wt%以上である。第二蒸留塔供給液中の硫酸濃度によって、気相中のフッ化水素酸濃度がフッ化水素酸側に大きくシフトするので、硫酸濃度と留出率を選択することによって、任意のフッ化水素酸濃度で留出させることできる。なお、硫酸を第一蒸留塔に添加しない理由は、ケイフッ化水素酸塩分離後の残液中には未反応の硝酸塩が含まれているため、硫酸添加では下記の反応(2)が起こり(カリウム塩の例を示す)、硝酸塩と硫酸の損失が起こるとともに、硫酸塩が系内へ蓄積し、運転上トラブルに繋がるので硝酸塩が存在しない系(第一蒸留塔塔頂液)に硫酸を添加した方が経済的に有利である。
第二蒸留塔塔底液は、フッ化水素酸、硝酸及び硫酸を含んでいるため、還流器付第五蒸留塔へ供給することで、塔頂より希フッ化水素酸と希硝酸を回収し、必要に応じて一部をパージしたのち、ケイフッ化水素酸の固定化反応(図1の(1))へリサイクルされる。蒸
留塔の理論段数は、10段以上が好ましく、より好ましくは20〜40段である。還流比は、1以上が好ましく、より好ましいのは3以上である。
去し、槽底より75wt%以上の濃硫酸が排出され、第二蒸留塔供給液へリサイクルされる。希硫酸濃縮の圧力は、6.7kPa以下が好ましく、より好ましくは、3.3kPa以下である。加熱温度は、100℃以上が好ましく、より好ましくは、150℃以上である。槽底の硫酸濃度は、75wt%以上が好ましく、より好ましい濃度は85wt%以上である。
リサイクルされる。蒸留塔の理論段数は、10段以上が好ましく、より好ましくは20〜40段である。還流比は、1以上が好ましく、より好ましいのは3以上である。
塔の理論段数は、10段以上が好ましく、より好ましくは20〜40段である。還流比は、1以上が好ましく、より好ましいのは3以上である。
この工程は、固定化反応で得られたケイフッ化水素酸塩をさらに産業上の有用性が高いシリカとフッ化水素酸塩に分解し、再利用しやすくするための処理工程である。なお、経済的理由などにより、ケイフッ化水素酸塩をそのまま再利用するプロセスも考えられる。この工程では、式(3)および(4)で例示するように、ケイフッ化水素酸塩をアルカリ性物質で分解処理を行う(カリウム塩の例を示す)。
K2SiF6 + 4KOH → SiO2+ 6KF + 2H2O ・・・・(4)
アルカリ性物質としては、各種金属炭酸塩や水酸化物が使用できるが、なかでもNa、K
塩が好ましく、さらには、生じるフッ化水素酸塩の水溶解度が高いK塩が好適である。
アルカリ/ケイフッ化水素酸塩の反応モル比は、4.00〜4.25が好ましく、より好ましくは、4.05〜4.20である。上限のモル比範囲を逸脱させると、下記の反応(4)が起こり、水溶性のケイ酸塩が生成し、シリカは得られないばかりではなく、フッ化水素酸塩の品質にも影響する。
分解反応装置としては、温度制御のためのジャケット付き撹拌槽が好ましい(図2の(5))。接触方法はケイフッ化水素酸塩スラリーにアルカリ水溶液を滴下する方法が好まし
く、逆の場合やモル比が上限を超えると、シリカの固着現象が起こり、シリカの取り出しができなくなる。ケイフッ化水素酸塩の水スラリー濃度は、30wt%以下が好ましく、より好ましいのは25wt%以下である。ケイフッ化水素酸塩のスラリー濃度が高いと、シリカの凝集固着が起こり、反応装置からシリカを取り出すことが困難となる。反応時間は、1時間以上が好ましく、より好ましいのは2時間以上である。アルカリ濃度は50wt%以下が好ましい。
方、固体側の粗シリカには、フッ化水素酸塩が付着しているので、熱水懸洗槽(図2の(7
))に供給され、熱水で懸濁洗浄を行った後、濾過又は遠心分離(図2の(8))により固液分離することで、フッ化水素酸塩を溶解除去し、高純度のシリカを得ることができる。熱水懸洗温度は、80℃以上が好ましく、より好ましい95℃以上である。懸洗時シリカスラリー濃度は20wt%以下が好ましく、より好ましいのは10wt%以下である。懸洗時間は、0.5時間以上が好ましく、より好ましいのは1時間以上である。懸洗装置としては、温度制御のためのジャケット付き撹拌槽が好ましい(図2の(7))。
へ供給し、水を蒸発させる(濃縮)とフッ化水素酸塩が析出するため、濾過または遠心分離(図2の(10))で固液分離後、乾燥することで高純度フッ化水素塩を得ることができる。減圧濃縮晶析槽としては、温度制御のためのジャケット付き撹拌槽が好ましい(図2の(9))。フッ化水素酸塩の濃縮では内温を管理温度以上に上げないことが重要となる。管
理温度以上に上げると、フッ化水素酸塩が凝集し、スラリーを形成しないばかりではなく、固着する場合がある。そのためには、減圧下において、内温を監視しながら、適宜圧力を調節して内温を上限値以下に保持することが重要となる。管理温度は80〜100℃、好ましくは85〜95℃である。特にフッ化カリウムの場合には、水への溶解度が約50wt%と大きく、60wt%以上に濃縮させないと、結晶の析出は起こらない。そうなると、濃縮と共に沸点上昇が起こり、内温が上昇、フッ化カリウムの凝集固着が発生する。固着現象を回避するには、減圧系で濃縮することで内温上昇防止を図る必要がある。圧力は、26.7kPa以下が好ましく、より好ましいのは13.3kPa以下である。
攪拌機付フッ素樹脂製反応器に40wt%硝酸カリウム水溶液184gを仕込み温度30℃で撹拌下保持した。次に重量組成HF/HNO3/H2SiF6/水=25/25/7/43のフッ硝酸廃液500gをフッ素樹脂製滴下ロートに入れ、内温30℃を維持しながら反応器に滴下し、硝酸カリウムと反応させた。硝酸カリウムはケイフッ化水素酸のモル数に対して、3倍モルに相当する。滴下と同時に析出したケイフッ化水素酸カリウム塩を濾過、洗浄して回収した。回収されたケイフッ化水素酸カリウム量は53gで、そのうちフッ素、シリコンおよびカリウムの含有率分析値は、それぞれ51.9wt%、12.7wt%、35.5wt%でありケイフッ化水素酸カリウムの理論組成値に近い値を示した。なお、フッ素及び硝酸濃度はダイオニクス社製イオンクロマト装置(ICS-1500)、カリウム及びシリコン濃度はICP発光装置にて測定した。
イオンクロマト装置
分析カラム:IonPacAG23(4mm×50mm)、IonPacAS23(4mm×250mm)
カラム温度:30℃、サプレッサー:ARRS-300 4mm、
溶離液 :4.5mmol/L Na2CO3, 0.8mmol/NaHCO3 流量:1.0ml/min
検出器 :電気伝導度検出器
ICP発光分析装置
Agilent製 ICP VISTAPRO、パワー:1.2kw
測定波長 Si:251.611nm K:766.491nm
第一精留塔
実験例1でケイフッ化水素酸カリウムを濾別した後の濾液組成の液(重量組成HF/HNO3/KNO3/水=19.8/24.6/3.9/51.6)と同様の組成の液を1500g調製して、フッ素樹脂製の撹拌槽、還流器を備えた回分式の常圧精留塔(直径26mm×高さ1200mmH、充填物:フッ
素樹脂製ラシヒリング)を用いて、蒸留を実施した。塔底温度は115〜120℃、塔頂圧力は常圧の101.3kPaであり、還流比は3であった。調製した液量に対し、塔頂か
らの留出率63%時の留出液の混合液組成は重量組成でHF/HNO3/水=28.4/6.7/64.9であった。この時の精留塔の塔底に残った液組成は重量組成でHF/HNO3/KNO3/水=5.1/55.3/29.0/10.6であった。この時点で蒸留を終了した。
第二蒸留塔
実験例2で得られた留出液と同等の組成を持つ液を600g調整し、その液中に98wt%硫酸540g添加し、実験例2と同様の形状を持つ精留塔で、常圧、塔底温度126〜167℃、還流比3.0で蒸留を行った。調製した液量(600g)に対して、塔頂からの留出率10%(60g)の時点での留出液重量組成はHF/HNO3/水=75/10/15であった
。更に蒸留を継続し、留出率45%(269g)時で混合した留出液重量組成はHF/HNO3/水=55/10/35であった(フッ化水素酸濃度55wt%)。この留出液は硝酸を10wt%
含むフッ化水素酸であるが、濃硝酸と混合することでシリコン基材の洗浄・加工に用いる濃度のフッ硝酸として十分再使用できる濃度と純度である(本発明の目的物)。一方、留出率45%時の精留塔の塔底の残留液の重量組成はHF/HNO3/H2SO4/水=3.4/3.2/61.2/32.2であった。
第二蒸留塔
実験例2で得られた留出液と同等の組成を持つ液を600g調整し、この中に98wt%硫酸270g添加し、実験例2と同様の形状を持つ精留塔で、常圧、塔底温度117〜164℃、還流比3.0で蒸留を行った。調製した液量(600g)に対して、塔頂からの留出率10%(60g)の時点での留出液重量組成はHF/HNO3/水=64/8/28であった。更に蒸留を継続し、留出率33%(198g)時で混合した留出液重量組成はHF/HNO3/水=50/4/46であった。この留出液もフッ硝酸として十分再使用できる濃度と純度である。一方、留出率33%時の精留塔の塔底の残留液の重量組成はHF/HNO3/H2SO4/水=9.5/4.5/46/40であった。
第二蒸留塔
実験例2で得られた留出液と同等の組成を持つ液を600g調製し、硫酸を添加せず、実験例2と同様の形状を持つ精留塔で、常圧、塔底温度111〜112℃、還流比3.0で蒸留を行った。調整液(600g)に対して、塔頂から留出率25%(150g)時点までの留出液組成は、HF/HNO3/水=12.0/0.3/86.7であった。更に蒸留を継続し、留出率40%時点(240g)での留出液組成はHF/HNO3/水=20.6/0.3/79.0であった。
この留出液のフッ化水素酸濃度は低濃度であり、フッ硝酸としての再使用には不適当である。
第三精留塔
実験例2の精留塔処理の実施後に得られた蒸留塔の塔底の残液と同様の重量組成(HF/HNO3/KNO3/水=5.1/55.3/29.0/10.6)を1500g調整し、実験例2と同様の形状を持つ精留塔で、常圧、塔底温度119〜123℃、還流比3.0で蒸留を行った。塔頂からの留
出液の重量組成は留出率36%までの混合液(540g)でHF/HNO3/水=14/53/33、釜残
組成は重量組成HF/HNO3/KNO3/水=0.4/64.0/16.6/19.0であった。
第四精留塔
実験例6で得られた蒸留釜残と同様の重量組成(HF/HNO3/KNO3/水=0.4/64.0/16.6/19.0)を960g調整し、実施例2と同様の形状を持つ精留塔で常圧、塔底温度123〜126℃、還流比3で蒸留を行った。塔頂からの留出率56%までの混合液468gの重量組成は、HF/HNO3/水=0.6/67/32.4であった(67%硝酸)。これは、本発明の目的物であり、52wt%のフッ化水素酸と混合すれば、元のフッ硝酸水溶液が調整可能である。
第五精留塔
実験例3の精留塔処理において蒸留終了後の蒸留塔の塔底液の重量組成(HF/HNO3/H2SO4/水=3.4/3.2/61.2/32.2)と同等の組成を持つ液1155g調製し、温度123〜126℃、圧力33.3kPaで単蒸留を実施した。仕込み量から硫酸を除く量から求めた留出率
55%(246g)時点の留出液重量組成はHF/HNO3/水=16/13/71を取得できた。その時
の釜残の重量組成はHF/HNO3/H2SO4/水=0.014/0.20/75/24.8であった。
硫酸濃縮
実験例8の精留塔処理による蒸留終了後に塔底に残った液の重量組成(HF/HNO3/H2SO4/水=0.014/0.20/75/24.8)と同等の組成を持つ液を500g調整してフラスコに仕込み、
温度150〜199℃、圧力3.3kPa減圧下で水分を留去した。水分留去と共に釜内温
は上昇し、釜内温が199℃到達時の硫酸濃度92wt%を得ることができた。
実験例1と同様の方法で得られたケイフッ化水素酸カリウム塩88.0gと水350gを攪拌機付500mlフラスコに仕込み、スラリー状態とし、温度100℃に昇温後、50wt%水酸化カリウム水溶液184g(KOH/K2SiF6モル比:4.10)を30分かけて滴下した。滴下終了後、内温100℃で3時間反応を継続した。内温を常温まで冷却し、減圧濾過によりシリカを取得した。取得した含水シリカ45gを100℃の水300g中に投入し、水懸洗操作を30分実施後、100℃で熱濾過して回収、乾燥品として23g取得した。回収シリカのシリコン及び酸素分析した結果、シリコン46.3wt%、酸素53.2wt%であり、ほぼ理論値の数値を得た。なお、シリカ中のフッ素が500wtppm以下、カリウムが0.5wt%以下を示し、純度99wt%以上、平均粒子径約25μmの高純度シリカを回収できた。シリコンはICP発光装置、 酸素は不活性ガス融解法で分析した。平均粒子径は、レーザー回折/散乱式で測定した。
フッ素:イオンクロマト装置(前記、分析法に準じる)
カリウム:ICP発光装置(前記、分析法に準じる)
酸素 :不活性ガス融解法
型式LECO−TC−436AR、検出器:赤外線吸収検出器
平均粒子径:分散溶媒:エタノール、測定範囲:0.12〜704μm
フッ化水素酸カリウムの製造
実施例9で得られたフッ化カリウム(フッ化水素酸カリウムKF)水溶液を攪拌機付500mlガラス製反応器に仕込み、バス温度90℃以下の温度で減圧系にてフッ化カリウム
濃度が60wt%以上になるまで水留去を実施した。濃度が上昇するとフッ化カリウム結晶が析出するので40℃〜60℃の温度の範囲でフッ化カリウムを濾過にて取得した。
装置は実験例2での精留塔を用いた。実験例2で得られた留出液組成を600g調整し、常圧系にて還流比3.0で留出させた。留出率8%(48g)の時点での留出液重量組成はHF/HNO3/水=1/0.5/98.5であった。留出を続けて留出率24%(144g)時で混合
した留出液重量組成はHF/HNO3/水=6/0.3/35/93.7、留出率24%の時点で混合した留出液重量組成はHF/HNO3/水=12/0.3/87.7、留出率32%(192g)時点で混合した留出液重量組成はHF/HNO3/H2SO4/水=17/.3/82.7であった。更に蒸留を続けて留出率40%時点で
の留出混合液重量組成はHF/HNO3/水=21/0.3/78.7であり、高濃度のフッ化水素酸は得ることができなかった。
実験例1と同様の方法で得られたケイフッ化水素酸カリウム塩88.0gと水350gを攪拌機付500mlフラスコ仕込み、スラリー状態とし、温度100℃に昇温後、50wt%水酸化カリウム水溶液224g(KOH/K2SiF6モル比:5.00)を30分かけて滴下した。滴下終了後、析出していたシリカが溶解し始め、30分後に完全溶解して回収することはできなかった。
実験例1と同様の方法で得られたケイフッ化水素酸カリウム塩88.0gと水350gを攪拌機付500mlフラスコに仕込み、スラリー状態とし、温度100℃に昇温後、50wt%水酸化カリウム水溶液202g(KOH/K2SiF6モル比:4.50)を30分かけて滴下した。滴下終了後、析出していたシリカが一部溶解し始め、残りのシリカはフラスコ壁に凝集して固着、取り出し不可となり回収することはできなかった。
実験例1と同様の方法で得られたケイフッ化水素酸カリウム塩88.0gと水132gを攪拌機付500mlフラスコに仕込み、スラリー濃度40wt%状態とし、温度100℃に昇温後、50wt%水酸化カリウム水溶液184g(KOH/K2SiF6モル比:4.10)を30分かけて滴下した。滴下終了後、シリカはフラスコ内で凝集固着して取り出し回収不能となった。
攪拌機付500mlフラスコに50wt%水酸化カリウム水溶液184gと水132gを仕込み均一溶液とし、温度100℃に昇温後、実験例1と同様の方法で得られたケイフ
ッ化水素酸カリウム塩88gを30分かけて分割投入した(KOH/K2SiF6モル比:4.10)。投入直後はシリカは生成せず、投入終了後、シリカはフラスコ内で凝集固着して取り出し回収不能となった。
実験例9と同様の方法で得られたフッ化カリウム水溶液を攪拌機付500mlガラス製反応器に仕込み、バス温度150℃の温度で常圧系にてフッ化カリウム濃度が60wt%
以上になるまで水留去を実施した。濃度が上昇するとフッ化カリウムはスラリー化せず、撹拌翼、フラスコ壁に固着し、取り出し回収不能となった。
実験例9と同様の方法で得られたフッ化カリウム水溶液を攪拌機付500mlガラス製反応器に仕込み、バス温度135℃、圧力42.6kPa(320Torr)の減圧下、内温11
0〜120℃でフッ化カリウム濃度が60wt%以上になるまで水留去を実施した。フッ化カリウムは析出したが、一部フラスコ壁に付着し、回収が容易ではなかった。
Claims (3)
- ケイフッ化水素酸を含むフッ硝酸水溶液と硝酸塩とを接触させ、ケイフッ化水素酸塩を析出させ、固液分離にて該ケイフッ化水素酸塩を分離し、得られる残液を蒸留塔に供給し、硫酸の存在下でフッ化水素酸と硝酸とを分離し、それぞれ回収する、フッ化水素酸と硝酸の回収方法であって、更に、前記ケイフッ化水素酸塩をアルカリと接触させ、シリカとフッ化水素酸塩に分離する工程を含む、フッ化水素酸と硝酸の回収方法。
- 前記アルカリが、アルカリ炭酸塩又はアルカリ水酸化物である、請求項1に記載の方法。
- 前記アルカリ炭酸塩が炭酸カリウム又は炭酸ナトリウムであり、前記アルカリ水酸化物が水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムである、請求項2に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016019945A JP6728731B2 (ja) | 2016-02-04 | 2016-02-04 | フッ化水素酸と硝酸の回収方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016019945A JP6728731B2 (ja) | 2016-02-04 | 2016-02-04 | フッ化水素酸と硝酸の回収方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020072895A Division JP2020121310A (ja) | 2020-04-15 | 2020-04-15 | フッ化水素酸と硝酸の回収方法 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017137221A JP2017137221A (ja) | 2017-08-10 |
JP2017137221A5 JP2017137221A5 (ja) | 2019-02-21 |
JP6728731B2 true JP6728731B2 (ja) | 2020-07-22 |
Family
ID=59565336
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016019945A Active JP6728731B2 (ja) | 2016-02-04 | 2016-02-04 | フッ化水素酸と硝酸の回収方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6728731B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111232927A (zh) * | 2020-03-09 | 2020-06-05 | 广东水清环保科技有限公司 | 一种废酸回收方法与系统 |
CN112357926A (zh) * | 2020-11-03 | 2021-02-12 | 陕西中环信环保科技有限公司 | 利用含氟硝酸蚀刻液制备氟硅酸钾和硝酸的装置及方法 |
CN116425168A (zh) * | 2023-05-31 | 2023-07-14 | 云南云天化股份有限公司 | 一种利用光伏含氟废酸制备氟硅酸钾与氟化钙的方法 |
-
2016
- 2016-02-04 JP JP2016019945A patent/JP6728731B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2017137221A (ja) | 2017-08-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4848683B2 (ja) | 高純度の4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンの製造方法 | |
JP4848684B2 (ja) | 高純度の4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンの製造方法 | |
CN109336068B (zh) | 一种粗硒渣中除碲的方法 | |
JP6728731B2 (ja) | フッ化水素酸と硝酸の回収方法 | |
CN110482572A (zh) | 一种废铝蚀刻液的分级回收利用方法 | |
CN103733416A (zh) | 四氟硼酸锂溶液的制造方法 | |
CN110637002B (zh) | 六氟-1,3-丁二烯的制造方法 | |
KR20160065820A (ko) | 오불화인의 정제 방법 | |
KR101004976B1 (ko) | 퍼플루오로 알칸 술폰 산 칼륨과 그 제조 방법 | |
JP2009019019A (ja) | 4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンの製造方法 | |
US20060073088A1 (en) | High purity phosphoric acid and method for production thereof | |
JP5891598B2 (ja) | フルオロスルホン酸リチウムの製造方法、およびフルオロスルホン酸リチウム | |
JP2020121310A (ja) | フッ化水素酸と硝酸の回収方法 | |
JP5421088B2 (ja) | 廃液から有価物と塩酸を製造する方法 | |
CN106629604A (zh) | 一种利用氯硅烷残液制取气相氯化氢的方法 | |
JP5756999B2 (ja) | ビス(ペルフルオロアルカンスルホン)イミド塩の製造方法 | |
RU2424187C1 (ru) | Способ получения высокочистого фторида бария | |
JPH06298720A (ja) | フルオロアルキルスルホン酸の精製方法 | |
JP5318437B2 (ja) | 金属フッ化物の精製方法 | |
JP4535269B2 (ja) | 水素の製造装置及び水素の製造方法 | |
JP2011178586A (ja) | 多結晶シリコンの精製方法 | |
JPH06263715A (ja) | 高純度メタンスルホニルフロライドの製造法 | |
TW201708100A (zh) | 一種廢酸液循環使用之製程 | |
JP4554917B2 (ja) | シリコンウエハーエッチング用苛性アルカリ水溶液の回収再生方法およびそれによって回収された苛性アルカリ水溶液 | |
JPH05382B2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20170421 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20181018 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190111 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190822 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190827 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20191023 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200310 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200415 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20200415 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20200602 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20200615 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6728731 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |