JP6728727B2 - 車両用表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に用いられ又は設けられる表示装置(車両用表示装置)に関し、特に、後方車両の接近を乗員に報知可能な車両用表示装置に関する。
例えば特許文献1は、車両用表示装置として、車両情報投影システムを開示し、その車両情報投影システムは、車両のウインドシールド(フロントガラス)に、その車両(自車両)が走行している走行車線に隣接する隣接車線の注意度合いを投影することができる。具体的には、自車両の後方に車両(後方車両)が存在する時に、車両情報投影システムは、後方車両の注意度合いを表す軌跡映像(表示情報)の虚像が実際の隣接車線と重なるように、隣接車線の注意度合いを表示することができる。
ここで、ウインドシールドに投影される軌跡映像(矢印)の範囲、即ち、矢印の長さは、注意度合いが高い程、長い。言い換えれば、長い矢印の虚像は、運転者の視点で高い注意度合いを有する隣接道路と重ねられている。なお、表示情報のウインドシールドへの投影又は表示は、一般に、ヘッドアップディスプレイ(HUD:Head−Up Display)と当業者に呼ばれている。
特開2015−99469号公報
特許文献1の車両情報投影システムでは、長い矢印を表示するために、車両のウインドシールドに投影される表示範囲は、広く又は大きくなってしまう。しかしながら、ウインドシールドでの表示範囲を広く又は大きくするためには、車両のダッシュボード(インストルメントパネル)に搭載又は設置される表示器(投影器)のスペースが大きくなってしまう。言い換えれば、そのスペースは、一般に、車両の種類によって制限されて、ウインドシールドでの表示範囲は、ウインドシールドの一部に制限されてしまう。
また、ウインドシールドでの表示範囲を広く又は大きくする時に、その表示範囲を決定する表示器を備える車両情報投影システム(車両用表示装置)の製造コストは、増加してしまう。言い換えれば、表示器の製造コストの増加を抑制するために、ウインドシールドでの表示範囲は、ウインドシールドの一部に制限されることがある。
ウインドシールドでの表示範囲がウインドシールドの一部に制限される時に、車両の運転者は、特許文献1の車両情報投影システムでの注意度合いの投影又は表示である矢印の長さを認識し難い。言い換えれば、ウインドシールドでの表示範囲がウインドシールドの一部に制限される時に、特許文献1の車両情報投影システムでの注意度合いの投影又は表示に起因する情報量は、制限され又は少なくなるので、その注意度合いの投影又は表示は、効率的に実行する必要がある。
なお、後方車両の注意度合いの表示は、車両情報投影システム(ヘッドアップディスプレイ)に限定されず、例えばメータ表示装置、カーナビゲーション表示装置等の表示装置(非投影型の表示器又はスクリーンを有しない表示器)でも行うことが可能であり、このような表示装置の表示範囲が狭い又は小さい時に、その注意度合いの表示は、効率的に実行する必要がある。
本発明の1つの目的は、後方車両の注意度合いを表す表示情報を効率的に表示可能である車両用表示装置を提供することである。本発明の他の目的は、以下に例示する態様及び最良の実施形態、並びに添付の図面を参照することによって、当業者に明らかになるであろう。
以下に、本発明の概要を容易に理解するために、本発明に従う態様を例示する。
第1の態様において、車両用表示装置は、
後方車両が自車両の後方に存在することを表す後方車両情報を取得可能である後方車両情報取得部と、
前記後方車両情報に基づき前記後方車両の注意度合いを判定する処理部と、
前記注意度合いを表す表示情報を表示可能な表示部と、
を備え、
前記表示情報が、前記自車両又は前記後方車両の進行方向の移動を表す進行動画像要素と前記進行動画像要素の背景色の点滅を表す背景動画像要素とを含むように、前記処理部は、前記表示情報を生成可能である。
第1の態様では、車両用表示装置によって表示される表示情報が、進行方向の移動を示す進行動画像要素と背景色の点滅を表す背景動画像要素とを含んでいる。言い換えれば、第1の態様での表示情報は、例えば特許文献1で開示されるような1つの矢印(1つの画像要素)ではなく、複数の動画像要素を含んでいる。特に、第1の態様での表示情報は、進行方向の移動を示す進行動画像要素の背景色の点滅を表す背景動画像要素を含んでいるので、その注意度合いの表示は、乗員にとって認識し易く、従って、このような表示は、効率的に実行することができる。
第1の態様において、
前記進行方向が移動する移動速度は、可変値であり、
前記背景色が点滅する点滅周波数は、前記注意度合いの程度が高い程、大きく、
前記移動速度が一定であると前記自車両の乗員によって認識されるように、前記移動速度は、前記点滅周波数が大きい程、低い。
第1の態様では、進行方向の移動を示す進行動画像要素の背景色の点滅周波数だけでなく、進行方向の移動速度(設定移動速度)も、注意度合いに応じて決定されている。但し、進行方向の移動速度(設定移動速度)は、注意度合いに応じて直接的ではなく、間接的に決定されている。言い換えれば、進行方向の移動速度(設定移動速度)は、背景色の点滅周波数に基づき、また、移動速度(認識移動速度)が一定であると自車両の乗員によって認識されるように調整されている。従って、高い点滅周波数が設定される時に、移動速度(設定移動速度)が高くならないので、進行動画像要素と背景動画像要素とを含む表示情報は、乗員にとって認識し易い。
なお、仮に、進行方向の移動速度(設定移動速度)が固定されて、高い点滅周波数が設定される場合には、高い点滅周波数の影響で、自車両の乗員は、移動速度(認識移動速度)が高くなることを認識(錯覚)してしまう。言い換えれば、このような錯覚に鑑み、第1の態様では、高い点滅周波数が設定される時に、移動速度(認識移動速度)が乗員によって一定であると認識(錯覚)されるように、進行方向の移動速度(設定移動速度)は、低くされる。移動速度(認識移動速度)が一定である時に、進行動画像要素と背景動画像要素とを含む表示情報は、乗員にとってより一層認識し易い。
第1の態様に従属する第4の態様において、
前記点滅周波数の下限は、0.75[Hz]以上であってもよく、
前記点滅周波数の上限は、10[Hz]以下であってもよい。
第4の態様では、注意度合いに応じて決定される点滅周波数は、0.75[Hz]から10[Hz]までの範囲内に限定されている。仮に、点滅周波数が例えば0.375[Hz]である時に、低い点滅周波数による点滅の存在を自車両の乗員が認識するために要する時間が長くなってしまう。点滅周波数が例えば0.375[Hz]から0.75[Hz]まで増加する時に、乗員による認識時間は、徐々に減少する一方、点滅周波数が0.75[Hz]以上である時に、乗員による認識時間は、一定である。この知見を考慮すれば、点滅周波数の下限が0.75[Hz]以上である時に、点滅の存在は、乗員にとって認識し易い。
しかしながら、点滅周波数が10[Hz]を超える時に、点滅の存在は、乗員にとって認識し難い。言い換えれば、乗員は、点滅を常時点灯として認識することがある。従って、点滅周波数の上限は、10[Hz]以下であることが好ましい。
第1の態様に従属する第5の態様において、
前記点滅周波数の下限は、1[Hz]以上であってもよく、
前記点滅周波数の上限は、4[Hz]以下であってもよい。
第5の態様では、注意度合いに応じて決定される点滅周波数は、1[Hz]から4[Hz]までの範囲内に限定されている。仮に、点滅周波数が例えば0.75[Hz]から1[Hz]まで増加する時に、乗員は、その変化を認識し難い。言い換えれば、点滅周波数の下限が1[Hz]以上である時に、点滅周波数の変化に基づく注意度合いの変化は、乗員にとって認識し易い。
また、点滅周波数が4[Hz]を超える時に、乗員は、点滅にちらつき(flicker)を認識することがある。従って、点滅周波数の上限は、4[Hz]以下であることが好ましい。
第1乃至第3の何れか1つの態様に従属する第6の態様において、
前記進行動画像要素は、くの字状の形状又は矢印状の先端部の形状であってもよい。
第6の態様では、進行動画像要素として、くの字状の形状又は矢印状の先端部の形状を設定することができる。これにより、乗員は、進行方向を容易に認識することができる。
第6の態様に従属する第7の態様において、
前記くの字状の前記形状又は前記矢印状の前記先端部の前記形状の数は、複数であってもよく、
複数の前記くの字状又は前記矢印状の前記先端部は、前記進行方向に並んで移動してもよい。
第7の態様では、進行動画像要素として、複数のくの字状の形状又は複数の矢印状の先端部の形状を設定することができ、それらが進行方向に並んで移動する。これにより、乗員は、進行方向をより一層容易に認識することができる。
第7の態様に従属する第8の態様において、
1つの前記くの字状又は前記矢印状の前記先端部が1つ隣の前記くの字状又は前記矢印状の前記先端部まで移動する移動周波数の下限は、0.75[Hz]以上であってもよく、
前記移動周波数の上限は、10[Hz]以下であってもよい。
第8の態様では、進行動画像要素の移動周波数は、0.75[Hz]から10[Hz]までの範囲内に限定されている。移動周波数の下限が0.75[Hz]以上である時に、移動の存在は、乗員にとって認識し易い。しかしながら、移動周波数が10[Hz]を超える時に、移動の存在は、乗員にとって認識し難い。従って、移動周波数の上限は、10[Hz]以下であることが好ましい。
第7の態様に従属する第9の態様において、
1つの前記くの字状又は前記矢印状の前記先端部が1つ隣の前記くの字状又は前記矢印状の前記先端部まで移動する移動周波数の下限は、1[Hz]以上であってもよく、
前記移動周波数の上限は、4[Hz]以下であってもよい。
第9の態様では、進行動画像要素の移動周波数は、1[Hz]から4[Hz]までの範囲内に限定されているので、移動の存在は、乗員にとってより一層認識し易い。
第1の態様、第4乃至第9の何れか1つの態様に従属する第10の態様において、
前記後方車両情報は、前記自車両と前記後方車両との間の相対速度及び/又は相対距離に基づいてもよく、
前記処理部は、前記相対速度及び/又は前記相対距離に基づき前記後方車両の前記注意度合いの表示形式を判定してもよく、
前記処理部は、前記表示形式に応じて変化する前記表示情報を生成可能であってもよい。
第10の態様では、相対速度及び/又は相対距離に基づき、後方車両の注意度合いの表示形式が判定される。これにより、表示情報は、後方車両の注意度合いの表示形式(相対速度及び/又は相対距離)に応じて変化し、運転者は、表示情報の変化で、後方車両の注意度合い(例えば高い注意度合い、低い注意度合いなど)をより一層判断し易い。
当業者は、例示した本発明に従う態様が、本発明の精神を逸脱することなく、さらに変更され得ることを容易に理解できるであろう。
本発明に従う車両用表示装置(車両情報投影システム)の概略構成例を示す。 図2(A)は、図1のウインドシールドを介して認識される実際の風景の1例を示し、図2(B)及び図2(C)の各々は、図2(A)のウインドシールドの一部に設定される表示範囲に投影される車両情報の1例を示し、図2(D)は、図1のウインドシールドを用いない非投影型の表示器の表示範囲に表示される車両情報の1例を示す。 図3(A)は、図2(B)〜2(D)中の車両情報の具体的構成例を示し、図3(B)は、図3(A)の背景色の点滅の点滅周期(背景動画像要素の説明図)を示す。 車両情報の注意度合いの表示形式を決定するためのテーブルの1例を示す。
以下に説明する最良の実施形態は、本発明を容易に理解するために用いられている。従って、当業者は、本発明が、以下に説明される実施形態によって不当に限定されないことを留意すべきである。
図1は、本発明に従う車両用表示装置の概略構成例を示す。図1に示されるように、車両用表示装置は、例えば車両情報投影システムで構成され、その車両情報投影システムは、例えば撮像部103及び表示機構100を備えている。撮像部103は、車両(自車両)の前方に存在する道路(道路上の実際の風景)を撮像可能である。表示機構100は、車両のウインドシールド101の一部に設定される表示範囲に車両情報を投影して、車両の運転者の視点102で車両情報の虚像Vが実際の風景と重なるように車両情報を表示範囲に表示可能である。このような車両情報投影システムは、一般に、HUDシステムと呼ばれている。図1の表示機構100は、例えば表示器20及び反射器21を有している。表示機構100は、一般に、HUD又はHUD装置と呼ばれている。表示機構100は、典型的にはダッシュボードの内部に収納されているが、表示機構100の全部又は一部がダッシュボードの外部に配置されてもよい。
図1において、表示器20は、例えばウインドシールド101(スクリーン)に車両情報を投影するので、投影器(投影型の表示器)と呼ばれてもよい。しかしながら、図1の表示機構100は、非投影型の表示器に変更されてもよく、この場合、表示機構100は、反射器21を有しなくてもよい。言い換えれば、図1において、車両情報投影システム又は車両用表示装置の表示部は、表示機構100(投影型の表示部)であるが、例えばメータ表示装置、カーナビゲーション表示装置等の表示装置の表示部(非投影型の表示部)に変更されてもよい。
表示機構100又は表示部によって投影又は表示される車両情報は、典型的には、自車両に関連する情報であり、1例として、例えば後方車両情報を含むことができる。また、車両情報は、例えば車線情報を更に含んでもよい。後方車両情報は、自車両の後方に存在する後方車両に関連する情報であり、典型的には、後方車両が自車両の後方に存在することを表すことができる。車線情報は、自車両の周囲又は前方に存在する車線に関連する情報であり、典型的には、自車両が走行している走行車線とその走行車線の片側又は両側に隣接する少なくとも1つの隣接車線との間の少なくとも1つの境界線(例えば点線の白線、実線の白線)が、自車両の前方に存在することを表すことができる。もちろん、車両情報は、後方車両情報及び車線情報以外の他の車両情報を含むことができ、また、後方車両情報だけを含んでもよい。なお、後方車両情報が後方車両の注意度合いを表し、且つ表示範囲に表示される時に、このような後方車両情報は、表示情報と呼ばれてもよい。
図1の車両情報投影システムは、例えば情報取得部Sを更に備え、情報取得部Sは、少なくとも後方車両情報取得部360を有している。後方車両情報取得部360は、後方車両(図示せず)が自車両の後方に存在することを表す後方車両情報を取得可能である。図1の情報取得部Sは、後方車両情報取得部360だけでなく、車線変更情報取得部を有し、ここで、車線変更情報取得部は、自車両が自車両の走行車線から走行車線に隣接する隣接車線に変更することを表す車線変更情報を取得可能である。なお、車線変更情報は、自車両が自車両の走行車線から走行車線に隣接する隣接車線に変更する予定(車線変更の開始)を含む一方、車線変更情報は、自車両が自走行車線から隣接車線に変更し終える(車線変更の終了)を含まなくてもよい。
図1において、車線変更情報取得部は、例えば道路情報取得部320、指示情報取得部340及び舵角情報取得部370で構成される。もちろん、車線変更情報取得部は、道路情報取得部320、指示情報取得部340、若しくは舵角情報取得部370だけであってもよく、又はそれらの任意の組み合わせであってもよい。また、車線変更情報取得部は、図1で示される組み合わせに限定されず、他の情報取得部が採用されてもよい。
図1の車両情報投影システムは、例えば表示コントローラ200を更に備え、表示コントローラ200は、少なくとも処理部Pを有している。なお、表示コントローラ200は、典型的にはダッシュボードの内部に収納されているが、表示コントローラ200の全部又は一部がダッシュボードの外部に配置されてもよい。表示機構100及び表示コントローラ200の組み合わせは、HUD又はHUD装置と呼ばれてもよい。図1の処理部Pは、例えば判定部210及び生成部220で構成され、処理部P又は判定部210は、例えば指示情報取得部340等の車線変更情報取得部によって取得される車線変更情報及び後方車両情報取得部360によって取得される後方車両情報に基づき、後方車両の注意度合いを判定することができる。
もろろん、車両情報投影システムは、指示情報取得部340等の車線変更情報取得部を備えなくてもよく、この場合、車両情報投影システムは、後方車両情報取得部360によって取得される後方車両情報に基づき、後方車両の注意度合いを判定することができる。言い換えれば、注意度合いの判定は、簡易化されてもよい。
図1の車両情報投影システムにおいて、ウインドシールド101に投影される車両情報が後方車両の注意度合いを含み且つその車両情報の虚像Vが隣接車線と重なるように、処理部P又は生成部220は、その車両情報を生成可能である。もろろん、車両情報投影システムは、隣接車線を含む道路を撮像可能な撮像部103を備えなくてもよく、この場合、車両情報投影システムは、後方車両の注意度合いを表す車両情報(表示情報)を表示範囲に投影又は表示することができる。言い換えれば、後方車両の注意度合いを表す車両情報(表示情報)の表示は、簡易化されてもよい。図1の他の構成については、後述する。
図2(A)は、図1のウインドシールド101を介して認識される実際の風景の1例を示し、図2(B)及び図2(C)の各々は、図2(A)のウインドシールド101の一部に設定される表示範囲ARに投影される車両情報NTの1例を示し、図2(D)は、図1のウインドシールドを用いない非投影型の表示器の表示範囲AR'に表示される車両情報NTの1例を示す。なお、例えば図2(B)及び図2(C)において、表示範囲ARは、ウインドシールド101を構成するガラス面上に設定されているが、表示範囲ARは、ウインドシールド101の近くの例えばダッシュボード又は例えば室内の天井に配置されるコンバイナで形成されてもよい。言い換えれば、図1に示されるような運転者の視点102で、ウインドシールド101の一部に表示範囲ARが設定されるように、コンバイナが配置されてもよい。
図2(A)において、運転者の視点102で例えば片側3車線道路(実際の風景)が認識されるとともに、撮像部103は、その片側3車線道路を撮像可能である。1例として、片側3車線道路は、自車両の走行車線L2と左側の隣接車線L1と右側の隣接車線L3とを含んでいる。片側3車線道路は、2つの境界線(例えば実線の白線WL1,WL4)によって規定され、走行車線L2と左側の隣接車線L1との間にはもう1つの境界線(例えば点線の白線WL2)が設定され、走行車線L2と右側の隣接車線L3との間には他の境界線(例えば点線の白線WL3)が設定されている。
図2(B)において、車線情報WR1を表す車両情報(表示情報)の虚像は、運転者の視点102で、図2(A)の自車両の走行車線L2と左側の隣接車線L1との間の例えば点線の白線WL2(実際の風景)と重なっている。言い換えれば、表示コントローラ200は、例えば撮像部103によって撮像される点線の白線WL2の形状に基づき車線情報WR1の形状を決定している。同様に、車線情報WR2を表す車両情報(表示情報)の虚像は、運転者の視点102で、図2(A)の自車両の走行車線L2と右側の隣接車線L3との間の例えば点線の白線WL3(実際の風景)と重なっている。
なお、図1の車両情報投影システムが撮像部103を備えない時に、表示コントローラ200は、車線情報WR1,WR2を生成しなくてもよく、表示機構100(投影型の表示部)は、車線情報WR1,WR2を表示範囲ARに投影しなくてもよい。もちろん、車両情報投影システムが撮像部103を備える時に、表示コントローラ200は、車線情報WR1,WR2を生成しないで、例えば左側の隣接車線L1の位置等の基準位置(表示範囲ARにおいて車両情報NTの位置を決定するための位置)だけを決定してもよい。
図2(B)において、後方車両の注意度合いを表す車両情報NT(表示情報)の虚像は、運転者の視点102で、図2(A)の左側の隣接車線L1と重なっている。言い換えれば、表示コントローラ200は、例えば撮像部103によって撮像される左側の隣接車線L1に基づき車両情報NTの位置を決定するとともに、例えば後方車両情報取得部360によって取得される後方車両情報(左側の隣接車線L1を走行する後方車両(図示せず)の接近)に基づき車両情報NT(表示情報)の動きを決定している。車両情報NT(表示情報)は、後方車両の進行方向の移動を表す進行動画像要素(例えば4つの矢印状の先端部(図2(B)参照))と、その進行動画像要素の背景色の点滅を表す背景動画像要素と、を含んでいる。
なお、仮に、後方車両が自車両に接近しない場合には、表示範囲ARにおいて車両情報NTが表示されなくてもよい。代替的に、仮に、自車両に接近する後方車両が右側の隣接車線L3を走行する場合には、車両情報NTは、右側の隣接車線L1と重なることができる。
図2(B)において、自車両に接近する後方車両が左側の隣接車線L1を走行する時に、自車両の車線変更の有無と無関係に、車両情報NT(表示情報)が表示範囲ARに投影又は表示される。しかしながら、図1の車両情報投影システムは、指示情報取得部340等の車線変更情報取得部を備えることが好ましい。言い換えれば、自車両に接近する後方車両が左側の隣接車線L1を走行し、且つ自車両の左側の隣接車線L1への車線変更が検出される時に、車両情報NT(表示情報)が表示範囲ARに投影又は表示されることが好ましい。
図2(C)において、後方車両の注意度合いを表す車両情報NT(表示情報)の虚像は、運転者の視点102で、図2(A)の左側の隣接車線L1ではなく、自車両の走行車線L2と重なっている。図2(B)の車両情報NTは、図2(A)の左側の隣接車線L1と重なるので、図2(B)の表示範囲ARは、広い。他方、図2(C)の表示範囲ARは、狭く、従って、車両情報NTは、自車両の走行車線L2と重なっている。言い換えれば、表示範囲ARが狭い時に、表示コントローラ200は、例えば左側の隣接車線L1の位置を決定しなくてもよく、表示範囲ARにおいて車両情報NTの位置を固定することができる。同様に、表示コントローラ200は、例えば撮像部103によって撮像される点線の白線WL2の形状に基づき車線情報WR1の形状を決定しなくてもよく、表示範囲ARにおいて車線情報WR1,WR2の位置を固定することができる。
車両情報NTの位置が固定される状態で、自車両が走行車線L2を直進する時に、車両情報NT(表示情報)の虚像は、運転者の視点102で、自車両の走行車線L2と重なっている。従って、例えば4つの矢印状の先端部によって表される方向は、自車両の進行方向と呼ばれてもよい。仮に、車両情報NTの位置が固定される状態で、自車両が左側の隣接車線L1に向かって斜めに進む場合には、車両情報NT(表示情報)の虚像は、運転者の視点102で、左側の隣接車線L1に重なってもよい。
ところで、図1の表示機構100(投影型の表示部)は、例えばメータ表示装置、カーナビゲーション表示装置等の表示装置の表示部(非投影型の表示部)に変更されてもよい。図2(D)において、車両情報NT(表示情報)は、非投影型の表示部の一部又は全部に設定される表示範囲AR'に表示されている。表示範囲AR'の車両情報NT(表示情報)は、実際の風景と重ならなくてもよく、従って、表示範囲AR'において車両情報NTの位置を固定することができる。同様に、表示範囲AR'において車線情報WR1,WR2の位置を固定することができる。
図2(D)において、表示範囲AR'を提供する表示装置は、典型的には、例えばメータ表示装置であり、そのメータ表示装置は、図示されないメータ情報(例えば車速等)を他の表示範囲(図示せず)に表示することができる。好ましくは、メータ表示装置は、自車両のクルーズコントロール機能に関連する情報として、例えば自車両を表す自車両情報CA1及び自車両の前方に存在する車両(前方車両)を表す前方車両情報CA2を表示範囲AR'に表示することができる(図2(D)参照)。
もろろん、表示範囲AR'には、自車両情報CA1、前方車両情報CA2等の車両情報が表示されなくてもよい。同様に、表示範囲AR'には、車線情報WR1,WR2が表示されなくてもよい。表示範囲AR'には、後方車両の注意度合いを表す車両情報NTだけが表示されてもよい。
図3(A)は、図2(B)〜2(D)中の車両情報NTの具体的構成例を示し、図3(B)は、図3(A)の背景色の点滅の点滅周期(背景動画像要素BGの説明図)を示す。図3(A)に示されるように、後方車両又は自車両の進行方向の移動を表す進行動画像要素は、例えば4つの矢印状の先端部K1,K2,K3,K4で構成され、4つの矢印状の先端部K1,K2,K3,K4は、並んでいる又は連続している。もちろん、進行動画像要素は、1つの矢印状の先端部だけを含んでもよいが、複数の矢印状の先端部を含むことが好ましい。また、複数の矢印状の先端部の数は、「4」に限定されず、表示範囲AR,AR'の大きさに応じて決定することができる。
図3(A)において、進行動画像要素が先端部K1,K2,K3,K4の形状で進行方向の移動を表すように、例えば先端部K1の位置は、先端部K2の位置まで徐々に移動する予定であり、その後に、先端部K3の位置まで徐々に更に移動する予定であり、その後に、先端部K4の位置まで徐々に更に移動する予定である。仮に、先端部K1の位置が先端部K2の位置に移動する時に、先端部K2、先端部K3及び先端部K4の位置は、それぞれ先端部K2、先端部K3及び先端部K4の位置に移動することが好ましい。言い換えれば、後方車両が自車両に接近している間、一群の先端部K1,K2,K3,K4が進行方向に向かって継続的に並んで移動することが好ましい。
図3(A)又は図2(B)〜2(D)において、自車両に接近する後方車両は、図2(A)の左側の隣接車線L1を走行している。仮に、自車両に接近する後方車両が図2(A)の右側の隣接車線L3を走行する場合には、図2(B)〜2(D)の後方車両の注意度合いを表す車両情報NT(表示情報)の位置は、車線情報WR2の右側に配置され、図3(A)の4つの矢印状の先端部K1,K2,K3,K4の各々は、図2(B)〜2(D))の表示範囲AR,AR'の上下方向に延びる中心線(図示せず)等の基準線に対して、左右反転することになる。言い換えれば、例えば矢印状の先端部K1(逆くの字)を左右反転する時に、その左右反転された先端部K1(図示せず)は、くの字状となる。
くの字は、不等号である「<」を意味し、逆くの字は、もう1つの不等号である「>」を意味し、くの字状(「く」、「く」の左右反転、「<」、「>」等を含む)は、矢印状の先端部であって、乗員(人間)は、くの字状の方向又は矢印状の先端部の方向を認識することができる。仮に、進行動画像要素が進行方向を表さない場合には、言い換えれば、進行動画像要素が例えば記号「|」を含む場合には、記号「|」を後方車両又は自車両の進行方向に移動させる状態で、乗員は、記号「|」が移動する方向が逆であることを認識(錯覚)することがある。
図3(A)において、4つの矢印状の先端部K1,K2,K3,K4の各々は、対応する周辺部J1,J2,J3,J4を有することが好ましい。言い換えれば、先端部K1,K2,K3,K4は、例えば黄色を有し、先端部K1,K2,K3,K4の背景色が例えばアンバーである時に、周辺部J1,J2,J3,J4の色は、背景色に近づける又は一致させることが好ましい。これにより、先端部K1,K2,K3,K4の移動は、乗員にとって認識し易くなる。
図3(B)に示されるように、背景動画像要素BGの明度は、変化し、従って、背景動画像要素BGは、先端部K1,K2,K3,K4の背景色の点灯として、乗員にとって認識される。例えば時刻T0から時刻T2までの期間である点滅周期は、後方車両の注意度合いに応じて決定される。点滅周期の逆数である点滅周波数(1秒当たりに例えば最小明度が存在する数)は、後方車両の注意度合いが高い程、大きいことが好ましい。
図3(A)に示される後方車両又は自車両の進行方向の移動周波数(例えば先端部K1の位置が1つ隣の位置又は次の位置(例えば先端部K2の位置)まで移動するのに要する時間である移動周期の逆数)は、例えば固定値である。言い換えれば、進行方向が移動する移動速度(設定移動速度)が例えば固定値に設定される時に、その移動速度(設定移動速度)は、後方車両の注意度合いに無関係である又は依存しない。
進行方向の移動を示す進行動画像要素の背景色の点滅周波数だけが、注意度合いに応じて決定される時に、進行動画像要素と背景動画像要素BGとを含む車両情報NT(表示情報)は、乗員にとって認識し易い。言い換えれば、仮に、進行方向の移動速度(設定移動速度)を固定しないで、速い移動速度(設定移動速度)及び高い点滅周波数が設定される場合には、車両情報NTは、乗員にとって認識し難いことがある。
代替的に、後方車両又は自車両の進行方向の移動周波数は、固定値の代わりに、可変値であってもよい。この場合、進行方向の移動を示す進行動画像要素の背景色の点滅周波数だけでなく、進行方向の移動速度(設定移動速度)も、後方車両の注意度合いに応じて決定されている。但し、進行方向の移動速度(設定移動速度)は、後方車両の注意度合いに応じて直接的ではなく、間接的に決定されている。言い換えれば、進行方向の移動速度(設定移動速度)は、背景色の点滅周波数に基づき、また、移動速度(認識移動速度)が一定であると自車両の乗員によって認識されるように調整されている。従って、高い点滅周波数が設定される時に、移動速度(設定移動速度)が高くならないので、進行動画像要素と背景動画像要素BGとを含む車両情報NT(表示情報)は、乗員にとって認識し易い。
なお、仮に、後方車両又は自車両の進行方向の移動速度(設定移動速度)が固定されて、高い点滅周波数が設定される場合には、高い点滅周波数の影響で、自車両の乗員は、移動速度(認識移動速度)が高くなることを認識(錯覚)してしまう。言い換えれば、このような錯覚に鑑み、高い点滅周波数が設定される時に、移動速度(認識移動速度)が乗員によって一定であると認識(錯覚)されるように、後方車両又は自車両の進行方向の移動速度(設定移動速度)は、低くされることが好ましい。移動速度(認識移動速度)が一定である時に、進行動画像要素と背景動画像要素BGとを含む車両情報NT(表示情報)は、乗員にとってより一層認識し易い。
ところで、後方車両の注意度合いに応じて決定される点滅周波数は、0.75[Hz]から10[Hz]までの範囲内に限定されていることが好ましい。仮に、点滅周波数が例えば0.375[Hz]である時に、低い点滅周波数による点滅の存在を自車両の乗員が認識するために要する時間が長くなってしまう。点滅周波数が例えば0.375[Hz]から0.75[Hz]まで増加する時に、乗員による認識時間は、徐々に減少する一方、点滅周波数が0.75[Hz]以上である時に、乗員による認識時間は、一定である。この知見を考慮すれば、点滅周波数の下限が0.75[Hz]以上である時に、点滅の存在は、乗員にとって認識し易い。
しかしながら、点滅周波数が10[Hz]を超える時に、点滅の存在は、乗員にとって認識し難い。言い換えれば、乗員は、点滅を常時点灯として認識することがある。従って、点滅周波数の上限は、10[Hz]以下であることが好ましい。
更に好ましくは、後方車両の注意度合いに応じて決定される点滅周波数は、1[Hz]から4[Hz]までの範囲内に限定されている。仮に、点滅周波数が例えば0.75[Hz]から1[Hz]まで増加する時に、乗員は、その変化を認識し難い。言い換えれば、点滅周波数の下限が1[Hz]以上である時に、点滅周波数の変化に基づく注意度合いの変化は、乗員にとって認識し易い。また、点滅周波数が4[Hz]を超える時に、乗員は、点滅にちらつき(flicker)を認識することがある。従って、点滅周波数の上限は、4[Hz]以下であることが好ましい。
同様に、進行動画像要素の移動周波数は、0.75[Hz]から10[Hz]までの範囲内に限定されていることが好ましい。更に好ましくは、進行動画像要素の移動周波数は、1[Hz]から4[Hz]までの範囲内に限定されている。
図4は、車両情報NTの注意度合いの表示形式を決定するためのテーブルの1例を示す。例えば図4に示されるように、図1の表示コントローラ200は、自車両と後方車両との間の相対速度及び相対距離に基づき、表示情報(例えば図2(B)の車両情報NT)の注意度合いの表示形式を判定することができる。例えば図4において、例えば3つの表示強度が示されている。具体的には、相対速度は、低速、中速及び高速で分類され、相対距離は、遠距離、中距離及び短距離で分類されている。
1例として、相対速度が例えば10[km/h]以下である時に、その相対速度は、低速に設定される。次に、相対速度が例えば10[km/h]よりも大きく、且つ例えば30[km/h]よりも小さい時に、その相対速度は、中速に設定される。次に、相対速度が例えば30[km/h]以上である時に、その相対速度は、高速に設定される。
具体的には、相対速度が例えば自車両に対する後方車両の相対速度であり、且つ自車両の絶対速度が例えば40[km/h]である時に、その自車両に対する例えば10[km/h]、20[km/h]、30[km/h]、40[km/h]、50[km/h]、60[km/h]及び70[km/h]の絶対速度を有する後方車両の相対速度は、それぞれ、例えば低速(−30[km/h]=10[km/h]−40[km/h])、低速(−30[km/h]=10[km/h]−40[km/h])、低速(−20[km/h]=20[km/h]−40[km/h])、低速(−10[km/h]=30[km/h]−40[km/h]、低速(0[km/h]=40[km/h]−40[km/h])、低速(10[km/h]=50[km/h]−40[km/h])、中速(20[km/h]=60[km/h]−40[km/h])及び高速(30[km/h]=70[km/h]−40[km/h])に設定される。
同様に、1例として、相対距離が例えば10[m]以下である時に、その相対距離は、短距離に設定される。次に、相対距離が例えば10[m]よりも大きく、且つ例えば30[m]よりも小さい時に、その相対距離は、中距離に設定される。次に、相対距離が例えば30[m]以上である時に、その相対距離は、遠距離に設定される。また、相対距離は、例えば自車両に対する後方車両の相対距離(後方車両から自車両までの距離)である。
例えば自車両に対する後方車両の相対速度が高速である時に、後方車両の絶対速度は、自車両の絶対速度よりも高く、言い換えれば、後方車両は、自車両に迫って来ているとも言える。従って、例えば自車両に対する後方車両の相対速度が高速である時の注意度合いは、高い方が好ましい。代替的に、例えば自車両に対する後方車両の相対速度が低速である時に、後方車両の絶対速度は、自車両の絶対速度と同程度である、又は自車両の絶対速度よりも遅いとも言え、このような相対速度が低速である時の注意度合いは、低くてもよい。
次に、例えば自車両に対する後方車両の相対距離が短距離である時に、自車両の車線変更後の後方車両との衝突の虞が存在するとも言え、このような相対距離が短距離である時の注意度合いは、高い方が好ましい。代替的に、例えば自車両に対する後方車両の相対距離が遠距離である時に、自車両の車線変更後の後方車両との衝突の可能性は低いとも言え、このような相対距離が遠距離である時の注意度合いは、低くてもよい。図5において、表示強度Iは、例えば低い注意度合いに対応し、表示強度IIIは、例えば高い注意度合い(例えば警告度合い)に対応し、表示強度IIは、例えば中間の注意度合いに対応する。
図4に示される表示形式は、1例に過ぎず、従って、例えば図2(B)の車両情報NTの注意度合いは、相対速度だけに基づいてもよく、或いは、相対距離だけに基づいてもよい。なお、後方車両が検出されない時に、車両情報NTの表示形式は、ゼロ又は表示強度Iよりも低く設定されて、車両情報NTの表示は、停止されることになる。
表示強度III、表示強度II及び表示強度Iは、それぞれ、図3(A)の背景動画像要素BGの点滅周波数4[Hz]、2[Hz]及び1[Hz]に設定することが好ましい。言い換えれば、中間の注意度合いに対応する点滅周波数が2[Hz]に設定される時に、低い注意度合いと中間の注意度合いとの差及び高い注意度合いと中間の注意度合いとの差は、乗員にとってより一層認識し易い。
以下に、図1の他の構成については、説明する。図1において、表示機構100又は表示器20は、ウインドシールド101を介して虚像Vを表示するために、表示コントローラ200又は処理部Pによって制御され、これにより、表示器20は、後方車両の注意度合いを表す車両情報(表示情報)に基づく表示光L(投影光)を生成又は放出することができる。反射器21は、表示器20からの表示光Lの光路をウインドシールド101に導き、運転者は、ウインドシールド101での表示光L(車両情報)を虚像Vとして認識することができる。なお、表示器20は、例えば液晶パネルを有し、図1において、1つの表示器20が示されているが、表示器20は、例えば2つの又は左右の表示器であってもよく、言い換えれば、虚像Vは、運転者の両眼用に三次元の虚像であってもよい。
車両情報投影システムが搭載される車両(自車両)は、図1において例えば自動車であり、自動車は水平線H又は道路の上を走行可能である。運転者の視点102で、図1の虚像Vの高さ又は奥行きは、例えば距離D1から距離D3までの所定距離に設定されている。言い換えれば、運転者の視点102で、虚像Vの下端は、車両から距離D1だけ前方に存在し、虚像Vの上端は、車両から距離D3だけ前方に存在し、虚像Vの上下方向の中点は、車両から距離D2だけ前方に存在している。距離D1、距離D2及び距離D3は、それぞれ、例えば20[m]、例えば30[m]及び例えば50[m]である。
図1において、1つの反射器21が示されているが、反射器21は、例えば2つの反射器であってもよく、言い換えれば、表示器20からウインドシールド101までの表示光Lの光路は、調整されてもよく、距離D1、距離D2及び距離D3は、理想的な運転者の視点102の高さ(理想的な運転者の座高の高さ)及び表示光Lの光路に応じて調整されてもよい。また、反射器21は、一般に、表示器20からの表示光Lを拡大し、加えて、反射器21又は表示コントローラ200(例えば処理部P)は、一般に、ウインドシールド101の一部に設定される表示範囲における歪み(例えばガラス面の歪み)を補正することができる。
図1の表示コントローラ200は、例えば記憶部230を更に備え、記憶部230は、例えば判定部210、生成部220等の処理部Pの処理又は演算に必要な様々なデータを記憶することができる。表示コントローラ200は、典型的には例えばマイクロコンピュータで構成され、例えばCPUと、ROM、RAM等のメモリと、入出力インターフェース等を含むことができる。処理部Pは、典型的にはCPU及びRAM(ワーク領域)で構成され、記憶部230は、典型的にはROM(例えばEEPROM)で構成される。例えば、ROMは、CPUに所定の動作(車両情報投影方法)を実行させるプログラムを記憶してもよく、RAMは、CPUのワーク領域を形成することができる。また、ROMは、例えば車両情報を決定又は演算するために必要なデータを記憶することができる。図1の表示コントローラ200は、車両に配置又は搭載されるLAN300(例えばバス型のLAN)を介して、例えば情報取得部Sに接続されている。表示コントローラ200は、一般に、ECU(Electronic Control Unit)と呼ばれてもよい。
なお、情報取得部Sが複数の情報取得部である時に、言い換えれば、情報取得部Sが例えば後方車両情報取得部360及び例えば舵角情報取得部370等を有する時に、複数の情報取得部の各々(例えば後方車両情報取得部360、舵角情報取得部370等)は、LAN300を介して例えば表示コントローラ200に接続されている。情報取得部Sを構成する各情報取得部(例えば後方車両情報取得部360、舵角情報取得部370等)は、一般に、ECU又はセンサと呼ばれてもよい。
図1において、表示コントローラ200は、LAN300を介して画像処理部310に接続されている。図1の画像処理部310は、例えばCCD等の撮像素子を有する撮像部103から撮像画像を取り込み、撮像画像に基づき例えば車線又は道路を例えばリアルタイムで検出又は抽出することができる。加えて、画像処理部310は、複数の車線間の境界線(例えば点線の白線、実線の白線、実線の黄(オレンジ)色)を検出又は抽出してもよく、また、車両の前方に存在する前方車両(例えば先行車両、対向車両)及び/又は障害物等を検出又は抽出してもよい。撮像部103は、例えばカメラ(前方カメラ)であり、例えば図示されないインナーリアビューミラー(バックミラー)の付近に設置されている。撮像部103は、専用の撮像部であってもよく、共用の撮像部(車両情報投影システムだけでなく例えばクルーズコントロール、ドライブレコーダ等に利用される撮像部)であってもよい。
もちろん、図1の画像処理部310は、省略されてもよく、言い換えれば、表示コントローラ200は、例えばLAN300を介して撮像部103に直接に接続されて、表示コントローラ200又は処理部Pは、それ自身で、撮像画像(実際の風景)に基づき例えば境界線等の対象物を検出又は抽出してもよい。代替的に、情報取得部Sが例えば位置情報取得部330及び道路情報取得部320を有する時に、表示コントローラ200又は処理部Pは、例えばLAN300、位置情報取得部330及び道路情報取得部320を介して、車両の位置(例えば現在位置)に基づく車線、境界線、道路等の対象物の情報(対象物の形状)を検出又は抽出してもよい。
図1の車両情報投影システム又は車両用表示装置が撮像部103を備えてなく、且つクルーズコントロール機能を備える時に、撮像部103の代わりに、例えばレーダ装置、ソナー装置等の前方車両情報取得部が備えられてもよい。
図1の後方車両情報取得部360は、例えばカメラ(後方カメラ)及び例えば画像処理部(後方カメラ用画像処理部)で構成され、車両の後方に存在する後方車両(例えば自動車又は四輪車、オートバイ又は二輪車)を検出又は抽出することができる。もちろん、後方車両情報取得部360は、例えばレーダ装置、ソナー装置等であってもよく、後方車両情報取得部360は、対象物を後方車両として検出又は抽出することができる。代替的に、後方車両情報取得部360は、例えば車車間通信装置、路車間通信機器等であってもよく、後方車両の位置(例えば絶対位置)を検出又は受信してもよい。
後方車両情報取得部360は、好ましくは、それ自身が走行車線の隣の隣接車線を走行する後方車両を検出可能であるように、配置又は設定されている。隣接車線を走行する後方車両は、車両(自車両)に対して例えば左後方又は右方向に位置する後方車両である。また、その後方車両には、例えば自車両に対して自車両を追い越していない例えば左隣又は右隣に位置する後方車両であって、後方車両の一部が自車両の方向に存在する後方車両が含まれている。
図1の後方車両情報取得部360は、後方車両を検出し、好ましくは、車両(自車両)と後方車両との間の相対距離を検出する。図1の後方車両情報取得部360は、更に好ましくは、相対距離だけでなく、車両(自車両)と後方車両との間の相対速度も検出する。もちろん、後方車両情報取得部360は、後方車両の存在だけを検出してもよく、代替的に、後方車両の絶対位置だけを検出してもよく、代替的に、相対速度又は相対距離の何れか一方だけを検出してもよい。後方車両情報取得部360が後方車両の存在(存在検出情報)だけを検出する時に、その後に、表示コントローラ200又は処理部Pは、それ自身で、後方車両の存在検出情報に基づき例えば相対距離及び/又は相対速度を検出又は抽出してもよい。
後方車両情報取得部360が後方車両の例えば絶対速度を検出又は取得する時に、後方車両情報取得部360又は例えば表示コントローラ200(処理部P)は、例えば車速情報取得部350(例えばメータ、車輪速センサなど)で取得される車両(自車両)の絶対速度を考慮して、相対速度を検出又は演算してもよい。
図1の舵角情報取得部370は、車両(自車両)の舵角情報を検出又は取得することができる。舵角情報の中には、自車両のステアリングハンドルが例えば運転者によって操作されることを表す操舵角情報、自車両の転舵輪(例えば前輪)が例えばモータ(図示せず)によって駆動されることを表す転舵角情報等が含まれている。言い換えれば、舵角情報取得部370は、ステアリングハンドル又はステアリングコラムの回転を取得可能である例えば操舵角センサを含み、或いは、例えばモータの軸又は転舵輪の回転を取得可能である例えば転舵角センサを含むことができる。なお、舵角情報取得部370は、LAN300を介して舵角情報を例えば表示コントローラ200(処理部P)に送信可能である例えばパワーステアリング用のECU、横滑り防止用のECU等であってもよい。
次に、図1の指示情報取得部340は、車両(自車両)への指示情報を検出又は取得することができる。指示情報の中には、自車両のウインカ(方向指示器)が例えば運転者によって操作されることを表す方向指示情報等が含まれている。言い換えれば、指示情報取得部340は、ウインカへの操作を出力可能である例えばウインカであってもよい。なお、指示情報取得部340は、LAN300を介して方向指示情報を例えば表示コントローラ200(処理部P)に送信可能である例えばメータ用のECU等であってもよい。
次に、図1の道路情報取得部320は、車両(自車両)の周辺又は例えば前方の道路情報(例えば進行方向の道路情報)を検出又は取得することができる。言い換えれば、道路情報取得部320は、自車両の走行又は進行に応じて変化する画像を解析する例えば画像解析器であってもよい。この画像は、例えば専用カメラで撮像される撮像画像であってもよく、或いは、以下に説明する前方カメラ又は後方カメラで撮像される撮像画像であってもよい。
道路情報取得部320の代わりに、車両進行情報取得部として例えば画像処理部310が採用されてもよい。言い換えれば、画像処理部310(撮像画像解析器)は、例えば撮像部103(前方カメラ)からの撮像画像(前方の道路を表す前方道路撮像画像)に基づき自車両の車線変更(車線変更の度合い)を検出又は抽出してもよい。
代替的に、道路情報取得部320の代わりに、車両進行情報取得部として例えば後方車両情報取得部360が採用されてもよい。言い換えれば、後方車両情報取得部360(撮像画像解析器)は、例えば後方カメラからの撮像画像(後方の道路を表す後方道路撮像画像)に基づき自車両の車線変更(車線変更の度合い)を検出又は抽出してもよい。
ところで、道路情報取得部320は、交通道路情報を検出又は取得してもよい。交通道路情報の中には、自車両が走行している道路が複数の車線を有しているか否か、言い換えれば、その道路で自車両が車線変更できるか否かを表す車線変更道路情報が含まれてもよい。例えば表示コントローラ200の処理部P又は判定部210は、自車両の位置(例えば現在位置)に応じて車線変更道路情報を取得又は更新して、その車線変更道路情報に基づき自車両が車線変更できるか否かを判定してもよい。車線変更道路情報に基づき自車両が車線変更できないことが判定される時に、表示コントローラ200は、例えば画像処理部310の動作を停止させてもよい。道路情報取得部320は、例えばナビゲーション装置であってもよく、位置情報取得部330は、例えばGPSセンサであってもよい。
本発明は、上述の例示的な実施形態に限定されず、また、当業者は、上述の例示的な実施形態を特許請求の範囲に含まれる範囲まで、容易に変更することができるであろう。
20・・・表示器、21・・・反射器、100・・・表示機構、101・・・ウインドシールド、102・・・運転者の視点、103・・・撮像部、200・・・表示コントローラ、210・・・判定部、220・・・生成部、230・・・記憶部、300・・・LAN、310・・・画像処理部、320・・・道路情報取得部、330・・・位置情報取得部、340・・・指示情報取得部、350・・・車速情報取得部、360・・・後方車両情報取得部、370・・・舵角情報取得部、AR,AR'・・・表示範囲、BG・・・背景動画像要素、J1,J2,J3,J4・・・周辺部、K1,K2,K3,K4・・・矢印状の先端部(くの字状)、L・・・表示光、L1,L2,L3・・・車線、NT・・・車両情報(表示情報)、H・・・水平線、P・・・処理部、S・・・情報取得部、V・・・虚像、WL1,WL2,WL3,WL4・・・境界線、WR1,WR2・・・車線情報。

Claims (8)

  1. 後方車両が自車両の後方に存在することを表す後方車両情報を取得可能である後方車両情報取得部と、
    前記後方車両情報に基づき前記後方車両の注意度合いを判定する処理部と、
    前記注意度合いを表す表示情報を表示可能な表示部と、
    を備え、
    前記表示情報が、前記自車両又は前記後方車両の進行方向の移動を表す進行動画像要素と前記進行動画像要素の背景色の点滅を表す背景動画像要素とを含むように、前記処理部は、前記表示情報を生成可能であり、
    前記進行方向が移動する移動速度は、可変値であり、
    前記背景色が点滅する点滅周波数は、前記注意度合いの程度が高い程、大きく、
    前記移動速度が一定であると前記自車両の乗員によって認識されるように、前記移動速度は、前記点滅周波数が大きい程、低いことを特徴とする車両用表示装置。
  2. 前記点滅周波数の下限は、0.75[Hz]以上であり、
    前記点滅周波数の上限は、10[Hz]以下であることを特徴とする請求項1に記載の車両用表示装置。
  3. 前記点滅周波数の下限は、1[Hz]以上であり、
    前記点滅周波数の上限は、4[Hz]以下であることを特徴とする請求項1に記載の車両用表示装置。
  4. 前記進行動画像要素は、くの字状の形状又は矢印状の先端部の形状であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の車両用表示装置。
  5. 前記くの字状の前記形状又は前記矢印状の前記先端部の前記形状の数は、複数であり、
    複数の前記くの字状又は前記矢印状の前記先端部は、前記進行方向に並んで移動することを特徴とする請求項4に記載の車両用表示装置。
  6. 1つの前記くの字状又は前記矢印状の前記先端部が1つ隣の前記くの字状又は前記矢印状の前記先端部まで移動する移動周波数の下限は、0.75[Hz]以上であり、
    前記移動周波数の上限は、10[Hz]以下であることを特徴とする請求項5に記載の車両用表示装置。
  7. 1つの前記くの字状又は前記矢印状の前記先端部が1つ隣の前記くの字状又は前記矢印状の前記先端部まで移動する移動周波数の下限は、1[Hz]以上であり、
    前記移動周波数の上限は、4[Hz]以下であることを特徴とする請求項5に記載の車両用表示装置。
  8. 前記後方車両情報は、前記自車両と前記後方車両との間の相対速度及び/又は相対距離に基づき、
    前記処理部は、前記相対速度及び/又は前記相対距離に基づき前記後方車両の前記注意度合いの表示形式を判定し、
    前記処理部は、前記表示形式に応じて変化する前記表示情報を生成可能であることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の車両用表示装置。
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