〔実施形態1〕
以下、本発明の実施の形態について、図1から図12を用いて詳細に説明する。本発明の一態様に係る電話機1(通信端末装置)の理解を容易にするため、まず、従来の電話機の実行する処理(特に、処理のタイミング)について、図7から図12を用いて説明していく。なお、図7から図9までは、「発信元についての情報を音声出力する機能」(例えば、TTS(Text To Speech)機能)を備えない従来の電話機について説明する図であり、図10から図12までは、「発信元についての情報を音声出力する機能」を備える従来の電話機について説明する図である。また、図7がCAR信号を受信してから自動応答処理を実行する(開始する)前までに実行する各処理のタイミングを説明する図であるのに対して、図8から図12は自動応答処理を実行するタイミング(自動応答発話を出力するタイミング)を説明する図である。TTS機能について、詳細は後述する。
以下の説明においては、「発信元についての情報を音声出力する機能」がTTS機能である例を説明するが、「発信元についての情報を音声出力する機能」がTTS機能であることは必須ではない。
また、以下に説明する電話機は、電話機1を含めて、いずれも、以下の処理を実行するものとする。すなわち、電話機1を含むいずれの電話機も、先ず発信元についての情報(例えば、テキスト情報)を取得する処理を実行し、次に、着信側のユーザに着信があることを通知する着信通知処理を実行する。そして、着信から所定期間(例えば、ユーザの設定した期間)が経過すると、電話機1を含む、いずれの電話機も、発信元に対して留守番メッセージなどの所定のメッセージを発話する自動応答処理を実行する。ここで、電話機1を含む、いずれの電話機も、着信通知処理として、リンガー音または着信メロディ(連続する一連の音である連続音)である着信音を出力する。また、電話機1を含む、いずれの電話機も、TTS機能が「オン」に設定されていると、着信通知処理として、発信元電話番号に対応する情報(発信元についての情報)を読み上げる発信元情報音声出力処理を実行してもよい。
(従来の電話機の実行する処理)
図7は、TTS機能を備えない従来の電話機について、CAR信号を受信してから自動応答処理を実行する前までに実行する各処理のタイミングを説明する図である。図中、「TEL line input − TEL signal」は、従来の電話機が電話網から取得する信号およびその取得タイミングを示している。「SPK output − Default ring tone」は、着信音設定を「PuRururu(プルルル)」(通常の着信音、Default ring tone)に設定した場合にスピーカー(SPK)から出力(音声出力)されるリンガー音の出力(鳴動)のタイミングを示している。「SPK output − Melody(ring tone)」は、着信音設定を「メロディ」に設定した場合にスピーカー(SPK)から出力(音声出力)される着信メロディ音の出力(鳴動)のタイミングを示している。「Ringback tone for far end」は、発信元(相手の電話)に聞こえる音(リングバックトーン)の出力(鳴動)のタイミングを示している。
なお、「TEL line input − TEL signal」、「SPK output − Default ring tone」、「SPK output − Melody(ring tone)」、および「Ringback tone for far end」は、他の図面においても同様の内容を意味している。
図7の「TEL line input − TEL signal」に示されているように、着信に際して電話機は、電話網(公衆網)からCAR信号(情報受信端末起動信号、CAR signal)、モデム信号(Modem signal)、およびCI信号(呼出信号)を、この順に取得する。電話機は、CAR信号およびモデム信号を受信し、発信元についての情報を取得する処理を実行する。また、電話機は、CAR信号およびモデム信号を受信した後にCI信号を受信し、着信があったことをユーザ(着信を受けるユーザ)に通知するための音声出力を実行する。
なお、記載の簡潔性を担保するため、図2〜図4、および図8〜図12においては、「CAR信号およびモデム信号を受信し、発信元についての情報を取得する処理」についての記載を省略している。ただし、記載を省略しているだけで、以下に説明する電話はいずれも、CI信号を受信する前に、「CAR信号およびモデム信号を受信し、発信元についての情報を取得する処理」を実行している。すなわち、図2〜図4、および図8〜図12においては、記載が省略されてはいるが、最初のCI信号の受信の前に、「CAR信号およびモデム信号を受信し、発信元についての情報を取得する処理」が実行されている。以下、「CAR信号およびモデム信号を受信し、発信元についての情報を取得する処理」の詳細について説明していく。
(発信元についての情報取得)
CAR信号とは、発信者電話番号通知サービスでモデム信号による発信元の電話番号の通知の前に送られてくる信号である。また、電話機はモデム信号を受信することによって、発信元を識別する情報(CID(Caller Identification code)情報)として発信元電話番号を取得する。電話機は、前記発信元電話番号と、発信元についての登録されている情報等(例えば、ユーザが登録しておいた電話帳情報などの発信元情報)とを用いて、今回の着信の発信元についての情報を取得することができる。
(着信の通知)
電話機は、CAR信号およびモデム信号を受信した後、CI信号(Calling Indication, Ring Indication, RI)を受信して着信があったことをユーザに通知する。CI信号は、電話が掛かってきたことを示し、所定のサイクルで(例えば、1秒オンした後に2秒オフする周期で)オンとオフとを繰り返す。CI信号を受信すると、電話機は、着信があることをユーザに通知する着信通知処理を実行し、例えば、リンガー音、着信メロディ、TTS機能を利用した発信元についての情報の読み上げ音声などを出力する。
図7の「SPK output − Default ring tone」に示されているように、着信音設定が「プルルル」(通常の着信音)に設定されている場合、電話機は、着信音としてリンガー音を出力する。リンガー音は、CI信号のオンオフの周期と同期して鳴動と休止とを繰り返し、例えば、「1秒鳴動した後に2秒休止する」。「SPK output − Melody(ring tone)」に示されているように、着信音設定が「メロディ(着信メロディ)」に設定されている場合、電話機は、着信音としてメロディを出力する。メロディは、連続する一連の音である連続音であり、メロディの鳴動と休止とは、リンガー音とは異なり、CI信号のオンオフに同期しなくともよい。
(呼び出し中であることの通知)
図7の「Ringback tone for far end」に示されているように、発信元(電話をかけた側の電話)には、交換機によってリングバックトーン(呼び出し音)が出力される。
(CAR信号を受信してから自動応答処理を実行する前までについての整理)
これまで図7を用いて説明してきたように、電話機は、CAR信号を受信してから自動応答処理を実行する前までに、以下のような処理を実行する。すなわち、電話機は、CAR信号を受信すると、発信元についての情報取得処理を実行する。その後、電話機は、CI信号を受信して、着信を受ける側のユーザに対して、着信があることを通知する処理(着信通知処理)を実行する。TTS機能を備えない電話機は、着信通知処理として着信音を出力し、例えば、着信音(リンガー音)を出力し、または着信メロディを出力する。また、交換機は、リングバックトーン(呼び出し音)を出力して、発信元(電話をかけた側の電話)に対して、着信を受ける側のユーザを呼び出し中であることを通知する(呼出通知処理)。以上、図7を用いて、TTS機能を備えない従来の電話機がCAR信号を受信してから自動応答処理を実行する前までに実行する処理について説明してきたので、次に、自動応答処理をどのようなタイミングで実行するかを、図8を参照しながら説明する。
(自動応答機能を有する従来の電話機の実行する処理)
図8は、TTS機能を備えない従来の電話機について、自動応答発話を出力するタイミング(自動応答処理を実行するタイミング)を説明する図である。
(自動応答処理)
従来の電話機は、所定期間が着信から経過すると、自動応答処理を実行し(自動応答処理を開始し)、例えば、所定期間が着信から経過した後に発信元に対して所定のメッセージを発話する(自動応答発話を実行する)。
所定の応答は、例えば、「只今、留守にしております。・・・」といったものであってもよいし、「只今、お名前確認モードになっています。お名前をおしゃってください。・・・」といったものであってもよい。
すなわち、従来の電話機は、着信があると、例えば発信元に名乗らせるための音声を出力し、具体的には、発信元の氏名名称等を問う音声を発信元に対してオンフック状態のまま送信する。そして、発信元が自身の氏名名称等を名乗ると、従来の電話機は、その音声を着信側のユーザに音声出力することにより、着信側のユーザが受話器を上げて応答する前に(オンフック状態で)発信元の氏名名称等を確認することができる。
また、所定の応答は、着信を受けるユーザに対してスピーカから出力される、「この電話は迷惑電話の可能性があります。ご注意ください。」といった音声(応答)であってもよい。
所定の応答は、着信から所定期間が経過した後に、発信元および着信を受けるユーザに対して出力される所定の応答(例えば、「只今、留守にしております。・・・」または「只今、お名前確認モードになっています。お名前をおしゃってください。・・・」といった応答)であってもよいし、着信を受けるユーザに対してのみ出力される所定の応答(例えば、「この電話は迷惑電話の可能性があります。ご注意ください。」といった応答)であってもよい。
ここで、従来の電話機に実行させる自動応答処理について、ユーザは、「留守応答設定と在宅応答設定」のいずれかを選択することができる。また、ユーザが予め設定した電話帳に発信元電話番号が登録されている場合と登録されていない場合とで、自動応答発話の発話内容を変えてもよい。さらに、着信から自動応答処理が実行されるまでの期間について、ユーザは、「着信から着信音(リンガー音)の出力回数:2回、4回、6回、または8回」の中から1つを選択してもよいし、または、「トールセーバ」を選択してもよい。以下、詳細について説明していく。
(留守応答と在宅応答)
従来の電話機について自動応答処理を実行するよう設定する場合、ユーザは、例えば、ユーザが留守の時の自動応答処理(留守時自動応答処理)と、ユーザが在宅時の自動応答処理(在宅時自動応答処理)とを区別することができる。すなわち、従来の電話機について自動応答処理を実行するよう設定する場合、ユーザは、「留守時自動応答」設定または「在宅時自動応答」設定を選択することができる。
「在宅時自動応答」設定を選択した(つまり、「在宅時自動応答」を設定した)場合、従来の電話機は、例えば、ユーザが予め設定した電話帳に発信元電話番号が登録されていない時には、発信元に対して、発信者自身(発信元)についての情報(例えば、発信者の氏名名称)を名乗るよう求める自動応答発話を出力する。発信者の名乗った情報は電話機によって着信を受ける側のユーザに音声出力されるので、着信を受ける側のユーザは、発信元について確認してから、電話に出るか否かを決定することができる。すなわち、「在宅時自動応答」設定が選択されていると、電話機は、ユーザが受話器を上げて応答する前に(オンフック状態で)、発信元の名前を確認するため、発信元に名乗らせるための音声を出力する。そして、発信者の名乗った情報を音声出力することにより、電話機は、着信側のユーザが通話に応対する前に、発信元についての情報を着信側のユーザに認識させることができる。つまり、「在宅時自動応答」を設定することにより、ユーザは、在宅時であっても、ユーザが受話器を上げて応答する前に電話機に発信元に名乗らせるための音声を出力させ、発信元について確認してから、通話に応対することができる。
さらに、ユーザは、留守応答を設定した場合にも、在宅応答を設定した場合にも、着信から所定のメッセージを発話するまでの期間(着信から自動応答処理が実行されるまでの期間)を設定することができる。
(「2回、4回、6回、または8回」)
ユーザは、電話機に自動応答処理を実行する(つまり、期間が着信から経過した後に発信元に対して所定のメッセージを発話する)よう設定する場合、「着信から自動応答処理が実行されるまでの期間」を設定することができる。
着信から、発信元に対して所定のメッセージを発話する(自動応答処理を実行する)までの期間として、ユーザは、例えば、着信から着信音(リンガー音)の出力回数が「2回、4回、6回、または8回」になると、所定のメッセージを発話するように設定することができる。つまり、着信から自動応答発話が出力されるまでのリンガー音の出力回数について、ユーザは、「2回、4回、6回、または8回」の中から選択することができる。着信から自動応答発話が出力されるまでのリンガー音の出力回数を「2回、4回、6回、または8回」の中から選択することができるので、着信から自動応答処理を実行するまでの期間を、ユーザの好みに合わせて調整することができる。なお、以下では「着信から自動応答発話が出力されるまでの着信音(リンガー音)の出力回数」を、留守応答回数(自動応答回数)とも称する。
なお、詳細は図9を用いて後述するが、ユーザは、着信から自動応答処理を実行するまでの期間として、着信から自動応答発話が出力されるまでのリンガー音の出力回数を「2回、4回、6回、または8回」の中から選択する代わりに、「トールセーバ」を選択してもよい。すなわち、ユーザは、留守応答回数(自動応答回数)を設定する(留守応答回数(自動応答回数)を「2回、4回、6回、または8回」の中から選択する)代わりに、「トールセーバ」を選択してもよい。
図8の(A)は、着信から自動応答処理を実行するまでの期間として「リンガー音の出力回数:2回」をユーザが選択している場合に、従来の電話機が自動応答発話を出力するタイミング(自動応答処理を実行するタイミング)を説明する図である。図8の(A)にしめされているように、留守応答回数(自動応答回数)が2回に設定されている場合、2回のCI信号オン区間を経て、TTS機能を備えない従来の電話機は、自動応答処理を実行する(自動応答発話を出力する)。
図8の(A)における「SPK output − Default ring tone」に示すように、TTS機能を備えない従来の電話機は、着信音設定が「通常の着信音」に設定されている場合、着信音としてリンガー音(「プルルル」)を出力する。TTS機能を備えない従来の電話機は、「プルルル→休止→プルルル」と、リンガー音を2回出力した(2回鳴動した)後、図8の(A)における「Auto answer(自動応答処理)」に示すように、自動応答処理を実行する(自動応答発話を出力する)。
また、「SPK output − Melody(ring tone)」に示すように、TTS機能を備えない従来の電話機は、着信音設定が「メロディ」に設定されている場合、着信音としてメロディ(着信メロディ)を出力する。TTS機能を備えない従来の電話機は、2回目のCI信号がオフになった後、「メロディ」再生(着信メロディの出力)を停止して自動応答処理を実行する(自動応答発話を出力する)。
図8の(B)は、着信から自動応答処理を実行するまでの期間として「リンガー音の出力回数:4回」をユーザが選択している場合に、従来の電話機が自動応答発話を出力するタイミング(自動応答処理を実行するタイミング)を説明する図である。図8の(B)にしめされているように、留守応答回数(自動応答回数)が4回に設定されている場合、4回のCI信号オン区間を経て、TTS機能を備えない従来の電話機は、自動応答処理を実行する(自動応答発話を出力する)。
TTS機能を備えない従来の電話機は、「プルルル→休止→プルルル→休止→プルルル→休止→プルルル」と、リンガー音を4回出力した(4回鳴動した)後、つまり、4回のCI信号オン区間を経て、自動応答処理を実行する(自動応答発話を出力する)。前述の通り、リンガー音の「鳴動→休止→鳴動→・・・」の周期は、例えばCI信号の「オン→オフ→オン→・・・」の周期に一致している。
TTS機能を備えない従来の電話機は、リンガー音に代えてメロディを着信音として出力する場合、リンガー音を出力する場合と同様に4回のCI信号オン区間を経て、つまり、4回目のCI信号オフの後、「メロディ」再生を停止して自動応答処理を実行する(自動応答発話を出力する)。
(トールセーバ設定を有する従来の電話機の実行する処理)
図9は、TTS機能を備えない従来の電話機について、トールセーバ設定がオンの場合に自動応答発話を出力するタイミングを説明する図である。トールセーバ設定がオンの場合、電話機は以下に説明するトールセーバ処理を実行する。
(「トールセーバ」)
図8に示した例では、ユーザは、着信から自動応答発話が出力されるまでのリンガー音の出力回数を「2回」または「4回」に設定していた。ユーザは、着信から自動応答処理を実行するまでの期間として、着信から自動応答発話が出力されるまでのリンガー音の出力回数を「2回、4回、6回、または8回」の中から選択する代わりに、「トールセーバ(Toll Saver)」を選択してもよく、つまり、トールセーバ設定を「オン」にしてもよい。トールセーバ設定を「オン」にしておくと、例えば、新規の留守番電話メッセージがある場合は2回で、新規の留守番電話メッセージがない場合は4回で、留守番電話などの自動応答処理を実行する。
図9の(A)は、トールセーバ設定が「オン」であって(つまり、着信から自動応答処理を実行するまでの期間として「トールセーバ」が選択されていて)、新しい留守番電話メッセージがある場合に、従来の電話機が自動応答発話を出力するタイミングを説明する図である。新しい留守番電話メッセージがある場合、従来の電話機は、リングバックトーンが2回出力された後、留守応答を出力する(自動応答処理を実行する)。リングバックトーンが2回出力された後に自動応答処理が実行されたことにより、ユーザは新しい留守番電話メッセージがあると判断する。ユーザは、外出先の電話機のテンキーで所定のDTMF(Dual Tone Multi Frequency)信号を家宅内の電話機に送信してリモート操作し、新しい留守番電話メッセージを再生させることができる。
図9の(B)は、トールセーバ設定が「オン」であって、新しい留守番電話メッセージが無い場合に、従来の電話機が自動応答発話を出力するタイミングを説明する図である。新しい留守番電話メッセージが無い場合、従来の電話機は、リングバックトーンが4回出力された後、留守応答を出力する(自動応答処理を実行する)。外出先から電話を掛けたユーザは、3回以上リングバックトーンが聞こえれば新しい留守番電話メッセージがないと判断する。
(TTS機能を有する従来の電話機の実行する処理)
図10は、TTS機能を備える従来の電話機について、発信元情報音声出力処理を実行するタイミングを説明する図である。
(TTS機能について)
TTS(Text To Speech)機能とは、文章または単語等のテキスト(テキスト情報)を音声に変換して読み上げる機能である。TTS機能を備える従来の電話機は、例えば、発信元電話番号を取得すると、当該発信元電話番号に対応する情報(例えば、発信元についてのテキスト情報)を読み上げる。なお、以下の説明において、TTS機能を備える電話機が音声出力する発信元についての情報(例えば、発信元についてのテキスト情報)は「TTS読上メッセージ」とも称し、また、「TTS読上メッセージ」の音声出力は「発信元情報音声出力処理」とも称する。
TTS機能を備える電話機が発信元電話番号の情報を取得することができた場合、TTS読上メッセージは、発信元電話番号が電話帳に既に登録されているか否かに応じて、異なっていてもよい。
発信元電話番号が電話帳に既に登録されている場合、TTS機能を備える電話機は、電話帳に登録済の発信元電話番号に対応する情報(例えば、発信者の氏名名称等の情報)を読み上げてもよい。例えば、TTS機能を備える電話機は、「プルルル」、「XXXさんからです」、「プルルル」、「XXXさんからです」というように、リンガー音の鳴動と発信元情報音声出力処理とを交互に行なってもよい。
発信元電話番号が電話帳に登録されていない場合、TTS機能を備える電話機は、発信元電話番号に対応する発信地域名、発信機器種別(例えば、携帯電話からの着信か、または固定電話からの着信か)を読み上げてもよい。例えば、TTS機能を備える電話機は、発信地域名(例えば、「XXX県からお電話です」)、および発信機器種別(例えば、「携帯電話からです」)の少なくとも1つに係る情報(例えば、テキスト情報)の読み上げを、リンガー音の鳴動と交互に行ってもよい。
発信元電話番号の情報を取得すると、TTS機能を備える電話機は、例えば、発信元電話番号に対応する発信者の氏名名称、発信地域名、発信機器種別(携帯電話か固定電話か)といった「発信元についての情報」等を音声出力する(読み上げる)。TTS機能を備える電話機が音声出力するTTS読上メッセージは、着信を受けたユーザを出力対象者とする発信元についての情報(例えば、テキスト情報)と捉えることができる。
着信を受けた側のユーザは、通話に応対する前に、発信元電話番号に対応する発信者の氏名名称、発信地域名、発信機器種別(例えば、携帯電話か固定電話か)などに係る情報を認識することができる。
図10の(A)は、TTS機能を備える従来の電話機について、「TTS読上メッセージ」が短い(例えば、n番目のCI信号がオフになってから、n+2番目のCI信号がオンになるまでに、読み上げを完了することができる「TTS読上メッセージ」)場合に、発信元情報音声出力処理を実行するタイミングを説明する図である。
図10の(A)に示すように、TTS機能を備える従来の電話機は、「プルルル」、「XXXさんからです」、「プルルル」、「XXXさんからです」というように、リンガー音の鳴動と発信元情報音声出力処理とを交互に実行する。読み上げられる情報(発信元についての情報)が短い場合(1つ目のCI信号オフから3つ目のCI信号オンまでの区間で「XXXからです」の読み上げが完了する場合)、「プルルル」が1つスキップされる。すなわち、2つ目のCI信号がオンである期間に対応して鳴動するはずであったリンガー音(「プルルル」)の鳴動がスキップされる。着信音がメロディのときも、着信音がリンガー音の場合と同じタイミングで、発信元情報音声出力処理が実行される。
図10の(B)は、TTS機能を備える従来の電話機について、「TTS読上メッセージ」が長い(例えば、n番目のCI信号がオフになってから、n+2番目のCI信号がオンになるまでに、読み上げを完了することができない「TTS読上メッセージ」)場合に、発信元情報音声出力処理を実行するタイミングを説明する図である。
図10の(B)に示すように、TTS機能を備える従来の電話機は、「プルルル」、「XXXさんからです」、「プルルル」、「XXXさんからです」というように、リンガー音の鳴動と発信元情報音声出力処理とを交互に実行する。読み上げられる情報(発信元についての情報)が多い場合(発信元についてのテキスト情報が長い場合)、つまり、1つ目のCI信号オフから3つ目のCI信号オンまでの区間で「XXXからです」の読み上げが完了しない場合、「プルルル」が2つスキップされる。すなわち、2つ目のCI信号がオンである期間および3つ目のCI信号がオンである期間に対応して鳴動するはずであったリンガー音(「プルルル」)の鳴動がスキップされる。着信音がメロディのときも、着信音がリンガー音の場合と同じタイミングで、発信元情報音声出力処理が実行される。
(TTS機能と自動応答機能との衝突)
図11は、TTS機能を備える従来の電話機について、発信元情報音声出力処理が中断され、自動応答発話が出力されることを説明する図である。「留守応答回数(自動応答回数):2回」が設定されている場合、従来の電話機は、着信からのCI信号の受信回数が2回になった(2回目のCI信号がオフになった)後に自動応答発話を出力する。ここで、TTS機能を備える電話機は、着信があると、例えば、「プルルル」、「XXXさんからです」、「プルルル」、「XXXさんからです」というように、リンガー音の鳴動と発信元情報音声出力処理とを交互に行なう。
TTS機能を備える従来の電話機は、ユーザによって予め設定された留守応答回数(自動応答回数)に従って、CI信号の受信回数で自動応答処理への切り替えを制御している。したがって、図11の(B)に示すように、TTS機能を備える従来の電話機は、発信元情報音声出力処理を実行している途中にCI信号の受信回数が設定された留守応答回数(自動応答回数)に達すると、発信元情報音声出力処理を中断し、自動応答発話を出力する。以下に詳細を説明していく。
図11の(A)は、TTS機能を備える従来の電話機について、発信元情報音声出力処理を実行するタイミングを示す図である。また、図11の(B)は、図11の(A)で示した電話機について、「留守応答回数(自動応答回数):2回」を設定した場合に、発信元情報音声出力処理および自動応答処理を実行するタイミングを示す図である。
図11の(B)に示すように、「留守応答回数(自動応答回数):2回」が設定されると、TTS機能を備える従来の電話機は、2回目のCI信号がオフになったタイミング(またはオフになってから一定時間経過後)で自動応答処理を実行する。TTS機能を備える従来の電話機は、発信元情報音声出力処理の実行途中であっても(つまり、「XXXXXXXXからです」とのテキスト情報の読み上げが完了していなくても)、2回目のCI信号がオフになってから一定時間経過後に自動応答処理を実行する。したがって、TTS機能を備える従来の電話機について留守応答回数(自動応答回数)を設定した場合、音声出力されない(読み上げられない)テキスト情報(発信元についての情報)が残ることがあり、ユーザは、発信元についての情報を最後まで確認することができない可能性があった。
TTS機能を備える従来の電話機は、留守応答回数(自動応答回数)設定に従って、CI信号の受信回数で自動応答処理への切り替えを制御している。したがって、TTS機能を備える従来の電話機は、CI信号の受信回数が設定された留守応答回数(自動応答回数)(図11の(B)に示す例では「2回」)に達すると、実行中の発信元情報音声出力処理を中断して(停止して)、自動応答処理を実行する(自動応答処理を開始する)ことがあった。その場合、ユーザは、TTS読上メッセージ(発信元についての情報)の一部を聞き取ることができず、つまり、発信元についての情報を最後まで確認することができない。
(トールセーバ設定がオンの場合の、自動応答発話の出力タイミング)
図12は、TTS機能を備える従来の電話機について、トールセーバ設定がオンの場合に自動応答発話を出力するタイミングを説明する図である。
トールセーバが「オン」に設定されている場合、電話機は、ユーザに「新しい留守番電話メッセージが録音されているか否か」を通知する必要がある。そのため、トールセーバが「オン」に設定されている場合、電話機は、「新しい留守番電話メッセージが録音されているか否か」に応じて、着信から所定のリングバックトーン回数で自動応答処理を実行する。
すなわち、トールセーバが「オン」に設定されている電話機は、発信元情報音声出力処理の実行途中であっても、着信から所定のリングバックトーン回数で自動応答処理に切り替える必要がある。具体的には、トールセーバが「オン」に設定されている電話機は、新しい留守番電話メッセージがある場合、発信元情報音声出力処理を実行しているか否かに関わらず、「録音データ有り」時の所定のリングバックトーン回数(例えば、2回)で自動応答処理を実行する(開始する)。また、トールセーバが「オン」に設定されている電話機は、新しい留守番電話メッセージが無い場合、発信元情報音声出力処理を実行しているか否かに関わらず、「録音データ無し」時の所定のリングバックトーン回数(例えば、4回)で自動応答処理を実行する(開始する)。
図12の(A)は、トールセーバ設定が「オン」であって(つまり、着信から自動応答処理を実行するまでの期間として「トールセーバ」が選択されていて)、新しい留守番電話メッセージがある場合に自動応答発話が出力されるタイミングを説明する図である。
トールセーバ設定が「オン」で、かつ、新しい留守番電話メッセージがある場合、発信元情報音声出力処理の実行途中であっても、CI信号の受信回数(リングバックトーンの鳴動回数)が、「録音データ有り」時の所定のリングバックトーン回数(例えば、図12の(A)に示す例では2回)になると、自動応答処理に切り替える(自動応答発話を出力する)。
図12の(B)は、トールセーバ設定が「オン」であって(つまり、着信から自動応答処理を実行するまでの期間として「トールセーバ」が選択されていて)、新しい留守番電話メッセージがない場合に自動応答発話が出力されるタイミングを説明する図である。
トールセーバ設定が「オン」で、かつ、新しい留守番電話メッセージが無い場合、発信元情報音声出力処理の実行途中であっても、CI信号の受信回数(リングバックトーンの鳴動回数)が、「録音データ無し」時の所定のリングバックトーン回数(例えば、図12の(B)に示す例では4回)になると、自動応答処理に切り替える(自動応答発話を出力する)。
(TTS機能を備える従来の電話の問題点)
従来の電話機は、留守応答回数(自動応答回数)設定に従って、CI信号の受信回数で自動応答処理への切り替えを制御している。そのため、従来の電話機は、トールセーバが「オン」に設定されているか否かに関わらず、発信元情報音声出力処理の実行途中(「XXXXXXXXからです」の読み上げ途中)に自動応答処理に切り替わってしまうことがあった。つまり、従来の電話機は、テキスト情報を読み上げている途中に(発信元についての情報を音声出力している途中に)、CI信号の受信回数が留守応答回数(自動応答回数)に達すると、読み上げを中断して(停止して)、自動応答処理を実行する(開始する)。そのため、ユーザは、TTS読上メッセージ(発信元についての情報)を最後まで確認することができないことがあった。
(電話機1の概要)
以上に説明したような従来の電話機に対して、電話機1は、テキスト情報を読み上げている途中に(発信元についての情報を音声出力している途中に)CI信号の受信回数が留守応答回数(自動応答回数)に達した場合であっても、読み上げを完了してから(発信元についての情報を音声出力し終わってから)、自動応答処理を実行する(開始する)。
以下、電話機1について、図1から図6を用いて詳細に説明していくが、電話機1について、最初に概要を説明しておけば、以下の通りである。すなわち、電話機1は、ユーザが設定した留守応答回数(自動応答回数)に矛盾しないタイミングで、かつ、テキスト情報(例えば、発信元についての、着信を受けたユーザを出力対象者とするような情報)を全て読み上げてから、自動応答処理を実行する。
したがって、電話機1は、ユーザ利便性が高く、ユーザの使い勝手の良い着信通知処理および自動応答処理を実行することができる。
電話機1は、自動応答処理を実行するよう設定されているときの着信時に、リンガー音またはメロディ(着信メロディ)を鳴動させると共に、発信元の氏名名称等(発信者情報)も音声出力し、つまり、発信元についての情報(例えば、テキスト情報)を読み上げる。そして、電話機1は、発信元についての情報を最後まで読み上げ終った(発信元情報音声出力処理を完了した)あとに、自動応答発話を出力する。したがって、電話機1によって、着信を受ける側のユーザは、発信が誰からのものであったなどの発信元についての情報を確実に聞くことができる。電話機1は、読み上げるテキスト情報の長さ(つまり、発信元についての情報を最後まで音声出力するのに要する時間)に関わらず、発信元についての情報を最後まで読み上げ終った(発信元情報音声出力処理を完了した)あとに、自動応答発話を出力する。
電話機1は、自動応答発話を出力するタイミングを、発信元についての情報を最後まで読み上げ終った後にすることによって、自動応答発話を出力する前に、発信元についての情報を確実に音声出力することができる。したがって、ユーザは、発信元についての情報を全て確認できる。
具体的には、電話機1(通信端末装置)は、発信元についての情報(例えば、テキスト情報)を音声出力可能な発話部13と、着信から所定期間(例えば、ユーザの設定した期間)が経過した後、発話部13によって前記発信元についての情報が音声出力されていないことを検知したタイミングで、着信状態を終了または中断して前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に所定のメッセージを発話する自動応答出力部14と、を備えている。
前記の構成によれば、自動応答出力部14は、前記着信から前記所定期間が経過した後、発話部13によって前記発信元についての情報が音声出力されていないことを検知したタイミングで、着信状態を終了または中断して前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に所定のメッセージを発話する。つまり、前記自動応答出力部は、例えば、前記発信元についての情報が音声出力されている途中に、前記発信元についての情報の音声出力を中断して(途中で停止して)前記所定のメッセージを発話することがない。
したがって、電話機1は、前記着信から前記所定期間が経過した後、前記発信元についての情報の音声出力を中断せずに前記所定のメッセージ発話などの自動応答機能を実行することにより、ユーザ利便性を向上させることができるという効果を奏する。
なお、自動応答出力部14が発話する所定の応答は、例えば、発信元に対する、「只今、留守にしております。・・・」といったものであってもよいし、「只今、お名前確認モードになっています。お名前をおしゃってください。・・・」といったものであってもよく、これらの所定の応答は、着信を受けるユーザに対しても聞こえるように出力される。
また、自動応答出力部14が発話する所定の応答は、例えば、着信を受けるユーザに対して(スピーカなどから)出力される、「この電話は迷惑電話の可能性があります。ご注意ください。」といった音声(応答)であってもよい。
自動応答出力部14が発話する所定の応答は、着信から所定期間が経過した後に、発信元および着信を受けるユーザに対して出力される所定の応答(例えば、「只今、留守にしております。・・・」または「只今、お名前確認モードになっています。お名前をおしゃってください。・・・」といった応答)であってもよいし、着信を受けるユーザに対してのみ出力される所定の応答(例えば、「この電話は迷惑電話の可能性があります。ご注意ください。」といった応答)であってもよい。
なお、「この電話は迷惑電話の可能性があります。ご注意ください。」といった発話は、発話部13が音声出力してもよい。すなわち、自動応答出力部14は、発話部13によって前記発信元についての情報が音声出力されていないことを検知したタイミングで、前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に所定のメッセージを発話すればよく、自動応答出力部14が発話する所定のメッセージの内容は特に限定されない。同様に、発話部によって音声出力される情報についても、発信元についての情報であれば、その内容は特に限定されない。自動応答出力部14が発話する所定のメッセージと、発話部13によって音声出力される情報とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
発話部13が音声出力することのできる前記発信元についての情報は、前記発信元についてのテキスト情報である。
前記の構成によれば、発話部13は、前記発信元についてのテキスト情報を音声出力することができる。
したがって、電話機1は、前記発信元についてのテキスト情報を音声出力することができるという効果を奏する。
次に、図1を参照して、本実施形態に係る電話機1の要部構成について説明する。
(電話機1の要部構成)
図1は、本発明の実施形態1に係る電話機の要部構成の一例を示すブロック図である。電話機1は、電話網2(公衆網)からの着信を検知すると、報知動作、留守番電話動作などの呼出動作を行うものである。図1に示すように、電話機1は、制御部10、記憶部20、および出力部30を備えている。なお、記載の簡潔性を担保するため、本実施の形態に直接関係のない構成(電話回線を利用して通話を実現する部分など。例えば、ディスプレイ、マイクなど)は、説明およびブロック図から省略している。ただし、実施の実情に則して、電話機1は、当該省略された構成を備えてもよい。電話機1は、通話機能を備えていればよく、ファクシミリ機能等、他の機能をさらに備えていてもよい。
出力部30は、いわゆるスピーカであり、制御部10から受信する制御指示に従って電話機1の外部に各種の情報を音声出力するものである。
制御部10は電話機1の機能を統括して制御するものである。図示の制御部10には、機能ブロックとして、信号取得部11、鳴動部12、発話部13、自動応答出力部14、応答条件判定部15、トールセーバ設定部16、およびモード設定部17が含まれている。モード設定部17は、留守番設定部171および在宅設定部172を含んでいる。
上述した制御部10の各機能ブロックは、例えば、CPU(central processing unit)などが、ROM(read only memory)、NVRAM(non-Volatile random access memory)等で実現された記憶装置(記憶部20)に記憶されているプログラムを不図示のRAM(random access memory)等に読み出して実行することで実現できる。以下、制御部10中の各機能ブロックについて説明する。
(各機能ブロックの概要)
信号取得部11は、電話網2からCAR信号、モデム信号、CI信号などを取得(受信)し、CI信号を受信したことを鳴動部12に通知する。信号取得部11は、また、着信からのCI信号の受信回数(CI信号のオンオフの切り替え回数)を応答条件判定部15に通知する。
鳴動部12は、着信があると、発話部13による発信元についての情報の音声出力(読み上げ)とは異なる着信音を出力する。すなわち、鳴動部12は、信号取得部11からの通知に基づいて、リンガー音またはメロディ(着信メロディ)を着信音として出力する。鳴動部12は、着信音として「リンガー音」が設定されていると、CI信号のオンオフに同期して鳴動・休止する音声(ベル音)であるリンガー音を出力する。鳴動部12は、着信音として「メロディ(着信メロディ)」が設定されていると、CI信号のオンになったタイミングで鳴動を開始するメロディを出力する。鳴動部12は、また、着信音としてリンガー音を出力する場合、応答条件判定部15に、着信からのリンガー音の鳴動回数を通知する。
発話部13は、発信元情報音声出力処理を実行し、つまり、発話設定情報21および発信元情報22を参照して、CAR信号およびモデム信号を受信して取得した発信元電話番号に対応する情報(例えば、発信元についてのテキスト情報)を読み上げて音声として出力する。発話部13は、発信元についての情報を音声出力して、着信を受けたユーザに発信元についての情報を通知する。発話部13は、発信元電話番号が発信元情報22に既に登録されている場合、登録済の発信元電話番号に対応する情報(例えば、「XXXさんからです」といった発信者の氏名名称等の情報)を読み上げる。発話部13は、登録済の発信元電話番号に対応するグループの名称(例えば、会社名およびサークル名などの情報)を読み上げてもよい。すなわち、登録済の発信元電話番号に対応させて、例えば、「氏名名称:XXXさん」といった情報に代えて、または、「氏名名称:XXXさん」といった情報に加えて、「所属グループ名:株式会社YYY」といった情報が登録されている場合、発話部13は、登録済の発信元電話番号に対応する所属グループ名(例えば、「株式会社YYY」)を読み上げてもよい。発話部13は、発信元電話番号が発信元情報22に登録されていない場合、発信元電話番号に対応する発信地域名(例えば、「XXX県からお電話です」)、発信機器種別(例えば、「携帯電話からです」といった、携帯電話からの着信か、または固定電話からの着信かを示す情報)を読み上げる。
発話部13は、また、発信元情報音声出力処理を開始すると、発信元情報音声出力処理を開始したことを応答条件判定部15に通知し、発信元情報音声出力処理を完了すると、発信元情報音声出力処理を完了したことを応答条件判定部15に通知する。
自動応答出力部14は、応答条件判定部15から指示されたタイミングで、自動応答出力内容情報24を参照して取得した自動応答発話(音声データ)を出力し、つまり、着信状態を終了または中断して前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に所定のメッセージを発話する。自動応答出力部14が発話する所定の応答は、例えば、「只今、留守にしております。・・・」、「只今、お名前確認モードになっています。お名前をおしゃってください。・・・」といった、(着信を受けるユーザにも聞こえる)発信元に対する応答である。また、自動応答出力部14が発話する所定の応答は、例えば、着信を受けるユーザに対して(スピーカなどから)出力される、「この電話は迷惑電話の可能性があります。ご注意ください。」といった音声(応答)であってもよい。
なお、発話部13によって音声出力される発信元についての情報は、専ら、着信を受けるユーザを出力対象とする情報である。これに対し、自動応答出力部14が発話する所定の応答は、発信元(および着信を受けるユーザ)を出力対象として、「発信元に対して所定の動作を求める(例えば、発信元に名乗らせ、メッセージを発話させる)」ものであってもよいし、着信を受けるユーザを出力対象として、着信への応答に際して注意を喚起する(例えば、「迷惑電話」など、着信の内容をユーザに通知する)ものであってもよい。
ただし、「この電話は迷惑電話の可能性があります。ご注意ください。」といった、着信を受けるユーザを出力対象とする、着信への応答に際して注意を喚起するメッセージは、発話部13が出力してもよい。発話部13は、発信元についての情報を音声出力し、例えば、発話部13が発信元についての情報を音声出力している間は、自動応答出力部14は、発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方を出力対象とする、上記所定のメッセージを発話しない。自動応答出力部14が発話する所定のメッセージの内容は特に限定されない。同様に、発話部によって音声出力される情報についても、発信元についての情報であれば、その内容は特に限定されない。自動応答出力部14が発話する所定のメッセージと、発話部13によって音声出力される情報とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
応答条件判定部15は、自動応答出力部14に自動応答発話を出力するタイミングを指示する。具体的には、応答条件判定部15は、応答条件情報25を参照して、留守応答回数(自動応答回数)が何回に設定されているかを確認する。応答条件判定部15は、鳴動部12から、着信音として出力されているのがリンガー音であるのか、または連続する一連の音であるメロディ(連続音)であるのかについての情報を取得する。応答条件判定部15は、信号取得部11から、着信からのCI信号の受信回数(CI信号のオンオフの切り替え回数)を取得する。応答条件判定部15は、鳴動部12から、着信からのリンガー音の鳴動回数(出力回数)を取得する。応答条件判定部15は、トールセーバ設定部16から、トールセーバが「オン」または「オフ」に設定されているとの情報を取得する。応答条件判定部15は、モード設定部17から、ユーザが在宅中であることが設定されている(「在宅時自動応答」が設定されている)か、または、ユーザが留守中であることが設定されている(「留守時自動応答」が設定されている)かについての情報を取得する。
さらに、応答条件判定部15は、発話部13から、発信元情報音声出力処理が開始されたとの情報、および発信元情報音声出力処理が完了したとの情報を、つまり、発信元情報音声出力処理が実行中であるのか完了したのか(実行中ではないのか)についての情報を、取得する。
そして、応答条件判定部15は、応答条件情報25を参照して、トールセーバ機能の「オンまたはオフ」、ユーザが在宅中であるか留守中であるか、着信音がリンガー音かメロディか、留守応答回数(自動応答回数)が何回か、着信からのCI信号の受信回数、着信からのリンガー音の鳴動回数、および、発信元情報音声出力処理が実行中であるのか完了したのか(実行中ではないのか)についての情報に基づいて、自動応答出力部14に自動応答発話を出力するタイミングを決定する。
トールセーバ設定部16は、トールセーバを「オン」または「オフ」にするユーザ設定(ユーザ操作)を受け付け、トールセーバが「オン」または「オフ」に設定されているとの情報を、応答条件判定部15に通知する。
モード設定部17は、留守番設定部171および在宅設定部172を含み、電話機1が自動応答処理を実行するよう設定されているか否かを応答条件判定部15に通知する。また、モード設定部17は、ユーザが在宅中に自動応答処理を実行するよう設定されているか、または、ユーザが留守中に自動応答処理を実行するよう設定されているかを、応答条件判定部15に通知する。留守番設定部171は、ユーザが留守中に自動応答処理を実行するよう設定するユーザ操作(「留守時自動応答」を設定するユーザ操作)を受け付ける。在宅設定部172は、ユーザが在宅中に自動応答処理を実行するよう設定するユーザ操作(「在宅時自動応答」を設定するユーザ操作)を受け付ける。
記憶部20は、電話機1が使用する各種データを格納する記憶装置である。なお、記憶部20は、電話機1の制御部10が実行する(1)制御プログラム、(2)OSプログラム、(3)制御部10が、電話機1が有する各種機能を実行するためのアプリケーションプログラム、および、(4)該アプリケーションプログラムを実行するときに読み出す各種データを非一時的に記憶してもよい。上記の(1)〜(4)のデータは、例えば、ROM(read only memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(登録商標)(Electrically EPROM)、HDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置に記憶される。
電話機1は、図示しない一時記憶部を備えていてもよい。一時記憶部は、電話機1が実行する各種処理の過程で、演算に使用するデータおよび演算結果等を一時的に記憶するいわゆるワーキングメモリであり、RAM(Random Access Memory)などの揮発性記憶装置で構成される。
どのデータをどの記憶装置に記憶するのかについては、電話機1の使用目的、利便性、コスト、または、物理的な制約などから適宜決定される。
記憶部20はさらに、発話設定情報21、発信元情報22、発話内容情報23、自動応答出力内容情報24、および応答条件情報25を格納している。
発話設定情報21は、TTS機能が「オン」に設定されているか否かの情報である。発信元情報22は、電話番号と対応付けて、発信元の氏名名称等の情報を格納したものである。発話内容情報23は、TTS機能が「オン」に設定されている場合に、発話部13が読み上げるテキスト情報を定義した情報である。発話内容情報23は、発信元電話番号が電話帳に既に登録されている場合、当該発信元電話番号に対応する情報(例えば、発信者の氏名名称等の発信元についての情報。具体的には、「XXXさん」)であってもよい。発話内容情報23は、発信元電話番号が電話帳に登録されていない場合、当該発信元電話番号に対応する発信地域名(例えば、「XXX県」)、発信機器種別(例えば、携帯電話からの着信か、または固定電話からの着信かについての情報。具体的には「携帯電話」)であってもよい。
自動応答出力内容情報24は、自動応答発話として音声出力される、「只今、留守にしております・・・」、「只今、お名前確認モードになっています。お名前をおしゃってください。・・・」といった音声データである。
応答条件情報25は、自動応答出力部14が自動応答発話を出力するタイミングを定義する情報であり、ユーザの設定した「着信から自動応答発話を出力するまでの期間(例えば、ユーザの設定した留守応答回数(自動応答回数))」についての情報を含んでいる。
応答条件情報25は、例えば、トールセーバ機能が「オフ」に設定され、ユーザが「在宅中」であることが設定されている場合、CI信号のオンオフの切り替え回数(CI信号のオンオフの切り替え回数)またはリンガー音の出力回数(鳴動回数)が着信から留守応答回数(自動応答回数)に達した後、「発信元情報音声出力処理が完了したタイミング」で、自動応答発話を出力することを定義している。
応答条件情報25は、また、例えば、着信音がリンガー音である場合、リンガー音の鳴動回数(出力回数)が着信から留守応答回数(自動応答回数)に達すると、ユーザの設定した「着信から自動応答発話を出力するまでの期間」が経過したと定義している。
応答条件情報25は、さらに、例えば、着信音がメロディである場合、CI信号の受信回数(CI信号のオンオフの切り替え回数)が着信から留守応答回数(自動応答回数)に達すると、ユーザの設定した「着信から自動応答発話を出力するまでの期間」が経過したと定義している。
(電話機1が自動応答発話を出力するタイミング:トールセーバ「オフ」設定時)
図2は、電話機1が自動応答発話を出力するタイミングを説明する図である。より正確には、図2は、トールセーバ設定が「オフ」であって、「留守応答回数(自動応答回数):2回」に設定されている場合に、電話機1が自動応答発話を出力するタイミングを説明する図である。
図2に示すように、電話機1は、「XXXXXXXXからです」との発信元についての情報を読み上げる「発信元情報音声出力処理」を実行している途中では、自動応答処理に切り替えない。ここで、読み上げるテキスト情報の文字数が多いときは、着信から「発信元情報音声出力処理」を完了するまでに受信するCI信号の数が増え、つまり、着信から受信したCI信号の受信回数は留守応答回数(自動応答回数)を超えることがある。しかしながら、電話機1は、発信元情報音声出力処理の実行中にはリンガー音(「プルルル」)を出力しないので、リンガー音の鳴動回数が留守応答回数(自動応答回数)を超えることはなく、留守応答回数(自動応答回数)との間で矛盾が発生することはない。
電話機1は、着信から受信したCI信号の受信回数が留守応答回数(自動応答回数)に達した後であって、発信元情報音声出力処理を完了した(発信元についての情報を全て音声出力し終わった)後に、「只今、留守にしております・・・」または「只今、お名前確認モードになっています。お名前をおしゃってください。・・・」といった自動応答発話を音声出力する。
なお、図2において、発話部13が発信元情報音声出力処理を実行している間、鳴動部12は、メロディ(着信メロディ)の音量をゼロにしている。しかしながら、鳴動部12は、発話部13が発信元情報音声出力処理を実行している間、発話部13により読み上げられているテキスト情報の聞き取りが邪魔にならない程度の音量で(所定の音量で)、メロディを出力してもよい。図3および図4においても同様である。
(「着信音:リンガー音」の場合に電話機1が自動応答発話を出力するタイミング)
図3は、電話機1が自動応答発話を出力するタイミングであって、図2に示すのとは別のタイミングを説明する図である。図3に示す例では、電話機1は、着信から受信したCI信号の受信回数(CI信号のオンオフの切り替え回数)ではなく、着信からリンガー音(「プルルル」)の鳴動回数が留守応答回数(自動応答回数)に達した後に、自動応答発話を音声出力する。
図3に示す例で電話機1は、「留守応答回数(自動応答回数):2回」が設定されている場合、CI信号の受信回数(CI信号のオンオフの切り替え回数)が着信から2回に達した後ではなく、リンガー音の出力回数(鳴動回数)が着信から2回に達した後、「発話部13によって発信元についての情報が音声出力されていない」ことを検知したタイミングで、自動応答発話を出力している。
リンガー音の出力回数(鳴動回数)が着信から2回に達した時には、CI信号の受信回数は既に3回に達し、CI信号の受信回数は留守応答回数(自動応答回数)を超えている。しかし、2回目に受信したCI信号に対応するリンガー音は出力されていないため、自動応答発話を出力するまでに鳴動させたリンガー音の鳴動回数が留守応答回数(自動応答回数)を超えることはない。したがって、着信から自動応答処理が実行される(開始される)までに鳴動するリンガー音の鳴動回数と留守応答回数(自動応答回数)との間で齟齬が発生することはない。
すなわち、電話機1の鳴動部12は、前記着信音として、CI信号のオンオフの周期と同期して鳴動と休止とを繰り返すリンガー音を出力し、自動応答出力部14は、鳴動部12による前記リンガー音の出力回数(鳴動回数)が前記着信から所定の回数(例えば、留守応答回数(自動応答回数))に達したとき、前記着信から前記所定期間が経過したとして、発話部13によって前記発信元についての情報が音声出力されていないことを検知したタイミングで、着信状態を終了または中断して前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に前記所定のメッセージを発話する。
前記の構成によれば、自動応答出力部14は、前記リンガー音の出力回数が前記着信から所定の回数に達した後、発話部13によって前記発信元についての情報が音声出力されていないことを検知したタイミングで、着信状態を終了または中断して前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に前記所定のメッセージを発話する。
ここで、従来の電話機は、前記CI信号のオンオフの切り替え回数が前記着信から所定の回数に達したタイミングで、つまり、前記CI信号のオンになった回数(前記CI信号の受信回数)が前記着信から所定の回数に達したタイミングで、留守番電話機能などの自動応答機能を実行していた。そのため、従来の電話機は、前記発信元についての情報の音声出力の途中で前記CI信号がオンになると、前記音声出力を中断して、つまり、途中で停止して、留守番メッセージなどの所定の応答を発話していた。
これに対し、自動応答出力部14は、前記CI信号のオンオフの切り替え回数(前記CI信号の受信回数)が前記着信から所定の回数に達した後ではなく、前記リンガー音の出力回数(鳴動回数)が前記着信から所定の回数に達した後に、着信状態を終了または中断して前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に前記所定のメッセージを発話する。つまり、自動応答出力部14は、前記発信元についての情報の音声出力の途中で前記CI信号がオンになった(前記着信からの前記CI信号の受信回数が所定の回数に達した)としても前記音声出力を中断せず、前記発信元についての情報の音声出力が完了してから前記所定のメッセージを発話する。
したがって、電話機1は、前記着信から前記所定期間が経過した後、前記発信元についての情報の音声出力を中断せずに前記所定のメッセージ発話などの自動応答機能を実行することにより、ユーザ利便性を向上させることができるという効果を奏する。
(「着信音:メロディ」の場合に電話機1が自動応答発話を出力するタイミング)
ここで、「着信音」として、リンガー音ではなく「メロディ(着信メロディ)」が設定されている時は、図3に示すように、電話機1は、CI信号の受信回数(CI信号のオンオフの切り替え回数)に従って自動応答処理に切り替えてもよい。
すなわち、電話機1の鳴動部12は、前記着信音として、連続する一連の音である連続音(メロディ)の再生を継続するとともに、発話部13による前記発信元についての情報の音声出力中は、前記連続音の音量をゼロまたは所定の値として、前記連続音を出力し、自動応答出力部14は、CI信号のオンオフの切り替え回数が前記着信から所定の回数に達したとき、前記着信から前記所定期間が経過したとして、発話部13によって前記発信元についての情報が音声出力されていないことを検知したタイミングで、着信状態を終了または中断して前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に前記所定のメッセージを発話する。
前記の構成によれば、前記着信音として前記連続音(例えば、着信メロディ)が出力されている場合、自動応答出力部14は、前記CI信号のオンオフの切り替え回数が前記着信から所定の回数に達した後、前記発信元についての情報が音声出力されていないことを検知したタイミングで、着信状態を終了または中断して前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に前記所定のメッセージを発話する。
したがって、電話機1は、前記着信音として前記連続音が出力されている場合であっても、前記着信から前記所定期間が経過した後、前記発信元についての情報の音声出力を中断せずに前記所定のメッセージ発話などの自動応答機能を実行することにより、ユーザ利便性を向上させることができるという効果を奏する。
(電話機1が自動応答発話を出力するタイミング:トールセーバ「オン」設定時)
電話機1は、トールセーバ設定が「オン」である場合、つまりトールセーバが「オン」に設定されている場合、発信元情報音声出力処理の途中であっても(つまり、発信元についての情報の読み上げが完了していなくとも)、リングバックトーンが所定の回数に達したら自動応答発話を出力する。
トールセーバが「オン」に設定されている場合、着信から何回目のリングバックトーンの後に自動応答発話を出力するのかによって、ユーザに「新しい留守番電話メッセージが録音されているか否か」を通知する必要がある。
したがって、電話機1は、トールセーバが「オン」に設定されている場合、発信元情報音声出力処理の実行途中であっても(つまり、発信元についての情報の読み上げが完了していなくとも)、リングバックトーンが所定の回数に達したら自動応答発話を出力する。
すなわち、電話機1は、トールセーバ機能がオンに設定されている場合、自動応答出力部14は、呼び出し音の鳴動回数が、新規の留守番電話メッセージが録音されているか否かに対応付けられた値になると、発話部13によって前記発信元についての情報が音声出力されている途中であることを検知しても、前記発信元についての情報の音声出力を停止させて、前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に前記所定のメッセージを発話する。
前記の構成によれば、自動応答出力部14は、前記トールセーバ機能がオンに設定されている場合、呼び出し音の鳴動回数が、新規の留守番電話メッセージが録音されているか否かに対応付けられた値になると、発話部13によって前記発信元についての情報が音声出力されている途中であることを検知しても、前記発信元についての情報の音声出力を停止させて、前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に前記所定のメッセージを発話する。
ここで、従来からトールセーバ機能を備えた電話機が知られている。トールセーバ機能とは、留守番電話待機状態にしておいた留守番電話機にユーザが外出先から電話をかけて呼び出し音を聞き、呼び出し音の鳴動回数から新着の留守番電話メッセージの有無を確認することができる機能である。トールセーバ機能がオンに設定されている留守番電話機は、新着の留守番電話メッセージが有る場合、呼び出し音を例えば2回出力した後(2回鳴動させた後)、留守番メッセージなどの自動応答発話を出力する。また、トールセーバ機能がオンに設定されている留守番電話機は、新着の留守番電話メッセージが無い場合、呼び出し音を3回以上出力した(3回以上鳴動させた後)後、呼び出し音の出力回数(鳴動回数)が所定の回まで達すると、留守番メッセージなどの自動応答発話を出力する。例えば、新着の留守番電話メッセージが無い場合、呼び出し音を5回鳴動させた後に留守番メッセージを音声出力する。
自動応答出力部14は、前記トールセーバ機能がオンに設定されている場合、前記発信元についての情報が音声出力されている途中であっても、新着の留守番電話メッセージの有無に応じて、呼び出し音を所定の回数出力した後に前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に前記所定のメッセージを発話する。
したがって、電話機1は、前記トールセーバ機能がオンに設定されている場合、発話部13によって前記発信元についての情報が音声出力されている途中であることを検知しても、新着の留守番電話メッセージの有無に応じて、呼び出し音の鳴動回数が所定の値になると前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に前記所定のメッセージを発話することができるという効果を奏する。
図4は、電話機1について、トールセーバ設定がオンの場合に、自動応答発話を出力するタイミングを説明する図である。図4に示すように、トールセーバが「オン」に設定されている場合、電話機1(特に、自動応答出力部14)は、情報の音声出力途中でも、前記着信から所定のリングバックトーン回数で自動応答処理に切り替える。
図4の(A)は、電話機1について、トールセーバ設定が「オン」で、かつ、「新しい留守番電話メッセージが録音されている」場合に、自動応答発話を出力するタイミングを説明する図である。
トールセーバ設定が「オン」で、かつ、新しい留守番電話メッセージがある場合、発信元情報音声出力処理の実行途中であっても、CI信号の受信回数(リングバックトーンの鳴動回数)が、「録音データ有り」時の所定のリングバックトーン回数(例えば、図4の(A)に示す例では2回)になると、自動応答処理に切り替える(自動応答発話を出力する)。
図4の(B)は、電話機1について、トールセーバ設定が「オン」で、かつ、「新しい留守番電話メッセージが録音されていない」場合に、自動応答発話を出力するタイミングを説明する図である。
トールセーバ設定が「オン」で、かつ、新しい留守番電話メッセージが無い場合、発信元情報音声出力処理の実行途中であっても、CI信号の受信回数(リングバックトーンの鳴動回数)が、「録音データ無し」時の所定のリングバックトーン回数(例えば、図4の(B)に示す例では4回)になると、自動応答処理に切り替える(自動応答発話を出力する)。
(電話機1の実行する処理の概要)
これまでに図2から図4を用いて説明してきた電話機1の実行する処理について整理すれば、以下の通りである。すなわち、電話機1の実行する処理は、発信元についての情報(例えば、テキスト情報)を音声出力可能な発話ステップと、着信から所定期間(例えば、ユーザの設定した期間)が経過した後、前記発話ステップにて前記発信元についての情報を音声出力していないことを検知したタイミングで、着信状態を終了または中断して前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に所定のメッセージを発話する自動応答出力ステップと、を含んでいる。
前記の方法(電話機1の実行する処理)によれば、前記自動応答出力ステップは、前記着信から前記所定期間が経過した後、前記発話ステップにて前記発信元についての情報を音声出力していないことを検知したタイミングで、着信状態を終了または中断して前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に所定のメッセージを発話する。つまり、前記自動応答出力ステップは、例えば、前記発信元についての情報が音声出力されている途中に、前記発信元についての情報の音声出力を中断して前記所定のメッセージを発話することがない。
したがって、電話機1の実行する処理は、前記着信から前記所定期間が経過した後、前記発信元についての情報の音声出力を中断せずに前記所定のメッセージ発話などの自動応答機能を実行することにより、ユーザ利便性を向上させることができるという効果を奏する。
(電話機1の実行する処理の詳細)
図5は、電話機1が実行する処理の一例を示すフローチャートである。電話機1の信号取得部11が着信(CI信号)を検出する(S10)と、鳴動部12は、着信音(1回目)を出力し(S20)、つまり、例えば1回目のリンガー音を鳴動させ、その後、着信音(1回目)の出力を停止し(S30)、つまり、例えば1回目の休止(リンガー音の休止)を行う。
電話機1の発話部13は、TTS機能が「オン」に設定されているかを確認する(S40)。TTS機能が「オン」に設定されている場合(S40でYes)、発話部13は、読み上げ(発信元についての情報の読み上げ)を開始する(S50:発話ステップ)。
応答条件判定部15は、着信から所定時間(自動応答処理を実行するようユーザが設定した期間)が経過したかを確認し(S60)、着信から所定時間が経過した(S60でYes)と判定すると、さらに、留守番機能が「オフ」になっているか(「在宅時自動応答」が設定されている)を確認する(S70)。
留守番機能が「オフ」になっている(「在宅時自動応答」が設定されている)場合(S70でYes)、応答条件判定部15は、さらに、トールセーバが「オフ」に設定されているかを確認する(S80)。トールセーバが「オフ」に設定されている場合(S80でYes)、発話部13が発信元についての情報の読み上げを完了してから(発信元についての情報を全て読み上げてから)(S90)、自動応答出力部14は自動応答処理を実行する(自動応答発話を出力する)(S100:自動応答出力ステップ)。
TTS機能が「オフ」に設定されている場合(S40でNo)、鳴動部12は、着信音(n回目)を出力した(鳴動させた)後(S110)、着信音(n回目)の出力を停止する(休止する)(S120)。応答条件判定部15は、着信から所定時間(自動応答処理を実行するようユーザが設定した期間)が経過したかを確認し(S130)、着信から所定時間が経過した(S130でYes)と判定すると、自動応答出力部14は自動応答処理を実行する(S140)。着信から所定時間が経過していない場合(S130でNo)、鳴動部12は、着信から所定時間が経過するまで、S110およびS120を繰り返す。
着信から所定時間が経過していない場合(S60でNo)、発話部13が発信元についての情報の読み上げを完了してから(発信元についての情報を全て読み上げてから)(S150)、鳴動部12は、着信音(n回目)を出力した(鳴動させた)後(S160)、着信音(n回目)の出力を停止する(休止する)(S170)。その後、発話部13は、読み上げ(発信元についての情報の読み上げ)(n回目)を開始する(S180:発話ステップ)。そして、着信から所定時間が経過するまで(S60でYesとなるまで)、S150からS180までの処理が繰り返される。
留守番機能が「オン」になっている(「留守時自動応答」が設定されている)場合(S70でNo)、発話部13は読み上げ(発信元についての情報の読み上げ)を停止した(中断した)後、または読み上げの音量を所定値(例えば、ミュート)にして出力した後(S190)、自動応答出力部14は自動応答処理を実行する(S100:自動応答出力ステップ)。
トールセーバが「オン」に設定されている場合(S80でNo)、発話部13は読み上げ(発信元についての情報の読み上げ)を停止した(中断した)後、または読み上げの音量を所定値(例えば、ミュート)にして出力した後(S190)、自動応答出力部14は自動応答処理を実行する(S100:自動応答出力ステップ)。
図6は、電話機1について、トールセーバの設定有無と自動応答発話を出力するタイミングとの関係を示す図である。図6に示すように、電話機1(特に、応答条件判定部15)は、トールセーバが「オン」に設定されているか否かに応じて、自動応答出力部14が自動応答発話を出力するタイミングを切り替える。
応答条件判定部15は、トールセーバが「オン」に設定されていない場合、「発信元についての情報の音声出力を完了した」ことを発話部13から通知されてから(つまり、発話部13が発信元についての情報を全て読み上げた後に)、自動応答出力部14に自動応答発話を出力させる。
これに対し、応答条件判定部15は、トールセーバが「オン」に設定されている場合、着信から所定の期間が経過すると(より正確には、着信からのリングバックトーンの出力回数が所定値になると)、発話部13が発信元についての情報の音声出力途中であっても(つまり、「発信元についての情報の音声出力を完了した」ことを発話部13から通知されていなくても)、発話部13に発信元についての情報の音声出力を中断させて(つまり、途中で停止させて)、自動応答出力部14に自動応答発話を出力させる。
つまり、電話機1は、トールセーバが「オン」に設定されている場合、発信元についての情報の音声出力途中でも、前記着信から所定のリングバックトーン回数で自動応答処理に切り替える。具体的には、新しい留守番電話メッセージがある時には、発信元についての情報の音声出力途中でも、「録音データ有り」時の所定のリングバックトーン回数(例えば、図4の(A)に示す例では2回)で自動応答処理に切り替える。新しい留守番電話メッセージが無い時には、発信元についての情報の音声出力途中でも、「録音データ無し」時の所定のリングバックトーン回数(例えば、図4の(B)に示す例では4回)で自動応答処理に切り替える。
〔実施形態2〕
(TTS機能オフの場合は従来のタイミングで自動応答処理に切り替える)
これまで、電話機1が、着信通知処理として、TTS機能を実行する(発信元についての情報を音声出力する)例を説明してきた。しかしながら、電話機1は、着信通知処理として発信元情報音声出力処理を実行せず、着信音(リンガー音および着信メロディの少なくとも一方)のみを出力して、ユーザに着信を通知してもよい。
電話機1は、「留守応答回数(自動応答回数):2回」に加えて、TTS機能が「オフ」に設定されている場合は、従来通り2つ目のCI信号オフのタイミングで自動応答処理に切り替える。電話機1は、発信元情報音声出力処理を実行しないため、2つ目のCI信号オンとリンガー音の2回目の鳴動とが対応する。したがって、「留守応答回数(自動応答回数):2回」とのユーザ設定との矛盾が生じないよう、電話機1は、ユーザがリンガー音の2回目の鳴動を聞いた後、つまり、2つ目のCI信号オフのタイミングで、自動応答発話を出力する。
すなわち、電話機1は、前記着信があると、前記発信元についての情報の音声出力とは異なる着信音を出力する鳴動部12を備え、発話部13による前記発信元についての情報の音声出力が行われずに、鳴動部12による着信音のみが出力される場合、自動応答出力部14は、前記着信から前記所定期間が経過したタイミングで、着信状態を終了または中断して前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に前記所定のメッセージを発話する。
前記の構成によれば、自動応答出力部14は、前記発信元についての情報の音声出力が行われずに前記着信音のみが出力される場合、前記着信から前記所定期間が経過したタイミングで、着信状態を終了または中断して前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に前記所定のメッセージを発話する。
したがって、電話機1は、前記着信から前記所定期間が経過した後、前記発信元についての情報の音声出力を中断せずに前記所定のメッセージ発話などの自動応答機能を実行することにより、ユーザ利便性を向上させることができるという効果を奏する。
〔実施形態3〕
(発信元情報音声出力処理と自動応答処理との同時実行)
電話機1は、着信を受ける側のユーザに対する「発信元情報音声出力処理」(例えば、発信元についてのテキスト情報の読み上げ)と、発信元に対する「自動応答処理」(例えば、発信元に名乗らせるための自動応答発話の出力)と、を同時に実行してもよい。つまり、着信を受ける側のユーザに対して発信元についての情報を読み上げている期間と、発信元に対して自動応答発話を出力している期間と、が重複してもよい。
電話機1は、着信を受ける側のユーザに対して発信元についてのテキスト情報を読み上げつつ、発信元に対して発信元に名乗らせるための自動応答発話を出力してもよい。なお、電話機1は、着信を受ける側のユーザに対して発信元についてのテキスト情報を読み上げている間は、発信元に対して出力する自動応答発話を、着信を受ける側のユーザに対して出力しない。着信を受ける側のユーザは、電話機1が発信元に対して自動応答発話を出力している間、当該自動応答発話ではなく、電話機1が読み上げている発信元についての情報を聞くことになる。
そして、電話機1は、発信元に名乗らせるための自動応答発話に対する発信元からの回答(例えば、自信の氏名名称を名乗る発信者の声)を検出したら、発信元についての情報の読み上げを中断し、着信を受ける側のユーザに対し、発信元からの回答を音声出力してもよい。
着信を受ける側のユーザは、発信元からの回答(発信者の声)を聞けば、発信元が誰か分かるので、電話機1が発信元についてのテキスト情報を読み上げなくても、着信を受ける側のユーザは、発信元が誰かを確認することができる。
〔実施形態4〕
(留守時自動応答設定と在宅時自動応答設定との区別)
電話機1は、「留守時自動応答」設定されている場合と、「在宅時自動応答」設定されている場合とで、自動応答処理の内容を変えてもよい。「留守時自動応答」が設定されると、トールセーバが「オン」に設定されてもよい。
「留守時自動応答」が設定されている場合、ユーザは不在であると推定できる。したがって、発信元情報音声出力処理の実行途中に自動応答処理に切り替わっても、「発信元についての情報の読み上げが中断されて、ユーザは、発信元についての情報を全て聞くことができない」という事態は発生しないと考えられる。
これに対して、「在宅時自動応答」設定されている場合、ユーザは在宅であると推定できる。つまり、電話機1が発信元情報音声出力処理の実行途中に自動応答処理に切り替えた場合、「発信元についての情報の読み上げが中断されて、ユーザは、発信元についての情報を全て聞くことができない」という事態が発生し得る。したがって、「在宅時自動応答」設定されている場合、電話機1は、「発話部13によって発信元についての情報が音声出力されていない」ことを検知したタイミングで、着信状態を終了または中断して前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に所定のメッセージを発話する。
すなわち、電話機1の自動応答出力部14は、(i)ユーザが在宅中であることが設定されていると、前記着信から前記所定期間が経過した後、発話部13によって前記発信元についての情報が音声出力されていないことを検知したタイミングで、着信状態を終了または中断して前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に前記所定のメッセージを発話し、(ii)ユーザが留守中であることが設定されていると、発話部13によって前記発信元についての情報が音声出力されている途中であることを検知しても、前記着信から前記所定期間が経過したタイミングで、着信状態を終了または中断して前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に前記所定のメッセージを発話する。
前記の構成によれば、自動応答出力部14は、前記所定期間が着信から経過すると、(i)ユーザが在宅中であることが設定されていると、発話部13によって前記発信元についての情報が音声出力されていないことを検知したタイミングで、着信状態を終了または中断して前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に前記所定のメッセージを発話し、(ii)ユーザが留守中であることが設定されていると、発話部13によって前記発信元についての情報が音声出力されている途中であることを検知しても、前記発信元についての情報の音声出力を停止させて(中断させて)、前記所定のメッセージを発話する。
ユーザが留守中であることが設定されているときは、着信に応じて音声出力される前記発信元についての情報を聞くユーザが不在であると推定できる。したがって、前記発信元についての情報が音声出力されている途中であっても、前記発信元についての情報の音声出力を停止させて(中断させて)、前記所定のメッセージを発話させたとしても、ユーザにとって支障はない。
これに対し、ユーザが在宅中であることが設定されているときは、ユーザが、着信に応じて音声出力される前記発信元についての情報を聞いていると考えられる。したがって、電話機1は、前記発信元についての情報が音声出力されていないことを検知したタイミングで、着信状態を終了または中断して前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に前記所定のメッセージを発話するのが好ましい。
電話機1は、前記所定期間が着信から経過すると、(i)ユーザが在宅中であることが設定されているときは、発話部13によって前記発信元についての情報が音声出力されていないことを検知したタイミングで、着信状態を終了または中断して前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に前記所定のメッセージを発話し、(ii)ユーザが留守中であることが設定されているときは、発話部13によって前記発信元についての情報が音声出力されている途中であっても、前記発信元についての情報の音声出力を停止させて(中断させて)、前記所定のメッセージを発話することにより、ユーザ利便性を向上させることができるという効果を奏する。
〔実施形態5〕
(ソフトウェアによる実現例)
電話機1の制御部10は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフト
ウェアによって実現してもよい。
後者の場合、電話機1は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る通信端末装置(電話機1)は、発信元についての情報(例えば、テキスト情報)を音声出力可能な発話部(13)と、着信から所定期間(例えば、ユーザの設定した期間)が経過した後、前記発話部によって前記発信元についての情報が音声出力されていないことを検知したタイミングで、着信状態を終了または中断して前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に所定のメッセージを発話する自動応答出力部(14)と、を備えている。
前記の構成によれば、前記自動応答出力部は、前記着信から前記所定期間が経過した後、前記発話部によって前記発信元についての情報が音声出力されていないことを検知したタイミングで、着信状態を終了または中断して前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に所定のメッセージを発話する。つまり、前記自動応答出力部は、例えば、前記発信元についての情報が音声出力されている途中に、前記発信元についての情報の音声出力を中断して前記所定のメッセージを発話することがない。
したがって、前記通信端末装置は、前記着信から前記所定期間が経過した後、前記発信元についての情報の音声出力を中断せずに前記所定のメッセージ発話などの自動応答機能を実行することにより、ユーザ利便性を向上させることができるという効果を奏する。
本発明の態様2に係る通信端末装置は、上記態様1において、前記着信があると、前記発信元についての情報の音声出力とは異なる着信音を出力する鳴動部(12)をさらに備え、前記発話部による前記発信元についての情報の音声出力が行われずに、前記鳴動部による着信音のみが出力される場合、前記自動応答出力部は、前記着信から前記所定期間が経過したタイミングで、着信状態を終了または中断して前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に前記所定のメッセージを発話してもよい。
前記の構成によれば、前記自動応答出力部は、前記発信元についての情報の音声出力が行われずに前記着信音のみが出力される場合、前記着信から前記所定期間が経過したタイミングで、着信状態を終了または中断して前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に前記所定のメッセージを発話する。
したがって、前記通信端末装置は、前記着信から前記所定期間が経過した後、前記発信元についての情報の音声出力を中断せずに前記所定のメッセージ発話などの自動応答機能を実行することにより、ユーザ利便性を向上させることができるという効果を奏する。
本発明の態様3に係る通信端末装置は、上記態様2において、前記鳴動部は、前記着信音として、CI信号のオンオフの周期と同期して鳴動と休止とを繰り返すリンガー音を出力し、前記自動応答出力部は、前記鳴動部による前記リンガー音の出力回数が前記着信から所定の回数に達したとき、前記着信から前記所定期間が経過したとして、前記発話部によって前記発信元についての情報が音声出力されていないことを検知したタイミングで、着信状態を終了または中断して前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に前記所定のメッセージを発話してもよい。
前記の構成によれば、前記自動応答出力部は、前記リンガー音の出力回数が前記着信から所定の回数に達した後、前記発話部によって前記発信元についての情報が音声出力されていないことを検知したタイミングで、着信状態を終了または中断して前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に前記所定のメッセージを発話する。
ここで、従来の電話機は、前記CI信号のオンオフの切り替え回数が前記着信から所定の回数に達したタイミングで、つまり、前記CI信号のオンになった回数(前記CI信号の受信回数)が前記着信から所定の回数に達したタイミングで、留守番電話機能などの自動応答機能を実行していた。そのため、従来の電話機は、前記発信元についての情報の音声出力の途中で前記CI信号がオンになると、前記音声出力を中断して、つまり、途中で停止して、留守番メッセージなどの所定の応答を発話していた。
これに対し、前記自動応答出力部は、前記CI信号のオンオフの切り替え回数(前記CI信号の受信回数)が前記着信から所定の回数に達した後ではなく、前記リンガー音の出力回数(鳴動回数)が前記着信から所定の回数に達した後に、着信状態を終了または中断して前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に前記所定のメッセージを発話する。つまり、前記自動応答出力部は、前記発信元についての情報の音声出力の途中で前記CI信号がオンになった(前記着信からの前記CI信号の受信回数が所定の回数に達した)としても前記音声出力を中断せず、前記発信元についての情報の音声出力が完了してから前記所定のメッセージを発話する。
したがって、前記通信端末装置は、前記着信から前記所定期間が経過した後、前記発信元についての情報の音声出力を中断せずに前記所定のメッセージ発話などの自動応答機能を実行することにより、ユーザ利便性を向上させることができるという効果を奏する。
本発明の態様4に係る通信端末装置は、上記態様2において、前記鳴動部は、前記着信音として、連続する一連の音である連続音(メロディ)の再生を継続するとともに、前記発話部による前記発信元についての情報の音声出力中は、前記連続音の音量をゼロまたは所定の値として、前記連続音を出力し、前記自動応答出力部は、CI信号のオンオフの切り替え回数が前記着信から所定の回数に達したとき、前記着信から前記所定期間が経過したとして、前記発話部によって前記発信元についての情報が音声出力されていないことを検知したタイミングで、着信状態を終了または中断して前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に前記所定のメッセージを発話してもよい。
前記の構成によれば、前記着信音として前記連続音(例えば、着信メロディ)が出力されている場合、前記自動応答出力部は、前記CI信号のオンオフの切り替え回数が前記着信から所定の回数に達した後、前記発信元についての情報が音声出力されていないことを検知したタイミングで、着信状態を終了または中断して前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に前記所定のメッセージを発話する。
したがって、前記通信端末装置は、前記着信音として前記連続音が出力されている場合であっても、前記着信から前記所定期間が経過した後、前記発信元についての情報の音声出力を中断せずに前記所定のメッセージ発話などの自動応答機能を実行することにより、ユーザ利便性を向上させることができるという効果を奏する。
本発明の態様5に係る通信端末装置は、上記態様1から4のいずれかにおいて、トールセーバ機能がオンに設定されている場合、前記自動応答出力部は、呼び出し音の鳴動回数が、新規の留守番電話メッセージが録音されているか否かに対応付けられた値になると、前記発話部によって前記発信元についての情報が音声出力されている途中であることを検知しても、前記発信元についての情報の音声出力を停止させて、前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に前記所定のメッセージを発話してもよい。
前記の構成によれば、前記自動応答出力部は、前記トールセーバ機能がオンに設定されている場合、呼び出し音の鳴動回数が、新規の留守番電話メッセージが録音されているか否かに対応付けられた値になると、前記発話部によって前記発信元についての情報が音声出力されている途中であることを検知しても、前記発信元についての情報の音声出力を停止させて、前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に前記所定のメッセージを発話する。
ここで、従来からトールセーバ機能を備えた電話機が知られている。トールセーバ機能とは、留守番電話待機状態にしておいた留守番電話機にユーザが外出先から電話をかけて呼び出し音を聞き、呼び出し音の鳴動回数から新着の留守番電話メッセージの有無を確認することができる機能である。トールセーバ機能がオンに設定されている留守番電話機は、新着の留守番電話メッセージが有る場合、呼び出し音を例えば2回出力した後(2回鳴動させた後)、留守番メッセージなどの自動応答発話を出力する。また、トールセーバ機能がオンに設定されている留守番電話機は、新着の留守番電話メッセージが無い場合、呼び出し音を3回以上出力した(3回以上鳴動させた後)後、呼び出し音の出力回数(鳴動回数)が所定の回まで達すると、留守番メッセージなどの自動応答発話を出力する。例えば、新着の留守番電話メッセージが無い場合、呼び出し音を5回鳴動させた後に留守番メッセージを音声出力する。
前記自動応答出力部は、前記トールセーバ機能がオンに設定されている場合、前記発信元についての情報が音声出力されている途中であっても、新着の留守番電話メッセージの有無に応じて、呼び出し音を所定の回数出力した後に前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に前記所定のメッセージを発話する。
したがって、前記通信端末装置は、前記トールセーバ機能がオンに設定されている場合、前記発話部によって前記発信元についての情報が音声出力されている途中であることを検知しても、新着の留守番電話メッセージの有無に応じて、呼び出し音の鳴動回数が所定の値になると前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に前記所定のメッセージを発話することができるという効果を奏する。
本発明の態様6に係る通信端末装置は、上記態様1から5のいずれかにおいて、前記自動応答出力部は、(i)ユーザが在宅中であることが設定されていると、前記着信から前記所定期間が経過した後、前記発話部によって前記発信元についての情報が音声出力されていないことを検知したタイミングで、着信状態を終了または中断して前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に前記所定のメッセージを発話し、(ii)ユーザが留守中であることが設定されていると、前記発話部によって前記発信元についての情報が音声出力されている途中であることを検知しても、前記着信から前記所定期間が経過したタイミングで、着信状態を終了または中断して前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に前記所定のメッセージを発話してもよい。
前記の構成によれば、前記自動応答出力部は、前記着信から前記所定期間が経過すると、(i)ユーザが在宅中であることが設定されていると、前記発話部によって前記発信元についての情報が音声出力されていないことを検知したタイミングで、着信状態を終了または中断して前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に前記所定のメッセージを発話し、(ii)ユーザが留守中であることが設定されていると、前記発話部によって前記発信元についての情報が音声出力されている途中であることを検知しても、前記発信元についての情報の音声出力を停止させて(中断させて)、前記所定のメッセージを発話する。
ユーザが留守中であることが設定されているときは、着信に応じて音声出力される前記発信元についての情報を聞くユーザが不在であると推定できる。したがって、前記発信元についての情報が音声出力されている途中であっても、前記発信元についての情報の音声出力を停止させて(中断させて)、前記所定のメッセージを発話させたとしても、ユーザにとって支障はない。
これに対し、ユーザが在宅中であることが設定されているときは、ユーザが、着信に応じて音声出力される前記発信元についての情報を聞いていると考えられる。したがって、前記通信端末装置は、前記発信元についての情報が音声出力されていないことを検知したタイミングで、前記所定のメッセージを発話するのが好ましい。
前記通信端末装置は、前記所定期間が着信から経過すると、(i)ユーザが在宅中であることが設定されているときは、前記発話部によって前記発信元についての情報が音声出力されていないことを検知したタイミングで、着信状態を終了または中断して前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に前記所定のメッセージを発話し、(ii)ユーザが留守中であることが設定されているときは、前記発話部によって前記発信元についての情報が音声出力されている途中であっても、前記発信元についての情報の音声出力を停止させて(中断させて)、前記所定のメッセージを発話することにより、ユーザ利便性を向上させることができるという効果を奏する。
本発明の態様7に係る通信端末装置は、上記態様1から6のいずれかにおいて、前記発信元についての情報は、前記発信元についてのテキスト情報であってもよい。
前記の構成によれば、前記発話部は、前記発信元についてのテキスト情報を音声出力することができる。
したがって、前記通信端末装置は、前記発信元についてのテキスト情報を音声出力することができるという効果を奏する。
本発明の態様8に係る通信端末装置(電話機1)の制御方法は、発信元についての情報を音声出力可能な発話ステップ(S50およびS180)と、着信から所定期間が経過した後、前記発話ステップにて前記発信元についての情報を音声出力していないことを検知したタイミングで、着信状態を終了または中断して前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に所定のメッセージを発話する自動応答出力ステップ(S100)と、を含んでいる。
前記の方法によれば、前記自動応答出力ステップは、前記着信から前記所定期間が経過した後、前記発話ステップにて前記発信元についての情報を音声出力していないことを検知したタイミングで、着信状態を終了または中断して前記発信元および着信を受けるユーザの少なくとも一方に所定のメッセージを発話する。つまり、前記自動応答出力ステップは、例えば、前記発信元についての情報が音声出力されている途中に、前記発信元についての情報の音声出力を中断して前記所定のメッセージを発話することがない。
したがって、前記通信端末装置の制御方法は、前記着信から前記所定期間が経過した後、前記発信元についての情報の音声出力を中断せずに前記所定のメッセージ発話などの自動応答機能を実行することにより、ユーザ利便性を向上させることができるという効果を奏する。
本発明の各態様に係る電話機1(通信端末装置)は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを電話機1が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより電話機1をコンピュータにて実現させる電話機1の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。