JP6725245B6 - 免震装置の取付構造及び免震装置の取付方法 - Google Patents

免震装置の取付構造及び免震装置の取付方法 Download PDF

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Description

本発明は、積層ゴムを有する免震装置を下部構造体に接合する免震装置の取付構造及びその取付方法に関する。
従来、積層ゴムを有する免震装置の接合構造としては、鉄筋コンクリート製の下部構造体上に主として円板状の鋼板製ベースプレートを一体固定し、その鋼板製ベースプレート上に免震装置の下部フランジプレートを載せて複数のボルトで固定するのが一般的である(特許文献1参照)。
近年、コスト低減のために、このような主として円板状の鋼板製ベースプレートの代わりに、中央に開口を有する環状のベースプレート(リングプレートと呼ばれることがある)を用いる免震装置の取付構造が採用されている(非特許文献1参照)。
図5及び図6を用いて環状のベースプレートを用いた例について説明する。
まず、図5に示すように、コンクリートを打設して下部構造体10を構築する。下部構造体10の上面16には、固定金具22を下面に有する環状のベースプレート20が下部構造体10と一体に固定される。この際、環状のベースプレート20の開口20aには上面16よりも高くなるようにコンクリートを打設して余盛16aを形成する。この余盛16aを除去してベースプレート20の開口の内側をベースプレート20の上面と同じ高さになるようにかつ平滑に仕上げる。余盛16aの量や除去のタイミングは、現場作業者の技能に依存する。
次に、図6に示すように、ベースプレート20の上に免震装置40の下部フランジプレート44を載せ、複数の固定ボルト24を固定金具22と締結することで、ベースプレート20と下部フランジプレート44とを固定する。このとき、建築物の鉛直荷重は、ベースプレート20及びその開口の内側のコンクリートが免震装置40を介して直接負担することになる。そのため、ベースプレート20の内側のコンクリートの上面に凹凸が生じると、下部フランジプレート44に変形が生じたり、下部構造体10に局部的な圧縮力が作用したりすることになる。そこで、環状のベースプレート20を用いて下部構造体10の施工時には、コンクリート上面の平滑度が重要となるが、上述の通り、余盛16aの量や除去のタイミングが現場作業者の技能に依存するという問題がある。
特開2013−204364号公報
大東金属株式会社、「免震施工の参考写真〜リング式工法」、平成27年11月18日検索、インターネット<http://www.k-daito.com/BASE1211.htm>
本発明は、環状のベースプレートを用いた場合であっても作業者の技能への依存を低減することを可能とした免震装置の取付構造及び免震装置の取付方法を提供することを目的とする。
[適用例1]
本適用例に係る免震装置の取付構造は、積層ゴムを有する免震装置の下部フランジプレートを、下部構造体に接合する免震装置の取付構造であって、
前記下部構造体の上に取り付けられ、かつ、前記下部フランジプレートと接合する、開口を有する環状のベースプレートと、
前記開口の内側に設けられた収容部と、
前記収容部に配置され、前記下部フランジプレートの下面に接触して弾性変形したベースシートと、
を含み、
前記ベースシートは、ゴム製の複数のシートからなり、
前記開口は、円形であって、
前記シートは、扇形であることを特徴とする。
本適用例に係る免震装置の取付構造によれば、環状のベースプレートを用いた場合であっても作業者の技能への依存を低減することができる。また、本適用例に係る免震装置の取付構造によれば、ベースシートをゴム製とすることで、収容部の表面に凹凸があっても、弾性変形することでその凹凸の影響を下部フランジプレートに伝えることを防止できる。また、本適用例に係る免震装置の取付構造によれば、ベースシートを複数のシートから構成することで、取扱いが容易となり、例えば、シートを収容部に敷く施工が容易となる。さらに、本適用例に係る免震装置の取付構造によれば、ベースシートを複数のシートから構成することで、大判のゴム製のシートよりも安価になるため、施工コストが低減する。また、本適用例に係る免震装置の取付構造によれば、シートを扇形とすることで、円形の開口に合わせて容易に配置することができ、施工時間の短縮に貢献する。
[適用例2]
本適用例に係る免震装置の取付構造において、
前記収容部は、前記開口の内側における前記下部構造体の上面と前記開口の一部とによって形成され、
弾性変形する前の前記ベースシートの高さは、前記収容部の高さよりも高くすることができる。
本適用例に係る免震装置の取付構造によれば、下部フランジプレートがベースシートの上面に確実に接触することができる。
[適用例3]
本適用例に係る免震装置の取付構造において、
前記収容部に配置された弾性変形する前の前記ベースシートの体積は、前記収容部の容積より大きくすることができる。
本適用例に係る免震装置の取付構造によれば、ベースシートが圧縮により弾性変形してもベースシートで下部フランジプレートからの荷重を確実に負担することができる。これによって、本適用例に係る免震装置の取付構造によれば、下部フランジプレートの変形(反り)を防止することができる。
[適用例
本適用例に係る免震装置の取付方法は、積層ゴムを有する免震装置の下部フランジプレートを、下部構造体に接合する免震装置の取付方法であって、
前記下部構造体の上面に環状のベースプレートを固定すると共に、該ベースプレートの円形の開口の内側に収容部を形成し、
前記収容部に、ゴム製で扇形の複数のシートからなるベースシートを前記シートが互いに重ならないように並べて配置すると共に、隣り合う前記シートが間隔を有するように前記シートを配置し、
前記下部構造体の上方から前記免震装置を下降させて、前記下部フランジプレートで前記ベースシートを圧縮して弾性変形させ、
前記下部フランジプレートを前記ベースプレートに接合することを特徴とする。
本適用例に係る免震装置の取付方法によれば、環状のベースプレートを用いた場合であっても作業者の技能への依存を低減することができる。また、本適用例に係る免震装置の取付方法によれば、ベースシートをゴム製とすることで、収容部の表面に凹凸があっても、免震装置を載せる際に弾性変形することでその凹凸の影響が下部フランジプレートに伝わりにくい。また、本適用例に係る免震装置の取付方法によれば、ベースシートを複数のシートから構成することで、取扱いが容易となり、例えば、シートを収容部に敷き易くなる。さらに、本適用例に係る免震装置の取付方法によれば、ベースシートを複数のシートから構成することで、大判のゴム製のシートよりも安価になるため、施工コストが低減する。また、本適用例に係る免震装置の取付方法によれば、シートが互いに重ならないので、収容部内でシートの高さが大きく異なることを防止できる。また、本適用例に係る免震装置の取付方法によれば、シートを扇形とすることで、円形の開口に合わせて容易に配置
することができ、施工時間の短縮に貢献する。また、本適用例に係る免震装置の取付方法によれば、隣り合うシートが間隔を有するようにシートを配置することで、ベースシートの水平方向への伸張を許容することができる。
[適用例
本適用例に係る免震装置の取付方法において、
前記収容部は、前記開口の内側における前記下部構造体の上面と前記開口の一部とによって形成され、
前記ベースシートの上面が前記収容部から上方に突出するように、前記ベースシートを前記収容部に配置してもよい。
本適用例に係る免震装置の取付方法によれば、下部フランジプレートがベースシートの上面に確実に接触するように施工することができる。
[適用例
本適用例に係る免震装置の取付方法において、
前記ベースシートと前記開口との間に所定の間隔を有するように、前記ベースシートを前記収容部に配置してもよい。
本適用例に係る免震装置の取付方法によれば、下部フランジプレートによってベースシートが圧縮されても所定の間隔を有することでベースシートの水平方向への伸張を許容することができる。
実施形態に係る免震装置40の取付構造を示す縦断面図である。 実施形態に係る免震装置の取付方法における収容部14にベースシート30を配置する工程を示す縦断面図である。 実施形態に係る免震装置の取付方法における収容部14にベースシート30を配置する工程を示す縦断面図である。 実施形態に係る免震装置の取付方法における収容部14にベースシート30を配置する工程を示す平面図である。 従来の免震装置の取付方法を説明するための下部構造体10の縦断面図である。 従来の免震装置40の取付構造を示す縦断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.免震装置の取付構造
図1を用いて本実施形態に係る免震装置40の取付構造について説明する。図1は、本実施形態に係る免震装置40の取付構造を示す縦断面図である。
本実施形態に係る免震装置40の取付構造は、積層ゴム42を有する免震装置40の下部フランジプレート44を、下部構造体10に接合する免震装置40の取付構造である。免震装置40の取付構造は、下部構造体10の上に取り付けられ、かつ、下部フランジプレート44と接合する、開口20aを有する環状のベースプレート20と、開口20aの内側に設けられた収容部14と、収容部14に配置され、下部フランジプレート44の下面に接触して弾性変形したベースシート30と、を含む。
免震装置40は、上下に配置された鋼板製のフランジプレート44,46と、フランジプレート44,46に挟まれた積層ゴム42と、を備える。積層ゴム42は、複数のゴム製の薄い円形シートと薄い円形鋼板とを交互に積層したものであり、円柱状の外観を有する。フランジプレート44,46は、平面視で積層ゴム42よりも大きな円形の板体であり、外周付近に複数の貫通孔を有し、複数の貫通孔の位置は後述するベースプレート20の固定金具22の位置に対応する。
免震装置40は、下部フランジプレート44を下部構造体10に接合し、上部フランジプレート46を上部構造体50に接合している。
下部構造体10は、鉄筋コンクリート製であって、建築物の基礎である。下部構造体10は、主に四角柱状である。下部構造体10の上面16には環状のベースプレート20が埋め込まれて固定されている。上面16とベースプレート20の上面は同じ高さに設定され、同一平面を形成する。
ベースプレート20は、円環状の鋼板製の板であり、中央に円形の開口20aを有する。開口20aは、ベースプレート20の厚さ方向に貫通し、下部構造体10と一体の状態で後述する収容部14の外周壁となる。ベースプレート20は、下面に複数の固定金具22を有する。固定金具22は、長ナット(高ナットともいう)と長ナットにねじ込まれて下方に延びるアンカーボルトとから構成され、長ナットの上端はベースプレート20の下面に溶接固定されている。ベースプレート20における固定金具22の取付位置では上下に貫通する取付孔が設けられ、固定ボルト24を固定金具22の長ナット部分にねじ込むことができる。
収容部14は、開口20aの内側に設けられる。収容部14は、下部構造体10の上面16における円形の凹部であり、ベースプレート20の開口20aを外周壁とする。したがって、収容部14は、円形の凹部の底面である載置面12と開口20aの一部とによって形成される。
載置面12は、開口20aによって外周が画定されたコンクリートの平坦面である。載置面12は、平坦であることが望ましいが、熟練の施工業者によって凹凸がほとんどないほどの平滑に仕上げる必要はない。載置面12の凹凸は、この上に敷かれるベースシート30の弾性変形によって、下部フランジプレート44の下面との接触にほとんど影響を及ぼさないからである。載置面12における高低差は、使用するベースシート30の厚さにもよるが、数mm程度、例えば3mm以下、好ましくは2mm以下であることが好ましい。
収容部14の高さは、ベースプレート20の厚さ(開口20aの高さ)よりも低い。すなわち、収容部14の載置面14が開口20aを形成するベースプレート20の内側面の途中から水平方向に延びている。
ベースシート30は、収容部14に配置され、下部フランジプレート44の下面に接触して弾性変形している。したがって、下部フランジプレート44の中心側(積層ゴム42の下方)はベースシート30の上に接触し、下部フランジプレート44の外周付近は鋼板製のベースプレート20の上に接触するか、またはわずかな間隔を有して上方にある。ベースシート30の上面全体は、下部フランジプレート44の下面に接触している。
ベースシート30は、免震装置40を取り付ける前に、載置面12上に置かれる。ベースシート30は、免震装置40を取り付ける前の状態で、全体に均質な厚さを有する。ベースシート30は、免震装置40を取り付ける際に、載置面12のわずかな凹凸を自己の弾性変形によって吸収することができる程度の柔軟性を有する材質である。ベースシート30の材質としては、ゴム組成物、熱可塑性エラストマー、または熱可塑性樹脂であることができる。ゴム組成物としては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレンプロピレンゴム(EPM,EPDM)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)などを適用できる。なお、ベースシート30の形状等の特徴については、後述する。
このように、本実施形態に係る免震装置40の取付構造によれば、環状のベースプレート20を用いた場合であっても作業者の技能への依存を低減することができる。すなわち、ベースシート30が載置面12の凹凸を吸収するため、ベースプレート20の内側にコンクリートの余盛16a(図5参照)をした後にそれを取り除いて平滑度を得るといった作業者の技能に依存する作業を行う必要が無い。しかも、ベースシート30を介して建築物の荷重を下部構造体10へ確実に伝達することができるので、免震装置40の下部フランジプレート44の一部に偏荷重が加わることも防止できる。
2.免震装置の取付方法
図1〜図4を用いて本実施形態に係る免震装置40の取付方法について説明する。図2及び図3は、実施形態に係る免震装置の取付方法における収容部14にベースシート30を配置する工程を示す縦断面図である。特に、図3は、図4におけるIII-III断面を示す。図4は、実施形態に係る免震装置の取付方法における収容部14にベースシート30を配置する工程を示す平面図である。
本実施形態に係る免震装置40の取付方法は、積層ゴム42を有する免震装置40の下部フランジプレート44を、下部構造体10に接合するもの(図1)であるが、具体的には以下の通りである。
図2に示すように、下部構造体10の上面16に、環状のベースプレート20を固定すると共に、ベースプレート20の開口20aの内径側の天端を治具によりおさえ、開口20aの内側に収容部14を形成する。具体的には、基礎上に予め組まれた鉄筋の上に、固定金具22が下面に溶接固定されたベースプレート20を所定位置に配置し、下部構造体10の型枠内にコンクリートを打設し、上面16にベースプレート20と収容部14とを有する下部構造体10を形成する。
収容部14は、上面16上に形成された円形の凹部である。収容部14は、開口20aの一部が凹部の外周壁となっている。収容部14は、開口20aの内側における下部構造体10の上面16(載置面12)と開口20aの一部とによって形成される。収容部14は、下部構造体10の上面16(ベースプレート20の上面と同じ高さ)から高さH1だけ下がった位置に凹部の底面である載置面12が形成される。載置面12は、打設したコンクリートを均したほぼ均質な高さを有し、かつ、平滑面であることが望ましいが、従来
の余盛16a(図5参照)を作っていた場合のような平滑度は要求されない。ベースシート30によって多少の凹凸は吸収されるからである。高さH1は、ベースプレート20の厚さと同じかそれよりも低い。ベースプレート20の開口20aを収容部14の外周壁とするからである。
ベースシート30を準備する。ベースシート30は、免震装置40が取り付けられて弾性変形する前の高さH2が収容部14の高さH1よりも高い。これによって、下部フランジプレート44がベースシート30の上面に確実に接触することができる。高さH1は、収容部14における載置面12からベースプレート20の上面までの鉛直方向における最大高さである。
ベースシート30は、複数のゴム製のシート30a〜30dからなる。シート30a〜30dは、実質的に同じ厚さを有する。シート30a〜30dの数は、収容部14の大きさに合わせて適宜設定することができるが、施工性を考慮すると2〜4枚が適当である。ベースシート30をゴム組成物によって製造されたゴム製とすることで、収容部14の載置面12に多少の凹凸があっても、弾性変形することでその凹凸の影響を下部フランジプレート44に伝えることを防止できる。また、ベースシート30を複数のシート30a〜30dから構成することで、取扱いが容易となり、例えば、シートを収容部14に敷く施工が容易となる。さらに、ベースシート30を複数のシート30a〜30dから構成することで、大判のゴム製のシートよりも安価になるため、施工コストが低減する。
開口20aが円形である場合には、各シート30a〜30dは、扇形であることが好ましい。各シート30a〜30dを扇形とすることで、円形の開口20aに合わせて直感的に容易に配置することができ、施工時間の短縮に貢献する。
次に、図3に示すように、収容部14にベースシート30を配置する。
収容部14に配置されたベースシート30の上面は、収容部14から上方に突出する。この突出する量は、H2−H1であり、この式の値は常に正であることが好ましい。すなわち、ベースシート30の上面のいずれの箇所を測定しても確実に下部フランジプレート44に接触できる高さに設定されていることが望ましい。この突出量は、載置面12の凹凸をベースシート30が十分に吸収できる程度である。収容部14に配置された弾性変形する前のベースシート30の体積は、収容部14の容積より大きい。したがって、ベースシート30が圧縮により弾性変形しても収容部14の容積に制限されるため、ベースシート30が下部フランジプレート44からの荷重を確実に負担することができる。そのため、収容部14内へ下部フランジプレート44が入り込むような変形(反り)を防止することができる。
図3及び図4に示すように、隣り合うシート30a〜30dが間隔S1を有するようにシート30a〜30dを配置する。扇形のシート30a〜30dは、円形の開口20aの内周面に合わせながら、間隔S1を設けて容易に配置することができる。隣り合うシート30a〜30dが間隔S1を有するように配置することで、ベースシート30の鉛直方向の圧縮によって発生する水平方向への伸張を許容することができる。
また、ベースシート30と開口20aとの間に所定の間隔S2を有するように、ベースシート30を収容部14に配置する。下部フランジプレート44によってベースシート30が圧縮されても所定の間隔S2を有することでベースシート30の水平方向への伸張を許容することができるからである。
収容部14に配置された状態で、ベースシート30の直径D2は、収容部14の直径D
1よりも間隔(S1+2×S2)分だけ小さい。
複数のシート30a〜30dが互いに重ならないように、収容部14に複数のシート30a〜30dを並べて配置することが好ましい。シート30a〜30dが互いに重ならないので、収容部14内でベースシート30の高さが大きく異なることを防止できる。ベースシート30の高さが大きく変化すると下部フランジプレート44が変形するおそれがあるからである。
図1に示すように、下部構造体10の上方から免震装置40を下降させて、下部フランジプレート44でベースシート30を圧縮して弾性変形させ、下部フランジプレート44をベースプレート20に接合する。下部フランジプレート44とベースプレート20の接合は、複数(8本)の固定ボルト24を固定金具22にねじ込むことで行う。このようにベースシート30を用いることにより、環状のベースプレート20を用いた場合であっても作業者の技能への依存が低減できる。
3.圧縮せん断試験
図1に示す免震装置40の取付構造を用いて、載置面12を平滑面にした実施例1の試験体と、載置面12を平滑にしていない(表面が荒れた状態)実施例2の試験体と、を用いて圧縮せん断試験を行った。また、比較例の試験体として、図6に示す免震装置40の取付構造を用いて圧縮せん断試験を行った。実施例1,2の載置面12の状態と比較例のベースプレート20の内側の上面16の状態とをベースプレート20の上面を基準にして37箇所の深さを測定した結果を表1に示す。
実施例2は、実施例1に比べて載置面12の深さ(設計値:−5mm)にバラツキが大きく凹凸が多かった。比較例の上面16(設計値:0mm)は、ほとんど凹凸がなかった。
実施例1,2の試験体は、収容部14の直径D1が677mm、深さH1(平均値)が5.51mm(実施例1)と5.46mm(実施例2)、収容部14の容積が1985cm3(実施例1)と1965cm3(実施例2)であって、3種類の厚さ(9.3mm,6.8mm,5.9mm)のベースシート30として扇形の4枚のゴム製シート30a〜3
0d(ゴム硬度HA60、クロロプレンゴム)を用いた。収容部14の開口20aとシート30a〜30dとの間隔(S1+2×S2)の合計は20mmであった。シート30a〜30dの合計体積と収容部14の容積との比は表2に示す。
免震装置40は、積層ゴム42の直径600mm、ゴムの積層数26枚、積層ゴム42のせん断弾性率0.34N/mm2、ベースプレート20の厚さ19mm、開口20aの直径680mmであった。
表2に示すように、ベースシート30の体積は、収容部14の容積よりも大きくなるように設定された。
圧縮せん断試験は、基準面圧(12.5N/mm2、15N/mm2、30N/mm2)の±30%荷重を鉛直方向で加振して鉛直剛性を測定し、基準面圧(12.5N/mm2、15N/mm2、30N/mm2)状態でひずみ振幅±100%を水平方向で加振して水平剛性を測定した。測定結果は、表3に示す。
表3に示すように、下部構造体10の上面16を平滑面にした比較例(図6)とベースシート30を用いた実施例1,2とを比較すると、鉛直剛性及び水平剛性の差はほとんどなかった。また、実施例1と実施例2の間でも鉛直剛性及び水平剛性の差は無く、ベースシート30を用いたことで載置面12の荒さの有無が各剛性にほとんど影響を与えていないことがわかった。
さらに、圧縮せん断試験の前後における下部フランジプレート44とベースプレート20との隙間を東西南北の4方向で測定し、平均値を計算した。測定は、免震装置40のみの自重において行った。測定結果は、表4に示す。
表4に示すように、試験の前後で隙間はほとんど変化しておらず、下部フランジプレート44が変形(反り)していないことがわかった。また、ベースシート30が厚い方が試験の前後で下部フランジプレート44の変形が小さいことがわかった。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法、及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発
明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
10…下部構造体、12…載置面、14…収容部、16…上面、16a…余盛、20…ベースプレート、20a…開口、22…固定金具、24…固定ボルト、30…ベースシート、30a,30b,30c,30d…シート、40…免震装置、42…積層ゴム、44…下部フランジプレート、46…上部フランジプレート、50…上部構造体、D1,D2…直径、H1,H2…高さ、S1,S2…間隔

Claims (6)

  1. 積層ゴムを有する免震装置の下部フランジプレートを、下部構造体に接合する免震装置の取付構造であって、
    前記下部構造体の上に取り付けられ、かつ、前記下部フランジプレートと接合する、開口を有する環状のベースプレートと、
    前記開口の内側に設けられた収容部と、
    前記収容部に配置され、前記下部フランジプレートの下面に接触して弾性変形したベースシートと、
    を含み、
    前記ベースシートは、ゴム製の複数のシートからなり、
    前記開口は、円形であって、
    前記シートは、扇形であることを特徴とする、免震装置の取付構造。
  2. 請求項1において、
    前記収容部は、前記開口の内側における前記下部構造体の上面と前記開口の一部とによって形成され、
    弾性変形する前の前記ベースシートの高さは、前記収容部の高さよりも高いことを特徴とする、免震装置の取付構造。
  3. 請求項1または2において、
    前記収容部に配置された弾性変形する前の前記ベースシートの体積は、前記収容部の容積より大きいことを特徴とする、免震装置の取付構造。
  4. 積層ゴムを有する免震装置の下部フランジプレートを、下部構造体に接合する免震装置の取付方法であって、
    前記下部構造体の上面に環状のベースプレートを固定すると共に、該ベースプレートの
    円形の開口の内側に収容部を形成し、
    前記収容部に、ゴム製で扇形の複数のシートからなるベースシートを前記シートが互いに重ならないように並べて配置すると共に、隣り合う前記シートが間隔を有するように前記シートを配置し、
    前記下部構造体の上方から前記免震装置を下降させて、前記下部フランジプレートで前記ベースシートを圧縮して弾性変形させ、
    前記下部フランジプレートを前記ベースプレートに接合することを特徴とする、免震装置の取付方法。
  5. 請求項において、
    前記収容部は、前記開口の内側における前記下部構造体の上面と前記開口の一部とによって形成され、
    前記ベースシートの上面が前記収容部から上方に突出するように、前記ベースシートを前記収容部に配置することを特徴とする、免震装置の取付方法。
  6. 請求項またはにおいて、
    前記ベースシートと前記開口との間に所定の間隔を有するように、前記ベースシートを前記収容部に配置することを特徴とする、免震装置の取付方法。
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