JP6635542B2 - サニタリールームの設置構造及び建替方法 - Google Patents
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Description
特許文献1では、基礎を残置し、両側の布基礎(立上り基礎)に一対の支持金具を取り付け、これら支持体間に設置台を架け渡し、設置台上に新設のバスルームユニットを載置している。
特許文献1においては、布基礎(立上り基礎)を用いた吊構造にすることで、ベタ基礎の状態に拘わらず施工可能であるが、ベタ基礎の状態が良好な場合でもそれを使わないのは不経済である。
本発明は、かかる事情に鑑み、既存の基礎(ベタ基礎)を用いてサニタリールームを短工期で建て替えることを目的とする。
前記基礎の上面に沿って設けられ、かつ前記サニタリールームユニットが載せられる架台と、
前記基礎と前記架台との間に介在され、前記架台ひいては前記サニタリールームユニットを支持する支持手段と、
を備え、前記支持手段が、前記架台を固定し、かつ前記支持を担う接着硬化体を含むことを特徴とする。
本発明方法は、既存の基礎を用いてサニタリールームを建て替える方法であって、
前記基礎上の建て替え前のサニタリールームユニットを撤去した後、
架台を前記基礎の上面に沿うように設け、
かつ、前記基礎と前記架台との間には、接着剤を含む支持手段を介在させ、
前記架台上に新設のサニタリールームユニットを設置し、
前記接着剤が硬化してなる接着硬化体によって、前記架台を前記基礎と固定させ、かつ前記架台ひいては前記新設のサニタリールームユニットを支持させることを特徴とする。
本発明方法において、上下に貫通する貫通穴を有するスペーサ部材を前記基礎上に配置し、前記貫通穴に前記接着剤を充填することが好ましい。
これによって、接着剤が硬化するまでの間、スペーサ部材によって接着剤の形状を保持でき、柱状の接着硬化体を形成できる。スペーサ部材の高さを調節することによって、接着剤の充填高さひいては接着硬化体の高さをも調節できる。
ゴム板の積層枚数又は厚みを調整することによって、架台の水平度を確保できる。また、ゴム板の積層体によって防振性を確保できる。
前記穴部が前記貫通穴の真上に位置し、前記接着硬化体が、前記穴部に臨んでいることが好ましい。
本発明方法において、前記架台に貫通形成された穴部を前記貫通穴の真上に位置させ、前記接着剤を前記穴部に臨ませることが好ましい。
これによって、穴部を通して、接着剤の充填度を確認することができる。
前記穴部を、前記新設のサニタリールームユニットの設置位置の目印とすることが好ましい。これによって、サニタリールームユニットの位置の設定作業(墨出し等)を効率的に短時間で行うことができる。
その後、前記新設のサニタリールームユニットの前記架台上への設置を行なうことが好ましい。
これによって、接着剤が未硬化であっても、新設サニタリールームユニットの設置時に架台やスペーサ部材が位置ずれしたり、架台がスペーサ部材から外れたりするのを防止できる。接着剤の硬化を待たずに新設サニタリールームユニットの設置を行なうことで、工期を一層短縮できる。
前記基礎と前記第2架台との間に介在された第2支持手段と、
前記第1架台及び前記第2架台の端部どうし間に介在され、前記第1、第2架台どうしを連結する架台連結手段と、
を更に備えていることが好ましい。
本発明方法において、前記基礎上に障害物が有る場合、前記基礎上に第2支持手段を介して第2架台を前記障害物の上方を跨ぐか又は前記障害物の下方をくぐるように設置し、
前記架台(第1架台)及び前記第2架台の端部どうしを架台連結手段によって連結することが好ましい。
これによって、障害物があっても、架台をその障害物と干渉しないように設置することができる。
本実施形態は、家屋におけるバスルーム1(サニタリールーム)の建て替え施工に関する。図1〜図5は、建て替え後のバスルーム1を示したものである。図1〜図3に示すように、バスルーム1の基礎は、ベタ基礎部2と、その外周の立上り基礎部3を備えている。ベタ基礎部2は、バスルーム1の底部の全域に設けられている。ベタ基礎部2には、排水溝2bが形成されている。また、ベタ基礎部2上に給水管4(障害物)が配置されている。
なお、架台10の長手方向の向き及び配列方向は、上記に限定されるものではない。
なお、ビス挿通穴15が、穴部14に対して架台10の幅方向の側方に配置されていてもよい。
接着硬化体22の上端部は、貫通穴24の上端部に達し、架台10の下面と接着している。また、接着硬化体22の上端部が穴部14に臨んでいる。
第1架台10A及び第2架台10Bの前記端部においては、凸縁部12が切除されている。
<撤去工程>
図示は省略するが、建て替え前の古いバスルームユニット(サニタリールームユニット)を撤去する。これによって、既存のベタ基礎部2が露出する。
露出したベタ基礎部2の上面に沿って架台10を仮置きする。ベタ基礎部2の隅角部や縁部等を基準にして、架台10の仮置き位置を決める。
次に、この架台10の穴部14を基準にして、脚部6を立設すべき位置等を決めて、墨出しする。つまり、穴部14を脚部6の立設位置の目印とすることができる。これによって、墨出し作業を効率的に短時間で行うことができる。
次に、各脚部6を立設すべき位置にスペーサ部材21を設置する。詳しくは、前記各位置における架台10とベタ基礎部2との間に、ゴム板23を積層して設置する。各位置におけるゴム板23の積層枚数及び厚みを調整することによって、架台10が水平になるようにできる。
次に、仮置き状態の架台10を外し、接着剤22Aをスペーサ部材21の貫通穴24に充填する。このとき、スペーサ部材21を少し持ち上げる等して、接着剤22Aの下端部をスペーサ部材21とベタ基礎部2の間にも入り込ませる(図4参照)。そして、接着剤22Aの下端部がスペーサ部材21の外側に溢れていることを確認する。
なお、スペーサ部材21をどかして、接着剤22Aをベタ基礎部2上に直接盛り、その上方からスペーサ部材21を被せることで、接着剤22Aをスペーサ部材21とベタ基礎部2の間及び貫通穴24の内部に充填されるようにしてもよい。
更に、接着剤22Aを、その上端部が好ましくは貫通穴24の上端から盛り上がる程度まで充填する。
続いて、各架台10を、対応する複数のスペーサ部材21間に架け渡す。このとき、穴部14を貫通穴24の真上に位置させ、接着剤22Aを穴部14に臨ませる。これによって、穴部14を通して、接着剤22Aが貫通穴24の上端まで確実に充填されているか否かを確認することができる。
架台10の設置(本設置)工程は、好ましくは接着剤22Aの充填後すぐに行なう。少なくとも接着剤22Aが硬化する前に行う。これによって、接着剤22Aが架台10の下面にしっかりと接着される。ひいては、接着剤22Aを介して、架台10がベタ基礎部2と接着される。
第1架台10Aと第2架台10Bとの端部どうしは、架台連結手段30によって連結する。
すなわち、第1架台10Aと第2架台10Bとの端部どうし間に連結スペーサ部材31を挟む。ゴム板33の積層枚数及び厚みを調整することによって、連結スペーサ部材31の全体の厚みを、第1架台10Aと第2架台10Bとの間の段差の高さと一致させることができる。そして、連結ボルト32を、第1架台10Aと連結スペーサ部材31と第2架台10Bとに通し、かつ連結ナット34を連結ボルト32にねじ込んで締め込む。
次に、コンクリートビス26を、ビス挿通穴15及びビス穴25に通して、ベタ基礎部2に打ち込む。これによって、接着剤22Aが硬化するまでの期間、架台10及びスペーサ部材21をベタ基礎部2に対して仮固定しておくことができる。
なお、ビス穴25は、ゴム板23に予めピン等で形成しておいてもよく、コンクリートビス26のねじ込みによって形成されていくようにしてもよい。
次に、バスルームユニット5を設置する。
詳しくは、架台10における各穴部14上に脚部6を立設する。脚部6上にバスルームユニット5を載設する。
このとき、接着剤22Aが未だ硬化していなくても、前もって、架台10及びスペーサ部材21をコンクリートビス26で仮固定しておくことによって、バスルームユニット5の設置作業中に、架台10及びスペーサ部材21が位置ずれしたり、架台10がスペーサ部材21から外れたりするのを防止できる。要するに、接着剤22Aが未硬化であっても、バスルームユニット5の設置作業を行なうことができる。
なお、バスルームユニット5の荷重によって未硬化の接着剤22Aが圧縮変形される等によって、バスルームユニット5が沈み込んだり僅かに傾いたりしたときは、高さ調節ネジ6bによって脚部6を伸縮させることで、バスルームユニット5の高さ及び水平度を確保できる。
やがて接着剤22Aが硬化することで接着硬化体22となる。接着剤22Aは、速乾性であり、前記充填工程から1〜2時間程度で硬化する。この硬化時間は、セメントやモルタルの硬化時間(半日〜1日)と比べ十分に短い。
接着剤22Aが接着硬化体22となることで、接着硬化体22を介して架台10をベタ基礎部2に固定できる。かつ、接着硬化体22によってバスルームユニット5の荷重を支えることができる。
さらに、接着剤22Aの硬化を待たずにバスルームユニット5を設置できるから、工期を一層短縮できる。
既存のベタ基礎部2が経年によって多少傷んでいても、その上に架台10を敷くことで、バスルームユニット5を安定的に設置することができる。ベタ基礎部2が多少凸凹になっていたとしても、支持手段20によって架台10の水平度を調整でき、バスルームユニット5を安定的に支持できる。
このようにして建て替えられたバスルーム1によれば、積層ゴム板23からなるスペーサ部材21によって、防振性を確保でき、更には音鳴りを防止できる。
例えば、工期短縮の目的を損なわない範囲で、既存のベタ基礎部2を若干手直ししてもよい。建て替え前のバスルームユニット用の短い柱状の台座がベタ基礎部2上に設けられているときは、その台座をハンマーで叩く等して取り除くことで、架台10の邪魔にならないようにしてもよい。
ベタ基礎部2と給水管4との間に空間がある場合は、第2架台10Bを、給水管4の下方を横切るように配置してもよい。つまり、第2架台10Bは、給水管4等の障害物の下方をくぐるように配置されていてもよい。第2架台10Bが、第1架台10Aよりも低所に配置されていてもよい。
接着剤22Aが硬化するのを待って、バスルームユニット5を架台10上に設置することにしてもよい。
スペーサ部材21は、少なくとも接着剤22Aを充填でき、かつ硬化するまでの間の接着剤22Aの形状を保持できるものであればよく、ゴム製に限られず、ボール紙製や木製等であってもよい。スペーサ部材21を省略してもよい。
架台10における脚部6の設置位置の目印は、穴部14に限られず、マーキングでもよい。脚部6は、架台10上の穴部14等の目印に対して一定の位置に配置されるようになっていればよく、必ずしも目印の真上に配置される必要はない。
本発明は、バスルーム1に限られず、シャワールーム、洗面所、トイレ等、他のサニタリールームの建て替えにも適用できる。
2 ベタ基礎部(既存の基礎)
4 給水管(障害物)
5 新設のバスルームユニット(サニタリールームユニット)
6 脚部
10 架台
10A 第1架台
10B 第2架台
11 架台部
12 凸縁部
14 穴部(目印)
15 ビス挿通穴
20 支持手段
20A 第1支持手段
20B 第2支持手段
21 スペーサ部材
22 接着硬化体
22A 接着剤
23 ゴム板
23a 貫通穴部
24 貫通穴
25 ビス穴
26 コンクリートビス(仮固定手段)
30 架台連結手段
31 連結スペーサ部材
32 連結ボルト
33 ゴム板
34 連結ナット
Claims (10)
- サニタリールームの基礎上に設置されるサニタリールームユニットの設置構造であって、
前記基礎の上面に沿って設けられ、かつ前記サニタリールームユニットが載せられる架台と、
前記基礎と前記架台との間に介在され、前記架台ひいては前記サニタリールームユニットを支持する支持手段と、
を備え、前記支持手段が、前記架台を固定し、かつ前記支持を担う接着硬化体を含み、前記支持手段が、上下に貫通する貫通穴を有するスペーサ部材を含み、前記貫通穴に前記接着硬化体が充填されていることを特徴とする設置構造。 - 前記スペーサ部材が、互いに積層された複数のゴム板を含むことを特徴とする請求項1に記載の設置構造。
- 前記架台には穴部が貫通形成されており、
前記穴部が前記貫通穴の真上に位置し、前記接着硬化体が、前記穴部に臨んでいることを特徴とする請求項1又は2に記載の設置構造。 - 前記架台の前記穴部上に、前記サニタリールームユニットの脚部が立設されていることを特徴とする請求項3に記載の設置構造。
- サニタリールームの基礎上に設置されるサニタリールームユニットの設置構造であって、
前記基礎の上面に沿って設けられ、かつ前記サニタリールームユニットが載せられる架台と、
前記基礎と前記架台との間に介在され、前記架台ひいては前記サニタリールームユニットを支持する支持手段と、
を備え、前記支持手段が、前記架台を固定し、かつ前記支持を担う接着硬化体を含み、
前記基礎上の障害物の上方を跨ぐか又は前記障害物の下方をくぐるとともに前記架台(以下「第1架台」と称す)より高所又は低所に配置された第2架台と、
前記基礎と前記第2架台との間に介在された第2支持手段と、
前記第1架台及び前記第2架台の端部どうし間に介在され、前記第1、第2架台どうしを連結する架台連結手段と、
を更に備えたことを特徴とするサニタリールームユニットの設置構造。 - 既存の基礎を用いてサニタリールームを建て替える方法であって、
前記基礎上の建て替え前のサニタリールームユニットを撤去した後、
架台を前記基礎の上面に沿うように設け、
かつ、前記基礎と前記架台との間には、接着剤を含む支持手段を介在させ、
前記架台上に新設のサニタリールームユニットを設置し、
前記接着剤が硬化してなる接着硬化体によって、前記架台を前記基礎と固定させ、かつ前記架台ひいては前記新設のサニタリールームユニットを支持させ、
前記支持手段は、上下に貫通する貫通穴を有するスペーサ部材を前記基礎上に配置し、前記貫通穴に前記接着剤を充填することによって構成することを特徴とするサニタリールームの建替方法。 - 前記架台に貫通形成された穴部を前記貫通穴の真上に位置させ、前記接着剤を前記穴部に臨ませることを特徴とする請求項6に記載の建替方法。
- 前記穴部を、前記新設のサニタリールームユニットの設置位置の目印とすることを特徴とする請求項7に記載の建替方法。
- 前記架台及び前記スペーサ部材を仮固定手段によって前記基礎に仮固定し、
その後、前記新設のサニタリールームユニットの前記架台上への設置を行なうことを特徴とする請求項6〜8の何れか1項に記載の建替方法。 - 既存の基礎を用いてサニタリールームを建て替える方法であって、
前記基礎上の建て替え前のサニタリールームユニットを撤去した後、
架台を前記基礎の上面に沿うように設け、
かつ、前記基礎と前記架台との間には、接着剤を含む支持手段を介在させ、
前記架台上に新設のサニタリールームユニットを設置し、
前記接着剤が硬化してなる接着硬化体によって、前記架台を前記基礎と固定させ、かつ前記架台ひいては前記新設のサニタリールームユニットを支持させる建替方法において、
前記基礎上に障害物が有る場合、前記基礎上に第2支持手段を介して第2架台を前記障害物の上方を跨ぐか又は前記障害物の下方をくぐるように設置し、
前記架台及び前記第2架台の端部どうしを架台連結手段によって連結することを特徴とする建替方法。
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JP2015225840A JP6635542B2 (ja) | 2015-11-18 | 2015-11-18 | サニタリールームの設置構造及び建替方法 |
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