JP6725056B2 - 打撃作業機 - Google Patents

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Description

本開示は、打撃子で先端工具に打撃力を加える打撃作業機に関する。
打撃子で先端工具に打撃力を加える打撃作業機は、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された打撃作業機は、保持具、中間子、シリンダ、打撃子、ピストン、抜け止め、及び空気室を有する。保持具は先端工具を保持し、シリンダは中間子を移動可能に支持する。打撃子はシリンダ内に移動可能に配置され、ピストンはシリンダ内に移動可能に配置されている。空気室はシリンダ内でピストンと打撃子との間に形成されている。抜け止めが保持具に設けられている。先端工具は凸部を有する。保持具は保持孔を有し、保持孔に段部が設けられている。特許文献1に記載されている打込機は、先端工具が抜け止めに当たってはね上がるときに凸部が段部に当たり、先端工具の移動速度が減速される。
特開昭58−120474号公報
しかし、特許文献1に記載された打撃作業機は、保持具の保持孔の内径は、凸部が移動できる大きさにする必要があるため、先端工具が保持孔内で径方向に動いて作業性が低下する可能性があった。
本開示の目的は、先端工具が保持具に対して径方向に動くことを抑制可能な、打撃作業機を提供することにある。
一実施形態の打撃作業機は、先端工具の被保持部を保持する筒形状の保持具と、前記保持具の中心線方向に移動可能であり、かつ、前記保持具で保持される前記先端工具を打撃する打撃子と、を有する打撃作業機であって、前記保持具は、前記先端工具を前記打撃子で打撃可能に前記被保持部を保持し、かつ、前記中心線を中心とする円周方向の所定位置から第1角度の範囲で前記被保持部が回転可能な状態で前記被保持部を保持する第1保持部と、前記中心線方向で前記第1保持部とは異なる位置に配置され、かつ、前記先端工具を前記打撃子で打撃不可能に前記被保持部を保持し、かつ、前記所定位置から前記第1角度よりも大きい第2角度の範囲で前記被保持部が回転可能な状態で前記被保持部を保持する第2保持部と、を有し、前記保持具は、前記被保持部が前記第2保持部に保持されて前記所定位置からの回転角度が前記第1角度未満であると、前記被保持部が前記第2保持部から前記第1保持部へ移動することを許容し前記保持具は、前記被保持部が前記第2保持部に保持されて前記所定位置からの回転角度が前記第1角度以上であると、前記被保持部が前記第2保持部から前記第1保持部へ移動することを規制する。
一実施形態の打撃作業機によれば、先端工具が保持具に対して径方向に動くことを抑制可能である。
本発明の打撃作業機の実施形態を示す正面断面図である。 図1の打撃作業機の部分的な正面断面図である。 図2のD1−D1線における側面断面図である。 図2の部分的な断面図である。 図2の部分的な断面図である。 図4のD2−D2線における側面断面図である。 図5のD3−D3線における側面断面図である。 図5のD3−D3線における側面断面図である。 図4のD4−D4線における側面断面図である。 打撃作業機で使用可能な先端工具の例を示す正面図である。 図10の先端工具をフロントカバーで保持した状態であり、図4のD2−D2線における側面断面図である。 図10の先端工具をフロントカバーで保持した状態であり、図4のD4−D4線における側面断面図である。 打撃作業機の他の例を示す部分的な正面断面図である。 打撃作業機の他の例を示す部分的な正面断面図である。 図14のD7−D7線における側面断面図である。 図14のD5−D5線における側面断面図である。 図13の打撃作業機で用いる先端工具の正面図である。 図17のD6−D6線における側面断面図である。 図14の打撃作業機の要部を拡大した正面断面図である。
以下、本開示の打撃作業機の実施の形態を図面に基づいて説明する。それぞれの図面においては、共通する部材には同一の符号が付されている。
図1に示す打撃作業機10はハンマドリルである。打撃作業機10は、ケーシング11、クランク機構12及び電動モータ13を有する。ケーシング11は、ギヤケース14、クランクケース15、カバー16、モータケース17、ハンドル18及びフロントケース19を有する。ギヤケース14はクランクケース15とモータケース17との間に配置されている。カバー16は、クランクケース15の外側に取り付けられている。ハンドル18はギヤケース14に固定され、モータケース17はギヤケース14に固定されている。ハンドル18にトリガ20が設けられている。また、ハンドル18に電力ケーブル21が取り付けられている。電力ケーブル21は、電源、例えば、交流電源に接続される。
クランクケース15は金属製であり、フロントケース19がクランクケース15に固定されている。フロントケース19は筒形状であり、シリンダ22は、クランクケース15内及びフロントケース19内に亘って配置されている。フロントケース19にフロントカバー23が取り付けられている。フロントケース19の中心線A1に沿った方向で、フロントケース19は、フロントカバー23とクランクケース15との間に配置されている。中心線A1はシリンダ22の中心と共通である。
ピストン24がシリンダ22内に設けられている。ピストン24はシリンダ22に対して中心線A1方向に作動可能である。ピストン24の外周面にシール部材25が取り付けされており、シール部材25はシリンダ22の内周面に接触してシール面を形成する。
電動モータ13はモータケース17内に設けられている。電動モータ13は、環状のステータ26と、ステータ26の内側に配置したロータ27と、を有する。出力軸28がロータ27に固定され、出力軸28及びロータ27は、中心線A2を中心として回転可能である。出力軸28は、軸受29,30により回転可能に支持されており、出力軸28の外周面に駆動ギヤ31が設けられている。
さらに、ギヤケース14とクランクケース15との間に収容室32が形成されている。クランク機構12はクランクケース15内に設けられている。クランク機構12は、出力軸28の回転力を、ピストン24の動作力に変換する運動変換機構である。クランク機構12は、駆動ギヤ31に噛み合う従動ギヤ33と、従動ギヤ33が固定されたクランクシャフト34と、クランクシャフト34とピストン24とを連結するコネクティングロッド35と、を有する。クランクシャフト34は、軸受36,37により中心線A3を中心として回転可能に支持されている。クランクシャフト34はクランクピン38を有する。クランクピン38は、中心線A3から偏心した位置に配置されている。クランクピン38は、クランクシャフト34が回転すると中心線A3の周囲を公転する。コネクティングロッド35はクランクピン38に連結されている。
環状のベベルギヤ39がシリンダ22の外周面に取り付けられている。ベベルギヤ39はシリンダ22と共に一体回転する。回転力伝達軸40が、収容室32及びクランクケース15内に亘って設けられている。回転力伝達軸40は、軸受41,42を介してギヤケース14及びクランクケース15により回転可能に支持されている。回転力伝達軸40の中心線A4は、中心線A3と平行である。回転力伝達軸40は、出力軸28の回転力をベベルギヤ39に伝達する要素であり、回転力伝達軸40にピニオンギヤ43が設けられている。ピニオンギヤ43は、ベベルギヤ39に噛み合っている。さらに、従動ギヤ44が回転力伝達軸40に固定され、従動ギヤ44は駆動ギヤ31に噛み合っている。
シリンダ22及びベベルギヤ39は、軸受45を介してクランクケース15により回転可能に支持されている。ベベルギヤ39は軸受45によりクランクケース15に対して中心線A1方向に位置決めされている。シリンダ22は、軸受46を介してフロントケース19により回転可能に支持されている。シリンダ22に通気路47,48が設けられている。通気路47,48は、シリンダ22を径方向に貫通して設けられている。通気路47と通気路48とは、中心線A1方向で異なる位置に配置されている。通気路47は、中心線A1方向で中心線A3と通気路48との間に配置されている。
シリンダ22を径方向に貫通する長穴49が設けられている。長穴49は、中心線A1方向でフロントカバー23と通気路48との間に設けられている。シリンダ22の内周面に環状のストッパ50が設けられている。ストッパ50は、中心線A1方向でフロントカバー23と長穴49との間に設けられている。
図2のように、ドライバ51が、シリンダ22内及びフロントカバー23内に亘って設けられている。ドライバ51は筒形状であり、ドライバ51は、シリンダ22と共に一体回転する。ドライバ51は、ドライバ51は第1筒部75及び第2筒部76を有する。第2筒部76はガイド孔52を有し、第2筒部76は保持孔53を有する。第2筒部76の外径は、第1筒部75の外径よりも大きい。ガイド孔52及び保持孔53は中心線A1を中心として設けられている。ガイド孔52は中心線A1方向で保持孔53とストッパ50との間に設けられている。ガイド孔52の内周面は、中心線A1に対して垂直な平面での断面形状が円形である。保持孔53の内周面は、中心線A1に対して垂直な平面での断面形状が多角形である。保持孔53の内周面形状は、図9に示すように六角形である。ガイド孔52の内径は、保持孔53の最大内径よりも大きい。ドライバ51の内面にストッパ面54が設けられている。ストッパ面54は、中心線A1に対して傾斜した環状のテーパ面である。
ドライバ51とストッパ50との間に、バンパ55、及び2個のスペーサ56,57が配置されている。バンパ55は、中心線A1方向でスペーサ56とスペーサ57との間に配置されている。バンパ55は環状の合成ゴムであり、スペーサ56,57は金属製であり、かつ、環状である。
中間打撃子58が、ドライバ51内及びシリンダ22内に亘って配置されている。中間打撃子58は、ガイド孔52に沿って中心線A1方向に移動可能である。中間打撃子58は、ストッパ面54及びスペーサ56により、中心線A1方向の移動範囲が規制される。中間打撃子58は第1軸部93、第2軸部60及び第3軸部59を有する。第2軸部60は、中心線A1方向で第3軸部59と第1軸部93との間に設けられている。第2軸部60の外径は、第3軸部59の外径よりも大きく、かつ、第1軸部93の外径よりも小さい。第1軸部93は第2筒部76のガイド孔52に配置されている。第1軸部93はガイド孔52内で中心線A1方向に移動可能である。
第3軸部59の外周面に付勢力伝達要素61が取り付けられている。付勢力伝達要素61は金属製であり、かつ、図3に示すように環状である。付勢力伝達要素61の外周面から径方向に突出した係合突起62が設けられている。係合突起62は、長穴49内に配置されている。係合突起62は、長穴49内で中心線A1方向に移動可能である。付勢力伝達要素61と第2軸部60との間にリング63及びバンパ64が設けられている。リング63は金属製であり、バンパ64は合成ゴム製である。
樹脂製のスリーブ65が、シリンダ22の外周面に取り付けられている。スリーブ65はシリンダ22に対して中心線A1方向に移動可能である。スリーブ65の中心線A1方向の端部に係合溝66が設けられ、係合突起62は係合溝66内に配置されている。金属製のカラー67が、シリンダ22の外周面に取り付けられている。カラー67は円筒形状であり、かつ、中心線A1方向でカラー67とベベルギヤ39との間に配置されている。カラー67はシリンダ22に対して中心線A1方向に移動可能である。
金属製のスプリング68がシリンダ22の外周面に取り付けられている。スプリング68は圧縮スプリングであり、カラー67とベベルギヤ39との間に圧縮された状態で設けられている。スプリング68の中心線A1方向の付勢力は、カラー67を介してスリーブ65に伝達される。スリーブ65に加えられた付勢力は、付勢力伝達要素61、バンパ64及びリング63を介して中間打撃子58に伝達される。つまり、中間打撃子58は、スプリング68から、中心線A1方向でストッパ面54に近づく向きの付勢力を受ける。
打撃子69がシリンダ22内で中心線A1方向に移動可能に設けられている。打撃子69は、中心線A1方向でピストン24と中間打撃子58との間に配置されている。打撃子69の外周面にシール部材70が取り付けられており、シール部材70がシリンダ22の内周面に接触してシール面を形成する。シリンダ22内で打撃子69とピストン24との間に空気室71が設けられている。通気路47及び通気路48は、空気室71につながる。ピストン24が作動する際に、空気室71の圧力が変動する。
フロントカバー23は、図2、図4及び図5のように、収容孔72、第1保持孔73及び第2保持孔74を有する。中心線A1方向で第1保持孔73は第2保持孔74と収容孔72との間に配置されている。第1保持孔73及び第2保持孔74は、中心線A1方向に延ばされている。収容孔72、第1保持孔73及び第2保持孔74は、中心線A1を中心として配置されている。第1筒部75は収容孔72に配置されている。
中心線A1に対して垂直な平面内で、収容孔72の内周面形状は円形である。中心線A1に対して垂直な平面視で、第1保持孔73の内周面形状は多角形である。図6に示す第1保持孔73は、内周面形状が六角形である例を示す。つまり、第1保持孔73の内周面により、6個の第1保持面77が形成されている。隣り合う第1保持面77同士の間に角部87がそれぞれ形成されている。図8に示す第1保持孔73の外接円の直径L2は、収容孔72の内径よりも小さく、かつ、保持孔53の内接円の直径よりも大きい。
図7及び図8のように、第2保持孔74の内周面は、複数の湾曲面78と、複数の平坦面79と、を有する。図7及び図8は、湾曲面78が6個設けられ、平坦面79が6個設けられている例を示す。平坦面79は、中心線Aに対して垂直な平面視で、第1保持孔73の第1保持面77と重なるように形成される。複数の湾曲面78は、第2保持孔74の径方向で外側に向けてそれぞれ膨らんでいる。湾曲面78と平坦面79とは、第2保持孔74の円周方向に交互に配置されている。湾曲面78と平坦面79とが互いに接続されている。6個の湾曲面78の外接円の直径L1は、直径L2よりも大きい。平坦面79の内接円の直径L3は、直径L2よりも小さい。図6に示す第1保持孔73の内接円の直径L3は、図8に示す平坦面79の内接円の直径L3と等しい。また、第1保持孔73の内面と、6個の湾曲面78とを接続する端面80がそれぞれ設けられている。端面80は中心線A1に対して垂直な平坦面である。端面80と第1保持面77との境界に縁部91がそれぞれ形成されている。縁部91はエッジである。
図4及び図5のように、フロントカバー23にホルダ81が取り付けられている。ホルダ81は係合部82を有する。ホルダ81は金属製である。先端工具83をフロントカバー23に取り付け、かつ、先端工具83をフロントカバー23から取り外すことが可能である。先端工具83は、打撃作業機10の打撃力を対象物に伝達し、かつ、回転力を対象物に伝達しない場合に用いる。
先端工具83は、第1軸部84、第2軸部85及び大径部86を有する。中心線A1は、先端工具83の中心でもあり、大径部86は中心線A1方向で第1軸部84と第2軸部85との間に配置されている。第1軸部84の中心線A1方向の長さは、第1保持孔73の長さと、第2保持孔74の長さとの合計よりも大きい。第1軸部84の断面形状は、図9のように円形であり、大径部86の断面形状は、図7のように六角形である。図9のように、第1軸部84の直径は、ドライバ51の保持孔53の内接円の直径よりも小さい。図8のように、大径部86の外接円の直径L4は、直径L3よりも大きく、かつ、直径L2よりも小さい。図7のように、大径部86は6個の表面88を有し、隣り合う表面88同士の接続箇所に角部89がそれぞれ形成されている。
図4及び図5のように、各表面88と第1軸部84の表面との境界に縁部90がそれぞれ形成されている。各縁部90は、先端工具83の全周に亘って環状に形成されている。中心線A1を含む平面断面内で、各縁部90は湾曲している。先端工具83において、第2軸部85と大径部86との間に係合部92が設けられている。係合部92は先端工具83の全周に設けられ、係合部92の直径は、図8に示す大径部86の直径L4よりも大きい。
次に、打撃作業機10の使用例を説明する。スプリング68の付勢力は、カラー67、スリーブ65、付勢力伝達要素61、バンパ64及びリング63を介して中間打撃子58に伝達され、第1軸部93がストッパ面54に押し付けられて中間打撃子58が停止する。
作業者は、先端工具83とフロントカバー23とを中心線A1を中心として同心状に位置させ、第1軸部84をフロントカバー23に近づける。すると、第1軸部84は、第2保持孔74及び第1保持孔73を通って保持孔53に進入し、大径部86は第2保持孔74に進入する。そして、図8のように、中心線A1を中心とする円周方向で、角部89の位置と角部87の位置との差、つまり、角部87と角部89との間の所定角度θ2が所定角度θ1以上であると、縁部90が縁部91に接触、先端工具83の移動が規制され、先端工具83は停止する。
そして、フロントカバー23に保持された先端工具83を対象物に押し付けて、先端工具83に加える中心線A1方向の移動力を増加すると、中心線A1方向の移動力の一部が、縁部90と縁部91との接触箇所で、縁部91に沿う方向の分力に変換され、その分力で先端工具83が中心線A1を中心として回転する。図8に示す例では、先端工具83が時計方向に回転する。そして、中心線A1を中心とする円周方向で、角部89の位置と角部87の位置との差、つまり、所定角度θ2が所定角度θ1未満であると、縁部90は縁部91に接触せず、大径部86は、図4のように第1保持孔73に進入する。大径部86が第1保持孔73に進入可能となる所定角度θ1は、図6に所定角度θ1で表してある。所定角度θ1,θ2は、角部87を基準とする円周方向の角度である。所定角度θ1は第1角度に相当し、所定角度θ2は第2角度に相当し、角部87は、所定位置に相当する。
さらに、第1軸部84の端部が中間打撃子58の第1軸部93の端部に接触すると、中間打撃子58はスプリング68の付勢力に抗してストッパ面54から離れる。そして、第1軸部93が図2のようにスペーサ56に接触して中間打撃子58が停止すると、先端工具83も停止する。
次いで、作業者がトリガ20に操作力を加えると、電動モータ13に電力が供給されて出力軸28が回転する。出力軸28の回転力は、クランク機構12によりピストン24の往復動力に変換される。ピストン24が、シリンダ22内で中心線A3から離れる向きで移動すると、空気室71の圧力が上昇して打撃力が発生し、打撃子69が中間打撃子58を打撃する。その打撃力は先端工具83を介して対象物に伝達される。このように、第1保持孔73が大径部86を保持すると、中間打撃子58は先端工具83を打撃可能である。
また、出力軸28の回転力は、従動ギヤ44、回転力伝達軸40及びピニオンギヤ43を介してベベルギヤ39に伝達される。ベベルギヤ39と共にシリンダ22が回転し、かつ、ドライバ51が回転する。先端工具83の第1軸部84の断面形状は円形であり、かつ、図9のように、第1軸部84の直径は、六角形の保持孔53の内接円の直径よりも小さい。また、図6のように、大径部86の角部89は第1保持面77に接触する。このため、シリンダ22の回転力で先端工具83が回転することは無く、先端工具83に対して中心線A1方向の打撃力のみが加えられる。
以後、ピストン24がシリンダ22内で往復動すると、打撃子69の打撃力が先端工具83に連続的に加えられる。先端工具83が対象物に押し付けられ、かつ、先端工具83に打撃力が加えられている間、大径部86は、図4のように第1保持孔73及び第2保持孔74の両方に位置する。
作業者がトリガ20に対する操作力を解除すると、電動モータ13が停止する。また、作業者が先端工具83を対象物から離し、かつ、中心線A1を鉛直線に対して傾斜させると、先端工具83はフロントケース19よりも下に位置する。すると、先端工具83は自重で中心線A1に沿って下降し、図5のように、大径部86は第1保持孔73から退出する。そして、係合部92が係合部82に接触し、先端工具83はフロントカバー23に対して停止する。このように、ホルダ81は、先端工具83がフロントカバー23から不用意に抜け出すことを防止する。
一方、電動モータ13が回転している状態で先端工具83が対象物から離れ、かつ、先端工具83に打撃力が加わると、先端工具83はフロントケース19から離れる向きで中心線A1に沿って移動する。すると、図5のように、大径部86は第1保持孔73から退出し、かつ、係合部92が係合部82に衝突し、その反動で先端工具83はフロントケース19に近づく向きで移動する。
すると、作業者が先端工具83を対象物に押し付けた場合と同様に、縁部90が縁部91に衝突する。そして、先端工具83の中心線A1方向の移動力の一部が、縁部90と縁部91との接触箇所で縁部91の沿う方向の分力に変換され、その分力で先端工具83が中心線A1を中心として回転するため、先端工具83の中心線A方向の移動力は低減される。このため、先端工具83は、縁部90が縁部91に接触した時点から、中間打撃子58に近づく向きの移動が抑制されるか、または、中間打撃子58から離れる向きに移動する。
このように、縁部91は、先端工具83が中心線A1方向に移動して、第1保持孔73に進入することを許容するが、その移動量を低減する。したがって、打撃作業機10における空打ちを防止できる。空打ちとは、先端工具83が対象物に押し付けられていない状態で打撃子69の打撃力が先端工具83に伝達されることである。電動モータ13が回転している状態で先端工具83が対象物から離れ、かつ、先端工具83に打撃力が加わると、先端工具83は中心線A1方向でフロントケース19から離れる方向に移動する。すると、係合部92が係合部82に衝突して反発し、先端工具83は、中心線A1方向でフロントケース19に近づく方向に移動する。そして、第1軸部84の端部が中間打撃子58の第1軸部93の端部に衝突して反発し、先端工具83は、中心線A1方向でフロントケース19から離れる方向に移動する。このように、先端工具83は、中心線A1方向に往復動する挙動を繰り返し、先端工具83は何度も中間打撃子58に打撃されることになり、空打ちが連続的に発生してしまう。
しかしながら、本開示の打撃作業機10は、先端工具83が中心線A1方向に移動して第1保持孔73に進入する移動力を低減する。このため、先端工具83が中心線A1方向に往復動する範囲の増加が抑制される。したがって、先端工具83は、大径部86が第1保持孔73に保持されない状態で、最終的に停止する。第2保持孔74が大径部86を保持し、かつ、第1保持孔73が大径部86を保持していないと、中間打撃子58は先端工具83を打撃不可能であるため、空打ちが繰り返し生じることが抑制される。
本開示の打撃作業機10は、先端工具83の中心線A1方向の移動力の一部を、先端工具83の回転力に変換することで、先端工具83が中間打撃子58に近づくことを抑制する。このため、第1保持孔73の内接円の直径L3と、第2保持孔74の平坦面79の内接円の直径L3とを等しくすることができる。つまり、先端工具83の大径部86の外周と、第2保持孔74の内周との間に形成される径方向の隙間量を、なるべく小さくすることができる。したがって、先端工具83の中心軸が、フロントケース19の中心線A1に対して交差するように傾斜することを抑制でき、作業性が向上する。
また、打撃作業機10は、先端工具83が対象物から離れており、スプリング68の付勢力で中間打撃子58がストッパ面54に押し付けられている状態で、カラー67は通気路48を開いている。つまり、空気室71は通気路48を介して、シリンダ22の外部とつながっている。このため、ピストン24がシリンダ22内で往復動しても、空気室71の空気が通気路48から排出され、空気室71の空気圧の上昇が抑制される。したがって、先端工具83が対象物から離れている状態で、空打ちを一層低減できる。
さらに、先端工具83を対象物に押し付けて、図2のように、中間打撃子58をストッパ面54から離すと、カラー67が通気路48を塞ぐ。このため、ピストン24がシリンダ22内で中心線A3から離れる向きで移動すると、空気室71の圧力が上昇して十分な打撃力を得ることができる。
フロントカバー23で保持可能な他の先端工具の例を、図10を参照して説明する。図9に示す先端工具94は、第1軸部84、第2軸部85、大径部86及び係合部92を有する。大径部86の断面形状は、図11のように円形であり、大径部86の直径は、第1保持孔73の内接円の直径よりも小さい。第1軸部84の断面形状は、図12のように六角形であり、第1軸部84の外接円の直径は、保持孔53の最大内径よりも小さく、かつ、保持孔53の最小内径よりも大きい。
次に、図10の先端工具94を、図2に示すフロントカバー23に取り付ける作業を説明する。作業者は、第1軸部84を第2保持孔74を経由して第1保持孔73に進入させ、次いで、第1軸部84を図12のように保持孔53に進入させる。第1軸部84が保持孔53内に位置すると、フロントカバー23と先端工具94とが同心状になる。第1軸部84が中間打撃子58に接触すると、先端工具94が停止する。
そして、作業者が先端工具94に押し付けると、その反力で中間打撃子58はスプリング68の付勢力に抗してストッパ面54から離れる。また、フロントカバー23と先端工具94とが同心状であり、かつ、大径部86の直径は、第1保持孔73の内接円の直径よりも小さいため、大径部86は端面80に接触することが無く、大径部86は第2保持孔74から第1保持孔73に移動する。そして、第1軸部93がスペーサ56に接触して中間打撃子58が停止すると、先端工具94も停止する。
次いで、作業者がトリガ20に操作力を加えて電動モータ13の出力軸28が回転すると、前述と同様に打撃子69がシリンダ22内で往復動し、打撃子69は、中間打撃子58を介して先端工具94を間接的に打撃する。
また、図12のように、保持孔53の断面形状は六角形であり、かつ、第1軸部84の断面形状は六角形であり、第1軸部84の外接円の直径は、保持孔53の最大内径よりも小さく、かつ、保持孔53の最小内径よりも大きい。このため、出力軸28の回転力がドライバ51に伝達されると、ドライバ51の回転力が先端工具94に伝達される。このように、先端工具94には、打撃力及び回転力の両方が伝達される。
また、先端工具94が対象物から離れると、スプリング68の付勢力で中間打撃子58がストッパ面54に押し付けられ、カラー67は通気路48を開く。このため、ピストン24がシリンダ22内で往復動しても、先端工具94に打撃力が加えられることを抑制できる。
打撃作業機の他の例を図13及び図14を参照して説明する。図13及び図14に示す打撃作業機10は、金属製のリテーナスリーブ95を有する。リテーナスリーブ95は筒形状であり、かつ、フロントケース19内に配置されている。リテーナスリーブ95は、第1筒部96、第2筒部97及び第3筒部98を有する。第2筒部97は、中心線A1に沿った方向で、第1筒部96と第3筒部98との間に設けられている。第2筒部97の内径は、第1筒部96の内径よりも小さく、かつ、第3筒部98の内径よりも大きい。
第1筒部96と第2筒部97との接続箇所に、段部99が設けられている。段部99は、リテーナスリーブ95の内周に環状に設けられている。シリンダ22の一部が第1筒部96内に配置されている。シリンダ22はリテーナスリーブ95と共に一体回転するように連結されている。バンパ55、スペーサ56,57は、シリンダ22の端部と段部99との間に配置されている。第2筒部97と第3筒部98との接続箇所に、ストッパ面100が設けられている。ストッパ面100は、リテーナスリーブ95の内周に環状に設けられている。中間打撃子58は第2筒部97内に設けられ、かつ、中心線A1方向に移動可能である。中間打撃子58は、図2に示す第3軸部59を備えていない。
フロントケース19の内周面に環状のリブ101が設けられている。リブ101はすべり軸受102を支持している。すべり軸受102はリブ101に対して回転しないように取り付けられており、すべり軸受102は外向きのフランジ103を有する。フランジ103がリブ101に接触し、すべり軸受102は中心線A1方向の移動が規制される。すべり軸受102内に第2筒部97が配置され、すべり軸受102はリテーナスリーブ95を回転可能に支持する。
第1筒部96の外周面に、外向きのフランジ104が設けられている。フランジ103とフランジ104との間に、環状のスペーサ105及び環状のバンパ106が設けられている。
クラッチ107がシリンダ22の外周面に取り付けられている。クラッチ107は、シリンダ22と共に一体回転し、かつ、シリンダ22に対して中心線A1方向に移動可能である。クランクケース15に操作部材が設けられており、作業者が操作部材を操作すると、クラッチ107はシリンダ22に対して中心線A1方向に移動する。操作部材を操作すると、ハンマドリルモードとハンマモードとを切り替え可能である。
第1筒部96とクラッチ107との間に弾性部材108が設けられている。弾性部材108は、クラッチ107をベベルギヤ39に近づける向きで中心線A1方向に付勢する。弾性部材108は、例えば、金属製の圧縮コイルスプリングを用いることができる。図13及び図14に示すベベルギヤ39は、シリンダ22に対して相対回転可能である。
クランクケース15の内周面に回り止め109が設けられている。回り止め109は環状であり、かつ、クランクケース15に対して回転しないように取り付けられている。クラッチ107が中心線A1方向に移動して停止すると、クラッチ107は、ベベルギヤ39または回り止め109の何れか一方に係合する。シリンダ22に通気路48が設けられている。通気路48は、中心線A1方向で第1筒部96とクラッチ107との間に配置されている。
第3筒部98の端部にキャップ110が取り付けられている。キャップ110は軸穴111を有する。フロントカバー112がキャップ110に取り付けられている。フロントカバー112は環状である。リテーナスリーブ95の外周面に環状のプレート113が取り付けられている。環状のホルダ114が第3筒部98に取り付けられている。ホルダ114は、第3筒部98に対して中心線A1方向に移動可能である。プレート113とホルダ114との間に弾性部材115が設けられており、弾性部材115はホルダ114を中心線A1方向に付勢し、かつ、フロントカバー112に押し付ける。弾性部材115は、例えば金属製の圧縮コイルスプリングである。
第3筒部98は、図15及び図19のように保持孔116を有する。保持孔116は第3筒部98を径方向に貫通している。保持孔116は第3筒部98の円周方向で異なる位置に複数配置されている。ビットロック117が保持孔116に配置されている。ビットロック117は金属製であり、ビットロック117は保持孔116内で第3筒部98の径方向に移動可能である。ホルダ114は、第3筒部98の径方向でビットロック117の外側に位置し、ホルダ114はビットロック117が保持孔116から抜け出すことを防止する。
図19のように、第3筒部98の軸孔126の内面にレール118が設けられている。レール118は、中心線A1方向に沿って直線状に配置されている。レール118は、図15のように第3筒部98の円周方向に複数設けられている。レール118は、図19のように、第1ガイド部119及び第2ガイド部120を有する。第2ガイド部120は、中心線A1方向で第1ガイド部119とストッパ面100との間に配置されている。第3筒部98の円周方向で、第1ガイド部119の幅L5は第2ガイド部120の幅L6よりも小さい。
また、第1ガイド部119と第2ガイド部120とを接続する接続部121が設けられている。接続部121は、中心線A1方向で第1ガイド部119と第2ガイド部120との間に配置されている。第3筒部98の軸孔126内のうち、中心線A1方向で第2ガイド部120が配置されている領域が、第1保持孔127である。軸孔126内のうち、中心線A1方向で第1ガイド部119が配置されている領域が、第2保持孔128である。
図13、図14及び図19に示すように、リテーナスリーブ95に着脱可能な先端工具122が設けられている。先端工具122は、先端工具83とは形状が異なる。先端工具122は軸形状であり、先端工具122は、図16、図17及び図18のように、ガイド溝123及び保持溝124を有する。ガイド溝123及び保持溝124は先端工具122の長手方向に沿って直線状に配置されている。ガイド溝123は先端工具122の円周方向に間隔をおいて複数配置されている。保持溝124は先端工具122の円周方向に間隔をおいて複数配置されている。先端工具122がリテーナスリーブ95により保持されていると、レール118はガイド溝123に配置され、ビットロック117の一部は保持溝124に配置される。
図13及び図14に示す打撃作業機10の使用例を説明する。先端工具122が中間打撃子58よりも下にあり、かつ、中心線A1が水平線に対して傾斜するように打撃作業機10が保持されていると、ビットロック117は、自重でリテーナスリーブ95に対して下降しており、ビットロック117は、図13のように、保持溝124内で先端工具122の後端125に最も近い位置にある。そして、ビットロック117が先端工具122に係合することで、先端工具122がリテーナスリーブ95から抜け出すことを防止する。ここで、第1ガイド部119はガイド溝123内に位置し、第2ガイド部120はガイド溝123外に位置する。
また、ピストン24が停止していると、打撃子69も停止する。中間打撃子58は打撃子69に押されてストッパ面100に接触して停止している。中間打撃子58がストッパ面100に接触し、かつ、第2ガイド部120がガイド溝123外に位置すると、中間打撃子58と先端工具122とは離れている。このため、ピストン24が往復動して打撃子69が中間打撃子58を打撃しても、その打撃力は先端工具122に伝達されず、空打ちを防止できる。
先端工具122を対象物に押し付けて中心線A1方向に移動させると、図15のように、先端工具122の端部が接続部121に接触する。先端工具122と接続部121との接触箇所で分力が生じ、中心線A1方向の移動力の一部が先端工具122を回転させる向きの力に変換される。先端工具122は、例えば、図15で時計方向に所定角度θ1の範囲で回転し、先端工具122の回転方向で、ガイド溝123の中心と第2ガイド部120の中心とが一致すると、先端工具122は中心線A1方向に移動する。つまり、第1ガイド部119及び第2ガイド部120の両方が、ガイド溝123内に収容される。そして、先端工具122が中間打撃子58に接触し、中間打撃子58が中心線A1方向に移動する。そして、図14のように、第1軸部93がスペーサ56に接触すると、中間打撃子58及び先端工具122が停止する。
ピストン24がシリンダ22内で通気路48から離れるように、中心線A1方向に移動すると、打撃子69が中間打撃子58から離れる向きで移動し、シール部材70は、通気路48と空気室71とを遮断する。ピストン24がシリンダ22内で通気路48に近づくように中心線A1方向に移動すると、図14のように、打撃子69が中間打撃子58を打撃する。中間打撃子58に加えられた打撃力は、先端工具122に伝達される。このように、第1保持孔127が先端工具122を保持していると、中間打撃子58で先端工具122を打撃可能である。
操作部材が操作されてハンマドリルモードが選択されていると、クラッチ107は、図14のようにベベルギヤ39に係合し、かつ、回り止め109から解放される。ベベルギヤ39の回転力は、クラッチ107及びシリンダ22を介してリテーナスリーブ95に伝達される。リテーナスリーブ95の回転力は、ビットロック117と先端工具122との係合力、レール118と先端工具122との係合力により、先端工具122に伝達される。このため、先端工具122は、中間打撃子58から打撃力を受け、かつ、中心線A1を中心として回転する。
これに対して、操作部材が操作されてハンマモードが選択されていると、クラッチ107は回り止め109に係合し、かつ、ベベルギヤ39から解放される。このため、ベベルギヤ39の回転力はシリンダ22に伝達されず、かつ、回り止め109は、シリンダ22の回転を防止する。したがって、先端工具122に回転力は伝達されず、先端工具122に打撃力が伝達される。
次に、先端工具122を対象物に押し付け、かつ、ピストン24をシリンダ22内で往復動作中に、先端工具122が対象物から離れた場合の作用を説明する。先端工具122は、中間打撃子58により打撃されて、第1筒部96から離れる向きで中心線A1方向に移動し、図13のように先端工具122の後端125に最も近い箇所が、ビットロック117に衝突する。この時点で、第1ガイド部119はガイド溝123内に位置し、第2ガイド部120はガイド溝123外に位置する。
そして、先端工具122はビットロック117に衝突した反力で、第1筒部96に近づく向きで中心線A1方向に移動しようとする。すると、図15のように、先端工具122の端部が接続部121に接触し、先端工具122の中心線A1方向の移動力の一部が先端工具122を回転させる向きの力に変換される。このため、先端工具122は、接続部121に接触した時点から、先端工具122が中間打撃子58に近づく向きの移動が抑制されるか、または、中間打撃子58から離れる向きに移動する。
このように、接続部121は、先端工具122が中心線A1方向に移動して第1保持孔127に進入することを許容するが、その移動量を低減する。したがって、先端工具122が対象物から離れている状態で、先端工具122を空打ちすることを防止できる。そして、第2保持孔128が先端工具122を保持し、かつ、第1保持孔127が先端工具122を保持していないと、中間打撃子58は、先端工具122を打撃不可能である。
本開示の要素の技術的意味を説明すると、先端工具83,122、フロントカバー23及びリテーナスリーブ95は、保持具の一例であり、中心線A1は中心線の一例である。第1保持孔73,127は第1保持部の一例であり、第2保持孔74,128は第2保持部の一例である。大径部86は被保持部の一例である。縁部91及び接続部121は規制部の一例である。複数の第1保持面77は、複数の第1保持面の一例である。直径L1は最大内径の一例であり、直径L2は最大内径の一例である。複数の平坦面79は、複数の第2保持面の一例である。通気路48は排気通路の一例である。
打撃作業機は、実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、打撃作業機は、コンクリートや石材等を対象物として、斫り作業、穴あけ作業、破砕作業を行うハンマドリルの他、ハンマドライバを含む。ハンマドライバは、先端工具が対象物としてのねじ部材を打撃しながら回転する。モータは、電動モータ、内燃機関、油圧モータ、空気圧モータを含む。電動モータに電力を供給する電源は、交流電源、直流電源を含む。直流電源は、ケーシングに着脱可能なバッテリを含む。
モータの回転力をピストンの往復動作力に変換する運動変換機構は、クランク機構の他、カム機構を含む。打撃作業機は、モータの出力軸の中心線A2と、ピストンが動作する方向の中心線A1とが直角に配置される構造の他、中心線A1と中心線A2とが、互いに平行である構造を含む。
本開示において、端面80は段部として把握することも可能である。また、図8で先端工具83が時計回りに回転する例を説明しているが、先端工具83とフロントカバー23との円周方向の位置関係により、図8で先端工具83が反時計回りに回転することもある。図15で先端工具122が時計回りに回転する例を説明したが、先端工具122とリテーナスリーブ95との円周方向の位置関係により、図15で先端工具122が反時計回りに回転することもある。第1保持孔及び大径部の断面形状は、多角形であればよく、六角形の他、三角形、五角形、八角形でもよい。
10…打撃作業機、22…シリンダ、23…フロントカバー、24…ピストン、48…通気路、69…打撃子、71…空気室、73,127…第1保持孔(第1保持部)、74,128…第2保持孔(第2保持部)、77…第1保持面、78…湾曲面、79…平坦面、83,122…先端工具、86…大径部(被保持部)、91…縁部、95…リテーナスリーブ、121…接続部、A1…中心線、L1,L2…直径。

Claims (8)

  1. 先端工具の被保持部を保持する筒形状の保持具と、前記保持具の中心線方向に移動可能であり、かつ、前記保持具で保持される前記先端工具を打撃する打撃子と、を有する打撃作業機であって、
    前記保持具は、
    前記先端工具を前記打撃子で打撃可能に前記被保持部を保持し、かつ、前記中心線を中心とする円周方向の所定位置から第1角度の範囲で前記被保持部が回転可能な状態で前記被保持部を保持する第1保持部と、
    前記中心線方向で前記第1保持部とは異なる位置に配置され、かつ、前記先端工具を前記打撃子で打撃不可能に前記被保持部を保持し、かつ、前記所定位置から前記第1角度よりも大きい第2角度の範囲で前記被保持部が回転可能な状態で前記被保持部を保持する第2保持部と、
    を有し、
    前記保持具は、前記被保持部が前記第2保持部に保持されて前記所定位置からの回転角度が前記第1角度未満であると、前記被保持部が前記第2保持部から前記第1保持部へ移動することを許容し
    前記保持具は、前記被保持部が前記第2保持部に保持されて前記所定位置からの回転角度が前記第1角度以上であると、前記被保持部が前記第2保持部から前記第1保持部へ移動することを規制する、打撃作業機。
  2. 前記保持具は、前記被保持部に接触することで、前記被保持部が前記第2保持部から前記第1保持部へ移動することを規制する規制部を有し、
    前記規制部は、前記被保持部を前記中心線を中心として回転させることで、前記被保持部が前記第2保持部から前記第1保持部へ移動することを許容する、請求項1に記載の打撃作業機。
  3. 前記第1保持部は、前記中心線方向に延びる第1保持孔を含み、
    前記第2保持部は、前記第1保持孔と前記中心線方向に連続して配置され、前記中心線方向に延びる第2保持孔を含み、
    前記規制部は、前記中心線方向で前記第1保持孔と前記第2保持孔との間に配置されている、請求項2記載の打撃作業機。
  4. 前記第1保持孔は、前記被保持部が前記中心線を中心として回転することを防止する複数の第1保持面を有する、請求項3記載の打撃作業機。
  5. 前記第保持孔は、前記中心線に対して垂直な平面視で六角形であり、
    前記第2保持孔の最大内径は、前記第1保持孔の最大内径よりも大きい、請求項2または3記載の打撃作業機。
  6. 前記第2保持孔は、前記被保持部を前記中心線を中心として所定角度の範囲内で回転可能に支持する複数の第2保持面を有する、請求項3乃至5の何れか1項記載の打撃作業機。
  7. 前記第2保持孔は、前記中心線を中心とする円周方向で複数の第2保持面同士の間に配置され、かつ、前記中心線を中心とする径方向で外側に向けて膨らんだ湾曲面を有する、請求項6記載の打撃作業機。
  8. 前記打撃子を前記中心線方向に移動可能に支持するシリンダと、
    前記シリンダ内で前記中心線方向に移動可能なピストンと、
    前記シリンダ内で前記ピストンと前記打撃子との間に配置され、かつ、前記ピストンの作動により圧力が変動する空気室と、
    前記中心線方向で前記打撃子と前記ピストンとの間に配置され、かつ、前記空気室に接続され、かつ、前記ピストンが前記打撃子に向けて作動する際に前記空気室の圧力が上昇することを抑制する排気通路と、
    を有する、請求項1乃至7の何れか1項記載の打撃作業機。
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