JP6724620B2 - 接着剤、積層体、積層体の製造方法および電子部品 - Google Patents

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Description

本発明は、接着剤、積層体、積層体の製造方法および電子部品に関する。
IMS(インジェクション・モールデッド・ソルダー)法は、はんだバンプ等のはんだパターンを形成するための方法の一つである。これまで、ウェハなどの基板上にはんだパターンを形成する方法としては、ソルダーペースト法、めっき法などが用いられてきた。しかしながら、これらの方法では、はんだバンプの高さ制御が難しい上、はんだ組成が自由に選択できないなどの制約があった。これに対しIMS法ではこれらの制約がないという利点が知られている。
IMS法によってはんだバンプを形成した後、特許文献1に示されているように、半導体素子を積層することで積層型半導体装置を製造することができる。積層の際、はんだバンプによる接合と共に、接着剤を用いて2つの半導体素子を接合する。この接着剤として通常エポキシ樹脂系の接着剤が使用される。この接着剤には、エポキシ樹脂の硬化触媒として、通常、硬化反応を速めるためジシアンジアミドのような硬化促進能の高いアミンが含有される。
米国公開特許2002/0109228号公報
はんだによる接合は高温で行う必要があるので、接着剤による接合も高温で行われることになる。このため、硬化触媒として硬化促進能の高いアミンを用いた場合、硬化反応の進行による接着剤の流動性の低下が速いことから、基板の吸着水の気化により発生した気泡が解消されないまま硬化されるので、接着剤層に気泡による空隙が生じ、半導体素子間の接合力が弱くなるという問題がある。
したがって、IMS法によって形成されるバンプを備えた半導体素子の接合においては、硬化反応の進行による接着剤の流動性の急速な低下を防ぎ、硬化反応の進行とともに生じる気泡を接着剤の流動により接着剤層の外部に排出しながら硬化させる必要がある。
本発明は、バンプを備えた半導体素子の接合において、接着剤層の空隙の発生を抑制できる接着剤を提供することを目的とする。
本発明の接着剤は、下記式(1)で表わされる基を少なくとも2個有する芳香族2級アミン(A)およびエポキシ樹脂(C)を含有することを特徴とする接着剤である。
Figure 0006724620
(式(1)中、Arは置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基を示し、*は結合手を示す。)
前記接着剤において、前記芳香族2級アミン(A)は、前記式(1)で表わされる基を2〜5個有することが好ましい。
前記接着剤において、前記芳香族2級アミン(A)は、下記式(2)又は下記式(3)で表わされる構造を有することが好ましい。
Figure 0006724620
(式(2)および式(3)中、Arは前記式(1)のArと同意であり、式(2)中、R1は2価の有機基を示し、式(3)中、R2は3価の有機基を示す。)
前記式(2)において、R1が芳香族環を有しない2価の有機基であり、式(3)において、前記R2が芳香族環を有しない3価の有機基であることが好ましい。
前記接着剤において、前記式(2)で示される芳香族2級アミン(A)は、下記式(4)で表わされる構造を有し、前記式(3)で示される芳香族2級アミン(A)は、下記式(5)で表される構造を有することが好ましい。
Figure 0006724620
(式(4)中、Arはそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基を示し、R2は置換基を有していてもよい炭素数2〜30のアルカンジイル基、アルキレングリコールエーテル構造を有する基またはジアルキルシロキサン構造を有する基を示す。)
Figure 0006724620
(式(5)中、Arはそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基を示し、R3は置換基を有していてもよい炭素数2〜30のアルカンジイル基、アルキレングリコールエーテル構造を有する基またはジアルキルシロキサン構造を有する基を示す。)
前記接着剤は、さらに、下記式(6)で表される基を少なくとも2個有する芳香族1級アミン(B)を含有することが好ましい。
Figure 0006724620
(式(6)中、Ar1は置換基を有してもよい炭素数6〜30のアリーレン基を示し、*は結合手を示す。)
前記接着剤は、さらに、シリカフィラー(D)を含有することが好ましい。
本発明の芳香族2級アミンは、前記式(4)又は(5)に示す芳香族2級アミンである。
本発明の積層体は、複数の基材を、前記接着剤の膜を介して積層して形成された積層体である。
本発明の積層体の製造方法は、電極パッドを有する第1基板上に、前記電極パッドに対応する開口部を有するレジストを形成する工程(1)、前記開口部に溶融はんだを加熱しながら充填してはんだ電極を形成する工程(2)、前記レジストおよび前記はんだ電極上または電極パッドを有する第2基板上に請求項1〜5のいずれかに記載の接着剤の膜を形成する工程(3)、前記はんだ電極を介して、前記第1基板の電極パッドと前記第2基板の電極パッドとの電気的接続構造を形成する工程(4)を有する。
本発明の積層体は、複数の基材を、前記接着剤の膜を介して積層して形成された積層体である。
また、本発明の積層体は、前記積層体の製造方法によって製造された積層体である。
本発明の電子部品は、前記積層体を有する電子部品である。
本発明の接着剤は、半導体素子の接合において、接着剤層の空隙の発生をきわめて良好に抑制できる。このため、本発明の接着剤を用いて、IMS法によって形成されたはんだバンプを備えた半導体素子を積層した場合、接着剤層において空隙の発生が少なく、半導体素子間の接合強度が強い。
図1(1)〜(4)は、本発明に係る積層体の製造方法の各工程における基板を含む構造体の模式断面図である。
[接着剤]
本発明の接着剤は、芳香族2級アミン(A)およびエポキシ樹脂(C)を含有し、さらに芳香族1級アミン(B)、フィラー(D)およびその他の成分を含有し得る。
芳香族2級アミン(A)
芳香族2級アミン(A)は、エポキシ樹脂に対する硬化剤である。
芳香族2級アミン(A)は、下記式(1)で表わされる基を少なくとも2個有する。
Figure 0006724620
式(1)中、Arは置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基を示す。
前記アリール基としては、好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、たとえば、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。
前記アリール基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、ヒドロキシル基、および(メタ)アクリロイル基、ビニル基等を挙げることができる。前記アルキル基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基およびtert−ブチル基等が挙げられる。前記アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、シクロプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、シクロブトキシ基、シクロプロピルメトキシ基、n−ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロプロピルエチルオキシ基、シクロブチルメチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロプロピルプロピルオキシ基、シクロブチルエチルオキシ基又はシクロペンチルメチルオキシ基等が挙げられる。前記アルコキシアルキル基としては、前記アルコキシ基を置換基として有するアルキル基を挙げることができる。前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基およびtert−ブチル基等が挙げられる。
芳香族2級アミン(A)は、式(1)で表わされる基を少なくとも2個有し、好ましくは2〜5個有し、さらに好ましくは2個〜4個有する。
芳香族2級アミン(A)は、例えば、芳香族1級アミンとエポキシ基を2つ以上有する化合物とを反応させることによって得ることができる。
前記芳香族1級アミンとしては、前記エポキシ基を2つ以上有する化合物との反応により式(1)におけるAr−NH−基を与えることのできる化合物を挙げることができ、たとえば、アニリン、1−ナフチルアミン、2−ナフチルアミン、2−アミノフェノール、3−アミノフェノール、4−アミノフェノール、4−アミノ−3−メチルフェノール、2−アミノ−4−メチルフェノール、3−アミノ−2−メチルフェノール、5−アミノ−2−メチルフェノール、1−アミノ−2−ナフトール、3−アミノ−2−ナフトール、2−(4−アミノフェニル)−6−アミノベンゾオキサゾールおよび5−アミノ−1−ナフトール等のモノアミン;
o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,4−ジアミノアニソール、2,4−トルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェインルエーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、ビス{4−(3−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ジフェニルエーテル、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}ケトン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)−2,3,5−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)−2,5−ジ−t−ブチルベンゼン、1,4−ビス{4−アミノ−2−(トリフルオロメチル)フェノキシ}ベンゼン、4,4’−ジアミノ−2−(トリフルオロメチル)ジフェニルエーテル、2,3’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス(4−アミノフェノキシ)メタン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)プロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ブタン、1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ネオペンタン、2,5−ビス(4−アミノフェノキシ)−ビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジメチルビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジメトキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、3,7−ジアミノ−2,8−ジメチルジベンゾチオフェン 5,5−ジオキシド、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノベンズアミド)−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルケトン、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}ケトン、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、N−(4−アミノフェニル)−4−アミノベンズアミド、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)テレフタルアミド、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)ピペラジン、トリメチレンオキシビス−4−アミノベンゾエートおよびポリテトラメチレンオキシビス−4−アミノベンゾエート等のジアミン;
4,4’,4”−トリアミノトリフェニルメタン、2,3,6−ピリジントリアミン、2,4,6−ピリジントリアミン、2,4,5−ピリミジントリアミン、2,4,6−トリアミノトルエン、1,2,3−ベンゼントリアミン、1,3,5−ベンゼントリアミン、2,4,4’−トリアミノジフェニルエーテル、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルエーテル、メラミン、および3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルスルホン等の多価アミン;を挙げることができる。
これらの中でもモノアミンが、半導体素子の接合において、接着剤層の空隙の発生をきわめて良好に抑制できることから好ましい。
前記エポキシ基を2つ以上有する化合物としては、エポキシ基を2つ有する化合物、エポキシ基を3つ有する化合物、およびエポキシ基を4つ以上有する化合物等が挙げられる。
前記エポキシ基を2つ有する化合物としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エポキシプロポキシプロピル末端ポリジメチルシロキサン、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、分子量2000以下のポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、および分子量2000以下のポリエチレングリコールジグリシジルエーテル等の芳香族環を有さないエポキシ基を2つ有する化合物;
エピコート827、エピコート828、エピコート834(以上、三菱化学社製)、EPICLON840、EPICLON850、EXA−850CRP(以上、DIC社製)BPO−20E、BPO−60E(以上、新日本理化株式会社製)、エピコート806、エピコート807(以上、三菱化学社製)、EPICLON830、EPICLON830−S、EPICLON835、EPICLON EXA−83CRP、EPICLON EXA−830LVP、およびEPICLON EXA−835LV(以上、DIC社製)等の市販されているビスフェノール型エポキシ樹脂、2,7−ナフタレンジグリシジルエーテル、2,6−ナフタレンジグリシジルエーテル等の芳香族環を有するエポキシ基を2つ有する化合物; 等が挙げられる。
前記エポキシ基を3つ有する化合物としては、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルおよびグリセロールトリグリシジルエーテル等の芳香族環を有さないエポキシ基を3つ有する化合物;
テトラグリシジル−3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、テトラグリシジル−3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、テトラグリシジル−3,4’−ジアミノ−2,2’−ジメチルジフェニルエーテル、テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、テトラグリシジル−3,4’−ジアミノ−5−メチルジフェニルメタン、テトラグリシジル−3,4’−ジアミノ−2’−メチルジフェニルメタンおよびトリグリシジル−m−アミノフェノール等の芳香族環を有するエポキシ基を3つ有する化合物;等が挙げられる。
前記エポキシ基を4つ有する化合物としては、分子量2000以下のトリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルおよび分子量2000以下のソルビトールポリグリシジルエーテル等のエポキシ基を4つ以上有する化合物等が挙げられる。
芳香族1級アミンとエポキシ基を2つ以上有する化合物との反応において、芳香族1級アミンに含まれるアミノ基の水素とエポキシ基を2つ有する化合物に含まれるエポキシ基との当量比(アミン水素/エポキシ基)は、通常、2.0以上、好ましくは2〜10である。反応温度は、60〜250℃であることが好ましく、80〜180℃であることがより好ましい。
芳香族2級アミン(A)としては、下記式(6)又は下記式(3)で表わされる化合物が、接着剤層の空隙の発生を良好に抑制できることから好ましい。
Figure 0006724620
式(2)および式(3)中、Arは、式(1)におけるArと同義である。
式(2)において、R1は2価の有機基を示し、前記芳香族1級アミンの前記モノアミンと、前記エポキシ基を2つ有する化合物との反応において、エポキシ基を2つ有する化合物から導かれる残基である。式(2)で表される化合物の中でも、R1が芳香族環を有しない2価の有機基であることが、接着剤層の空隙の発生をきわめて良好に抑制できることから好ましい。R1が芳香族環を有しない2価の有機基である式(2)で表される化合物は、前記芳香族1級アミンのモノアミンと、前記エポキシ基を2つ有する化合物との反応において、前記エポキシ基を2つ有する化合物として、前記芳香族環を有さないエポキシ基を2つ有する化合物を用いて製造すればよい。
式(2)で表される化合物としては、下記式(4)に示す化合物が接着剤層の空隙の発生を良好に抑制できることから好ましい。
Figure 0006724620
(式(4)中、Arはそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基であり、R2は置換基を有していてもよい炭素数2〜30のアルカンジイル基、アルキレングリコールエーテル構造を有する基またはジアルキルシロキサン構造を有する基を示す。)
式(3)において、R2は3価の有機基を示し、前記芳香族1級アミンの前記モノアミンと、前記エポキシ基を3つ有する化合物との反応において、エポキシ基を3つ有する化合物から導かれる残基である。式(3)で表される化合物の中でも、R2が芳香族環を有しない3価の有機基であることが、接着剤層の空隙の発生をきわめて良好に抑制できることから好ましい。R2が芳香族環を有しない3価の有機基である式(3)で表される化合物は、前記芳香族1級アミンのモノアミンと、前記エポキシ基を3つ有する化合物との反応において、前記エポキシ基を3つ有する化合物として、前記芳香族環を有さないエポキシ基を3つ有する化合物を用いて製造すればよい。
式(3)で表される化合物としては、下記式(5)に示す化合物が接着剤層の空隙の発生を良好に抑制できることから好ましい。
Figure 0006724620
(式(5)中、Arはそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基を示し、R3は置換基を有していてもよい炭素数2〜30のアルカンジイル基、アルキレングリコールエーテル構造を有する基またはジアルキルシロキサン構造を有する基を示す。) 本発明の接着剤における芳香族2級アミン(A)の含有量は、エポキシ樹脂(C)に含まれるエポキシ基の数1モルに対して、芳香族2級アミン(A)のアミンの水素原子の数が、通常、0.5〜1.5モル、好ましくは0.7〜1.3モルとなる量である。
エポキシ樹脂(C)
エポキシ樹脂(C)は、分子内に1個以上のエポキシ基を有していれば、低分子であっても、高分子であってもよい。これらの中でも低分子が、接着剤層の空隙の発生を良好に抑制できることから好ましい。
エポキシ樹脂(C)は、分子内に2個以上のエポキシ基を有することが良好に半導体素子を接合することができることから好ましい。エポキシ樹脂(C)としては、前記「芳香族2級アミン(A)」で挙げた「エポキシ基を2つ以上有する化合物」と同様の化合物を挙げることができる。またこれらの化合物中でも、芳香族環を有さないエポキシ基を3つ有する化合物、芳香族環を有するエポキシ基を3つ有する化合物およびエポキシ基を4つ以上有する化合物のように、エポキシ基を3つ以上有する化合物が、芳香族2級アミン(A)との反応により3次元網目構造を形成できることから、良好に半導体素子を接合することができるので好ましい。
芳香族1級アミン(B)
本発明の接着剤は下記式(6)で表される基を少なくとも2個有する芳香族1級アミン(B)を含有することができる。
Figure 0006724620
(式(6)中、Ar1は置換基を有してもよい炭素数6〜30のアリーレン基を示し、*は結合手を示す。)
本発明の接着剤が芳香族1級アミン(B)を含有すると、接着剤層に空隙の発生を抑制しながら、接合強度を高めることができる。
芳香族1級アミン(B)としては、前記「芳香族2級アミン(A)」で挙げた「芳香族1級アミン」と同様の化合物を挙げることができる。またこれらの化合物中でも、ジアミンが、接着剤層に空隙の発生を抑制しながら接合強度を高めることができることから好ましい。
前記芳香族2級アミン(A)100質量部に対する前記芳香族1級アミン(B)の含有量は、通常、50〜300質量部である、
本発明の接着剤が芳香族1級アミン(B)を含有する場合、芳香族2級アミン(A)および芳香族1級アミン(B)の含有量は、エポキシ樹脂(C)に含まれるエポキシ基の数1モルに対して、芳香族2級アミン(A)のアミンの水素原子の数および芳香族1級アミン(B)のアミンの水素原子の数の合計数が、通常、0.5〜1.5モル、好ましくは0.7〜1.3モルとなる量である。
フィラー(D)
本発明の接着剤はフィラー(D)を含有することができる。本発明の接着剤がフィラー(D)を含有すると、半導体基板からの熱伝導を促進させ、半導体基板の温度を低下させ、半導体基板を積層して形成される積層体を有する電子部品を安定的に動作させることができる。
フィラー(D)としては、金属、炭素、金属炭化物、金属酸化物及び金属窒化物からなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。炭素の例としては、カーボンブラック、炭素繊維、グラファイト、フレーレン、ダイヤモンドなどが挙げられる。金属炭化物の例としては、炭化ケイ素、炭化チタン、炭化タングステンなどが挙げられる。金属酸化物の例としては、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化イッテルビウム、サイアロン(ケイ素、アルミニウム、酸素、窒素からなるセラミックス)等が挙げられる。また、それらの形状について制限はなく、粒子状、ウィスカー状、繊維状、板状、またはそれらの凝集体であってもよい。上記金属窒化物としては、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等が挙げられる。
絶縁性が要求される場合には、フィラー(D)としては酸化物及び窒化物が好ましい。このようなフィラー(D)として、アルミナ(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ホウ素(BN)、窒化ケイ素(Si3N4)、シリカ(SiO2)などが挙げられる。
フィラー(D)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
フィラー(D)の含有量は、接着剤の固形分中、通常、20〜80質量%である。
その他の成分
本発明の接着剤は、その他の成分として、有機溶剤等の希釈剤、硬化剤、フラックス、分散剤、界面活性剤、乳化剤、低弾性化剤、希釈剤、消泡剤、イオントラップ剤等を含有することができる。
接着剤の製造
本発明の接着剤は、芳香族2級アミン(A)およびエポキシ樹脂(C)、さらに必要に応じて、芳香族1級アミン(B)、フィラー(D)およびその他の成分を混合することにより製造することができる。
[積層体およびその製造方法]
本発明の積層体は、複数の基材を前記接着剤の膜を介して積層して形成された積層体である。
本発明の積層体は、たとえば、電極パッドを有する第1基板上に、前記電極パッドに対応する開口部を有するレジストを形成する工程(1)、前記開口部に溶融はんだを加熱しながら充填してはんだ電極を形成する工程(2)、前記レジストおよび前記はんだ電極上または電極パッドを有する第2基板上に請求項1〜6のいずれかに記載の接着剤の膜を形成する工程(3)、前記はんだ電極を介して、前記第1基板の電極パッドと前記第2基板の電極パッドとの電気的接続構造を形成する工程(4)を有する積層体の製造方法によって製造することができる。
以下、本発明の積層体の製造方法を、図1を参照しながら説明する。
(工程1)
工程1では、たとえば、まず図1(1−1)に示すように、電極パッド2を有する基板1上に感光性樹脂組成物の塗膜3を形成する。
基板1は、たとえば半導体基板、ガラス基板、シリコン基板、並びに半導体板、ガラス板およびシリコン板の表面に各種金属膜などを設けて形成される基板などである。基板1は多数の電極パッド2を有している。
塗膜3は、感光性樹脂組成物を基板1に塗布等することにより形成される。前記感光性樹脂組成物は、IMS法においてレジストの形成に従来使用される感光性樹脂組成物であって差し支えない。感光性樹脂組成物は、通常、多官能アクリレート等のラジカル重合性化合物や、メトキシメチルメラミンやエポキシ樹脂等のカチオン反応性化合物等の架橋剤を含んでおり、感光性樹脂組成物から形成された塗膜3は、後述の工程2において架橋される。感光性樹脂組成物の塗布方法としては、特に限定されず、例えば、スプレー法、ロールコート法、スピンコート法、スリットダイ塗布法、バー塗布法、インクジェット法を挙げることができる。塗膜3の膜厚は、通常0.1〜100μm、好ましくは1〜80μm、より好ましくは5〜50μmである。
続いて、塗膜3を選択的に露光し、さらに現像、加熱することにより、図1(1−2)に示すような、各電極パッド2に対応する領域に開口部4を有するレジスト5を形成する。
つまり、各電極パッド2を収容する開口部4が形成されるように塗膜3に対して部分的に露光を行い、その後現像、加熱を行って、各電極パッド2を収容する開口部4を形成する。その結果、各電極パッド2に対応する領域に開口部4を有するレジスト5が得られる。開口部4は、レジスト5を貫通する孔である。露光、現像および加熱に関しては、従来法に則して行うことができる。開口部4の最大幅は、通常、塗膜3の膜厚の0.1〜10倍、好ましくは0.5〜2倍である。
(工程2)
工程2では、開口部4に溶融はんだを加熱しながら充填する。その後冷却することによって、図1(2)に示すように、各開口部4にはんだ電極6が形成される。
開口部4に溶融はんだを加熱しながら充填する方法には特に制限はなく、IMS法による通常の充填方法を採用することができる。IMS法においては、通常、250℃以上に溶融はんだを加熱しながら充填を行う。
(工程3)
工程3では、レジスト5およびはんだ電極6上または電極パッド12を有する第2基板11上に前記接着剤の膜7を形成する。図1(3)は、電極パッド12を有する第2基板11上に膜7を形成した状態を示す。膜7は、レジスト5およびはんだ電極6上に前記接着剤をディップ法、スピンコート法、スプレーコート法、ブレード法またはインクジェット法等の方法により塗布することにより形成することができる。
(工程4)
工程4では、はんだ電極6を介して、第1基板1の電極パッド2と電極パッド12を有する第2基板11の電極パッド12との電気的接続構造を形成する。
図1(4)は、本発明の積層体の製造方法で製造された積層体10を示す。積層体10は、工程(1)〜(3)により製造された図1(2)および(3)に示すはんだ電極6を介して、第1基板1の電極パッド2と第2基板11の電極パッド12とを接続することにより形成された電気的接続構造を有する。
第2基板11が有する電極パッド12は、第1基板1と第2基板11とを、電極パッドが形成された面を向かい合わせにして対置したとき、第1基板1の電極パッド2と対向する位置に設けられている。第2基板11の電極パッド12を、図1(3)に示す膜7に接触させ、加熱および/または加圧する。そうすると、第2基板11とレジスト5およびはんだ電極6とが接着剤により接着されると同時に、はんだ電極6と電極パッド12とがはんだ付けされる。なお、図1(4)には、接着剤層は図示されていない。これにより、第1基板1の電極パッド2と第2基板11の電極パッド12とがはんだ電極6を介して電気的に接続されて、電気的接続構造が形成され、積層体10が得られる。前記加熱温度は、通常、100〜300℃であり、前記加圧時の力は、通常、0.1〜10MPaである。
工程3において膜7の形成に使用した接着剤は、前述のとおり芳香族2級アミン(A)およびエポキシ樹脂(C)を含有する。このため、上記の接着時に、膜7内における空隙の発生が抑制され、強い接合強度が得られる。これは、エポキシ樹脂の硬化剤として芳香族2級アミンを用いることにより、硬化反応の進行による接着剤の流動性の急速な低下が抑止され、その結果、硬化反応の進行とともに生じる空隙等が接着剤の流動により接着剤層の外部に排出されながら硬化が進行し、且つ、しっかりと硬化するからであると考えられる。芳香族2級アミンが流動性の低下を防ぐ理由は、必ずしも明らかでないが、アミンの反応点である窒素に付いた水素の反応性を芳香族の立体障害により抑制しているからであると考えられる。
[電子部品]
本発明の電子部品は、前述した積層体を有する電子部品である。前記電子部品としては、半導体素子、表示素子、及びパワーデバイス等を挙げることができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。以下の実施例等の記載において、「部」は「質量部」の意味で用いる。
1.芳香族2級アミンの製造
[製造例1]芳香族2級アミン(A1)の製造
1Lの3口フラスコに、エチレングリコールジグリシジルエーテルを28.7g、アニリンを93.1g、プロピレングリコールモノメチルエーテルを121.8g加え、120℃にて4時間反応させた。プロピレングリコールモノメチルエーテル及び未反応のアニリンを減圧留去し、下記式(A1)に示す芳香族2級アミン(A1)を製造した。
1H NMR(400MHz、CDCl3):δ:3.0〜3.3(6H),3.3〜4.3(12H),6.4〜7.0(6H),7.1〜7.4(4H)
Figure 0006724620
[製造例2]芳香族2級アミン(A2)の製造
製造例1において、エチレングリコールジグリシジルエーテルの代わりにポリエチレングリコールジグリシジルエーテルを117.6g用い、さらにプロピレングリコールモノメチルエーテルを210.7g用いた以外は製造例1と同様にして、下記式(A2)に示す芳香族2級アミン(A2)を製造した。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:2.8〜4.5(50H),6.5〜6.8(6H),7.1〜7.2(4H)
Figure 0006724620
(式(A2)中、nの平均は9)
[製造例3]芳香族2級アミン(A3)の製造
製造例1において、エチレングリコールジグリシジルエーテルの代わりにプロピレングリコールジグリシジルエーテルを61.8g用い、さらにプロピレングリコールモノメチルエーテルを154.9g用いた以外は製造例1と同様にして、下記式(A3)に示す芳香族2級アミン(A3)を製造した。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.0〜1.3(3H),3.0〜4.8(17H),6.5〜7.0(6H),7.1〜7.3(4H)
Figure 0006724620
[製造例4]芳香族2級アミン(A4)の製造
製造例1において、エチレングリコールジグリシジルエーテルの代わりにポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルを81.0g用い、さらにプロピレングリコールモノメチルエーテルを174.1g用いた以外は製造例1と同様にして、下記式(A4)に示す芳香族2級アミン(A4)を製造した。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.0〜1.3(9H),2.3〜5.0(23H),6.5〜7.0(6H),7.1〜7.3(4H)
Figure 0006724620
(式(A4)中、nの平均は3)
[製造例5]芳香族2級アミン(A5)の製造
製造例1において、エチレングリコールジグリシジルエーテルの代わりにエポキシプロポキシプロピル末端ポリジメチルシロキサンを90.6g用い、さらにプロピレングリコールモノメチルエーテルを183.7g用いた以外は製造例1と同様にして、下記式(A5)に示す芳香族2級アミン(A5)を製造した。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:0.0〜0.2(12H),0.4〜0.6(4H),1.5〜2.0(12H),2.7〜4.3(18H),6.6〜6.9(6H),7.1〜7.3(4H)
Figure 0006724620
(式(A5)中、nは2〜6)
[製造例6]芳香族2級アミン(A6)の製造
製造例1において、エチレングリコールジグリシジルエーテルの代わりにトリメチロールプロパントリグリシジルエーテルを64.0g用い、さらにプロピレングリコールモノメチルエーテルを157.1g用いた以外は製造例1と同様にして、下記式(A6)に示す芳香族2級アミン(A6)を製造した。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:δ:0.8〜1.0(3H),1.2〜1.5(2H),3.0〜4.5(27H),6.5〜7.0(9H),7.1〜7.3(6H)
Figure 0006724620
[製造例7]芳香族2級アミン(A7)の製造
製造例1において、エチレングリコールジグリシジルエーテルの代わりにビスフェノールA型エポキシ樹脂を86.9g用い、さらにプロピレングリコールモノメチルエーテルを180.0g用いた以外は製造例1と同様にして、下記式(A7)に示す芳香族2級アミン(A7)を製造した。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.6〜1.8(6H),2.7〜4.5(14H),6.6〜6.9(10H),7.1〜7.3(8H)
Figure 0006724620
[製造例8]芳香族2級アミン(A8)の製造
製造例1において、エチレングリコールジグリシジルエーテルの代わりに1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルを68.7g用い、さらにプロピレングリコールモノメチルエーテルを161.8g用いた以外は製造例1と同様にして、下記式(A8)に示す芳香族2級アミン(A8)を製造した。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.3〜2.0(8H),2.9〜4.4(18H),6.6〜7.0(6H),7.1〜7.4(4H)
Figure 0006724620
2.接着剤の製造
[実施例1〜11および比較例1〜3]
表1に示す成分を、表1に示す配合量で混合し、実施例1〜11および比較例1〜3の接着剤を製造した。表1中の各成分の詳細は、以下に記載する通りである。
Figure 0006724620
芳香族1級アミン(B1):3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン
芳香族1級アミン(B2):4,4’−ジアミノジフェニルスルホン
エポキシ樹脂(C1):下記式(C1)に示すビスフェノールA型エポキシ樹脂
Figure 0006724620
エポキシ樹脂(C2):トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル(商品名「デナコールEX−321L」、ナガセケムテックス製)
シリカフィラー(D1):商品名「MUF−2BV」、龍森社製
その他硬化剤(E1):ジシアンジアミド
その他硬化剤(E2):1−イソブチル−2−メチルイミダゾール
4.評価
実施例1〜11および比較例1〜3の接着剤について、以下の方法にてその性能を評価した。評価結果を表1に記載する。
4−1.ゲル化時間
接着剤を5mg塗ったシリコンウエハ上に、10mm角のガラス基板を載置し、250℃のホットプレート上で加熱した。加熱開始時点から接着剤の流動性が無くなる時点、つまり、ガラス基板とシリコンウエアが接着面に対して平行方向に1MPaの剪断力(500μm/秒の速度、23℃)を加えても移動しなくなるまでの時間を測定し、その時間をゲル化時間とした。
4−2. 空隙の発生の有無
8インチガラスウエハ上に複数の銅電極パッドを有する基板上にスピンコーターを用いて、はんだ用レジスト(商品名「JSR ELPAC WPRシリーズ」、JSR(株)製)を塗布し、ホットプレートで120℃にて5分間加熱し、厚さ55μmの塗膜を形成した。次いでアライナー(Suss社製、型式「MA−200」)を用い、パターンマスクを介して、波長420nmの光を照射強度300mJ/cm2にて露光した。露光後、塗膜を2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液に240秒間接触させ、塗膜を流水で洗浄し、現像した。次いで、窒素フロー下、対流式オーブンで200℃にて10分間加熱し、電極パッドに対応する部分に開口部を有するレジスト保持基板を形成した。電子顕微鏡で観察したところ、各開口部の開口は直径30μmの円形であり、各開口部の深さは50μmであった。また、開口部の最大幅は30μmであった。
前記開口部を有するレジスト保持基板を、1質量%硫酸水溶液に23℃で1分間浸漬し、水洗、乾燥した。乾燥後の基板の開口部に、SAC305(鉛フリー半田、千住金属工業(株)製品名)を250℃で溶融して得られた溶融はんだを250℃に加熱しながら10分間かけて充填し、はんだ充填基板を得た。これを7mm角に切断した。
複数の銅電極パッドを有する10mm角シリコンチップ基板上に接着剤を4mg塗布し、その上に前記の切断したはんだ充填基板をはんだ充填物側が接するように載置した。次いで、シリコンチップ側からホットプレート上で250℃2分間加熱して、ガラスウエハに設けられた銅電極パッドとシリコンウエハ上に設けられた銅電極パッドとの電気的接続構造を形成し、積層体を製造した。加熱後の接着剤層中の空隙の有無を超音波顕微鏡で観察し、下記評価基準にて評価した。
A:空隙が見られない。
B:空隙が見られるが、20個未満である。
C:空隙が20個以上見られる。
1、11 基板
2、12 電極パッド
3 塗膜
4 開口部
5 レジスト
6 はんだ電極
7 膜
10 積層体

Claims (8)

  1. 電極パッドを有する第1基板上に、前記電極パッドに対応する開口部を有するレジストを形成する工程(1)、
    前記開口部に溶融はんだを加熱しながら充填してはんだ電極を形成する工程(2)、
    前記レジストおよび前記はんだ電極上または電極パッドを有する第2基板上に、下記式(1)で表わされる基を少なくとも2個有する芳香族2級アミン(A)およびエポキシ樹脂(C)を含有する接着剤の膜を形成する工程(3)、
    Figure 0006724620
    (式(1)中、Arは置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基を示し、*は結合手を示す。)
    および、
    前記はんだ電極を介して、前記第1基板の電極パッドと前記第2基板の電極パッドとの電気的接続構造を形成する工程(4)
    を有し、
    前記芳香族2級アミン(A)は、下記式(2)又は下記式(3)で表わされる構造を有し、
    Figure 0006724620
    (式(2)および式(3)中、Arは前記式(1)のArと同義であり、式(2)中、R 1 は2価の基を示し、式(3)中、R 2 は3価の有機基を示す。)
    さらに、前記芳香族2級アミン(A)は、
    アニリン、1−ナフチルアミン、2−ナフチルアミン、2−アミノフェノール、3−アミノフェノール、4−アミノフェノール、4−アミノ−3−メチルフェノール、2−アミノ−4−メチルフェノール、3−アミノ−2−メチルフェノール、5−アミノ−2−メチルフェノール、1−アミノ−2−ナフトール、3−アミノ−2−ナフトール、2−(4−アミノフェニル)−6−アミノベンゾオキサゾールおよび5−アミノ−1−ナフトールであるモノアミン;
    o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、2,4−ジアミノアニソール、2,4−トルエンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,3'−ジエチル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、3,4'−ジアミノジフェインルエーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、ビス{4−(3−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、4,4'−ジアミノ−2,2'−ビス(トリフルオロメチル)ジフェニルエーテル、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}ケトン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)−2,3,5−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)−2,5−ジ−t−ブチルベンゼン、1,4−ビス{4−アミノ−2−(トリフルオロメチル)フェノキシ}ベンゼン、4,4'−ジアミノ−2−(トリフルオロメチル)ジフェニルエーテル、2,3'−ジアミノジフェニルエーテル、ビス(4−アミノフェノキシ)メタン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)プロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ブタン、1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ネオペンタン、2,5−ビス(4−アミノフェノキシ)−ビフェニル、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジメチルビフェニル、4,4'−ジアミノ−2,2'−ジメチルビフェニル、4,4'−ジアミノ−2,2'−ジメトキシビフェニル、4,4'−ジアミノ−2,2'−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、3,7−ジアミノ−2,8−ジメチルジベンゾチオフェン 5,5−ジオキシド、4,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジヒドロキシビフェニル、4,4'−ビス(4−アミノベンズアミド)−3,3'−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、3,3',4,4'−テトラアミノジフェニルケトン、4,4'−ジアミノジフェニルケトン、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}ケトン、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4,4'−ジアミノジフェニルスルフィド、N−(4−アミノフェニル)−4−アミノベンズアミド、N,N'−ビス(4−アミノフェニル)テレフタルアミド、N,N'−ビス(4−アミノフェニル)ピペラジン、トリメチレンオキシビス−4−アミノベンゾエートおよびポリテトラメチレンオキシビス−4−アミノベンゾエートであるジアミン;
    4,4',4"−トリアミノトリフェニルメタン、2,3,6−ピリジントリアミン、2,4,6−ピリジントリアミン、2,4,5−ピリミジントリアミン、2,4,6−トリアミノトルエン、1,2,3−ベンゼントリアミン、1,3,5−ベンゼントリアミン、2,4,4'−トリアミノジフェニルエーテル、3,3',4,4'−テトラアミノジフェニルエーテル、メラミン、および3,3',4,4'−テトラアミノジフェニルスルホンである多価アミン;から選択される芳香族1級アミンと、
    エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エポキシプロポキシプロピル末端ポリジメチルシロキサン、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、分子量2000以下のポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、および分子量2000以下のポリエチレングリコールジグリシジルエーテルである芳香族環を有さないエポキシ基を2つ有する化合物;
    ビスフェノール型エポキシ樹脂、2,7−ナフタレンジグリシジルエーテル、2,6−ナフタレンジグリシジルエーテルである芳香族環を有するエポキシ基を2つ有する化合物;
    トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルおよびグリセロールトリグリシジルエーテルである芳香族環を有さないエポキシ基を3つ有する化合物;
    テトラグリシジル−3,4'−ジアミノジフェニルエーテル、テトラグリシジル−3,3'−ジアミノジフェニルエーテル、テトラグリシジル−3,4'−ジアミノ−2,2'−ジメチルジフェニルエーテル、テトラグリシジル−4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、テトラグリシジル−3,4'−ジアミノ−5−メチルジフェニルメタン、テトラグリシジル−3,4'−ジアミノ−2'−メチルジフェニルメタンおよびトリグリシジル−m−アミノフェノールである芳香族環を有するエポキシ基を3つ有する化合物;ならびに、
    分子量2000以下のトリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルおよび分子量2000以下のソルビトールポリグリシジルエーテルであるエポキシ基を4つ以上有する化合物;から選択されるエポキシ基を2つ以上有する化合物と
    を反応させることによって得られる、
    積層体の製造方法。
  2. 前記芳香族2級アミン(A)は、前記式(1)で表わされる基を2〜5個有する、請求項1に記載の積層体の製造方法。
  3. 前記R 1 が芳香族環を有しない2価の有機基であり、前記R 2 が芳香族環を有しない3価の有機基である、請求項1に記載の積層体の製造方法
  4. 前記式(2)で示される芳香族2級アミン(A)は、下記式(4)で表わされる構造を有し、前記式(3)で示される芳香族2級アミン(A)は、下記式(5)で表される構造を有する、請求項1に記載の積層体の製造方法
    Figure 0006724620
    (式(4)中、Arはそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基を示し、R 2 は置換基を有していてもよい炭素数2〜30のアルカンジイル基、アルキレングリコールエーテル構造を有する基またはジアルキルシロキサン構造を有する基を示す。)
    Figure 0006724620
    (式(5)中、Arはそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基を示し、R 3 は置換基を有していてもよい炭素数2〜30のアルカンジイル基、アルキレングリコールエーテル構造を有する基またはジアルキルシロキサン構造を有する基を示す。)
  5. 前記接着剤が、さらに、下記式(6)で表される基を少なくとも2個有する芳香族1級アミン(B)を含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の積層体の製造方法
    Figure 0006724620
    (式(6)中、Ar 1 は置換基を有してもよい炭素数6〜30のアリーレン基を示し、*は結合手を示す。)
  6. 前記接着剤が、さらに、シリカフィラー(D)を含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の積層体の製造方法
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の積層体の製造方法によって製造された積層体。
  8. 請求項7に記載の積層体を有する電子部品。
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