JP6724350B2 - 作業車両 - Google Patents

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本発明は、苗の植付や播種などの対地作業と施肥作業を行う作業車両に関するものである。
従来の作業車両には、繰出量を繰出量調節モータを作動させて変更する施肥装置を備えるものがある(特許文献1)。
これにより、繰出量の変更を高速で行うことができると共に、微細な繰出量の調節が可能となるので、肥料の供給不足や過剰供給が防止される。
特開2014−212718号公報
繰出量の調節を行うときは、使用する肥料を計量カップ等に投入し、比重計で比重を算出し、この比重に合わせて繰出量を変更する必要がある。繰出量は対応するグラフが用意されているが、計量カップや比重計を圃場に持ち込む必要があり、搬送する作業資材が増加する問題がある。
また、計量カップや比重計を忘れると、繰出量の正確な調節ができず、肥料の供給不足により苗の生育不良が生じることや、過剰供給により不要な肥料を消費してしまう問題がある。
本発明は、圃場に余分な作業資材を持ち込むことなく、正確な比重を測定して繰出量を調節することが可能な作業車両を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、走行車体(2)に圃場で作業を行う対地作業装置(4)を設け、該走行車体(2)に圃場に肥料を供給する施肥装置(100)を設け、該施肥装置(100)の繰出量を変更する調節部材(400)を設け、該調節部材(400)の作動を制御する制御装置(210)を設けた作業車両において、
前記施肥装置(100)に使用する肥料を貯留するホッパを設け、前記ホッパの蓋(60a)に、肥料の比重を測定する比重計(501)を複数設け、前記ホッパへ肥料を投入可能な状態にしたときに露出する前記蓋(60a)の裏側に、前記複数の比重計(501)により測定する測定用の比重カップ部(500)をそれぞれ設け、前記制御装置(210)は、該複数の比重計(501)が検出した比重の平均値から繰出量を決定することを特徴とする作業車両とした。
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請求項1の発明により、比重計(501)を施肥装置(100)に設けたことにより、計量カップや比重計を作業場所に持ち込む必要がなく、作業資材の搬送に要する労力が軽減される。
また、比重計(501)が検出した比重に基づき制御装置(210)が繰出量を決定することで、作業能率の向上や作業者の労力の軽減が図られる。
また、蓋(60a)の裏面に比重カップ部(500)を設けたことにより、肥料を施肥ホッパに投入するときに蓋(60a)を開けるだけで使用可能な状態になるので、作業能率が向上する。
また、圃場等の作業場所では、肥料の投入時以外は蓋(60a)を閉じているので、比重計(501)が雨風にさらされることがなく、比重計(501)の耐久性が向上する。
また、比重計(501)を複数設け、蓋(60a)に比重カップ部(500)を一体で複数形成し、コントローラ(210)に接続されていることにより、複数の比重計(501)が算出した比重の平均値を設定することができる。
また、蓋(60a)の裏面に比重カップ部(500)を形成したことにより、蓋(60a)を閉じたときに中に入っている肥料を施肥ホッパ内に投入することができるので、肥料の使用量が抑えられ、作業コストが抑えられる。
また、蓋(60a)に比重計(501)と比重カップ部(500)を左右一対設けることで、機体全体の重量バランスの乱れを防止することができる。
また、蓋(60a)の裏面に比重カップ部(500)を設けたことにより、比重測定用の肥料が蓋(60a)の裏面で無秩序に散らばることを防止できるので、比重の測定が安定し、繰出量の適正化が図られる。
また、比重カップ部(500)を蓋(60a)の裏面に設けたことにより、蓋(60a)を閉じると肥料が施肥ホッパ内に投入されるので、比重測定に用いた肥料を簡単に施肥作業に用いることができ、肥料の消費量が抑えられ、作業コストの低減が図られる。
また、比重カップ部(500)を蓋(60a)に一体成形したことにより、蓋(60a)を閉じたときに比重カップ部(500)が施肥ホッパ内に脱落することを防止できるので、比重カップ部(500)を比重の測定時の度に蓋(60a)に取り付ける作業が不要となる。
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苗移植機の側面図 苗移植機の平面図 施肥装置と後輪ギアケース間の施肥伝動構を示す概略正面図 施肥装置の繰出部の左側面断面図 施肥装置と施肥伝動機構と繰出量調節機構の要部側面図 施肥装置と運転席を上方から見た概略平面図 コントローラを中心とした、各種センサと制御対象となる部材との制御関係を示すブロック図 ティーチング作業の開始から可変施肥作業までの制御を示すフローチャート 作業終了アイコン操作時の操作受付制御とコントローラの情報処理を示すフローチャート (a)ラグと肥料濃度センサを備える前輪の側面図 (b)ラグと肥料濃度センサを備える前輪の正面図 (c)ラグと肥料濃度センサを備える前輪の平面図 (a)施肥ホッパの要部平面図 (b)施肥ホッパの要部背面図 (a)蓋を閉じた状態の施肥ホッパの要部側面図 (b)蓋を開けた状態の施肥ホッパの要部側面図 比重に基づく繰出量の算出と、情報端末を用いて繰出量調節モータを作動させる制御を示すフローチャート 肥料リストから肥料情報を呼び出した状態を示す図 走行車体のフレームと一部部材を示す側面図 走行車体のフレームと一部部材を示す平面図 (a)横送り機構を示す要部背面図 (b)リードメタル部を示す要部拡大図 ボンネットを示す平面図 旋回連動機構の制御を示すフローチャート 資材搬送装置を備える苗移植機の側面図 資材搬送装置を備える苗移植機の正面図 前輪ファイナルケースの下部ケースの要部拡大正面図 前輪ファイナルケースの下部ケースの要部拡大正面図 部分条クラッチと部分条入切装置を示す説明図 部分条入切装置を示す要部正面図 圃場端作業時に部分条クラッチを切操作した際の深度センサの検出入切制御を示すフローチャート 圃場の深度を色分けして示す作業マップを示す図 圃場の深度を色分けして示す作業マップを作成する行程を示すフローチャート
以下、図面を参照しながら本発明の施肥装置を搭載した乗用型田植機について説明する。図1は、本発明の一実施の形態の施肥装置を搭載した8条植の乗用型の田植機の側面図であり、図2は、その平面図である。
なお、本明細書においては、前後、左右の方向基準は、運転席からみて、車体の走行方向を基準として、前後、左右の基準を規定している。
この田植機は、走行車体2の後側に昇降リンク装置3を介して苗植付部4が昇降可能に装着され、走行車体2の後部上側に施肥装置100の本体部分が設けられている。
なお、該苗植付部4は作業装置の一例であり、種子を供給する播種装置や、圃場を耕耘する耕耘ロータリであってもよい。
走行車体2は、駆動輪である左右一対の前輪10及び左右一対の後輪11を備えた四輪駆動車両であって、機体の前部にミッションケース12が配置され、そのミッションケース12の左右側方に前輪ファイナルケース13が設けられ、該左右前輪ファイナルケース13の操向方向を変更可能な各々の前輪支持部から外向きに突出する左右の前車軸10a
に前輪10がそれぞれ取り付けられている。
図10(a)から(c)に示すとおり、該前輪10の外周縁部の左右中央部に、36個の中央ラグ10Cを10度毎に形成し、前輪10の外周縁部の左右両側に、18個の左側ラグ10L、右側ラグ10Rを20度毎に各々配置する。該左側ラグ10Lと右側ラグ10Rは、中央ラグ10Cの左右側方に互いに隣接しない配置とする。これにより、中央ラグ10Cで土壌を掻きつつ、左側ラグ10Lと右側ラグ10Rが交互に土を掻くので、前輪10の接地面積が減少し、泥土が付着しにくくなると共に、泥土から前輪10が離れにくく、走行性が低下することが防止される。
しかしながら、泥土が付着しにくい素材で前輪10の表面をコーティングする、あるいは前輪10を形成するのであれば、全ての中央ラグ10Cの左右両側に左側ラグ10Lと右側ラグ10Rを形成してもよい。これにより、中央ラグ10C,左側ラグ10Lと右側ラグ10Rで同時に地面を掻くことができるので、走行に必要な推進力を得やすく、走行性や燃費が向上する。
また、ミッションケース12の背面部にメインフレーム15の前端部が固着されており、そのメインフレーム15の後部の左右両側に後輪ギアケース18L,18Rが各々設けられ、該後輪ギアケース18L,18Rから外向きに突出する左右の後車軸18aに後輪11が各々取り付けられる。
エンジン20は、メインフレーム15の上に搭載されており、該エンジン20の回転動力が、ベルト伝動装置21及びHST(油圧無段変速装置)23を介してミッションケース12に伝達される。該ミッションケース12に伝達された回転動力は、ミッションケース12内のトランスミッションにより変速された後、走行動力と外部取出動力に分離して取り出される。
また、外部取出動力は、走行車体2の後部に設けた植付クラッチケース25に伝達され、それから植付伝動軸26によって苗植付部4へ伝達される。
エンジン20の上部はエンジンカバー30で覆われており、その上に運転席31が設置されている。運転席31の前方には各種操作機構を備えるボンネット32があり、その上方に前輪10を操向操作する操縦ハンドル34が設けられている。
また、図15及び図16で示すとおり、ボンネット32の内部には施肥装置100の動作等を制御するコントローラ210を収納すると共に、該コントローラ210よりも下部で、且つメインフレーム15の機体前側で、且つバンパー15aの後側には、燃料を貯留する燃料タンク33を設ける。該燃料タンク33には、エンジン20に対応する燃料、例えばガソリン、軽油等を貯留する。
エンジンカバー30及びボンネット32の下端左右両側は水平状のフロアステップ35になっている。フロアステップ35は一部格子状になっており(図2参照)、フロアステップ35を歩く作業者の靴についた泥が圃場に落下する構成となっている。
昇降リンク装置3は平行リンク構成であって、1本の上リンク40と左右一対の下リンク41を備えている。上リンク40及び下リンク41は、それらの基部側がメインフレーム15の後端部に立設した背面視で門形のリンクベースフレーム42に回動自在に取り付けられ、それらの先端側に縦リンク43が連結されている。そして、縦リンク43の下端部に、苗植付部4に回転自在に支承された連結軸44が挿入連結され、連結軸44を中心として苗植付部4がローリング自在に連結されている。
メインフレーム15に固着した支持部材と上リンク40に一体形成したスイングアーム(図示せず)の先端部との間に昇降油圧シリンダ46が設けられており、昇降油圧シリンダ46を油圧で伸縮させることにより、上リンク40が上下に回動し、苗植付部4がほぼ一定姿勢を保持したまま昇降する。
苗植付部4は、8条植の構成で、フレームを兼ねる植付伝動ケース50、マット苗(図示省略)を載せて左右往復動し苗を一株分ずつ各条の苗取出口51a(図2参照)に供給するとともに、横一列分の苗を全て苗取出口51aに供給すると、苗送りベルト51bにより苗を下方に移送する苗載せ台51、及び、苗取出口51aに供給された苗を苗植付具52aによって圃場に植付ける植付装置52等を備えている。該苗植付具52aは、1条に付き2つ設けられ、回転ケースに装着されて交互に苗を取って圃場に植え付ける構成である。
前記苗載せ台51の左右往復機構は、図17(a)(b)に示すとおり、植付伝動ケース50に設ける横送り伝動軸53と、該横送り伝動軸53を回転させるリードメタル54で構成する。該横送り伝動軸53の一部には左右移動用の螺旋溝53aが形成されている。また、前記リードメタル54は、横送り伝動軸53が貫通する横送りケース54aと、該横送りケース54a内で螺旋溝53aに接触するリード爪54bで構成される。該横送りケース54aは、苗載せ台51と連結される。
該リード爪54bを螺旋溝53aに入り込ませることにより、植付伝動ケース50から駆動力を受けて横送り伝動軸53が回転すると、苗載せ台51は螺旋溝53aに沿って移動するので、各苗植付具52aが苗を取る際に各苗取り口51aに苗がある状態とすることができるので、苗が取られない、あるいは設定量よりも少ない苗が取られることが防止され、苗の植付精度が向上する。
図2に示すとおり、苗植付部4の下部には中央にセンターフロート55と、左右のサイドフロート56と、該左右のサイドフロート56よりも機体外側のアウタフロート57が各々回動可能に設けられている。これらフロート55,56,57を圃場の泥面に接地させた状態で機体を進行させると、フロート55,56,57が泥面を整地しつつ滑走し、その整地跡に植付装置52により苗が植え付けられる。
前記センターフロート55には、図7に示すとおり、圃場深さの変化によるセンターフロート55の回動量を検出するフロートセンサ58を設ける。該フロートセンサ58が角度変化を検出すると、コントローラ210は圃場の深さが変化したと判断し、検出された角度に合わせて苗植付部4等の作業装置の作業高さを適切な高さとすべく昇降油圧シリンダ46を伸縮させ、苗植付部4の作業高さを自動的に調節する。
前記フロートセンサ58の検出値は、センターフロート55が圃場面に略水平姿勢で接地するときを0度とし、検出値が仰角方向(上方)であるときは、コントローラ210は圃場深さが浅くなり、苗植付部4と圃場面の間隔が狭くなったと判断し、昇降油圧シリンダ46を収縮させて苗植付部4を上昇させ、苗の植付深さが深くなり過ぎることを防止する。一方、検出値が俯角方向(下方)であるときは、コントローラ210は圃場深さが深くなり、苗植付部4と圃場面の間隔が広くなったと判断し、昇降油圧シリンダ46を伸張させて苗植付部4を下降させ、苗の植付深さが浅くなり過ぎることを防止する。
しかしながら、フロートセンサ58が角度変化を検出する度に苗植付部4を昇降させると、細かい凹凸が連続する場所では、頻繁に苗植付部4が昇降することになり、かえって苗の植付深さが定まらず、植付深さが不安定になる問題がある。これを防止するには、フロートセンサ58が設定値以上の角度を検出したときに昇降油圧シリンダ46を伸縮させ
る構成とする必要があるので、図18に示すとおり、ボンネット32の上部に昇降設定ダイヤル59を設ける。
該昇降設定ダイヤル59は、一方に回すと昇降油圧シリンダ46を伸縮させる角度が大きくなり、他方に回すと伸縮させる角度が小さくなるものである。なお、最大側または最小側を超える位置のどちらかに、フロートセンサ58がセンターフロート55の回動角度を検出しても昇降油圧シリンダ46を伸縮させて苗植付部4の作業高さを変更する制御を行わせない、昇降規制位置を設けてもよい。
図1から図6に示すとおり、前記施肥装置100は、肥料ホッパに貯留されている粒状の肥料を、各苗植付条毎に設けられている繰出部61によって一定量ずつ繰り出し、その肥料を施肥ホース62でセンターフロート55、サイドフロート56及びアウタフロート57の左右両側に取り付けた施肥ガイド63まで導き、施肥ガイド63の前側に設けた作溝体64によって苗植付条の側部近傍に形成される施肥溝内に落とし込む構成となっている。
そして、ブロア用電動モータ66で駆動するブロア67で発生させたエアが、左右方向に長いエアダクト68を経由して施肥ホース62に吹き込まれ、施肥ホース62内の肥料を風圧で強制的に搬送する構成となっている。
また、肥料ホッパは、左側肥料ホッパ60Lと、右側肥料ホッパ60Rとに一定の隙間を空けて分離されて配置されており、該右側の肥料ホッパ60Rの左右方向の中央部付近の下方には、繰出量調節モータ400が配置されている。また、該繰出量調節モータ400は、図6に示すとおり、運転席31を載置すると共にエンジン20の周囲を覆うエンジンカバー30の右側後方に、間隔を空けて配置する。
該繰出量調節モータ400は、図3、図5及び図6で示すとおり、施肥伝動機構300を介して伝達される駆動力を利用して肥料を設定量ずつ繰り出すための繰出部61から繰り出される繰出量を調節するための機構である。
該繰出量調節モータ400を、右側肥料ホッパ60Rの左右方向中央部付近の下方に配置したことにより、繰出量調節モータ400が左右の肥料ホッパ60L,60Rへの肥料の補給等の作業に干渉しない配置となるので、作業能率が向上する。また、左右の肥料ホッパ60L,60Rの前後方向の回動を規制しないので、肥料の排出時等に左右の肥料ホッパ60L,60Rを後方傾斜させて、残留している肥料を速やかに排出させることが妨げられない。
なお、左側の肥料ホッパ60Lと右側の肥料ホッパ60Rを含む構成が、本発明の貯留ホッパの一例である。
作業終了後に前記左右の肥料ホッパ60L,60Rに残った肥料は、付着や腐食を防止すべく、取り出す必要がある。肥料の排出作業を行うべく、図3から図6に示すとおり、第1繰出ロール73A及び第2繰出ロール73Bよりも上方で、且つ各繰出部61の後部には、作業切替レバー69の操作により開閉する切替シャッタ77が開閉自在に設けられており、該作業切替レバー69を施肥側に操作すると各切替シャッタ77が閉じ、排出側に操作すると各切替シャッタ77が開いて肥料が排出通路78に移動可能になる構成としている。該排出通路は、機体後方に向かって下方傾斜している。
前記左右の肥料ホッパ60L,60Rの後側下部には、該排出通路78から排出された肥料を機体側方の排出口79aに移動させる排出ダクト79が左右方向に配置されている。該排出ダクト79の一側端部は前記ブロア67に接続されており、前記作業切替レバー69を施肥側に操作するとエアダクト67に搬送風が吹き込まれ、排出側に操作すると排出ダクト79に搬送風が吹き込まれる構成である。
上記により、作業切替レバー69を排出側に操作して各条の切替シャッタ77を開くと、肥料が各排出通路78を通じて排出ダクト79に移動し、排出ダクト79内に吹き込む搬送風により肥料が排出口79aに運ばれ、排出される。該排出口79aには回収用の袋やバケツを臨ませておくが、吹き出される肥料の拡散を抑えるべく、細かい網目の排出ホース79bを設けておくと、肥料の散らばりが防止され、肥料の回収量が増加する。
前記苗植付部4の下部には、苗の植付深さを安定させるべく、圃場面の凹凸を均す整地ロータ27を設ける。該整地ロータ27は、図15及び図16に示すとおり、機体左右一側の後輪ギアケース18Lの機体内側で、且つ後車軸18bよりも機体上側に基部側が配置されるロータ伝動軸28から駆動力を受けて回転するものであり、土質が硬い圃場であっても凹凸を均すことが可能である。
また、ロータ伝動軸28の基部が後車軸18bよりも機体上側に配置されることにより、圃場面からの離間距離が広くなり、後輪18が跳ね上げた泥土が付着しにくく、泥土の除去作業に要する労力が軽減されると共に、泥土による破損が防止される。
さらに、後輪ギアケース18Lにロータ伝動軸28を装着することにより、後輪18への駆動力を用いて整地ロータ27を回転させることができるので、整地ロータ27への伝動経路を別に構成する必要がなく、部品点数の削減や構造の簡潔化が図られる。
一方、図3、及び図15及び図16に示すとおり、機体左右他側の後輪ギアケース18Rの機体内側で、且つ後車軸18bよりも機体前側には、前記施肥装置100の施肥伝動機構300へ伝動する施肥伝動出力軸461を設けると共に、該施肥伝動出力軸461への伝動を入切する施肥クラッチ機構460を設ける。
前記後輪ギアケース18Rに設ける施肥伝動出力軸461から施肥伝動機構300に伝動することにより、後輪18への駆動力を用いて施肥装置100を作動させることができるので、施肥装置100への伝動経路を別に構成する必要がなく、部品点数の削減や構造の簡潔化が図られる。
さらに、後輪ギアケース18Rから施肥装置100の駆動力が伝動されることにより、走行車体2の走行速度に連動して第1繰出ロール73A及び第2繰出ロール73Bが回転するので、肥料の供給間隔が空き過ぎて肥料が供給されない位置が生じることや、供給間隔が狭まり過ぎて肥料が過剰に供給される位置が生じることが防止され、肥料の過不足による生育不良や、生育のバラつきの発生が防止される。
上記の施肥装置100が用いる肥料は、その種類によって比重が異なることがある。これにより、作業者は繰出量調節モータ400を操作して肥料の繰出量を調節する必要があるが、この繰出量の調節を行うには、比重を測定し、その上で対応するグラフを見ながら設定する必要があり、作業能率を低下させる要因となっている。
上記の問題を解消すべく、図11(a)(b)、図12(a)(B)で示すとおり、前記施肥ホッパ60L,60Rの蓋60a,60aの裏側、即ち蓋60a,60aを空けて施肥ホッパ60L,60Rに肥料を投入可能な状態にしたときに露出する部分に比重測定用のサンプルとなる肥料を投入する比重カップ部500,500を各々形成し、該比重カップ部500,500に投入された肥料の比重を測定する比重計501,501を各々配置する。該左右の比重計501,501は、前記コントローラ210に接続されており、各比重計501,501が算出した比重の平均値から、繰出量調節モータ400により設定すべき繰出量を調節する。
なお、前記比重カップ部500は、蓋60aに一体成形すると、蓋60aを閉めたときに施肥ホッパ60L,60R内に落下することがなく、比重カップ部500を蓋60aの開閉の度に取り付ける必要がなく、作業能率が向上する。
前記左右の蓋60a,60aの裏側に左右の比重カップ部500,500と左右の比重計501,501を各々設けることにより、蓋60a,60aを閉めると左右の比重カップ部500,500と左右の比重計501,501が露出しないので、雨等に濡れて比重が測定できない状況になることが防止されると共に、左右の比重カップ部500,500や左右の比重計501,501を作業時に持ち歩く必要がなく、作業場に持ち込む作業資材の軽減が図られる。
また、左右の蓋60a,60aの裏面に左右の比重カップ部500,500を形成したことにより、蓋60a,60aを閉じたときに中に入っている肥料を施肥ホッパ60L,60R内に投入することができるので、肥料の使用量が抑えられ、作業コストが抑えられる。
上記の比重計501は、左右の蓋60a,60aのどちらか一方に設けてもよいが、比重計501の重量が左右一方に偏り、機体全体の重量バランスの乱れを防止するには、左右一対設けるとよい。
図13で示すとおり、算出された比重は、コントローラ210から後述する情報端末800に送信され、該情報端末800に比重を表示する。該情報端末800には、表示された比重を増減させたり、設定した比重をコントローラ210に送信して繰出量調節モータ400を作動させて繰出量を変更させたりする施肥管理アプリケーション811をインストールしておく。該施肥管理アプリケーション811は、繰出量を増加させる増加アイコン812i、減少させる減少アイコン812d、比重に基づく繰出量をコントローラ210に送信する送信アイコン813を表示し、タッチにより動作を実行する。
上記により、肥料に対応するグラフを見て繰出量調節モータ400を作動させ、繰出量を調節する作業が不要になるので、繰出量の設定に要する作業時間が短縮され、作業能率が向上する。
また、グラフの見間違えにより肥料に対応していない繰出量を設定することを防止できるので、肥料の過不足の発生が防止され、苗の生育の安定や、収穫物の品質が向上する。
そして、情報端末800に表示された比重に基づく繰出量を増加アイコン812i及び減少アイコン812dで増減させることにより、作業条件に合わせた繰出量に調節することができるので、繰出量がより適正化され、施肥精度が向上する。
なお、情報端末800には、図14で示すとおり、肥料の種類と作業に使用した肥料の比重を関連付けて記録しておき、肥料情報アイコン814を操作して肥料リスト815を表示可能にする。該肥料リスト815から肥料の種類を選択すると、対応する比重を情報端末800に表示し、上記の繰出量の増減や送信操作が可能な状態に切り替わる構成としてもよい。
上記により、一度使用した肥料については比重計501,501を使わなくても繰出量調節モータ400を作動させて適切な繰出量を設定することができるので、比重測定に要
する時間が短縮され、作業能率が向上する。
なお、施肥伝動機構300の詳細構造、ならびに施肥伝動出力軸461から施肥装置100への伝動については、後述する。
そして、図7に示すとおり、前記走行車体2には左右の後輪11の回転パルスを検出する左右の後輪回転センサ11aを設け、該後輪回転センサ11aの検出値からコントローラ210が走行速度を算出する構成とすると共に、左右の検出値の差異から作業走行(直進走行)であるか、旋回走行であるかを判断可能に構成している。
圃場端で旋回するとき、苗植付部4等の作業装置は上昇させ、圃場面から離間させる必要があると共に、上昇中は植付クラッチ24等の作業クラッチを切り、旋回中は作業装置を停止させる必要がある。また、旋回後は作業装置の下降操作、及び作業クラッチの入操作が必要となる。
これらの操作を旋回の前後で行うと、作業者は操縦ハンドル34以外の操作を行なう必要があるので、操作が煩雑になる。さらに、作業装置の昇降や作業クラッチの入切が適切な位置で行えず、作業位置の重複、あるいは作業が行われない位置が発生し、作業精度が低下する。
上記の問題に対応すべく、図7及び図19に示すとおり、操縦ハンドル34の操作角度を検知するハンドルポテンショメータ34aを設け、該ハンドルポテンショメータ34aが旋回開始角度を検知すると、コントローラ210は昇降油圧シリンダ46を収縮させて苗植付部4を上昇させると共に、植付クラッチ24を切状態にする。これと同時に、左右の後輪回転センサ11aの回転数の記録を開始する。なお、旋回内側の後輪11への伝動は、操縦ハンドル34の操作に連動してミッションケース12内のサイドクラッチ機構(図示省略)が切状態になることで遮断されるので、旋回外側と旋回内側の後輪回転センサ11aの回転数の差が大きくなり、これにより旋回方向が判定される。
そして、前記旋回内側の後輪回転センサ11aの回転パルスが所定値に到達すると、コントローラ210は昇降油圧シリンダ46を伸張させて苗植付部4を下降させる。さらに、苗植付部4の下降後の回転パルスが所定値に到達すると、コントローラ210は植付クラッチ24を入状態にする。これにより、旋回連動制御が構成される。
上記により、旋回時は操縦ハンドル34の操作だけで苗植付部4の昇降と植付クラッチ24の入切操作ができるので、作業者は旋回操作に集中することができ、操作性が向上する。
また、後輪回転センサ11aの検出パルスにより苗植付部4の下降、及び植付クラッチ24の入操作が自動的に行われるので、植付作業の開始位置を植付作業の終了位置に揃えることができ、作業精度が向上する。
なお、上記の旋回連動制御は、ボンネット32に設ける連動入切スイッチ36によって入切可能とする。
また、走行車体2の前部左右両側には、補給用の苗を載せておく左右一対の予備苗枠38が設けられている。該左右の予備苗枠38のうち、左右どちらか一側、あるいは両方の下部には、予備苗枠38から独立して回動する、肥料袋等の作業資材を機外から積み込み、走行車体2側に移動させる資材搬送装置600を設ける。
図20及び図21に示すとおり、該資材搬送装置600は、苗枠フレーム38a上に回動可能に設ける第1回動アーム601と、該第1回動アーム601に回動自在に設ける第2回動アーム602と、該第2回動アーム602の端部に回動自在に設ける資材載置台603で構成する。また、苗枠フレーム38aには第1回動アーム601の回動を規制するロック装置を、第1回動アームには第2回動アーム602の回動を規制するロック装置を設けてもよい。
上記の資材搬送装置600を使用するときは、第1回動アーム601及び第2回動アーム602を回動させて機体前側に突出させると、資材載置台603が走行車体2よりも機体前側に突出するので、圃場外から容易に肥料袋等の作業資材を載置することができる。そして、この状態で第1回動アーム601を機体後方に向かって回動させると、資材載置台603は円弧を描いて機体側方に突出し、走行車体2の上方まで移動する。このとき、資材載置台603は左右の肥料ホッパ60L,60R、及び苗植付部4の上部に接近するので、肥料や苗の補充を行う際、作業者が肥料袋や苗を持って移動する距離が短くなり、作業者の労力が軽減されると共に、作業能率が向上する。
一方、資材搬送装置600を収納するときは、第1回動アーム601を機体後方に向かって回動させると共に、第2回動アーム602を機体前側に向かって回動させる。これにより、資材載置台603が予備苗枠38の下方に位置するので、収納時等に資材搬送装置600が機体外側や機体前側に突出することが防止され、周囲との接触で資材搬送装置600が破損することが防止される。
なお、左右一側に資材搬送装置600を設けるとき、反対側の予備苗枠38の下部には、作業資材や苗を積載する補助載置台610を設ける。
図1及び図2に示すとおり、走行車体2の前側左右両側で、且つ左右の予備苗枠38よりも機体後側に、圃場に直進の目安となるガイド線を形成する左右の線引マーカ16を各々設ける。該左右の線引マーカ16は、圃場に接触する水車マーカ16aと、該水車マーカ16aを装着するガイドロッド16bと、該ガイドロッド16bを機体外側及び内側に回動させるマーカ回動モータ16cで構成する。
前記左右の線引マーカ16は、植付作業中は左右一側が下降して作業状態になると左右他側が上方に退避し、旋回走行すると左右一側が上方に退避し、左右他側が作業状態になる制御構成とする。旋回時や植付作業をしていないときは、左右の線引マーカ16のいずれも上方に退避した状態になる。左右の線引マーカ16が形成したガイド線に、走行車体2の前端部で且つ左右中央に設ける、センターマスコット17を合わせることで、前の作業位置に沿った植付作業を行なうことができるので、作業能率や植付精度が向上する。
なお、圃場の土質によっては、左右の線引マーカ16により形成したガイド線がすぐに埋もれてしまい、直進の目安が消えてしまうことがある。このとき、前記左右の線引マーカ16よりも機体後側に設ける左右のサイドマーカ19を機体外側方向に移動させ、植え付けられた苗の上方に該サイドマーカ19を位置させることで、前の作業条の苗の植え付けに合わせた植付作業が可能になる。
前記左右の前輪10には、左右の前輪10間の肥料濃度を検知する肥料濃度センサ700(図1、図7参照)が各々設けられている。
該肥料濃度センサ700は、環状の電極板で構成され、前輪10の機体内側または外側で、且つ土壌や水中に近い外周縁部付近に配置される。
図22及び図23には、肥料濃度センサ700と、肥料濃度センサ700が検出した肥料濃度を伝達する構成を示している。前輪ファイナルケース13の下部ケース13bは、キングピン13cや前車軸10aを回転させるベベルギア13eを内装する走行ケース13baと、肥料濃度センサ700が検出した肥料濃度を伝動するハーネス702を接続するスリップリング701を内装する検出ケース13bbで構成される。前車軸10aは、該走行ケース13baと検出ケース13bbを貫通して機体外側に突出し、この突出部に肥料濃度センサ700を装着した前輪10を設ける。
前記肥料濃度センサ700に接続されたハーネス702は、前輪10の機体内側から機体外側に取り出され、前輪10の機体外側の中心部に設ける車軸カバー10b内で屈曲させ、前車軸10aに沿ってスリップリング701に接続される。該スリップリング701からコントローラ210には、検出ケース13bbに取り付ける伝動ケーブル703を介して検出値が送信される。なお、前記ハーネス702は複数のハーネスを、車軸カバー10b内及び検出ケース13bb内に設けるカプラ704で連結し、メンテナンス等着脱が必要なときにハーネスを簡単に外せる構造とする。
前記肥料濃度センサ700に電気を流すと、前輪10の左右間の土壌、または水に含有される肥料濃度によって電気抵抗が変化するので、電気抵抗の変化がその地点の肥料濃度の信号としてコントローラ210へ送られる。なお、電気抵抗は、肥料濃度が高い、即ち電解質が多い状態では電気が流れやすいので低くなり、肥料濃度が低い、即ち電解質が少ない状態では電気が流れにくいので高くなる。
なお、前記肥料濃度センサ700は、左右の後輪11に設けてもよい。
また、図1や図21に示すとおり、前記左右の予備苗枠38を各々支持する左右の苗枠フレーム38aに、機体前側に突出する取付アーム721を各々設け、該左右の取付アーム721の前端部に圃場の深度を検出する深度センサ720を各々設ける。該深度センサ720は、超音波やレーザー光の反射により水面、または土壌表面までの深さを測定するものであり、測定されたその場の深さがコントローラ210に送信される。該コントローラ210は、その場所の深さに合わせて前記肥料濃度センサ700が検知した肥料濃度を補正する。
予備苗枠38の下部には、資材搬送装置600が回動可能に設けられているが、該資材搬送装置600を機体前側に突出させる際、回動範囲に深度センサ720が位置するので、資材搬送装置600が深度センサ720の姿勢を歪ませて深さが正確に検出できなくなることや、深度センサ720を破損させることがある。
これを防止すべく、収納状態における第1回動アーム601の先端部に、資材搬送装置600の回動を規制する回動規制体605を設け、資材搬送装置600を回動させた際、深度センサ720に接触するまで回動しない構成とする。
また、前記深度センサ720は、圃場面を向く下部側に水や泥土が付着すると、正確な深度の検出ができなくなり、誤った深度をコントローラ210に送信するおそれがあるので、左右の前輪10が跳ね上げる水や泥土がほぼ届かない高さ、例えば、接地面から700mm以上の位置に配置する。
さらに、前記深度センサ720が平面視で前輪10の真上に位置することを防止すべく、前記取付アーム721を苗枠フレーム38aの機体外側に配置し、該深度センサ720が前記前輪10の機体外側端部から200mm以上機体外側で、且つ機体前端部から50mm以上機体前側に配置される構成とする。
上記により、深度センサ720に水や泥土が付着することを防止できるので、圃場の深度が正確に検出されず、コントローラ210が誤った繰出量を算出することが防止される。
前記植付装置52は、図24及び図25」に示すとおり、2条毎に伝動を入切可能な部分条クラッチ90…を、本件の8条植えの田植機であれば4つ備えており、苗植付部4には該部分条クラッチ90…を左右どちらかの端から順に入切する部分条入切装置91を備えている。該部分条入切装置91は、入切モータ92と、該入切モータ92により回転する部分条入切ギア93で構成され、部分条入切ギア93の回転により、各部分条クラッチ90を入切する部分条入切ワイヤ94…が移動する構成である。
前記入切モータ92の操作は、図18に示す、ボンネット32に設ける部分条入切スイッチ95…によって操作する。該部分条入切スイッチ95…のうち、左右どちらか一端の部分条入切スイッチ95が操作されていないときは、他の部分条入切スイッチ95を操作しても入切モータ92は作動しない。左右どちらか一端の部分条入切スイッチ95が操作された状態で、隣接しない部分条入切スイッチ95が操作されたときは、入切モータ92は作動し、操作された部分条入切スイッチ95に該当する位置まで部分条クラッチ90…を切状態にする。左右一端の部分条入切スイッチ95を操作し、次に左右他端の部分条入切スイッチ95を操作すると、全ての部分条クラッチ90…が切状態になる。
上記により、圃場端での植付作業条数を苗植付部4の条数、本件では8条とすべく、圃場端に隣接する作業条での植付条数を容易に調節することができるので、苗が重複して植え付けられることがなく、苗の消費量が抑えられる。
あるいは、苗植付部4では苗の植付が行えないが、苗を植え付けるには十分なスペースが生じることを防止できるので、作業者が手作業で苗を植え付ける必要がなく、作業者の労力が軽減される。
なお、コントローラ210は、ハンドルポテンショメータ34aが旋回操作角度を検出したときに部分条入切スイッチ95の操作をリセットし、旋回終了後は全ての部分条クラッチ90…を入状態とする。これにより、部分条クラッチ90…の一部が切れたまま植付作業が行われることが防止され、苗の植え付けられない区間の発生が防止される。
上記入切モータ92の作動量、あるいは部分条入切スイッチ95…の操作から、コントローラ210は圃場端が機体左右のどちらかを判定できる。このとき、図26に示すとおり、圃場端側と判定された側の深度センサ720の検出値は繰出量の計算から除外し、他方の深度センサ720の深度のみを用いることで、算出される繰出量と実際に必要な繰出量の差が小さくなり、繰出量の安定化が図られる。
なお、圃場の深度をさらに詳細に算出すべく、図7に示すとおり、左右の深度センサ720に加えて、走行車体2の左右中央で且つ機体前端位置にも深度センサ720を設けてもよい。該中央及び左右の深度センサ720の検出する深度は、左側の検出深度DL+右側の検出深度DR+中央の検出深度DC/3により算出される。
前輪10等の影響を受けにくい左右中央の深度を検出し、左右の震度と合わせて平均値を算出することにより、より正確な深度を取得することができるので、算出される繰出量と実際に必要な繰出量の差が小さくなる。
なお、上記3つの深度センサ720で算出した深度から、走行車体2の左右方向(ロー
リング)傾斜を検出することができるので、コントローラ210は苗植付部4のローリング機構4aを作動させ、検出深度の深い側を下方、浅い側が上方に位置する姿勢とし、圃場面を基準として苗植付部4を略水平姿勢とする構成とすると、機体左右方向で苗の植付深さが異なることが防止され、苗の植付深さがいっそう安定する。
土壌面は、土の量が多い深部ほど肥料の含有量が多くなる傾向にあるので、前記肥料濃度センサ700の通電抵抗に基づく肥料濃度と実際の肥料濃度は異なることがある。繰出量が実際に必要な量と異なることを防止すべく、検知された肥料濃度と深さから、土壌肥沃度を算出する。土壌肥沃度は、肥料濃度/深さで算出され、この土壌肥沃度に合わせて繰出量調節モータ400を作動させ、繰出量を変更する。
なお、肥料濃度センサ700の通電量が急激に低下すると共に、深度センサ720が検出する深度が急激に深くなると、圃場外に出て肥料濃度センサ700が空気に触れると共に、深度センサ720が水面でなく地面を検出しているので、その圃場での作業が終了したと判断する構成としてもよい。
さらに、前記センターフロート55の後端部に水または土壌の温度を測定する温度センサ730を設け、該温度センサ730が測定した温度がコントローラ210に送信される。温度により電気の流れやすさが変動するので、該コントローラ210は検知された温度に基づき、肥料濃度を補正する。コントローラ210には標準温度を設定しておき、この標準温度よりも高温であれば肥料濃度を高く補正し、低温であれば低く補正すると共に、標準温度と同一であれば、肥料濃度の補正は行わない。
そして、操作ハンドル34よりも前方で、且つボンネット32の左右中央上部には、GPS(Global Positioning System)機能を備えたGPS受信機710(図2参照)が搭載されており、その受信信号はコントローラ210へ送られる(図7参照)。
上記により、走行車体2を走行させて圃場の位置毎の土壌肥沃度を検出すると、位置毎に施肥装置100の繰出量を増減させる、あるいは現在の繰出量を維持して、苗の生育に必要となる肥料を位置毎に適量供給する、所謂可変施肥作業を行うことができるので、肥料の過不足により苗の生育速度が乱れ、後工程である追肥や収穫作業の能率が低下することや、適切な時期に適切な作業が施されなかった箇所の収穫物の品質の低下が防止される。
圃場の位置毎の繰出量は、GPS受信機710が取得する位置座標情報に紐付けられ、該位置座標情報と位置毎の繰出量を記録することで、同じ圃場で次回以降に作業する時は、記録に基づき肥料を用意したり、作業時期を調整したりすることができるので、肥料の過不足が防止されると共に、前回と類似する作業条件で作業ができ、作業能率や施肥精度の向上が図られる。
上記の位置座標情報と位置毎の繰出量の記録は、図7に示すとおり、コントローラ210に設ける送受信機(図示省略)を介してタブレットコンピュータ等の情報端末800に送信し、該情報端末800の記憶装置(HDD、SSD等)に記録する。そして、該情報端末800には記録された位置座標情報と圃場情報、位置毎の繰出量のデータベース、及び作業マップを生成する作業管理アプリケーション810をインストールしておき、入力された情報を体系的且つ視覚的に纏める構成とする。
さらに、前記作業管理アプリケーション810は、情報端末800から操作可能とし、作業データや作業マップの呼び出し、コントローラ210との情報のやり取り等を操作可
能とする。この操作は、タッチパネル式の画面に表示されるアイコンを操作するものとすると、作業性が向上する。
しかしながら、圃場によって肥料濃度や深度等の条件は異なるので、上記の可変施肥作業を行うには、基準となる繰出量を事前に決めておく必要がある。この基準繰出量を算出するべく、可変施肥作業を開始する前に、作業圃場の所定区間の圃場情報、即ち、肥料濃度、深さ及び水温を測定するティーチング作業が必要となる。
ティーチング作業は、前記作業管理アプリケーション810に組み込む開始アイコン820a、またはボンネット32に設ける開始スイッチ820bを操作し、その地点から走行車体2が所定距離を走行したことが検知されたときに開始される。
図8に示すとおり、上記の走行車体2の移動距離は、前記後輪回転センサ11aの検出値から算出する。そして、前記ハンドルポテンショメータ34aが検知状態になると、走行が一工程分行われたと判断して、第1移動距離を記録する。さらに、操縦ハンドル34が旋回終了方向に操作されたことが検知されると、次の作業工程の移動距離の測定を開始し、その後操縦ハンドル34が旋回開始方向に操作されたことが検知されると、第2移動距離を記録する。
ここで、前記コントローラ210は、第1移動距離と第2移動距離を比較し、移動距離の差が設定値未満であれば、作業走行が行われていると判定する。移動距離の差が設定値以上であるときは、最初に取得した第1移動距離を破棄し、次工程で取得する第3移動距離と第2移動距離を比較する。
作業走行が行われていると判断されたときは、旋回走行後に後輪回転センサ11aが所定距離の前進を検知するとティーチング作業を開始し、検知された肥料濃度、圃場の深度及び水温、即ち圃場情報をコントローラ210の記録領域に、GPS位置情報に紐付けて記録する。このティーチング作業は、第1移動距離または第2移動距離、あるいはこれらの平均距離を移動したとき、あるいは操縦ハンドル34が旋回開始方向に操作されると終了し、コントローラ210は検出された圃場情報の標準偏差から、基準繰出量を算出する。
その後コントローラ210は、検出される圃場情報と基準繰出量に基づき繰出量の増減または現状維持を判断し、繰出量調節モータ400を作動させて繰出量を調節する。これにより、必要な個所に適量の肥料が供給され、苗全体の生育の均一化が図られると共に、後工程作業時期の適正化や、収穫物の品質向上が図られる。
なお、ティーチング作業が開始されるまでに検出した圃場情報は、記録しないか、あるいはデータとして記録はするが基準繰出量の算出には用いないものとし、算出される基準繰出量の正確性の向上を図る。あるいは、ティーチング作業の開始時までは、圃場情報を取得しない構成としてもよい。
ティーチングを旋回直後ではなく、所定距離移動した位置、具体的には肥料濃度や深度の差が大きい圃場端付近から離れた位置から開始することにより、標準偏差が大きくなりにくくなるので、基準繰出量の正確性が向上する。
図7に示すとおり、ミッションケース12内のギア伝動機構(図示省略)を切り替えて、走行車体2の走行伝動を圃場内で作業をする際の「作業速」と、路上を移動する際の「移動速」に切り替える副変速切替レバー900を設け、該副変速切替レバー900の操作位置を検知する副変速ポジションセンサ910を設ける。
該副変速ポジションセンサ910により、副変速切替レバー900が「移動速」に操作されていることが検知されると、その圃場での作業終了とみなす構成とする。このとき、情報端末800には、取得されたGPS座標、肥料濃度、深度、温度、繰出量の切替、基準繰出量等の作業情報を作業マップとして記録する。
なお、先に情報端末800またはボンネット32に設ける作業終了部860を操作しておき、続いて副変速切替レバー900を「移動速」に操作すると、作業終了とする構成としてもよい。
なお、圃場内で副変速伝動機構を「移動速」に操作することは基本的にないので、作業が終了したとみなす基準として最適である。
上記により、誤操作により、一つの圃場の圃場情報が分割されて取得されることを防止できるので、作業マップの数が増えることが防止され、作業計画の立てやすさが損なわれることが防止される。
また、次の圃場に移動する際、高速で走行すべく副変速切替レバー900を「移動速」にすると作業終了とみなすことにより、移動中に肥料濃度センサ700や深度センサ720の検出値がコントローラ210に取得されることを防止できるので、次の圃場の作業時に余分な情報が混ざることが防止される。
以下、施肥装置100の各部の構成について更に説明する。
図3から図6に示すとおり、右側肥料ホッパ60Rは右側の4条分が共用で、上部に開閉可能な蓋60aが取り付けられている。右側肥料ホッパ60Rの下部は施肥条数分(4条分)に分岐して漏斗状の流下部60bを形成しており、該流下部60bの下部が各繰出部61の上端に接続されている。左側肥料ホッパ60Lについても上記構成と同じである。
図4に示す通り、繰出部61は、右側肥料ホッパ60R内(又は、左側肥料ホッパ60L内)の肥料を下方に繰り出す2個の第1繰出ロール73A及び第2繰出ロール73Bを内蔵している。該第1及び第2繰出ロール73A,73Bは、外周部に溝状の凹部74が形成された回転体で、左右方向に設けた共通の繰出軸75の角軸部75a(図示例は四角軸)にそれぞれ一体回転する構成で嵌合している。なお、繰出軸75の駆動源については、図3を用いて後述する。
また、上記左右の肥料ホッパ60L及び60Rの下部の流下部60bの下方と繰出部61の間には、枠形状のシャッタケース80を各条に設け、該シャッタケース80の前後に形成された左右方向に長く上下方向に短いシャッタ穴80aに、板形状の施肥シャッタ81を摺動自在に設ける。
上記の施肥シャッタ81を設けたことにより、施肥シャッタ81を摺動させて流下部60bに落下規制部81cを臨ませておくと、作業圃場への移動時に繰出部61に肥料が溜まることを防止できるので、肥料が繰出部61内で塊になり、第1繰出しロール73Aや第2繰出しロール73Bに設定量の肥料が供給されず、肥料不足による作物の生育不良の発生が防止される。
従来は、肥料ホッパに投入された肥料は幅の狭い流下部60bを経由して、同様に幅の狭い繰出部61に落下しており、肥料の自重によって塊になり、落下しないことがあった
。特に、流下部60bや繰出部61の内部の壁面に集中的に付着してブリッジ化が生じると、ブリッジ化した箇所に落下した肥料はそのまま積もってしまい、設定量の肥料が供給されなくなる問題があった。
また、繰出部61に肥料の詰まり等が生じ、メンテナンス作業の必要が生じたときに、施肥シャッタ81によって肥料の落下を規制することができるので、左右の肥料ホッパ60L,60Rに肥料を残したまま後方回動させることができ、メンテナンス作業が能率よく行える。
従来は、メンテナンス作業時には肥料ホッパ内の肥料を一旦取り除く必要があり、メンテナンス作業に要する時間を余分に要していたが、上記構成により、作業時間の短縮が図られる。
また、前記第1繰出ロール73A及び第2繰出ロール73Bが図4の矢印方向に回転することにより、左側肥料ホッパ60L(又は、右側肥料ホッパ60R)から落下供給される肥料が凹部74に収容されて下方に繰り出される。第1繰出ロール73A及び第2繰出ロール73Bにより繰り出された肥料は、下端の吐出口61aから吐出される。
繰出部61の吐出口61aには、前端部がエアダクト68の背面部に前後方向に挿入連結されて、後端部が繰出部61の吐出口61aに連通する接続管(図示省略)が接続されている。
一方、エアダクト68の左端部はエア切替管(図示省略)を介してブロア67に接続されており、該ブロア67からのエアがエアダクト68を経由し接続管から繰出部61の吐出口61aを通過する際に、肥料を巻き込みながら施肥ホース62側に吹き込まれる構成としている。
また、図示例の第1繰出ロール73A及び第2繰出ロール73Bの凹部74の数は6個であり、両者の凹部74の位置が隣り合わない様にするために、その位相は異ならせて配置されている。これにより、第1繰出ロール73A及び第2繰出ロール73Bの各凹部74が交互に肥料を繰り出すこととなり、吐出口61aから吐出される肥料の量が時間的に均等化されている。
第1繰出ロール73A及び第2繰出ロール73Bの何れかを繰出軸75から外して位相を適当に変更して付け直すことにより、第1繰出ロール73A及び第2繰出ロール73Bの凹部74の位相を等しくすることも出来る。これで、圃場に点状に肥料を散布するときに適用可能となる。
また、繰出部61の内部には、凹部74が下方に移動する側(前側)の第1繰出ロール73A及び第2繰出ロール73Bの外周面に摺接するブラシ76が着脱自在に設けられている。このブラシ76によって第1繰出ロール73A及び第2繰出ロール73Bの凹部74に肥料が摺り切り状態で収容され、第1繰出ロール73A及び第2繰出ロール73Bによる肥料繰出量が一定に保たれる。
そして、該施肥伝動駆動ロッド462から駆動力の伝達方向を機体前後方向に変更する中継ロッド463を左右方向に配置し、前記施肥伝動駆動ロッド462と中継ロッド463の間に、前記施肥伝動駆動ロッド462の上下動に連動して揺動連結支点ピン464aを支点として前後両端部が上下方向に揺動連結プレート464を配置すると共に、中継ロッド463の他端部に駆動力を後述する繰出回動アーム467に伝達するサブ駆動ロッド465を配置することにより、施肥伝動機構300が構成される。
該サブ駆動ロッド465は、右側の肥料ホッパ60Rの機体後部側の下方に配置されており、該サブ駆動ロッド465の上端部に、前記繰出軸75を繰出量に合わせて駆動回転させる繰出回動アーム467の後端部を連結する。そして、該繰出回動アーム467の前端部と前記繰出軸75を、施肥駆動アーム468で連結する。
繰出量の調節作業を容易にすると共に、前記コントローラ210が発信する信号に基づいて可変施肥作業を行うべく、図5及び図6に示すとおり、正逆自在に高速回転する繰出量調節モータ400を前記繰出回動アーム467よりも機体前側に配置する。そして、該繰出量調節モータ400にボールネジ420を回転可能に設け、該ボールネジ420の表面に形成された螺旋形状の溝に螺合して高速で機体前後方向に移動するボールナット430を設け、該ボールナット430の前後移動量を検知するストロークセンサ440を設けると共に、該ボールナット430に前記繰出回動ピン469を設ける。
前記繰出量調節モータ400は、モータケース400aに周囲を覆われており、該モータケース400aの上端面を前記施肥シャッタ81よりも機体下側に位置させて、前記右側の肥料ホッパ60Rの左右方向の中央部付近に配置している。具体的には、機体右端から数えて2条目と3条目の繰出部61,61、及び流下部60b,60bの左右間に生じている空間部に配置するものとする。
これに加えて、前記繰出量調節モータ400は、肥料を前記施肥ホース62に移動させる搬送風が通過する前記エアダクト68の上方で、且つ前記エンジンカバー30の機体右側後端部よりも機体右側で、且つ後方に配置するものとする。これに加えて、前記モータケース400aの前端部は、エアダクト68の機体前端部よりも機体前側に突出するものとする。
さらに、前記繰出回動ピン469は、前記ボールナット430の上下方向中央部よりも機体上側寄りに配置し、側面視で前記ボールネジ420とオフセットすると共に、該ボールネジ420よりも上方に位置する構成とする。
上記により、繰出量調節モータ400が施肥シャッタ81の開閉操作を妨げないので、施肥シャッタ81を作業状態に合わせて操作する際に部品の着脱等の作業を必要としないので、作業能率が向上する。
また、繰出回動ピン469よりもボールネジ420が機体下方に位置することにより、重量物である繰出量調節モータ400を機体下側寄りに配置することができるので、機体の低重心化が図られて走行姿勢が安定し、苗の植付精度や施肥精度が向上する。
そして、繰出量調節モータ400がエアダクト68の上方で、且つエンジンカバー30の後方で且つ機体右側に設けられることにより、繰出量調節モータ400やボールネジ420のメンテナンス作業を行う作業位置の周辺に空間部を形成することができるので、メンテナンス作業の能率が向上する。
さらに、繰出量調節モータ400のモータカバー400aがエアダクト68の前端部よりも機体前側に突出していることにより、作業者がエアダクト68に近付き過ぎることを防止できるので、作業者の足がエアダクト68に接触して踏み潰してしまい、肥料の搬送風が能率よく供給されなくなることが防止され、圃場に調節された繰出量に対応する肥料が供給される。
上記により、圃場に供給される肥料が不足し、苗が生育不良を起こすことが防止される
稲の苗の栽培時には、圃場に水を張る必要があるが、圃場の深さは均一ではなく、場所ごとに深度の差が生じる。深度の差が生じると、苗の植付深さや肥料の繰出量を調節する必要があり、この変化は前記フロートセンサ58や深度センサ720によって逐次検出し、コントローラ210が昇降油圧シリンダ46を伸縮させると共に、繰出量調節モータ400を作動させることによって補正している。
走行車体2が深度の異なる位置を通過するときは、機体の姿勢の変化が生じるので、変化のない位置と同じ機体操作を行うと操作ミスが生じ、進行方向が乱れたり、苗の植付深さが圃場の深さに対応しなくなることがある。前もって深度が変化する位置が分かっていると、変化に合わせた操作を行いやすくなるので、作業精度の低下を防止できる。
また、苗は生育時期によって必要な水量が減少するので、適切な段階まで生育すると作業者は圃場から水を排出して調節しているが、降雨等によって水量が増えると、水の不要な時期に圃場に水が溜まることがある。あるいは、長らく晴天が続き、水が必要であるにもかかわらず、圃場内の水量が減少することもある。
しかしながら、水を張った圃場は、水の屈折の影響を受けるので、深度を把握しにくい。
この水量を把握すべく、例えば、図7及び図27に示すとおり、衛星830に地上を観測可能なカメラ831を積載し、情報端末800から位置情報(GPS座標)を衛星830に送信すると、該カメラ831で撮影している映像データ、または静止画データを情報端末に表示させるか、またはこれらのデータを情報端末800に送信する。
前記情報端末800には、映像データまたは静止画の画素から、圃場の色の濃淡、光の反射具合、及び赤外線による温度差等の情報を分析する深度分析アプリケーション832をインストールしておく。
圃場の深い部分は、水面から土壌表面までの距離が長く、水に光が吸収されやすく、また水面から水中に向かう全反射も生じやすいので、色が薄くなりやすい。一方、浅い部分では、水面と土壌表面までの距離が短く、水に光が吸収されにくく、また全反射も生じにくいので、色が濃くなりやすい。これにより、色の濃淡や光の反射具合で圃場深度の判断が可能となる。
また、圃場の深い部分では、下層に低温の水が溜まりやすく、水温が低温になりやすいので、カメラ831に赤外線による撮影機能を搭載していると、映像や静止画において表示される色の違いが生じるので、水温の差から深い部分と浅い部分を判断することが可能になる。
上記により得られた圃場内の場所ごとの深度の違いは、情報端末800に表示される作業マップに色を分けて表示する。例えば、図27及び図28で示すとおり、基準となる箇所は緑色で表示し、基準位置よりも深くなる場所は青色、浅くなる場所は赤色で表示する。
なお、基準位置よりも深い場所は、図28で示すとおり、フロートセンサ58の検知により昇降油圧シリンダ46が伸長して苗植付部4を下降させ得る、例えば10cm以上深い場所のこととし、浅い場所とは、フロートセンサ58の検知により昇降油圧シリンダ46が収縮して苗植付部4を上昇させ得る、例えば10cm以上浅い場所のこととする。この定義は、情報端末上800で変更可能としてもよく、また、基準値との差異は10cm以上でも未満でも構わない。
上記により、圃場の部分ごとの深度を情報端末800に表示される情報を用いて判断することができるので、圃場内の水量の過不足を確実に判断することができる。これにより、水の過不足により苗が生育不良を起こすことが防止され、生育の安定や、収穫時の品質の向上が図られる。
また、作業者が走行車体2を操縦する際、圃場の深さが大きく深く、または浅くなる位置を作業マップ上で異なる色で表示することにより、作業者が圃場の深さの変化に対応する操作を行いやすくなるので、操作ミスを起こしにくくなり、進行方向を乱すことや、操作部材を誤操作して設定を変更させることが防止される。これにより、実際の作業位置が予定位置からずれることや、作業が予定通り行えない位置が発生することを防止できるので、作業精度が向上する。
なお、上記のカメラ831の撮影は、衛星830を用いているが、圃場情報にカメラ831を装着したドローンを滞空させて撮影を行ってもよい。ドローンは衛星に比べて非常に安価であると共に、衛星軌道よりも低空で撮影できるのでカメラ831の性能を過度に高いものとする必要がなく、低コストで深度を判定する映像データや静止画データの取得が可能になる。
また、ドローンはリモコンや情報端末800にインストールした操縦アプリケーション(図示省略)によって移動させることができるので、カメラ831に詳細な映像や静止画を撮影させることができる。これにより、圃場の場所ごとの深度をより高い精度で取得して、精度の高い作業を行うことができる。
本発明にかかる作業車両は、肥料の繰出量を正確に調節できるものであるので、田植機等の農業機械に搭載する装置として有用である。
2 走行車体
60L 施肥ホッパ
60R 施肥ホッパ
60a 蓋部材
73A 繰出装置
73B 繰出装置
100 施肥装置
210 コントローラ(制御装置)
400 調節部材(繰出量調節モータ)
500 比重カップ部(肥料受け部材)
501 比重計
800 情報端末
811 施肥管理アプリケーション
812d 減少アイコン(増減操作部)
812i 増加アイコン(増減操作部)
815 肥料リスト

Claims (1)

  1. 走行車体(2)に圃場で作業を行う対地作業装置(4)を設け、該走行車体(2)に圃場に肥料を供給する施肥装置(100)を設け、該施肥装置(100)の繰出量を変更する調節部材(400)を設け、該調節部材(400)の作動を制御する制御装置(210)を設けた作業車両において、
    前記施肥装置(100)に使用する肥料を貯留するホッパを設け、前記ホッパの蓋(60a)に、肥料の比重を測定する比重計(501)を複数設け、前記ホッパへ肥料を投入可能な状態にしたときに露出する前記蓋(60a)の裏側に、前記複数の比重計(501)により測定する測定用の比重カップ部(500)をそれぞれ設け、前記制御装置(210)は、該複数の比重計(501)が検出した比重の平均値から繰出量を決定することを特徴とする作業車両。
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