JP6943226B2 - 作業車両 - Google Patents

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本発明は、自律走行する作業車両に関するものである。
従来、圃場等を自律走行する農業用の作業車両が知られており、例えば、特許文献1には、自律走行の際に車両の進行方向を自動的に修正する自動操舵装置を備えた作業車両が記載されている。この自動操舵装置は、人工衛星を利用したGPS等の衛星測位システムにより車両の位置及び走行経路を把握し、基準となる走行経路に沿って圃場を自律走行するように構成されている。
特開2016−024541号公報
しかし、従来の作業車両は、人工衛星の電波が悪い場合などに、取得できる車両の位置情報の精度が低下するため、基準となる走行経路から外れないように自律走行することが困難となり、適切な自動操舵ができないものであった。
したがって、本発明は、人工衛星を利用したGPS等の衛星測位システムから位置情報の取得が適切に行えない状態であっても、基準となる走行経路に沿って自律走行することができる作業車両を提供することを目的とするものである。
本発明のかかる目的は、自律走行する作業車両であって、人工衛星から測位情報を受け取り、受け取った前記測位情報に基づいて、車両の現在の位置情報を取得する位置取得装置と、圃場を車両が走行する際の基準の走行経路である走行基準経路を記録した記録装置と、車両が走行した経路に沿って圃場に走行基準線を設定する基準線設定手段と、圃場に設定された走行基準線を検出する検出装置と、車両の自律走行を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記位置取得装置から取得した車両の現在の位置情報と、前記記録装置に記録された走行基準経路の位置情報とを比較することで車両の位置ずれを把握して、前記作業車両が走行基準経路に沿って走行するように車両を操舵制御する測位モードと、前記検出装置により車両の現在の位置と走行基準線とのずれを検出して、前記作業車両が走行基準線に沿って走行するように車両を操舵制御する検出モードを備え、前記測位モードにより車両を操舵制御しているとき、前記位置取得装置による位置情報の取得に障害が発生すると、前記検出モードに切り替えて、車両を操舵制御するように構成されていることを特徴とする作業車両によって達成される。
本発明によれば、作業車両は、測位モードにより、制御部が位置取得装置により現在の車両の位置を取得し、記録装置に記録された走行基準経路に沿うように操舵制御するので、走行基準経路に沿って自律走行することができる。また、測位モードでの走行中に人工衛星からの電波状態が悪くなり、位置取得装置が現在の位置情報の取得を適切に行なえない状況になっても、操舵制御を検出モードに切り替えることにより、線引きマーカにより走行基準経路に沿うように圃場に引かれた走行基準線を検出装置により検出し、その線に沿って走行することができるので、人工衛星の電波の悪化等の要因によって、GPS等の衛星測位システムから位置情報の取得が適切に行えない状態であっても、作業車両は、走行基準経路に沿って自律走行することが可能になる。
本発明の好ましい実施態様においては、前記制御部は、前記検出モード中に、前記位置取得装置が車両の現在の位置情報を障害なく取得できるようになった場合には、前記測位モードに切り替えて車両の操舵制御をするように構成されている。
本発明のこの好ましい実施態様によれば、人工衛星からの電波状況が良好になり、位置情報の取得を適切に行なえるようになると、制御部が自動的に操舵制御を検出モードから測位モードに戻すので、使用者が制御部に介入して手動で操舵制御する必要がなく、安定して作業車両の自律走行を継続させることができる。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記検出装置は、車両の進行方向にある障害物を検出可能に構成され、前記制御部は、前記検出装置が走行基準経路上に障害物があることを検出すると、障害物を迂回してから再び走行基準経路上を走行するように車両を操舵制御することを特徴とするように構成されている。
本発明のこのさらに好ましい実施態様によれば、検出装置が障害物を検出し、制御部が迂回するように操舵制御するので、作業車両は、走行基準経路上に障害物があっても停止したり障害物に衝突したりせず、走行基準経路に沿った走行を安全に継続することができる。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記記録装置は、車両が走行した経路の位置情報を記録可能に構成され、前記記録装置に記録された走行経路に関する情報から走行基準経路を算定する経路算定部を備え、前記制御部は、前記経路算定部が算定した走行基準経路を、前記位置取得装置が取得した位置情報と、前記検出装置が検出した走行基準線の情報とに基づいて補正することができるように構成されている。
本発明のこのさらに好ましい実施態様によれば、記録部は、作業車両の走行中に取得した車両の現在位置や検出装置により検出した走行基準線の情報を走行履歴として記録し、経路算定部は、記録部に記録された走行履歴から複数の走行基準経路を算定することで、当所に記録された走行基準経路の位置情報を後に算定された複数の走行基準経路により補正することができるので、作業車両は、圃場を複数回走行することにより、走行基準経路に沿った自律走行の精度を向上させることができる。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記制御部は、前記経路算定部が算定した走行基準経路の算定及び補正を、車両の自律走行中に行うことができるように構成されている
本発明のこのさらに好ましい実施態様によれば、経路算定部は、作業車両の走行中にも自動的に走行基準経路の算定及び補正をすることができるので、走行基準経路の算定や補正のために作業車両の走行を停止する必要がなく、作業性が低下することがない。
本発明によれば、GPSからの位置情報の取得が適切に行えない状態であっても、基準となる走行経路に沿って自律走行することができる作業車両を提供することが可能になる。
図1は、本発明の好ましい実施態様に係る作業車両の略平面図である。 図2は、図1の作業車両の略左側面図である。 図3は、図1の作業車両1における電気系統を示すブロック図である。 図4は、走行基準経路に沿って圃場を自律走行する作業車両を示す説明図である。 図5は、作業車両が走行した経路から走行基準経路を算定する方法を示す説明図である。 図6は、作業車両の、障害物を迂回する走行を示す説明図である。 図7は、図3の演算制御ユニットによる作業車両の自動運転制御を示すフローチャートである。 図8は、本発明の他の実施態様にかかる作業車両を示す略左側面図である。 図9は、図8の作業車両の播種装置を示す略背面図である。 図10は、図9の播種装置の要部拡大図である。 図11は、播種装置の電気系統を示すブロック図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、添付図面を参照しつつ、詳細に説明を加える。なお、以下の実施態様は、本発明の具体的な実施の一例であり、本発明の技術範囲を限定するものではない。
図1は、本発明の好ましい実施態様に係る作業車両1の略平面図であり、図2は、その作業車両1の略左側面図である。本明細書においては、図1に示されるように、作業車両1の車両の進行方向となる側を前方(F)といい、その反対側を後方(B)といい、進行方向の左手側を左方(L)といい、進行方向の右手側を右方(R)という。
図1および図2に示されるように、作業車両1は、走行車体100と、苗植付装置200とからなる乗用型田植機である。走行車体100のメインフレーム110には左右一対の前輪101a及び左右一対の後輪101bが設けられており、走行車体100前部の左右両側には、補給用の苗を複数段に分けて載せておく予備苗載台139が設けられている。
走行車体100の車体中央部には、フロア130が設けられており、その上に作業車両1を操縦可能な操縦部133が設けられている。操縦部133には、操縦席133aと、前輪101aを操向操作可能なステアリングハンドル133bとが設けられており、ステアリングハンドル133bはステアリングポスト133cによって支持されている。また、フロア130の左右両側は一部が格子状になった台であるフロアステップ135が設けられている。
操縦席133aの下には、エンジンカバー132に覆われたエンジン131が設けられている。エンジン131は、駆動力が左右の前輪101aおよび左右の後輪101bのそれぞれに走行動力として伝達されるように取り付けられている。
走行車体100の後部には、施肥装置120が設けられており、施肥装置120には、粒状の肥料が貯留されている肥料ホッパ121と、肥料ホッパ121に貯留されている肥料を一定量ずつ繰り出す繰出部122と、繰り出された肥料を苗植付装置200まで運ぶ施肥ホース123とが設けられている。
苗植付装置200は、走行車体100の後方に、昇降リンク装置113により昇降自在に連結されている。苗植付装置200の上面には苗を載置する複数列の苗載台280が設けられており、苗載台280の各列には、苗載台280から苗取出口281へ苗を送る苗送りベルト282が設けられている。苗植付装置200の後端部には、苗取出口281から送られてくる苗を圃場に植え付ける苗植付具210が、苗載台280の各列に対応して左右方向に並ぶように設けられるとともに、圃場の泥面を整地する複数のフロート220が設けられている。作業車両1は、苗植付装置200を下降させた状態で走行することにより、各フロート220に圃場の泥面を滑走させて整地させつつ、その整地跡に苗載台280から送られてくる苗を、苗植付具210により圃場に植付けられるように構成されている。
また、苗植付装置200は、フロート220の左右両側に取り付けられた、施肥ホース123で運ばれた肥料を受ける施肥ガイド213と、施肥ガイド213の前側に設けられた、苗植付条の側部近傍に溝を作る作溝体214とを備えている。すなわち、作業車両1は、施肥装置120から供給される肥料を作溝体214によって形成される施肥用の構に落とし込むことができるように構成されている。
走行車体100の車体前端部には左右一対のステー320(320L、320R)と、ステーから上方に延びた支持柱310(310L、310R)が設けられており、支持柱310には、左カメラ300Lおよび右カメラ300Rからなるステレオカメラ300が、車両前方の映像を撮影できるように取り付けられている。したがって、作業車両1は、ステレオカメラ300により視差情報を有する映像を撮影することができる
また、図2に示されるように、苗植付装置200の左右両側には、線引きマーカ148が設けられている。線引きマーカ148は、上下に揺動自在に支持された軸部材であるマーカアーム148aと、このマーカアーム148aの軸端部に回転自在に支持されたマーカリング148bとを備えている。マーカリング148bは、外周に鉤爪状の複数の突起が形成された輪形部材であり、マーカアーム148aが下降すると圃場面に接し、上昇すると圃場面から離れるように構成されている。
作業車両1の走行中にマーカアーム148aが降ろされると、マーカリング148bは、外周の突起が圃場面に接触するので、作業車両1の走行に伴って回転しながら圃場面に対して連続的に窪みを形成する。このように、作業車両1に線引きマーカ148が設けられていることにより、作業車両1の両側の、車両が走行した経路に沿って圃場面に点線状の印をつけることができる。この圃場面につけられた点線状の印が、作業車両1が再度圃場を走行する際の基準となる走行基準線となる。作業車両1は、圃場を走行する際に線引きマーカ148により圃場に走行基準線を引くことで、圃場を再度走行する際の基準とすることができる。
図3は、本発明の好ましい実施態様に係る作業車両1における電気系統を示すブロック図である。
図3に示されるように、図1の作業車両1には、制御系として、測位ユニット450と、状態検出ユニット460と、機器制御ユニット470と、演算制御ユニット480とが設けられおり、それぞれが車載LANで接続され、相互にデータ交換可能に構成されている。
測位ユニット450は、人工衛星から測位情報を受け取り、受け取った前記測位情報に基づいて、作業車両1の現在の位置情報を取得する位置取得装置としての機能を果たし、GPSモジュール451と、方位モジュール452とを備えている。GPSモジュール451は、GPSを用いて緯度や経度などの方位を検出するものであり、GPS信号を受信することができるように構成されている。したがって、作業車両1は、GPSモジュール451が受信するGPS信号に基づいて、作業車両1の現在の位置情報を取得することができる。方位モジュール451は、作業車両1の瞬間的な動き(方向ベクトルなど)や向きを検出するジャイロ加速度センサと磁気方位センサとを備えている。したがって、作業車両1は、方位モジュール451により、現在の走行方向の情報を取得することができる。
また、測位ユニット450は、取得した作業車両1の位置情報および走行方向の情報を演算制御ユニット480に送り、演算制御ユニット480は、作業車両1の位置情報および走行方向の情報を受け取ると記録部481に記録するように構成されている。
状態検出ユニット460は、走行車体100のエンジン回転数、車輪回転数、変速位置、燃料残量といった状態や、苗植付装置200の苗残量、肥料残量、姿勢(上昇状態や下降状態)、苗植付具210の作業状態(苗植付運動を行っているか否か)などを検出することができ、検出した情報を演算制御ユニット480に送るように構成されている。
機器制御ユニット470は、演算制御ユニット480からの指令に基づいて走行車体100や苗植付装置200に装備された動作機器に対して、油圧制御信号や電子制御信号を送るように構成されており、走行車体100に設けられているエンジン131を含む走行動作機器や、ステアリング装置を含む操舵動作機器を制御するとともに、走行車体100と苗植付装置200とを連結している昇降リンク装置113を含む作業動作機器を制御するように構成されている。
演算制御ユニット480には、制御プログラムと、各種データとを格納する記録部481と、走行経路を算定する経路算定部482と、自動操舵を行う操舵制御部483と、カメラ300が撮影した映像を処理する映像処理部484が構築されている。記録部481には、圃場の地図情報や圃場の境界線を規定する畦の位置情報、圃場で実施される作業に関する機器設定データ、例えば作業幅(作業車両1が一度の走行で苗を植え付け可能な幅)などの作業情報、作業車両が走行した経路の位置情報の履歴が格納できるように構成されている。
映像処理部484は、ステレオカメラ300の映像から、圃場10にある物体や、図2の線引きマーカ148により圃場10に作られた窪みを検出して、それらの視差情報から車両との距離を算出することができるように構成されている。したがって、作業車両1は、前方にある障害物や、線引きマーカ148により引かれた走行基準線20を検出することができる。また、検出された障害物や走行基準線20に関する情報は、記録部481に記録されるように構成されている。
図4は、走行基準経路21に沿って圃場10を自律走行する作業車両1を示す説明図である。
図4に示されるように、走行基準線20は、畦12に囲まれた圃場10及び枕地11において作業車両1の線引きマーカ148によって圃場10に引かれた線であり、走行基準経路21は、図3の経路算定部482により作業車両1の走行の基準となるように仮想的に設定された経路である。作業車両1は、圃場10では直進し、作業幅Wの範囲で苗を植付し、枕地ではUターン旋回して再度圃場10に戻ることを繰り返し、圃場10上を万遍なく通過するように構成されている。したがって、作業車両1が苗植付装置200に苗植付運動をさせながら走行基準経路21に沿って自律走行することで、人が操縦することなく圃場10に苗を均等に植え付けることができる。
この走行基準経路21は、経路情報として図3の記録部481に格納されている。
また、図3の演算制御ユニット480は、作業車両1を自律走行させるにあたり、測位モードと検出モードの2つの操舵制御モードを備えている。測位モードでは、演算制御ユニット480は、測位ユニット450のGPSモジュール451がGPS信号を受信することにより作業車両1の現在の位置情報を取得し、方位モジュール452により車両の走行方向を取得すると、記録部481に記録されている走行基準経路21の位置情報と参照して、作業車両1の現在位置と走行基準経路21の位置とのズレを解消するように操舵制御部483により走行方向を修正させることで、作業車両1が走行基準経路21に沿って走行するように構成されている。なお、走行基準経路21の位置情報とは、車両が走行基準経路21を走行するために必要な、走行基準経路21の平面的な位置座標を示す情報である。
検出モードでは、演算制御ユニット480は、図3のステレオカメラ300が撮影した映像から図3の映像処理部484が圃場10に引かれた走行基準線20を検出して、図3の方位モジュール452により車両の走行方向を取得すると、作業車両1が両側に引かれた走行基準線20の間を走行するように図3の操舵制御部483により走行方向を修正させることで、作業車両1が走行基準線20に沿って走行するように構成されている。
演算制御ユニット480は、測位モードと検出モードの2つのモードを切り替えることができ、標準では測位モードによって操舵制御するように構成されている。しかし、GPSの電波が悪くなるなどしてGPSから位置情報の取得が適切に行えない状態になると、操舵制御モードの切り替えを行い、検出モードにより操舵制御するよう構成されている。
作業車両1が一度、あらかじめ与えられた走行基準経路21に沿って圃場10全体を走行した場合、圃場10に引かれる走行基準線20は、走行基準経路21に沿ったものになる。この場合、走行基準線20に沿って走行することは、走行基準経路21に沿って走行することに等しくなる。したがって、GPSの電波が悪い状態であっても、作業車両1は、走行基準経路20に沿って自律走行することができる。
図5は、作業車両1が走行した直線経路から走行基準経路21を算定する方法を示す説明図である。
図5に示されるように、走行基準経路21は圃場10においては圃場10を進行する直線経路L1〜L7と枕地11を旋回する旋回経路C1〜C6から構成されている。作業車両1が圃場10の端を縦断するように直線経路L1まで手動走行すると、直線経路L1の位置情報が図3の記録部481に記録される。図3の経路算定部482は、記録部481から圃場10の地図情報と、作業車両1の作業幅Wと、直線経路L1の位置情報とを取得すると、これらの情報から直線経路L2〜L7と旋回経路C1〜C6とを算定できるように構成されている。
具体的には、経路算定部482は、直線経路L1から作業幅W離れた位置に、直線経路L1と平行な直線経路L2を算定するとともに、直線経路L1と直線経路L2をつなぐように旋回経路C1を算定する。さらに、直線経路L2から作業幅W離れた位置に、直線経路L2と平行な直線経路L3を算定し、直線経路L2と直線経路L3をつなぐように旋回経路C3を算定する。このプロセスを圃場10の端に行きつくまで繰り返すことで、直線経路L2〜L7と旋回経路C1〜C6とを算定することができる。
そして、経路算定部482は、得られた直線経路L1〜L7と旋回経路C1〜C6とを組み合わせることで、圃場10全体の走行の基準となる走行基準経路21の位置情報を出力することができる。出力された走行基準経路21の位置情報は記録部481に記録される。
このように、作業車両1は圃場10を一度、縦断するように走行することによって、走行基準経路21の位置情報を取得でき、残りの経路を自律走行できるようになるので、圃場10全体を手動走行する必要がなく、使用者の手間を省くことができる。
また、記録部481は作業車両1の走行中に取得した車両の現在位置やステレオカメラ300により検出した走行基準線20の情報を走行履歴として記録しているので、圃場10全体を複数回走行することにより、圃場10全体に引かれた走行基準線20や、GPSからの位置情報の軌跡として得られた走行基準経路21を複数記録することもできる。
経路算定部482は、このようにして記録部481に記録された走行履歴から複数の走行基準経路21を算定することで、当初に記録された走行基準経路21の位置情報を、後に算定された複数の走行基準経路21により補正することができるように構成されている。
したがって、作業車両1は、圃場10を複数回走行することにより、走行基準経路21に沿った自律走行の精度を向上させることができる。
また、経路算定部482は、作業車両1の走行中にも自動的に走行基準経路21の算定や補正をすることができるように構成されている。そのため、走行基準経路21の算定や補正のために作業車両1の走行を停止する必要がなく、作業性が低下することがない。
図6は、作業車両1の障害物30を迂回する走行を示す説明図である。
図6に示されるように、作業車両1は、圃場10上にある障害物30をステレオカメラ300が撮影する映像から図3の映像処理部484が検出すると、図3の演算制御ユニット480が操舵制御部483に障害物を迂回するように指令を送り、操舵制御部483がその旨の指令を受け取ると、障害物を避けるように操舵され、その後、走行基準線20または走行基準経路21沿って走行するように操舵される。
したがって、作業車両1は、圃場10上に障害物30があっても、障害物30を迂回することにより、停止したり障害物30に衝突したりせず、走行基準線20または走行基準経路21に沿った走行を安全に継続することができる。
図7は、図3の演算制御ユニット480による作業車両1の自動運転制御を示すフローチャートである。
図7に示されるように、演算制御ユニット480は、記録部481から走行基準経路21の位置情報を取得すると(ステップS1)、測位ユニット450に現在の車両の位置情報及び走行方向の情報を取得するように指令を出す。測位ユニット450は、その旨の指令を受け取ると方位モジュール452に車両の走行方向を検出させるとともに、GPSモジュール451にGPS信号を受信させる(ステップS2)。このとき、GPSの電波状況が良く、受信したGPS信号から精度よく位置情報を取得できていれば(ステップS3)、測位ユニット450は、受信したGPS信号から現在の車両の位置情報を取得して演算制御ユニット480に送る(ステップS4a)。
演算制御ユニット480は、測位ユニット450から現在の車両の位置情報及び走行方向の情報を取得すると、現在の車両の位置情報及び走行方向の情報から走行基準経路21とのズレを計算し(ステップS5a)、作業車両1が走行基準経路21に沿って走行していなければ(ステップS6a)、操舵制御部483に走行方向を修正するように指令を送る(ステップS7a)。
一方、GPSの電波状況が悪く、受信したGPS信号から位置情報を充分な制度で取得できない場合は、演算制御ユニット480は、映像処理部484に走行基準線20を検出するように指令を送る(ステップS4b)。その旨の指令を受けた映像処理部484は、ステレオカメラ300が撮影した映像から圃場10に引かれた走行基準線20を検出し、その情報を演算制御ユニット480に送る。
演算制御ユニット480が走行基準線20の情報を取得すると、現在の車両の走行基準線に対する走行方向及び距離を計算し、(ステップS5b)作業車両1が走行基準線20に沿って走行していなければ(ステップS6b)、操舵制御部483に走行方向を修正するように指令を送る(ステップS7b)。そして、再度、測位ユニット450に現在の車両の位置情報及び走行方向の情報を取得するように指令を出す。このプロセスをGPSの電波状況が改善するまで繰り返す。
このように、作業車両1は、測位モードにより、制御部480が測位ユニット450のGPSモジュール451により現在の車両の位置を取得し、記録部481に記録された走行基準経路21に沿うように操舵制御するので、走行基準経路21に沿って自律走行することができる。また、測位モードでの走行中にGPSからの電波状態が悪くなり、GPSモジュール451が現在の位置情報の取得を適切に行なえない状況になっても、操舵制御を検出モードに切り替えることにより、線引きマーカ148により走行基準経路に沿うように圃場に引かれた走行基準線20をステレオカメラ300により検出し、その線に沿って走行することができるので、GPSの電波が悪い状態であっても、作業車両1は、走行基準経路21に沿って自律走行することが可能になる。
図8は、本発明の他の実施態様にかかる作業車両2を示す略左側面図である。
図8に示されるように、作業車両2は、走行車体700と、圃場に種子を供給する播種装置800とからなる乗用型播種機である。作業車両2では、播種装置800が走行車体700の後方に連結されており、播種装置800を駆動させた状態で走行することにより、走行経路に沿って圃場に種をまく播種作業を行うことができるように構成されている。
図9は、作業車両2の播種装置800を示す略背面図であり、図10は、図9の播種装置800の要部拡大図である。
図10に示されるように、播種装置800は、従動軸821に連結された一対の播種ロール810が4組、左右方向に並ぶように配されており、従動軸821が回転すると播種ロール810も回転するように構成されている。各従動軸821は、左右方向に延びた駆動軸820からギアを介して回転動力を受けるように構成されている。すなわち、駆動軸820が回転すると、その回転動力が従動軸を介して播種ロール810に伝わり、播種ロール810も回転するように構成されている。また、駆動軸820には、駆動軸回転センサ824aが取り付けられており、駆動軸回転センサ824aにより駆動軸820の回転の有無を検知できるように構成されている。
図10に示されるように、駆動軸820には、駆動軸ギア823aが取り付けられており、従動軸821には、従動軸ギア823b取り付けられている。駆動軸ギア823aと従動軸ギア823bとは、互いに噛み合うように位置しているが、従動軸ギア823bは畦クラッチ825によって左右方向に移動可能に構成されており、畦クラッチ825によって従動軸ギア823bがずらされることで、駆動軸ギア823aと従動軸ギア823bとの噛み合いが外れるように構成されている。すなわち、畦クラッチ825が「入り」のときには、駆動軸820の回転が従動軸821に伝わり播種ロール810が回転するが、畦クラッチ825が「切り」のときには、駆動軸820が回転していても従動軸821には回転が伝わらないので播種ロール810が回転しないように構成されている。従動軸821には、従動軸回転センサ824bが取り付けられており、従動軸回転センサ824bにより従動軸821の回転の有無を検知できるように構成されている。
図11は、播種装置800の電気系統を示すブロック図である。
図11に示されるように、播種装置800には播種制御部830が設けられており、播種制御部830には駆動軸回転センサ824aと、従動軸回転センサ824bと、畦クラッチ825の入り又は切りを検知する畦クラッチセンサ826と、緑色に点灯するマスコットランプ840と、警報音を鳴らす報知ブザー841とが電気的に接続されている。
播種制御部830は、駆動軸回転センサ824aが駆動軸820の回転を検知するとマスコットランプ840を点灯させる。このとき、畦クラッチセンサ826が畦クラッチ825の「切り」を検知した状態で従動軸回転センサ824bが従動軸821の回転が非検知であると、播種制御部830は、報知ブザー841に通常の警報音を鳴らすように指令を送る。他方、畦クラッチセンサ826が畦クラッチ825の「入り」を検知した状態で従動軸回転センサ824bが従動軸821の回転が非検知であると、播種制御部830は、報知ブザー841にトラブル発生の警報音を鳴らすように指令を送るように構成されている。
したがって、播種制御部830が、駆動軸820の回転を検知した場合にマスコットランプ840を点灯させることで、使用者は播種装置800が駆動していることを目視により把握することができる。さらに、播種装置800が駆動している状態で畦クラッチ825が切られ、播種ロール810の回転が止った場合、報知ブザー841が通常の警報音を鳴らすので、使用者は畦クラッチ825が切られたことにより播種ロール810が回転しておらず、播種作業が行われていないことを把握することができる。そして、播種装置800が駆動している状態で畦クラッチ825が切られていないのに播種ロール810の回転が止まると、報知ブザー841がトラブル発生の警報音を鳴らすので、使用者は何らかのトラブルにより播種ロール810が回転しておらず、播種作業が行われていないことを把握することができる。
このように、播種制御部830が、畦クラッチ825が切られていないのに播種ロール810の回転が止まっていることを報知することで、使用者の意図しないところで播種作業が中断され、圃場に種がまかれていないことに気付くことができないという問題を防止することができる。
以上の実施態様は、本発明の具体的な実施の一例であり、本発明の技術範囲を限定するものではない。すなわち、本発明は、以上の実施態様の他、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、GPSモジュール451は、GPSを用いて緯度や経度などの方位を検出するものであるが、必ずしもGPSである必要はなく、人工衛星から電波を受信して自機の位置情報を取得できる衛星測位システム(GNSS;Global Navigation Satellite System)であればよい。
また、カメラ300は、線引きマーカ148によって引かれた走行基準線を検出可能であるが、走行基準線を検出できるのであれば必ずしも作業車両1に取り付けたステレオカメラ300である必要はなく、走行基準線を検出可能なレーダーを設けたり、カメラやレーダーを搭載したドローンに走行基準線を検出させ、ドローンとの通信によって走行基準線に関する情報を取得できるようにしたりしてもよい。
また、本発明における作業車両は、必ずしも乗用田植機や乗用播種機である必要はなく、種々の作業装置を装備した自律走行可能な作業車両にも適用可能である。
1 作業車両
2 作業車両
10 圃場
11 枕地
12 畦
20 走行基準線
21 走行基準経路
30 障害物
100 走行車体
101a 前輪
101b 後輪
110 メインフレーム
113 昇降リンク装置
120 施肥装置
121 肥料ホッパ
122 繰出部
123 施肥ホース
131 エンジン
132 エンジンカバー
133 操縦部
133a 操縦席
133b ステアリングハンドル
133c ステアリングポスト
135 フロアステップ
139 予備苗載台
148 線引きマーカ
148a マーカアーム
148b マーカリング
200 苗植付装置
210 苗植付具
213 施肥ガイド
214 作溝体
220 フロート
280 苗載台
281 苗取出口
282 苗送りベルト
300 ステレオカメラ
300R 右カメラ
300L 左カメラ
310 支柱
310R 右支柱
310L 左支柱
320 ステー
320R 右ステー
320L 左ステー
450 測位ユニット
451 GPSモジュール
452 方位モジュール
460 状態検出手段
470 機器制御ユニット
480 演算制御ユニット
481 記録部
482 経路算定部
483 操舵制御部
484 映像処理部
700 走行車体
800 播種装置
810 播種ロール
820 駆動軸
821 従動軸
823a 駆動軸ギア
823b 従動軸ギア
824b 従動軸回転センサ
824a 駆動軸回転センサ
825 畦クラッチ
826 畦クラッチセンサ
840 マスコットランプ
841 報知ブザー


Claims (2)

  1. 自律走行する作業車両であって、
    人工衛星から測位情報を受け取り、受け取った前記測位情報に基づいて、車両の現在の位置情報を取得する位置取得装置と、圃場を車両が走行する際の基準の走行経路である走行基準経路を記録した記録装置と、車両が走行した経路に沿って圃場に走行基準線を設定する基準線設定手段と、圃場に設定された走行基準線を検出する検出装置と、車両の自律走行を制御する制御部とを備え、
    前記記録装置は、車両が走行した経路の位置情報を記録可能に構成され、
    前記記録装置に記録された走行経路に関する情報から走行基準経路を算定する経路算定部を備え、
    前記制御部は、前記位置取得装置から取得した車両の現在の位置情報と、前記記録装置に記録された走行基準経路の位置情報とを比較することで車両の位置ずれを把握して、前記作業車両が走行基準経路に沿って走行するように車両を操舵制御する測位モードと、
    前記検出装置により車両の現在の位置と走行基準線とのずれを検出して、前記作業車両が走行基準線に沿って走行するように車両を操舵制御する検出モードを備え、
    前記測位モードにより車両を操舵制御しているとき、前記位置取得装置による位置情報の取得に障害が発生すると、前記検出モードに切り替えて、車両を操舵制御するように構成され、さらに、前記経路算定部が算定した走行基準経路を、前記位置取得装置が取得した位置情報と、前記検出装置が検出した走行基準線の情報とに基づいて補正することができるように構成されていることを特徴とする作業車両。
  2. 前記制御部は、前記経路算定部が算定した走行基準経路の算定及び補正を、車両の自律走行中に行うことができるように構成されていることを特徴とする請求項に記載の作業車両。
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