特許文献1に示された技術では、フィルタを上方に移動させるために塵埃除去手段がフィルタに近接して配置されている。このため、塵埃除去手段が車体に対するフィルタの着脱経路を遮る位置に配置されている。この結果、フィルタの着脱時に、塵埃除去手段の一部を取り外したり分解する必要があり、フィルタの装着作業が複雑化するという問題があった。
本発明は、フィルタの着脱を容易に実現するとともに、フィルタに付着した塵埃を脱離することが可能な建設機械を提供することを目的とする。
本発明の一の局面に係る建設機械は、車体と、エンジンと、前記エンジンを冷却する冷却器と、前記冷却器に対して冷却風を送るファンと、網部と、前記網部の周縁を支持する枠部と、を備え、前記冷却風の流路において前記冷却器の上流側に配置され、前記冷却風を通過させるとともに、前記車体に対して着脱可能なフィルタと、前記冷却風が前記フィルタを通過する通過方向と交差する前記フィルタの幅方向に延びるように前記車体に配置され、前記枠部の下端面に当接する支持面を備えるとともに、前記枠部の前記下端面の一部が下方に向かって露出するように前記フィルタを支持するフィルタ支持部と、シリンダと、前記シリンダから上方に突出した第1の位置と前記第1の位置よりも前記シリンダに対する突出量が小さい第2の位置との間で上下移動可能なように前記シリンダに支持されたプランジャと、前記プランジャを駆動させるとともに前記第1の位置および前記第2の位置で保持する駆動部と、を備えた、少なくとも一以上のソレノイドと、前記フィルタ支持部の下方に配置された支持部であって、前記第2の位置に配置された前記プランジャの先端部が前記支持面よりも下方に位置し、かつ、前記第1の位置に配置された前記プランジャの先端部が前記支持面よりも上方に突出するように、前記ソレノイドを支持するソレノイド支持部と、を有し、前記ソレノイドの前記プランジャは、前記フィルタ支持部に対する前記フィルタの着脱時に前記第2の位置に配置され、前記フィルタが前記フィルタ支持部に装着された状態において、前記第2の位置から前記第1の位置への移動に伴って前記フィルタの前記露出した枠部を押し上げ、前記第1の位置から前記第2の位置への移動に伴って前記フィルタを落下させ前記フィルタ支持部に当接させることで前記フィルタに衝撃を付与し前記網部に捕集された塵埃を脱離させる。
本構成によれば、冷却風に含まれる塵埃が冷却器に付着することが、フィルタによって抑止される。また、フィルタに塵埃が付着しフィルタの透過率が低下した場合であっても、ソレノイドがフィルタに衝撃を付与することによって、塵埃を脱離させることができる。更に、ソレノイドのプランジャは、支持面よりも下方の第2の位置と支持面よりも上方に突出した第1の位置との間で上下移動可能とされている。このため、作業者は、プランジャが第2の位置に配置された状態でフィルタを着脱することができるため、フィルタの着脱を容易かつスムーズに行うことができる。
上記の構成において、前記フィルタ支持部には、前記枠部の前記下端面を下方に向かって露出させるとともに、前記ソレノイドの上方に位置する、少なくとも一以上のプランジャ用開口部が開口されており、前記プランジャは、前記プランジャ開口部を通じて前記第2の位置から前記第1の位置に移動し前記枠部を押し上げることが望ましい。
本構成によれば、プランジャが突出するための開口部がフィルタ支持部に開口され、プランジャの上方周辺がフィルタ支持部によって覆われている。このため、誤ってプランジャに衝撃が付与されることが防止される。この結果、ソレノイドの故障および動作不良が抑止される。
上記の構成において、前記フィルタの前記幅方向の両端部の下方に、一対の前記ソレノイドが配置され、前記一対のソレノイドの上方において、前記フィルタ支持部に一対の前記プランジャ用開口部が開口されていることが望ましい。
本構成によれば、一対のソレノイドによって、フィルタを安定して上下移動させることができる。
上記の構成において、前記枠部は、前記網部の前記幅方向の両端部を鉛直方向に沿って支持する一対の縦枠を含み、前記一対のプランジャ用開口部は、前記一対の縦枠の下端部に対向するように、前記フィルタ支持部に開口されていることが望ましい。
本構成によれば、フィルタから落下した塵埃がプランジャ用開口部を介して、ソレノイドに付着することが抑止される。この結果、ソレノイドの故障および動作不良が抑止される。
上記の構成において、前記フィルタ支持部には、前記網部の鉛直下方であってかつ前記幅方向において前記一対のプランジャ開口部に挟まれた領域に、前記フィルタ支持部を鉛直方向に沿って貫通する連通孔が開口されていることが望ましい。
本構成によれば、フィルタから落下した塵埃は、連通孔を介して、フィルタ支持部の下方の空間に更に落下する。したがって、フィルタ支持部上に多くの塵埃が堆積することが抑止される。この結果、フィルタ支持部の周辺が塵埃で汚れることが抑止される。
上記の構成において、前記枠部は、前記冷却風の通過方向に沿って所定の厚さを備え、前記網部は、前記枠部において前記枠部の厚さ方向の中心位置よりも前記通過方向の下流側部分に固定されており、前記枠部は、前記網部よりも前記通過方向上流側に延びるように配置され、前記網部の下端縁を支持するとともに、前記フィルタ支持部に対向して配置される下枠を更に備え、前記下枠には、前記連通孔に対向して前記下枠を鉛直方向に沿って貫通するように形成され、前記網部から脱離された前記塵埃が前記連通孔に流入することを許容する排出口が開口されていることが望ましい。
本構成によれば、フィルタから落下した塵埃は、排出口および連通孔を介して、フィルタ支持部の下方の空間に更に落下する。したがって、フィルタ支持部上に多くの塵埃が堆積することが抑止される。この結果、フィルタ支持部の周辺が塵埃で汚れることが抑止される。
上記の構成において、前記フィルタ支持部の下方において、前記ソレノイドに対向して配置される保護壁を更に備えることが望ましい。
本構成によれば、作業者が誤ってソレノイドに触れることや、ソレノイドに衝撃が加わることが抑止される。
上記の構成において、前記保護壁は、前記ソレノイドよりも前記冷却風の通過方向上流側において、前記通過方向と交差するように配置された上流壁を含むことが望ましい。
本構成によれば、冷却風に含まれる塵埃などがソレノイドの内部や周囲の電気配線部分に付着することが抑止される。また、フィルタから落下した塵埃が、ソレノイドの内部や周囲の電気配線部分に進入することが抑止される。
上記の構成において、前記保護壁は、前記幅方向において前記ソレノイドに対向し、かつ、前記通過方向に沿って延びるように配置されている側壁を含むことが望ましい。
本構成によれば、フィルタから落下し飛散した塵埃が、ソレノイドの内部や周囲の電気配線部分に進入することが抑止される。
上記の構成において、前記側壁は、前記フィルタ支持部の下方の空間を、前記網部の鉛直下方に位置する第1領域と前記第1領域よりも前記幅方向の外側で前記ソレノイドが配置される第2領域とに仕切る位置に配置されていることが望ましい。
本構成によれば、フィルタから落下し、更に、フィルタ支持部から落下した塵埃が、ソレノイドに付着することが抑止される。
上記の構成において、前記フィルタ支持部の下方において、前記ソレノイドに対向して配置される保護壁を更に備え、前記保護壁は、前記幅方向において前記ソレノイドに対向し、かつ、前記通過方向に沿って延びるように配置されている側壁を含み、前記側壁は、前記フィルタ支持部の下方の空間を、前記連通孔に連通する領域と前記プランジャ用開口部に連通する領域とに仕切る位置に配置されていることが望ましい。
本構成によれば、フィルタから落下し、更に、フィルタ支持部の下方の空間に落下した塵埃が、ソレノイドに付着することが抑止される。
上記の構成において、前記フィルタ支持部のうち前記冷却風の通過方向上流側端部に接続され、前記通過方向上流側に向かって先下がりに傾斜し前記フィルタ支持部に堆積した前記塵埃を下方に案内する案内面を備えた傾斜壁を更に有することが望ましい。
本構成によれば、フィルタから落下しフィルタ支持部上に堆積した塵埃は、フィルタに付与される衝撃によって、傾斜壁に沿って落下する。このため、フィルタ支持部に堆積した塵埃が再びフィルタの網部に付着することが抑止される。
上記の構成において、前記フィルタ支持部に開口された前記連通孔の下方において、前記幅方向外側から前記幅方向内側に向かって互いの距離が近づくように傾斜して配置された一対のガイド壁を更に有することが望ましい。
本構成によれば、フィルタから落下し、更に連通孔から落下した塵埃を、一対のガイド壁に沿って1箇所に集めることができる。
上記の構成において、前記一対のガイド壁の間に配置され、前記連通孔から落下した前記塵埃を収容する収容部を更に有することが望ましい。
本構成によれば、ガイド壁によって集められた塵埃が収容部に収容されることで、作業者は容易に塵埃を廃棄することができる。
上記の構成において、前記フィルタは、前記幅方向に沿って前記フィルタ支持部に装着されることが望ましい。
本構成によれば、冷却風の流れにおいてフィルタの上下流側に他の部材が配置されている場合でも、フィルタをフィルタ支持部に対して容易に着脱することができる。
本発明によれば、フィルタの着脱を容易に実現するとともに、フィルタに付着した塵埃を脱離することが可能な建設機械が提供される。
本発明の一実施形態の油圧ショベル10(建設機械)について、図1乃至図3を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る油圧ショベル10の模式的な側面図である。図2は、図1に示す油圧ショベル10のガード15の内部の断面図である。図3は、図1に示す油圧ショベル10のガード15の内部の斜視図である。
図1に示されるように、油圧ショベル10は、右走行クローラ及び左走行クローラを有する下部走行体11と、下部走行体11上に旋回可能に設けられた上部旋回体20(車体)と、作業アタッチメント13と、キャブ14と、ガード15と、を備えている。
作業アタッチメント13は、上部旋回体20に対して起伏可能となるように当該上部旋回体20に装着されている。作業アタッチメント13は、ブーム13aと、ブーム13aの先端部に連結されたアーム13bと、アーム13bの先端部に当該先端部に対して揺動可能に取り付けられたバケット13cと、を有する。ブーム13aは、ブームシリンダ13dの伸縮動作によって上部旋回体20に対して起伏する。アーム13bは、アームシリンダ13eの伸縮動作によってブーム13aに対して揺動する。バケット13cは、バケットシリンダ13fの伸縮動作によってアーム13bに対して揺動する。ブームシリンダ13d、アームシリンダ13eおよびバケットシリンダ13fは、それぞれ油圧式の油圧シリンダからなる。
キャブ14は、上部旋回体20の前方に配置され、油圧ショベル10の作業者が搭乗する。キャブ14には、油圧ショベル10を運転、操作するための各種の操作部材が配置されている。
ガード15は、キャブ14の後方に設けられている。ガード15は、エンジン31(図2参照)等を収容するエンジンルーム(機械室)を形成している。ガード15の外観はガードカバー16によって画定されている。図2に示されるように、ガード15内には、エンジン31と、油圧ポンプ32と、ラジエータ等の冷却器33と、ファン34と、吸気ダクト40と、エアフィルタ50と、エアクリーナ55(図3)と、が配置されている。油圧ポンプ32は、エンジン31の駆動軸の右端部に接続され、ガード15の右側部分に位置している。ガードカバー16の一部を構成する開閉カバー18(図3)が開けられると、図3に示すように、ガード15の内部が油圧ショベル10の外側に開放される。
ファン34は、エンジン31の駆動軸に接続されており、エンジン31の回転に合わせて回転する。ファン34の回転により、ガード15の外部から冷却器33に送られる冷却風W(図2)が形成される。
冷却器33は、ファン34の左方に配置されている。冷却器33は、エンジン31を冷却するための冷却媒体と冷却風Wとを熱交換させることによって冷却媒体を冷却する。なお、冷却器33に含まれるラジエータは、そのコア面が車両左右方向を向くように配設されている。
エアフィルタ50は、図2に示されるように、冷却風Wの流路において冷却器33の上流側(本実施形態では左方)に配置されている。エアフィルタ50は、冷却風Wを通過させるとともに、冷却風Wに随伴される塵埃を捕集(除去)する。このため、冷却器33への塵埃の付着が抑制される。エアフィルタ50は、上部旋回体20のガード15に対して着脱可能とされている。
図2を参照して、吸気ダクト40は、空気流通方向の上流側から下流側に向かって開口した箱状のダクト本体41を有する。ダクト本体41は、エアフィルタ50と冷却器33との間に配置され、エアフィルタ50を通過した冷却風Wを冷却器33に導く。また、ダクト本体41には、エアフィルタ50を支持するためのエアフィルタ取付部42(図2、図3)と、機器としてのエアクリーナ55を取り付ける機器取付部56(図3)とが設けられている。
エアクリーナ55は、エンジン31に供給する空気を集塵するためのものであり、ダクト本体41からバイパスされた吸気管55aおよびエンジン31に向かう排気管55bに接続されている(図3)。
エアフィルタ取付部42は、ダクト本体41の上流側の開口部に設けられ、エアフィルタ50が着脱自在に取り付けられる。具体的に、エアフィルタ取付部42は、エアフィルタ50の上下面に沿ってそれぞれ配設された一対のガイド板43(上ガイド43a、下ガイド43b)と、車両の前方側に配設されたフィルタ保持部44と、を有する。更に、上部旋回体20は、エアフィルタ50の車両後方側に配設されたロック部材60(図3)を有する。
一対のガイド板43は、その間にエアフィルタ50を収容する。また、一対のガイド板43は、エアフィルタ50が着脱される際に、エアフィルタ50を案内するガイドとして機能する。下ガイド43b(フィルタ支持部)は、エアフィルタ50の下端部を支持するように、前後方向(冷却風Wがエアフィルタ50を通過する通過方向と交差するエアフィルタ50の幅方向)に長く延びるように、ガード15に配置されている(図4(A)参照)。
図4は、本発明の第1実施形態に係るエアフィルタ50およびエアフィルタ取付部42の(A)正面図、(B)下面図および(C)側面図である。図5は、本実施形態に係る油圧ショベル10において、エアフィルタ50が装着される様子を示す平面図(A)、(B)である。図6は、本実施形態に係る油圧ショベル10において、エアフィルタ50が上下移動される様子を示す正面図(A)、(B)である。
図4(A)を参照して、エアフィルタ50は、塵埃を捕集する網状のフィルタ部500(網部)と、フィルタ部500の四辺(周縁)を支持する枠部500Sと、を有している。本実施形態では、フィルタ部500は、矩形形状を備えている。枠部500Sは、上枠501と、下枠502と、前枠503(縦枠)と、後枠504(縦枠)と、を備える。上枠501、下枠502、前枠503および後枠504は、それぞれ、フィルタ部500の上部、下部、前部および後部を支持する。特に、前枠503および後枠504は、フィルタ部500の幅方向(前後方向)の両端部を鉛直方向に沿って支持する。
また、エアフィルタ取付部42の下ガイド43bは、枠部500Sの下端面に当接する支持面H(図4(A))を備えている。下ガイド43bは、一対の前プランジャ用開口部70Hおよび後プランジャ用開口部71Hを備える。前プランジャ用開口部70Hおよび後プランジャ用開口部71Hは、下ガイド43bの前後方向の両端部に開口された孔部である。エアフィルタ50がエアフィルタ取付部42に装着されると、前プランジャ用開口部70Hおよび後プランジャ用開口部71Hを介して、枠部500Sの下端面の一部が下方に向かって露出する。
図5(A)、(B)を参照して、本実施形態では、エアフィルタ50は冷却風Wがエアフィルタ50を通過する方向(図2参照、左右方向)と交差する装着方向(図5の矢印D51、前方向)に沿ってエアフィルタ取付部42(図3)に着脱される。この際、エアフィルタ50がガード15内を通過する経路が着脱経路Pと定義される。前述のフィルタ保持部44は、エアフィルタ50の前枠503(図4)の側壁面に当接することで、エアフィルタ50の前枠503側を前後および左右方向において位置決めする。このような構成によれば、冷却風Wの流れにおいてエアフィルタ50の上下流側にエアクリーナ55やダクト本体41などのような他の部材が配置されている場合でも、エアフィルタ50を容易に着脱することができる。
図3を参照して、ロック部材60は、ダクト本体41の後側の壁面である本体後壁41Rに回動可能に支持されている。ロック部材60は、エアフィルタ50がエアフィルタ取付部42から脱離することを防止する機能を備えている。そして、ロック部材60は、
エアフィルタ50の着脱経路P(図5(A))から離間して配置されエアフィルタ50の着脱を許容するロック解除位置と、着脱経路P内に配置されエアフィルタ50がエアフィルタ取付部42から脱離することを防止するロック位置との間で位置変更が可能とされている。また、図4(A)、図5(A)を参照して、ロック部材60は、軸部材65aを備え、当該軸部材65aを中心に回動されることで、上記のロック位置とロック解除位置との間で移動可能とされている。
更に、油圧ショベル10は、前ソレノイド70および後ソレノイド71(いずれもソレノイド)を備える(図3、図4(A))。前ソレノイド70および後ソレノイド71は、エアフィルタ50の幅方向の両端部の下方に一対備えられている。前ソレノイド70および後ソレノイド71は、エアフィルタ取付部42に支持されたエアフィルタ50に衝撃を付与することで、エアフィルタ50に捕集された塵埃を脱離させる。前ソレノイド70および後ソレノイド71は、エアフィルタ50を下方から押し上げる、出没可能なプランジャを備えたソレノイドである。図4(A)に示すように、前ソレノイド70は前プランジャ701を備え、後ソレノイド71は後プランジャ711を備えている。
前プランジャ701は、前ソレノイド70内に備えられた不図示のシリンダに支持されている。前プランジャ701は、シリンダから上方に突出した第1の位置と前記第1の位置よりもシリンダに対する突出量が小さい第2の位置との間で上下移動可能とされる。同様に、後プランジャ711は、後ソレノイド71内に備えられた不図示のシリンダに支持されている。後プランジャ711は、シリンダから上方に突出した第1の位置と前記第1の位置よりもシリンダ内に没入した第2の位置との間で上下移動可能とされる。なお、前ソレノイド70および後ソレノイド71の内部には、それぞれ、前プランジャ701および後プランジャ711を駆動させるとともに第1の位置および第2の位置で保持する駆動部が備えられている。
図4(A)を参照して、油圧ショベル10は、前支持部材70Sおよび後支持部材71S(いずれもソレノイド支持部)を備える。前支持部材70Sは、下ガイド43bの下方において、前壁151(図3、図4(A))に固定された板材である。一方、後支持部材71Sは、下ガイド43bの下方において、本体後壁41R(図3)に固定された板材である。
前支持部材70Sおよび後支持部材71Sは、それぞれ、前ソレノイド70および後ソレノイド71を支持する。前述の前プランジャ用開口部70Hおよび後プランジャ用開口部71Hは、それぞれ、前ソレノイド70および後ソレノイド71の上方において下ガイド43bに開口されている。そして、前プランジャ701および後プランジャ711が、図4(A)に示すように、前プランジャ用開口部70Hおよび後プランジャ用開口部71Hに挿通される。この際、前支持部材70Sは、前記第2の位置に配置された前プランジャ701の先端部が下ガイド43bの支持面Hよりも下方に位置し、かつ、前記第1の位置に配置された前プランジャ701の先端部が支持面Hよりも上方に突出するように、前ソレノイド70を支持している。同様に、後支持部材71Sは、前記第2の位置に配置された後プランジャ711の先端部が下ガイド43bの支持面Hよりも下方に位置し、かつ、前記第1の位置に配置された後プランジャ711の先端部が支持面Hよりも上方に突出するように、後ソレノイド71を支持している。
なお、前ソレノイド70および後ソレノイド71は、上部旋回体20に備えられた不図示の電源に接続され、不図示の制御部によって前プランジャ701および後プランジャ711の出没動作が制御される。前プランジャ701および後プランジャ711は、プッシュソレノイドであることが望ましい。この場合、前ソレノイド70および後ソレノイド71に通電されていない状態では、前プランジャ701および後プランジャ711は第2の位置に配置されている。したがって、上記の非通電状態でエアフィルタ50の着脱動作が行われれば、エアフィルタ50の着脱動作時に前プランジャ701および後プランジャ711が支持面Hよりも上方に突出することがない。したがって、エアフィルタ50が前プランジャ701および後プランジャ711に干渉することが抑止される。
図4(A)〜(C)、図5(A)、(B)に示すように、エアフィルタ50がエアフィルタ取付部42に装着され、ロック部材60がエアフィルタ50をロックすると、前ソレノイド70および後ソレノイド71によるエアフィルタ50への衝撃付与動作が可能となる。油圧ショベル10の使用に伴ってエアフィルタ50に塵埃が付着しエアフィルタ50の透過率が低下すると、予め設定された間隔で上記衝撃付与動作が実行される。
不図示の制御部によって、前プランジャ701および後ソレノイド71の突出動作が行われると、前プランジャ701および後プランジャ711が、第2の位置から第1の位置への移動に伴って、前プランジャ用開口部70Hおよび後プランジャ用開口部71Hを通じて第2の位置から第1の位置に移動し支持面Hの上方に突出する。そして、前プランジャ701および後プランジャ711は、それぞれ、エアフィルタ50の枠部500Sを押し上げる(図6(B))。
その後、前プランジャ701および後プランジャ711は、第1の位置(図6(B))から第2の位置(図6(A))への移動に伴ってエアフィルタ50を自重で落下させ、下ガイド43bに当接させることで、エアフィルタ50に衝撃を付与する。この際の衝撃によって、エアフィルタ50のフィルタ部500に捕集された塵埃が脱離され、落下する。このため、エアフィルタ50の透過率が復帰し、冷却器33の冷却性能が安定して維持されるとともに、冷却器33のオーバーヒートが防止される。エアフィルタ50から落下した塵埃は、幅方向において前プランジャ用開口部70Hと後プランジャ用開口部71Hとの間の下ガイド43bによって捕集される。したがって、作業者が定期的に捕集された塵埃を清掃することができる。なお、エアフィルタ50の落下は、エアフィルタ50の自重ではなく、各ソレノイドの復元力によるものでもよい。
また、前記制御部が各ソレノイドに矩形波からなる制御電圧を印加することで、エアフィルタ50への衝撃付与動作が複数回連続して行われてもよい。更に、衝撃付与動作が実行される際には、ファン34の回転が停止されていることが望ましい。この場合、冷却風Wの流れが抑制されるため、塵埃の落下を促進することができる。このため、エンジン31またはファン34の停止時に、エアフィルタ50への衝撃付与動作が連動して実行されると、エアフィルタ50の捕集面が清掃された状態を安定して維持することができる。
なお、図4(A)に示すように、本実施形態では、前ソレノイド70の前プランジャ701および後ソレノイド71の後プランジャ711のエアフィルタ50に対する当接位置が、同じ高さに配置されている。また、不図示の制御部による前プランジャ701および後プランジャ711の突出動作が同期して制御される。このため、エアフィルタ50の前側部分および後側部分が同時かつバランスよく上下に移動される。
以上のように、本実施形態によれば、冷却風Wに含まれる塵埃が冷却器33に付着することが、エアフィルタ50によって抑止される。また、エアフィルタ50に塵埃が付着しエアフィルタ50の透過率が低下した場合であっても、前ソレノイド70および後ソレノイド71がエアフィルタ50に衝撃を付与することによって、塵埃を脱離させることができる。更に、前ソレノイド70および後ソレノイド71の各プランジャは、支持面Hよりも下方の第2の位置と支持面Hよりも上方に突出した第1の位置との間で上下移動可能とされている。このため、作業者は、各プランジャが第2の位置に配置された状態でエアフィルタ50を着脱することができるため、エアフィルタ50の着脱を容易かつスムーズに行うことができる。
また、本実施形態では、エアフィルタ50に衝撃を付与する衝撃付与部がソレノイドから構成されることで、エアフィルタ50を容易に上下移動させることができる。また、エアフィルタ50の落下時のエネルギーを利用して、エアフィルタ50から塵埃を脱離させることができる。
また、本実施形態では、各プランジャが出没するための開口部が下ガイド43bに開口され、各プランジャの上方周辺が下ガイド43bによって覆われているため、各プランジャが常に露出することが抑止される。このため、誤って各プランジャに衝撃が付与されることが防止される。この結果、各ソレノイドの故障および動作不良が抑止される。
更に、図4(A)に示すように、本実施形態では、一対の前プランジャ用開口部70Hおよび後プランジャ用開口部71Hは、エアフィルタ50の前枠503および後枠504の下端部に対向するように、下ガイド43bに開口されている。換言すれば、前プランジャ用開口部70Hおよび後プランジャ用開口部71Hの直上には、フィルタ部500が配置されていない。このため、衝撃付与動作によって落下した塵埃が前プランジャ用開口部70Hおよび後プランジャ用開口部71Hを介して、前ソレノイド70および後ソレノイド71に付着することが抑止される。この結果、前ソレノイド70および後ソレノイド71の故障および動作不良が抑止される。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図7は、本実施形態に係るエアフィルタ50及びエアフィルタ取付部42の(A)正面図、(B)下面図および(C)側面図である。なお、図7では、先の第1実施形態と同じ構造、機能を備える部材については、図4と同じ符号を付している。また、以下では、先の第1実施形態と異なる特徴について説明し、共通する点の説明を省略する。
図7(A)〜(C)を参照して、本実施形態では、下ガイド43bが複数の連通孔43cを備えている。連通孔43cは、フィルタ部500の鉛直下方であって、かつ、前後方向(エアフィルタ50の幅方向)において前プランジャ用開口部70Hおよび後プランジャ用開口部71Hに挟まれた領域に、下ガイド43bを貫通するように開口されている。
このような構成によれば、フィルタ部500から落下した塵埃は、連通孔43cを介して、下ガイド43bの下方の空間に更に落下する。したがって、下ガイド43b上に多くの塵埃が堆積することが抑止される。この結果、下ガイド43bの周辺が塵埃で汚れることが抑止される。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図8は、本実施形態に係るエアフィルタ50及びエアフィルタ取付部42の(A)正面図、(B)下面図および(C)側面図である。なお、図8では、先の第1、第2実施形態と同じ構造、機能を備える部材については、図4、図7と同じ符号を付している。また、以下では、先の第1、第2実施形態と異なる特徴について説明し、共通する点の説明を省略する。
図8(C)を参照して、本実施形態では、枠部500Sは、冷却風Wの通過方向に沿って所定の厚さを備えている。フィルタ部500は、枠部500Sの厚さ方向の中心位置よりも冷却風Wの通過方向下流側部分に固定されている。また、枠部500Sの下枠502は、フィルタ部500よりも前記通過方向上流側に延びるように配置され、フィルタ部500の下端縁を支持している。エアフィルタ50がエアフィルタ取付部42に装着されると、下枠502は下ガイド43bに対向して配置される(図8(B))。下ガイド43bには、先の第2実施形態と同様に、複数の連通孔43cが開口されている。更に、本実施形態では、枠部500Sの下枠502には、連通孔43cに対向して配置され、下枠502を鉛直方向に沿って貫通する、複数の排出口502aが開口されている。複数の排出口502aは、フィルタ部500から脱離された塵埃が連通孔43cに流入することを許容する。
このような構成によれば、図8(A)、(C)の矢印に示すように、前ソレノイド70および後ソレノイド71によって付与された衝撃によってフィルタ部500から落下した塵埃は、排出口502aおよび連通孔43cを介して、下ガイド43bの下方の空間Rに更に落下する。したがって、下ガイド43b上に多くの塵埃が堆積することが抑止される。この結果、下ガイド43bの周辺が塵埃で汚れることが抑止される。また、図8(C)に示すように、フィルタ部500が下ガイド43bの通過方向下流側に配置されているため、フィルタ部500から落下した塵埃が、下ガイド43bの左端側から下方に回り込んで前ソレノイド70および後ソレノイド71の周辺に飛散することが抑止される。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図9は、本実施形態に係るエアフィルタ50及びエアフィルタ取付部42の(A)正面図、(B)下面図である。なお、図9では、先の第1実施形態と同じ構造、機能を備える部材については、図4と同じ符号を付している。また、以下では、先の第1実施形態と異なる特徴について説明し、共通する点の説明を省略する。
図9(A)、(B)を参照して、本実施形態では、油圧ショベル10のガード15(図1)が、第1保護壁451および第2保護壁452(いずれも保護壁)を備える。第1保護壁451および第2保護壁452は、下ガイド43bの下方において、前ソレノイド70および後ソレノイド71に対向して配置される。第1保護壁451は、第1保護部材451a(上流壁)と、第2保護部材451b(側壁)と、を備える。また、第2保護壁452は、第3保護部材452a(上流壁)と、第4保護部材452b(側壁)と、を備える。第1保護部材451aおよび第3保護部材452aは、図9(B)に示すように、各ソレノイドよりも冷却風Wの通過方向上流側において、前記通過方向と交差するように配置されている。第2保護部材451bおよび第4保護部材452bは、エアフィルタ50の幅方向において各ソレノイドに対向し、かつ、冷却風Wの通過方向に沿って延びるように配置されている。第2保護部材451bおよび第4保護部材452bの端部は、第1保護部材451aおよび第3保護部材452aに接続されている。
このような構成によれば、作業者が誤って前ソレノイド70および後ソレノイド71に触れることや、前ソレノイド70および後ソレノイド71に衝撃が加わることが抑止される。また、冷却風Wに含まれる塵埃やフィルタ部500から落下した塵埃が、前ソレノイド70および後ソレノイド71の内部や周囲の電気配線部分に進入することが抑止される。この結果、各ソレノイドの故障や動作不良が抑止される。なお、第1保護部材451aおよび第3保護部材452aのうち、第2保護部材451bおよび第4保護部材452bとは反対側の端部に接続されるように、他の側壁が配置されてもよい。また、第1保護壁451および第2保護壁452の一部が開閉可能とされてもよい。この場合、前ソレノイド70および後ソレノイド71のメンテナンス性が向上される。
次に、本発明の第5実施形態について説明する。図10は、本実施形態に係るエアフィルタ50及びエアフィルタ取付部42の(A)正面図、(B)下面図である。なお、図10では、先の第1実施形態と同じ構造、機能を備える部材については、図4と同じ符号を付している。また、以下では、先の第1実施形態と異なる特徴について説明し、共通する点の説明を省略する。
図10(A)、(B)を参照して、本実施形態では、油圧ショベル10が、中央ソレノイド73を備える。中央ソレノイド73は、先の実施形態の前ソレノイド70および後ソレノイド71と同様に、出没可能な中央プランジャ731を備える。中央プランジャ731は、下ガイド43bに開口された中央プランジャ用開口部73Hを介して、エアフィルタ50を押し上げる。更に、本実施形態では、油圧ショベル10のガード15(図1)が、第3保護壁453(保護壁)を備える。第3保護壁453は、下ガイド43bの下方において、中央ソレノイド73に対向して配置される。第3保護壁454は、第5保護部材453a(側壁)と、第6保護部材453b(上流壁)、第7保護部材453c(側壁)と、を備える。第6保護部材453bは、中央ソレノイド73よりも冷却風Wの通過方向上流側において、前記通過方向と交差するように配置されている。第5保護部材453aおよび第7保護部材453cは、エアフィルタ50の幅方向において中央ソレノイド73に対向し、かつ、冷却風Wの通過方向に沿って延びるように配置されている。第5保護部材453aおよび第7保護部材453cの端部は、第6保護部材453bに接続されている。
このような構成においても、作業者が誤って中央ソレノイド73に触れることや、中央ソレノイド73に衝撃が加わることが抑止される。また、フィルタ部500から落下した塵埃が、中央ソレノイド73の内部や周囲の電気配線部分に進入することが抑止される。この結果、中央ソレノイド73の故障や動作不良が抑止される。本実施形態においても、第3保護壁453の一部が開閉可能とされてもよい。
次に、本発明の第6実施形態について説明する。図11は、本実施形態に係るエアフィルタ50及びエアフィルタ取付部42の(A)正面図、(B)下面図である。なお、図11では、先の第1実施形態と同じ構造、機能を備える部材については、図4と同じ符号を付している。また、以下では、先の第1実施形態と異なる特徴について説明し、共通する点の説明を省略する。
図11(A)、(B)を参照して、本実施形態では、油圧ショベル10のガード15が、第1仕切り壁454(側壁)および第2仕切り壁455(側壁)を備えている。第1仕切り壁454および第2仕切り壁455は、それぞれ、エアフィルタ50の幅方向において各ソレノイドに対向し、かつ、冷却風Wの通過方向に沿って延びるように配置されている。第1仕切り壁454および第2仕切り壁455の上端部は、下ガイド43bに接続されている。また、第1仕切り壁454および第2仕切り壁455は、下ガイド43bの下方の空間を、フィルタ部500の下方に位置する第1領域と前記第1領域よりも幅方向の外側で各ソレノイドが配置される第2領域とに仕切る位置に配置されている。更に、図11(B)に示すように、第1仕切り壁454および第2仕切り壁455の一端は、下ガイド43bよりも冷却風Wの通過方向上流側に延びている。
このような構成によれば、フィルタ部500から落下し、更に、下ガイド43bの左端部から落下した塵埃が、前ソレノイド70および後ソレノイド71に付着、進入することが抑止される。
次に、本発明の第7実施形態について説明する。図12は、本実施形態に係るエアフィルタ50及びエアフィルタ取付部42の(A)正面図、(B)下面図である。なお、図12では、先の第3実施形態と同じ構造、機能を備える部材については、図8と同じ符号を付している。また、以下では、先の第3実施形態と異なる特徴について説明し、共通する点の説明を省略する。
図12(A)、(B)を参照して、本実施形態では、油圧ショベル10のガード15が、第3仕切り壁456(側壁)および第4仕切り壁457(側壁)を備えている。第3仕切り壁456および第4仕切り壁457は、それぞれ、エアフィルタ50の幅方向において各ソレノイドに対向し、かつ、冷却風Wの通過方向に沿って延びるように配置されている。第3仕切り壁456および第4仕切り壁457の上端部は、下ガイド43bに接続されている。また、第3仕切り壁456および第4仕切り壁457は、下ガイド43bの下方の空間を、複数の連通孔43cに連通する領域Rと前プランジャ用開口部70Hおよび後プランジャ用開口部71Hに連通する領域とに仕切る位置に配置されている。更に、図12(B)に示すように、第3仕切り壁456および第4仕切り壁457の一端は、下ガイド43bよりも冷却風Wの通過方向上流側に延びている。
このような構成によれば、フィルタ部500から落下し、更に、下ガイド43bの下方の空間Rに落下した塵埃が、前ソレノイド70および後ソレノイド71に付着、進入することが抑止される。
次に、本発明の第8実施形態について説明する。図13は、本実施形態に係るエアフィルタ50及びエアフィルタ取付部42の(A)正面図、(B)側面図である。また、図14は、本実施形態に係る油圧ショベル10のガード15の内部の斜視図である。なお、図13、図14では、先の第1実施形態と同じ構造、機能を備える部材については、図3、図4と同じ符号を付している。また、以下では、先の第1実施形態と異なる特徴について説明し、共通する点の説明を省略する。
図13(A)、(B)および図14を参照して、本実施形態では、油圧ショベル10のガード15が、傾斜壁43hを備えている。傾斜壁43hは、下ガイド43bのうち冷却風Wの通過方向上流側端部に接続され、前記通過方向上流側に向かって先下がりに傾斜した板金部材からなる。換言すれば、傾斜壁43hは、下ガイド43bに堆積した塵埃を下方に案内する案内面を備えている。
このような構成によれば、エアフィルタ50から落下し、下ガイド43b上に堆積した塵埃は、エアフィルタ50に付与される衝撃によって、傾斜壁43hに沿って落下する。傾斜壁43hの下方には、間隔をおいてガード底部22(図14)が配置されている。このため、下ガイド43bに堆積した塵埃が再びエアフィルタ50のフィルタ部500に付着することが抑止される。
次に、本発明の第9実施形態について説明する。図15は、本実施形態に係るエアフィルタ50及びエアフィルタ取付部42の(A)正面図、(B)側面図である。なお、図15では、先の第2実施形態と同じ構造、機能を備える部材については、図7と同じ符号を付している。また、以下では、先の第2実施形態と異なる特徴について説明し、共通する点の説明を省略する。
図15(A)、(B)を参照して、本実施形態では、油圧ショベル10のガード15が、一対のガイド壁458、459と、収容部460と、を備えている。ガイド壁458、459は、下ガイド43bに開口された連通孔43cの下方において、エアフィルタ50の幅方向外側から幅方向内側に向かって互いの距離が近づくように傾斜して配置されている。更に、収容部460は、一対のガイド壁458、459の間に配置され、連通孔43cから落下した塵埃を収容する箱部材である。
このような構成によれば、エアフィルタ50から落下し、更に連通孔43cから落下した塵埃は、一対のガイド壁458、459に沿って中央部に集められる。そして、集められた塵埃が収容部460に収容されることで、作業者は容易に塵埃を廃棄することができる。
次に、本発明の第10実施形態について説明する。図16は、本実施形態に係るエアフィルタ50及びエアフィルタ取付部42の正面図である。なお、図16では、先の第9実施形態と同じ構造、機能を備える部材については、図15と同じ符号を付している。また、以下では、先の第9実施形態と異なる特徴について説明し、共通する点の説明を省略する。
図16を参照して、本実施形態では、収容部461が、一対のガイド壁458、459の上に載置されている。収容部461は、ガイド壁458、459の傾斜に沿うように正面視で三角形状を備えている箱部材である。このような構成においても、一対のガイド壁458、459によって集められた塵埃が収容部460に収容されることで、作業者は容易に塵埃を廃棄することができる。
以上、本発明の各実施形態に係るエアフィルタ50の周辺構造、およびこれを備えた油圧ショベル10について説明したが、本発明はこれらの形態に限定されるものではない。本発明に係る建設機械として、以下のような変形実施形態が可能である。
(1)上記の実施形態では、図5(A)に示すように、エアフィルタ50が一方向(幅方向)からなる装着方向に沿ってエアフィルタ取付部42に装着される態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。図17は、本発明の変形実施形態に係る建設機械において、エアフィルタ50(フィルタ)が装着される様子を示す平面図(A)、(B)である。本変形実施形態では、エアフィルタ50は、前後方向および左右方向と交差する装着方向(矢印D171)に沿って、フィルタ保持部44に挿入される。この際、フィルタ保持部44の開口幅は、エアフィルタ50の傾斜を許容するように、先の実施形態よりも大きく開口されることが望ましい。また、装着後のエアフィルタ50のガタツキを抑止するために、スポンジなどの弾性部材441が備えられることが更に望ましい。なお、図17(A)に示す状態では、ロック部材60はロック解除位置に配置されている。
エアフィルタ50の先端部がフィルタ保持部44に保持されると、エアフィルタ50の後端側が矢印D172方向に回動される。その後、ロック部材60が軸部材65a回りに矢印D173方向に回動され、ロック位置に配置される。このような構成によっても、前述の各実施形態のように、前プランジャ701および後プランジャ711が、それぞれ支持面Hよりも下方に没入していることで、エアフィルタ50の着脱が容易かつスムーズに実現可能とされる。また、エアフィルタ50に塵埃が付着しエアフィルタ50の透過率が低下した場合であっても、前ソレノイド70および後ソレノイド71がエアフィルタ50に衝撃を付与することによって、塵埃を脱離させることができる。
(2)また、上記の実施形態では、本発明に係る建設機械として油圧ショベル10を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。建設機械として、クレーン、掘削機などのその他のものに本発明が適用されてもよい。