吸収性物品において、消臭剤による消臭効果を最大化させるためには、着用者が製品を着用した時の着用者の排尿部に接する領域、すなわち排尿領域に消臭剤が配置されていることが好ましい。しかし、その一方で、消臭剤が尿(液体)で濡れてしまうと、以下のような理由から消臭効果が著しく低下してしまう。すなわち、物理吸着による消臭を行う消臭剤の場合、消臭剤が液体に濡れるとその細孔が液体で埋まり、その細孔内に臭気物質(気体)が到達し難くなり、化学吸着による消臭を行う消臭剤の場合、消臭剤が液体に濡れるとその表面が液層で覆われ、その表面に臭気物質(気体)が接触し難くなる、などの理由である。
特許文献1の吸収性物品では、消臭剤が平面視で吸収体のほぼ全面に配置されており、したがって排尿領域にも配置されているので、消臭剤による消臭効果が高いとも考え得る。しかし、この場合、その排尿領域の消臭剤は尿で濡れてしまうので、その消臭剤による消臭効果は低いと考えられる。その上、その消臭剤が尿の吸収体への移動経路に存在するため、尿が吸収体へ移動する妨げとなり、吸収体の吸収効果の低下を招くと考えられる。また、消臭剤の連続した消臭層内での尿の拡散は、他の層や資材への尿の拡散よりも容易であると考えられるため、排尿領域に尿が排出されると、消臭層内における排尿領域の周囲の領域にも尿が拡散し易く、周囲の領域の消臭剤も尿で濡れ易くなり、消臭効果の更なる低下を招くと考えられる。
一方、特許文献2の吸収物品では、消臭剤が平面視でナプキンの表面層上のほぼ全面又は排泄領域に配置される場合には、消臭剤による消臭効果が高いとも考え得る。しかし、この場合も、排尿領域の消臭剤は尿で濡れてしまい、周囲の領域の消臭剤も尿が表面層を伝って拡散することになり尿で濡れ易くなるので、それらの消臭剤による消臭効果は低くなりかつ、消臭効果を高めようと濃度を上げると、それ自身が尿の流れを阻害してしまい、結果として排尿領域の消臭剤は尿の吸収体への移動の妨げとなり、吸収体の吸収効果の低下を招くと考えられる。また、消臭剤が、ナプキンの表面層上の縁、使い捨ておむつの弾性直立バリヤー上、側部パネル上又は股から背側の表面層上に配置されている場合には、消臭剤は尿で濡れ易くはなく、尿の吸収体への移動も困難ではない。しかし、それらは着用者の肌面に接触する領域であるので、着用者の肌面からの汗により消臭剤が濡れてしまい、その消臭剤による消臭効果は低くなると考えられる。
本発明の目的は、吸収体による吸収効果と消臭剤による消臭効果とを両立させることが可能な吸収性物品を提供することにある。
本発明の吸収性物品は、(1)液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に位置する吸収体とを備え、互いに直交する長手方向、幅方向及び厚さ方向を有する吸収性物品であって、平面視において、排尿領域PA1と、前記排尿領域PA1を囲む周囲領域と、を有し、前記吸収体と前記表面シートとの間に存在し、消臭剤を含む補助シートを備え、前記補助シートは、前記排尿領域PA1に存在せず、前記周囲領域に存在する、吸収性物品。
本吸収性物品においては、消臭剤を含む補助シートを、臭気が発生する尿を含む吸収体により近い、吸収体と表面シートとの間の位置であって排尿点に比較的近い周囲領域に配置し、排尿点に最も近い排尿領域PA1には配置していない。そのため、尿が排泄されたとき、尿は主に排尿領域PA1の範囲に拡がりながら、補助シートの消臭剤に妨げられることなく、厚さ方向、つまり吸収体内部へ移動・拡散され、吸収される。それにより、補助シートの消臭剤が尿の吸収体への移動を妨げて、吸収体の吸収効果を低下させる事態を抑制できる。それと共に、補助シートの周囲領域の消臭剤が尿で濡れることを抑制できる。本吸収性物品において、消臭剤を含む補助シートは、表面シートよりも非肌側に配置されているので、着用者の肌面からの汗が補助シートに到達し難くなり、汗により消臭剤が濡れてしまい消臭剤の消臭効果が低下する事態を抑制できる。それらにより、消臭剤で気相中の臭気物質を容易に捕獲できる。以上のように、本吸収性物品では吸収体による吸収効果と消臭剤による消臭効果とを両立させることができる。
本発明の吸収性物品は、(2)前記吸収体は、前記長手方向の中央部分に前記幅方向の寸法が最小となる最小部分を有し、前記補助シートは、前記幅方向における前記最小部分の両端縁を通り、前記長手方向に沿って延びる仮想線よりも前記幅方向の外側に位置する、上記(1)に記載の吸収性物品、であってもよい。
尿が拡散しても、吸収体の最小部分より幅方向の外側の領域へはほとんど到達せず、したがって吸収体の最小部分より外側の領域は尿とほとんど接触しない領域となる。例えば、150−300ml程度の尿であれば、拡散が最小部分より幅方向の外側の領域に拡がる前に厚み方向に移動し、吸収体内を拡散するため、消臭剤が配置されている部分にはほとんど到達してこない。本吸収性物品では、補助シートを幅方向の最小部分の位置よりも幅方向の外側に配置する。そのため、消臭剤は排尿点に非常に近いが、尿が吸収体内を拡散するため、尿とほとんど接触せず、濡れ難くなるので、消臭剤の消臭効果を減らさずに、尿の臭気物質を消臭剤で適切に捕獲できる。
本発明の吸収性物品は、(3)前記吸収性物品は、包装時には、前記吸収性物品の前記幅方向の両端部に設定された、前記長手方向に沿って延びる折り線の位置で、前記幅方向の両端部が中央部上に折り畳まれており、前記折り線は、前記幅方向における前記排尿領域の両端縁それぞれよりも外側の所定位置を通るように設定されており、前記補助シートは、前記幅方向における前記折り線よりも前記幅方向の外側に位置する、上記(1)に記載の吸収性物品、であってもよい。
吸収性物品が包装され、折り線よりも幅方向外側の部分が、折り線に沿って折り線よりも内側の中央部分の上に折り畳まれる。そのとき、吸収性物品の肌面側には折り線の部分折り溝が形成される。本吸収性物品では、このように肌面側に折り溝が付くことにより、折り溝よりも幅方向の外側の部分が厚さ方向に起立して壁のようになり、吸収性物品全体としては長手方向から見て略U字型の形状を維持することができる。これにより、幅方向の外側へ尿が流れてきたとしても、折り溝よりも幅方向の外側の部分には傾斜がついているため、流れてきた尿が幅方向の外側にそれ以上拡がることを抑制できる。さらに、折り溝よりも幅方向の外側の部分は壁のようになっているため、尿から発生した臭気物質が幅方向の外側に拡がろうとした際に、その壁のような部分に沿って移動するため消臭剤と接触し易くすることができる。このように、本吸収性物品は、消臭剤が濡れず、すなわち消臭剤の消臭効果を減らさず、尿の臭気物質を消臭剤で適切に捕獲できる。
本発明の吸収性物品は、(4)前記表面シートは、前記長手方向に沿って延設され、前記幅方向の中央に位置する中央シートと、前記長手方向に沿って延設され、前記中央シートの前記幅方向の両外側に位置し、一対の防漏壁を構成する一対のサイドシートと、を含み、前記補助シートは、平面視で、前記中央シートと前記一対のサイドシートとが接合する一対の接合部における前記幅方向の内側の端部よりも、前記幅方向の両外側に位置する、上記(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の吸収性物品、であってもよい。
着用者が横向きで寝ている姿勢において、尿は表面シート上を伝う可能性が高い。本吸収性物品では、補助シートを幅方向における防漏壁の固定端の位置よりも外側に配置する。そのため着用者が横向きで寝ているときに尿の伝達が止まる固定端より外側に消臭剤が配置される。したがって、消臭剤は尿に極めて近いが、尿とほとんど接触せず、濡れ難くなるので、消臭剤の消臭効果を減らさずに、尿の臭気物質を消臭剤で適切に捕獲できる。
本発明の吸収性物品は、(5)前記補助シートは、前記幅方向における前記吸収体の両端縁よりも外側に延在する、上記(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の吸収性物品、であってもよい。
幅方向において、尿が拡散しても、吸収体の両端縁よりも外側の領域へはほとんど到達せず、したがって吸収体の両端縁より外側の領域は尿とほとんど接触しない領域となる。本吸収性物品では、補助シートを幅方向における吸収体の両端縁よりも外側に延在するように、すなわち吸収体の両端縁よりも外側に拡がる広い領域で形成している。そのため、消臭剤は排尿点に比較的近いが、尿とほとんど接触せず、濡れ難く、かつ消臭剤の領域が広くなるので、消臭剤の消臭効果を高めて、尿の臭気物質を消臭剤で適切に捕獲できる。
本発明の吸収性物品は、(6)前記長手方向の一方は腹側方向であり、他方は背側方向であり、前記補助シートは、平面視において、少なくとも前記排尿領域よりも前記腹側方向に位置する、上記(1)乃至(5)のいずれか一項に記載の吸収性物品、であってもよい。
吸収性物品では股間部の幅方向の端部は漏れないように身体に密着させて装着されており、その密着度は非常に高い。そのため、排尿領域から逃げてくる臭気物質は腹側に限定されてくる。特に、着用者が仰向けに寝ている姿勢において、尿の臭気物質は吸収性物品と身体の腹部との間を通過し易い。本吸収性物品では、補助シートを排尿領域よりも腹側方向に配置するので、吸収性物品と身体の腹部との間を通過する臭気物質を効果的に捕獲することができる。また、着用者が仰向けに寝ている姿勢において、尿が排出されても、吸収体のパルプ繊維内の毛細管現象以外には尿は重力に逆らうことはできない。したがって、排尿領域よりも腹側方向に消臭剤を配置することで、消臭剤は排尿点に近いが、尿とほとんど接触せず、濡れ難くなる。したがって、消臭剤の消臭効果を減らさずに、消臭剤の消臭効果を的確に発揮でき、特に仰向けに寝ている着用者の感じる臭気を効果的に除去できる。
本発明の吸収性物品は、(7)前記吸収体は、前記長手方向の両端部の各々に前記幅方向の寸法が極小となる極小部分を有し、前記補助シートは、前記極小部分よりも前記長手方向の外側に位置する、上記(1)乃至(6)のいずれか一項に記載の吸収性物品、であってもよい。
尿が拡散しても、吸収体の極小部分より長手方向の外側の領域へはほとんど到達せず、したがって吸収体の極小部分より外側の領域は尿とほとんど接触しない領域となる。本吸収性物品では、補助シートを幅方向における極小部分の位置よりも長手方向の外側に配置する。そのため、消臭剤は排尿点に非常に近いが、尿とほとんど接触せず、濡れ難くなるので、消臭剤の消臭効果を減らさずに、尿の臭気物質を消臭剤で適切に捕獲できる。
本発明の吸収性物品は、(8)前記補助シートは、前記幅方向における前記吸収体の両端縁よりも外側に位置し、前記幅方向の吸収体の外側では前記厚さ方向において前記裏面シートと前記表面シートとの間に位置する、上記(1)に記載の吸収性物品、であってもよい。
幅方向において尿が拡散しても、吸収体の両端縁よりも外側の領域へほとんど到達せず、したがって吸収体の両端縁より外側の領域は尿とほとんど接触しない領域となる。本吸収性物品では、補助シートを幅方向における吸収体の両端縁よりも外側に位置するように形成する。そのため、消臭剤は排尿点に比較的近いが、尿とほとんど接触せず、濡れ難くなるので、消臭剤の消臭効果を減らさずに、尿の臭気物質を消臭剤で適切に捕獲できる。
本発明の吸収性物品は、(9)前記吸収体は、前記排尿領域PA1に形成され、前記厚さ方向に前記表面シート側から前記吸収体内部に延びる溝部を含む、上記(1)乃至(8)のいずれか一項に記載の吸収性物品、であってもよい。
本吸収性物品において、吸収体の排尿領域PA1に吸収体の内部へ延びる溝部が形成されている。そのため、尿が表面シート上の排尿領域PA1に排泄されたとき、その尿が表面シートを伝い周囲領域へ拡がって消臭剤を濡れさせてしまう前に、その尿の大部分を吸収体の溝部から吸収体内部へ移動・拡散させることができる。そのため、尿が周囲領域の消臭剤へ移動・拡散することを抑さえ、消臭剤の消臭効果の低下を抑制しつつ、尿を効率的に吸収体に吸収させることができる。それにより、吸収体による吸収効果と消臭剤による消臭効果とを両立させることができる。
本発明の吸収性物品は、(10)前記溝部は、前記排尿領域PA1における前記幅方向の中央部に形成され、前記長手方向に延び、前記厚さ方向に前記吸収体を貫通する貫通孔を含む、上記(9)に記載の吸収性物品、であってもよい。
本吸収性物品では、貫通孔が排尿領域PA1に形成され、長手方向に延び、厚さ方向に吸収体内部へ貫通するため、排尿領域PA1に排泄された尿が周囲領域の消臭剤へ拡がる前に、その大部分を迅速に吸収体の内部へ移動・拡散させることができる。それにより、消臭剤の消臭効果を維持することができる。
本発明の吸収性物品は、(11)前記長手方向の一方は腹側方向であり、他方は背側方向であり、前記貫通孔の前記腹側方向の腹側端部と前記吸収体の前記腹側方向の端部との距離は、前記溝部の前記背側方向の背側端部と前記吸収体の前記背側方向の端部との距離よりも短く、前記腹側端部の壁面が前記溝部内の底面に対して成す角は、前記背側端部の壁面が前記溝部内の底面に対して成す角よりも垂直に近い、上記(10)に記載の吸収性物品、であってもよい。
腹側端部の壁面は、背側端部の壁面よりも吸収体の端部に近いので、腹側端部から漏れ出た尿は、吸収体の端部に相対的に到着し易い。本吸収性物品では、腹側端部の壁面を、背側端部の壁面よりも、溝部内の底面に対して垂直に近く、より急峻にしている。そのため、腹側端部から吸収性物品の端部へ向かって尿を漏れ難くすることができる。それにより、貫通孔を介して尿を吸収体内部へより引き込み易くできる。その結果、吸収体を効果的に使用して吸収効果を高めることができる。また、貫通孔から尿が漏れる場合でも、腹側よりも背側にもれ易いため、吸収体の端部により到着し難くすることができる。
本発明の吸収性物品は、(12)前記長手方向の一方は腹側方向であり、他方は背側方向であり、前記貫通孔の前記幅方向の幅方向端部と、前記吸収体の前記幅方向の端部との距離は、前記貫通孔の前記腹側方向の腹側端部と前記吸収体の前記腹側方向の端部との距離、及び、前記貫通孔の前記背側方向の背側端部と前記吸収体の前記背側方向の端部との距離よりも短く、前記幅方向端部の壁面が前記貫通孔内の底面に対して成す角は、前記腹側端部の壁面が前記貫通孔内の底面に対して成す角、及び、前記背側端部の壁面が前記貫通孔内の底面に対して成す角よりも垂直に近い、上記(10)又は(11)に記載の吸収性物品、であってもよい。
幅方向端部の壁面は、腹側端部の壁面及び背側端部の壁面よりも吸収体の端部に近いので、幅方向端部から漏れ出た尿は、吸収体の端部に相対的に到着し易い。本吸収性物品では、幅方向端部の壁面を、腹側端部の壁面及び背側端部の壁面よりも、貫通孔内の底面に対して垂直に近く、より急峻にしている。そのため、幅方向端部から吸収体の端部へ向かって尿を漏れ難くすることができる。尿をより吸収体の内部へ引き込むことができる。それにより、尿を漏らすことなく、吸収体をその容量の限界のより近くまで使用できる。一方、本吸収性物品では、腹側端部の壁面及び背側端部の壁面を、貫通孔内の底面に対してより緩やかにしている。そのため排尿領域PA1に排泄された尿を引き込み易くできる。
本発明の吸収性物品は、(13)前記吸収体は、肌側に位置する上層吸収体と、非肌側に位置する下層吸収体と、を含み、前記溝部は、前記排尿領域PA1における前記幅方向の中央部に形成され、前記長手方向に延び、前記厚さ方向に前記上層吸収体を貫通する貫通孔を含む、上記(9)に記載の吸収性物品、であってもよい。
本吸収性物品では、溝部が上層吸収体を貫通する上層貫通孔を少なくとも有している。そのため、尿が表面シート上の排尿領域PA1に排泄されたとき、その尿が上層吸収体の肌側表面の周囲領域へ拡がって消臭剤を濡れさせてしまう前に、その尿の大部分を下層吸収体の内部へ上層貫通孔を介して移動させることができる。そのため、尿が周囲領域の消臭剤へ移動することを抑制できる。それと共に、下層吸収体の内部を移動した尿が肌側へ移動しようとする場合でも、下層吸収体の肌側には上層吸収体が配置されているため、補助シートの消臭剤への尿の移動を上層吸収体により抑制することができる。それらにより吸収体での吸収効果を維持しつつ、消臭剤の消臭効果を維持することができる。
本発明によれば、吸収体による吸収効果と消臭剤による消臭効果とを両立させることが可能な吸収性物品を提供することができる。
以下、実施の形態に係る吸収性物品について、図面を参照して説明する。本実施の形態では、吸収性物品の例として軽失禁パッドについて説明する。したがって、本実施の形態では、吸収性物品の吸収対象である排泄物は尿である。ただし、本発明の吸収性物品の種類及び用途は特に限定されるものではなく、パンティライナー、生理用ナプキン、使い捨ておむつ(テープ型、パンツ型)のような吸収性物品に適用することができる。
図1〜図4は本実施の形態に係る吸収性物品100(尿取りパッド)の構成を示している。ただし、図1は吸収性物品100を肌側から見た平面図であり、図2は吸収性物品100の主要部の分解斜視図であり、図3は図1のIII−III断面図であり、図4は図1のIV−IV断面図である。吸収性物品100は、長手方向L、幅方向W及び厚さ方向Tを有し、幅方向Wの中心を通り、長手方向Lに延びる中央軸線CLと、長手方向Lの股間部(後述)の中心を通り、幅方向Wに延びる中央軸線CWを更に有する。中央軸線CLに向かう方向及び遠ざかる方向を、それぞれ幅方向Wの内側及び外側の方向とし、中央軸線CWに向かう方向及び遠ざかる方向を、長手方向Lの内側及び外側の方向とする。また、図1において、向って上方を長手方向Lの前方側又は腹側とし、向って下方を長手方向Lの後方側又は背側とする。また、本明細書において、吸収性物品100を上面側又は下面側から厚さ方向に見ることを単に「平面視」という。「肌側」及び「非肌側」とは、吸収性物品100の着用者が吸収性物品100を着用したとき、厚さ方向Tにおいて相対的に着用者の肌面に近い側及び遠い側をそれぞれ意味する。
図1及び図2に示すように、吸収性物品100は、長手方向Lに沿って並ぶ腹側部111、股間部112及び背側部113を有し、平面視にて、股間部112の長手方向Lの略中央が幅方向Wにくびれ、腹側部111及び背側部113の長手方向Lの略中央部が幅方向Wに膨らんだ瓢箪形状を有する。吸収性物品100が着用されるとき、腹側部111は着用者の腹部に当てられ、股間部112は着用者の股間部に当てられ、背側部113は着用者の尻部及び/又は背部に当てられる。ただし、腹側部111及び背側部113と股間部112との境界は例えば以下のように設定される。中央軸線CLの幅方向Wの片側について考える。股間部112における幅方向Wの中央軸線CLからの最小距離を基準として、その最小距離の120%〜140%の距離だけ中央軸線CLから離れた位置を通る長手方向Lに沿った直線が、吸収性物品1の外形線と交差する位置を境界と設定する。吸収性物品100では、例えば長手方向Lの寸法は350〜880mmであり、幅方向Wの寸法は160〜460mmである。
吸収性物品100のうち、着用者の排尿部に接する領域(又は着用者から尿が排泄される領域)を排尿領域PA1とする。排尿領域PA1は、着用者の性別・世代や吸収性物品の種類に応じて適宜設定され得るが、排尿領域PA1の大よその範囲として、例えば幅方向Wでは股間部112を略三等分したうちの中央の範囲であり、長手方向Lでは股間部112の概ね全範囲ということができる。排尿領域PA1の形状としては、矩形、多角形、楕円形など任意の形状とし得るが、本実施の形態では矩形形状とする。吸収性物品100のうちの排尿領域PA1を除いた領域、すなわち排尿領域PA1の周囲の領域を周囲領域PA2とする。排尿領域PA1では、例えば上記吸収性物品100の寸法に対応して長手方向Lの寸法は50〜200mmであり、幅方向Wの寸法は30〜80mmである。
吸収性物品100は、表面シート120と、補助シート144と、吸収体140と、裏面シート130と、を備える。なお、吸収性物品100の長手方向L、幅方向W及び厚さ方向T、肌側及び非肌側は、表面シート120、補助シート144、吸収体140、及び裏面シート130と一致する。よって、表面シート120、補助シート144、吸収体140、及び裏面シート130においても吸収性物品100と同様に長手方向L、幅方向W及び厚さ方向T、肌側及び非肌側を用いる。
表面シート120は、厚さ方向Tにおいて肌側に位置する液透過性のシートであり、本実施の形態では中央シート122と一対のサイドシート121とを含んでいる。中央シート122は、長手方向Lに沿って延設され、幅方向の中央に位置する液透過性シートである。中央シート122は、本実施の形態では矩形形状であるが、吸収性物品100と同じ瓢箪形状でもよい。中央シート122としては、例えば液透過性の不織布や織布、液透過孔が形成された合成樹脂フィルム、これらの複合シートなど、任意の液透過性シートが挙げられる。一対のサイドシート121は、長手方向Lに沿って延設され、中央シート122の幅方向Wの両側に位置し、一対の防漏壁160を構成する疎水性のシートである。一対のサイドシート121は、吸収性物品100の瓢箪形状の幅方向Wの両側部分の形状(例示:瓢箪形状の幅方向一端側の約1/3の部分及び他端側の1/3の部分)を有する。サイドシート121としては、例えば疎水性の不織布や合成樹脂フィルム、不織布と合成樹脂フィルムとの複合シートなど、任意の疎水性シートが挙げられる。
補助シート144は、厚さ方向Tにおいて表面シート120の非肌側、すなわち吸収体140と表面シート120との間に存在する液透過性のシートであり、排泄物の臭気を消すための消臭剤を含む。表面シート120の非肌側にあり肌に直接触れないことで消臭剤が汗で濡れるのを抑制できる。補助シート144は、本実施の形態では略矩形形状を有する。ただし補助シート144の排尿領域PA1に対応する位置には、排尿領域PA1と重なるように、又は排尿領域PA1を含むように所定形状の孔部145が形成され、排泄物が肌側から非肌側へ透過し易くなっている。ここで補助シート144の形状は、孔部145が形成されている限り任意であり、後述されるような種々のバリエーションがあり得る。また、孔部145の所定形状は矩形、多角形、楕円形など任意の形状を採用できるが、本実施の形態では矩形形状であり、排尿領域PA1と重なっている。消臭剤を含むシートとしては、例えばパルプ等の天然繊維やポリエチレン等の合成繊維と消臭剤とを用いて作製された混抄紙が挙げられる。消臭剤としては、公知の材料を用いることができ、例えば、活性炭、ゼオライト、シリカゲル、アルミナ、多孔質ガラスなどが挙げられる。
補助シート144の厚さ、坪量等は補助シート144の消臭機能等を考慮して適宜調整される。例えば十分な量の消臭剤を保持させる観点から、補助シート144の厚さの下限は0.1mmが好ましく、0.2mmがより好ましく、0.4mmが更に好ましい。吸収性物品100の軟らかさなど取り扱いの容易さの観点から、補助シート144の厚さの上限は10mmであることが好ましく、5mmであることが余好ましく、1mmであることが更に好ましい。消臭機能を十分に発揮させる観点から、補助シート144の坪量の下限は1g/m2であることが好ましく、10g/m2であることがより好ましく、20g/m2であることが更に好ましい。吸収性物品100の質量や軟らかさなど取り扱いの容易さの観点から、補助シート144の坪量の上限は80g/m2であることが好ましく、60g/m2であることがより好ましく、50g/m2であることが更に好ましい。補助シート144の厚さの測定は、例えば吸収性物品の補助シートから切り出した100mm×100mmの補助シート試料と、市販の厚さ測定器(例示:PEACOCK社製JA257,測定面50mm(直径)、測定圧3g/cm2)とを使用して、次のように行う。厚さ測定器により、補助シート資料の異なる5つの部位を定圧3g/cm2で加圧し、各部位における加圧10秒後の厚みを測定し、5つの測定値の平均値を厚み(mm)とする。補助シート144の坪量の測定は、例えば次ように行う。吸収性物品の補助シートから切り出された3個の試験片(10mm×10mm)の質量を直示天秤(例示:研精工業株式会社製 電子天秤HF−300)で測定し、3個の試験片の質量の平均値から算出された補助シートの単位面積当たりの質量(g/m2)を、補助シートの坪量とする。
本実施の形態では、補助シート144は吸収体140と表面シート120との間に存在するとしているが、これは補助シート144と吸収体140との関係でいうと、補助シート144は厚さ方向Tにおいて吸収体140よりも肌側に配置することを意味している。補助シート144を、尿が吸収され臭気の発生源となる吸収体140よりも肌側に近づけるためである。ここで、吸収性物品100の縁部において、吸収体140の存在しない領域における表面シート120と裏面シート130との間に補助シート144を配置することは、厚さ方向Tにおいて吸収体140よりも肌側に配置するともいえるので、本実施の形態では、吸収体140と表面シート120との間に配置するとみなす。
吸収体140は、厚さ方向Tにおいて表面シート120と裏面シート130との間であって、補助シート144の非肌側に位置する液吸収性及び液保持性を有する部材である。本実施の形態では、吸収体140は、肌側に位置する上層シート140cと、上層シート140cの非肌側に位置する上層吸収体140aと、上層吸収体140aの非肌側に位置する下層吸収体140bとを含んでいる。ただし、下層吸収体140bは、吸収性コアとその吸収性コアを包む被覆シートとから形成されていてもよい。平面視で、上層シート140cは上層吸収体140aと概ね同じ大きさであり、上層吸収体140aは下層吸収体140bよりも一回り大きい。上層吸収体140a及び下層吸収体140bの材料としては、例えばパルプ繊維、合成繊維、高分子吸収体などが挙げられる。上層シート140cや被覆シートの材料としては、例えば不織布やティッシュが挙げられる。なお、上層シート140cは無くてもよい。吸収体140は上層吸収体140a及び下層吸収体140bのような二層でなくてもよく三層以上であっても、一層であってもよい。
上層吸収体140a及び下層吸収体140bの厚さ、坪量等は吸収体140の吸液性能等を考慮して適宜調整される。例えば上層吸収体140aの厚さは通常1.5〜5.0mm、好ましくは2.5〜3.5mmであり、坪量は通常150〜400g/m2、好ましくは200〜300g/m2である。下層吸収体140bの厚さは通常1.5〜5.0mm、好ましくは2.5〜3.5mmであり、坪量は通常150〜400g/m2、好ましくは200〜300g/m2である。吸収体の厚さの測定は、例えば吸収性物品から切り出した100mm×100mmの吸収体試料と、市販の厚さ測定器(例示:PEACOCK社製JA257,測定面50mm(直径)、測定圧3g/cm2)とを使用して、次のように行う。厚さ測定器により、吸収体試料の異なる5つの部位を定圧3g/cm2で加圧し、各部位における加圧10秒後の厚みを測定し、5つの測定値の平均値を厚み(mm)とする。吸収体の坪量の測定は、例えば次のように行う。吸収体から切り出された3個の試験片(10mm×10mm)の質量を直示天秤(例示:研精工業株式会社製 電子天秤HF−300)で測定し、3個の試験片の質量の平均値から算出された吸収体の単位面積当たりの質量(g/m2)を、吸収体の坪量とする。
裏面シート130は厚さ方向Tで非肌側に位置する液不透過性のシートである。裏面シート130としては、例えば液不透過性の不織布や合成樹脂フィルム、不織布と合成樹脂フィルムとの複合シート、SMS不織布など、任意の液不透過性シートが挙げられる。
本実施の形態では、吸収性物品100は一対の防漏壁160、160と、外装シート170と、を更に備える。一対の防漏壁160、160は、表面シート120の一対のサイドシート121の幅方向Wの内側の部分であり、長手方向Lに延在している。防漏壁160の幅方向Wの外側の端縁部は、表面シート120に固定された固定端160aであり、内側の端縁部は自由端である。その固定端160aは、中央シート122とサイドシート121とが接合している接合部の端部でもある。一対の防漏壁160、160は、それぞれ自由端に長手方向Lに沿って延びる弾性部材(図示されず)を有し、それにより着用時に肌側に立ち上がる。外装シート170は、裏面シート130の非肌側に位置する液不透過性のシートである(図1、図2で図示省略)。外装シート170の材料に特に制限はなく、例えば裏面シート130の材料が挙げられる。
表面シート120と補助シート144との間、補助シート144と吸収体140との間、吸収体140と裏面シート130との間、及び裏面シート130と外装シート170との間は、それぞれ互いに所定パターンの接着剤(図示されず)により接合される。中央シート122とサイドシート121との間は、互いに所定パターン(図示されず)により接合される。上層シート140cと上層吸収体140aとの間、及び上層吸収体140aと下層吸収体140bとの間は、それぞれ互いに所定パターンの接着剤(図示されず)により接合される。表面シート120と裏面シート130とはそれらの周縁部分にて互いに所定パターンの接着剤(図示されず)により接合される。表面シート120と外装シート170とはそれらの周縁部分にて互いに所定パターンの接着剤(図示されず)により接合される。接着剤の坪量(g/m2)は、資材や性能等を考慮して適宜調整される。坪量は例えば0.5〜50g/m2、好ましくは1〜20g/m2である。接着剤の坪量は、吸収性物品100における所定面積の資材(表面シート120、裏面シート130、吸収体140など)に塗布される接着剤の塗布量(質量)を、その所定面積で除算して算出される。
本実施の形態では、上層吸収体140aは、平面視で、長手方向Lに長く、股間部112における長手方向Lの略中央がくびれた略瓢箪形の形状を有する。下層吸収体140bは平面視で長手方向Lに長く、幅方向Wが短い略矩形状を有する。ただし、下層吸収体140bにおいて、長手方向Lの寸法は上層吸収体140aの長手方向Lの寸法よりも短く、幅方向Wの寸法は上層吸収体140aの幅方向Wの寸法よりも短い。したがって、上層吸収体140aの長手方向Lの両端縁は下層吸収体140bの長手方向Lの両端縁よりも長手方向Lの外側に位置しており、よって上層吸収体140aは下層吸収体140bよりも長手方向Lの両側に広く形成されている。また、上層吸収体140aの幅方向Wの両端縁は、下層吸収体140bの幅方向Wの両端縁よりも長手方向Lの外側に位置しており、よって上層吸収体140aは下層吸収体140bよりも幅方向Wの両側に広く形成されている。すなわち、上層吸収体140aは下層吸収体140bよりも一回り大きく形成されている。また、上層シート140cは平面視で長手方向Lが長く、幅方向Wの寸法が短い。ただし、上層シート140cの長手方向Lの寸法は上層吸収体140aの長手方向Lの寸法と同じで、幅方向Wの寸法は上層吸収体140aの幅方向Wの股間部112の寸法よりも長く、腹側部111及び背側部113の寸法よりも短い略矩形状である。なお、吸収体140の各構成の平面視の形状は任意である。
補助シート144は、本実施の形態では、平面視で、吸収体140の上層シート140cに対して全体に一回り大きい略矩形形状を有し、それにより吸収体140の肌側の概ね全面を覆う。一方、補助シート144の排尿領域PA1の孔部145は、排尿領域PA1とほぼ同じ大きさを有し、それにより排尿領域PA1に補助シート144、すなわち消臭剤が存在しないようになっている。したがって、消臭剤は、臭気が発生する尿を含む吸収体140により近い、吸収体140と表面シート120との間の位置であって排尿点に比較的近い周囲領域PA2に位置しており、排尿点に最も近い排尿領域PA1には位置していない。そのため、尿が排泄されたとき、尿は主に排尿領域PA1の範囲内に拡がりながら、補助シート144内の孔部145を通り、すなわち消臭剤に邪魔されずに、吸収体140内部へ移動・拡散することができ、吸収されることができる。それにより、補助シート144の消臭剤が尿の吸収体140への移動を妨げて、吸収体140の吸収効果を低下させるという事態を抑制できる。それと共に、補助シート144の周囲領域PA2の消臭剤が尿で濡れることを抑制でき、それにより消臭剤が尿で濡れて消臭効果が低下する事態を抑制できる。そのとき、消臭剤を含む補助シート144は、表面シート120よりも非肌側に配置されているので、着用者の肌面からの汗が補助シート144に到達し難くなり、汗により消臭剤が濡れてしまい消臭剤の消臭効果が低下する事態を抑制できる。それらにより、消臭剤で気相中の臭気物質を容易に捕獲することができる。以上のようにして、本吸収性物品100では吸収体140による吸収効果と消臭剤による消臭効果とを両立させることができる。
吸収体140では、図2及び図3に示すように、上層吸収体140aは肌側から非肌側に向かって厚さ方向Tに窪んだ溝部を有する。その溝部は、本実施の形態では上層吸収体140aを厚さ方向Tに貫通する貫通孔141aである。貫通孔141aは、吸収性物品100の股間部112に位置すると共に、吸収体140の幅方向Wの中心を通って長手方向Lに延在する。すなわち、貫通孔141aは排尿領域PA1内に形成される。それにより、排泄された尿が表面シート120上を周囲領域PA2へ拡散する前に、すなわち補助シート144の消臭剤を汚す前に、その尿を、貫通孔141aを介して下層吸収体140bの内部へ引き込むことができる。特に、本実施の形態では、溝部が貫通孔141aであるので、尿をより素早く下層吸収体140bの内部へ引き込むことができる。また、上層吸収体140aは下層吸収体140bよりも一回り大きいので、下層吸収体140bに引き込んで吸わせた尿の肌側への液戻りを上層吸収体140aで防いで、補助シート144が非肌側から濡れることを抑制できる。
本実施の形態では、貫通孔141aが貫通孔であり、更に下層吸収体140bは肌側から非肌側に向かって厚さ方向Tに窪んだ溝部を有する。その溝部は、本実施の形態では下層吸収体140bを厚さ方向Tに貫通する貫通孔141bである。貫通孔141bは、吸収性物品100の股間部112に位置すると共に、吸収体140の幅方向Wの中心を通って長手方向Lに延在する。すなわち、貫通孔141bは排尿領域PA1内に形成される。また、貫通孔141a及び貫通孔141bは、平面視で少なくとも一部が重なるように形成される。それにより、排泄された尿が上層吸収体140aの貫通孔141aを介して下層吸収体140bに達したとき、その尿を、貫通孔141bを介して下層吸収体140bの更に内部へ引き込むことができる。特に、本実施の形態では、溝部が貫通孔141bであるため、尿をより素早く下層吸収体140bのより内部へ引き込むことができる。尿を下層吸収体140bに引き込み、下層吸収体140bで尿を吸わせることで上層吸収体140aへの液戻りを防いで、さらっと感を維持する、すなわちリウェットバックを減らすことができ、かつ補助シート144が非肌側から濡れることを抑制できる。
貫通孔141a及び貫通孔141bの平面視での長手方向L及び幅方向Wの寸法等は、上層吸収体140a及び下層吸収体140bの大きさ等を考慮し適宜調整される。貫通孔141aの幅方向Wの寸法は通常5.0〜50mm、好ましくは10〜20mmである。貫通孔141bの幅方向Wの寸法は、貫通孔141aの幅方向Wの寸法と等しいか又はそれよりも狭く、通常5.0〜40mm、好ましくは10〜15mmである。貫通孔141aの長手方向Lの寸法は通常50〜300mm、好ましくは50〜200mm、さらに好ましくは50〜150mmである。貫通孔141bの長さは、貫通孔141aの長手方向Lの寸法と等しいか又はそれよりも短く、通常30〜250mm、好ましくは30〜150mmである。貫通孔141aの幅方向W及び長手方向Lの寸法が、貫通孔141bの幅方向Wの寸法及び長手方向Lの寸法と等しいか又はそれよりも大きいことにより、上層吸収体140a及び下層吸収体140bを積層する工程で多少のずれが生じたとしても、吸収体140の表面シート120側表面からみた貫通孔141の大きさがほぼ一定に保たれる。また、貫通孔141の内壁面に段差が生じ、貫通孔141の内表面積が大きくなるので、貫通孔141が形成された部分における吸収体140の尿の吸収性能が向上する。
本実施の形態では、吸収体140の排尿領域PA1に吸収体140の内部へ延びる溝部(又は、貫通孔141a、貫通孔141a)が形成されている。そのため、尿が表面シート120上の排尿領域PA1に排泄されたとき、その尿が表面シート120を伝い周囲領域PA2へ拡がって補助シート144上の消臭剤を濡れさせてしまう前に、その尿の大部分を吸収体140の溝部から吸収体140内部へ移動・拡散させることができる。そのため、尿が周囲領域PA2の消臭剤へ移動・拡散することを抑さえ、消臭剤の消臭効果の低下を抑制しつつ、尿を効率的に吸収体140に吸収させることができる。それにより、吸収体による吸収効果と消臭剤による消臭効果とを両立させることができる。
吸収体140は更に圧搾部142、143を有する。圧搾部142、143は、股間部112の排尿領域PA1内において、貫通孔141の幅方向Wの両外側に、長手方向Lに沿って延在する。圧搾部142、143は上層吸収体140a及び下層吸収体140bを厚さ方向Tに圧搾することで形成される。すなわち、圧搾部142、143は、エンボス処理によって形成され、表面シート120側に開口部を有する凹部である。圧搾部142、143により、尿が表面シート120上の排尿領域PA1に排泄されたとき、表面シート120を幅方向Wに拡がって周囲領域PA2に到達することを抑制できる。そして排尿領域PA1の幅方向W両側の補助シート144上の消臭剤が尿で濡れてしまう前に、その尿の大部分を圧搾部142、143から吸収体140内部へ移動・拡散できる。
上記の貫通孔141及び圧搾部142、143は、尿が表面シート120上を外側に向かって移動して外部に漏れることを予防するために、尿を吸収体140内へ引き込むべく設けられていると見ることができる。したがって、本実施の形態の排尿領域PA1は、貫通孔141及び圧搾部142、143を含む領域ということもできる。例えば、排尿領域PA1の長手方向Lの長さとしては、貫通孔141の長手方向Lの寸法を前側及び後側に10%〜30%程度の伸ばした寸法が挙げられる。排尿領域PA1の幅方向Wの長さとしては、圧搾部142から圧搾部143までの幅方向Wの寸法を両外側に10%〜30%程度の伸ばした寸法が挙げられる。
吸収性物品100の補助シート144の形状、すなわち消臭剤の配置領域については、図1から図4の例に限定されず、孔部145を有する限り任意であり、種々のバリエーションがあり得る。以下、補助シートの形状(消臭剤の配置領域)のバリエーションの例を、図5〜図11を参照して説明する。ただし図5〜図11では分り易さのために表面シート120よりも非肌側にある(表面シート120の下に隠れている)補助シート144、144a〜144eを実線の図形及びその図形を埋めるハッチング線で明示している。
図5は吸収性物品100の消臭剤の配置領域(補助シート144の形状)の一例を示す模式図である。この例では、補助シート144は、平面視で排尿領域PA1を除いた全領域に存在する。言い換えると、消臭剤は、平面視で排尿領域PA1を除いた全領域に配置される。この場合、消臭剤の量が極めて多いため消臭効果が極めて高くなる。
図6は吸収性物品100の消臭剤の配置領域(補助シート144aの形状)の他の例を示す模式図である。吸収体140(上層吸収体140aと下層吸収体140bとを合わせたもの)は、長手方向Lの中央部分、すなわち股間部112に幅方向Wの寸法が最小となる最小部分140as1を有している。この例では、補助シート144aは、その最小部分140as1の両端縁を通り、長手方向Lに沿って延びる仮想線MWよりも幅方向Wの外側に位置する。尿が拡散しても、吸収体140の最小部分140as1より幅方向Wの外側の領域へはほとんど到達せず、したがって吸収体140の最小部分140as1より外側の領域は尿とほとんど接触しない領域となる。例えば、150〜300ml程度の尿であれば、拡散が最小部分140as1より幅方向Wの外側の領域まで拡がる前に厚さ方向Tに移動し、吸収体内140内を拡散するため、消臭剤が配置されている周囲領域PA2にはほとんど到達していない。したがって、この例では、補助シート144aを最小部分140as1の位置よりも外側(仮想線MWの外側)に配置する。そのため、消臭剤は排尿点に非常に近いが、尿が吸収体140内を拡散するため、尿とほとんど接触せず、濡れ難くなるので、消臭剤の消臭効果を減らさずに、尿の臭気物質を消臭剤で適切に捕獲することができる。なお、吸収体140(上層吸収体140a、下層吸収体140b)の形状により、幅方向Wの寸法が最小となる最小部分は図6の場合とは異なる場合があり得る。また、最小部分として、上層吸収体140aにおける幅方向Wの寸法が最小となる部分を選択してもよいし、下層吸収体140bにおける幅方向Wの寸法が最小となる部分を選択してもよい。
図7は、吸収性物品100の消臭剤の配置領域(補助シート144bの形状)の更に他の例を示す模式図である。吸収性物品100は、包装時には、吸収性物品100の幅方向Wの両端部に設定され、長手方向Lに沿って延びる折り線FLの位置で、幅方向Wの両端部が中央部に折り畳まれている。折り線FLは、幅方向Wにおける排尿領域PA1の両端縁それぞれよりも外側、好ましくは最小部分140as1の両端縁それぞれよりも外側の所定位置を通るように設定される。この例では、補助シート144bは、幅方向Wにおける折り線FLよりも幅方向Wの外側に位置する。吸収性物品1が包装され、折り線FLよりも幅方向W外側の部分が、折り線FLに沿って折り線FLよりも内側の中央部分の上に折り畳まれる。そのとき、折り線FLの部分は折り溝が形成される。このように肌面側に折り溝が付くことにより、折り溝よりも幅方向Wの外側の部分が厚さ方向Tに起立して壁のようになり、吸収性物品1の全体としては長手方向Lから見て略U字型の形状を維持することができる。これにより、幅方向Wの外側へ尿が流れてきたとしても、折り溝よりも幅方向Wの外側の部分には傾斜がついているため、流れてきた尿が幅方向Wの外側にそれ以上拡がることを抑制できる。さらに、折り溝よりも幅方向Wの外側の部分は壁のようになっているため、尿から発生した臭気物質が幅方向Wの外側に拡がろうとした際に、その壁のような部分に沿って移動するため消臭剤と接触し易くすることができる。このように、本吸収性物品100は、消臭剤が濡れず、すなわち、消臭剤の消臭効果を減らさず、尿の臭気物質を消臭剤で適切に捕獲できる。
図8は、吸収性物品100の消臭剤の配置領域(補助シート144bの形状)の更に他の例を示す模式図である。この例では、補助シート144bは、平面視で、中央シート122と一対のサイドシート121とが接合している一対の接合部における幅方向Wの内側の端部(固定端160a)よりも、幅方向Wの両外側に位置する。着用者が横向きで寝ている姿勢において、尿は表面シート120上を伝う可能性が高い。したがって、この例では、補助シート144bを、接合部における幅方向Wの内側の端部、すなわち防漏壁160の固定端160aの位置よりも外側に配置する。その理由は以下のとおりである。サイドシート121は疎水性シート(例示:疎水性不織布)で形成されているため、サイドシート121へ尿のような液体が伝ってきたとき、固定端160a付近よりも幅方向Wの外側のサイドシート121上には液体が載ることはあっても、サイドシート121が液体を吸いこむことがない。それゆえ、消臭剤が固定端160aよりも外側に配置されていれば、液体がサイドシート121の肌面側から厚み方向Tに流れてくる可能性は低くなる。それにより、消臭剤の配置された領域を濡れ難い環境に維持できる。そのため、着用者が横向きで寝ているときに尿の伝達が止まる固定端160aより外側に消臭剤が配置される。したがって、消臭剤は尿に極めて近いが、尿とほとんど接触せず、濡れ難くなるので、消臭剤の消臭効果を減らさずに、尿の臭気物質を消臭剤で適切に捕獲することができる。
図9は、吸収性物品100の消臭剤の配置領域(補助シート144cの形状)の更に他の例を示す模式図である。この例では、補助シート144cは、幅方向Wにおける吸収体140(上層吸収体140aと下層吸収体140bとを合わせたもの)の両端縁よりも外側に位置しており、更に長手方向Lの両端縁よりも外側に位置してもよい。幅方向W及び長手方向Lの吸収体140の外側では厚さ方向Tにおいて裏面シート130と表面シート120との間に位置する。幅方向W及び/又は長手方向Lにおいて、尿が拡散しても、吸収体140の端縁よりも外側の領域へはほとんど到達せず、したがって吸収体140の端縁より外側の領域は尿とほとんど接触しない領域となる。この例では、補助シート144cを幅方向W及び/又は長手方向Lにおける吸収体140の端縁よりも外側に位置するように形成する。そのため消臭剤は排尿点に比較的近いが、尿とほとんど接触せず、濡れ難くなるので、消臭剤の消臭効果を減らさずに尿の臭気物質を消臭剤で適切に捕獲できる。
図10は、吸収性物品100の消臭剤の配置領域(補助シート144dの形状)の更に他の例を示す模式図である。この例では、吸収体140(上層吸収体140aと下層吸収体140bとを合わせたもの)は、長手方向Lの両端部の各々に幅方向の寸法が極小となる極小部分140as2、140as3を有しており、補助シート144dは、極小部分140as2、140as3よりも長手方向Lの外側に位置する。尿が拡散しても、吸収体140の極小部分140as2、140as3より長手方向Lの外側の領域へはほとんど到達せず、したがって極小部分140as2、140as3より外側の領域は尿とほとんど接触しない領域となる。この例では補助シート144dを極小部分1140as2、140as3の位置よりも長手方向Lの外側に配置する。そのため消臭剤は排尿点に非常に近いが、尿とほとんど接触せず、濡れ難くなるので、消臭剤の消臭効果を減らさずに、尿の臭気物質を消臭剤で適切に捕獲できる。なお、補助シート144dを極小部分140as2、140as3のいずれか一方よりも長手方向Lの外側に配置してもよい。
図11は、吸収性物品100の消臭剤の配置領域(補助シート144eの形状)の更に他の例を示す模式図である。この例では、補助シート144eは、平面視で、少なくとも排尿領域PA1よりも腹側方向(腹側部111の方向)に位置する。吸収性パッドなどの吸収性物品1、股間部112の幅方向Wの端部は漏れないように身体に密着させて装着され、その密着度は非常に高い。例えば吸収性パッドは非肌面側にパンツ型おむつもしくはテープ型おむつをつけた状態で使用することになり、その密着度は極めて高い。そのため、排尿領域から逃げてくる臭気物質は腹側に限定されてくる。特に、着用者が仰向けに寝ている姿勢において、尿の臭気物質は吸収性物品100と身体の腹部との間を通過し易い。この例では、補助シート144eを排尿領域PA1よりも腹側方向(腹側部111の方向)に配置するので、吸収性物品100と身体の腹部との間を通過する臭気物質を効果的に捕獲することができる。また、着用者が仰向けに寝ている姿勢において、尿が排出されても、吸収体140のパルプ繊維内の毛細管現象以外には尿は重力に逆らうことはできない。したがって、排尿領域PA1よりも腹側方向に消臭剤を配置することで、消臭剤は排尿点に近いが、尿とほとんど接触せず、濡れ難くなる。したがって、消臭剤の消臭効果を減らさずに、消臭剤の消臭効果を的確に発揮でき、特に仰向けに寝ている着用者の感じる臭気を効果的に除去できる。
また、上記図1、図5〜図8、図10〜図11では、各補助シートは幅方向W及び/又は長手方向Lにおける吸収体140の端縁の内側から外側へ延在している。吸収体140の外側の端縁よりも外側に拡がる広い領域で補助シートを形成することで、消臭剤は排尿点に比較的近いが、尿とほとんど接触せず、濡れ難く、かつ消臭剤の領域が広くなるので、消臭剤の消臭効果を高めて、尿の臭気物質を消臭剤で適切に捕獲することができる。
なお、上記図6〜図11においては各補助シート144a〜144eは図示された領域の形状を有するとして説明したが、本実施の形態はその例に限定されない。例えば、補助シートは平面視で吸収性物品100と同じ瓢箪形状のシートであって、図6〜図11で補助シート144a〜144eとして示す領域のみに消臭剤が配置されたシートでもよい。
次に、吸収体140の貫通孔141について更に説明する。
図12及び図13は、吸収体140の貫通孔141及びその周辺部分について、長手方向Lに沿い幅方向Wに垂直な断面図及び幅方向Wに沿い長手方向Lに垂直な断面図をそれぞれ模式的に示している。これらの図において、上層シート140cの記載を省略している。ここで、貫通孔141aは、長手方向Lに沿い幅方向Wに対面配置された壁面SU1、SU2と、幅方向Wに沿い長手方向Lに対面配置された前側(腹側)の壁面FWU及び後側(背側)の壁面BWUと、を備える。また、貫通孔141bは、長手方向Lに沿い幅方向Wに対面配置された壁面SL1、SL2と、幅方向Wに沿い長手方向Lに対面配置された前側(腹側)の壁面FWL及び後側(背側)の壁面BWLと、を備える。ただし、図12において、長手方向Lの左側が前側(腹側)であり、右側が後側(背側)である。また、貫通孔141aの底面BUは、貫通孔141aが貫通孔の場合には、上層吸収体140aの非肌側の面を貫通孔に仮想的に延長させた平面とする。同様に、貫通孔141bの底面BLは、貫通孔141bが貫通孔の場合には、下層吸収体140bの非肌側の面を貫通孔に仮想的に延長させた平面とする。したがって底面BU、BLは互いに平行である。
図1及び図12から分るように、貫通孔141bの腹側方向の端部である下層腹側端部LL1と吸収性物品100の腹側方向の端部との距離は、貫通孔141bの背側方向の端部である下層背側端部LL2と吸収性物品100の背側方向の端部との距離よりも短い。そこで本実施の形態では、図12に示すように、下層腹側端部LL1の壁面FWLが貫通孔141b内の底面BLに対して成す角β1が、下層背側端部LL2の壁面BWLが貫通孔141b内の底面BLに対して成す角β2よりも底面BLに対して垂直に近く、すなわちより急峻にしている。ここで、下層腹側端部LL1から漏れ出た尿は、貫通孔141aを介して吸収性物品100の腹側方向の端部に相対的に到着し易い。しかし、上記構成を有することで、下層腹側端部LL1から貫通孔141aを介して吸収性物品100の腹側方向の端部へ向かって尿を漏れ難くすることができる。それにより、尿をより下層吸収体140bの内部へ引き込むことができ、尿を周囲領域PA2へ漏らし難くできる。
また、図1及び図12から分るように、貫通孔141aの腹側方向の端部である上層腹側端部LU1と吸収性物品100の腹側方向の端部との距離は、貫通孔141aの背側方向の端部である上層背側端部LU2と吸収性物品100の背側方向の端部との距離よりも短い。そこで本実施の形態では図12に示すように、上層腹側端部LU1の壁面FWUが貫通孔141a内の底面BLに対して成す角α1が、上層背側端部LU2の壁面BWUが貫通孔141a内の底面BLに対して成す角α2よりも底面BUに対して垂直に近く、より急峻にしている。ここで、上層腹側端部LU1から漏れ出た尿は、吸収性物品100の腹側方向の端部に相対的に到着し易い。しかし、上記構成を有することで、上層腹側端部LU1から吸収性物品100の腹側方向の端部へ向かって尿を漏れ難くすることができる。それにより、尿をより下層吸収体140bの内部へ引き込むことができ、尿を周囲領域PA2へ漏らし難くできる。
本実施の形態では、図12及び図13に示すように、貫通孔141bの壁面FWL、BWL、SL1、SL2が貫通孔141b内の底面BLに対して成す角β1、β2、β3、β4は、貫通孔141aの壁面FWU、BWU、SU1、SU2が貫通孔141a内の底面BUに対して成す角α1、α2、α3、α4よりも底面BU、BLに対して垂直に近く、より急峻にしている。言い換えると、貫通孔141aの壁面FWU、BWU、SU1、SU2を貫通孔141bの壁面FWL、BWL、SL1、SL2よりも貫通孔141内の底面BL、BUに対してより緩やかにしている。したがって、上記構成を有すると、貫通孔141aの壁面FWU、BWU、SU1、SU2が緩やかなので、貫通孔141aを介して尿を貫通孔141bへより引き込み易くなり、かつ、貫通孔141bの壁面FWL、BWL、SL1、SL2が急峻なので一度引き込んだ尿を外部へ漏れ難くすることができる。それにより、尿を下層により引きこみ、下層吸収体140bで尿を吸わせることで上層吸収体140aへの液戻りを防いで、さらっと感を維持し(リウェットバックを減らし)、補助シート144が非肌側から濡れることを抑制でき、かつ、尿を周囲領域PA2へ漏らし難くできる。
図1、図12及び図13から分るように、貫通孔141aの幅方向Wの一方の上層幅方向端部WU1と吸収性物品100の幅方向Wの一方の端部との距離、及び、貫通孔141aの幅方向Wの他方の上層幅方向端部WU2と、吸収性物品100の幅方向Wの他方の端部との距離は、貫通孔141aの腹側方向の上層腹側端部LU1と吸収性物品100の腹側方向の端部との距離、及び、貫通孔141aの背側方向の上層背側端部LU2と吸収性物品100の背側方向の端部との距離よりも短い。本実施の形態では、図12及び図13に示すように、一方及び他方の上層幅方向端部WU1、WU2の壁面SU1、SU2が貫通孔141a内の底面BUに対して成す角α3、α4は、上層腹側端部LU1の壁面FWUが貫通孔141a内の底面BUに対して成す角α1、及び、上層背側端部LU2の壁面BWUが貫通孔141a内の底面BUに対して成す角α2よりも底面BUに対して垂直に近く、急峻にしている。上記構成により、上層幅方向端部WU1、WU2から吸収性物品の端部へ向かって尿を漏れ難くすることができる。それにより、尿をより下層吸収体140bの内部へ引き込むことができる。その結果、リウェットバックを減らし、尿を周囲領域PA2へ漏らし難くできる。一方、上記構成により、上層腹側端部LU1及び上層背側端部LU2から、腹側端部の壁面及び背側端部の壁面を、貫通孔内の底面に対してより緩やかにしている。そのため、排尿領域PA1に排泄された尿を引き込み易くできる。
ただし、上記の各角α1〜α4、β1〜β4の測定方法は以下の様に行う。X線透視装置FLEX−M863を用いた。溝部を中心としてサンプルを20×40mmに切り取り、切片サンプルを0.2度ずつ回転させて360度スキャンを行う。その後、撮影した1800枚の画像をつなぎ合わせて3D画像を作成する。そして、3D画像から長手方向Lの断面図及び幅方向Wの断面図を抽出し、当該図から各角α1〜α4、β1〜β4を測定した。ただし、底面BUは、貫通孔141aが貫通孔の場合には、上層吸収体140aの非肌側の面を貫通孔に仮想的に延長させた平面とし、底面BLは、貫通孔141bが貫通孔の場合には、下層吸収体140bの非肌側の面を貫通孔に仮想的に延長させた平面とした。したがって、底面BU、BLは互いに平行である。
本発明により、吸収体による吸収効果と消臭剤による消臭効果とを両立させることが可能な吸収性物品を提供することができる。
本発明の吸収性物品は、上述した各実施形態に制限されることなく、本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内において、適宜組合せや変更等が可能である。