JP2023125993A - 吸収性物品及び吸収性物品の製造方法 - Google Patents

吸収性物品及び吸収性物品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、コアラップシートの濡れを抑制可能な技術を提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、パルプを含む吸収コアと、吸収コアを覆い包み、開口部を有するコアラップシートと、を備え、開口部からパルプの先端が突き抜けており、開口部の開口率は、5~25%であり、開口部と内接する内接円の直径の最大値は、0.8~2.5mmである、吸収性物品である。【選択図】図2

Description

本発明は、吸収性物品及び吸収性物品の製造方法に関する。
使い捨ておむつ、尿パッド、生理用品等の吸収性物品が開発されている。また、例えば特許文献1では、吸収コアをコアラップシートで包む技術が開示されている。
特開2018-000473号公報
コアラップシートには着用者から排出された尿、水様便に含まれる水分、または汗等が付着している場合がある。このような場合、着用者に濡れ感を与えてしまい、その結果として着用者が不快感を覚える可能性がある。
そこで、本発明は、濡れを抑制可能な技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明では、コアラップシートに開口部を設けることとした。
詳細には、本開示の一側面に係る吸収性物品は、パルプを含む吸収コアと、前記吸収コアを覆い、開口部を有するコアラップシートと、を備え、前記開口部から前記パルプの先端が突き抜けており、前記開口部の開口率は、5~25%であり、前記開口部と内接する内接円の直径の最大値は、0.8~2.5mmである。
また、上記一側面に係る吸収性物品において、前記パルプの繊維長の平均値は、0.4~1.0mmであってもよい。
また、上記一側面に係る吸収性物品において、前記コアラップシートは、非透水性シートであってもよい。
また、上記一側面に係る吸収性物品において、前記開口部は、前記吸収コアの肌面側に設けられてもよい。
また、上記一側面に係る吸収性物品において、前記コアラップシートよりも肌面側に配置され、水溶性物質を含むシート状部材を更に備えてもよい。
また、本開示の一側面に係る吸収性物品の製造方法は、パルプを含む吸収コアと、前記吸収コアを覆い、開口部を有するコアラップシートと、を備える吸収性物品の製造方法であって、前記コアラップシートによって覆われた前記吸収コアを前記コアラップシート側から帯電したローラで加圧することで、前記開口部から前記パルプの先端を突き抜けさせる加圧工程を含んでもよい。
本発明によれば、濡れを抑制可能な技術を提供できる。
図1は、実施形態に係る吸収パッドを肌面側から見た平面図である。 図2は、実施形態に係る吸収パッドの分解斜視図である。 図3は、実施形態に係る吸収パッドを幅方向に切断した場合の断面図である。 図4は、吸収パッドの製造装置の概要を例示する。 図5は、上層コアラップシートの肌面側を撮影した写真である。 図6は、人工尿の成分表である。 図7は、官能試験に関するフローチャートである。 図8は、吸収パッド上に板を設置した状態を示す図である。 図9は、官能試験およびSAP漏出試験の結果を示す表である。 図10は、変形例に係る吸収パッドを肌面側から見た平面図である。
以下に、図面を参照して本発明の実施形態に係る吸収性物品について説明する。なお、以下の実施形態の構成は例示であり、本発明はこれらの実施の形態の構成に限定されるものではない。
<実施形態>
本実施形態では、使い捨て(交換式)の吸収パッド(本願でいう「吸収性物品」の一例である)について、着用者の腹部に対向して配置される前身頃と背部に対向して配置される後身頃とを結ぶ方向を長手方向とする。これらの前身頃(長手方向の一側)と後身頃(長手方向の他側)との間(長手方向の中央)には、着用者の股下に配置(股間に対向して配置)される股下部が連接して位置している。また、吸収パッドが着用者に装着された状態(以下、「装着状態」と略称する)において、着用者の肌に向かう側(装着状態で内側)を肌面側とし、肌面側の反対側(装着状態で外側)を非肌面側とする。さらに、肌面側と非肌面側とを結ぶ方向を厚み方向とし、長手方向と厚み方向の何れにも直交する方向を幅方向とする。そのほか、厚み方向から視ることを平面視とする。
本実施形態では使い捨ての吸収パッドを例として用いて発明の内容を説明する。本発明は、パンツ型のおむつや、テープ型のおむつについても、当然に適用することができるものである。
図1は、実施形態に係る吸収パッドの平面図である。吸収パッド1は、装着状態において着用者の陰部を覆う股下に対応する股下領域1Bと、股下領域1Bの腹部側に位置し、着用者の前身頃と腰回りに対応する部位である前身頃領域1Fと、股下領域1Bの背部側に位置し、着用者の後身頃と腰回りに対応する部位である後身頃領域1Rとを有する。前身頃領域1F、後身頃領域1R、股下領域1Bには、股下領域1Bを中心に、クロッチ部分が絞られた瓢箪型の吸収体が組み込まれている。前身頃領域1Fと後身頃領域1Rの先、吸収パッドの短手方向と長手方向の吸収体のない部分では、吸収体を覆う全てのシートがホットメルト接着剤等で接着されており、非接着部分からの体液流入を防ぎ、吸収体の位置を規制する。吸収パッド1は、下衣肌着と肌面との間に装着されることにより、着用者の肌に密着する。また、この吸収パッド1をテープ型おむつやパンツ型おむつの内側に装着すれば、吸収パッド1が排出液を吸収するので、例え着用者から排出液が発生したとしても、吸収パッド1のみを交換し、おむつ自体は再利用することができる。
また、吸収パッド1には、吸収パッド1と着用者の肌との間に液体の流出経路となる隙間が形成されるのを抑制するべく、着用者の脚周り部(大腿部)を取り巻く部位(クロッ
チ部分における幅方向端部)に、弾性体2L,2Rが設けられている。弾性体2L,2Rは、吸収パッド1の長手方向に延在する。上記弾性体2L,2Rよりも吸収パッド1の肌面側幅方向内側に延在する一対のサイドシートであるサイドシート8L,8Rの、吸収パッド1の幅方向の中央側の端には、弾性体3BL,3BRが付されている。サイドシート8L,8Rは、着用の際に弾性体3BL,3BRの力により立ち上がり、立体ギャザー3L,3Rとなる。吸収パッド1は、レグギャザーとして機能する弾性体2L,2Rの力により着用者の体形に沿い、弾性体3BL,3BRの力により立ち上がった立体ギャザー3L,3Rにより着用者の肌面に密着するので、着用者から排出される体液は、吸収パッド1から漏出することなく吸収パッド1の吸収体に吸収される。なお、弾性体2L,2Rや弾性体3BL,3BRを構成する弾性部材としては糸ゴムや帯状のゴム等を適宜選択できる。また、弾性体2L,2R,3BL,3BRは、平行する複数本の糸ゴムであってよい。
図2は、実施形態に係る吸収パッドの分解斜視図である。吸収パッド1は、立体ギャザー3L,3Rを形成するサイドシート8L,8Rと、トップシート7と、セカンドシート9と、バックシート5と、クロッチ部分が瓢箪型の吸収体6と、弾性体2L,2Rを備えるカバーシート4とを備え、肌面側から非肌面側まで順に積層されている。吸収パッド1の前身頃端部と後身頃端部では、吸収体6は存在せず、全てのシートが接着されている。なお、吸収体6の形状は矩形であってもよい。なお、各シートの接着には、ホットメルト接着剤による接着、超音波融着などが含まれる。
カバーシート4は、吸収パッド1の外装面を形成し、吸収パッド1全体の形態を維持しやすくする丈夫なシートである。カバーシート4には、一般的にポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテフタレート等の合成繊維で構成された不織布が用いられる。カバーシート4は、液透過性であってもよく、液不透過性であってもよい。また、液不透過性を有する不織布の複数個所に穿孔して通気性を持たせてもよい。本実施形態ではカバーシート4が存在しているが、後述するバックシート5に形態維持効果を併せ持たせ、カバーシート4を省略することもできる。バックシート5は、液不透過性のシートである。バックシート5は、一例としては、排出液の漏れを抑制するためにポリエチレンフィルム等の熱可塑性の液不透過性樹脂を材料として形成されたフィルムシートである。バックシート5は、装着状態での蒸れを抑制するため、透湿性およびガス透過性、すなわち気体透過性を有している。
トップシート7は、吸収体6の吸水面を被覆するように着用者の肌面側に配置される、熱可塑性樹脂の繊維を含んで形成されたスパンボンド不織布や、エアスルー不織布等からなる。このトップシート7は、その一部又は全部において液透過性を有する。セカンドシート9は、トップシート7と同様にスパンボンド不織布や、エアスルー不織布等からなり、その一部又は全部において液透過性を有する。そのため、吸収パッド1が設置された状態において、着用者から放出された体液は、着用者の肌に接触し得るトップシート7およびセカンドシート9を通って吸収体6に進入し、そこで吸収される。また、トップシート7およびセカンドシート9は親水性を有していてもよい。なお、吸収パッド1の長手方向と、吸収体6、トップシート7およびセカンドシート9の長手方向とは、同じである。
バックシート5、吸収体6、トップシート7、セカンドシート9は、何れも前身頃領域1Fから後身頃領域1Rにまで延在する。よって、バックシート5と吸収体6とトップシート7およびセカンドシート9が積層されているカバーシート4で着用者の陰部を覆うと、バックシート5と吸収体6とトップシート7とセカンドシート9の各長手方向の両端部は、着用者の腹側と背側に位置する状態となる。すなわち、着用者の陰部は、着用者の腹側から背側まで吸収体6に覆われる状態となる。したがって、着用者が仰臥位を取っている場合でも、伏臥位を取っている場合でも、排出液はトップシート7を介して吸収体6に
接触することになる。
股下領域1Bは、着用者の両足に挟まれる状態になるので、幅方向内側に向けて圧縮圧力がかかる。一方で、前身頃領域1Fや後身頃領域1Rにおいては、着用者の体重がかかることで、吸収体6の厚み方向への圧力がかかる。これらの圧力に対応するため、吸収体6の股下領域1Bには括れが設けられている。更に、股下領域1Bの吸収体6を高目付けとする。これにより、股下領域1Bにおいて吸収体6の幅方向内側への型崩れを防止する。また、前身頃領域1Fや後身頃領域1Rにおいては、吸収体6の幅を広げることで体重がかかる面積を増やして厚み方向への型崩れを防止する。平面視した場合、吸収体6を略砂時計型とすることが好適である。
サイドシート8L,8Rは、透湿性を備えるが、非透水性の不織布である。前述の通りサイドシート8L,8Rは立体ギャザー3L,3Rとして肌に密着するため、サイドシート8L,8Rに当接した排出物は吸収パッド1の幅方向にはこれ以上漏洩せず、排出物に含まれる水分は吸収体6に順次吸収される。トップシート7は、肌触りが良く、親水性の不織布である。肌に当接して体液を直接受け止め、順次吸収体6に吸収させる役割をする。また、吸収体6が既に吸収した体液の逆流を防ぐ。弾性体2L,2Rは、吸収パッド1の幅方向端部に設けられており、吸収パッド1は弾性体2L,2Rの収縮力により着用者の体形に添うように付勢される。すなわち弾性体2L,2Rはサイドギャザーとして機能する。
図3は、図1におけるA-A矢印断面図の一例である。吸収パッド1は、吸収体6の肌面側に設けられたトップシート7と、吸収体6の側面部に設けられたサイドシート8L,8Rと、吸収体6の非肌面側に設けられたバックシート5で包み込んだ形態になっている。トップシート7とサイドシート8L,8Rは、トップシート7の肌面側両端部で接合されており、サイドシート8L,8Rとバックシート5は、非肌面側で接合されている。このように、吸収体6を包み込む各シート同士が接合されて袋状の空間を形成しているので、吸収体6は当該袋状の空間から逸脱しない。トップシート7は、水溶性の酸性化物質を含んでおり、当該水溶性の酸性化物質は排出液がトップシート7を通過する際に溶け出して吸収体6に達し、吸収体6が保持している排出液が時間の経過とともにアルカリ化するのを抑制する。
図3に示されるように、吸収パッド1はトップシート7と吸収体6との間にセカンドシート9を有する。すなわち、吸収パッド1は、肌面側から順にトップシート7、セカンドシート9および吸収体6が積層される。セカンドシート9は、トップシート7と同様に液透過性シートである。
吸収体6は、一例としては、パルプ繊維、レーヨン繊維、またはコットン繊維のようなセルロース系繊維の短繊維や、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリエチレンテレフタレート等の合成繊維に親水化処理を施した短繊維の隙間に、水を吸収し保持することのできる架橋構造を持つ親水性ポリマーであるSAP(高吸収性重合体:Super Absorbent Polymer)等の粒状の吸収性樹脂を保持させた構造を有する。よって、吸収体6では、液体を吸収する前後の吸収性樹脂の体積変動は、基本的には吸収性樹脂を隙間に保持する短繊維内で行われることになる。したがって、吸収体6全体を俯瞰してみると、液体を吸収した吸収体6の厚みの膨張率は、吸収性樹脂自体の膨張率ほど大きくはないと言える。
本開示におけるSAP粒子は、SAPを含む樹脂組成物を粒状としたものを指す。ここで言う「SAPを含む樹脂組成物」とは、SAPのみからなる組成物、SAPを主成分とし、これに吸水性に悪影響を及ぼさない程度に他の物質が含まれた組成物、の双方を包含
する概念である。「他の物質」としては、添加剤(粒子表面を疎水化する目的で添加される表面改質剤等)、SAPの合成時に残存した未反応のモノマー等を挙げることができる。
吸収体6は、吸収コア6Cとコアラップシート6Wを有している。吸収コア6Cは、着用者の肌面側に設けられた上層吸収マット6Aと、着用者の非肌面側に設けられた下層吸収マット6Bとを備えている。上層吸収マット6Aは、パルプ繊維とSAP粒子を混合して形成されている。トップシート7方向から上層吸収マット6Aに排出液が流入すると、排出液は上層吸収マット6Aに含まれるSAP粒子に吸水され、排出液を固定することができる。一方、下層吸収マット6Bは、上層吸収マット6Aと比較すると、少量のSAP粒子しか含有していない。一例としては、下層吸収マット6Bのパルプ含有量は80%以上である。また、下層吸収マット6Bの設計上、SAPの粒子を混入させないようにしてもよい。SAPの粒子を含まない場合、下層吸収マット6Bは、パルプ繊維を成形して形成されている。
上層吸収マット6Aは吸収体6の長手方向全領域において、下層吸収マット6B以上の横幅を有している。例えば、上層吸収マット6Aを砂時計型とし、下層吸収マット6Bを長方形状としてもよい。吸収体6において、排出液が最も流入する箇所は幅方向中央部である。この箇所において吸収コア6Cを多層構造とすることで、排出液を効率よく吸収可能となる。
SAP粒子は、排出液を吸水して固定することができるが、吸水には一定の時間がかかる。下層吸収マット6Bは、上層吸収マット6Aが吸水できなかった排出液を一時的に保持しながら拡散し、より広範囲の上層吸収マット6Aで排出液を吸収する役割を果たす。SAPの粒子が吸水して膨張すると、排出液の流路を阻害する、所謂ゲルブロッキング現象が発生することがあるが、下層吸収マット6Bが含有するSAP粒子の量は少量であり、排出液は、下層吸収マット6Bの内部を比較的容易に移動することができる。このため、下層吸収マット6Bは、上層吸収マット6Aよりも液体拡散性が高く、排出液の拡散層としての機能を有している。図3に示したように、下層吸収マット6Bの幅よりも上層吸収マット6Aの幅が広い場合には、吸収マットの長手方向に延在する、上層吸収マット6Aが延在し、下層吸収マット6Bが延在しない空間が形成され、当該空間は長手方向に広がる排出液の流路としても機能する。
ここで、図3に示されるように、上層吸収マット6Aには、例えばパルプ27が含まれている。パルプ27の平均繊維長は、例えば0.4~1.0mmである。このような繊維長を有するパルプ27は、上層吸収マット6Aにおいてランダムに配向可能となる。一方、下層吸収マット6Bは、例えばパルプマットである。上層吸収マット6Aおよび下層吸収マット6Bを有する吸収コア6Cは、コアラップシート6Wにより覆われている。コアラップシート6Wは、上層コアラップシート6Waと、下層コアラップシート6Wbとを有する。
上層コアラップシート6Waは、例えばポリプロピレン繊維を素材とする非透水性のエアスルー不織布である(本開示の「非透水性シート」の一例)。上層コアラップシート6Waは、上層吸収マット6Aの肌面側に設けられる。上層コアラップシート6Waは、上層吸収マット6Aの肌面側を覆っている。そして、上層コアラップシート6Waには、円状の複数の開口部25(本開示の「開口部」の一例)が全体にわたって均等に設けられている。開口部25と内接する内接円の直径の最大値は、例えば0.8~2.5mmである。開口部25と内接する内接円の直径は、開口部25の直径とみなすことができる。そして、上層コアラップシート6Waの開口率は、例えば5~25%である。よって、図3に示されるように、上層吸収マット6Aに含まれるパルプ27が開口部25を介して肌面側
に突き抜けた状態となる。このように、開口部25からパルプ27の先端が突き抜けた状態となる。開口率とは、織物を平面的に捉えた際の、単位面積に占める繊維以外の面積比率を意味し、例えば、織物をデジタルマイクロスコープで観察し、デジタル処理によって算出した繊維以外の面積から測定することができる。本実施形態における開口率は、上層コアラップシート6Waの開口部25の開口率である。
なお、開口部25は上層コアラップシート6Waにおいて局所的に設けられ、開口部25が設けられた領域の開口率が例えば5~25%であってもよい。また、上層コアラップシート6Waの素材は、ポリプロピレン繊維の代替としてポリエチレン繊維が使用されてもよい。
一方、下層コアラップシート6Wbは、例えばティッシュであり、下層吸収マット6Bを非肌面側から被覆し、肌面側においては上層コアラップシート6Waと幅方向の端部において接着される。なお、上層吸収マット6A、下層吸収マット6B、およびコアラップシート6Wは、吸収体6を構成している。
また、コアラップシート6Wは、吸収コア6Cをコアラップシート6Wで包むことにより、上述の吸収コア6CのSAPが他の構造に混入しにくくなる。また、吸収コア6Cの型崩れが抑制される。なお、図3に示すように、コアラップシート6Wは、吸収コア6Cの肌面側であるトップシート7側を覆う上層コアラップシート6Waと、吸収コア6Cの非肌面側であるバックシート5側と、吸収コア6Cの側面側を覆う下層コアラップシート6Wbの2枚のシートから構成されている。上層コアラップシート6Waと下層コアラップシート6Wbは、吸収コア6Cの肌面側の幅方向両端部において積層し、互いに接着されている。
下層コアラップシート6Wbと、バックシート5は、吸収パッド1の長手方向に略線状に塗布された、複数のホットメルト等の接着剤HMで接着され、接着領域を形成している。接着剤HMは幅方向から見ると間欠的に塗布されて互いに離間した複数の接着部を構成しており、接着部の合間には、長手方向から見ると略線状に、接着剤HMが塗布されていない非接着領域である非接着部が形成されている。下層コアラップシート6Wbとバックシート5の間に進入した排出液は、当該非接着領域で保持される。
サイドシート8L,8Rの幅方向内側に形成されている立体ギャザー3L,3Rは、ホットメルト等の接着剤HMにより、その立ち上がり部分でトップシート7と接着されている。立体ギャザー3L,3Rは、弾性体3BL,3BRの付勢力によって着用時に立ち上がる。トップシート7の幅方向端部は、立体ギャザー3L,3Rが立ち上がることにより、接着剤HMを介して幅方向外側に付勢される。一方、少なくとも幅方向の中央側では、トップシート7と吸収体6は非接着である。
図4は、上記のような吸収パッド1の製造装置50の概要を例示する。製造装置50は、積層された状態の上層吸収マット6Aおよび下層吸収マット6Bを有する吸収コア6Cを搬送するコンベア51と、上層コアラップシート6Waの原反26をコンベア51の上方においてコンベア51の搬送方向と同方向に引張するローラ52と、を有する。また、製造装置50は、原反26から引き出されたコアラップシートで覆われた吸収コア6Cをコアラップシート側からコンベア51の搬送面に押し当て、吸収コア6Cを厚み方向にプレスするローラ53を有する。なお、ローラ53の外周面は金属製であり、電圧が印加されることで正あるいは負の何れかに帯電された状態である。また、製造装置50は、ローラ53と対向配置されたアンビルローラを有しており、吸収コア6Cをローラ53とアンビルローラの間を通過させることで、吸収コア6Cをプレスしてもよい。
上記のような製造装置50により吸収コア6Cをプレスする加圧工程は以下の通りである。すなわち、加圧工程は、コアラップシートによって覆われた吸収コア6Cをコアラップシート側から帯電したローラで加圧することで、コアラップシートの開口部からパルプ27の先端を突き抜けさせる工程である。まずローラ53の外周面を帯電させておく。すると、ローラ53の近傍に移動してきた上層吸収マット6Aに含まれるパルプ27は、原反26の開口部を介して帯電したローラ53の外周面に引き寄せられる。そして、このような状態のままローラ53の外周面により吸収コア6Cは厚み方向にプレスされる(本開示の「加圧工程」の一例)。よって、パルプ27の先端は、原反26に設けられた開口部からローラ53の外周面側に突き抜けた状態となる。また、プレス後においても上層吸収マット6Aに含まれるパルプ27は、帯電状態のローラ53の外周面に引き寄せられる。よって、パルプ27の先端が原反26の開口から外表面側に突き抜けやすくなるため、比較的多くのパルプ27の先端が原反26の開口から外表面側に突き抜けた吸収パッド1の製造が可能となる。なお、吸収コア6Cが厚み方向にプレスされた後、原反26は所定サイズにカットされる。このようにして、上層吸収マット6A上に設けられた上層コアラップシート6Waが形成される。
図5(A)は、本実施形態に係る吸収パッド1の上層コアラップシート6Waを肌面側から撮影した写真である。図5(A)の写真から分かるようにパルプの短繊維が写真手前側に突き抜けている。図5(B)は、比較例に係る吸収パッドの上層コアラップシートを肌面側から撮影した写真である。図5(B)の写真から分かるようにパルプの短繊維は写真手前側に突き抜けてない。このように、本実施形態に係る吸収パッド1は、上層コアラップシート6Waに開口部25を設けることでパルプ27を上層コアラップシート6Waから突き抜けさせることができる。
次に、複数種類の吸収パッドを準備し、150mlの人工尿をトップシート側から注ぎ、人工尿吸収後のトップシートを手で触れて濡れ感を評価する官能試験およびSAP漏出試験を行った。濡れ感が少ないということは、吸収パッドにおいて、上層コアラップシート6Waよりも肌面側に存する水分が、上層コアラップシート6Waよりも非肌面側に引き込まれていることを意味している。
図6は、本官能試験で用いた人工尿の組成を示す表である。人工尿は、蒸留水に尿素、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム七水和物、塩化カルシウム二水和物を溶解させて調整した。各成分の割合(g/150ml)は、図5の表に示す通りである。
なお、本官能試験に使用される吸収パッドが備える上層吸収マットには、例えばパルプおよびSAPが含まれ、パルプの目付は280g/mとし、SAPの目付は180g/mとした。また、下層吸収マットには、例えばパルプおよびSAPが含まれ、パルプの目付は120g/mとした。SAPの目付は90g/mとした。また、上層吸収マットおよび下層吸収マットの合計の厚みは、例えば2cmとした。
<官能試験>
図7は、本官能試験に関するフローチャートである。
(S101)
ステップS101では、測定対象の吸収パッド1が平らになるように展開される。
(S102)
ステップS102では、ステップS101において平らに展開された吸収パッド1のトップシート7において、幅方向中央かつ長手方向中央に印が付けられる。
(S103)
ステップS103では、ステップS102においてトップシート7に付けられた印が中心になるように板25がトップシート7上に置かれる。図8は、板35がトップシート7上に置かれた状態を示す平面図である。なお、図8に示されるように板35の中央部には円形の孔36が設けられている。そして、板35は孔36の中心にトップシート7に付された印が重なるように配置される。なお、板35のサイズは、例えば縦の長さが150mm、横の長さが150mm、厚みが8mmである。また、孔36のサイズは、例えば直径55mmである。また、板25の重量は、1254gである。
(S104)
ステップS104では、人工尿がステップS103においてトップシート7に重ねられた板35の孔36に注がれる。この際、人工尿は、孔36から溢れない限界の状態を維持するように注がれる。注がれる人工混濁尿の量は、150mlである。
(S105)
ステップS105では、ステップS104において孔36に注がれた人工尿がトップシート7に吸収され始めた瞬間から吸収が終わった瞬間までの時間を計測する。そして、この時間を人工混濁尿の吸収速度とする。そして、人工混濁尿の吸収が終了した後、板25はトップシート7から取り外される。
(S106)
ステップS106では、ステップS105において板35がトップシート7から取り除かれてた状態のまま、吸収パッド1は10分間放置される。
(S107)
ステップS107では、20名がトップシート7を手で触ることで濡れ感を評価した。
<SAP漏出測定>
また、官能試験を行う吸収パッドと同様の吸収パッドについて、SAP漏出測定を行った。SAP漏出測定では、トップシート7が地面と対面するように吸収パッドを平面状に広げた後、吸収パッド1の幅方向の両端の股下部を保持し、20回拡幅する。そして、落下したSAPの個数を測定した。SAP漏出試験は、同条件で10回実施した。なお、SAP漏出測定は、人工尿等を吸収していない吸収パッドについての測定である。
図9は、官能試験およびSAP漏出試験の結果を示す表である。図9の表の「開口率(%)」の欄は、吸収パッド1の上層コアラップシート6Waの開口部25の開口率を示している。本官能試験では、上層コアラップシート6Waの開口率を5%、10%、15%、20%、25%、30%に設定して複数種類の吸収パッドを作成した。図9の表の「内接円直径最大値(mm)」の欄は、開口部25と内接する内接円の直径の最大値を示している。図9の表の「パルプ平均繊維長(mm)」は、上層吸収マット6Aのパルプ27の平均繊維長を示している。図9の表の「濡れ感」は、官能試験の結果を示している。「濡れ感」の欄において、「〇」は15人以上が濡れ感が少ないと評価した結果を示し、「△」は10~14名が濡れ感が少ないと評価し、且つ、濡れ感が多いと評価した人数が3人以下である結果を示している。図9の表において「SAP漏出」の欄において、「〇」はSAPの漏出数が5個以上15個未満となった結果を示し、「×」はSAPの漏出数が15個以上となった結果を示している。但し、10回実験されたうちの1回でも漏出数が15個を超える場合には「×」とした。図9の表の「結果」は、官能試験およびSAP漏出試験の総合結果を示している。官能試験の結果が「〇」または「△」であり、SAP漏出試験の結果が「〇」である場合に総合結果を「〇」とした。
図5に示されるように、開口率が30%である場合には、官能試験の結果が「×」となり、SAP漏出試験の結果が「×」となった。
開口率が25%である場合には、内接円直径最大値が0.8~2.5mmである場合に、官能試験の結果が「△」となり、SAP漏出試験の結果が「〇」となり、総合結果が「〇」となった。また、開口率が25%であるが、内接円直径最大値が3.0mmである場合には官能試験の結果が「△」ではあるが、SAP漏出試験の結果が「×」となり、SAPが漏出してしまった。また、開口率が25%であるが、内接円直径最大値が0.6mmである場合には官能試験の結果が「×」となり、上層コアラップシート6Waの濡れを抑制できなかった。これらの結果から、開口率が25%であり、内接円直径最大値が0.8~2.5mmである吸収パッド1は、上層コアラップシート6Waの濡れを抑制しつつ、SAPの漏出を抑制できる。なお、総合結果が「〇」の場合のパルプ平均繊維長は0.6~1.0mmであった。
開口率が20%である場合には、内接円直径最大値が0.8~2.5mmである場合に、官能試験の結果が「△」となり、SAP漏出試験の結果が「〇」となり、総合結果が「〇」となった。これらの結果から、開口率が20%であり、内接円直径最大値が0.8~2.5mmである吸収パッド1は、上層コアラップシート6Waの濡れを抑制しつつ、SAPの漏出を抑制できる。なお、総合結果が「〇」の場合のパルプ平均繊維長は1.0mmであった。
開口率が15%である場合には、内接円直径最大値が2.5mmであり、パルプ平均繊維長が0.8mmである場合に、官能試験の結果が「△」となり、SAP漏出試験の結果が「〇」となり、総合結果が「〇」となった。また、開口率が15%である場合には、内接円直径最大値が0.8mmであり、パルプ平均繊維長が0.6mmである場合に、官能試験の結果が「△」となり、SAP漏出試験の結果が「〇」となり、総合結果が「〇」となった。また、開口率が15%であるが、内接円直径最大値が2.5mmであり、パルプ平均繊維長が1.0mmである場合には官能試験の結果が「×」となり、上層コアラップシート6Waの濡れを抑制できなかった。同様に、開口率が15%であり、内接円直径最大値が0.8mmであり、パルプ平均繊維長が0.8mmである場合には官能試験の結果が「×」となり、上層コアラップシート6Waの濡れを抑制できなかった。これらの結果から、開口率が15%であり、内接円直径最大値が2.5mmであり、パルプ平均繊維径長が0.8mmである吸収パッド1、および開口率が15%であり、内接円直径最大値が0.8mmであり、パルプ平均繊維径長が0.6mmである吸収パッド1は、上層コアラップシート6Waの濡れを抑制しつつ、SAPの漏出を抑制できる。
開口率が10%である場合には、内接円直径最大値が0.8~2.5mmである場合に、官能試験の結果が「△」となり、SAP漏出試験の結果が「〇」となり、総合結果が「〇」となった。これらの結果から、開口率が10%であり、内接円直径最大値が0.8~2.5mmである吸収パッド1は、上層コアラップシート6Waの濡れを抑制しつつ、SAPの漏出を抑制できる。なお、総合結果が「〇」の場合のパルプ平均繊維長は0.6~0.8mmであった。
開口率が5%である場合には、内接円直径最大値が2.5mmであり、パルプ平均繊維長が0.6mmである場合に、官能試験の結果が「△」となり、SAP漏出試験の結果が「〇」となり、総合結果が「〇」となった。また、開口率が5%である場合には、内接円直径最大値が0.8mmであり、パルプ平均繊維長が0.4mmである場合に、官能試験の結果が「△」となり、SAP漏出試験の結果が「〇」となり、総合結果が「〇」となった。また、開口率が5%であるが、内接円直径最大値が2.5mmであり、パルプ平均繊維長が0.8mmである場合には官能試験の結果が「×」となり、上層コアラップシート
6Waの濡れを抑制できなかった。同様に、開口率が5%であり、内接円直径最大値が0.8mmであり、パルプ平均繊維長が0.6mmである場合には官能試験の結果が「×」となり、上層コアラップシート6Waの濡れを抑制できなかった。これらの結果から、開口率が5%であり、内接円直径最大値が2.5mmであり、パルプ平均繊維径長が0.6mmである吸収パッド1、および開口率が5%であり、内接円直径最大値が0.8mmであり、パルプ平均繊維径長が0.4mmである吸収パッド1は、上層コアラップシート6Waの濡れを抑制しつつ、SAPの漏出を抑制できる。
SAP漏出試験では、開口率が5~25%である場合にSAPの漏出を抑制できた。上層コアラップシート6Waに開口部25を設けても、開口率を5~25%に設定することで、SAPの漏出を防ぐことができる。
また、上層コアラップシート6Waに開口部25を設けることで、パルプ27を開口部25から突き出すことができる。上層コアラップシート6Waは非透水性のシートであり濡れ感の発生を抑制する。吸収パッド1は、開口部25の開口率を5~25%とし、開口部25と内接する内接円の直径の最大値を0.8~2.5mmにすることで、パルプ27の先端が上層コアラップシート6Waを突き抜け、上層コアラップシート6Waの肌面側の水分を上層吸収マット6A側に吸い込むことが可能となるので、上層コアラップシート6Waの濡れ感を抑制できる。なお、パルプ27の繊維長の平均値は、0.4~1.0mmであることが好ましい。
[作用・効果]
上記のような吸収パッド1によれば、上層吸収マット6Aに含まれるパルプ27の先端が上層コアラップシート6Waを突き抜ける。よって、突き抜けたパルプ27が上層コアラップシート6Waよりも肌面側に存する尿や水様便に含まれる水分を吸収することで、該水分を上層吸収マット6Aの内側に吸い込むことが可能となる。よって、コアラップシート6Wの濡れは抑制される。
また、上記のような吸収パッド1によれば、上層コアラップシート6Waに含まれるパルプ27の平均繊維長が0.4~1.0mmと短い。よって、上層吸収マット6A内においてパルプ27が幅方向および長手方向と平行な平面状に並ぶだけでなく厚み方向(上下方向)にも配向されやすい。このようなことから上層吸収マット6Aに含まれるパルプ27の先端が上層コアラップシート6Waを突き抜けやすいといえる。よって、突き抜けたパルプ27が上層コアラップシート6Waの外側に存する尿や水様便に含まれる水分を吸収することで、該水分を上層吸収マット6Aの内側に吸い込むことが可能となる。よって、コアラップシートの濡れは抑制される。
また、上記のような吸収パッド1によれば、上層コアラップシート6Waは非透水性のエアスルー不織布である。よって、上層コアラップシート6Waには開口部25が設けられているが、尿や水様便に含まれる水分の少なくとも一部は上層コアラップシート6Waを透過せずに吸収コア6Cよりも肌面側に残存する。しかしながら、水分吸収性能を有するパルプ27が開口部25から肌面側に突き抜けることで、肌面側に残存した水分を上層吸収マット6Aの内側に引き込むことができる。
また、図4に示されるように製造装置50の帯電したローラ53により吸収コア6Cが肌面側からプレスされる時に、パルプ27の先端が上層コアラップシート6Waの開口部25からローラ53の外周面側に引き寄せられる。よって、パルプ27が比較的多く上層コアラップシート6Waから肌面側に突き抜けた状態となる。よって、上層コアラップシート6Waよりも肌面側に存する尿や水様便に含まれる水分を吸収し、該水分は上層吸収マット6Aの内側に容易に吸い込まれる。よって、コアラップシート6Wの濡れは容易に
抑制される。
[変形例]
図10は、変形例に係る吸収パッド1Aのトップシート7Aの概要を例示する。変形例に係る吸収パッド1Aは、実施形態に係る吸収パッド1と同様の構造である。しかしながら、吸収パッド1Aのトップシート7Aには、図10に示されるように例えば酸性化剤、消臭剤、および芳香剤のうちの少なくとも1つの薬剤28が練り込まれている。また、このような薬剤28は水溶性である。これにより、トップシート7は、水溶性物質を含むことができる。なお、吸収パッド1Aが有するセカンドシート9にもこのような薬剤28が練りこまれていてもよい。なお、トップシート7Aは、本開示の「シート状部材」の一例である。また、薬剤28は、本開示の「水溶性物質」の一例である。
[作用・効果]
上記のような吸収パッド1Aによれば、上層コアラップシート6Waよりも肌面側に水分が存すると薬剤28が水分に常時溶け出ていってしまう可能性がある。よって、相当量の薬剤をトップシート7に練り込む必要性が考えられる。しかしながら、上記のような吸収パッド1Aによれば、パルプが図3に示すように、上層コアラップシート6Waの開口部25から肌面側に突き抜けることになる。よって、尿や水様便に含まれる水分は肌面側に突き抜けたパルプによって吸収される。吸収パッド1Aは、薬剤28が練り込まれたトップシート7Aにおいて尿や水様便に含まれる水分が通過した時間以外での薬剤28の溶け出しを防止できる。よって、薬剤28を必要以上に大量に練り込む必要がなくなる。
<その他変形例>
上層吸収マット6Aに含まれるパルプの繊維長は上記の実施形態に記載された値に限定されない。また、上層コアラップシート6Waは、透水性シートにより形成されてもよい。また、上層コアラップシート6Waには開口部25が設けられていなくともよく、下層コアラップシート6Wbの非肌面側に開口が設けられていてもよい。このような場合、下層吸収マット6Bに含まれるパルプが下層コアラップシート6Wbの開口から非肌面側に突き抜けることになり、非肌面側の水分を吸収できる。また、尿や水様便に含まれる水分に限定されず、例えば着用者から排出された汗が肌面側に存する場合も、汗が上層コアラップシート6Waから突き抜けたパルプ27により上層吸収マット6Aに引き込まれ、同様の効果を奏する。
なお、トップシート7は複数枚数が積層された構成でもよく、そのいずれかまたは両方に水溶性の酸性化物質が含まれていてもよい。また、セカンドシート9に水溶性の酸性化物質が含まれる構成としてもよい。また、トップシート7のみならず、上層コアラップシート6Waに水溶性の酸性化物質が含まれる構成としてもよい。水溶性の酸性化物質が肌面側の複数のシートに含まれる構成とすれば、逆戻りが起きた際にアルカリ化した排出液をより効果的に中和可能であり、尿臭や着用者の肌荒れを防ぐことができる。
更に、貫通溝は、吸収マットを貫通しない溝であってもよい。貫通しない溝を形成するだけでも、吸収マットの肌面側に排出液の流路を設けることは可能となる。
以上、本実施形態について説明したが、本発明の内容は上記実施の形態に限られるものではない。上記実施形態では、吸収パッドを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明は、テープ型使い捨ておむつや、パンツ型使い捨ておむつ等の吸収性物品にも適用可能である。
以上で開示した各実施形態やその変形例に含まれる特徴は、それぞれ組み合わせることができる。
1・・吸収パッド
1B・・股下領域
1F・・前身頃領域
1R・・後身頃領域
2L,2R・・弾性体
3BL,3BR・・弾性体
3L,3R・・立体ギャザー
4・・カバーシート
5・・バックシート
6・・吸収体
6C・・吸収コア
6A・・上層吸収マット
6B・・下層吸収マット
6W・・コアラップシート
6Wa・・上層コアラップシート
6Wb・・下層コアラップシート
7・・トップシート
8R,8L・・サイドシート
9・・セカンドシート
25・・開口部
26・・原反
27・・パルプ
35・・板
36・・孔
50・・製造装置
51・・コンベア
52・・ローラ
53・・ローラ
HM・・ホットメルト

Claims (6)

  1. パルプを含む吸収コアと、
    前記吸収コアを覆い、開口部を有するコアラップシートと、を備え、
    前記開口部から前記パルプの先端が突き抜けており、
    前記開口部の開口率は、5~25%であり、
    前記開口部と内接する内接円の直径の最大値は、0.8~2.5mmである、
    吸収性物品。
  2. 前記パルプの繊維長の平均値は、0.4~1.0mmである、
    請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記コアラップシートは、非透水性シートである、
    請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記開口部は、前記吸収コアの肌面側に設けられる、
    請求項1から3のうち何れか一項に記載の吸収性物品。
  5. 前記コアラップシートよりも肌面側に配置され、水溶性物質を含むシート状部材を更に備える、
    請求項1から4のうち何れか一項に記載の吸収性物品。
  6. パルプを含む吸収コアと、前記吸収コアを覆い、開口部を有するコアラップシートと、を備える吸収性物品の製造方法であって、
    前記コアラップシートによって覆われた前記吸収コアを前記コアラップシート側から帯電したローラで加圧することで、前記開口部から前記パルプの先端を突き抜けさせる加圧工程を含む、
    吸収性物品の製造方法。
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