JP6722982B2 - 衛星追尾装置 - Google Patents

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Description

この発明は、衛星の予測軌道に基づいて衛星を自動追尾する衛星追尾装置に関する。
衛星通信において、対象の衛星の予測軌道に基づいて、アンテナをその衛星に正対するように自動追尾させることが行われている。例えば、特許文献1には、衛星の軌道予測値と、アンテナ実角度との時刻ずれを求めて、この時刻ずれを補正するオフセット時間を求める追尾制御装置を設け、アンテナ駆動系装置に該追尾制御装置により求めたオフセット時間を軌道予測値に重畳してアンテナ指令値を得させ、該アンテナ指令値によりアンテナの動きを制御させるプログラム追尾装置が記載されている。
特許文献1のプログラム追尾装置では、オフセット時間を求める時刻の位置の近傍で、衛星の軌道を直線と見なして(1次近似)、その時刻におけるオフセット時間を計算する。
特開平4−335409号公報
近年、人工衛星の使用周波数が高くなりアンテナのビーム半値幅が狭くなっている。狭いビーム半値幅をもつアンテナの場合、特許文献1の1次近似で求めたオフセット時間の補正精度では精度不足となり、自動追尾モードからプログラム追尾モードに切り替わったときに追尾ができない場合がある。
また、アンテナのマウント方式には、方位角および仰角方向にアンテナの姿勢を駆動する方式のAZ/ELマウントと、南北および東西方向に駆動する方式のX/Yマウントがあるが、それぞれ片方の駆動軸を回転させてもアンテナの向きを変更できない箇所がある。極点と呼ばれるそのような箇所では、衛星を追尾するのが困難である。いずれのマウントでも、極点に近づくに従い補正精度が低下するという課題があった。さらに、オフセット時間の分解能も従来技術では1秒であるが、近年のビーム半値幅が狭いアンテナでは、1秒より小さい分解能が必要となってきている。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたもので、衛星追尾の精度を向上させることを目的とする。
本発明に係る衛星追尾装置は、衛星の軌道予測値および衛星を追尾するアンテナ実角度を取得し、予定した時刻における軌道予測値とアンテナ実角度との時刻ずれを補正するオフセット時間を、3つの時刻における3点の軌道予測値を時間の2次式で近似して求め、予定した時刻をオフセット時間で変更した時刻での軌道予測値に基づきアンテナ指令値を計算する追尾制御部と、追尾制御部で計算したアンテナ指令値に基づいてアンテナの姿勢を制御するアンテナ駆動部と、を備え、追尾制御部は、軌道予測値およびアンテナ実角度を、軌道予測値の3つの時刻の内の基準時間からの相対時間差だけ地球回転を考慮し、慣性座標系に変換して、慣性座標系でオフセット時間を求める。
本発明によれば、衛星追尾の精度を向上させることができる。
本発明の実施の形態に係る衛星追尾装置の構成例を示すブロック図である。 AZ軸またはX軸で衛星軌道の1次近似を説明する図である。 EL軸またはY軸で衛星軌道の1次近似を説明する図である。 AZ軸またはX軸で衛星軌道の2次近似を説明する図である。 EL軸またはY軸で衛星軌道の2次近似を説明する図である。 実施の形態に係る衛星追尾の動作の一例を示すフローチャートである。 模擬の具体例に使用した衛星軌道を示す図である。 ±1秒と±3秒ずらせた軌道について1次近似で時刻ずれを推定した場合の誤差を示す図である。 図6Aを時刻ずれ推定誤差方向に拡大した図である。 ±1秒と±3秒ずらせた軌道について2次近似で時刻ずれを推定した場合の誤差を示す図である。 ±10秒ずらせた軌道について1次近似で時刻ずれを推定した場合の誤差を示す図である。 図8Aを時刻ずれ推定誤差方向に拡大した図である。 1次近似でマウント変換を行う場合の時刻ずれ推定誤差を示す図である。 ±10秒ずらせた軌道について2次近似で時刻ずれを推定した場合の誤差を示す図である。 −10秒ずらせた軌道について2次近似でマウント変換を行う場合のオフセット角度を示す図である。 −10秒ずらせた軌道について1次近似でマウント変換を行う場合のオフセット角度を示す図である。 −10秒ずらせた軌道について1次近似でマウント変換を行わない場合のオフセット角度を示す図である。
実施の形態1
図1は、本発明の実施の形態に係る衛星追尾装置の構成例を示すブロック図である。アンテナ1は、AZ/ELマウントまたはX/Yマウントで、その向きが変位可能に支持される。アンテナ1のマウントは地上のある地点に固定、または移動体に搭載される。衛星追尾装置10は、目的の衛星(図示せず)の予測軌道に基づいて、アンテナ1をその衛星に正対させるように、自動追尾させる。衛星追尾装置10は、アンテナ駆動部2、追尾制御部5および追尾受信機7を備える。追尾受信機7を備えない場合もある。
アンテナ駆動部2は、追尾制御部5から指示されたアンテナ指令値6に従って、アンテナ1の姿勢を制御する。アンテナ駆動部2は、アンテナ1の方向を示すアンテナ実角度3を、追尾制御部5に送出する。追尾制御部5には、他の装置から衛星の予測軌道を示す軌道予測値4が入力される。追尾制御部5は、軌道予測値4の内挿計算、または、アンテナ実角度3と合わせてオフセット時間、オフセット角度を推定し、オフセット角度を補正したアンテナ指令値6を、アンテナ駆動部2に指示する。
追尾受信機7は、アンテナ1で受信した追尾誤差信号9(高周波)を信号処理して追尾誤差8をアンテナ駆動部2と追尾制御部5へ出力する。追尾制御部5は、軌道予測値4とアンテナ実角度3の角度差に追尾誤差8を重畳して、オフセット時間、オフセット角度を推定する。追尾受信機7を備えない場合には、追尾誤差8を用いずに、オフセット時間、オフセット角度を推定する。以下、追尾制御部5において、オフセット時間およびオフセット角度を推定する方法を説明する。
追尾制御部5は、衛星軌道を1次近似する場合、以下の手順でオフセット時間を推定する。オフセット時間およびオフセット角度を求める時刻において、軌道予測値Prog yとアンテナ実角度Real y’を直線近似する。軌道予測値4とアンテナ実角度3の角度差Δyを、AZ/ELマウントの場合はオフセット時間(ΔT)とオフセット角度(DAZ,DEL)の和になっていると仮定し、X/Yマウントの場合はオフセット時間(ΔT)とオフセット角度(DX,DY)の和になっていると仮定する。そして、オフセット角度DAZ,DELまたはDX,DYの2乗和が最小になるようにオフセット時間ΔTを計算する。
すなわち、以下の計算式でオフセット時間ΔTを計算する。時刻ずれをΔtとして、
Prog y=bt+c
Real y’=b(t−Δt)+c
Δy=y’−y=−b・Δt
とおく。
AZ/ELマウントの場合、係数bをbAZとbELに分解し、
ΔAZ=−bAZ・Δt+DAZ ΔEL=−bEL・Δt+DEL
とおいて変形する。
DAZ=ΔAZ+bAZ・Δt DEL=ΔEL+bEL・Δt
そして、DAZ+DELが最小になるΔt=ΔTを計算する。結果は、
ΔT=−(bAZ・ΔAZ+bEL・ΔEL)/(bAZ +bEL ) (1)
X/Yマウントの場合、係数bをbとbに分解し、
ΔX=−b・Δt+DX ΔY=−b・Δt+DY
とおいて変形する。
DX=ΔX+b・Δt DY=ΔY+b・Δt
そして、DX+DYが最小になるΔt=ΔTを計算する。結果は、
ΔT=−(b・ΔX+b・ΔY)/(b +b ) (2)
図2Aおよび図2Bは、衛星軌道の1次近似を説明する図である。図2Aおよび図2Bは、ある時間における軌道予測値4とアンテナ実角度3(実際の衛星軌道)との角度差を示す。図2Aは、縦軸がAZまたはX軸、横軸は時間tである。図2Bは、縦軸はELまたはY軸を示す。それぞれ、実際の衛星軌道(アンテナ実角度3)と軌道予測値4を矢印で示す。黒丸●はオフセットを求める時刻における軌道予測値4を示す、白丸○は同じ時刻における実際の衛星軌道の値を示す。図2Aおよび図2Bで、ΔAZとΔELは、AZ/ELマウントにおける軌道予測値4と実際の衛星軌道との角度差を示す。また、ΔXとΔYは、X/Yマウントにおける軌道予測値4と実際の衛星軌道との角度差を示す。
前述のとおり、アンテナ1のマウント方式にはそれぞれ極点がある。極点付近では、補正精度が低下するので、軌道予測値4がAZ/ELマウントの極点を含む定めた範囲内である場合は、軌道予測値4およびアンテナ実角度3をX/Yマウントの座標に変換し、軌道予測値4がX/Yマウントの極点を含む定めた範囲内にある場合は、軌道予測値4およびアンテナ実角度3をAZ/ELマウントの座標に変換して、時刻ずれを求め、それぞれ変換した座標でオフセット時間を求める。
例えば、用いる頻度が高いAZ/ELマウントでは、軌道予測値4の仰角(EL)の閾値で、EL>閾値の場合にX/Yマウントに変換して計算を行い、EL≦閾値の場合はAZ/ELマウントで計算する。AZ/ELマウントの極点はEL=90degであり、X/Yマウントの極点は、AZ=90,EL=0または、AZ=270,EL=0である。相互に補完するように計算すれば極点を回避できる。
このとき、精度向上のために慣性座標系(地球はこの系の中で回転している)で計算を行ってもよい。軌道予測値4,アンテナ実角度3とも地球表面座標系(地球局位置)で与えられる。アンテナ1のマウントに固定された地球表面座標系は、地球の自転で変位するので、加速度座標系である。地球を周回する衛星軌道は、力学的に慣性座標系で計算され、それを地球表面座標系に変換してプログラム追尾に使用している。よって衛星軌道における時刻ずれは慣性座標系(地球はこの系の中で回転している)での値なので、慣性座標系の値に変換して計算する。
なお、追尾受信機7を備える場合、追尾制御部5は、軌道予測値4とアンテナ実角度3の角度差に追尾誤差8を重畳して、オフセット時間、オフセット角度を推定してもよい。追尾誤差8を重畳すれば、1次近似だけでオフセット時間を計算する場合に比べて、追尾誤差8の残差が有る場合でも人工衛星方向角度の精度が向上する。
実施の形態2
実施の形態2では、狭いビーム半値幅を持つアンテナ1に対応できる精度にするために、軌道予測値4を2次近似としてオフセット時間を推定する。実施の形態2に係る衛星追尾装置10は、図1に記載の構成と同様であるが、追尾制御部5は2次近似でオフセット時間を計算する。
このとき、実施の形態1と同様、軌道予測値4がそれぞれのマウントの極点を含む定めた範囲内である場合は、異なるマウントの座標系に変換して、オフセット時間を計算してもよい。また、精度向上のために慣性座標系(地球はこの系の中で回転している)で計算を行ってもよい。
追尾制御部5は、衛星軌道を2次近似する場合、以下の手順でオフセット時間を推定する。オフセット時間およびオフセット角度を求める時刻において、軌道予測値Prog yとアンテナ実角度Real y’を2次曲線で近似する。軌道予測値4とアンテナ実角度3の角度差Δyを、AZ/ELマウントの場合はオフセット時間(ΔT)とオフセット角度(DAZ,DEL)の和になっていると仮定し、X/Yマウントの場合はオフセット時間(ΔT)とオフセット角度(DX,DY)の和になっていると仮定する。そして、オフセット角度DAZ,DELまたはDX,DYの2乗和が最小になるようにオフセット時間ΔTを計算する。
すなわち、以下の計算式でオフセット時間ΔTを計算する。時刻ずれをΔtとして、
Prog y=at+bt+c
Real y’=a(t−Δt)+b(t−Δt)+c
とおく。3つの時刻t<t<tにおいて、
t=t:y=y、 t=t:y=y、 t=t:y=y
として軌道データを3個使いa,b,cを求めると、
a=(t(y−y)−t(y−y))/(t −t
b=(t (y−y)−t (y−y))/(t −t
c=y
これを使って整理すると、
Δy=y’−y
=aΔt−(2at+b)Δt
ここでt=tのときのΔyを使用する(中央の値なのでバランスがよい)。
Δy=aΔt−(2at+b)Δt
AZ/ELマウントの場合、係数a、bをAZとELに分解し、
ΔAZ=aAZΔt−(2aAZ+bAZ)Δt+DAZ
ΔEL=aELΔt−(2aEL+bEL)Δt+DEL
変形して、
DAZ=ΔAZ−aAZΔt+(2aAZ+bAZ)Δt
DEL=ΔEL−aELΔt+(2aEL+bEL)Δt
を得る。DAZ+DELが最小になるようにΔtで微分してそのときのΔTを求める。
X/Yマウントの場合、係数a、bをXとYに分解して
ΔX=aΔt−(2a+b)Δt+DX
ΔY=aΔt−(2a+b)Δt+DY
変形して、
DX=ΔX−aΔt+(2a+b)Δt
DY=ΔY−aΔt+(2a+b)Δt
を得る。DX+DYが最小になるようにΔtで微分してそのときのΔTを求める。
AZ/ELマウントおよびX/Yマウントでいずれも計算結果は、
A・ΔT+B・ΔT+C・ΔT+D=0 (3)
と記述できる。
係数A,B,C,Dは、AZ/ELマウントの場合、
A=2(aAZ +aEL
B=−3[aAZ(2aAZ+bAZ)+aEL(2aEL+bEL)]
C=−2(ΔAZaAZ+ΔELaEL)+(2aEL+bAZ+(2aEL+bEL
D=ΔAZ(2aAZ+bAZ)+ΔEL(2aEL+bEL))
である。
X/Yマウントの場合、係数A,B,C,Dは、
A=2(a +a
B=−3[a(2a+b)+a(2a+b)]
C=−2(ΔXa+ΔYa)+(2a+b+(2a+b
D=ΔX(2a+b)+ΔY(2a+b
である。
3次方程式なので、ニュートン法で解を計算することができる。
f(ΔT)=AΔT+BΔT+CΔT+D
f’(ΔT)=3AΔT+2BΔT+C
ΔTn+1=ΔT−f(ΔT)/f’(ΔT
この計算を10回も繰り返せば十分収束する。
図3Aおよび図3Bは、衛星軌道の2次近似を説明する図である。図3Aおよび図3Bは、ある時間における軌道予測値4とアンテナ実角度3(実際の衛星軌道)との角度差を示す。図3Aは、縦軸がAZまたはX軸、横軸は時間tである。図3Bは、縦軸はELまたはY軸を示す。それぞれ、実際の衛星軌道(アンテナ実角度3)と軌道予測値4を2次曲線で示す。黒丸●はオフセットを求める時刻における軌道予測値4を示す、白丸○は同じ時刻における実際の衛星軌道の値を示す。図3Aおよび図3Bで、ΔAZとΔELは、AZ/ELマウントにおける軌道予測値4と実際の衛星軌道との角度差を示す。また、ΔXとΔYは、X/Yマウントにおける軌道予測値4と実際の衛星軌道との角度差を示す。
上述の具体的な手順を以下に示す。以下では、慣性座標系に変換し、マウントの極点付近で異なるマウントの座標に変換する場合を説明する。
(i)y,y,yを慣性座標系に変換する。
t=tのΔyを使うので、yを基準にして、
をt秒未来に地球回転する。
をt−t秒過去に地球回転する。
はそのまま使用する(回転させない)。
(ii)このy,y,yを用いてa,b,cを求める。
(iii)Δyの算出
地球表面座標系におけるt=t
(アンテナ実角度)−(軌道予測値)=Δy
を計算する。この値に追尾誤差8を加算すると精度が向上する。
(iv)アンテナ1がAZ/ELマウントの場合、EL>閾値(閾値=30deg)では、2次近似精度を向上させるためにX/Yマウントに変換して計算する。
(v)得られたΔT分軌道予測値4をずらせて慣性座標系にて軌道予測値4を計算し、地球表面座標系(地球局位置)に変換する。
(vi)ΔT分ずらせた地球表面座標系の軌道予測値4とΔT算出に用いたアンテナ実角度3との差を計算し、オフセット角度を求める。
2次近似では、用いる軌道予測値4を慣性座標系(地球は慣性座標系の中で回転している)上の値にすることにより、慣性座標系で楕円軌道となる人工衛星の軌道をより精度よく近似することになる。このとき、3点の軌道予測値4を使って逐次計算を行うが、慣性座標系への変換は3点の内の基準時間からの相対時間差だけ地球回転を考慮して慣性座標系に変換すればアンテナ1を駆動するような実時間処理の計算時間を早くできる。
このとき、1秒以下の分解能で慣性座標系において補正した軌道計算をして軌道予測値4からオフセット時間を求め、補正しきれなかった角度差を補正した軌道予測値4とアンテナ実角度3の差をオフセット角度に重畳してアンテナ1を駆動制御するためのアンテナ指令値6を求める。
追尾受信機7を用いる自動追尾を行う場合、すなわちアンテナ駆動部2が追尾誤差8を使用して追尾誤差8を零になるようにアンテナ1を駆動制御して衛星を追尾する場合、追尾制御部5は軌道予測値4と自動追尾中のアンテナ実角度3を使ってオフセット時間、オフセット角度を推定して補正したアンテナ指令値6をアンテナ駆動部2に送出する。これにより、自動追尾からアンテナ指令値6を使用して衛星を追尾するプログラム追尾に切り替わった場合も衛星追尾が自動追尾と同様に実施できる。また、自動追尾中は、補正計算を逐次行うことにより軌道予測値4と実際の衛星軌道がどれだけずれているかが測定できる。
さらに、アンテナ1のマウント方式の極点付近では、補正精度が低下するので、マウント変換を行ってもよい。前述のとおり、軌道予測値4がAZ/ELマウントの極点を含む定めた範囲内である場合は、軌道予測値4およびアンテナ実角度3をX/Yマウントの座標に変換し、軌道予測値4がX/Yマウントの極点を含む定めた範囲内にある場合は、軌道予測値4およびアンテナ実角度3をAZ/ELマウントの座標に変換して、時刻ずれを求め、それぞれ変換した座標でオフセット時間を求める。
例えば、用いる頻度が高いAZ/ELマウントでは、軌道予測値4の仰角(EL)の閾値で、EL>閾値の場合にX/Yマウントに変換して計算を行い、EL≦閾値の場合はAZ/ELマウントで計算する。AZ/ELマウントの極点はEL=90degであり、X/Yマウントの極点は、AZ=90,EL=0または、AZ=270,EL=0である。相互に補完するように計算すれば極点を回避できる。
図4は、実施の形態に係る衛星追尾の動作の一例を示すフローチャートである。追尾制御部5は、軌道予測値4に合わせてアンテナ1の姿勢を制御するプログラム追尾モードでアンテナ1を軌道予測値4に駆動し(ステップS1)、衛星からの電波を待つ(ステップS2)。電波を受信し且つ自動追尾引き込み範囲でなければ(ステップS3;N)、アンテナ1の方向が自動追尾引き込み範囲に入るまで、アンテナ1を駆動して探索する(ステップS4)。
自動追尾引き込み範囲であれば(ステップS3;Y)、自動追尾モードに移行する(ステップS5)。自動追尾中、追尾制御部5は軌道予測値4とアンテナ実角度3と追尾誤差8の残差を使用して時刻ずれを推定し、オフセット時間とオフセット角度を算出し、アンテナ指令値6を補正して実衛星軌道に合わせる(ステップS6)。アンテナ1の追尾誤差8が発生する場合、衛星軌道に加速度運動が有る、風などによる外乱が有る場合、追尾誤差8をアンテナ実角度3に加算することにより、角度差の精度が向上し、その結果オフセット時間、オフセット角度の推定精度が向上する。
衛星からの電波を継続して受信している間(ステップS7;Y)、ステップS6を繰り返す。自動追尾中は時刻ずれを推定し、オフセット時間とオフセット角度を算出し、アンテナ指令値6を補正して実衛星軌道に合わせる。
衛星からの電波がオフにされた場合、または、追尾受信機系統が故障した場合、あるいは、衛星がスカイライン以下(自動追尾が出来なくなる仰角)になった場合のように、受信電波が継続しなければ(ステップS7;N)、ステップS1に戻って、自動追尾モードからプログラム追尾モードに切替えて衛星を継続追尾する。衛星がスカイライン以下になった場合、実際には、衛星の軌道予測値がスカイライン以上になるまで待機するか、次の目標の衛星の追尾を行うことになる。衛星からの電波が再度オンにされた場合、または、追尾受信機系統が復旧した場合、プログラム追尾から自動追尾に切替えて衛星を継続追尾する。
具体例
図5は、模擬の具体例に使用した衛星軌道を示す図である。図5に示す衛星軌道は、高度約500km、最大仰角(EL)87°である。横軸は衛星追尾時間、縦軸は方位角(AZ)および仰角(EL)を示す。方位角(AZ)は、衛星追尾時間350秒付近で約15度から180度に変化する。また、仰角(EL)は、衛星追尾時間350秒付近で最大仰角になる。
図6Aから図12Bまで、1次近似または2次近似で模擬した時刻ずれ推定誤差を示す。以下、「時刻ずれ±1秒」などとは、図5に示す衛星軌道に対して慣性座標系で+1秒または−1秒ずらせた軌道を作成して模擬を行うことを示す。例えば「時刻ずれ±1秒」は、図5の衛星軌道上のどの時間で推定しても推定時刻ずれが±1秒(基準の時刻ずれ)になるべきであることをいう。図6Aから図12Bは、ずらせた軌道で時刻ずれ推定を模擬した結果、時刻ずれ推定誤差=(真値−推定値)が発生するのを示したものである。
図6Aは、±1秒と±3秒ずらせた軌道について1次近似で時刻ずれを推定した場合の誤差を示す図である。図6Bは、図6Aを時刻ずれ推定誤差方向に拡大した図である。図6Bでは、仰角が70°を超える範囲のデータを除去している。図6Aおよび図6Bに示す模擬では、慣性座標系変換および1次近似を行っているが、マウント座標変換および追尾誤差重畳を行っていない。図5に示す衛星軌道を±1秒と±3秒ずらせた軌道について、1次近似で時刻ずれを推定した場合、図6Aに示されるように、+3秒の軌道で最大時刻ずれ推定誤差は−6秒ある。また、−3秒の軌道で最大時刻ずれは+2秒である。これは、AZ/ELマウントでは図5の衛星軌道における最大仰角付近の軌道1次近似誤差が大きいためであり、図5の衛星軌道における仰角約70°のときの誤差では0.1秒となる。
図7は、±1秒と±3秒ずらせた軌道について2次近似で時刻ずれを推定した場合の誤差を示す図である。図7に示す模擬では、慣性座標系変換して2次近似で時刻ずれを推定し、仰角が30°超ではX/Yマウントに変換して計算を行っている。図7の模擬では、追尾誤差重畳を行っていない。それでも、±1秒と±3秒の場合の模擬結果で最大時刻ずれ推定誤差は−0.004秒であり、図6Aおよび図6Bの模擬に比べて大幅に時刻ずれの推定精度が向上している。
図8Aは、±10秒ずらせた軌道について1次近似で時刻ずれを推定した場合の誤差を示す図である。図8Bは、図8Aを時刻ずれ推定誤差方向に拡大した図である。図8Bでは、仰角が70°を超える範囲のデータを除去している。図8Aおよび図8Bに示されるように、+10秒ずらせた軌道で、最大時刻ずれ推定誤差は−67秒ある。これは、AZ/ELマウントでは最大仰角付近の誤差が大きいためであり、仰角約70°のときの誤差では1秒となる。
図9は、1次近似でマウント変換を行う場合の時刻ずれ推定誤差を示す図である。図9に示す模擬では、仰角が30°超でX/Yマウントに変換して計算を行っている。最大時刻ずれ推定誤差は約0.6秒であり、図8Aおよび図8Bに比べて、推定精度が向上している。
図10は、±10秒ずらせた軌道について2次近似で時刻ずれを推定した場合の誤差を示す図である。図10に示す模擬では、仰角が30°超ではX/Yマウントに変換して計算を行っている。最大時刻ずれ推定誤差は0.06秒になっていて、図9に示す1次近似よりさらに時刻ずれの推定精度が向上している。
図11は、−10秒ずらせた軌道について2次近似でマウント変換を行う場合のオフセット角度を示す図である。オフセット角度は、最大0.2°に収まっている。図12Aは、−10秒ずらせた軌道について1次近似でマウント変換を行う場合のオフセット角度を示す図である。図12Bは、−10秒ずらせた軌道について1次近似でマウント変換を行わない場合のオフセット角度を示す図である。マウント変換あり(図12A)では、図11の2次近似よりは大きいが、オフセット角度が0.5°以下に収まっている。マウント変換なし(図12B)では、オフセット角度の最大は28°である。図12Aと図12Bを比較すれば、マウント変換の効果が大きいことが分かる。
1 アンテナ、2 アンテナ駆動部、3 アンテナ実角度、4 軌道予測値、5 追尾制御部、6 アンテナ指令値、7 追尾受信機、8 追尾誤差、9 追尾誤差信号、10 衛星追尾装置。

Claims (3)

  1. 衛星の軌道予測値および前記衛星を追尾するアンテナ実角度を取得し、予定した時刻における前記軌道予測値と前記アンテナ実角度との時刻ずれを補正するオフセット時間を、3つの時刻における3点の前記軌道予測値を時間の2次式で近似して求め、前記予定した時刻を前記オフセット時間で変更した時刻での前記軌道予測値に基づきアンテナ指令値を計算する追尾制御部と、
    前記追尾制御部で計算したアンテナ指令値に基づいて、アンテナの姿勢を制御するアンテナ駆動部と、
    を備え、
    前記追尾制御部は、前記軌道予測値および前記アンテナ実角度を、前記軌道予測値の3つの時刻の内の基準時間からの相対時間差だけ地球回転を考慮し、慣性座標系に変換して、前記慣性座標系で前記オフセット時間を求める衛星追尾装置。
  2. 前記追尾制御部は、前記軌道予測値がAZ/ELマウントの極点を含む定めた範囲内である場合は、前記軌道予測値および前記アンテナ実角度をX/Yマウントの座標に変換し、前記軌道予測値がX/Yマウントの極点を含む定めた範囲内にある場合は、前記軌道予測値および前記アンテナ実角度をAZ/ELマウントの座標に変換して、それぞれ変換した座標で前記オフセット時間を求める、請求項1に記載の衛星追尾装置。
  3. 前記アンテナからの自動追尾誤差信号を受信して追尾誤差を出力する追尾受信機を備え、
    前記追尾制御部は、前記軌道予測値と前記アンテナ実角度の角度差に自動追尾中の前記追尾誤差を重畳して、前記オフセット時間を求める、請求項1又は2に記載の衛星追尾装置。
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