JP2003322676A - 衛星追跡方法及び衛星追跡装置 - Google Patents
衛星追跡方法及び衛星追跡装置Info
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- H01Q1/00—Details of, or arrangements associated with, antennas
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-
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- H01Q3/00—Arrangements for changing or varying the orientation or the shape of the directional pattern of the waves radiated from an antenna or antenna system
- H01Q3/02—Arrangements for changing or varying the orientation or the shape of the directional pattern of the waves radiated from an antenna or antenna system using mechanical movement of antenna or antenna system as a whole
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- Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)
- Radio Relay Systems (AREA)
Abstract
た、大気の揺らぎや降水による減衰に起因して信号変動
がある場合にも、高い信頼度で衛星の追跡を行う。 【解決手段】 衛星追跡装置10は、所定のビーム幅の
アンテナ40を用いて信号ソースを含む衛星50を追跡
するものである。衛星追跡装置10においては、アンテ
ナ40のビーム幅内の弧に沿って信号ソースからの信号
レベルが測定され、この弧に沿って測定された信号レベ
ルの変化率が決定され、さらに、信号レベルの変化率が
本質的に"0"となるような弧に対する位置が求められ
る。
Description
衛星追跡装置に関し、特に、いわゆる地球静止軌道にあ
る衛星の追跡を行う衛星追跡方法及び衛星追跡装置に関
する。
知られている。特に、衛星は、例えば赤道上空の円軌道
上といった、地球の自転周期と軌道周期が等しくなるよ
うな地球中心から所定距離だけ離隔された軌道上に放た
れる。ここで、衛星は、地球に対する当該衛星の周回方
向が地球の自転方向と同じである場合には、地球上の観
測者からは恰も静止しているように観測される。
ることはあり得ない。また、衛星は、たとえ当初に当該
衛星が赤道上空の完全なる軌道上に放たれたとしても、
例えば、月や太陽の重力といった外部力による影響、地
球の重力場中の不調和による影響、及び当該衛星に設け
られる大きな光起電力素子(photo voltaic)パネルア
レイに対する放射圧力による影響といった周囲状況の全
てに起因して、軌道要素が時間的に徐々に変化する。し
たがって、衛星の位置を維持するために必要となる技術
的な処理は、当該衛星の見かけの位置を所定の画定され
た範囲内に維持することに集約される。
って移動することから、いかなる楕円率の軌道であって
も、近地点では最も速い速度で移動する一方で、遠地点
では最も遅い速度で移動することになる。一般に、衛星
の軌道平面は、赤道面に対して傾いていることが多い。
そのため、衛星は、たとえ厳密な円軌道に放たれたとし
ても、地球中心から観測すると、東西方向に僅かに移動
しながら主に南北方向に移動しているように観測され
る。
するために地上に設けられる基地局に備えられるアンテ
ナのビーム幅は、当該衛星に必然的に起こる見かけの運
動がともなう場合でさえも、基地局のアンテナを固定し
て設置して信号の強度が十分に定常的に残るように、十
分広いものとされる。
は、基地局アンテナとして、より大きな利得が要求され
る場合がある。このような場合、基地局アンテナのビー
ム幅は、利得を大きくするために狭められる。したがっ
て、基地局アンテナとしては、信号の強度が大きく変動
する事態を回避するために、衛星の見かけの運動を追跡
することが必要とされる場合がある。また、たとえ衛星
の位置を操作できる環境にあったとしても、基地局が自
らの位置を保ちつつ地球静止軌道にある衛星をメンテナ
ンスすることは、非経済的又は不可能となる場合もあ
る。この場合、基地局は、自己のアンテナによって衛星
の見かけの運動を追跡することができるならば、当該衛
星によるサービス提供を行うことができる期間を長くす
ることができる。
当該衛星の見かけの運動は、比較的遅く、約1恒星日の
周期で生じるものである。一般に、衛星からの受信信号
強度は、当該受信信号強度が最大となる位置へと"登ら
せる"ように基地局アンテナの方位角及び仰角を制御す
るための一連の工程を実行することにより、最大強度と
することができる。しかしながら、これら工程による追
跡手法は、基地局アンテナの方位角及び仰角の両方につ
いて、調整のための往復運動を何度も行う必要があるこ
とから、基地局アンテナの駆動システムを過度に摩耗さ
せる事態を招来していた。また、このような従来の追跡
手法は、一般に、基地局アンテナの方位角及び仰角を調
整しながら測定した各結果を、直前の測定結果とのみ比
較することによって行うものであることから、必ずしも
信頼できるものとは限らず、厳しい大気の揺らぎ(シン
チレーション)や降水による減衰がある状態では完全に
失敗するおそれが否めないものであった。これらの状態
からの回復は、一般に人間の介在を必要としている。
せ、且つルーチン・メンテナンスを削減するために、ア
ンテナをピーク位置にするために要求される運動リクエ
スト回数を削減することは望ましい。さらに、より高精
度で衛星方向を決定し、また、アンテナをピーク位置に
するプロセスについて、シンチレーションや受信信号レ
ベルにおける他の変動に対する感受性を低下させること
は望ましい。
は、重大な降水による減衰がある間は衛星に対してピー
ク位置をとることができない。したがって、アンテナの
位置決めを行うシステムにおいては、降水による減衰に
起因して正常にアンテナをピーク位置にすることが可能
でない場合には、衛星に沿うようにアンテナを調整する
技術が要求されている。
たものであり、駆動システムや操作者の負担を軽減する
ことができ、また、シンチレーションや降水による減衰
に起因して信号変動がある場合にも、高い信頼度で衛星
の追跡を行うことができる衛星追跡方法及び衛星追跡装
置を提供することを目的とする。
本発明にかかる衛星追跡方法は、所定のビーム幅のアン
テナを用いて、信号ソースを追跡する衛星追跡方法であ
って、少なくとも3つ以上の所定の測定角度を通る単一
平面内で、上記アンテナのRF軸を回転させる工程と、
各角度位置での信号レベルを測定する工程と、第1の角
度位置で測定された第1の信号レベル及び第3の角度位
置で測定された第3の信号レベルの両方よりも、第2の
角度位置で測定された第2の信号レベルが大きいような
3つの信号レベル、及び当該3つの信号レベルのそれぞ
れに対応する角度位置を保持する工程と、測定された信
号を角度位置に関連付ける二次関数における1組の係数
を決定する工程と、上記二次関数の係数を用いて、上記
信号ソースからの信号レベルを最大にする角度位置を決
定する工程と、直交平面において各工程を繰り返し、上
記信号ソースの位置を提供する工程とを備えることを特
徴としている。
は、第1の角度位置で測定された第1の信号レベル及び
第3の角度位置で測定された第3の信号レベルの両方よ
りも、第2の角度位置で測定された第2の信号レベルが
大きいような3つの信号レベル、及び当該3つの信号レ
ベルのそれぞれに対応する角度位置を用いて、ピーク位
置をとる角度位置を算出することができる。したがっ
て、本発明にかかる衛星追跡方法は、アンテナを移動さ
せるための指令回数を少なくして駆動システムや操作者
の負担を軽減することができ、また、シンチレーション
や降水による減衰に起因して信号変動がある場合にも、
高い信頼度で信号ソースを含む衛星の追跡を行うことが
できる。
は、少なくとも3つ以上の上記測定角度のうち第1の測
定角度から残りの測定角度まで単一の方向へ上記RF軸
を回転させることが望ましい。
意の時刻t0での第1の信号ソース位置、及び時刻t1
での第2の信号ソース位置を決定するとともに、上記時
刻t 1よりも後の時刻t2での第3の信号ソース位置を
線形的な補外によって予測する工程を備えることを特徴
としている。
は、見かけの信号ソースまでのパスについて十分な近似
を与えることができ、RF軸を誤った位置に調整してし
まうことを回避することができる。
地球を中心とした球状座標系で上記信号ソースの位置を
時間の関数として表す1組の方程式を用いて、後の信号
ソースの位置を算出する工程を備えることを特徴として
いる。
は、上記信号ソースの位置についての各測定結果を、一
地点の座標系から地球を中心とした球状座標系へと変換
する工程を備えることを特徴としている。
球を中心とした球状座標系での上記信号ソースの位置の
テーブルを作成するテーブル作成工程を備えることを特
徴としている。
最小二乗法を用いて、地球を中心とした球状座標系で上
記信号ソースの位置を時間の関数として表す方程式の係
数を決定する工程を備えることを特徴としている。
は、地球中心から信号ソースまでの距離を合理的な精度
で求めることができ、高精度且つ容易にアンテナのピー
ク位置を求めることができる。
かる衛星追跡装置は、所定のビーム幅のアンテナを用い
て、信号ソースを追跡する衛星追跡装置であって、少な
くとも3つ以上の所定の測定角度を通る単一平面内で、
上記アンテナのRF軸を回転させるように構成されたア
ンテナ駆動手段と、各角度位置での信号レベルを測定す
る手段と、第1の角度位置で測定された第1の信号レベ
ル及び第3の角度位置で測定された第3の信号レベルの
両方よりも、第2の角度位置で測定された第2の信号レ
ベルが大きいような3つの信号レベル、及び当該3つの
信号レベルのそれぞれに対応する角度位置を保持する手
段と、測定された信号を角度位置に関連付ける二次関数
における1組の係数を決定する手段と、上記二次関数の
係数を用いて、上記信号ソースからの信号レベルを最大
にする角度位置を決定する手段と、直交平面において各
工程を繰り返し、上記信号ソースの位置を提供する手段
とを備えることを特徴としている。
は、第1の角度位置で測定された第1の信号レベル及び
第3の角度位置で測定された第3の信号レベルの両方よ
りも、第2の角度位置で測定された第2の信号レベルが
大きいような3つの信号レベル、及び当該3つの信号レ
ベルのそれぞれに対応する角度位置を保持し、これら信
号レベル及び角度位置を用いて、ピーク位置をとる角度
位置を算出することができる。したがって、本発明にか
かる衛星追跡装置は、アンテナを移動させるための指令
回数を少なくして駆動システムや操作者の負担を軽減す
ることができ、また、シンチレーションや降水による減
衰に起因して信号変動がある場合にも、高い信頼度で信
号ソースを含む衛星の追跡を行うことができる。
実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明す
る。
して示す衛星追跡装置10は、コントローラ20と、信
号処理部30と、駆動コントローラ35と、アンテナ4
0とを備える。
y)軸42を有する。ここで、アンテナ40は、衛星5
0が信号ソースを含む場合には、この衛星50を通過す
るRF軸42の延長線が当該アンテナ40における出力
で最大受信信号強度となるように位置が調整される。適
切な所定の時間長の間にアンテナ40によって受信され
たエネルギは、信号処理部30に設けられた受信機31
によって測定される。
50が図示しない受信機を備えており、地球上に設置さ
れたアンテナ40から当該衛星50へと信号を送信する
場合には、当該衛星50を通過するRF軸42の延長線
が衛星50の位置で最大受信信号強度となるように、ア
ンテナ40の位置が調整される。この場合、適切な時間
長の間に衛星50によって受信されたエネルギは、当該
衛星550が有する図示しない受信機によって測定され
ることになる。
0における利得の低下量G(θ)は、次式(1)によっ
て表される。なお、次式(1)におけるθ0は、RF軸
42の方向を表す角度を示し、θBWは、RF軸42の
方向における利得から3dB以下の利得低下が生じる角
度範囲(メインローブ)44を包囲する角度を示してい
る。
ンテナを調整することは、そのRF軸が当該アンテナか
ら衛星までのパスに沿うように、当該アンテナを方向付
けることを意味する。以下に示す3ポイントピーク法
(a three-point peaking technique)と称される手法
は、アンテナ40のRF軸42を衛星50に沿うように
調整するユニークな手法である。
この3ポイントピーク法を用いて、信号ソースを含む衛
星50の方向を決定することができる。衛星追跡装置1
0においては、この3ポイントピーク法を用いた衛星5
0の方向決定処理を、いつでも行うことができる。
定の時間間隔の2時刻のそれぞれについて衛星50の位
置が一旦決定されると、この衛星50の将来の位置を、
適応性のある連続的ステップ追跡法(an adaptive cont
inuous step track technique)と称される手法によっ
て予測する。なお、この適応性のある連続的ステップ追
跡法とは、アンテナ40から観測される衛星50が時間
的に一様に移動するものと仮定するものである。
0のRF軸42の向きを衛星50に沿うように改善する
ために、3ポイントピーク法をいつでも用いることがで
きる。連続的に決定されたアンテナ40のRF軸42の
位置は、時間の関数として作表される。
的に周期性があることから、その運動は、作表されるア
ンテナ40の位置を用いて当該衛星50の軌道運動につ
いて記述する方程式の係数を決定する軌道追跡法によっ
て予想することができる。この運動の予想についての精
度は十分であるが、衛星追跡装置10においては、3ポ
イントピーク法によって衛星50の位置を追加的に決定
することにより、軌道追跡法による予測方程式の精度を
向上させることができる。
ら、3ポイントピーク法について説明する。
は、アンテナを、2つの互いに直交する軸に沿った両方
の方向へと所定の微小刻み幅で移動させるものである。
便宜及び単純化の観点から、アンテナは、典型的にはそ
の方位角方向及び仰角方向に移動される。各位置で、受
信信号レベルは、適切な時間長で平均化され、アンテナ
の移動前における位置での受信信号の平均レベルと比較
される。
比較の結果、平均受信信号レベルが低下した場合には、
アンテナを、移動させた方向とは反対の方向へと2回分
の刻み幅の量だけ移動し、同様の測定を繰り返す。一
方、このステップ追跡法においては、比較の結果、平均
受信信号レベルが増加した場合には、アンテナを、移動
させた方向と同じ方向へと刻み幅の量だけ移動する。こ
のステップ追跡法においては、このようなプロセスを、
平均受信信号レベルが増加する限り継続し、同じ方向へ
とアンテナを移動した際に平均受信信号レベルが低下す
るまで繰り返す。そして、このステップ追跡法において
は、この軸に沿った最適の位置が、最大平均受信信号レ
ベルを与える位置であるものと仮定される。この全体の
処理は、互いに直交する軸に沿って繰り返し行われる。
システムにおいては、アンテナと衛星との間のパスに沿
うようにRF軸を調整する精度は、互いに直交する各軸
について、アンテナを駆動させる駆動システムによって
可能な分解能とアンテナ移動の最小インクリメント(刻
み幅)とのそれぞれによって制限される。したがって、
従来の"hill-climbing"ステップ追跡法においては、R
F軸の位置を、この制限よりも高精度では決定すること
ができない。
システムの分解能の整数倍として表される固定された所
定のインクリメントにしたがって、典型的には方位角及
び仰角として表される2つの互いに直交する軸に沿って
アンテナを移動させるものである。この固定インクリメ
ントは、各軸についての駆動システムによって可能なア
ンテナ移動の最小インクリメントと等しいか、これより
も大きいものである。
3ポイントピーク法を適用し、最初に、典型的には10
秒といった所定時間内に受信した信号を積分することに
より、現在位置でアンテナ40によって受信した受信信
号の平均レベルを測定する。
についてのステップ・サイズ(SS)25を算出する。
このステップ・サイズ25は、典型的には3dBの最大
ビーム幅の15%とされる。衛星追跡装置10において
は、アンテナ40のRF軸42が衛星50に沿うように
最初に調整される場合には、この大きさのオフセット
は、測定可能な量(0.27dB)まで受信信号強度を
低下させる。
I)26によって決定された方向へとステップ・サイズ
25の量だけ移動するように制御される。そして、衛星
追跡装置10においては、アンテナ40を移動させるこ
とによって到達した実際の方位角で当該アンテナ40に
よって受信した受信信号の平均レベルが、典型的には1
0秒といった所定時間内に受信した信号を積分すること
によって測定される。
る。衛星追跡装置10においては、平均受信信号レベル
が前回のものよりも低下した場合には、上述した方向イ
ンデックス26が、反対の方向を示すように補足され、
さらに、アンテナ40が、ステップ・サイズ25の2倍
の量だけ方向インデックス26によって示される反対の
方向へと移動するように制御される。一方、衛星追跡装
置10においては、平均受信信号レベルが前回のものよ
りも増加した場合には、アンテナ40が、同じ方向へと
ステップ・サイズ25の量だけ移動するように制御され
る。このようなプロセスは、平均受信信号レベルが増加
する限り継続され、同じ方向へとアンテナを移動した際
に平均受信信号レベルが低下するまで繰り返し行われ
る。
おける最後の3つの実際の方位角位置は、受信信号強度
を最大にする方位角と交叉するものである。事実、アン
テナ40を移動させること、すなわち、アンテナ40を
回転させることは、衛星50に、当該アンテナ40のR
F軸42を横切る弧をトレースさせることになる。した
がって、衛星追跡装置10においては、これら3つのア
ンテナ40の位置とこれらに対応する受信信号レベルと
の情報のみが保持される。
号レベルは、次式(2)に示す二次方程式によって表す
ことができる。なお、次式(2)におけるL(α)は、
受信信号レベルを示し、αは、アンテナ40の方位角を
示している。また、次式(3)で表される微分を満たす
αは、ピーク信号を得るアンテナ40の方位角(ピーク
方位角αpk)を定義するものであり、次式(4)とし
て表される。
る実際の方位角は、ステップ・サイズ25で表される角
度によってほぼ分類されるが、ピーク方位角αpkは、
分解能よりも高精度で決定される。
ク方位角αpkまで方位角方向に移動するように制御さ
れる。なお、実際に移動される方位角は、アンテナ駆動
部による方位角についての分解能及び最小インクリメン
トによって制限される。
位角方向についてのアンテナ40の移動による上述した
ピーク探索のプロセスを、仰角方向についても繰り返し
行う。上述した事項及び上式(1)にしたがって、受信
信号レベルは、次式(5)に示す二次方程式によって表
すことができる。なお、次式(5)におけるL(ε)
は、受信信号レベルを示し、εは、実際のアンテナ40
の仰角を示しており、また、係数c0,c1,c2は、
仰角について二次方程式を定義するものである。最大受
信信号レベルに対応するアンテナ仰角εpkにおいて
は、傾きdL(ε)/dεが"0"となる。したがって、
最大受信信号レベルを与える仰角は、次式(6)で表さ
れる。
ク仰角εpkまで仰角方向に移動するように制御され
る。このときも実際に移動される仰角は、アンテナ駆動
部による仰角についての分解能及び最小インクリメント
によって制限される。
角εpkが、アンテナ駆動部に固有の制限による精度よ
りも高精度をもって、アンテナ40から実際の衛星50
の位置までの方向を予測することができることは、強調
されるべき事項である。
3ポイントピーク法のアルゴリズムを用いて、任意の時
刻t0でのアンテナ40から衛星50の実際の位置まで
の方位角α0及び仰角ε0を決定する。ここで、一般に
は、この時刻t0よりも後の時刻における衛星50の運
動は、アンテナ40のRF軸42と、アンテナ40と衛
星50との間のパスとの間の角度を増加させる。
星50の運動は、上式(1)によって与えられた量G
(θ)だけアンテナ40の利得を低下させる。したがっ
て、3ポイントピーク法を用いて、アンテナ40と衛星
50との間のパスに沿うようにRF軸42を再度調整す
ることは望ましい。このことは、ある時刻t1でのアン
テナ40から衛星50の実際の位置までの第2の方位角
α1及び仰角ε1を生み出す。
下量G(θ)が適用可能である状態であれば、後の時刻
における衛星50の運動は、十分に小さいといえる。し
たがって、適切な所定時間が経過した後、3ポイントピ
ーク法を用いて、アンテナ40と衛星50との間のパス
に沿うようにRF軸42を再度調整することは望まし
い。この処理は、ある時刻t1でのアンテナ40から衛
星50の実際の位置までの第2の方位角α1及び仰角ε
1を生み出す。
間積分された受信信号の平均レベルが、衛星50の運動
の結果として、例えば0.3dBといった所定の閾値ま
で低下した場合や、前回調整を行った時点から、例えば
3時間といった所定の間隔以上だけ経過した場合には、
いつでも、3ポイントピーク法を用いて、アンテナ40
と衛星50との間のパスに沿うようにRF軸42を再度
調整する。このような調整処理のそれぞれは、対応する
時刻tiでのアンテナ40から衛星50の実際の位置ま
での方位角αi及び仰角εiについて、独立した結果を
与える。
動は、1恒星日の周期を有することから、時刻t0での
アンテナ40の位置を示す方位角α0及び仰角ε0と、
時刻t0よりも後の時刻t1でのアンテナ40の位置を
示す方位角α1及び仰角ε1とについての情報が、時刻
t1よりも後の時刻tでのアンテナ40の位置を示す方
位角α及び仰角εを予測するのに用いることができるの
は明らかである。
跡法の利点について図面を参照しながら説明する。
ε/dtは、過去に測定した2組のアンテナ位置を示す
方位角α0及び仰角ε0、並びに方位角α1及び仰角ε
1と、これらに対応する時刻t0,t1とから直ちに算
出される。時刻t1よりも後の時刻tでの方位角α及び
仰角εは、この算出された方位角変化率dα/dt及び
仰角変化率dε/dtを用いて算出される。
は、算出された位置が実際の位置と異なる場合にはいつ
でも、アンテナ駆動部による方位角及び仰角についての
分解能及び最小インクリメントのそれぞれの精度にした
がって決定される量だけ、算出された方位角α及び仰角
εに移動するように制御される。
角及び仰角において線形でなく且つこれらの座標値が時
間的に同じでないことから、上述したような線形的な補
外に基づいて方位角α及び仰角εを算出する場合には、
アンテナ40のRF軸42と、アンテナ40と衛星50
との間のパスとの間の角度は、結果的に増加することに
なる。
えられる利得の低下量G(θ)だけ受信信号レベルを低
下させる。この受信信号レベルの低下量は、時刻t1よ
りも後の時刻t2になると、例えば0.3dBといった
所定の閾値よりも大きくなり、また、アンテナ40のR
F軸42と、アンテナ40と衛星50との間のパスとの
間の角度の隔たりは、3ポイントピーク法を用いること
によって減少する。時刻t2での新しいアンテナ40の
位置は、方位角α2及び仰角ε2となる。
ら時刻t2までの間で、アンテナ40は、適応性のある
連続的ステップ追跡法によって算出されるような線形的
に補外された位置にしたがってのみ、方位角方向及び仰
角方向へと移動するように要求される。なお、受信信号
レベルは、この処理の間はいつでも、所定の閾値以上に
低下することはない。
テナ40の位置は、時刻t1から時刻t2までの間での
アンテナ40の位置に基づく線形的な補外によって算出
される。このとき、時刻t0でのアンテナ40の位置を
示す方位角α0及び仰角ε0についての情報は、要求さ
れることはなく破棄される。
2では、時刻t1でのアンテナ40の位置を示す方位角
α1及び仰角ε1が、時刻t0での方位角α0及び仰角
ε0として取り扱われ、同様に、時刻t2での方位角α
2及び仰角ε2が、時刻t1での方位角α1及び仰角ε
1として取り扱われる。
テップ追跡法は、一連の線形的な補外により、アンテナ
40から観測される衛星50の実際の見かけの運動を近
似するものといえる。衛星追跡装置10においては、個
々の線形的な補外を、3ポイントピーク法によって得ら
れる前2時刻でのアンテナ40の位置を示す方位角α及
び仰角εに基づいて行う。このような個々の線形的な補
外は、実際の見かけの衛星50までのパスについて十分
によい近似を与え、アンテナ40から衛星50までのパ
スに沿うように調整すべきRF軸42を誤った位置に調
整してしまうことによって閾値以上に受信信号レベルが
低下することはない。
は、地球を中心とした球状座標系で衛星位置を時間の関
数として表す単純な方程式を用いて算出される。
で得られたアンテナ40の位置を示す方位角αi及び仰
角εiのテーブルを与える。このテーブル中のエントリ
ー数は、適応性のある連続的ステップ追跡法を用いるこ
とによって実質的に減少される。
値を用いて表現するように、アンテナ40の位置が合理
的な精度で知られているものと仮定する。
すると、地球中心から当該衛星50までの距離は、合理
的な精度で求めることができる。そこで、衛星追跡装置
10においては、アンテナ40の各位置を示す方位角α
i及び仰角εiを、それぞれ、座標変換部(FCT)2
3によって地球を中心とした球状座標系へと変換し、対
応する時刻tiでの地球を中心とした球状座標系におけ
る値θi,φiを格納するテーブル27を得る。
ついては、当該衛星の位置は、次式(7)乃至次式
(9)に示す3つの方程式により、相当な精度をもって
地球を中心とした球状座標(ρ,θ,φ)で表すことが
できる。
eccは、離心率を示し、上式(8)及び上式(9)に
おけるincは、傾角(単位はラジアン)を示し、上式
(7)におけるaは、衛星軌道の半長軸(6.6100
6*地球半径)を示し、上式(7)及び上式(8)にお
けるωは、近地点の偏角(単位はラジアン)を示してい
る。また、上式(7)乃至上式(9)におけるκは、
(2*π)/86164.09であり、上式(7)乃至
上式(9)におけるtは、昇交点からの時間を示し、上
式(8)におけるθ0は、θにおけるオフセットを示
し、上式(9)におけるφ0は、φにおけるオフセット
を示している。さらに、時間の始点が不明であることか
ら、時間tは、t=tc−t0となる。ここで、t
cは、時計時刻を示し、t0は、所定の初期時刻であ
る。
の作表される値θi,φiを最小二乗の意味で最も良く
記述する上式(7)乃至上式(9)における係数を決定
する。上式(7)乃至上式(9)に示す値ρ,θ,φの
周期性は、1恒星日(86164.09秒)であること
から、テーブル27が1恒星日の十分な分数の時間だけ
値を格納するまで、係数を決定することができない。一
般性を失わないで、衛星追跡装置10においては、最低
6時間にわたって値θi,φiが得られると仮定する。
1)21は、上述したように、任意の時間で3ポイント
ピーク法を適用するか、又は適応性のある連続的ステッ
プ追跡法によって与えられることによって作表される値
φi,tiを上式(9)に適用し、最小二乗法を用いた
演算を行い、衛星50の傾角inc、初期時刻t0、及
びオフセットφ0を決定する。
フセットφ0を決定することにより、上式(8)におけ
る第2項は、各時刻tiについて算出される。その後、
第2の係数処理アプリケーション(CPA2)22は、
任意の時間で3ポイントピーク法を適用するか、又は適
応性のある連続的ステップ追跡法によって与えられるこ
とによって作表される値φi,tiを、上述したように
修正された上式(9)に適用し、最小二乗法を用いた演
算を行い、衛星50の離心率ecc、近地点の偏角ω、
及びオフセットθ0を決定する。
パラメータ(inc,ecc,ω,ti)及び2つのオ
フセット(θ0,φ0)が決定されると、衛星50の地球
を中心とした座標値が、任意の時計時刻tcについて算
出される。その後、衛星追跡装置10においては、これ
らの座標値が、逆座標変換部(ICT)24によって任
意の地球上の位置から観測される衛星50の一地点の座
標値α,εに変換される。
ンテナ40の位置へと変換することは、特に、時間的に
衛星50への方向が変化するのにともない、アンテナ4
0から衛星50までのパスに沿うようにRF軸42を位
置させたままとする手段を与えるものである。
いかなる地球上の一地点の座標値α,εを得るために変
換される。そのため、衛星50が時間的に移動するよう
に見えるとき、この第2の位置から衛星50までのパス
に沿うようにRF軸42を位置させたままとする手段が
与えられる。
うようにするRF軸42の調整は、数時間おき又は所望
の時間おきに3ポイントピーク法を起動することによっ
てテストされ、おそらくはこのテストによって改善され
る。衛星追跡装置10においては、上述したように、こ
の時間tnでのアンテナ40の位置を示す方位角αn及
び仰角εnが、地球を中心とした球状座標系での値
θn,φnに変換され、値θ,φ,tを格納するテーブ
ル27に追記される。なお、テーブル27のサイズは、
現在時間tnよりも前の所定の時刻よりも早く得られた
テーブル要素を破棄することによって小さくすることが
できる。衛星追跡装置10においては、このテーブル2
7内に保持された要素のタイムスパンを数日に選択する
ことが適切である。
するための処理中に課された太陽や月の重力による影
響、当該衛星50に設けられたソーラーパネルに対する
放射圧力による影響、並びに運動量の変化に起因して、
時間的に徐々に変化する。上述した軌道追跡法及び3ポ
イントピーク法の適用によって決定される軌道要素は、
これらの影響に対応するために徐々に自動的に修正され
る。
方位角α及び/又は仰角εを変化させるための軸角度分
解器が正確に初期化された場合には、オフセットφ
0は、"0"となる。この事実は、衛星50の軌道平面が
地球中心を含んでいるという見解から導出される。した
がって、上述した軌道追跡法は、軸角度分解器の初期化
エラーを相当に許容することができるものであるが、オ
フセットφ0が"0"でないことは、方位角α及び仰角ε
のうちの一方又は両方についての軸角度分解器の初期化
をやり直すべきであるという有用な指示を与える。な
お、オフセットθ0は、その定義により、衛星50の経
度を表すものである。
て行われる上述した3ポイントピーク法の具体例につい
て、図2乃至図5を用いて説明する。ここでは、衛星5
0が、西経80.9°に位置し、さらに、傾角が"2.
8°"であり且つ離心率が適度な"0.00034"であ
るものとして説明する。また、アンテナ40は、3dB
ビーム幅が"0.22°"であり、北緯33°及び西経9
6.6°に位置するものとして説明する。さらに、アン
テナ40は、"0.01°"の精度で、方位角方向及び仰
角方向の両方について移動することができるものとす
る。
ーブ44の正確な表現を含むシミュレーション・プログ
ラムによって規定される。受信信号は、加法的白色ガウ
ス雑音(Additive White Gaussian Noise;以下、AW
GNという。)を含んでいるものとする。また、シミュ
レーションでの受信C/N(Carrier to Noise Ratio)
は、典型的な衛星50及びアンテナ40で通常予想され
るC/Nよりも低い。
示すような連続曲線としてプロットされる。
セスを適用する前後における時間に対する受信信号レベ
ルとアンテナ40の方位角との関係を示し、図4は、3
ポイントピーク法のプロセスを適用する前後における時
間に対する受信信号レベルとアンテナ40の仰角との関
係を示している。
2中最初の黒丸に示すように、"981分50秒"の時間
で開始され、受信信号レベルは、10秒間測定される。
現在の方位角"151.92°"についての平均受信信号
レベルは、"982分00秒"で有効となる。3ポイント
ピーク法によって求められる方位角は、上述したステッ
プ・サイズ25にしたがって"151.89°"まで減少
される。
れる。新しい方位角についての平均受信信号レベル
は、"982分10秒"で有効となる。ここでは、この第
2の平均受信信号レベルが先の第1の平均受信信号レベ
ル未満であることから、アンテナ40の方位角は、同図
中破線で示すように、ステップ・サイズ25の2倍の量
だけ増加され、"151.95°"となる。
均受信信号レベル(第3の平均受信信号レベル)は、次
の10秒後の時間である"982分20秒"で有効とな
る。ここでは、平均受信信号レベルが増加したことか
ら、アンテナ40の方位角は、ステップ・サイズ25に
したがって、さらに"151.98°"まで増加される。
いての平均受信信号レベル(第4の平均受信信号レベ
ル)は、次の10秒後の時間である"982分30秒"で
有効となる。ここでは、平均受信信号レベルが低下した
ことから、2つの10秒間の平均受信信号レベル、すな
わち、第3の平均受信信号レベルと交叉する第1の平均
受信信号レベル及び第4の平均受信信号レベルが存在す
ることになる。したがって、3ポイントピーク法のアル
ゴリズムにおいては、これら第1の平均受信信号レベ
ル、第3の平均受信信号レベル、及び第4の平均受信信
号レベルが保持され、第2の平均受信信号レベル及びこ
れに対応する方位角は無視される。
ムにおいては、3つの保持された平均受信信号レベルを
全て含んでいる方位角についての二次方程式の係数が算
出される。この二次方程式によって定義される軌跡点
は、図3に示す曲線として描かれる。なお、同図は、黒
丸で示す各方位角についての平均受信信号レベルを二次
曲線にフィットさせた結果を示しており、算出した4つ
の10秒間の平均受信信号レベルは、全て同図中黒丸と
してプロットされている。ここで、同図において、方位
角"151.89°"についてのプロット、すなわち、第
2の平均受信信号レベルは、二次曲線に対するフィット
には用いられていない。このような二次曲線を示す方程
式から、ピーク方位角αpkは、"151.949°"で
あると算出される。
0は、算出されたピーク方位角αp k(=151.94
9°)に可能な限り近い位置である"151.95°"の
方位角に移動される。また、3ポイントピーク法のアル
ゴリズムは、図4に示すように、仰角についても繰り返
され、同様に3つの10秒間の平均受信信号レベルのみ
がピーク仰角を算出するために要求される。そして、3
ポイントピーク法のアルゴリズムにおいては、3つの保
持された平均受信信号レベルを全て含んでいる仰角につ
いての二次方程式の係数が算出される。この二次方程式
によって定義される軌跡点は、図5に示す曲線として描
かれる。したがって、ピーク仰角εpkは、このような
二次曲線を示す方程式から、"48.914°"であると
算出される。この結果に基づいて、その後、アンテナ4
0は、算出されたピーク仰角εp k(=48.914
°)に可能な限り近い位置である"48.91°"の方位
角に移動される。この例においては、3ポイントピーク
法によるプロセス全体に要した時間は、70秒であっ
た。
トピーク法のアルゴリズムにより、RF軸42の方位角
及び仰角を、それぞれ、"151.949°"及び"4
8.914°"と決定され、アンテナ40は、最大限に
可能な精度で、"151.95°"及び"48.91°"の
方位角及び仰角にそれぞれ移動される。
体例]
る上述した適応性のある連続的ステップ追跡法の具体例
について、図6乃至図8を用いて説明する。ここでも、
衛星50が、西経80.9°に位置し、さらに、傾角
が"2.8°"であり且つ離心率が適度な"0.0003
4"であるものとして説明する。また、アンテナ40
は、3dBビーム幅が"0.22°"であり、北緯33°
及び西経96.6°に位置するものとして説明する。さ
らに、アンテナ40は、"0.01°"の精度で、方位角
方向及び仰角方向の両方について移動することができる
ものとする。
ーブ44の正確な表現を含むシミュレーション・プログ
ラムによって規定される。受信信号は、AWGNを含ん
でいるものとする。また、シミュレーションでの受信C
/Nは、典型的な衛星50及びアンテナ40で通常予想
されるC/Nよりも低い。
ついて説明するために、図6に、衛星50について最初
の30分間追跡している間に測定した時間に対する受信
信号レベル(同図中実線)と、同じく時間に対する1分
間の平均受信信号レベル(同図中太実線)と、同じく時間
に対する衛星50の方位角(同図中破線)と、同じく時間
に対するアンテナ40の方位角(同図中一点鎖線)とを示
している。また、図7には、衛星50について最初の3
0分間追跡している間に測定した時間に対する受信信号
レベル(同図中実線)と、同じく時間に対する1分間の
平均受信信号レベル(同図中太実線)と、同じく時間に対
する衛星50の仰角(同図中破線)と、同じく時間に対す
るアンテナ40の仰角(同図中一点鎖線)とを示してい
る。アンテナ40は、方位角及び仰角について、それぞ
れ、これら図6及び図7中黒丸で示すプロットでピーク
をとる。そして、適応性のある連続的ステップ追跡法に
よって補外されるアンテナ40の移動は、図8に示すよ
うに、一連の直線運動として表される。なお、同図中白
丸で示すプロットは、各3ポイントピーク法によるプロ
セス直後に求められたアンテナ40の位置を示してい
る。
2は、最初に、駆動コントローラ35の分解能(0.0
1°)によって制限された精度をもって、アンテナ40
から衛星50までのパスに沿うように調整される。な
お、ここでは、"300分"の時に初期化が行われてい
る。
から、後に生じるおそれがある当該衛星50のいかなる
運動も把握することはできない。したがって、アンテナ
40は、方位角及び仰角とも静止された状態に保たれ
る。
7に示すように、1分間の平均受信信号レベルを数分間
のうちに0.6dBだけ低下させつつ、十分に速い速度
で移動する。アンテナ40のRF軸42は、3ポイント
ピーク法を適用することにより、駆動コントローラ35
で可能な精度をもって、衛星50に沿うように調整され
る。なお、受信信号レベル及びアンテナ40の位置は、
3ポイントピーク法の適用中は示されない。
40の位置は、所定の時間間隔だけ隔たれた2時刻、こ
こでは約6分だけ隔たれた2時刻について周知となる。
そこで、適応性のある連続的ステップ追跡法において
は、方位角変化率dα/dt及び仰角変化率dε/dt
が算出され、その後、1分毎に、補外された方位角及び
仰角が算出される。そして、アンテナ40は、図6及び
図7中一点鎖線で示すように、駆動コントローラ35で
可能な精度をもって、算出された方位角及び仰角に移動
される。
したように、方位角及び仰角において線形でなく且つこ
れらの座標値が時間的に同じでないことから、アンテナ
40のRF軸42と、アンテナ40と衛星50との間の
パスとの間の角度は、増加することになる。そのため、
この例において、1分間の平均受信レベルは、図6及び
図7中太実線で示すように、前回ピークに達した時間か
ら約13分後である"約318分"までに、0.6dBだ
け低下する。そこで、再度、駆動コントローラ35で可
能な精度をもって、アンテナ40と衛星50との間のパ
スに沿うようにRF軸42を調整するために、3ポイン
トピーク法が適用される。
法においては、時間が"約305分"である時と"約31
8分"である時とに得られたアンテナ40のピーク位置
に基づいて、方位角変化率dα/dt及び仰角変化率d
ε/dtが算出される。そして、適応性のある連続的ス
テップ追跡法においては、前回のピーク方位角及びピー
ク仰角の値が破棄され、その後、1分毎に、補外された
方位角及び仰角が算出される。そして、アンテナ40
は、図6及び図7中一点鎖線で示すように、駆動コント
ローラ35で可能な精度をもって、算出された方位角及
び仰角に移動される。
変化率dε/dtは、13分という前回よりも長い時間
インクリメントをもって算出されたものであることか
ら、その精度は高いことが予想される。その結果、算出
されたアンテナ40の位置は、より長い時間にわたっ
て、衛星50に沿うように保たれる。この例において
は、時間が2時間以上経過するまで、再度アンテナ40
のピーク位置を求める処理を行う必要はない。
変化率が減少して符号が逆になるまで、方位角及び仰角
についてアンテナ40のピーク位置を求める処理を連続
的に行う期間は減少する。このシミュレーションは、適
応性のある連続的ステップ追跡法が一連の線形的な補外
によって衛星運動を近似し続けるものであることを示し
ている。
る上述した軌道追跡法の具体例について、図9及び図1
0を用いて説明する。ここでは、衛星50が、傾角が"
3.0°"であり且つ離心率が適度な"0.00040"
であるものとして説明する。また、アンテナ40は、3
dBビーム幅が0.22°であり、北緯33°及び西経
96.6°に位置するものとして説明する。さらに、ア
ンテナ40は、0.01°の精度で、方位角方向及び仰
角方向の両方について移動することができるものとす
る。
ーブ44の正確な表現を含むシミュレーション・プログ
ラムによって規定される。受信信号は、AWGNを含ん
でいるものとする。
図9に、衛星50の軌道追跡にしたがって適応性のある
連続的ステップ追跡法を用いて2日間測定した時間に対
する受信信号レベル(同図中実線)とアンテナ40の方
位角(同図中破線)とを示している。また、図10には、
衛星50の軌道追跡にしたがって適応性のある連続的ス
テップ追跡法を用いて2日間測定した時間に対する受信
信号レベル(同図中実線)とアンテナ40の仰角(同図
中破線)とを示している。
40における最初に3ポイントピーク法を用いて、アン
テナ40から衛星50までのパスに沿うように調整され
る。なお、ここでは、"345.0日"の時に初期化が行
われている。
は、十分に低下することから、アンテナ40のRF軸4
2は、衛星50へのパスに沿うように再度調整される。
この2回目のピーク算出完了後には、アンテナ40の位
置は、適応性のある連続的ステップ追跡法にしたがって
所定の時間間隔だけ隔たれた2時刻について周知とな
り、方位角変化率dα/dt及び仰角変化率dε/dt
が算出され、1分毎に、補外された方位角及び仰角が算
出される。そして、アンテナ40は、図9及び図10中
一点鎖線で示すように、駆動コントローラ35で可能な
精度をもって、算出された方位角及び仰角に移動され
る。
するが、適応性のある連続的ステップ追跡法において
は、3ポイントピーク法によってアンテナ40のRF軸
42が衛星50までのパスに沿って再度調整されるよう
に要求する。
向が両方とも周知であることから、3ポイントピーク法
によって得られるアンテナ40の方位角及び仰角の各対
の値は、座標変換部23によって地球を中心とした球状
座標系での値θ,φに変換される。そして、テーブル2
7は、軌道追跡法によって要求され、値θ,φ、及び時
間を格納することによって作成される。
(0.15日)にわたって測定された少なくとも6対の
値θ,φが、テーブル27に格納されるまで、適応性の
ある連続的ステップ追跡法によって決定される。
とアンテナ40のビーム幅は、最初の6時間(0.15
日)以内に6対以上の値θ,φが得られるようなものと
される。後の全てのアンテナ40の位置は、軌道追跡法
によって決定される。
2は、軌道追跡法により、3時間(0.125日)毎
に、当該アンテナ40から衛星50までのパスに沿うよ
うに調整される。算出された値θ,φは、テーブル27
に追記され、予測された軌道パラメータをより正確なも
のとするために用いられる。なお、アンテナ40をピー
ク位置にする各時間、並びにその結果得られるピーク方
位角及びピーク仰角は、図9及び図10中白丸で示して
いる。
5日)間で決定された軌道要素が、アンテナ50から衛
星50までのパスに沿うように調整すべきRF軸42を
誤った位置に調整してしまう事態を徐々に増加させる結
果を招来することは明らかである。したがって、3ポイ
ントピーク法を、シミュレーションの開始から約16時
間(345.65日)行うことは、2日間にわたるシミ
ュレーションの残りの時間について、RF軸42が、ア
ンテナ40から衛星50までのパスに沿って調整された
状態を保つように、軌道要素をより正確なものへとす
る。
として示す衛星追跡装置10は、従来の技術に対して多
くの利点を提示するものである。すなわち、衛星追跡装
置10においては、3ポイントピーク法を用いてアンテ
ナ40をピーク位置にすることから、従来のステップ追
跡法を用いた場合に比べ、アンテナ40を移動させるた
めの指令回数を少なくすることができる。また、3ポイ
ントピーク法は、アンテナパターンのピークに近い小さ
な運動に起因して生じる受信信号レベルの非常に小さな
変動にも依存しないことから、衛星追跡装置10は、大
気の揺らぎ(シンチレーション)や降水による減衰に起
因して信号変動がある場合に対して本質的に強健であ
る。
み駆動させる駆動コントローラ35を用いて全ての測定
を行うことができるように、一方のピークから他方のピ
ークまで所定のステップ・サイズで移動される。駆動コ
ントローラ35の負荷は、全てのデータ点を得る間に
は、通常、同じ方向に作用することから、そのバックラ
ッシュは、3ポイントピーク法のプロセス中に除去され
る。同様に、分解器へのカップリング中のトーションや
軸角度分解器ベアリングからの負荷に帰着する軸角度分
解器の出力エラーは、常に、算出されたピーク位置に同
じ徴候として含まれる。
解器の分解能や駆動コントローラ35で可能なアンテナ
移動の最小インクリメントによって可能な精度よりも高
精度をもって、RF軸42の方向を決定することができ
る。
出力がアンテナ40の3dBビーム幅の適切な分数に関
する位置の1価関数である場合には、当該アンテナ40
は、当該アンテナ40の位置、軸角度分解器を初期化す
る際に生じる大きなエラーを含む任意のエラー、及び軸
角度分解器からの出力の任意の非線形にかかわらずピー
ク位置をとることができる。
は、従来の手法に対していくつかの利点を有する。すな
わち、適応性のある連続的ステップ追跡法は、適切な受
信信号レベルを維持するために要求される、アンテナ4
0と衛星50との間のパスに沿うようにRF軸42を調
整する回数を、著しく減少することができる。これは、
有意の傾角や離心率を備えた衛星を追跡する大きなアン
テナに対して特に有効である。
星が最も速く移動するように見えるときには、時間的に
ほとんど線形である。従来の技術においては、これらの
期間、アンテナを再度ピーク位置にする処理を頻繁に行
う必要がある。これに対して、適応性のある連続的ステ
ップ追跡法は、このピーク位置を求める処理のほとんど
を除去することができ、アンテナ40を、駆動コントロ
ーラ35の精度をもって方位角及び仰角について移動さ
せることができる。
れぞれ、毎日2回だけ反対となることから、アンテナを
移動させるリクエストは、当該アンテナをピーク位置に
する場合を除いて、ほとんど前回のリクエストと同じ方
向へと生じることになる。これは、アンテナを駆動させ
て位置付けるシステムに対するストレスや磨耗を非常に
低下させることである。一般に、出力が方位角及び仰角
についての衛星運動範囲に関する位置の1価関数である
場合には、適応性のある連続的ステップ追跡法は、アン
テナ40の位置、軸角度分解器を初期化する際に生じる
大きなエラーを含む任意のエラー、及び軸角度分解器か
らの出力の任意の非線形にかかわらず有効である。
的ステップ追跡法によって与えられる利点に加え、軌道
追跡法は、さらに追跡精度を向上させ、適切な受信信号
レベルを維持するために要求される、アンテナ40と衛
星50との間のパスに沿うようにRF軸42を調整する
回数を減少することができる。軌道追跡法においては、
必要に応じて、降水による減衰がある間や過度のシンチ
レーションが活発である間は、再度アンテナをピーク位
置にする処理を行わないようにしてもよい。
を算出し、ケプラーの法則にしたがってアンテナ40を
移動させる。そして、軌道追跡法は、太陽や月の重力の
ような様々な外部力や、宇宙ステーションを維持する活
動に起因する軌道の変更の影響を含めるために、自動的
に衛星の軌道要素を改訂することができる。
述したオフセットφ0は、軸角度分解器が初期化された
際の精度を示すことから、軸角度分解器の初期化を再実
行する必要性の有無を判断する指針として用いることが
できる。また、軌道追跡法によって与えられる上述した
オフセットθ0は、衛星50の経度と等価である。
ピーク位置を求めることなく、多くの日数の間、当該ア
ンテナ40を衛星50に沿った位置に保つことができ
る。また、軌道追跡法は、アンテナ40の位置から地球
上の他の位置へと追跡データを移す能力を提供すること
ができる。軌道追跡法は、出力が方位角及び仰角につい
ての衛星運動範囲に関する位置の1価関数であり、エラ
ーがアンテナ40から観測される衛星50のパスを不当
に歪めない場合には、軸角度分解器初期化における適度
なエラー、及び軸角度分解器からの出力の任意の非線形
にかかわらず有効である。
例示する目的で、衛星を追跡するための特定の具体例と
しての方法及び装置について説明したが、本発明は、上
述した実施の形態に限定されるものではなく、開示され
た本発明の基本的な根本原理の範囲内に属する全ての改
良、バリエーション、等価物を包含するものであり、そ
の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることは
いうまでもない。
かる衛星追跡方法及び衛星追跡装置は、アンテナを移動
させるための指令回数を少なくして駆動システムや操作
者の負担を軽減することができ、また、大気の揺らぎや
降水による減衰に起因して信号変動がある場合にも、高
い信頼度で信号ソースを含む衛星の追跡を行うことがで
きる。
構成を説明するブロック図であって、地球静止軌道にあ
る衛星を追跡するために基地局アンテナの位置を制御す
る衛星追跡装置の構成を説明するブロック図である。
法を用いたときの基地局アンテナの方位角についての典
型的な運動例を説明する図であって、3ポイントピーク
法のアルゴリズム実行前、実行中、及び実行後における
受信信号のレベル及びアンテナ方位角の時間変化を説明
する図である。
を、同衛星追跡装置によって係数が与えられ、且つこれ
ら係数によってピーク方位角が与えられる二次方程式で
表される関数にフィットさせた結果を説明する図であ
る。
法を用いたときの基地局アンテナの仰角についての典型
的な運動例を説明する図であって、3ポイントピーク法
のアルゴリズム実行前、実行中、及び実行後における受
信信号のレベル及びアンテナ仰角の時間変化を説明する
図である。
を、同衛星追跡装置によって係数が与えられ、且つこれ
ら係数によってピーク仰角が与えられる二次方程式で表
される関数にフィットさせた結果を説明する図である。
的ステップ追跡法を用いたときの基地局アンテナの方位
角についての典型的な運動例を説明する図であって、受
信信号のレベル及びアンテナ方位角の時間変化を説明す
る図である。
的ステップ追跡法を用いたときの基地局アンテナの仰角
についての典型的な運動例を説明する図であって、受信
信号のレベル及びアンテナ仰角の時間変化を説明する図
である。
置による適応性のある連続的ステップ追跡法を用いて、
地球上の基地局におけるアンテナの方位角及び仰角につ
いての線形的に補外された運動を説明する図である。
きの方位角についての軌道追跡の様子を説明する図であ
って、受信信号のレベル及びアンテナ方位角の時間変化
を説明する図である。
ときの仰角についての軌道追跡の様子を説明する図であ
って、受信信号のレベル及びアンテナ仰角の時間変化を
説明する図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 所定のビーム幅のアンテナを用いて、信
号ソースを追跡する衛星追跡方法であって、 少なくとも3つ以上の所定の測定角度を通る単一平面内
で、上記アンテナのRF軸を回転させる工程と、 各角度位置での信号レベルを測定する工程と、 第1の角度位置で測定された第1の信号レベル及び第3
の角度位置で測定された第3の信号レベルの両方より
も、第2の角度位置で測定された第2の信号レベルが大
きいような3つの信号レベル、及び当該3つの信号レベ
ルのそれぞれに対応する角度位置を保持する工程と、 測定された信号を角度位置に関連付ける二次関数におけ
る1組の係数を決定する工程と、 上記二次関数の係数を用いて、上記信号ソースからの信
号レベルを最大にする角度位置を決定する工程と、 直交平面において各工程を繰り返し、上記信号ソースの
位置を提供する工程とを備えることを特徴とする衛星追
跡方法。 - 【請求項2】 上記RF軸を回転させる工程では、少な
くとも3つ以上の上記測定角度のうち第1の測定角度か
ら残りの測定角度まで単一の方向へ上記RF軸を回転さ
せることを特徴とする請求項1記載の衛星追跡方法。 - 【請求項3】 任意の時刻t0での第1の信号ソース位
置、及び時刻t1での第2の信号ソース位置を決定する
とともに、上記時刻t1よりも後の時刻t2での第3の
信号ソース位置を線形的な補外によって予測する工程を
備えることを特徴とする請求項1記載の衛星追跡方法。 - 【請求項4】 地球を中心とした球状座標系で上記信号
ソースの位置を時間の関数として表す1組の方程式を用
いて、後の信号ソースの位置を算出する工程を備えるこ
とを特徴とする請求項1記載の衛星追跡方法。 - 【請求項5】 上記信号ソースの位置についての各測定
結果を、一地点の座標系から地球を中心とした球状座標
系へと変換する工程を備えることを特徴とする請求項4
記載の衛星追跡方法。 - 【請求項6】 地球を中心とした球状座標系での上記信
号ソースの位置のテーブルを作成するテーブル作成工程
を備えることを特徴とする請求項4記載の衛星追跡方
法。 - 【請求項7】 最小二乗法を用いて、地球を中心とした
球状座標系で上記信号ソースの位置を時間の関数として
表す方程式の係数を決定する工程を備えることを特徴と
する請求項4記載の衛星追跡方法。 - 【請求項8】 所定のビーム幅のアンテナを用いて、信
号ソースを追跡する衛星追跡装置であって、 少なくとも3つ以上の所定の測定角度を通る単一平面内
で、上記アンテナのRF軸を回転させるように構成され
たアンテナ駆動手段と、 各角度位置での信号レベルを測定する手段と、 第1の角度位置で測定された第1の信号レベル及び第3
の角度位置で測定された第3の信号レベルの両方より
も、第2の角度位置で測定された第2の信号レベルが大
きいような3つの信号レベル、及び当該3つの信号レベ
ルのそれぞれに対応する角度位置を保持する手段と、 測定された信号を角度位置に関連付ける二次関数におけ
る1組の係数を決定する手段と、 上記二次関数の係数を用いて、上記信号ソースからの信
号レベルを最大にする角度位置を決定する手段と、 直交平面において各工程を繰り返し、上記信号ソースの
位置を提供する手段とを備えることを特徴とする衛星追
跡装置。
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